古澤頼子「彼女が白衣を脱いだなら」 (20)


頼子(天才ロボ少女、池袋晶葉。私の同僚であり、大切な友達です)

頼子(トレードマークは知的な眼鏡、大きなリボンとツインテール、そして白衣)

頼子「晶葉ちゃん……、どうして白衣を着ていないの……?」

晶葉「これか?今の私は天才じゃないからな」

頼子「晶葉ちゃんが天才じゃない……、体調悪いの……?まさか、インフルエンザ……!」

晶葉「別に高熱で変なことを言っているわけじゃないぞ」

頼子「じゃあ……、どうして……?」

晶葉「それはだな……」

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___________

モバP「晶葉、喜べ。ドラマの仕事が入ったぞ」

晶葉「おお!どんな役なんだ?」

モバP「例えるなら主人公のクラスメイトBだな」

晶葉「……なんか微妙だな」

モバP「そんなことはないぞ。間接的に主人公たちの恋を実らせるきっかけとなる」

晶葉「ほほう、悪くはないな。それでどんな設定なんだ?」

モバP「いたって普通の女子中学生という設定だ。難しくないだろ」

晶葉「普通の女子中学生……?」

モバP「……ごめん、晶葉には難しかったかもしれないな」

晶葉「いや、それでこそ挑戦のしがいがあるというものだ」

モバP「流石晶葉だな」


晶葉「へへん、そうだろう。もっと褒めていいんだぞ」

モバP「よっ、池袋一!」

晶葉「微妙だな……」

モバP「それで役作りは出来そうか?」

晶葉「普通の女子中学生だろ。そうだな、天才でなくなればいいんだな」

モバP「具体的にはどうするんだ?」

晶葉「しばらく私は白衣を脱ごうかな」

モバP「なるほど、それで頼むよ」

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晶葉「ということがあってだな。私も学校では白衣を脱ぐようにしているのだが、しばらく学校外でも着ないようにしようかと」

頼子「いっつも着てるもんね……。学校では着てないんだ……」

晶葉「私もアイドルになったからな。あまり目立たないように、いわば変装だな!」

頼子「偉い偉い……」

晶葉「はっはっは!そうだろう。ということで天才、池袋晶葉はしばらく休業だ。ロボも作らない」

頼子「真剣なんだね……」

晶葉「演技の幅を広げるいい機会だ。それでだな、頼子に聞きたいことがあるんだ」

頼子「なに……?」

晶葉「普通の女子中学生って普段なにをしているんだ?」



頼子「……」

晶葉「……」

頼子「……」

晶葉「……」

頼子「……美術館に行ったりしてるよ」

晶葉「いや、それは違うだろう」

頼子「あ……、中学生は図書館で美術品の本とか読んでるよ……」

晶葉「それは頼子だけじゃないか」

頼子「……ごめんなさい。私じゃ力になれないみたい……」



晶葉「他の人に聞いてみるか」

頼子「菜々さんとかは……?」

晶葉「……」

頼子「……」

晶葉「……一緒に普通の女子中学生を考えてくれるか」

頼子「……うん」

晶葉「……」

頼子「……」


……5分後

頼子「カラオケ……」

晶葉「え?」

頼子「普通の女子中学生はカラオケに行くと聞いたことがあるよ……」

晶葉「おお、流石に頼子だ!他にはなにかあるか?」

頼子「……」

晶葉「……」


……10分後

頼子「プリクラ……」

晶葉「え?」

頼子「普通の女子中学生はプリクラを撮ると聞いたことがあるよ……」

晶葉「じゃあカラオケに行って、そのあとプリクラを撮れば普通の女子中学生なんだな!」

頼子「うん……、多分そうだよ……!」

晶葉「ふむ、そうだな。重ね重ね申し訳ないのだがもう一つ頼子にお願いがある」

頼子「なに……?」

晶葉「今度のオフ、私と一緒に付き合ってほしい」

頼子「よろこんで……」


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晶葉「さて、カラオケに来たわけだが」

頼子「なにから歌おうか……」

晶葉「オフで来てるわけだし仕事を連想するものは避けたいな。普通の女子中学生とは離れてしまうからか」

頼子「私たちの曲とかはダメだね……。流行りの曲とかはどうかな……?」

晶葉「私たちもアイドルで芸能人だ。最近の曲事情には聡い」

頼子「あ……、前に共演した人の新曲だ……」

晶葉「おお、このアイドルの曲も最近人気あるのか」

頼子「……ダメだね」

晶葉「……ダメだな」

頼子「どうしてもお仕事に結び付いちゃうね……」




晶葉「これは……、好きな曲を歌うべきだな!」

頼子「うん……、そうだね……!」

晶葉「ということで頼子の歌う曲は私が入れてやろう。ほれ」

ソノトキソラカラー

頼子「最初に歌うのはきついような……」

晶葉「きついとは失礼な、ウサミンに言いつけるぞ!」

頼子「あぁ……、菜々さんごめんなさい……」

晶葉「歌う曲を探していたら目に入ってきて、これだと思ってな。景気付けに一発頼むぞ!」

頼子「えぇ……、ミミミン……ミミミン……ウーサミン」

晶葉「いきなりスイッチ入ったな。流石はプロだ!」

頼子「目的からどんどん離れていっているような……」



プルルルルル

頼子「はい……」

『お時間10分前でーす』

頼子「わかりました……」

ガチャ

頼子「晶葉ちゃん……、次の曲が最後かな……」

晶葉「もうそんな時間か、最後はなにを歌うべきか」

頼子「最後は晶葉ちゃんに歌ってほしい曲があるんだ……」

晶葉「お、なんだ?」



頼子「メルヘン∞メタモルフォーゼ……!」

晶葉「最初の意趣返しだな。いや、最後にこれはきつくないか?」

頼子「きついなんて菜々さんに失礼ですよ……!」

晶葉「あぁ、ウサミンごめんなさい」

ピッピッピッ ポーン

晶葉「夢と希望でみんなを癒せ♪」

頼子「おぉー……、流石はプロ……」


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晶葉「いやー、歌った歌った。楽しかった!」

頼子「そうだね……」

晶葉「次は……プリクラだな」

頼子「色々な機種があるね……、どれにする……?」

晶葉「う、うむ。難易度高そうだな……。お、このプリクラは美嘉がモデルしてるな。これにしよう」

頼子「そうだね……」


スキナシールデザインヲエランデネ

晶葉「なんか人数とかフレームとか色々選ぶものがあるんだな」

頼子「難しい……」

晶葉「撮るまでが長いぞ……」

マズハコガオノポーズ

晶葉「おぉ、ポーズまで指定されるのか」

頼子「これもお仕事を思い出すね……」

晶葉「まあ、いつもやってる仕事が豪勢なプリクラだと思えば」

頼子「大分贅沢だね……」


ツギハラクガキダヨ

晶葉「これが噂に聞く落書き」

頼子「二人で別れて出来るみたいだね……」

晶葉「ふむ、どちらがセンスあるか勝負だな」

頼子「負けないよ……」

晶葉「よし、出来たぞ!」

頼子「私も出来たよ……」

晶葉「おぉ、本当にシールになっているんだな」

頼子「あとで一緒にどこかに貼ろうね……」

晶葉「はは、名案だ!」



頼子「今日はどうだった……?」

晶葉「普通の女子中学生は意外と難しいことがわかったぞ」

頼子「これからも勉強だね……」

晶葉「そうだな、まだ撮影までに時間はある。完璧を目指さなくては」

頼子「そんな晶葉ちゃんにいいことを教えてあげる……。これさえ覚えればイマドキになれる魔法の言葉……」

晶葉「そんなものがあるのか!」

頼子「うん……、語尾にんごを付ければいいんだよ……。いや、いいんご……」

晶葉「そんな馬鹿な……。いや、最近デビューしたアイドルも都会で流行の言葉だとそれを使っていたんご」

頼子「おおー……、もうマスターしたんご」

晶葉「はっはっはっ、こんなもの、私なら楽勝だんご!」


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次の日

モバP「晶葉、頼子、おはよう」

晶葉「おはようんご」

モバP「……ん?」

頼子「おはようございますんご……」

モバP「えぇー。その語尾はどうしたよ」

晶葉「最近の流行の言葉だ!学んだんご」

頼子「一緒に勉強したんご……」

モバP「今すぐそれをやめなさい!」

以上で短いけれど終わりです。

毎月一本以上あきよりのSSを書いていこうと年始に決めていたらもう一月も終わりそうでした。

今年はあきよりを推していこうと思います。

あきよりはいいぞ!

昔書いたあきよりです。

頼子「晶葉ちゃんと過ごす秋」

頼子「晶葉ちゃんと過ごす秋」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447603668/)

晶葉「頼子とお月見」頼子「晶葉ちゃんとお月見」

晶葉「頼子とお月見」頼子「晶葉ちゃんとお月見」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443363349/)

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