古澤頼子「逆馬の友」 (14)
モバマスSSです。
二日ほど遅刻しました。
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~事務所~
古澤頼子「例えば、日本刀」
頼子「本来、人を斬るという野蛮な目的のために作られたものですが・・・」
頼子「鍛え抜かれた鋼の輝き」
頼子「研ぎ澄まされた刃の鋭さ」
頼子「焼き入れによる強靭な反り」
頼子「ただ、『斬る』という一点のみを極限まで追及した無駄のないその姿は・・・」
頼子「武器でありながら、美術品としての価値を持つほどの魅力を備えています」
原田美世「・・・」ウンウン
大和亜季「・・・」ウムウム
池袋晶葉「はーっはっはっはっ!!鬼はー外ー!!」ズドドドドド!!
向井拓海「うぉっ!?なんて弾幕だこりゃあ!!」
晶葉「どうだ?超リーグボールロボと自動掃除ロボを合体・改良した豆まきロボの性能は!!」
美世「車にもね、そういうところあるよ」
美世「どうやって人や荷物を、速く、遠く、快適に運ぶか」
美世「車という乗り物はずっとそれを追及してきたんだ」
美世「流体力学に基づいたボディライン」
美世「路面条件に合わせたタイヤやサスペンションの選択肢」
美世「パワー、スピード、トルク・・・全てを高次元で両立させるエンジン」
美世「特にその集大成であるスポーツカーやフォーミュラーカーは・・・」
美世「もはや芸術品の域だね」
頼子「・・・」コクコク
亜季「・・・」ウムウム
拓海「ちっくしょー!どこまで追っかけて来る気だ!」
晶葉「鬼の面を認識して自動追尾する機能も搭載してあるぞ!」
拓海「無駄にスゲェ技術使いやがって!」
亜季「銃にも、同じことが言えますなぁ」
亜季「争いの道具は、良くも悪くも当時の最先端の技術が投入されるものであります」
亜季「鍛造、冶金技術の向上に伴い耐久性は上がり小型化が進み」
亜季「コンピュータマシニングによる高い工作精度は信頼性と精密さの向上をもたらしました」
亜季「一つの部品に二つ以上の機能を兼ねさせるなど、設計面の合理化も抜かりはありません」
亜季「すなわち銃とは、工業技術の粋を集めた機能美の結晶であると言えますな」
頼子「・・・」コクコク
美世「・・・」ウンウン
拓海「まだ弾切れしねえのか!?」
晶葉「合体した自動掃除ロボが撒いた豆を即座に回収しているからな!撃ち放題だぞ!」
拓海「マジかよ!?このままじゃジリ貧だぜ!!」
亜季「つまり頼子殿はこう言いたいわけですな?」
亜季「美術品として作られたものではないにも関わらず、それと同等の価値を持つ工業製品も存在する・・・と」
頼子「はい」
頼子「事実・・・刀も、車も、銃も、両手で数えきれないほどの量が博物館に収蔵されています・・・」
頼子「歴史的な側面も含めて・・・ではありますが・・・」
美世「でも、現代で生産されたものだとさすがに博物館入りは厳しいよね?」
頼子「そうですね、昔と違って物と情報が溢れている時代ですから・・・」
頼子「それでも、博物館入りを目指すなら・・・」
亜季「ふーむ・・・目的を果たすための洗練されたフォルム、合理性と効率を追及した設計、さらに当時の最先端技術であるという厳しい条件をクリアし・・・」
頼子「その上で、歴史に影響を与えるほど革命的な物である必要があります」
頼子「でも、だからこそ・・・」
頼子「いつか、ロボットが博物館に飾られる日が来るのではないかと思うんです」
美世「おぉー!一理あるね!」
亜季「なるほど、確かにそれはあり得そうですな!」
拓海「節分だからって鬼が逃げるだけだと思ったら大間違いだぞオラァ!!反撃開始だ!!」
晶葉「フフッ、こんなこともあろうかと豆まきロボは白兵戦能力も強化してある!抜かりはない!!」
拓海「上等だぁ!!」
亜季「ですが・・・・・・」
亜季「晶葉殿のアレ、収蔵されますかね・・・?」
頼子「一応、条件は満たしています・・・よね・・・?」
美世「私はああいうの好きだよ」
拓海「亜季ッ!手ぇ貸してくれ!コイツは強敵だ!!」
亜季「おっ、援護の要請が来ましたか。では行って参ります!」
亜季「人呼んで鬼軍曹・大和亜季!進軍開始します!!」
晶葉「なにぃっ!?増援か!これは旗色が悪いな・・・」
美世「じゃあ私は晶葉ちゃんに付こうかな」
美世「晶葉ちゃん!高圧バッテリー持ってくるね!アレがあれば連射サイクルとパワーが格段に上がるはずだよ!」
晶葉「すまない、頼んだ!」
頼子(あ・・・乗り遅れてしまいましたね・・・)
頼子(じゃあ、私も晶葉ちゃんに付きましょうか・・・)
頼子「晶葉ちゃん、私も手伝ったほうがいいかな・・・?」
晶葉「おぉっ!来てくれたか!」
晶葉「頼子がいれば百人力だ!!」
頼子「ところでコレは・・・どうなったら勝ちなの・・・?」
晶葉「わからん!!」
頼子「えっ?」
拓海「こういうのはな、最後に立ってる奴が勝ちなんだよ!!」
亜季「さすが拓海殿!良いこと言いますなぁ!!」
頼子「えぇぇ~~・・・?」
村上巴「おぉっ!出入りか!?鉄火場か!?面白いことになっとるのぅ!うちも混ぜてくれぇや!」
市原仁奈「楽しそうでごぜーますね!仁奈もまぜやがれーです!!」
頼子(あ、あぁ・・・ど、どうしましょう・・・)
脇山珠美「晶葉殿、鬼退治ですか!珠美も加勢いたしますぞ!」
星輝子「ヒィィヤッハァァー!!鬼が来たりてヘヴィメタるって奴だぁっ!!!」
前川みく「えっ、メタル関係にゃくにゃい?」
頼子(どんどん収拾がつかないことに・・・)
クラエオラー!オニノキモチニナルデスヨ!オウジョウセイヤ!
セイバイイタス!ヒャッハー!マダイケルデアリマス!
バッテリートウチャク!ヨシ!イクゾ!!
ドカァーン!!!ニャンデミクマデー!
頼子「あ、あの、皆さん・・・もう少し控えめにしたほうが・・・」
「みなさ~ん、と~っても楽しそうですね~」
「著しい風紀の乱れを感じます」
『・・・ッ!!』ビクッ!!
千川ちひろ「イベントではしゃぎたい気持ちはわかりますが、ちょ~っと度が過ぎていませんか~?」ゴゴゴゴゴゴ
冴島清美「さて、反省文は何枚にしましょうか」ドドドドドド
ちひろ「!!!!!!」ガミガミガミガミ
清美「!!!!!!」ガミガミガミガミ
晶葉「・・・」ショボーン
拓海「・・・」ムスー
亜季「・・・」チョクリツフドウ
美世「・・・」ショボーン
頼子「・・・」ショボーン
巴「・・・」ショボーン
仁奈「・・・」ショボーン
珠美「・・・」ショボーン
輝子「・・・」ショボーン
みく「だ、だからにゃんでみくまで・・・」
清美「そこ!止めなかった人も同罪です!!」
みく「は~いにゃ~・・・」
亜季「連帯責任。軍隊では常識ですな」
清美「そこも!私語は慎みなさい!!」
亜季「イ、イエス・マム!!」
頼子(結局、皆一緒にたくさん叱られたあと・・・)
頼子(皆一緒に恵方巻を食べて、今年の節分は終わりました)
~数日後・晶葉のラボ~
晶葉「よし、完成だ!」
頼子「今度は何を作ったの・・・?」
晶葉「このあいだの豆まきロボを改良したのだ」
晶葉「先日叱られた原因は騒がしくしすぎたことだろう?」
晶葉「だからノイズキャンセリング機能を搭載し、静粛性を上げてみたのだ」
晶葉「もちろん基礎性能の底上げも忘れていないぞ!」
晶葉「フッフッフッ・・・来年の節分が楽しみだ!」
頼子「・・・晶葉ちゃんは相変わらず、ちょっとだけ斜めの方向に全力疾走するね」
晶葉「・・・ん?」
晶葉「それは褒めているのか?」
頼子「褒めて・・・・・・ないかなぁ・・・」
晶葉「ないのか!?」
頼子「さすがにちょっと懲りたほうがいいかも・・・」クスクス
晶葉「むぅ・・・頼子がそう言うのなら別の方向で改善策を模索するか」
晶葉「そうだ、頼子の方は完成したのか?また絵を描いているんだろう?」
頼子「うん、もうちょっと時間がかかりそう・・・」
頼子(いつの日か、彼女が作ったロボットが博物館に飾られたなら・・・)
頼子(その時の私は、隣に並ぶ価値がある何かを作り上げているでしょうか・・・?)
頼子「晶葉ちゃん」
晶葉「なんだ?」
頼子「いつか・・・また共演したいね」
晶葉「ああ、そうだな!」
晶葉「私と頼子の共演。ロボットと芸術の融合」
晶葉「きっと凄いものができるだろうな!」
頼子「フフッ・・・叶うといいね」
おわり
以上。
濃厚なあきよりを書きたかったはずがなぜこうなったのか手前にもわかりませぬ、はい。
ともあれ、池袋晶葉はトラブルメーカー可愛い、古澤頼子は博識可愛い。
それだけ伝われば十分だ。
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