もこっち「モテないし魚を見る」 (27)

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の二次創作です、よろしくおねがいします。

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???「...」ボケー


視線の先にはテレビが。

ソファを占領しながらも彼女はソレを見つめていた。

髪の長い少女、そんな彼女の隣には目元がそっくりな男性が1人。


もこっち「...お父さん、何見てるの?」


父「...釣り番組のはずだったが」


父「今日は特番でやってないみたいだ」


もこっち「...熱帯魚特集か」


休日の朝、いつもは釣り番組が放送されている。

しかし今日はその限りではなかった、特別に組まれたその番組。

彩りを極めた魚たちが特集されている、特に興味のない2人ですら釘付けに。


父「...」ジー


もこっち「...」ジー


静寂が訪れる、だがそれは苦痛を伴わない。

これが友人関係ならば気まずさを感じるかもしれない。

お互いを認識しあっているからこその静寂、これが親子関係。


父「...熱帯魚か」


もこっち「綺麗だね」


父「昔、飼おうとしたことがあったけど...お母さんに反対されたな」


もこっち「...維持費とかかかるからね」


父「そうだなぁ...金魚とは訳が違うからな」


もこっち「...」


父「そういえば、何駅か行った場所に熱帯魚専門店があったような」


もこっち「ふーん...」


彼女は魚なんかに興味などない。

だがテレビというモノは恐ろしかった。

人の心理を完璧に把握している、彼女の好奇心はもう既に。


もこっち「...見るだけならタダだし、ちょっと行ってこようかな」


父「...そうか、気をつけてな」


もこっち「それで、その店はどこにあるの?」


父「あぁ、それはな────」


~~~~


~~~~


もこっち「...」


──ガタンゴトンッ...!

電車特有の揺れる音。

ロングTシャツにジーンズ姿。

誰とも会うことを想定していないラフな格好。


もこっち(...お父さんの話なら次の駅で降りる感じだな)


もこっち(それにしても、1人になるのは久しぶりだ...)


もこっち(最近はゆりやネモたちと一緒に行動することが多かったからな...)


もこっち(1人って意外と退屈なんだな)


もこっち(...私はコレを、2年も貫いてきたのか)


もこっち(今思えば、昔は塞ぎ込んでたな...)


────シューッ...

その音は電車の床から聞こえた。

気づけば車内アナウンスは到着駅を告げている。

あまり降りたことのない駅、見慣れない土地がそこに。


もこっち(...ついた)


もこっち(お父さんが言うには、こっちの方向らしいけど...)


もこっち(...よくわかんねぇな、携帯で調べるか)スッ


もこっち「...」ジー


???「...あれ?」


駅のロータリーで携帯を凝視している。

すると、後ろの方からとある声が聞こえた。

その優しさと包容力が備わる声色の持ち主など、1人しかいない。


加藤さん「────黒木さん?」


もこっち「...へっ!? か、加藤さんっ!?」


加藤さん「おはよう、どうしてここに?」


もこっち「えっと...ちょっと用事で...か、加藤さんは?」


加藤さん「ここ、私の最寄り駅なんだー」


加藤さん「今日は予定がなくて、映画でも見に行こうかと思って」


もこっち「そ、そうなんだ...」


もこっち(加藤さんとバッタリかよ...こんなことならもうちょい気合入れた服で来ればよかった...)


加藤さん「それで、用事って?」


もこっち「え、えっとね────」


彼女は携帯を凝視していた理由を伝えた。

吃るもこっちの言葉を全て受け止めてくれるのが加藤さん。

だが今日は違う、ある1つの疑問がソレを阻害させてしまった。


加藤さん「...この近くに熱帯魚専門店なんてあるの?」


もこっち「もしかして、知らなかった?」


加藤さん「えぇ、長らく住んでるけど...全く知らなかったかな...」


もこっち「そうなんだ...でもまぁ携帯の地図アプリで調べればなんとかなると思う」スッ


もこっち「...」ジー


加藤さん「...」ジー


再び携帯を凝視する。

そして、隣には淡いパステルピンクの髪色の彼女が。

まるで彼氏の携帯を横から除くような仕草、なびく髪から良い香りが。


もこっち(うわっ、めっちゃいい香り...ってそれどころじゃねえ!)


もこっち「...載ってない」


加藤さん「載ってないね」


もこっち「ど、どうしよう...まさか地図にも記載されてないなんて...」


加藤さん「...」


加藤さん「...ねぇ、一緒に探そう?」


もこっち「え...で、でも...加藤さんは映画を見に...」


加藤さん「ううん、どうせ予定なしで出かけただけだし」


加藤さん「それに熱帯魚専門店...私も気になってきちゃったかな」


もこっち「...」


彼女は今までぼっちで過ごしてきた。

だからこそ、人1倍に他人の気遣いというモノに敏感。

この加藤さんという女性は、自分では答えを導き出せなかったことを。


もこっち(...たぶん場所を聞かれても答えられなかったから、気を使ってくれたんだな)


もこっち(なんか悪いことしたな...だけど、やっぱりこの人は"お母さん"だ)


もこっち(...なら、私に言えることは気を遣わせない言葉だな)


もこっち「か、加藤さんが良いなら...一緒に行こ?」


加藤さん「...えぇ!」


一緒に行こうという言葉。

それがどれだけ軽いモノなのか。

軽いからこそ、彼女に対して重みを残さずにいられる。


もこっち「大体の方角はお父さんから聞いてるんだよね」


もこっち「住宅街近くの貸しビルの1、2階に店舗を構えてるらしいんだ」


加藤さん「そうなんだ」


もこっち「じゃあ...行こっか」


加藤さん「えぇ」


昼前の町中を歩いていく。

知らない町並み、そして隣には美少女が。

様々な刺激が彼女の思考を鈍らせる、顕著なのは口元。


もこっち「...」スタスタ


加藤さん「...」スタスタ


もこっち(...やべ、誘ったはいいけどなにも話すことが浮かばない)


もこっち(ゆりとかお父さん相手とかなら...このまま無言で歩いていけるけど)


もこっち(かといってネモみたいにアニメの話題も無理だな...どうするか...)


加藤さん「黒木さん?」


もこっち「は、はい?」


加藤さん「そういえば、なんで熱帯魚を見に行くの?」


もこっち「えっと...それは朝っぱらに熱帯魚の番組を見て...」


加藤さん「そうなんだ、私も見ておけばよかったな」


もこっち「...あんまり魚に興味はないけど、ちょっと気になってね」


加藤さん「ふーん、飼ったりするの?」


もこっち「いや、飼わないかな...見に行くだけ」


もこっち「そもそもお父さんも昔飼おうとしたけど、お母さんに反対されたって言ってたしね」


加藤さん「そうなんだね」


もこっち「...」


加藤さん「...」


やはり会話は続かない、沈黙が苦痛を味合わせる。

彼女とは仲良くなったはずだけれどまだ足りない、築けていない。

あの物静かな子のように、あのアニメが好きな子のような交友関係を。


加藤さん「...」スタスタ


もこっち「...」スタスタ


もこっち(...仲良くなったつもりなんだけどな)


もこっち(...向こうから話しかけて貰わないと、会話ができない)


もこっち(ぼっちはぼっちで辛いが...コレもコレで辛いな...)


もこっち(...青学の時も、絵文字の奴がいなかったらこうなってたのか)


もこっち(せめて、なにか共有の話題があればな...)


もこっち「...」


加藤さん「...黒木さん?」


もこっち「へ...?」


加藤さん「もしかして、あれじゃない?」スッ


難しい顔で考え事をしていると。

加藤さんが指を向けた先には寂れた建物が。

心狭しと店先に並べられた水槽、そこには彩りの魚たちが。


もこっち「あ、本当だ...あれっぽい」


加藤さん「見つかってよかったね」


もこっち「うん...それじゃ、入ろうか」


加藤さん「えぇ」


鼻先に香るのは微かな生臭さ。

そして店内には頼りにならない申し訳程度の照明が。

客足はほぼ皆無、少し寂れた様子が逆に趣を感じさせた。


もこっち「お、おぉ...」


加藤さん「すごいね、一杯だね」


もこっち「うん...水槽だらけだね」


加藤さん「わぁー、この子凄い丸いね」


もこっち「あ、ポップに名前が書いてある..."ディスカス"だって」


加藤さん「ディスカスって言うんだ、なんかかっこいいね」


そこにいたのは、丸みを帯びた熱帯魚。

ディスク状の形をしているからその名がついた。

様々な彩りを備えた彼らは、水槽の中を悠然と泳いでいた。


もこっち(色合いがすげーな...目立ちすぎて野生じゃ生きていけねーんじゃねーか?)


もこっち「...なんか実際に見てみると、色合いが強いね」


加藤さん「...」ジー


もこっち「...加藤さん?」


加藤さん「...あ、ごめんなさい...ちょっと夢中になり過ぎてたみたい」


もこっち「あ、うん...ディスカスが気に入ったの?」


加藤さん「そうじゃないけど...すごいキラキラしててね」


もこっち(...加藤さんはキラキラしたモノが好きなんだろうか)


加藤さん「他の子も見に行こ?」


もこっち「そうだね...って、コイツは...」


加藤さん「..."インペリアルゼブラプレコ"?」


白と黒の彩りをしたその子。

掃除屋とも評されるプレコという種類。

そんなこの子は彼女らの視線も気にせずに水槽の底をゆったりと。


もこっち(...なんかもう技名みてーだな)


加藤さん「すごいね、こんな色の魚なんているんだ」


もこっち「うん...」


加藤さん「...」ジー


もこっち「...」ジー


加藤さん「...みてみてあの子、チョコレートみたい」


もこっち「え...本当だね、"チョコレートグラミー"だって」


加藤さん「...本当にチョコレートって名前なんだ」


もこっち「...あ、これは知ってる、"エンゼルフィッシュ"だ」


加藤さん「よく知ってるね、私は熱帯魚全然わからないや」


もこっち「へへへ...って、なんだアイツ?」


加藤さん「"モトロ"?」


話が盛り上がるわけでもない。

魚の名前を言い終わると、先程の道端のように沈黙が訪れる。

だがそれには苦痛が伴わない、魅力的な熱帯魚がソレを塗りつぶしてくれる。


もこっち「...」ジー


加藤さん「...」ジー


~~~~


~~~~


もこっち「...だいたい見終わったね」


加藤さん「そうだね、2時間も楽しめると思わなかったね」


加藤さん「...とっても楽しかったね」


もこっち「...へへへ」


もこっち(よかった...あんまり話さなかったけど、加藤さん的には楽しんでもらえたみたいだ)


加藤さん「それじゃ、帰ろっか」


もこっち「う、うん」


暗い店内に目が慣れたのか。

出口から差し込む光がやけに鋭かった。

だからこそ、彩りに敏感な瞳がある1匹の魚に気を取られた。


加藤さん「────あれ...」ピタッ


もこっち「...加藤さん?」


加藤さん「この子...」


もこっち「..."ベタ"?」


その子はワイングラスに入れられていた。

色は絵の具のような黒でヒレはボサボサで長い。

ベタという名の熱帯魚、それが加藤さんの琴線に触れた。


黒ベタ「...」フヨフヨ


加藤さん「...」ジー


もこっち「...どうしたの?」


加藤さん「いや...この子、狭くないのかなって」


もこっち「あぁ確かに...って、ポップになんか書いてあるね...」


加藤さん「..."口呼吸ができるため、小さな水槽でも生きていけます"...だって」


もこっち「へぇ...」


黒ベタ「...」パクッ


もこっち「あ、なんかした...今のが口呼吸かな」


加藤さん「...」ジー


やけに釘付けであった。

まるでトランペットを見つめる少年のように。

一体なぜ、彼女はこのベタに何を感じてしまったのか。


加藤さん「...なんか、黒木さんみたいじゃない?」


もこっち「え? そ、そうかな」


黒ベタ「...」フヨフヨ


加藤さん「...うん、やっぱり黒木さんだよ」


もこっち「...」ジー


もこっち(...確かに、黒くて長いヒレが私の髪型っぽいな)


加藤さん「...この子、1000円もしないのね」


もこっち「...え、もしかして飼うつもり?」


加藤さん「...」


もこっち(衝動買いに近いのか? 私が連れてきた訳だしなんか申し訳ない感が...)


もこっち(...止めたほうがいいなこれは)


もこっち「ね、熱帯魚って維持費や手入れが大変って聞くよ、無計画に買うのはよくないと思う...よ」


加藤さん「...そうだよね」


もこっち(思いとどまってくれたか...)


彼女の視線は逸らされた。

一体、この黒いベタがどのように見えていたのか。

まるで自分だと評するこの熱帯魚を、どうするつもりだったのか。


加藤さん「...行きましょ?」


もこっち「あ、うん...」


もこっち「...」


先に歩み始めた加藤さん。

その後ろに付いていくように。

視界に入るのは、どこか悲しげな背中であった。


~~~~


~~~~


もこっち「明るいね」


加藤さん「...そうだね」


やけにギラつくお天道さま。

それとは反比例するのは、彼女の機嫌。

その明確な出来事に気づけないはずがなかった。


もこっち(...なんか元気ねーな)


もこっち(やっぱり、あのベタが気がかりなんだろうか...)


もこっち(でもなぁ...学生で熱帯魚は敷居高いと思うしなぁ...)


もこっち「...加藤さん、さっきのベタ...気になるの?」


加藤さん「...そうだね」


加藤さん「なにか...あの子がどうしても気になってね」


加藤さん「ワイングラスに入れられてるのが可哀想というよりか...その子が塞ぎ込んでるように見えてね」


もこっち「そうなんだ...」


もこっち(どうしたもんか、この人がわかりやすく落ち込んでる姿なんて初めてみたが)


もこっち(...あ、そうだ)スッ


何かを思いつくと彼女は携帯を取り出した。

それは情報に強いもこっちだから思いつけたこと。

実際に飼えなくても、仮想で飼えるのがこの時代の強みである。


もこっち(やっぱりあった、基本無料っぽいしこれでいいか)


もこっち「...加藤さん、これ見て?」


加藤さん「えっ...?」


そこにいたのは。

彼女の携帯の中で泳ぐのは。

色合いは違う、だけどこの子はまさしく。


加藤さん「...この子」


もこっち「熱帯魚を育てるアプリゲームだよ」


もこっち「今はこの色しかいないみたいだけど...進めていくと色んな色のベタとかが飼えるみたい」


加藤さん「...」ジー


そこにいたのはパステルピンクのベタ。

偶然か、その色はまるで彼女の髪色に酷似。

そんな子が、初期設定の殺風景な水槽の中を優雅に泳いでいた。


加藤さん「...わざわざ探してくれたんだ、私の為に」


もこっち「え...う、うん...加藤さんが悩んでたみたいだから...」


加藤さん「黒木さん」


もこっち「は、はい?」


加藤さん「...それ、どうやってやるの?」


もこっち「えっと...ちょっと携帯貸して────」


~~~~


~~~~


もこっち「────やべぇ、遅刻するっ!」


────ぱたたたたたっ!

改札を降りてすぐに彼女は走り出した。

いつもよりボサボサの髪、いつもより濃い隈。

言われなくてもわかる、彼女は寝坊をしてしまった。


もこっち(クソ、加藤さんに勧めたあの熱帯魚のゲーム...私のほうがドハマリしたじゃねーか)


もこっち(基本無料だから金はかからねーけど、土日の時間をどっぷり奪われた...)


もこっち「──って、信号赤かよ...」ピタッ


もこっち(...ここの信号、変わるの長いんだよなぁ)


もこっち(平気で5分ぐらい待たされる...仕方ねぇな...)スッ


仕方ない、そのような便利な言葉。

まるで誰かに対しての言い訳のような。

待たされるなら仕方ない、とりだしたのは携帯。


もこっち「...へへ」


もこっち(我ながら上手に水槽をレイアウトできたと思う)


もこっち(誰かに自慢したいな...ゆりやネモにこの素晴らしさが伝わるか?)


もこっち「...」ジー


ピンクベタ「...」フヨフヨ


パステルピンクのベタ。

初めて手に入れたこの子にいつの間にか愛着が、

この子が泳いでいる姿を見るだけで満足できる様になっていた。


もこっち「...」ジー


???「────黒木さん?」


もこっち「──うわっ!?」ビクッ


デジャビュ、先日同じようなことが。

後ろから声をかけられた、声の持ち主は当然あの人。

だが彼女はいつもと違う、あの綺麗な髪はほんの少しだけ乱れていた。


もこっち「か、加藤さん...?」


加藤さん「ふふっ...びっくりさせちゃった?」


もこっち「う、うん...通学路で会うのは中々ないからね...」


加藤さん「...あ、そのゲーム」


もこっち「あ、うん...結構頑張ったよ」


加藤さん「...すごい、とっても綺麗」


ピンクベタ「...」フヨフヨ


もこっちが創り出したこのレイアウト。

岩に苔を生やすことでどこか寂れた趣を。

そんな世界にこの派手な、綺羅びやかな彩りが1匹。


もこっち「へへへ...ありがとう」


もこっち(なんか...加藤さんに褒められると照れるな...)


加藤さん「...私のも見て」スッ


もこっち「え...?」


そこにいたのは、そこにいたのは。

記憶が確かならこの色のベタはそこそこ頑張らないと手に入らないはず。

だが、このレイアウトも何もしていない水槽の中には、明るく泳いでいるこの子が。


黒ベタ「...」フヨフヨ


加藤さん「見て、可愛く泳いでるでしょ、やっぱり水槽は大きくないと窮屈だよね」


もこっち「え...この色って、ゲーム内のコインを相当稼がないと手に入らないんじゃ...」


加藤さん「そうなの...ちょっと調べたらこのゲーム、ディスカスが高値で取引されるみたいだから...」


加藤さん「だから土日はずっと頑張って、ディスカスを育てては卸したりしてお金を稼いでたんだー」


もこっち「す、すごいね...私はずっと水槽のレイアウトばっか考えてた...」


加藤さん「ふふっ、よかったら私に水槽のアドバイスしてくれない?」


もこっち「も、もちろん────」


──キーンコーンカーン...

遠くから聞こえるのは、始まりの音。

まだ彼女らは未だに変わらぬ信号機の手前にいるというのに。


もこっち「──あ...」


加藤さん「...ふふっ、遅刻仲間だね」


もこっち「...へへへ、加藤さんも寝坊するもんだね」


加藤さん「初めてだよー、一緒に怒られようね」


もこっち「...加藤さんと一緒なら、怒られても恐くないかな」


もこっち(...共通の話題ができたな)


もこっち(これで...もっとこの人と仲良くできればな────)


信号の色が、赤から青に変わる。

だが彼女らの手元のこの子らは変わらず。

ベタが彩るのは水槽だけではない、彼女らの交友関係も。


ピンクベタ「...」フヨフヨ


黒ベタ「...」フヨフヨ










~~おわり~~











~~おまけ~~


もこっち「ところでヒレが大きいベタって、オスだけらしいよ」


加藤さん「そうなんだ...じゃあこの子は男の子なんだ」


もこっち「私のもそうかな...そういえば、名前とかつけたの?」


加藤さん「..."トモコ"だよ」


もこっち「えっ...?」


加藤さん「ごめんなさい、勝手に名前借りちゃったの」


もこっち「あ、いやそれはいいんだけど...」


もこっち(...ってことは、"この私"には生えてるのか)


もこっち(じゃあ私のこのベタも...そうだ!)


もこっち「...へへへ、じゃあ私のこのベタは..."アスカ"って名前にしようかな?」


加藤さん「...」キョトン


もこっち「...あ────」


この沈黙、これは問答無用で苦痛を伴う。

話題があるからといっても調子に乗るものではない。

彼女の血の気は一気に冷めた、距離感を間違えてセクハラをしてしまったのだから。


もこっち「ご、ごめん...調子乗っちゃ────」


加藤さん「──ふふっ、黒木さんったら...私にペ○ス生やさせてどうしたいの?」


もこっち「...!」ゴクリッ


~~おわり~~


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