バイきんぐ小峠「○ックスしないと出られない部屋ぁ?」 (15)

小峠と西村、謎の部屋に倒れている。


小峠「……」

小峠「……ぅ……、なん……」

目覚めた。
衣服はブーメランパンツのみになっていてどん引き。隣に同じような格好の西村が、うつ伏せに倒れていてさらにどん引き。
とりあえず立ち上がった小峠が西村をぺちぺちする。

小峠「趣味わりーな……ああ、おい!西村、西村!」ぺち

西村「うーん……」

小峠「起きろ西村。何か……俺達、何か事件性のある事柄に巻き込まれている気がするぞ」

西村「事件……?ふぁぁ……民事?刑事?」

小峠「それいま重要かねえ!?」

西村「あーよく寝た。ん?あれ、俺いつから寝てた?」

小峠「打ち合わせしながら出された茶ぁ飲んだとこまでは覚えてるけどな」

西村「あー、そん時かぁー」

小峠「飲み込みはえーなお前、しかもお前、茶出される前から寝てただろ」

西村「そうだっけ?」

小峠「なんでそこ覚えてねえんだよ!」

西村「それにしてもさぁ」

小峠「露骨に話逸らすねぇ!」

西村「何なの?ここ。なんか、全部真っ白な部屋だし」

見れば部屋は壁も床も真っ白で、備え付けのベッドや棚に至るすべてが白である。扉は寒気を覚える小峠。

小峠「これは……」

西村「刑事かなぁ」

小峠「その可能性が極めて高くなったな」


※書きためは相変わらず無い
※ゆっくり進行

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西村「っていうか扉あるじゃん」

小峠「え?おい、大発見だな西村!初めてお前が相方でいいことあったわ!」

西村「初めてじゃないでしょ、あと3回くらいはあるでしょ」

小峠「むしろ3回で満足すんのかお前、結成何年だと思ってんだ」

壁に紛れて見にくいが、白い扉があることに気づく二人。

小峠「とにかくこっから出るぞ。後は犯人か俺らか、どっちが捕まるのが先かだな」

がちゃがちゃ

西村「どしたの?」

小峠「……」

がちゃがちゃ

ドアノブが動かない。

小峠「……何でだよ!開かねえ!」

西村「逆に扉壊してみる?」

小峠「壊し屋西村爆誕だなおい!」

西村「せーの」


西村が扉にぶつかる直前、突然天井からブブゼラの音がする。

ブゥゥゥゥ

小峠「なん、なんだようるせえ」

西村「2014年式ブブゼラかな?」

小峠「クラシックカーとブブゼラを同列扱いしようとすんな」

二人が振り返ると天井からひらひらと紙が落ちてきた。
あわてて拾う小峠。

小峠「……あ?○ックスしないと出られない部屋ぁ?」

西村「まるっくす?」

小峠「この紙に書いてあんだよ」

西村「へぇぇ」

小峠「……まるっくすって何だよ!!理不尽な命令の最上級か!!」

西村「で、具体的に何すればいいのかな」

小峠「知らねえよ、それ以前にまず『○ックス』が何か調べないとなんねえだろ」

西村「え?『セッ○ス』じゃないの?」

小峠「お前倫理観ゼロかよ」

西村「ええー?ほかに何があんの?」

小峠「……」

西村「……」

小峠「……えー……『ワックス』」

西村「……ある?」

小峠「西村、今すぐ俺を殺してくれ」

西村「お前死んだら『セッ○ス』出来ないじゃんかぁ」

小峠「実行の可能性があんのか!?俺はやんねぇぞ!?なぁおい!?」

西村「でも、何もアイテム無く『○ックス』、いや『セッ○ス』しろなんて言うはずないよな」

小峠「言い直すな、聞くだけで既に地獄すぎる」

西村「なんで?『セッ○ス』なのに?」

小峠「意志疎通の概念どっか置いてきたのかお前」

西村「まあまあ、落ち着けって小峠」

と言いつつベッドに座らせる。

小峠「……」

西村「……」

小峠「……」

西村「……悪いようにはしないって」

小峠「この部屋出たら速攻で豚箱に放り込まれろ」

西村「確かにお前が否定したい気持ちは分かる。だって、ここには俺とお前しかいなくて、『○ックス』しないと出られないんだから」

西村「この『○ックス』が何なのかを考えたい気持ちはすごい分かる、だけど考えろよ。時間を無駄に使う必要はないんだって」

小峠「たとえ時間や寿命を無駄にしたとしてもな、お前に体を捧げないこととは釣り合いとれるように出来てんだよ!」

西村「なんでそんなにいやなの?あ、相方だから?」

小峠「その前にいろいろ乗り越える壁あるだろ」

西村「……太った、から?」

小峠「着眼点だけは最高だ!ハッハー!だけど問題が解決してねえ!」

西村「大丈夫大丈夫、俺も初めてだけど、予行練習はしてるから」

小峠「いつだよ。……マジでいつだよ!」

西村「それはお前……聞くなよ、反則じゃん」

小峠「頬を染めてんじゃねえよ!そう言うのは雑誌の表紙飾るような女の子がやるから可愛いんだからな!」

小峠「これいま世間にその顔晒して見ろ、たちまち袋叩きだからな!?」

西村「……はぁ……分かった分かった。じゃあこの部屋を探索して、それで回避できそうなら回避しよう」

小峠「出来なくても絶対回避する方向は維持しろ」

西村「ええっと」

備え付けの棚を漁り始める西村。一方、小峠はまだベッドに座っている。

小峠「なんだ、そこ何入ってんだ」

西村「あ!」

小峠「……どうした?」

西村「ワックスあった!」

小峠「言ってみるもんだなおい」

西村「でもこれ『ケツの穴用ワックス』だ!」

小峠「世の非常識からのストレートがダイレクトに顎に入ったわ」

いったんこの辺まで
※書かなきゃ寝れなかったので書きました。おやすみ

西村「これさぁ、もう使えってことだよね」

小峠「使わねえよ、それ棚の奥の方にしまって一生日の目を見させんな!」

小峠「つうか何だよ『ケツの穴用ワックス』って!そんなもんどこのご家庭で使用すんだ!」

西村「小峠、とりあえず脱いで」

小峠「俺が塗ること前提で話進めんな、急ぎ足でことを進めすぎなんだよ」

西村「だって俺のケツ弱いからさぁ」

小峠「そのパターンが可能なら俺もワックスに対抗できるケツはお持ちではありませんねぇ!」

西村「いいじゃんやってみようよ」

小峠「百歩譲ってワックスはいいけど、お前になにがしかされるのは死んでもごめんだぞ」

西村「死体をどうこうする趣味ないから死ぬなって」

小峠「お前の中の俺、何秒に一回か死んでないか?」

西村「えー?ああ、言われたら楽天カードと同じスピードで死んでるかも」

小峠「……めちゃくちゃだなおい!お前の脳内覗きたくねぇわ!修羅の国じゃねぇか!」

西村「修羅の国編はそんなにばったばった人死なないでしょ」

小峠「お前さては今の流れで当然のように『北斗の拳』の話してるな?」

西村「とにかく、『○ックス』しないと出られない部屋なんだから、早く『○ックス』しないと!」

小峠「諸々のこと考えりゃそうなんだけど同意したくねえんだよ」

西村「考えろよ小峠!『○ックス』がなんなのか!」

小峠「つっても、ほかに何が……えー、ソックス?サックス?」

西村「ぜんっぜんだめだよ!『しないと出られない』にかかってない!」

小峠「行動ってことか?じゃあ……」

西村「ほら!ほらやっぱり『セッ○ス』しかない!絶対そうだ間違いない!」

小峠「お前の『セッ○ス』一点張りはもはや恐怖通り越して感嘆するわ」

西村「じゃなに!?どうしたら『セッ○ス』してくれんの!?」

小峠「求めすぎだろ俺を」

西村「なに!?シャワー浴びたらいいの!?体綺麗にすればいいわけ!?」

小峠「いきなりキレんなよ、血管切れて死ぬぞ」

西村「ああごめん……怒鳴っちゃった……」

小峠「……お前情緒不安定が過ぎるだろ、何かヤベェヤクでもやってんのか」

西村「でも、とにかく出ないと。お前のスケジュール、パンパンだったからな」

小峠「あー、そうか。そういやこの後も仕事の予定が……」

西村「でも『セッ○ス』してから仕事に行くの、結構キツくない?体力保つ?」

小峠「さも当然のように『セッ○ス』って言うようになったな、そしておそらく保たねえ!!」

西村「やっぱりそうか……じゃあ、出られたとしても小峠は満身創痍……」

小峠「何回やる気だお前、満身創痍って俺ズタボロじゃねぇか」

西村「そうなったら次の現場で、可愛い猫ちゃんの動画を見ながら小峠が寝落ちしちまう」

小峠「可愛い猫ちゃんはちゃんと見るけどな」

西村「うー、くそ……どうすりゃいいんだ……」

小峠「西村、西村、棚に他になんか入ってねえのか?」

西村「え?ほか……は、えーと」

出てくるローション。
そっと戻す西村。

西村「あとは……」

出てくるマッサージ器。
そっと戻す西村。

西村「それから……」

出てくるコンドーム。
とりあえずベッドに投げる西村。

小峠「お前の中で既に解決策一択に絞り込んでんじゃねえかクソが!」

西村「だって他に何も入ってないんだって!」

小峠「そんなわけねえだろ見せろ」

ベッドから降りて棚の方に行く小峠。

小峠「そっちの方もちゃんと見ろってお前……」

西村「え?うん……あ、これ」

棚の中央に置かれた紅茶のパックらしきもの。
取ろうとする小峠。
取ろうとする西村

二人の手が触れ合う。


小峠「あ」

西村「あっ、あ、悪ぃ」

小峠「……」

西村「……」

小峠「おっさん!!!!!!!」

西村「はい?」

小峠「なんっでおっさんと俺が部屋にいんだ馬鹿か!?そんで『○ックス』しろだとか本気で狂ってんのか!」

小峠「金持ちの道楽にしても趣味が悪すぎんだろ!今すぐ帰してくれ、もしくは殺してくれ!」

西村「だから死ぬなよ!」

制止しようと肩に手を置く西村。
大袈裟な位のリアクションを取る小峠。

小峠「っ!?」びくっ

西村「え!?あ、ごめん、力入れすぎてた?」

小峠「……そう言うんじゃねぇ」

西村「まあそれならいいけど……とにかく元気出せって」

小峠の背中を叩く西村。一方小峠は飛び跳ねている。

小峠「ちょお、おまっおい!」

西村「え?」

小峠「棚に何かあったんだろ、電気のやつとかなんか」

西村「ないよ」

小峠「嘘つくんじゃないよ、じゃあ何で触られただけで体中がびりっとなんなきゃなんねえんだ」

西村「……」

小峠「なんつう顔すんだお前」

西村「……」

小峠「それより部屋が暑くなってきてねえか?早く出る方法探さねえと……」

西村「……小峠」

小峠「なんだよ!」

西村「お前さ、実は」

小峠「あーあーあーあバーカバーカハゲ!ハゲデブ!」

西村「やっぱりそうだったんだよ。この部屋に入る前から、作戦は始まってたんだ……」

小峠「あーーーー!!馬鹿野郎!!!」

西村「もう素直になったら?ほかの方法も思いつかないし」

小峠「絶対に断る!俺はお前にだけはそう言うのマジで無理だから!」

西村「とにかく横になれって、悪いようにしないから」

小峠「むりむりむりむりむり!!」

西村「ほらパンツも脱げよ」

小峠「イヤです、マッッッッジでイヤだ!そんなきたねぇ絵面見せるために俺は生まれた訳じゃないんだっつうの!」

西村「寝ろぉ!」

突然ビンタされる小峠。

小峠「だはぁっ!」

西村「うつ伏せに寝て!はい!早く!」

小峠「やめてくれー!地獄だ!この世は地獄!最悪だー!」


小峠の絶叫と同時に、暗転。
数秒の後、明転。

そこにはベッドでぐっすり眠っている小峠が!


小峠「んにゃ……」

そしてがちゃん、と言う鍵の開く音。
どうやら扉が開いたらしい。

西村「小峠の疲れも取れたみたいだから結果オーライかな……まさかマッサージで『リラックス』させたら良かったなんて」

西村「○がひとつしかないから騙されたなぁ」

舞台の端から転がってくる『ケツの穴用ワックス』。

西村「こんなことならやんなきゃよかった」


暗転。

最近具合悪くてごめんね、これも思いついた瞬間から頭に張り付いて寝れなくなっちゃって……

たぶんちょっと前の
「UFO?何?」
「俺サンタクロースじゃねぇし」

次オードリーかアルコ&ピースでやりたい
おつきあいありがとうございました、またそのうち

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