乙倉悠貴「CLOUDY HEART」 (106)













注意

・オリキャラ有り(作中8割出張ります)

・キャラ名[セリフ] はLINEやメール等











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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1555769946





「ねぇ、あの子?最近モデルからアイドルになったって子?」


「あの子あの子。」


「最近モデル上がり多いよね。佐久間まゆが上手くいったからって、あっちこっち青田刈りしてるのかな。」


「でもいくら何でもあれはないわぁ......」


「歌もそんなに、ダンスは菊地真の劣化品。」


「あれじゃあ売れないでしょ。実際D級にもいってないらしいし。そりゃそうだって感じ。」


「ウケるwwwそこまで言わないであげてwww」


乙倉悠貴「.......。」

.



ちはる[悠貴..........頑張って.....]


みこと[私達は悠貴ちゃんがトップアイドルになるって信じてるから!]


ゆうな[芸能界は甘くないわよ、気合入れていきなさいっ!]


悠貴[みんな、ありがとうねっ!]




【レッスン場】


悠貴「嬉しいなぁ.......」


悠貴「みんなの為にも早く活躍できるようにならないとっ!」


ガチャ


悠貴「あっ、おはようございますっ!プロデューサーさん!」


悠貴「はいっ!今日もいい調子です。」

.



ちはる[悠貴..........頑張って.....]


みこと[私達は悠貴ちゃんがトップアイドルになるって信じてるから!]


ゆうな[芸能界は甘くないわよ、気合入れていきなさいっ!]


悠貴[みんな、ありがとうねっ!]




【レッスン場】


悠貴「嬉しいなぁ.......」


悠貴「みんなの為にも早く活躍できるようにならないとっ!」


ガチャ


悠貴「あっ、おはようございますっ!プロデューサーさん!」


悠貴「はいっ!今日もいい調子です。」

.


悠貴「......どうしたんですか?」


悠貴「ええっ!ユニットが決定したんですかっ!?」


悠貴「あの......相手の人は?」


悠貴「............会いにいくんですか?」


悠貴「今から..........ここではなくて.....?」


【都内某所】


悠貴「あの.....プロデューサーさん。ここ、メインの通りからはかなり外れてしまいましたけど......」


悠貴「えっ? ここですか?」


悠貴「なんか、喫茶店みたいですけど.....。」


カランカラン


??「おや、ついに来たんだね。プロデューサーくん。」


悠貴「えっ、あなたはっ!」


??「初めまして、君が乙倉悠貴くんだね。写真で見る数倍かわいらしい女の子だ。」





東郷あい「私は東郷あい。」


あい「そして、ようこそ私のお店【BONANZA】へ」





                      ボナンザ
あい「この出会いが私たちにとっての 大当たり である事を願っているよ。」







これが、私とお姉ちゃん......東郷あいさんとの出会い。


そして、私たちのユニット『キューティ・ビューティ』の始まりでした。



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乙倉悠貴「CLOUDY HEART」













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【BONANZA】


あい「とりあえず二人とも、コーヒーを飲まないかい?」


あい「今日もいい豆が入ってきたんだ。」


あい「プロデューサーくんはブラックだったねぇ。乙倉くんは.....」


悠貴「.........あのっ!」


あい「? どうしたんだい?」


悠貴「東郷さんはどうして、ここでお仕事を?」


あい「............。」


悠貴「あっ、アレ? プロデューサーさん.....もしかしたら聞いたらいけない事でしたかっ!?」


あい「いいんだ、プロデューサーくん.......。」


あい「同じユニットになるんだ。知っておいて欲しい。」


.



悠貴「そうですか....先代のマスターがお亡くなりになられて.....。」


あい「跡継ぎのいない今、私がこの喫茶店のマスターをしているのさ。」


あい「先代にはかなりお世話になってね。その恩返しが出来たらなと思っているよ。」


あい「それに.......」


悠貴「?」


あい「.......私は先代に数え切れないほど救ってもらった。道に迷った私の行先に光を照らしてくれた。」


あい「私も、先代のように色々な人の道しるべになりたいものさ。」コポポポポポポ


あい「乙倉くんは砂糖とミルクでいいかな?」


悠貴「あっ、はいっ!」


あい「はい、どうぞ。」コトッ


悠貴「あっ、ありがとうございます。」


ズズズッ


悠貴「わわっ.....」


悠貴「!?」


悠貴「プロデューサーさん何を笑ってるんですかっ!」


あい「フフッ、乙倉くんの反応が可愛かったんだろうね。」

.


あい「ところで、お味の方はお気に召したかな?」


悠貴「あっ、はいっ!ビックリするほど美味しいですっ!」


あい「ほんとうかい?それは重畳だ。」


悠貴「ちょうじょう?」


あい「この上なく満足って意味さ。」


悠貴「へぇ、いい言葉ですねっ!」ゴクゴク


悠貴「」オイシー


あい「......。」


悠貴「?」


あい「フフッ.....」ゴソゴソ


あい「ホラ、ミルクが口についてるよ。」


ムググ( ;・ㅂ・)��□ヾ(・∀・`o)フキフキ


あい「ホラ、綺麗になった。」


悠貴「........... 。」ボーッ


あい「どうしたんだい?ボーッとして。」

.


悠貴「........私、一人っ子なんです。」


悠貴「私にお姉ちゃんがいたら、こんな人だったのかなって...... 。」


あい「...........。」


あい「フフッ、そうかい。」


ナデナデ


悠貴「///」


あい「可愛いことを言ってくれるじゃないか。」ナデナデ


悠貴「えへへ......///」


悠貴「あっ、あのっ!」


あい「?」


悠貴「あいさんのことを.......その......」


悠貴「『お姉ちゃん』......って、呼んでもいいですかっ?」


あい「!?」


あい「.......もちろん。」ナデナデ


あい「改めて、よろしく。『悠貴』。」


悠貴「(///﹏///).。oஇ」


悠貴「こちらこそ、よろしくお願いしますっ!お姉ちゃん!」

.



【レッスン会場】


トレーナー「はい!1 and 2 and 3 and 4 and」


悠貴「」キュッキュッ!


トレーナー「5 and 6 and 7,8!」


トレーナー「二人とも動きがズレてる!」


悠貴・あい「はいっ!」キュッキュッ!


トレーナー「ラスト! 1and 2 and 3 and 4 and.......」


悠貴「ハアッ.......ハァッ........」キュッキュッ!


トレーナー「5 and 6 and 7,8!」


トレーナー「うん、いいじゃない!」

..


トレーナー「はいっ!これで今日のダンスレッスンは終了です。」


悠貴・あい「ありがとうございました。」


トレーナー「乙倉さんダンスのレベルが上がってきてるわね。」


トレーナー「新ユニットの曲は、ビジュアルとダンス寄りにしたいってプロデューサーさんが言ってたけどこれなら、問題なさそうね。」


悠貴「本当ですかっ!」


トレーナー「だけど、あいさんと息を合わせる練習がまだ足りないわね。ユニットは1人だけのものじゃないんだから。」


悠貴「そっ.....そうですね。」


あい「だけど、悠貴はすごいね。とても、ダンスやって無かったとは思えないよ。」


悠貴「体動かすのは大好きだからっ!部活も陸上部だしっ!」


あい「.....だけど、それにしては。」


悠貴「......えっ。」


トレーナー「そうね、乙倉さんがアイドルを初めた時から担当してるけど、ダンスの質が以前とは段違いね。なにか、やってるの?」


悠貴「なにか......って、程ではないんですけど。」


悠貴「その......アイドル始めてから色々研究してくれている友だちがいて.....それでかなぁ。」


あい「.........なるほどねぇ。いい友達に恵まれたわけだ。」


トレーナー「じゃあ、初お披露目のライブは成功させないとね。」


悠貴「はいっ!お友達も呼んでるんですっ!」


悠貴「うーっ、いてもたってもいられなくなって来ましたっ!もうちょっとだけ練習しませんかっ!?」


あい「フフッ、気合いは十分だけど、頑張りすぎは体を壊すからね。」


トレーナー「でも、その意気込みは素晴らしいわ!」

.



【BONANZA】


悠貴「ルールル♪ランラーン♪」キュッキュッ


あい「随分気合い入ってるねぇ。」


あい「声がよく通っているよ。」


悠貴「うんっ!」


悠貴「見てて!」スタッ


キュッキュッ(ダンス)


悠貴「インビテーション♪今宵は遊びましょう♪」


あい「あそびましょ♪」


悠貴「ピュアな本能解放して It′s Showtime♪」


あい「テンプテーション 必死さもかわいいの♪」


悠貴「かわいいよ♪」クルッ


あい「背伸びだって魅力でしょう 愛の歌♪」


あい「........フフッ。ダンスも歌もいい仕上がりじゃないか。」


悠貴「うんっ!家でいっぱい練習したんだ!」


あい「.......そうか。」スタスタ


あい「明日のライブ......一緒に頑張ろう......。」ナデナデ


悠貴「.......うん。ねっ!お姉ちゃん!またアメリカンコーヒーつくって!」


あい「ああ、確か悠貴のアメリカンは.....」


あい・(悠貴)「うんと甘く(っ!)」


あい・悠貴「........... 。」


悠貴「あははっ!息ピッタリ!」


あい「フフッ......そうだね。」


.



【 ライブ会場 】


スタッフ「もうすぐ出番です。」


悠貴「フゥ.......」


悠貴(いける.......今の私なら)


悠貴「はいっ!」


あい「......いくよ。悠貴。」手を差し伸べ


悠貴「うん!」ギュッ


タッタッタ






                          ジロッ

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ジロッ






悠貴「!?」ゾクッ


あい「悠貴、どうしたんだい?」コソコソ


悠貴「う、ううん。なんでも.......」


あい「そうかい?..........ならいいんだが。」

.












あい「ワンナイト・イリュージョン♪」


悠貴「ようこそ新世界♪」


観客「おおおおおおおおおっ!」







みこと「わあっ!見てみて!本当に悠貴ちゃんが踊ってるよ!」


ちはる「うん......かわいい.....」


ゆうな「でも........ガチガチに緊張してるじゃないの。」


ゆうな「声も震えてるし。」


ゆうな「ああっ!もうっ!歌詞を間違えてるじゃないの!まどろっこしい!」


ちはる「そういう事言わないの!ゆうなちゃん。」


みこと「あれだけの人を相手に初めてであそこまで堂々とできるのってすごいと思うよ?」


ゆうな「..........。」

.


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

悠貴「ゆうなちゃん!見てください!」


悠貴「1.2.ステップ、ターン!」クルッ


悠貴「どうですか? 」ニコッ


ゆうな「!?」ドキッ


ゆうな「わっ、悪くないんじゃない///」


悠貴「本当ですか!?」パッ


ゆうな「こんなので、満足しちゃダメよっ!」


ゆうな「トップアイドルになりたいんでしょ!? 」ガサゴソ


ゆうな「はいっ!」


悠貴「これは.......?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ゆうな「.......分かってるわよ、そんなこと。」


ゆうな「がんばって、悠貴」


ゆうな「本当のアンタはそんなもんじゃないでしょ。」

.



【舞台袖】


悠貴「ハアッ.......ハアッ......」


スタッフ「お疲れ様です! 後はアンコールでの新曲ですよ。」


悠貴「.......はい。」


悠貴(ステップを間違えた......テンポが合わなかった......)


悠貴(歌詞も間違えた.....頭が真っ白になって.......お姉ちゃんがフォローしてくれなかったら......)


悠貴(出番の最中 のみんなの落胆の声が聞こえた......)


悠貴(陸上競技してた頃は思いもしなかった........)


悠貴(自分の失敗は即お姉ちゃんの.......キューティ・ビューティのミスになると言うことを。)


悠貴「このままじゃ.......こんなのじゃあダメ.......」


あい「~~♪」


悠貴「お姉ちゃん......すごいなぁ......。」


悠貴「........もう1回出番がある。」


悠貴「もう1回おさらいしよう.....」


悠貴「次はもう......間違えない.......」

.



アンコール!アンコール!


スタッフ「アンコールはいります!」


あい「分かりました。」


あい「いくよ、悠貴!」


悠貴「.......うん。」


悠貴(アンコールまでに何度もお攫いした.....もう1回発声練習もした......)


悠貴(今度は......絶対成功させてみせる......)スクッ





ガクッ


悠貴「あっ......あれっ?」


悠貴(.....膝がっ.....震えて......)


あい「どうしたんだ、悠貴。」


悠貴「おっ、おかしいなぁ。震えが止まらない.......」


悠貴「この時のために、いっぱい練習したのに......どうして......」


あい「........。」


悠貴「人前で何かをするなんて初めてじゃないのに......どうして......どうしてっ……」


ギュッ


あい「悠貴、落ち着いて。」


あい「大丈夫だ。こんな大人数は初めてなんだろう?」


あい「それなら、ただの武者震いだ。」


あい「すみません、私の楽屋から水筒持ってきてもらってもいいですか?」


悠貴「お姉ちゃん.....ゴメンなさい!ゴメンなさい!」グスッ....


あい「落ち着くんだ、まだ始まったばかりだよ。」


あい「悠貴、こっちを見てっ。」


あい「フフッ、泣いちゃって。可愛い顔が台無しじゃあないか。」





あい「悠貴、君が今日まで頑張って来たのはなんのためだい?」

.



あい「有名になるため?チヤホヤされたいから?お金持ちになりたい?」


あい「それも大いに結構!だが、今の悠貴はそうじゃないんだろう?」


悠貴「......うん。」


悠貴「やっと、ライブが出来たのっ。」


悠貴「アイドルになってから、ずっと、ずっと友達を待たしちゃってっ。」


悠貴「だから、このライブを成功させて友達にっ.......。そして、皆に見て欲しい。」


悠貴「私は......『乙倉悠貴』はここにいるって」


悠貴「なのに......」


あい「........だったら、はやく泣き止むといい。」


あい「いつまでも泣いてばかりじゃあ、勝利の女神様が逃げてくよ。」


悠貴「えっ....」


あい「とびきりの笑顔を見せてくれる子に、勝利の女神も惹かれていく。」


スタッフ「どうぞ、あいさん。」


あい「あっ、どうもありがとうございます。」


あい「ほら、悠貴。カモミールのハーブティーだ。これを飲んで落ち着くんだ。」コポポポポ


悠貴「.......ありがとう。」


あい「落ち着いたら、メイクを直してもらおうか。折角の可愛い悠貴が台無しだ。」ポンッ


悠貴「.......うん。」

.



?「...........随分頼りない相棒をもったんですね。」


あい「.......私から見たらそっちのユニットも、随分頼りげのない相棒に見えるけれどね。」


あい「でも、違うんだろう?」




あい「なら、私の答えも一緒だよ。真。」


真「.......そうですか。」


あい「私は、彼女を信じている。」


あい「よく問われるよ..............『どうして、まだD級にもなっていないあの子と組んだのか?もっといいアイドルは居たはずだ』ってね」


あい「だけど、それは正しく彼女を理解できなかった者達の空理空論だよ。」


あい「今日で終わりだ。」


あい「人は知る......。」


あい「『乙倉悠貴』というアイドルが玉石混淆に塗れていた原石である事に」

.



真「そこまで言うなら見せてもらいますよ。」


真「彼女が、どれだけの成長を見せるのか。」スタスタ


あい「折角会いに来てくれたんだ、ハーブティーでも飲んでいかないかい?」


真「間に合ってます。」


クルッ


真「これから楽しませてくれるんでしょう?あいさん。」


真「ハーブティーでうっかり鎮めでもしたら、ボクが困りますよ。」ニコッ



あい「フフッ」


悠貴「お姉ちゃん、お待たせしましたっ!」


あい「準備は.......できたかい?」


悠貴「はいっ!」






♪楽曲イメージ( https://youtu.be/-MXijjjyELo )♪




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観客「さっきと全然ちがうっ!!」


観客「ダンスもボーカルも申し分ないじゃないかっ!」


観客「どうしてあんな女の子が埋もれてたんだっ!」


ワーキャー!


真「.......なるほど。」


真「乙倉悠貴.....かぁ。」


?「あの踊り、真の影響を受けてそうだね。」


?「ステップが真そっくりだぞ。」


真「.........そうだね。だけど、それだけじゃあない。」


みこと「わぁーっ!」


ちはる「悠貴............今度はちゃんと踊れてる........」


みこと「かわいいっ!」


ゆうな(そうよ.....私のあげた....菊地真と我那覇響のダンス映像。しっかり活用してくれたのね。)


ゆうな「さあ!見せてやりなさいよ!アンタの実力をねっ!」

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真「.....あれは、響の影響もありそうだよ。」


響「随分自分たちを研究してきたみたいだね。」


響「ねぇ、真。あの子伸びると思うか?」


真「あの子のことは分からないから、なんとも言えない......。」


真「だけど」


響「だけど?」


真「あの子にはあいさんが居る。あいさんがあの子を伸ばす可能性は十分に考えられるね。」


響「ふーん。」


響「じゃあ、あの子も真みたいに、自分をアツくしてくれるのを楽しみにしてるぞ。」


真「あいさんも、もうすぐA級だけど?」


響「その人、タイプ的には貴音みたいだし、ライブバトルしても熱くなれないさ。」


響「自分としては、真とライブバトルした方がヒリヒリして楽しいさ。」


真「..........褒め言葉として受け取るよ。」


響「当たり前さ。早くA級に上がってくればいいのに。。」


真「........言われなくても分かっているよ。」


真「ボクは、響やあいさんを超えるんだ。」


真「いつまでも、C級に留まるつもりなんてないよ。」

.








あい・悠貴「ありがとう!」


観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」









【映画撮影】


悠貴「いやっ!Pくん行かないでっ!」


悠貴「こんなのおかしいよっ!世界の為なんかにP君が傷つくことなんか無いんだよっ!」


P「…………………。」


P「......ううん。」


P「違うよ。」


P「あそこにね、プリンセスウサミン.......いや、お母さんがいるんだ。」


P「お母さんを助けたい。そして、安部家とウサミン星との因縁を......僕で終わらせる。」


P「いくよ!『ウサミンメタモルフォーゼ』!」


【謎の光】


P「じゃあ、行ってくる。」


悠貴「...........。」


ギュッ!!


P「えっ」


悠貴「...........すき。」


悠貴「わたしっ!P君が好きっ!」


悠貴「だから.....生きて帰ってきて......」ナミダメ


悠貴「返事を......聞かせて欲しい.....な」ウツムキ


P「…………うん。わかった。」


シュバッ!


悠貴「.........。」


悠貴「頑張って、Pくん........。」
.



【スタジオ】


監督「はいっ!OK!」


アシスタント「本日の撮影はここまでです!」


悠貴「ありがとうございますっ!」


監督「乙倉ちゃん、お疲れ様。今日もいい演技だったよ!」


監督「おかげて、いいのが撮れたよ。」


悠貴「本当ですかっ!?ありがとうございますっ!」


監督「次の出番もたのむよ!」


悠貴「はいっ!よろしくお願いしますっ!」


?「..........チッ!」


【BONANZA】


映画!音楽!CMで人気急上昇!


彗星の如く。大型新人『乙倉悠貴』現る!


綺羅、星の如く!


あい「悠貴、今日の新聞が凄いことになっている。一面を独占しているよ。」


あい「悠貴が出演した映画が過去最高の動員数だってさ。」


悠貴「なっ、なんか恥ずかしいなぁ.......」


悠貴「わたし、主役でもヒロインでもないし......」


あい「でも、悠貴のキャラの一途さは反響を呼んでいるよ。もっと自信をもつんだ。」


あい「学校ではどうだったかな?」


悠貴「うん!みんな映画見たって言ってくれたよっ。」


悠貴「プロデューサーさんも、これでC級に格上げになるかもって連絡が来たしっ!」


あい「一気にそこまで上がるのかい!」


悠貴「うんっ!友達がみんな大喜びしてくれたよっ!」


あい「本当かい......D級を飛ばしてCなんて滅多にない事だよ!」


悠貴「ほっ、ほんとう?」


あい「嘗て、日高舞というS級アイドルがデビュー直後にB級にあがって以来のことじゃあないかな?」


悠貴「!?」
.



あい「悠貴は伝説のアイドル程とは言わないが、鮮烈な印象を付けたことになるね。」


悠貴「おっ、お姉ちゃんどうしよう。そう聞くとだんだん怖くなってきたよ......」アワアワ


あい「フフッ、悠貴。案ずることないよ。」


あい「君が漸く日の目をみるようになっただけに過ぎないんだ。」


悠貴「そっかなぁ........。なんか、変な感じ......」


?「あいさーん!コーヒーくださーい!」


あい「おっと、すまないね。直ぐに用意するよ。」


あい「シュガー少なめだったかな?」


?「そうね.........」ペロッ


?「うげっ.......」


あい「? どうしたんだい?」


?「!? い、いえっ!なんでもないっ.....ですっ!?」ワチャワチャ


?「気にしないでっ!」チャッチャッ


あい「.........ふーん。分かったよ。」




ペラッ

?「また........?」



.














藤居朋「『悪魔の正位置』なんて..........。」


藤居朋「縁起悪いなぁ.....。」











.



【ライブバトル】







「ハァッ!ハァッ!」








(どうしてっ.........)





乙倉悠貴         ×           モブ子
43200                         51933





乙倉悠貴         ×           モブ子
37395                         46990





(どうしてっ!)





乙倉悠貴         ×           モブ子
41489                         51800





(差が縮まないっ......!離されちゃうっ!)





乙倉悠貴         ×           モブ子
46721                         57389





あい「頑張れ悠貴っ!頑張るんだ!」





乙倉悠貴         ×           モブ子
52311                        64339





(もう.......ダメっ.....)





.



アナウンス「只今のライブバトルの結果発表を行います。」


アナウンス「勝者 モブ子!」


観客「ワアアアアアアアアアアアッ!」





真「........また負けたね。」


響「なあんだがっかり、期待はずれだよ。」





【テレビの外】


ちはる「あーあ.......」


みこと「負けちゃったぁ。」


みこと「悠貴ちゃんこれで3連敗......どうしちゃったのかなぁ。」


ゆうな「.......そりゃあそうよ。」


ゆうな「ファン数やCD売上枚数がそのままクラスに反映されるのはせいぜいC級中位まで。」


ゆうな「B級やA級に上がるには、ライブバトルで相手を落とさないといけないの。」


ゆうな「C級上位とB級下位は一緒に這い上がったり、引きずり降ろしたりの間柄よ。入れ替わりや争いの激しさなんて言うまでもないわ。」


ゆうな「作られた人気じゃあ、スグにメッキなんて剥がれちゃう!」


ちはる「ゆうな.......言い過ぎ.....。」



みこと「悠貴ちゃんだって、頑張ってるんだよ。」


みこと「私達が応援しないでどうするのっ。」


ゆうな「だからっ!応援だけじゃどうしようもない世界だっていってるのっ!」


ゆうな「私達が応援した位でB級に上がるなら、今頃みんなトップアイドルよっ!」


みこと「それはそう.....だけど。」


ゆうな「でしょう?」


みこと「............でも、ゆうなちゃん随分詳しいね。昔からこんなんだっけ?」


ゆうな「そっ、そうよっ!別に言うほどのことでもなかっただけっ!」


ちはる「........でも」


ちはる「これ見て.......。」スッ


ゆうな「......何よ、スマホなんて出して。」





ネット[乙倉悠貴とかいうアイドルwwwww]





ゆうな「なっ!何よこれっ!」

.



ネット[ホントお荷物。]


ネット[初めて見た時は、いいアイドルが出たかなぁと思ったもんだけど。こんなもんだったとは。]


ネット[所詮ジュニアモデル上がりはこんなもんだってww]


ネット[歌もヘタクソだし、見てらんねーよ。]


ネット[乙倉悠貴、枕でC級中位まであげてもらったってマ!? あの生足ペロペロしてぇよなー俺もなー。]


ネット[»俺は脇汗を舐めたい]


ネット[»»きっしょ!]





ゆうな「コイツらっ!悠貴のこと何も知らない癖に好き勝手な事言って!!」


みこと(枕?どうして枕でC級の話になるんだろ......?)


ちはる「悠貴......ネットでいっぱい悪口いわれてる......」


ゆうな「こんなのっ!一部の人間が言ってるだけじゃないっ!」


ちはる「でも悠貴がこれをみたら......どう思う?」


ちはる「一部の人間.....と割り切れる?ゆうなみたいに。」


ゆうな「そっ......それは.....。」


ちはる「私たちだけでも......最後まで一緒にいるべきじゃないかな。」


ゆうな「......わっ!分かったわよ!」

.



【帰り道】


悠貴「.............また負けちゃった。」


悠貴「家に帰って、今日の反省をしないと。」


悠貴「でも、もう少しで何かが掴めそうっ....!」


悠貴「みんな見ててっ!絶対今日のリベンジを果たすからっ!」













?「乙倉ァーッ!!」













悠貴「えっ?」


ドンッ!!


悠貴「きゃあっ!」


悠貴(しまったっ! この先は.....かいだ)


ゴロゴロゴロゴロ!!


ドンッ!

.



悠貴「ぐぅっ......うっ......」


??「.......ハッ、ハハッ!ざまぁみろッ!」


??「私のC級昇格を邪魔した報いだっ!」


「なっ、なんだ今の悲鳴は.......」


??「チッ!もう人が来たかっ!」ダッ!


「オッ、オイ!人が倒れているぞ!」


「救急車だっ!救急車をよべっ!」


悠貴「おっ.......お姉.......ちゃ.......ん........」カクッ

.









乙倉悠貴入院!


全身打撲及び骨折により全治4ヶ月!


業界震撼!乙倉悠貴入院の裏に芸能界の闇が!









ネット[テレビにも、ライブにも半年以上出れないとなると、少なくともD級まで落ちるのは確定だな。]


ネット[あー、こりゃあ引退か? ビジュアルは好みだったし、声がアソコに響いたから追っかけてたんだけどなぁ.........残念!]


ネット[デビューはよ]

.



【病院】


ガラッ!


ゆうな「悠貴ッ!」


悠貴「......あれ、みんな。」


あい「悠貴、彼女らは?」


悠貴「学校の友達だよっ!」


ゆうな「東郷あい.............本物。」


みこと「うわあっ!本物のあいさんだあっ!」


ゆうな「ちょっとっ!みんな!落ち着いて!」


ナース「だから、病院ではお静かにっ!」


あい「あっ、はい。すみません.....。」


ゆうな「ホラっ!」


みこと「ごっ、ゴメンなさい。」


あい「すまない、実は私が最初に注意されてね.......。」


あい「プロデューサーが階段から落ちて入院したって言うから......」

.


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


あい「悠貴ッ!大丈夫かいッ!悠貴っ!」


悠貴「あっ、お姉ちゃん.........だいじょ」


あい「よかった!!よかったよおおお悠貴いいいいい(´;ω;`)」ダキッ


悠貴「えっ!ちょっとっ!お姉ちゃん??」ギュウウウウウウ


ナース「病院ではお静かにっ!!」


あい「すっ、すみません.......。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


悠貴「あはは、だから大袈裟だって........。」


悠貴「ただの全身打撲と骨折だから......」


悠貴「でもっ、顔に怪我はなかったよっ!だって、私アイドルだもんっ!」ニコッ


あい「悠貴........」



ゆうな「それにしても、東郷あいさんに意外な一面が........。」ヒソヒソ


みこと「なんだろ、すっごく自慢して回りたい。」


ちはる「いや.....墓場まで持っていこう.......。」


.




ガラッ


あい「プロデューサーくん。」


悠貴「プロデューサーさん!」


あい「何だか.......神妙な顔をしているね。」





あい「.........『いい話』と『悪い話』がある?」


あい「『いい話』ってのはなんだい?」


悠貴「えっ!犯人捕まったんですか!」


ちはる「良かった.......」


ゆうな「一体どこの誰なのよ!悠貴をこんなふうにしたのはっ!」


ゆうな「ッ!? 言えない!? 言えないってなによっ!?」


みこと「ちよっと!ゆうなちゃん!」


ちはる「落ち着いて......」


ゆうな「これが落ち着いてられっかって!?」


ゆうな「なに!これが『悪い話』だとでも言いたいのっ!?」




あい「!? プロデューサーくん、どうしたんだい。」


あい「確かに、今後しばらく.....悠貴は活動できないが........」



.



みこと「それが、一体......」


あい「..........くっ」


ゆうな「.......そうか。」


ゆうな「..........優しいね。悠貴のプロデューサー。」


ゆうな「アタシ、気づいちゃった。東郷あいさんも気づいてんのじゃない?」


みこと「なっ、何何?」


ゆうな「........それは」


あい「まっ、待ってくれ!いまのタイミングで悠貴には伝えてやらないでくれっ!」


悠貴「........大丈夫だよ。おねえちゃん。」


悠貴「.......落ちるんでしょう? D級に。」

.



あい「.............。」


あい「.........その可能性が高い。」


ゆうな「........それで済めばまだ優しいわ。」


ゆうな「最悪D級以下になるのも覚悟しておいた方がいいわね。」


みこと「ゆうなちゃん!!」


悠貴「........あはは。」


悠貴「そっかぁ。」ニコッ


ちはる「......悔しくない?」


悠貴「.........悔しいよ。」


.



悠貴「でも、お姉ちゃんがいなかったら、そもそもC級に上がれることさえ無かった。......元の場所からやり直すだけだよ。」


悠貴「それに.....お姉ちゃんが言ってくれたよね。」


悠貴「笑顔でいないと.....勝利の女神様が逃げちゃうよ。」ニコッ





あい「悠貴.......」


みこと「悠貴ちゃん......」


悠貴「みんな.......ごめん。暫く1人にさせて欲しいな。」


あい「........ああ、わかった。」


あい「みんな、私のお店に来るといいよ.......。」

.



悠貴「.........そっかあ。」


悠貴「また、1からやり直し......かぁ。」


悠貴「........何やってるんだろう。」


悠貴「みんな、あんなに幸せな顔してくれたから、ようやく少しは恩返しできたって思ったのに......」


悠貴「みんなに悲しい顔をさせて....。」


悠貴「そう言えば、何時からだろう.......」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


みこと「........惜しかったね、悠貴ちゃん。つっ、次は勝てるよっ!」グッ


ちはる「頑張れ......悠貴。」




ファン「乙倉悠貴?あーあー、アイツ?ダメダメ!ちょっと映画が当たって売れたからって天狗になってるありゃあ…。」


ファン「所詮は虎の威を借る狐ならぬ、東郷あいの人気を借りた狐だったわけよ。」


ファン「パッとしねえしな......」




悠貴「.........。」


あい「.......言わしておけばいい。」


あい「確かに、悠貴はあの時色々な人を刮目させたんだ。」


あい「もっともっと刮目させられるはずさ。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



悠貴「負けてばっかで......みんなに気を使わせて.....」


ポタッ......ポタッ......


悠貴「そればかりかみんなを......エグッ.....悲しませてばっかで......」


ポタッ......ポタッ......


悠貴「うぅっ......辛いよっ.....苦しいよっ......」


ポタッ......ポタッ.....


悠貴「ごめんなさいっ!......ごめんなさいっ!」


悠貴「ガッカリさせてごめんなさい.......ため息なんてつかしてごめんなさい.....」


悠貴「なんでっ......ううっ.....なんで私はっ........ みんなを.....幸せにできな......うあああああ!!!」









あい「.......悠貴。」


ゆうな「.........。」




ゆうな「.......くそっ」手グググッ


.



【BONANZA】


あい「......みんなはコーヒーは飲めるかい?ムリならジュースを用意するが。」


みこと「あっ.....あの、紅茶はありますか?」


あい「もちろんさ、ダージリンでもいいかな?」


みこと「はいっ!ありがとうございます!」


ちはる「.......エスプレッソで。」


あい「ず......随分渋い飲み方をするねぇ。」


ゆうな「アタシは.....そのっ.....」


ゆうな「......ブレンドコーヒーを甘めでください。」


あい「.......かしこまりました。」ニコッ

.



あい「」コポポ


みこと(あいさん素敵だなぁ........。)ポーッ


みこと(お店もいい雰囲気だし......。)チラッ


みこと(あっ、あれ、悠貴ちゃんとあいさんのツーショットだぁ。)


みこと(いいなぁ......二人のユニット相性ピッタリなのが一目でわかるよ.......。)


あい「どうぞ。」コトッ


ゆうな「あっ、ありがとうございますっ。」


ゆうな「」ズズズ


あい「どう?お口には合うかい?」


ゆうな「はっ、はいっ!美味しいですっ!ありがとうございますっ!」


あい「それならよかったよ。」


ゆうな(どっ、どうしよう.....)


ゆうな(折角有名アイドルがコーヒー淹れてくれたのに.....緊張して味がわからない.....)







ちはる「ねぇ.......。」


ちはる「悠貴.....泣いてた。」


ゆうな「.......................。」


みこと「そういえば、初めてだね。悠貴ちゃんが泣いたの。」


みこと「ねぇ、本当に私達には出来ることはないのかな?」


ちはる「..........考えよう。」


ちはる「私達にしか出来ない......応援の仕方......」


みこと「そうだねっ......私達にしか出来ない事。」


ゆうな「!?」


ゆうな「ハアッ!?」


ゆうな「........バカじゃないの!」


ゆうな「まだ、そういう事をいってるの?一体何を考えてるのっ!?」


ゆうな「聞いてたでしょう!?悠貴をあそこまで追い詰めたのはアタシ達のせいでもあるのよっ!」
.



ゆうな「私たちの応援が悠貴へのプレッシャーになってたことがまだわからないの?!」


ちはる「ゆうな...........。」


ゆうな「.........腹がたつの。」


ゆうな「他でもないアタシにっ!」


ゆうな「これまで一生懸命やってきたあの子に頑張れとしか言えない自分に腹が立つのっ!」


ちはる「ゆうな.......。」


みこと「私達って、悠貴ちゃんの枷だったのかなぁ。」


あい「.......そうだねぇ。」


あい「少なくとも、悠貴はそんな事を思っていないと思うよ。」


あい「悠貴は何度も、みんなの応援に背中を押されていたからね。」


みこと「ホラ!」


ゆうな「ううっ.....」


あい「......それに、こんな言葉もある。」


あい『人は友無くしては生きてゆけない。たとえ、その他の全てを手にしていたとしても。』


ちはる「アリストテレス......」


あい「よく知ってるねぇ。」




あい「どうせ、正解なんてないんだ。」


あい「正否は何れ結果 が教えてくれる。それまで、自分の思った儘の応援でいいんじゃないかい?」


あい「丁度君が悠貴にしてあげたように......ね。」


ゆうな「!?」


ちはる「ゆうな......」


みこと「ゆうなちゃん、私たちに隠れて何やってたの!」


ゆうな「ううっ.....アッ、アタシは!」


ゆうな「.......ううっ。」


ゆうな「あっ、あいさん!余計な事言わないでくださいよっ!」


あい「フフッ、それは失礼。」


みこと「それでー!ゆうなちゃんは何をしてたの!?」


ちはる「教えろー......」


ゆうな「あー!もうっ!分かったわよっ!」


ワイワイ!


ガヤガヤ!


あい「.........。」


あい(みんなは友人として思う儘の応援をして欲しい。)


あい(私は.........)

.



【病院】


悠貴「...........。」


テレビ[さぁ、後は始まりの合図を待つばかりです。]


テレビ[B級首位の東郷あい、A級昇格をかけたライブバトルです。]


悠貴「..............。」





回想あい『悠貴、今度のA級昇格を決めるライブの中継、見ててくれないか。』


回想あい『必ず、勝ってみせる。』




悠貴「お姉ちゃん........。」





あい(...............。)フウッ


あい(悠貴、見ててくれているかい。)


A級アイドル「負けられない!」ググッ


あい「.........さぁ、行こうか。」


あい「キミを魅了して......A級に!」

.



真「.............。」


ワアアアアアアアアアアアアアッ!!


真「始まる!」







悠貴「お姉ちゃん.......」


コンコン


悠貴「あっ、はい!」


ゆうな「......お邪魔するわね。」ガラッ


悠貴「ゆうなちゃん......」


ゆうな「ママから、悠貴にって。」ガサッ


悠貴「わあっ!ありがとう!」


ゆうな「それで、調子は?」


悠貴「うん、打撲のほうは治ったって感じ!」


悠貴「骨折の方は治りかけだけど、しばらくは安静にだってっ。」


ゆうな「そう.......よかった。」チラッ

.



ゆうな「ああ、そっか。」


「あいさん今日がライブバトルの日なのね。」


悠貴「うん.......もう始まってるよ。」



A級アイドル         ×         東郷あい
4721                            3897



ゆうな「でも、さすがA級アイドルね。そう簡単には勝たせてくれそうにない。」


悠貴「うん......だけど。」







あい(私が劣っている訳でもないっ!)



>東郷あい・思い出アピール



あい(いくぞっ!)



>東郷あい・バーストアピール



A級アイドル(くっ!?)



A級アイドル         ×         東郷あい
6835                            14940



悠貴「やったっ!」



ゆうな「.........いやっ」






響「まだ終わってないさ。」



響「ねぇ.......美希。」




.










響「..............美希?」










美希「スピースピー」zzz


響「.........うがーっ!もう美希!なんで寝ているんだ!!」


美希「ムニャ.....響うるさいの......」


響「起きろ美希ー!!」ユサユサ


美希「いーやーなーのー!」


美希「響だけみてたらいいの!ミキはべつにいい!」


真「そんな事言わないでさ、」


美希「........真クン。」


真「あの人....東郷あいさんが、今度のライブの相手かもしれないんだよ。」


美希「まさか.......ミキは知ってるよ。あの子は.....Aちゃんは.........」
.



A級アイドル「クッ.....流石は気鋭のアイドル東郷あいねっ。」



A級アイドル「けど.......私だって......」



A級アイドル「端くれとはいえA級(トップアイドル)っ!」



>A級アイドル・思い出アピール



A級アイドル「私を、ナメるなあッ!」



A級アイドル         ×         東郷あい
13300                           15840



あい「くっ!!」



あい(1回の思い出アピールでここまでスコア差を縮められるのかッ!)





美希「あのAちゃんは、中盤からが本番だってこと。」



美希「あの子はずっとA級の門番をやってきたの。」



美希「いつもの通り......ライブバトルが終わってもいつもの通りあの子が残るの。」



響「........確かに、そう、甘くはないね。」



響「彼女も、自分たちと競い合ってきたA級アイドルだ。」



響「ランキングに程度はあっても、上にはもう、S級(アイドルマスター)しかいない。」



美希「そうそう。」



美希「だからミキはもう寝るね.......終わったら起こしてね」( ˘ω˘ )スヤァ…



響「ああっ、律子が居ないからってんもー!」



真「............だけど。」



響「...........なに?」



真「そんなことは分かり切ってるよ。」



真「もちろん......あいさん自身がね。」



あい(A級という天外魔境で百戦錬磨を重ねた者......)



あい(そう容易く勝てるはずがないっ。)



真(.............ってね。)

.




A級アイドル         ×         東郷あい
16230                           17980



A級アイドル(これで離してやるっ!)



>A級アイドル・思い出アピール



>A級アイドル・バーストアピール



A級アイドル         ×         東郷あい
31309                           19020



響「あーあ、大分差が開いたね。」



響「あの子相手に、この差を詰めていくのは相当至難の技さ。」



響「まぁ.......自分はカンペキだから出来るけどね。」



あい「くっ!このままだと離されてしまうっ!」

.




A級アイドル         ×         東郷あい
33968                           21098



あい(もっとッ!!)



A級アイドル         ×         東郷あい
36000                           23502



あい(もっとッ!)



あい(もっと声をだせっ! もっと、踊りを大きくッ!)



A級アイドル         ×         東郷あい
40254                           23502



響「ダンスも歌も、ビジュアルも特段悪いわけじゃあない。」



響「だけど、自分たちが闘っている領域は..........」



>A級アイドル・思い出アピール



A級アイドル         ×         東郷あい
48558                           31252



響「そんなチャチなものじゃないさ。」



響「一点に磨いた長所で相手と斬り結ぶ........。」



A級アイドル         ×         東郷あい
50983                           33568



響「果し合いさ........。」




悠貴「お姉ちゃん.......。」



ゆうな「あいさん.........。」



.




あい「」ハァハァ



響「どう?これがA級のライブの緊張感だよ。」



A級アイドル         ×         東郷あい
53105                           36178



あい「」カハァ



呼吸さえも苦しくなってきた。



踊りを



声を



その悉くを出し尽くして......











A級アイドル         ×         東郷あい
57650                           40029




なおも届かない...........




.






ゆうな「あいさんの顔が......悲しそうになってきてる.......。」


ゆうな「もう、何もかも諦めたかのような.........。」


悠貴「ええっ.....そんな......。」








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


悠貴『お姉ちゃん......って呼んでもいいですかっ?』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~










A級アイドル         ×         東郷あい
60920                           43028








.




もう.....












A級アイドル         ×         東郷あい
63153                           45703









~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


悠貴『なんか、嬉しいな......他の人と一緒にレッスンが出来て。』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~











A級アイドル         ×         東郷あい
66836                           48072









~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


悠貴『ごめんなさい.......ごめんなさい.......。』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~












ダメだ............遠い.......。








.




































.















悠貴「お姉ちゃん 頑張れ!!」






























あい「!?」














.

























>東郷あい・思い出アピール






















A級アイドル         ×         東郷あい
70876                           59770







ゆうな「立て直したぁッ!!」


悠貴「ねえっ!もしかして....声届いたのかなっ?!」


ゆうな「いや、そんな訳ないから。」


悠貴「(´・ω・`)ソウダヨネッ......」






.













ここに居ないはずの悠貴の声がした。


絶望に打ちひしがれていた悠貴が


ずっと向こうから背中を押してくれたような気がした


悠貴の為にも、私の為にも.......




あい「私が勝つんだあっ!!!」




バッ




観客「なっ、なんだ」ザワザワ


観客「とっ......東郷あいのっ!」ザワザワ


響「........へぇ。」







ゆうな「すごい......あいさんのパフォーマンスが.......」


悠貴「曲の中で進化していってる....」







A級アイドル         ×         東郷あい
72257                           61390






悠貴「いける、いけるかもお姉ちゃん.....」


悠貴「お願い、勝って.....」





.



あい(.....そうか。やっとわかったよ、プロデューサーくん。)



あい(どうして、今更私を悠貴と組ませたのか。)



あい(私に足りなかったのは......仲間......なんだね。これまで背負うものが無かった。)



あい(悠貴は私にとっては、チームメイトで後輩で.....。大切な仲間。)



A級アイドル         ×         東郷あい
73321                           62989



あい(悠貴の存在が......私を大きくしてくれたっ!.......私を前に押してくれるっ!)



あい(そう........この戦いだって.......。)



あい(悠貴の存在がなかったら、疾うに諦めていただろうね.........。)



あい(だけど、今回だけは.......悠貴の希望の為には負けられないんだ!)



A級アイドル(この点差から逆転しようってワケ?)



A級アイドル(上等ッ!)



A級アイドル(抜けるもんなら抜いてみなさい! )



あい(悪いけど、A級の座は奪っていくよッ!!.)







響「この前見た時は凛々しい人だと思ってたけど.......随分泥まみれの戦い方するんだね。」


響「もっとも、自分はそういう人は大好きだけどね。」


真「ボクもあんなあいさんを見るのは初めてだよ。」


真「そこまでして勝ちたいのは、やっぱりあの子のため?」


真「だとしたら.......ちょっと妬けるなぁ。」







.



悠貴「..........。」


ゆうな「こんな姿のあいさんを見るのは初めてよ。それは、悠貴が一番分かってるんじゃないの?」


ゆうな「あいさんは、アンタのために勝とうとしてる。」


ゆうな「アンタのために、」


悠貴「............お姉ちゃん。」


グッ


ゆうな「.......ねぇ。」

.



ゆうな「正直......アンタはアイドル辞めようと思ったことあるんじゃないの?」


悠貴「えっ!?」


ゆうな「『どうして分かるの?』って、顔しているわね。」


ゆうな「分かるに決まってるじゃない。付き合いも大分長くなったわよ。」


悠貴「..............ワガママだよね。」


悠貴「さっきまでは.......さんざん辞めようかどうしようとか、そんなことばかり考えてたのにっ......」


悠貴「..........いまはやりたいっ。」


悠貴「お姉ちゃんともっと.......アイドルを.やりたいっ!」


ゆうな「...........。」


ギュッ


悠貴「ゆうな......ちゃん。」


ゆうな「悠貴.......大丈夫よ。」


ゆうな「悠貴なら......大丈夫。」


悠貴「.......ありがとう。」ギュ


グスッ....


ゆうな「........それにしても、アンタってホントは泣き虫なのね。」ツン!


悠貴「えっ、そっ、そう?///」


悠貴「幼稚園の時からクラスの男子に意地悪されては、泣かされてた記憶しかなかったから.......。」


悠貴「その度に友達が助けてくれて......」


ゆうな「......フフッ、そう考えると....」


悠貴「......なあに?」


ゆうな「.....いいや、なんでもない。」ニコッ


悠貴「えーっ!ちょっと!」


ゆうな「あっ!こうしてる間にも決着ついちゃうじゃないの。」


悠貴「誤魔化さないでっ!」



.



A級アイドル         ×         東郷あい
74916                           64928


観客「ついに点差が10000点を切ったぞ!!」


観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


美希「」ビクゥ!!


美希「」バッ!!


真「おはよう、美希。」


美希「なんなのなの。」


真「食らいつき始めたんだよ、あいさんが。」




A級アイドル         ×         東郷あい
76534                           66924




A級アイドル         ×         東郷あい
77800                           68517





A級アイドル         ×         東郷あい
78994                           70228






A級アイドル(そうね.....なら。)


あい(今こそこの場面で.......。)


二人(決着をつけるッ!)

.





A級アイドル(ここからまだ加速するのっ!?)




A級アイドル(させないわ!)




>A級アイドル・思い出アピール




A級アイドル         ×         東郷あい
88598                           72579




あい(こんな所で終わらせないっ!)




>東郷あい・思い出アピール




A級アイドル         ×         東郷あい
90372                           81536




A級アイドル(もうすぐ曲が終わるッ!逃げ切ってみせる!)




>東郷あい・思い出アピール


A級アイドル         ×         東郷あい
90372                           89936


A級アイドル(えッ!?)


A級アイドル(そんなっ........。)


A級アイドル(並ばれたっ!?)


あい「ハァ......ハァ......」


あい(漸く.......ここまで来たよ。)


A級アイドル「ハァ.......ハァ......」


.





A級アイドル         ×         東郷あい
92600                           91658




A級アイドル         ×         東郷あい
94261                           93991




A級アイドル         ×         東郷あい
95676                           95776




A級アイドル         ×         東郷あい
97911                           97829




A級アイドル         ×         東郷あい
98988                           98998




A級アイドル         ×         東郷あい
101089                         101068



.



観客「ワアアアアアアアアアアアッ」


観客「この接戦を制するのは誰だァーッ!!」







悠貴「お姉ちゃん!!」








美希「この試合、全然アイドルらしくないの。」ボソッ


響「えっ?」


美希「なんか殺気だってるし。」


美希「.......だけど、それでもキラキラしてるんだから不思議なの。」










.







































.

















.

























A級アイドル         ×         東郷あい
101089                         101068












真「かっ........た。」


真「勝ったっ!響っ!あの点差から!」


真「あいさんが勝ったんだよっ!!」


響「まさか本当に勝っちゃうなんて。」


響「..........ハハハッ。」


美希「あーあ、Aちゃん負けちゃったの。」


響「.......でも、新しい風が吹いてきたよ。自分達もうかうかしていられないさ」ニカッ


美希「なんだか嬉しそうだね、響。」


美希「血が騒いでる?」


響「........うん。」ゴゴゴゴゴゴゴ


真「」ゾクッ


響「ライブバトルの楽しみが増えたさ.......。」


響「だけど、一先ずはお祝いだね......」


響「ようこそ......A級へ。」

.








あい(悠貴......見てくれているかい?)









悠貴「見てるよ.....私みていたよっ!」


悠貴「やったねっ......お姉ちゃんっ!」グス


ナース「乙倉さん!静かにしなさい!」


ゆうな「すっ!すみません!」


ゆうな「もうっ!悠貴が五月蝿いから怒られちゃったじゃないの!」


悠貴「...... グスッ.......ごめん.....」


ゆうな「ハァ.......まったく......。」


(。TωTヾ(∀`。)ポンポンッ


ゆうな「良かったわね......悠貴。」


悠貴「........うん」グス

.



美希「あーあ、Aちゃん負けちゃったの。」ブスー


響「スネてる場合じゃないさ、美希。」


美希「明日は我が身......かもしれないんだよ。」


美希「........でもさ、Aちゃんになんて挨拶すればいいんだろう。」


響「美希らしくないぞ、美希は無神経になぐさめにいけばいいんさ。」


美希「ムーッ!なんだかミキがデリカシーのない人みたいなの。」


響「...............いいや、美希はそれがいいんだよ。」


響「自分は...............」


響「............自分はそんな美希に何度も救われたんだから。」ボソッ


美希「響.........。」


美希「ありがとうなの。」


響「ええっ!もしかして聞こえてた!?」


美希「もー!響は照れ屋さんなの!」ダキッ


響「あーもー!くっつかないでよ!」


.




コツコツ



美希「あっ、Aちゃんなの!」ナデナデ


響「んーあー!」ナデナデサレル


A「!? 星井先輩.....」


A「我那覇先輩も......」


美希「Aちゃん.......負けちゃったね。」


響「本当にストレートにいうんだな。」


A「ゴメンなさい、負けちゃいました。」


美希「...............お疲れ様なの」ナデナデ


A「あっ、ありがとうございます。」


A「.......でも、負けたのに何だろう。ライブバトル.........とっても楽しかったです。」


美希「えっ........。」

.



A「向こうの勝ってやるって気持ちが、すごく伝わってきて......」


A「やっているうちに段々とダンスや歌のレベルが上がっていって」


A「熱量におされて、なんだかこっちまで熱くなっちゃって」


A「『勝てるもんなら勝ってみろ!!』って、」


A「楽しかったなぁ......。」


A「またあいさんとライブバトルしたい......」キラキラ


A「今よりもっと強くなって今度こそは......あいさんにリベンジするんです!」キラキラ


美希「........なんだか、キラキラしてるね。」


A「えっ.....」


美希「昨日より......ううん、ライブ前よりもずっとずうっと......Aちゃんが輝いて見えるの......。」


美希「東郷あいさん.......かぁ.......。」


美希「なんだか興味がわいてきたの。」
.

響「..............A子。」


A「あっ!はいっ!」


響「A級に戻ったら.....またライブバトルをしようね。」


響「大丈夫、A子ならできるさ.....」


A「はいっ!!是非ッ!!」
.



【都内某所】


悠貴「それじゃあ、いくよっ!」


ゆうな・みこと・ちはる「うん」


四人「お姉ちゃん(東郷あいさん)A級昇格をおめでとう(ございます)!」


パチパチパチパチ


あい「あっ、ありがとう.......なんか照れくさいな。」


あい「それに、なんかこんな絢爛なお家に招いて貰えるとはおもってなかったよ。」


あい「もう少し、いい格好をしておけば良かったなぁ......。」


みこと「ごめんなさい、気が回りませんでした。」


ちはる「みことの家......豪邸......だから......。」


ちはる「そっ、そうかなぁ。なんか照れちゃうね。」
.



みこと「.......っと!あいさん何飲まれますか? 」


みこと「いつもは紅茶だけなんですが、あいさんがお見えになるって事なのでコーヒーも用意しました。」


みこと「........あいさんほど上手に淹れられないのが申し訳ないんですけれどね。」


あい「そんな事はないよ。.......それじゃあ紅茶でも戴こうかな。」


みこと「はいっ!」スクッ


悠貴「みことちゃん、手伝うよっ!」


みこと「ありがとう。でも、仮退院さんは大人しく座ってて........ねっ。」


悠貴「むぅ.......」

.



みこと父「お、おい母さん! 本当にあの東郷あいさんがウチにきてるぞ!」


みこと母「はいはい、嬉しいのはわかったからあの子達の邪魔しないの」グイッ!


みこと父「ああああああああ!!」ズルズル


みこと父「母さん、苦しいッ!苦しいから!」


みこと母「もう!うるさい!」


ズルズル


みこと母「.........初めて見るわね。」


みこと母「あの子が私たち以外に自分の感情を見せるところ。」


みこと父「ああ......あんなに引っ込み思案だったあの子がねぇ。」


みこと母「感謝しないといけないわね。」


みこと母「あの子のお友達に.....」


みこと父「どうだい母さん、今夜は久々に。」


みこと母「なんかいかがわしく聞こえるわ。やめて頂戴。」ズルズル


みこと父「一緒にお酒を飲もうって意味だよう......」ズルズル

.



カチャカチャ


みこと「フンフンフフーン♪」


ゆうな「みこと、この前買ったお菓子とか残ってたかしら?」


みこと「あー。うん!残ってるよー!」


悠貴「.............。」


ちはる「みことー......お皿どこー?」


みこと「右の青い戸棚になかったかなぁ?」


悠貴「.........。」ウズウズ


ゆうな「ちょっとちはる!なに先に食べてるのよっ!」


ちはる「チョコチップスおいしい......」モグモグ


悠貴「あっ、あのやっぱり.......!」


みこと「悠貴ちゃん?」ニコッ


みこと「いいから、大人しくしてくれる?」ニコッ


悠貴「うっ......うん。大人しくする......」


ゆうな「お願いだから、みことを怒らせないでよね。」コソコソ


ちはる「...........怒ったみことはこわい。」ガクガク


あい(一体あの3人の過去に何があったんだ.......。)

.



みこと「」コポポポポ


あい(おお........お美事。)


ちはる(相棒で見るやつ.......)


あい「あの子随分姿勢がいいんだね。」コソコソ


悠貴「みことちゃんは習い事いっぱいやってますからっ。」


悠貴「バレエや茶道や書道、ピアノにヴァイオリン果ては空手や剣道までっ。」


あい「さすが......。」


みこと「お待たせしました。」


コトッコトッ


あい「いい香りだ......」


あい「」ズズズ


あい「味も素晴らしい.......よかったら今度わたしに紅茶の淹れ方を教えてくれないかな?」ニコッ


みこと「はいっ!是非ともっ!」


ゆうな「おお、あいさんの舌をうならせた......」


ちはる「みこと......凄い.......!」


ワイワイ!ワイワイ!


あい「」ズズズ


悠貴(あっ、お姉ちゃん.......)


悠貴(目にクマがある......昨日の疲れがとれてないのかな......)


あい「.......ねぇ、悠貴。」
..



悠貴「えっ!あっ!うん!なに?」


あい「友達と話をしているときの悠貴はとてもいい表情をするんだね。」


あい「そして、そんな悠貴の笑顔にみんな.......」


あい「..............。」


悠貴「........お姉ちゃん?」


あい「......そうか。」


あい「........そうだよ。」スクッ


悠貴「どっ......どうしたの!」




あい「ようやく見つけた。」


あい「悠貴に立ちはだかった課題......そして、それをどう乗り越えるべきか。」


あい「それを、悠貴自身も気づいて欲しい。」


スッ


悠貴「えっ、お姉ちゃんどうしたの? 手なんて出して.......」


あい「一緒にダンスでも洒落こまないかい? お姫様。」


悠貴「そんな、ダメだよ......完治するまでダンスは控えるようにってお医者さんが.......。」


あい「........大丈夫さ、誰も見やしないよ。」


あい「私達とお天道様以外は......ね。」ニコッ


ちはる(コブラじゃねーか.......)ズズズ

.



あい「1.2.1.2」


悠貴「お姉ちゃん!ちょっとテンポ早いよう!」


みこと「.........。」


ちはる「ねぇ.....怒らないの?」


みこと「........本当は安静にして欲しかったんだけどね。」


みこと「でも、あいさんが悠貴ちゃんの課題のためって言ってるし。」


みこと「.......いや、違う。ホントは私のワガママかな。」



悠貴「1.2 1.2」



悠貴「ああっ!また振りを間違えちゃったっ!?」


みこと「もう一度、もう一度だけ近くで.......悠貴ちゃんを見ていたい........復帰したらまた遠くへ行っちゃう悠貴ちゃんを......。」


みこと「.....おかしいな、私っていつからこんなワガママになっちゃったんだろう。」


ちはる「.........。」


ちはる「......気持ちはわかる。」


ちはる「でも、悠貴が、有名になっても変わらなかったことはある。」


ちはる「それは、私たちが親友のままだったってこと。」


ちはる「......それはこれからも変わらないと思う。」


みこと「ちはるちゃん........。」
.



みこと「.........うん。そうだね!」


ゆうな「.........。」


ゆうな「ちょっと二人ともいつまで話してるつもりなのぉ?」ニタァ


みこと「えっ、ああ!ごめんなさい!」


みこと「悠貴ちゃんがんばってー!!」


ゆうな「フフフ」


ゆうな「ちょっとー!振付忘れちゃってんじゃないのー!?」


悠貴「まってってばー!」


あい「どうだい悠貴。楽しいかい?」


クルッ


悠貴「うんっ!やっぱりダンスって楽しいねっ!」ニコッ


あい「よし、慣れてきたならテンポを上げていくよ。せーのっ。」


悠貴「もうっ!ようやく慣れた所なのにっ!」(*≧∀≦*)






ゆうな「!?」






ちはる「どうしたの......ゆうな。」


ちはる「そんな顔して......」


ゆうな「えっ!ああ、うん。」

.



悠貴「1.2.3!1.2.3!」


あい「流石だね、運動していないはずなのに、全然鈍っていない。」


悠貴「ううん!....ハァ.....流石にッ.....!ハアッ......肺がっ......爆発しそう!」


あい「そんなこと言う割には身体が弾んでいるよ。息も乱れていないよね。」



あい「それ、1.2!」


悠貴「ジャンプ!」




ゆうな「なんだろう.....」


ゆうな「悠貴があんな『楽しそうに』踊ってるのって.......いつぶりだっけ? って」



悠貴「えっ......」ピタッ


ゆうな「えっ.....」
.



ゆうな「あっ.....」サアーッ


悠貴「もしかして私......ずっと......」


ゆうな「ちっ、違う!」


あい「.......いや。」


あい「.......気づいたかい?」


あい「悠貴.....これが、キミの未来の1つだよ。」


悠貴「お姉ちゃん......」


あい「これまで悠貴は、みんなに結果を出して見せようと必死になって、歌やダンスをこなしてきた.......。」


あい「だが、そこにアイドルとして必ずあるべきものがなかった。」


悠貴「アイドルとして.......必ず.......。」


あい「...........『笑顔』さ。」


あい「何も巫山戯てやれといっている訳では無い。だが、君はみんなを笑顔にしたくて、アレだけ悩んでたんじゃなかったのかい?」


あい「人を笑顔にしたいのなら、先ずは自分が笑顔になるべきなんだ。」


悠貴「........そっか。やっぱりそんな顔してたんだね。」


悠貴「いつからなんだろう。」

.



悠貴「どんな顔して踊ってたのかな。」


悠貴「歯を食いしばってた?」


悠貴「泣きそうな顔してた?」


悠貴「......ごめんねっ。でも、これからは笑顔でいるからっ」ニコッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


悠貴『ごめんなさい!ごめんなさい!』





ゆうな「.........腹がたつの。」


ゆうな「他でもないアタシにっ!」


ゆうな「これまで一生懸命やってきたあの子に頑張れとしか言えない自分に腹が立つのっ!」


ちはる「ゆうな.......。」


みこと「私達って、悠貴ちゃんの枷だったのかなぁ。」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ゆうな「........ちがう。」


悠貴「えっ......」

.



ゆうな「見つけたよ。私たちだけの応援の方法が」


ゆうな「悠貴、復帰まではあとどれくらい?」


悠貴「えっ、えっと.......退院自体は来月で.....」


悠貴「だけど、そこから次のライブまではひたすらレッスンだから........」


あい「どれだけ早くても半年先だね。」


ゆうな「...........上等。」


ちはる「ゆうな......?」


ゆうな「ちはる......アンタには豊富な知識量と要領の良さがある。アンタは昔から1を聞いて、1を見て10を知ってきた人間よ。」


ゆうな「みこと......アンタは豊富な習い事で作り上げた、多種多様の所作がある。」


ゆうな「私には.....2人と比べると分析力しか取り柄がないけど........それでも必ず役に立ってみせる。」


スタスタ


悠貴「ゆ......ゆうなちゃん。」


ゆうな「.......みこと、やっぱり違うわ。」


ゆうな「退院しても私たちは悠貴のそばに居る。」


ゆうな「私たちで!悠貴をもう1度あの舞台へ......いやっ!」クルッ


あい「!?」








           あいさんのいるステージ
ゆうな「悠貴を!       A級        まで連れていくっ!」








.



悠貴「!?」


ゆうな「.......悠貴。」


ギュッ


ゆうな「大丈夫、悠貴なら。私達ならできるよ。」


悠貴「.........。」


悠貴「うんっ!!」ニコッ









【乙倉悠貴復帰ライブ会場】


観客「ザワザワ.....」


ゆうな「ね、ねぇ。本当に私たち舞台袖まで来て大丈夫なの?」


あい「ああ。悠貴たっての希望だ。」


あい「大丈夫さ、この男の人がちゃんと根回しをしてくれている。だろう?プロデューサーくん」


コクン


あい「ほら。」


悠貴「みんなお待たせっ!」


みこと「あっ!悠貴ちゃ.......」


ちはる「綺麗.......。」
.



悠貴「本当にっ?やったっ!」


あい「悠貴。」


あい「肌や体調のコンディションは万全そうだね。」


あい「調整をしっかりしてきた証拠だね。」


あい「今日......いや、これからのために色々なものを習得したはずだ。」


あい「新曲を引っ提げた、新生乙倉悠貴を観客に見せてやろうじゃないか!」


悠貴「うんっ!!」


みこと「悠貴ちゃんがんばって!」


ちはる「悠貴ファイト......」


ゆうな「悠貴.......」


ゆうな「寂しくないよ、私たちがそばに居るからっ。」ニコッ


悠貴「うんっ!」ニコッ






藤居朋「...........。」


ペロッ


藤居朋「..........『月の逆位置』。」


藤居朋「( *゚▽゚*) 」パアッ!


藤居朋「( *>ω<*)و 」グッ!



.



観客「乙倉悠貴.......ねぇ。」


観客「ダメだよアイツは!全然上位としての華がないよ」


観客「東郷あいさんがいるから見に来たけど.......正直あんま期待......」


悠貴「」スッ


観客「えっ....乙倉悠貴.......雰囲気が......」


観客「あっ.......ああ......」




みこと「そうだよ、悠貴ちゃん。」


みこと「自分が天井に吊られているようなイメージで。」


ゆうな「すごい、モデルウォークまで習得したのね........。」


みこと「うん、一応半年間はバレエと空手の基本だけをみっちりしたよ。」


みこと「それだけでも、姿勢と体幹が見違えるほど変化するよ。」


あい「おかげで、会場の雰囲気が変わったよ......。」


あい「さぁ、悠貴!刮目させてやれっ!!」

.



                          ジロッ

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ジロッ



悠貴(初めてライブをした時と同じ......。)


悠貴(いろんな視線を感じる.......。)


悠貴「だけど、今なら.........言えるよ。」












乙倉悠貴「任せて.........お姉ちゃん。みんなっ!」










♪追い風Running♪










観客「ワアアアアアアアアアッ!!」









.




みこと「すごい!見違えるほどダンスと歌がちがうねっ!!」


ゆうな「歌を教えたのは、ちはるだっけ?」


ちはる「うん.......大変だった.....」


ちはる「私は.....歌うことは好きじゃなかったから。」


ゆうな「それでも歌が上手いから皮肉だわ。」


ちはる「あれ、じゃあ、ゆうなちゃんは何を悠貴ちゃんに教えたの?」


ゆうな「.......ああ、すぐにわかるわ。」


ゆうな「.......早速ね、悠貴は気づくかしら?」

.



観客「あーあ、やっぱこの席ハズレだわ。」


観客「ここらへんの席って、乙倉悠貴ぜんぜんこっちに目を合わせて........」


悠貴「~♪」クルッ


観客「えっ.....こっち見.....」


悠貴「~♪」☆(ゝω・)vパチッ


観客「!?」


観客「うおおおおおおおおお!悠貴ちゃん今オレにウインクしたっ!」


観客「馬鹿言え!俺にだ!」


観客「いいや俺にだ!!!」


ゆうな「その通り!ナイス悠貴ッ!」


みこと「盛り上がり方が変わった.....」


ゆうな「悠貴ってさ、多分効き目は左なんだろうね......。」


ゆうな「中央と左側席には注意いくんだけど、全然右側には視線がなかった......。だから盛り上がり方に偏りがあったの。」


ちはる「そうか......ユニットでのライブの時はあいさんがもう片方も盛り上げてたから......。」


ゆうな「そう、だから私は『多少過剰気味に右側の観客にアピールするように』言ってみたわ。効果があったわね。」


ゆうな「ほかにも、いろいろ悠貴や他のアイドルのライブ動画を見て分析した......そして、悠貴の形にあうように調整する。」


ゆうな「効果があるかどうかは正直やってみないと分からないけどね......。」

.



あい「そうか、すごいなぁ三人とも......レッスンの時から成長は知ってたけども。」


あい「いざライブとなると、また1つ皮が剥けたパフォーマンスをしている....。」


ちはる「............曰く、『音楽は体験、思想、知恵である。』」


あい「ふむ.....『チャーリー・パーカー』だね。」


ちはる「私たちは.....悠貴に取捨選択の幅を増やした......」


ゆうな「本来陸上やっていた経験だけで、C級までいけたんだもの。」


みこと「色んなものを幅広く取り入れた悠貴ちゃんは、すぐにあいさんに追いつきますからねっ!」


あい「.........そうだね。」

















ゆうな「........だけど、本当は。」


あい「ん?」


ゆうな「私は、悠貴がこまま有名にならなかったらいいのにって思ってたこともありました。」

.



みこと「えっ!」


ちはる「ゆうな........。」


ゆうな「有名にならなかったら。ずっと私たちは悠貴と一緒にいられるのにって。」


ゆうな「だけど、今日悠貴が再びステージに立ってて、やっぱり思ったんです。」


ゆうな「やっぱり、悠貴はトップアイドルになれる」ツゥ-


みこと「ゆうなちゃん.....泣いてる?」


ゆうな「悠貴はっ...........悠貴はっ......トップアイドルにならないといけないのよね。」




悠貴「みなさん、ありがとうございましたっ!乙倉悠貴っ!完全復活ですっ、」


観客「ウオオオオオオオオオオオオオオ!!」




ゆうな「あの時は、『退院してからも一緒』なんていったけどさ。わかってるわよ。」


ゆうな「現実はそんな甘くなんかない.......忙しさに会えない日が続くんでしょうね。」


ゆうな「わかってる......。」


ゆうな「みことと同じよ。わかってても.....やっぱり寂しいわ....」


あい「......そうだね。」


みこと「私も寂しいけど、トップアイドルになっても、テレビや雑誌でいつでも会えるよねっ。」


ちはる「ゆうな......よしよし......」ナデナデ


ゆうな「ッ! 子供扱いしないでよっ!」

.



悠貴「ハアッハアッ.......」


あい「おや、主役のご帰還だ。」


悠貴「お姉ちゃん!みんな!どうだったっ?」


みこと「すごく良かった!感動したよっ!」


ちはる「ほら......ゆうなが泣いてる......」


ゆうな「べっ、別にないてなんかないっ!」


悠貴「あはははっ!ゆうなちゃん目が真っ赤だよっ!」


ゆうな「.......ちっ、ちがっ///」


あい「フフッ、.............悠貴。」



あい「おかえり.....。」


悠貴「...........。」


悠貴「うんっ!」















悠貴「ただいまお姉ちゃんっ!」













.








その後、乙倉悠貴は復帰後、破竹の勢いでB級に昇格。




トップアイドルへ、あと一歩となった矢先。




東郷あいが突如、芸能界を引退する。




理由を知るものはユニットメイトであった乙倉悠貴と会社関係者のみという。





.






























【ライブ会場】


アナウンサー[さあ、やってまいりました。本日のライブバトル最後のバトルですが.......]


アナウンサー[今回のカードには、期待されておられる方も多かったのではないでしょうか。]








悠貴「.............ズズズ」


悠貴「プハァ!!.......ハーブティ有難うお姉ちゃんっ!」


悠貴「.............それじゃあ、いってくるねっ。」


あい「ああ、頑張って......。」


あい「................。」
.



あい「悠貴ッ!」


クルッ


悠貴「なあに?おねえちゃんっ!」


あい「...............いま、.このひと時が。」




                ボナンザ
あい「あなたにとっての 【大当たり】 でありますように........。」





悠貴「.............うんっ!!」



ダダダッ!



あい(だが、悠貴......大丈夫かなぁ。なんたって今日の対戦相手は..........。)






観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」





.




?「随分たくましくなったね、悠貴。」


?「昔は、頼りなさそうにみえたのに。」


?「今では一端のA級アイドルだ。」


悠貴「.........やっとお姉ちゃんに追いつけたのかなって思います。」


悠貴「でも、私たちにはやり残したことがある。」


悠貴「.......ですよねっ、真さん。」



真「.......そうだね。」チラッ



あい(....................。)

.



悠貴「このライブバトルに勝って...........私はお姉ちゃんをもう一度アイドルの舞台に引きもどしますっ!」


真「............いいねぇ、丁度おんなじことを考えていたよ!」


真「さぁ、それじゃあ.......」


悠貴「やりましょうっ!!」








観客「ワアアアアアアアアアアアアッ!!」


アナウンサー[熱気は上々! ]


アナウンサー[いま、ライブバトルのゴングが鳴ろうとしています!]








.















菊地真          ×          乙倉悠貴
0                               0












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あとがき

やりたいことはやれました。

ここまで、乙倉悠貴を主役にしておいてなんですが
総選挙には東郷あいさんに清き一票をよろしくお願いします。












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