【ゆるゆり】京子「ごらく部ゴージャス」 (49)


(ごらく部部室)


ガラ

京子「よーっす、みんなー」

結衣「よう京子」

ちなつ「今日は京子センパイ」

あかり「今日は、京子ちゃん」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1551504060



京子「さーてと、カバンを置いてーっと」ドサ

結衣「おいおい京子、20万もするビイトンのバッグをそんな乱暴に」

ちなつ「もう結衣センパイ、たかが20万円のバッグじゃないですか」

あかり「そうだよー、結衣ちゃん」



京子「どーせカバンなんて、ボロくなったら買い換えればいいっしょー」

結衣「ま、それもそうだね。じゃ次はポラダのバッグにでもする?」

ちなつ「あー、いいですねー。じゃみんなでお揃いにしましょうよ」

あかり「あ、それいいかもー」



京子「さーて、まず一息つくとするか。何かない?」

結衣「じゃ、みんなでキャビアでもつまもっか」

ちなつ「あ、いいですねー。それじゃ、私お茶淹れてきますね」

あかり「ちなつちゃん、ありがとね」

ちなつ「あ、所で・・・」



ちなつ「皆さん、お茶は何にします?」

京子「んー・・・。じゃ私は水金亀!」

結衣「私は鉄羅漢がいいな」

ちなつ「じゃ、私は白鶏冠で・・・あかりちゃんは大紅袍でいい?」

あかり「うん、いいよ」



※水金亀、鉄羅漢、白鶏冠、大紅袍

20gで約300万円の値がついた事もある中国のお茶



結衣「さーて、それじゃキャビア開けよっか」

京子「おー、いい色ツヤ!めっちゃうまそう!」

あかり「わーいキャビア、あかりキャビアだーい好きー」



ちなつ「お待たせー。皆さん、お茶が入りましたよ」

京子「おお来た来た水金亀!うーん、いい香りだねぇー」

結衣「鉄羅漢、この渋い色合い・・・。うん、さすがは最高級茶」

あかり「わーい大紅袍、あかり大紅袍だーい好きー」



京子「それじゃ、食べよう!んー、キャビアんめえ!」

結衣「うーん、鉄羅漢にキャビアはよく合うな」

ちなつ「もうその辺のおせんべじゃ、満足できませんねー」

あかり「おやつはやっぱりキャビアだよー」



京子「いやー、それにしてもさー。やって良かったよな、クラウドファンディング!」

結衣「そうだよなー。最初は京子何を言い出すのかと思ったけど」

ちなつ「ええ、何でもやってみるもんですねー」

あかり「そうだねー」

―――
――



京子「あ、どーもー皆さん!私たち、ごらく部と申しまーす!」

結衣「あ、あの、ごらく部っていうのは、みんなでダラダラする部で・・・恥かしいなおい」

ちなつ「これ、映ってるんですか・・・?こんにちはー、吉川ちなつでーす。中学1年生でーす」

あかり「あ、あかりと言います、よろしくお願いします・・・」



京子「今回は、私たちのごらく部活動をより充実したものにしたいという事で!」

結衣「え、えーと・・・。く、クラウドファンディングで皆さんから部費を募集したいと思います」

ちなつ「100円からでも結構ですよー?」

あかり「え、えっと、応募してくれた人には、みんなのサイン入り写真あげちゃいまーす」



京子「さーて、いくらぐらい集まるかなー?100万円くらい?」

結衣「そんなに行くわけないだろバカ」

ちなつ「3000円くらい集まりますかねー」

あかり「よ、よろひゅくお願がっ、おねっ・・・わーん噛んじゃった、撮り直そうよぉー」

京子「ダメ」

あかり「何でよ京子ちゃん!?」

―――
――



京子「・・・いやー、あんな募集でまさか」

京子「8800万円も集まっちゃうとはねー」

結衣「ああ、信じられないよな」

ちなつ「何十万単位で寄付してくれた人も居ましたねー」

あかり「ほんと、凄いよねー」



京子「それにしても、こんな大金どうしていいのかわかんなくって」

京子「ついつい、色々買っちゃったねー」

結衣「ああ、このトラの毛皮の敷物とかね」

ちなつ「あと、シカの首の剥製も5つばかり買っちゃいましたねー。うーん、ゴージャスうー」

あかり「そ、そうだね・・・。5匹のシカさんが見つめてるみたいで、ちょっと怖いけど・・・」



京子「こんなんでも、まだまだ500万円も使ってないしさ」

京子「どう?いっその事、このごらく部の部室を金箔張りにでもしちゃうー?」

結衣「あー、いいねーそれ」

ちなつ「きゃー、それはゴージャスですねー」

あかり「眩しくって、目まいがしちゃいそうだよー」



京子「さて!ゴージャスな私たちは、ゴージャスにトランプで遊ぼう!」

結衣「ああ、そうだな」

ちなつ「負けませんからねー」

あかり「よーし、あかり頑張っちゃうよー」








京子「んー・・・」

結衣「うーん・・・。これは」

ちなつ「結衣センパイ、頑張って!」

あかり「勝った方が優勝だねー。あかり、早々に負けちゃったけど・・・」



京子「よっしゃ、賭けよう1000万円!」

結衣「ふっ・・・。京子、いいのか?」

ちなつ「大した自信ですけれど。勝てるんですか?」

あかり「勝負に出たね、京子ちゃん・・・」



京子「それじゃ、いくぞ!とりゃあ、スリーカード!」

結衣「そんなんじゃダメだな・・・。見ろ、私のこのストレートを!」

ちなつ「きゃー、結衣センパイかっこいい!」

あかり「あ、結衣ちゃんの勝ちだー」



京子「あー、くっそー!勝ったと思ったのにー!」

結衣「どうやら、勝利の女神は私に微笑んだようだな京子・・・」

ちなつ「結衣センパイ、おめでとうございますぅー」

あかり「さすがだよ結衣ちゃーん」



京子「・・・そういうわけで、結衣は私たちの掛け金合計4000万円を獲得して」

京子「見事、第11回なんか西部劇っぽいポーカー大会を優勝したのでしたーおめでとー」パチパチ

結衣「いやー、単にチップの代わりだから実際に私のものにはならないんだけどね」

ちなつ「けど、実際のお金を使うと本格的な雰囲気が出ますねー」

あかり「うん、大金を賭けて勝負するギャンブラーの気分だよぉー」



京子「・・・さーて、一通り遊び終えた所で」

京子「いよいよ、本題なんだけど」

結衣「ああ」

ちなつ「ええ、そうですね」

あかり「うん・・・」



京子「この大金を、ここからどうやってさらに増やすか・・・株式投機、いや、不動産・・・」

結衣「為替取引はどうだ?ドルとか、ユーロとか・・・」

ちなつ「いえ、それよりも先物取引の方が・・・金、プラチナ、ダイヤモンド・・・」

あかり「宝クジ買ったら、当たるかなぁ」



京子「上手くいけば8000万円が倍になって、さらに倍、倍と増えていって・・・!」

結衣「そうなったら、もう一生働かなくていいな」

ちなつ「学校をやめて、みんなで一生ごらく部でダラダラできますねー」

あかり「欲しい物があったら、何でも買えちゃうねー」



京子「そんで20億ぐらいに増やして、部室をお城に建て替えよう!名づけてごらく部城!」

京子「そして、私はごらく部城の城主となるのだー」

結衣「スケールのでかい話だな」

ちなつ「そのためにも、投機の勉強をしっかりしなきゃ・・・信用取引、変動相場・・・」

あかり「夢みたいな話だねー」



京子「さぁ!その夢に向かって私たちごらく部は、ここから大きな一歩を・・・」

ガラッ

綾乃「としのーきょーこー!」

京子「ん?あ、綾乃?」



綾乃「あんたたち、最近何なのよ!」

京子「へ?な、何って何が?」

綾乃「とぼけるんじゃないわよ歳納京子」


綾乃「こんな、部室にシカの生首いくつも飾っちゃってまぁ・・・」

結衣「い、いやこれはハンティングトロフィーって言って」

綾乃「そんな事はどうでもいいの。おまけにトラの皮の敷物とか、でかい派手な壷とか変な置物とか飾っちゃって・・・」

綾乃「まるで成金の部屋じゃないの。悪趣味すぎるわよ」



京子「だ、だって、なぁ?」

結衣「う、うん、こうしとくととってもゴージャスな気分に」

ちなつ「ええ、ちょっとぐらい、いいかなぁって」

あかり「そ、そうだよねー・・・」

綾乃「それにあんたたち最近、口を開けば投機がどうとか利殖がどうとか」

綾乃「悪徳不動産屋みたいな顔して、しょっちゅうそんな話ばっかりして・・・」



綾乃「あなたたち、一体どうしちゃったのよ!」

綾乃「これ以上風紀を乱すようなマネをするなら、罰金バッキンガムよ!」

京子「え、えーと」


京子「綾乃、罰金っていくら・・・?」

結衣「う、うん、2・3百万なら即金で・・・」

綾乃「そういう事じゃなくって!」



綾乃「・・・お願いよ、いつものあんたたちに戻ってよ」

綾乃「今のあなたたち、まるで金の亡者じゃないの・・・」

京子「綾乃・・・」

結衣「す、杉浦さん」

ちなつ「そ、その・・・」

あかり「杉浦先輩・・・」



綾乃「話は以上よ!」

綾乃「もうこれ以上あんんたたちがおかしな事するなら、許さないからね!」

ピシャッ


京子「・・・」

結衣「・・・」

ちなつ「・・・」

あかり「・・・」



京子「そ、そうだよな・・・。綾乃の言うとおり、私たちどうかしてたかも・・・」

結衣「あ、ああ、正直私もお茶にキャビアは合わないなって」

ちなつ「それに冷静になればこの部屋、シカの生首が見つめて来てて、怖いですよね・・・」

あかり「あ、あかりも、実はいもチのうすしおが恋しいなって・・・」



京子「確かに、私たちにはちょっと不相応すぎたんだなこの大金は」

結衣「そうだよな・・・。欲しい物、一通り買ったらあとはどうしていいかわかんなくって」

ちなつ「私たち中学生の欲しいものって、たかが知れてますもんね」

あかり「けれど、このお金どうするの?」



京子「そうだな・・・。じゃ、こうしよっか」

結衣「どうするんだ?」

ちなつ「何か、いい考えでもあるんですか?」

あかり「どうするの京子ちゃん?」











(路上)


マンガ家「はぁ、どうしよう・・・。今度、連載開始のマンガのアイディアが浮かばない」

マンガ家「せっかく、連載が決まったのにこれじゃ・・・」


京子「ちょっとちょっと、そこの人ー」



マンガ家「え?私?」

京子「そーそー。あなたにいいものをあげよう!」

マンガ家「え?いい物?」

京子「そう。何と・・・」



京子「現金8千万円、どーんとプレゼントだー!」

マンガ家「えええーっ!?」

結衣「どうか、好きに使ってください」

ちなつ「私たちには、必要ないものですから」

あかり「遠慮しないで、もらって下さいね」



京子「それじゃ帰ろっか。あー、何かスッキリした」

結衣「しかしお前、適当に通りかかった人にあげようとか」

ちなつ「もっとこう、何かなかったんですか?」

あかり「まぁでも、これで良かったんじゃない?」

マンガ家「あ、あのちょっとあなた達、名前は・・・」



京子「ん?私?私ごらく部のとしのーきょーこだよー」

京子「そんでこっちが結衣で、あとちなつちゃん。以上!」

あかり「ちょっと、あかりは!?」

マンガ家「ご、ごらく部・・・?」



京子「そう!ごらく部とは、私が部長を務めるスーパーエキサイティングな・・・」

結衣「いいから行くぞ。あの、びっくりさせてすいませんね」

ちなつ「ええ、ちょっと部費が余っちゃって」

あかり「その、クラウドファンディングで・・・」



マンガ家「はぁ・・・」

京子「それじゃ、元気でねー」

結衣「本当にお前は、すーぐ調子に乗って・・・」

ちなつ「はー、これで明日からいつものお茶とお菓子ね」

あかり「けど、それでいいよー」



マンガ家「ふふ・・・。面白い子達だったね」

マンガ家「ごらく部、か・・・」

マンガ家「・・・よし、それじゃ」












(次の日のごらく部)


京子「はー・・・。結局、全部元に戻っちゃったねー」

結衣「けど、これでいいだろ」

ちなつ「そうですよ。いつも通りが1番ですよ」

あかり「うん、そうだね」



京子「まー、それもそっか。それにもうお金の事であれこれ頭悩ませる必要もないしー」

結衣「そうそう。こうして気楽にしてるのが1番」

ちなつ「けど京子センパイ、実はちょっともったいなかったと思ってるんじゃありませんか?」

あかり「うん、すごい大金だったからねー」



京子「ぜーんぜん。なんせ、私にはお金よりももっといいもんがあるしー」

結衣「は・・・?もっといいもの?」

ちなつ「何ですかそれ」

あかり「何があるの?」

京子「そう、たとえどんな大金や、金銀財宝なんかよりも・・・」



京子「私にとっては、みんなが一番の宝物だから!」

結衣「クサいオチだなー・・・」

ちなつ「信用できませんよ」

あかり「京子ちゃん、ちょっと目が笑っちゃってるよぉー」


終わり

ゆるゆりクラウドファンディングは大盛況でした
以上です
読んでくれた方ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom