工藤新一の部屋 攻防戦 (53)

アニメ準拠はほとんどありません
草は生えてませんが気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1554982684

蘭「…」ピンポーン

『…はい?』

蘭「あ、昴さん。蘭です」

昴『ああ!どうも』

蘭「新一のお部屋を掃除しようかと思いまして…」

昴『ええ。少しお待ち下さい。すぐ開けますので』

蘭「ええ」

昴『…ん?』

蘭「はい?」

昴『…新一君の、お部屋を?』

蘭「はい」

昴『…君は、今までに彼の部屋に入った事は?』

蘭「新一が居なくなってからは、まだ…」

昴『そうですか…』

蘭「…」

昴『…』

蘭「え?」

昴『え?』

昴『…一応、聞いておきますが…彼は男子高校生…ですが』

蘭「はい」

昴『それは、大丈夫でしょうか?』

蘭「はい」

昴『…そうですか…』

蘭「はい」

昴『…』

蘭「…」

昴『え?』

蘭「え?」

蘭「お邪魔します」

昴「そんな…僕は居候の身ですから。君の頼みでしたら、断れる訳もありません」

蘭「じゃあ…」

昴「宜しければ、どうぞ。お口に合うかどうか…レアチーズケーキです」コト

蘭「あ、わざわざありがとうございます!…美味しそー!」

昴「光栄です。最も食べてもらう相手がいないもので、味の保証は出来かねますが…」

蘭「そんな…きっと美味しいですよ!…んっ」パク

昴「どうでしょうか?」

蘭「…んー!酸味があって、程良い甘さて…!」

昴「それは良かった。嬉しい限りですよ」

蘭「…あ!新一の」

昴「新一君からは、連絡はありましたか?」

蘭「…あれから、たまに連絡はあるんですが…修学旅行以来、会えてなくて…」

昴「彼にも事情があるんでしょう。それに、公認の仲になった事ですから…ね」

蘭「え!?どうして知ってらっしゃるんですか?…あ、園子…」

昴「申し訳ありません。本来僕のような立ち位置の者が聞くべき事ではないのですが…」

蘭「い、いえ!…あはは…嬉しいのは、確かですから…」

昴「…」

蘭「ずっと…待ってたんですから…」

昴「そう…でしょうね…」

蘭「…あ、新一の」

昴「僕からも、お祝いの言葉を贈りますよ」

蘭「えへへ…ありがとうございます」

昴「良いですねぇ。とても…」

蘭「それで、新一の部屋」

昴「(聞く頻度が早まっている…!)」

蘭「やっぱり、いい加減埃も溜まってるでしょうし」

昴「僕もたまに彼の部屋を掃除させてもらってますよ。ですから気にするほどでは…」

蘭「ほら、新一って変な事気にするくせに大事なとこは気にしないっていうか…そういうところ、あるんですよ」

昴「そうでしょうか?僕が見た限りでは…」

蘭「ボールの位置は絶対気にするのに、机がずれてても気にしなかったり、布団が皺くちゃでも気にしなかったり…」

昴「…」

蘭「本は番号順じゃないと嫌なくせに、上下逆さまだったり…色々…えへへ…」

昴「…おっと失礼。電話があったみたいですね。気付きませんでした」

蘭「あ、はい!」

昴「宜しければおかわりをお持ちしますので、どうかそのままで」

蘭「ありがとうございます。でもとりあえず新一の部屋に行ってきますね!」

昴「!」

…。

元太「…あれ?博士、もうお菓子無くなっちまったぜ」

博士「何じゃと?あれだけの量を!?」

光彦「え!?一人で食べたんですか!?」

歩美「歩美達の分は!?」

元太「へへへ…ご、ごめん…」

光彦「…もー…仕方ないですねぇ。買ってきますか?宜しければ僕が行ってきますよ」

博士「おお。それじゃったら…」

コナン「…?」
『♪』

哀「…どうしたの?」

コナン「いや…電話…」

哀「そっちって事は、江戸川君、みたいね」

コナン「おお。…ん?」

『沖矢昴』

コナン「!!!?」

哀「…どうしたの?」

コナン「…いや、何でもねぇ!」ガタッ

哀「…」

歩美「?コナン君どうしたの?」

光彦「お菓子なら元太君が食べちゃいましたよ」

コナン「悪りー!ちょっとトイレ!!」

阿笠「お?お、おお…」

元太「どうしたんだあいつ…」

哀「…」

コナン「…も、もしもし?」

昴『坊や。今何処にいる?』

コナン「…は、博士の家だけど…』

昴『そうか。ならば間に合いそうだな』

コナン「?…な、何があったの?」

昴『坊やにはそこまで関係無い事かもしれないが、工藤新一君、の部屋…』

コナン「お…し、新一兄ちゃんの部屋がどーしたの?」

昴『毛利探偵の娘さんが、踏み込もうとしていてね』

コナン「へ、へー…」

昴『…』

コナン「…」

昴『…』

コナン「…ハァ!!!!?」

昴『すまない坊や。止めようとはしたんだが、今の彼女を言葉で止めるのは無理だ』

コナン「な、何とかしてよ!!ダメだよ!!こ、ここっ…高校生、男子高校生の部屋だよ!!!?」

昴『掃除が目的とは言っているが、どうやら本星は別にありそうだ』

コナン「な、そ、そんなの無いし!!無いから止めて!!止めてください!!!」

昴『私の立場上、彼女を止める事には限界がある。それに彼女は今、彼の部屋に入る事以外一切の情報を遮断している』

コナン「ちょ、ちょっと!!ボク行くから!すぐ行くから!時間稼いで!!お願い!!!」

昴『やれる事はやった。後は工藤新一がいかに自分の秘密を守り通せる人間かどうか…』

コナン「ひ、ひひ秘密なんて無いよ!!無いと思うよ!!!無いんだからな!!!」

昴『…そして、毛利探偵の娘がいかに彼の秘密を破るのか…』

コナン「止めて!!羽交い締めでも良いから!!」

哀「何してるの?」

コナン「ゴッ…!!」

コナン「………」

哀「どうしたの?まるでバレたくない性癖がバレた時みたいな顔して」

コナン「な、何でもない。何でもない…」

哀「そう?じゃあ円谷君と一緒におつかい、頼めるかしら?」ピラ

コナン「いや、俺、その…」

哀「トイレ?トイレなら貴方の後ろよ」

コナン「いや、用事。用事…」

哀「あら。何の用事?」

コナン「い、いや…わ、忘れ物…」

哀「…」

コナン「…」

哀「証拠隠滅でもするの?」

コナン「ッアアアアアアアアアアアアアアイ!!!!」ガバッ
哀「何?」

コナン「おまっ…いや、マジでやめろ。ホント…」
哀「あら、真っ青なのか真っ赤なのか分からないわね。キカイダーみたい」ペタペタ

コナン「…ちょ、ちょっとマジで、マジで行くから。ホントやめろ」

哀「…」

コナン「…あ!あ、あいつらにはアレだぞ!!蘭に呼ばれたとか、そういうの言えよ!!」

哀「あら?それが人に物を頼む態度?」

コナン「なッ…!!」

哀「…そういえば…黒の組織は貴方が居なくなってからは特に何もしてないけれど…」

コナン「…え!?何!?」

哀「一部の人間は、貴方の事をそれなりに調べてたのよ」

コナン「…いや、ちょっともう…行くからな!!いいからそういうの!!」

哀「マネージャー」

コナン「ホッ!!!?」

哀「巨乳」

コナン「ッッッッ!!??」

哀「…盗撮…」

コナン「…やッ…やめ…」

哀「貯めたお小遣いで、商店街裏のDVD屋に小走りで通」
コナン「やめてぇ…」

哀「はい頼み方」

コナン「…本当に…言わないでっ…言わないで…下さい…」

哀「…」

コナン「ホント…終わったら、終わったら何でもする…何か、何かするから…」

哀「何を?」

コナン「…何でも…何でも良いから…ホントに…」

哀「へぇぇぇぇ」

コナン「…なあ、あの、これって…」

哀「…」

コナン「べ、ベルモットは…?」

哀「…さあ…」

コナン「…」

哀「彼女はどうでもいい情報には興味を示さないから…」

コナン「…!」

哀「多分私以上に知ってるんじゃない?」ファサァ

コナン「ッアアアアアアアアアアアアイ!!!!」ガバァ
哀「何?」

コナン「行く。行くからな。もう、ホント行くから。なあやめろ、ホントマジで」
哀「あら?私に何してくれるのか言わないの?」

コナン「いや、何でもする。するからやめて」

哀「でも貴方が私に何をしてくれるのかしらね」

コナン「(ヤベェ…こうしてる間にも、蘭は俺の部屋に…!)」

…。


蘭「あれー?」

昴「…どうしましたか?」

蘭「あ、昴さん。ちょっと良いですか?」

昴「何でしょうか?」

蘭「あの…新一の部屋、鍵が掛かってるみたいなんです」

昴「ああ。そういえば…ええ。ご両親から鍵を掛けていたと…」

蘭「じゃあ、昴さんは知ってるんですか?」

昴「ええ。知っていますよ。鍵でしたら…」

蘭「何処ですか?私、知らなくて…」

昴「…ええと…どこだったかな…」

蘭「うーん…壊すわけにもいかないし…」

昴「それはダメでしょう。一応、この家を守るよう言われておりますから」

蘭「…うーん…」

昴「(『彼』に手渡された鍵…一体何故そこまで部屋への侵入を拒むのか疑問だったが…)」

昴「(『彼』の慌てようで、合点がいった。…そして何とか誤魔化し続けられているのはいいのだが…)」

昴「(…壊す、という選択肢が既に頭を過っている…)」

昴「(これでは、鍵の居所を忘れたという方法も通じないかもしれない…)」

昴「(…しかし、居候先でよもやこんなことに巻き込まれるとは…)」

昴「(私もよくよく運の無い男だな…)」

…。

哀「さて、どうしましょう」

コナン「ぐっ…!」

コナン「(ここでコイツを放って、蘭の元へ行く事は出来る…!)」

コナン「(だがコイツは俺の集めたDVDの存在をくまなく知ってやがる!)」

コナン「(蘭の家には置いておけねぇから俺の部屋に隠しておいたのに…!)」

コナン「(今まで蘭にも入らねぇよう念押ししておいたが…)」

コナン「(ベルモットやこいつには筒抜けだったってことかよ…!!)」

コナン「(つまり今のコイツは俺にとっては完全なる脅威…!)」

コナン「(どんだけカッコつけても、頭の何処かで『ああ、でもこの人巨乳に目がないのよね』って過る!!)」

コナン「(バスから助けても、運命から逃げるなとか守ってやるとか犯罪は許さねぇとか言っても、『でも貴方盗撮好きなのよね』で台無しになる!!)」

コナン「(今の今までそれを言わず、ずっと俺を嘲笑ってたってのか…)」

コナン「(全く…放っておけねぇ女だ…!)」

哀「そうね…向こう一ヶ月。いえ、二ヶ月はウチの雑用係にでもなってもらおうかしら…」

コナン「(最悪、開き直って変態扱いされるのは良い…)」

哀「でもそれだとダメね…軽すぎる…」

コナン「(だが、万が一服部に言われでもしたら…!!)」

哀「それに貴方ズボラそうだし…」

コナン「(『お前和葉の近くに寄んなや!』とか言われる!!)」

コナン「(それどころじゃねぇ…もしコイツがトチ狂って歩美ちゃんにでも話したら…)」

コナン「(『コナン君…あんまり近付かないでね…』)」

コナン「(あああああああああああ!!!!)」ガリガリガリ

哀「…」ゾクゾク

…。

歩美「コナン君、お腹の調子悪いのかな?」

元太「灰原も行ったっきり戻ってこねーな」

阿笠「(…新一…一体どうしたというんじゃ…?)」

…。

コナン「(どうすれば良い…このままこいつを蔑ろにすれば…万が一の事もあり得る…)」チラ

哀「…」ニマァ

コナン「(なんつー顔してやがる…楽しみやがって…!!!)」

哀「…」

コナン「…な、なあ灰原…」

哀「何?」

コナン「一旦この場は引いてくれ。こんな事をしてる場合じゃねえんだ!」

哀「そんなに急いでるの?」

コナン「…分かるだろ…!!」

哀「何が?」

コナン「てめぇ…!!」

哀「そんな顔しちゃって。そんなに大事なものなの?」

コナン「(こいつ…今までの灰原とは違う…!)」

哀「…」

コナン「(今回の灰原は、敵かもしれねぇ…!)」

哀「変態」

コナン「ひいいいいい…」

哀「…」ゾクゾクゾクッ

…。

昴「…この辺だったかな…」

蘭「うーん…」

昴「…しかし、何故君はそこまで彼の部屋を?」

蘭「…」

昴「あ、いえ。どうしても教えて欲しいというわけでは…」

蘭「…園子に…」

昴「?」

蘭「…園子に、言われたんです」

昴「…何を?」

蘭「…」

…。

園子『ねえ蘭?ちょっと…』

蘭『どうしたの?』

園子『…で?どうなの?』

蘭『え?』

園子『え?じゃなくて!ダンナと本格的に付き合うようになったんでしょ!?』

蘭『え!?…あ…う、うん…』

園子『…』

蘭『…そう…やっと…えへへ…』

園子『じゃあ悠長に構えてる暇なんかないわよ!!』

蘭『えっ!?』

園子『良い?男ってのはね、ずー…っと!同じ女を追い続けるのには…燃えるものなのよ!』

蘭『う…うん…』

園子『…さあ!その男が遂に!目標だった大好きな女を手にした時…さあ!どうなるの!?』

蘭『…そ、それは…』

園子『…』

蘭『…どうなるの…?』

園子『だから甘いのよ!!アンタは!!』

蘭『え、ええ…?』

園子『あのね!新一君の下駄箱!アンタちゃんと見てる!?』

蘭『え…た、たまに…』

園子『じゃあ分かるでしょ!?あの山のようなラブレター!!』

蘭『…』

園子『今!新一君の目の前には!数多くの女子生徒がいるのよ!!』

蘭『…え…』

園子『目標だったアンタを手にした新一君はね、今きっとこう思ってるはずよ…』

蘭『…』ゴクリ

園子『…あー…なー…んか燃え尽きちまったー』

蘭『…え…?』

園子『こうなのよ!!いざアンタの身体を隅から隅まで自由に出来る権利を手にしたは良いけれど!それがいつでも出来るとなったら…』

蘭『ちょ!ちょっと園子!』

園子『…きっと…他の女も見てみたくなるんじゃないかしら…?』

蘭『…そ、そんな…でも、新一はそんな事…!』

園子『甘いわね…新一君は何のスポーツが得意だった?』

蘭『…さ、サッカー…』

園子『そう!サッカーよ!!サッカー!!』

蘭『…で、でもそれが…今は帰宅部だし…』

園子『サッカーをやってる男はチャラいって昔からの決まりなのよ!!』

蘭『…!!?』

園子「…ま?その点真さんは武士道を極めたような男だからそんな事ないけれど…』

蘭『そんな…』

園子『もしかしたら、新一君…蘭の身体だけじゃなくて、他の女も見たくなってたりして…』

蘭『し、新一はそんな事ない!ないもん!!』

園子『…じゃあ、新一君のお部屋に行って確かめてみたら?』

蘭『…!』

園子『…あ。その反応はもしや…』

蘭『…そういえば…許可無しには絶対に入れてくれなかった…』

園子『はい来た!!来ました!!これもう部屋の中ヤバいわよ!!絶対!!』

蘭『…新一…』

…。

昴「…少なくとも、僕が聞く限りでは、彼はそのような者には見えませんが?」

蘭「私もそう思います!でも…」

昴「…」

蘭「…ここのところ、電話してもすぐ切られるし、たまに…」

昴「…たまに?」

蘭「たまに、同じところにいるんです!同じ店やテーマパークの音楽が流れてたり、ロンドンに行ってた時も鐘の音が聞こえたり!」

昴「…」

蘭「おかしいですよね!?」

昴「…それは、事件を追っているのでは?」

蘭「…考えました。確かにその時凄い事件が起きたりしてて…」

昴「なら…」

蘭「でも、そんなに近くにいるのにおかしいですよね!?会いにこない理由にはなりませんよね!?」

昴「…確かに…」

蘭「これってもしかして…実は他に、付き合ってる人がいるんじゃ…だから近くに居ても、会いに来れないんじゃ…」

昴「…それで、ここに?」

蘭「もしかしたら、実はたまにここに帰ってきてて、そこで…」

昴「それは無いでしょう。僕が居ますし、誰かが来ていたら気づくと思いますよ」

蘭「…へ、変な本とか、DVDとか観てて!!」

昴「(本星は、それか…)」

蘭「それで変な影響受けて!旅先で出会った女の人と…!!」

昴「…そうでしたか…」

蘭「前にも…新一の携帯を見ようとした時…」

昴「うん…ん?」

昴「ん?」

蘭「あ…そ、その時は誤解だったんですけどね!?コナン君の携帯だったから…」

昴「(…成る程。坊やの正体を疑ってのこと、か…)」

蘭「だから、結局新一の携帯の中は見れてなくて…」

昴「(しかし、少なくともまだ家族にはなっていない男子高校生の携帯電話の中を当然のように覗くのか…)」

昴「(…思ったより、彼女の中での工藤新一の存在が大きい、ということか…)」

蘭「…新一…」

昴「(そう長くは持たんぞ…坊や…!)」

…。

阿笠「どうしたんじゃ。幾ら何でも長いぞい」ガチャ

コナン「あ…」

哀「…」

阿笠「…何をしとるんじゃ?二人で…」

コナン「…い、いや…」

哀「…」

阿笠「(…何じゃ…新一の様子がおかしい…?)」

哀「…フッ」

コナン「!?」

阿笠「(そして、意味深に笑う…哀君…)」

コナン「…!!」

阿笠「(これはまさか…事件に巻き込まれて…!?)」

コナン「…博士…」

阿笠「新一!一体何がどうしたんじゃ!?」

コナン「…何でもねぇよ。大丈夫だ」

阿笠「大丈夫じゃと?そんな顔で一体何が大丈夫だと言うんじゃ!!」

コナン「…」

阿笠「何という汗の量じゃ…それ程の事件なのか…?」

哀「ブフゥ」

コナン「てめぇ!!」

阿笠「哀君!!

阿笠「哀君!新一がこんな時にふざけた真似はよさんか!!」

哀「続けて」

阿笠「全く…順を追って説明せんか。何故このようなことになっているのか!」

コナン「…」

阿笠「ワシに出来ることなら何でもしてやる!じゃから安心せい!」

コナン「…!博士…」

阿笠「それとも、誰かを人質に取られておるのか…?」

哀「…」

コナン「…」

阿笠「…そうなんじゃな!?新一!」

コナン「…あ…」

阿笠「新一!!」

コナン「…ああ」

哀「ンブッフ」

阿笠「哀君!!!」

阿笠「どうしたんじゃ哀君!!いつもの君らしくないぞ!!」

哀「いつもの…いつもの、わた、私ッ…」

阿笠「新一は人質を取られとるんじゃぞ!」

哀「人…?」

阿笠「新一!!一体誰が捕らわれとるんじゃ!何人じゃ!!」

哀「…」

コナン「…」

阿笠「どこで捕らえられておるかくらいワシが調べてやるわい!!」

コナン「…」

阿笠「答えんか!誰が、何人捕らえられとるんじゃ!?」

コナン「…マネージャー…」

阿笠「ん!?」

哀「~~ッッッッ!!!」バンバン

阿笠「マネージャーとは何じゃ!何かの暗号か!?」

コナン「…」

哀「ヒーッ…ヒーッ…」

阿笠「…では、一体何人…」

コナン「…20…」

阿笠「20人!!?」

哀「ンブフフフフフフフフフ」

阿笠「それは最早単独犯ではない!組織じゃ!…まさか、黒づくめの…!」

コナン「あ、いや…」

阿笠「それ以外には考えられん!こうしちゃおれん!すぐにでも手掛かりを探さんと!!」

コナン「…いや、違う…違う」

阿笠「違う…!?何が違うと言うんじゃ!」

コナン「…これは、俺の、俺だけの問題なんだ…!!」

阿笠「新一…」

哀「ン゛ッ…そうね…これは工藤君だけの…問題」

阿笠「哀君…?」

哀「私達がどうこうできる問題じゃないのよ」

阿笠「…何を言うか!」

哀「…」

コナン「…」

阿笠「新一や哀君だけの問題でははない!」

コナン「…」

阿笠「20人もの命が、今にも消されそうになっておるんじゃぞ!!」

哀「ン゛ヒッ」

コナン「…博士!!」

阿笠「!」

コナン「…これは、俺にしか出来ねぇことなんだ…!!」

阿笠「…君にしか、出来んこと…?」

コナン「だから…頼む…!!」

阿笠「…」

コナン「…行かせてくれ…!!」

阿笠「!…もう、人質がどこにいるか分かっておるのじゃな!?」

コナン「!…あ、ああ…」

阿笠「ならばすぐに警察に電話を」

コナン「ダメだ!!!」

阿笠「何故じゃ!!?」

哀「ホントよねぇ」

コナン「…ダメなんだ…!!」

阿笠「…何故じゃ新一」

コナン「…」

阿笠「何故そんなに一人で何もかも背負い込む!!」

哀「そりゃ背負い込むでしょうね」

阿笠「君を一人で行かせる訳にはいかん!!」

コナン「一人で行かなきゃダメなんだよ!!!」

阿笠「(…それが、条件か…!?)」

哀「(あー面白…)」

阿笠「…そうか…」

コナン「…悪ぃ…」

阿笠「…分かった。じゃが無理だけはするな」

コナン「…分かった。だが心配しないでくれ」

阿笠「念の為にこの小型盗聴器を持っていくと良い。こちらに繋がるようにしておくからのう」

哀「ああ良いわねぇそれ」

コナン「良いわけねぇだろぉ!!」

阿笠「何故じゃ!…そんなに恐ろしい相手なのか!?」

コナン「…ああ…」

阿笠「まさか…黒の…!?」

コナン「…」

哀「いや、違うわよ」

阿笠「違う!?ならば…」

哀「まあでも恐ろしく強い事は確かね」

阿笠「…」

哀「それに結構ねちっこい相手よ」

コナン「ねちっ……」

哀「それに…」ズイ
コナン「…」

阿笠「…」

哀「ものすごー…く…一途」
コナン「…そ、そう…うん…」

阿笠「…知っておるのだな?犯人を…」

哀「ええ」
コナン「…ああ」

阿笠「…止められるのだな?」

哀「…工藤君次第ね」

阿笠「…新一…」

コナン「…」

阿笠「…必ず、止めるんじゃぞ…!」ガシ
コナン「…ああ!」

哀「(エッチなDVD回収に行くだけじゃない)」

昴「…」ガサ

蘭「ありました?」

昴「ん?…ええ。恐らく…」

蘭「…」

昴「(…本当はもう持っているのだが、どうしたものか…)」

蘭「…」

昴「(絶対に目を離さないという執念…迂闊な行動は出来ない…)」

蘭「…」

昴「(…さて問題は、私に明確なポーカーフェイスの素養があるかどうか、だが…)」

蘭「…」パキポキ

昴「(拳を鳴らした…!!)」

蘭「…」パキキ

昴「(これでは時間の問題…このような理由で強硬手段に出る訳にも…)」

蘭「…」

昴「(まだか…坊や…!)」

…。

コナン「…!!」ギュイイイイイイン

コナン「(見せる訳にはいかねぇ…)」

コナン「(見たらきっとアイツは…!)」

…。

阿笠「…」

哀「…」

歩美「ねーねー、コナン君は?」

光彦「結局おつかい手伝ってくれませんでしたねぇ」

元太「何かすっげー顔してスケートボード持っていったぜ」

阿笠「む?…ああ、何やら用事があるようでな…」

光彦「またですかー…?」

歩美「コナン君いっつもそうやって一人で行くんだもんなー…」

元太「…あいつがあんな顔する時って、すげーやべーって時だよな?」

哀「そうね。凄ー…く、やばーい時よね…」

阿笠「…こ、これ…!哀君…!」ヒソヒソ
哀「何?」

阿笠「こんな時にひやかしなぞ…!」ヒソヒソ
哀「あら?ひやかしだなんて」

阿笠「…そろそろワシにも教えてくれんか…一体君達に何が…」ヒソヒソ
哀「工藤君が帰ってきたら聞けば?」

阿笠「し、しかし…」

歩美「何のお話?」

阿笠「おうっ」

光彦「博士まで様子がおかしいなんて…」

阿笠「うぐっ」

元太「とっとと教えろよ」

阿笠「なっ…」

哀「じゃ、私用事あるから」

阿笠「え、お、おい!哀君!説明を…!」

歩美「説明してよー!」
光彦「コナン君だけずるいですよー!」
元太「手柄はみんなのもんだぞー!」

阿笠「哀君!!哀君!!!」

歩美「博士!!」
光彦「答えて下さい!!」
元太「コナンが危ねーんだろ!?」

阿笠「わ…ワシは何も知ら…」

歩美「答えてよぉ!!」
光彦「コナン君を…コナン君を助けないと!!」
元太「あいつ…いつも一人で…」

阿笠「…み、みんな…」

歩美「コナン君が死んじゃうぅ!!」
光彦「大事な友達なんですよぉ!!」
元太「博士なら分かるだろ!!!」

阿笠「(…新一…早く助けるんじゃぞ…!!)」

コナン「…!」ギュイイイイイイン

コナン「(考えろ…俺は何処にコレクションを隠した…!!)」

コナン「(箪笥の三段目…ベッドの下…クローゼット…)」

コナン「(…一個にまとまってさえいれば…!!)」

コナン「(…いや、それだとバレた時にまとまってぶち壊されちまう!!)」

コナン「(…考えるんだ…!!3つに分けられたコレクションを蘭から一回で隠し通す方法を…!!)」

コナン「(…いや、それはどう考えても不可能だ…!!)」

コナン「(…こうなったら、バレても蘭にダメージが少ない物を差し出すしかねぇ!!)」

コナン「(…思い出せ…マネージャーモノはベッド…盗撮は箪笥…巨乳はクローゼット…)」

コナン「(そして蘭は何が一番ダメージが少ない…!?)」

コナン「思い出せ…!たった半年前の事だぞ…!!)」

コナン「…」

コナン「(…!!!)」

…。

新一『ふわぁ…っと…』

蘭『…もー…朝からそんな大欠伸しないでよ…おじさんくさい…』

新一『お前が朝早くに起こすからだろ…朝練だったら一人で行けよ…』

蘭『…い、良いじゃない!別に!新一だってサッカー部入れば…』

新一『めんどくせーから嫌だって…お』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』

蘭『ほら、陸上部だって…』

新一『良くやるねぇ…』

蘭『女子陸上部、今年は凄い燃えてるみたいだからねー…』

新一『へー…』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』ユッサユッサ

新一『・・・』

『ファイ!オー!』
『ファイ!オー!』ユッサユッサ

新一『・・・』

蘭『・・新一・・・』

新一『…!?お、おお何だよ蘭!!』

蘭『…どこ見てたのよ。スケベ…』

新一『い、いや見てねぇ!胸なんか見てねぇぞ!?』

蘭『自分で言ってるじゃない…』

新一『ウィッ!?』

蘭『…まあ…』

新一『……』

蘭『…ま、まあ、新一も男の子だから…しょーがないのかも…しれない…けどさ…』

…。

コナン「それだッ!!!」

https://youtu.be/yOUsYs6IX3c

蘭「あ!開きました!」ガチャ

昴「ああ、そうでしたか」

蘭「でも新一ったら…どうして鍵なんか…」

昴「(…半分は、君が原因だと思うのだがね…)」

『♪』

昴「?」

『江戸川コナン』

昴「(…メール…?)』

コナン『窓を開けて』

昴「!…少し良いですか?」

蘭「はい?」

昴「どうやら埃が舞ってしまったようですね。換気をしましょう」ガラッ

蘭「え?でもさっき掃除…」

…。

コナン「行っけぇぇぇぇぇええええええええええ!!!!」ドバァン
https://i.imgur.com/TlzPXBB.jpg

蘭「え?」ビュンッ

昴「!」ガシャアン

蘭「…!?な、何!?」

昴「…」

蘭「…く、クローゼットが…」

昴「…」

蘭「…え?…あ…」

昴「…」

蘭「…ああああああああ…!!!」

昴「…何か?」

蘭「な、何これぇ…何これ何これ!!?」ガサガサ

【S級素人 巨乳特集】
【秘密捜査官 三上悠亜】

昴「…」

蘭「新一ったら…!!だから鍵掛けてたのねぇ…!!!」プルプル

昴「(…成る程…)」

蘭「しかも巨乳巨乳って…!!何よ何よ何なのよぉ…!!新一ってば…!!」

昴「(この部屋の中に分けられた3種類の内、まだアレが一番彼女にとってダメージが少ない、そう思ったか…)」

コナン「ごめんなさい蘭姉ちゃん!!昴さん!!!偶然蹴ったボールが偶然開いた窓から入って新一兄ちゃんのクローゼット壊しちゃった!!」シュバッ

昴「!」

蘭「へっ…こ、こここコナン君!!?」ビクゥ

コナン「…あれれ~?何それぇ?」

蘭「!!?だッ…ダメ!!子供は見ちゃダメぇ!!!」

コナン「それなーにー?」スッ

蘭「~!!!こ、これは捨ててくるから!!!コナン君!!今見た物は忘れて!!!」バッ

コナン「あ!蘭姉ちゃん…?」

蘭「だ…」

コナン「…?」

蘭「ダメなんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」シュバババババババ

昴「…」カチ

コナン「…」

昴「…どうやら、終わったようだな」

コナン「…うん」

昴「君はこの中にある3種類。その中で唯一、彼女に共通するものを捨てた」

コナン「…」

昴「…【胸】という、共通点」

コナン「蘭姉ちゃんはマネージャーじゃない。さらに盗撮モノは蘭姉ちゃんの正義感が許さない」

昴「…」

コナン「だが蘭姉ちゃんは巨乳、というわけでもない」

昴「…だが、あの中ではまだ共感が持てない訳ではなかった」

コナン「そう。過去にお…新一兄ちゃんが巨乳の陸上部女子を見ていた時も怒りはしたが、信用を失う程ではなかった。それどころか仕方ないとさえ言っていた」

昴「そして坊やがここに来ることで混乱し、あのDVD数枚の処分を最優先に行動し始めた」

コナン「そうすれば、他の2種類はバレない。他のとこに隠す…」

昴「…さらに出来るようになったな、坊や」

コナン「箪笥の三段目…ベッドの下…と」ガサゴソ

昴「…ちなみに、それをどこに隠すのかな?」

コナン「…」

昴「もうこの家には隠せない。先程まで彼女は君…工藤新一を疑っていただけであったが、今ので確信に変わった。次は本腰を入れて探すだろう」

コナン「…」

昴「…」

<ヂョイヤァ

コナン「!?」

昴「む…!坊や!」

コナン「…!!アイツ…瓦割りみてーに一気に…!!」

昴「(持ち帰り処分するものかと思っていたが…)」

コナン「(庭先で叩き割りやがった…!!)」

undefined

コナン「…」ギュイイイイイイン

コナン「(考え無しに出てきちまったが…一体どうする…)」

コナン「(こいつを隠すにしたって、おっちゃんの家は無理だ…!まだ蘭が俺を疑ってたとしたら、確実にバレる!!)」

コナン「(なら服部に…いやダメだ!!服部なら受け取りこそすれ隠し通せるとは思えねえ…)」

コナン「(アイツの部屋は週一で蘭よりもヤベェ和葉ちゃんの抜き打ちチェックが入るんだぞ!!)」

コナン「(少年探偵団は論外…安室さんには渡しづらい…!何よりあの人は普通に蘭にバラしそうだ…!)」

コナン「(新出先生は尚更…!)」

コナン「(警察は無理…だが博士ン家はアイツがいる!!!)」

…。

哀「今頃工藤君はどうしてるかしらねぇ」←

…。

コナン「(…ダメだ…!せめて高校生の知り合いでもいれば…!)」

コナン「(かと言って園子はダメだ!アイツは確実に怒って蘭に報告する…!)」

コナン「(…瑛祐は笑って受け取ってくれそうだが…今はアメリカ…!!)」

コナン「(こういうのを笑い飛ばすような奴…そんな奴、今の俺には…!)」

世良「アレー?コナン君じゃないか」

コナン「!!!」

世良「どうしたんだー?そんな必死な顔して」

コナン「…せ、世良姉ちゃん…」

世良「何か事件?ん?」

コナン「(…コイツは…コイツなら…或いは…?)」

世良「…何かそのリュックパンパンだねぇ?何が入ってるの?」

コナン「(…いや、同居人はどうする…!)」

世良「なあなあコナン君コナン君」ツンツン

コナン「(いや、だがコイツはこう見えてちゃんと正義感を持ってる…俺の教育上ダメだと没収される恐れが…)」

世良「コナン君!」

コナン「!」

世良「もー無視しないでよー…何か考え事か?」

コナン「う、ううん!大丈夫だよー…」

世良「…嘘だね」

コナン「…そ、そんなことないよー…」

世良「…そのリュックに何を隠してるのかなぁ…?」

コナン「…」

世良「もしかして…『ボクら』には見せられないモノなのかなぁ…?」ニンマリ

コナン「(八重歯を剥き出しに…!コイツ…勘付いてやがる!!)」

世良「んー…?」

コナン「(一番ヤベェ奴に出くわしちまった…!!)」

世良「…見せろっ!」ガバァ

コナン「うおヤベッ!!?」ギュイイイイイイン

世良「あ!待て待てー!」ブォォオオオオン

哀「…」カタカタ

阿笠「…哀君。入るぞい」ガチャ

哀「あら、工藤君は良いの?」

阿笠「…そろそろ本当の事を話してくれんか?何がどうなっているのか…」

哀「そんなに知りたいの?」

阿笠「新一が嘘をついとるのは何となくじゃが分かった。それに君のその余裕、何かあると思ってな…」

哀「…そうね。確かに彼は嘘をついてる」

阿笠「ならば、教えてくれんか。新一は一体何を隠しとるんじゃ?」

哀「…」

阿笠「…」

哀「…ま、そんな真剣な顔をするような事件ではないってことよ」

阿笠「…人質では、ないんじゃな?」

哀「ええ。『人』質ではないわ」

阿笠「……はぁぁぁぁ…」ペタン

哀「あら?私は一言も言ってないわよ」

阿笠「紛らわしいんじゃよ君は…子供達もあまりに泣くもんじゃからのう…」

哀「3人は?」

阿笠「泣き疲れて眠ってしもうたわい」

哀「あら。そんな信頼してるのね、工藤君の事を」

阿笠「当たり前じゃ。友達なんじゃぞ」

哀「じゃ、彼が帰ってきたら聞けば良いんじゃない?博士になら教えてくれるでしょ」

阿笠「君の口からは話せんのか?」

哀「あら。悪いけど私は彼と話さないって約束しちゃったから。条件付きで」

阿笠「…何やらご機嫌じゃのう…わしらは蚊帳の外みたいじゃが…」

哀「そう見える?」

阿笠「見えるも何も、笑顔が隠せとらんわい」

哀「…そう?」

阿笠「まあ、何事も無いなら良しとするわい。わしは子供達の誤解を解くとするかのう…」

世良「待て待てー!」ブォォオオオオン

コナン「(クソッ…!!このままじゃ埒があかねぇ!!)」ギュイイイイイイン

世良「正直に言わないと蘭ちゃんにバラしちゃうぞー!!」

コナン「(大丈夫だ…!物的証拠さえ無ければ例えバラされても何ともねぇ!!)」

世良「…」

コナン「(そうだ…アイツはまだこの中を見てねぇんだ!だから…)」

世良「コナン君がマネージャーを盗撮したがって」

コナン「何で知ってんだお前ェ!!!!」グギュギュギュギュ

世良「わーい捕まえたー!!」

…。

世良「へへっ。まさかコナン君がこんな趣味持ってたなんてなー」

コナン「…」

世良「おお…これは…」

コナン「(こいつ…いつの間にかリュックからいくつかDVDをくすねてやがったのか…)」

世良「へぇ。献身的なマネージャーをみんなで…へぇぇぇぇぇ」

コナン「(思えばこいつが俺に素直に挨拶するなんて事そうそうなかったな…奇をてらって抱きついてくるか驚かしてくるか…)」

世良「…ねえコナン君」

コナン「…ッ!?」

世良「君ってこういうパンツが好きなのかー?」

コナン「!?ち、違ッッ…そ、そそれは新一兄ちゃんのでさ!隠してくれって言われてて!!」あたふた

世良「…へぇぇぇぇぇ…」

コナン「(クソ…!間違いなくバレてやがる…!それが全部俺のものだって…!)」

世良「じゃあボクの見るー?」チラ

コナン「うおっ!?」

世良「へへー。照れてんじゃん」

コナン「あ、当たり前だよ!!そんな…」

世良「…なあ」

コナン「…ん…?」

世良「これ、ボクが預かっておいてやろうか?」

コナン「えっ!!?」

世良「別に良いよ。工藤君に会ったら渡せば良いんだろ?」

コナン「う…うん。うんうんうん…」

世良「全く工藤君も隅に置けないねー…あんな可愛い彼女がいるのに…ねぇ…?」

コナン「う…うん!そ、そそそうだね!!最低だよ新一兄ちゃん!!!」

世良「そうだねー。ひどいねー」

コナン「あ、あはは…」

世良「…コナンくーん…」

コナン「…は、はい…?」

世良「…貸し。一つだねぇ…?」ニヤァ

コナン「…あはは…」

…。

……。

コナン「…た…ただいまぁ…」ガチャ

小五郎「おー。お前今日飯食ってきたんだよな?」

コナン「あ、うん。食べてきたよ!もうお腹いっぱい!」

小五郎「ほー。じゃあとっとと風呂入って寝ろよ。もう夜遅いんだからよ」

コナン「…あ!でも今日特捜9…」

小五郎「わーったわーった。録画しとくからとっとと風呂入ってこい」

コナン「ありがとおじさん!」

蘭「あ、お帰りコナン君」

コナン「ン゛ッ!?」

蘭「…?」

コナン「…あ、ら、蘭姉ちゃん、ただいま…」

蘭「どうしたの?そんな顔して…」

小五郎「見慣れた顔だろ。何でそんな汗かいてんだ」

コナン「…は、走ってきたからかなー!?あはは…」

小五郎「…?」

コナン「じゃ、じゃあ僕お風呂入ってくるねー!」

小五郎「お、おお…」

蘭「…あ!コナン君!」

コナン「ハイッ!!?」

蘭「…今日はゴメンねー?何か変な事言っちゃったみたいで…」

コナン「…あ、全然…全然大丈夫…です…」

蘭「…じゃ、お風呂入ってきて!ね?」

コナン「う…うん!入ってきまーす!!」

蘭「…」

小五郎「…どうしたんだアイツ…?」

コナン「…」チャプン

コナン「…あ゛ー…」

コナン「…つ゛か゛れ゛た゛…」

コナン「(…あの様子なら、多分俺には疑いの目は向けてねぇようだ…)」

コナン「(…世良には、感謝しねーとな…)」

コナン「(…だが、何だ?蘭のあの話し方…)」

コナン「(…何かが、引っかかる…)」

コナン「(…ん?待てよ…何か忘れてるような…)」

コナン「…」

コナン「……」

コナン「………あっ」

小五郎「おーい蘭。コーヒー淹れてくれるか」

蘭「…」

小五郎「…おーい。コーヒー…」

蘭「…」

小五郎「…おーい…」

蘭「…」ダンッ

小五郎「ヒッ」

蘭「……うん。ちょっと待っててくれる?」

小五郎「…え…」

蘭「ちょっと…私、電話してくるから」ガチャ

小五郎「…」

蘭「淹れたかったら、自分で淹れてくれる・・・?」ギロ

小五郎「…お…おお…」

蘭「…」バタン

小五郎「…」

小五郎「…何だよぉ…」

コナン「お風呂上がったよー!!!」バァン

小五郎「うおっ!?」

コナン「僕ちょっとトイレー!!!」ズダダダダダガチャバタン

小五郎「え…」

小五郎「…風呂、入るか…」

…。

コナン「…ハーッ…ハーッ…」

コナン「…あ、あっぶねぇ…!!マナーモードで助かった…!」

小五郎「おーい蘭。コーヒー淹れてくれるか」

蘭「…」

小五郎「…おーい。コーヒー…」

蘭「…」

小五郎「…おーい…」

蘭「…」ダンッ

小五郎「ヒッ」

蘭「……うん。ちょっと待っててくれる?」

小五郎「…え…」

蘭「ちょっと…私、電話してくるから」ガチャ

小五郎「…」

蘭「淹れたかったら、自分で淹れてくれる・・・?」ギロ

小五郎「…お…おお…」

蘭「…」バタン

小五郎「…」

小五郎「…何だよぉ…」

コナン「お風呂上がったよー!!!」バァン

小五郎「うおっ!?」

コナン「僕ちょっとトイレー!!!」ズダダダダダガチャバタン

小五郎「え…」

小五郎「…風呂、入るか…」

…。

コナン「…ハーッ…ハーッ…」

コナン「…あ、あっぶねぇ…!!マナーモードで助かった…!」

蘭「…」prrrr

蘭「…」prrr

新一『もっ…もしもし!?』

蘭「…」

新一『ら、蘭?どうした…?』

蘭「何か疲れてない?」

新一『お、おお…結構ヤバい事件でな…』

蘭「…まあ、良いけど。今それどころじゃないし」

新一『…な、何だ?どうした?』

蘭「…ねえ。私達、…つ、付き合ってるんだよね?」

新一『…お、おお』

蘭「私、新一の…彼女…なんだよ…ね?」

新一『…あ、ああ…』

蘭「…じゃあ、あのDVDは何!?」

新一『ヒッ…』

蘭「私よりも胸が大きいのばっかり!!何なのあのエッチなDVDの山は!!」

新一『…な、何の事だ…?』

蘭「とぼけないでよ!!クローゼットの中見たんだからね!!」

新一『…お、おお…わ、悪ぃ…』

蘭「そもそも新一はまだ18歳じゃないでしょ!!あんなの買っちゃいけないんだからね!!」

新一『…は、はひ…』

蘭「…いるじゃ…ない…」

新一『…え…?』

蘭「…そ、その…」

新一『…』

蘭「そんなの、観なくても…」

新一『…蘭…?』

蘭「…私じゃ、我慢…出来ないの?」

新一『…』

蘭「…」

新一『…バッ…バーロー!』

蘭「…?」

新一『…も、もう…お、お前…じゃなきゃ…』

蘭「…」

新一『お前じゃなきゃ、無理なんだよ…』

蘭「…!」

新一『…ど、どーせDVDは壊したんだろ?じゃ、じゃあ良い機会だぜ!』

蘭「…ホント…?」

新一『…お、おお!』

蘭「…良かった…」

新一『…じゃ、じゃあまたな!!切るぞ!』

蘭「…うん!」

蘭「…」

蘭「……私じゃなきゃ、駄目なんだ…」

蘭「…えへへ」

…。

コナン「…」

コナン「畜生…戻りてぇ…!!!」ムラムラ

阿笠「…はぁ?」

コナン「…だから、隠してた…え、AVだよ…それを蘭が見たらぜってーブチギレるから…」

阿笠「…全く…心配して損したわい…」

哀「…プッ…」

コナン「…」

哀「…」

コナン「…」

哀「…ンブフフフフフフフフフ」

コナン「てめぇ!!」

阿笠「悪いのは君じゃぞ」

コナン「んグッ」

阿笠「大体高校生といえば世間的にはまだ子供じゃ。そんな物を持っていてはいかんのじゃぞ」

コナン「…しゃ、しゃーねーだろ…たまには…」

阿笠「…それで?そのコレクションはどうしたんじゃ。結局」

コナン「世良が預かってくれたよ。アイツそういうの全く気にしない奴みたいだったし」

哀「確かに彼女なら笑って済ましそうね」

阿笠「…人騒がせな奴じゃのう。元太君達にも謝っておくんじゃぞ。君の事を心配して泣き崩れてしまっておったからな」

コナン「そ、それはコイツも一枚噛んでるんだぞ!俺だけじゃねーだろ!」

哀「あら?そんな事言っていいの?」

コナン「ングッ」

哀「貴方は私の気が済むまで召使いなんだから」

コナン「なッ…一、二ヶ月って…」

哀「そんなの言った覚え無いけどぉ」

コナン「お、おいおい…」

阿笠「(…ま、哀君が楽しそうで何よりじゃわい…)」

哀「あー疲れた。足揉んでくれるかしら」

コナン「…嘘だろ…?」

阿笠「(…新一には良い薬じゃな)」

?「おーい」

阿笠「む?」

哀「…?」

コナン「ひっ…!」

世良「コナンくーん。ここにいたんだな!」

阿笠「おや。君は…」

世良「へへ。お邪魔しまーす」

哀「…」

コナン「せ…世良…姉ちゃん…」

世良「コナン君!じゃあ約束通りご飯食べに行こうかぁ」

コナン「え…」

哀「ちょっと」

世良「ん?」

哀「・・・」
世良「・・・」

阿笠「…」

コナン「…」

阿笠「…お、おい新一…!これはどういう事なんじゃ…!」ヒソヒソ
コナン「…し、知らねぇよ…!」ヒソヒソ

世良「…コナンくーん…行かないのー…?」

コナン「ひっ…」

哀「・・・行くのかしら・・・?」

コナン「ひぃっ…」

阿笠「(…わし、知ーらんっと…)」

終わります

>>35 ミス


<アアアアアアアアシンイチイイイイイイイイ

昴「む…戻ってきたか…!」

コナン「や、やべー!!どっか、どっかに隠さねーと!!」ワチャワチャ

昴「あせるな。彼女は我々の庭に飛び込んだヒヨコだ。まだチャンスはある」

コナン「そ、そんなこと言ったって…!!」ワチャワチャ

昴「坊や。君はこの窓から外へ行くんだ。坊やのサスペンダーなら二階からでも飛び降りられるだろう」

コナン「!」

昴「このリュックに全てを仕舞うんだ。さあ行け」

コナン「…赤井…さん…」

昴「止まるな。止まったら助かるものも助からんぞ、走れ!」

コナン「…ごめん!ありがとう!!」ダッ

蘭「コナン君!!他に変なものない!?」シュバッ

コナン「なッ…!」

昴「(早いっ…!)」

蘭「アレ以外に変なものない!?」

コナン「え!?な、ななな無いよ!無い!!」

蘭「…そのリュックは…?」

コナン「え!?あ、これ…は…」

蘭「来た時は持ってなかったよね?」

コナン「…や、やだなぁ…これ、僕の荷物…」

蘭「…!!」

コナン「ヒッ」

蘭「中を見せなさい!」ズシンズシン

コナン「あ、あはは…」

蘭「…早く…!」ズシンズシン

コナン「…」

蘭「…」ズシンズシン

昴「…」カチ

コナン「ぼくちょっとトイレ!!!」シュゴー

蘭「コナン君!!!」

コナン「今日晩御飯友達の家で食べるからぁぁぁああああああ!!!」ドビューン

蘭「あ!ま、待ちなさ…!」

昴「まあまあ。それよりもクローゼットを修理しましょう。後掃除も」

蘭「…で、でも…!」

昴「僕も彼を見てましたが、そのような類のモノは入れてませんでしたから」

>>35続き

蘭「…」

昴「…」

蘭「・・・なんかかついでません?」

昴「いえ。そんな事をしたら彼の教育上よろしくありませんから」

蘭「だっておかしいですよ!あんな血相変えて逃げるみたいに…!」

昴「どうやら友達との遊びの最中に抜け出してきたようですからね。電話が鳴っていましたよ」

蘭「…なら堂々と私の前を通れば良いじゃないですか…」

昴「そのようなお顔をされていては彼も怖がってしまいますよ」

蘭「う…」

…。

有希子『新一がこんな事すると思う?』
コナン『蘭姉ちゃん怖ぁい…』

…。

蘭「…そうですか…」

昴「では、片付けましょうか」

蘭「…はい!」

昴「(坊や…後は君次第だ)」

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