花「あーーんっ！」ﾓｸﾞｯ

花「…………あまぁ…………うまぁ…………ﾝｯ!?」ｽﾞｷﾝｯ!!

乃愛「…………？ ハナちゃんどうしたの？」

ひなた「大丈夫かー？」

花「…………解んない、どうしたんだろ」

花「あーーーーーﾝｯ!?!?」ｽﾞｷｽﾞｷｯ!

みやこ「あー、花ちゃん、もしかして虫歯になっちゃった？」

花「虫歯……？」

みやこ「虫歯になっちゃったらもう私のお菓子食べられなくなっちゃうよ？ 気をつけなきゃ」

花「……………………」

花「あーーーんっ！」ﾊﾑｯ

花「舌噛んじゃったみたいです、毎日歯は磨いてますし、虫歯になんかなるわけないじゃないですか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

みやこ「あはは、だよね、じゃあ私先に洗い物してくるから」

ひなた「行ってらっしゃいみゃー姉！！」

花「……………………………………」ｽﾞｷﾝｯ!!ｽﾞｷﾝｯ!!ｽﾞｷﾝｯ!!

ひなた「花、本当に大丈夫か？ 涙が出てるぞ？」

乃愛「ふえ？……ほ、ほんとだ！ ハナちゃんが泣いてる！」

花「大丈夫…………これは、それ、お菓子が美味しすぎて泣いてたの！」

ひなた「…………花、本当か？」

花「…………ほんとだよ」

ひなた「そうか、ならいいや、ノア、これ食べ終わったら一緒に遊ぼう！！」

乃愛「勿論！ 公園にでも行こっか！」

花「……………………ふう」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ひなた「食べ終わったし、公園行こぞ！！」

花「…………あ、えーと、そう、私ちょっとだけお姉さんとお話ししたいことがあるから、先行ってて？」

乃愛「ミャーさんと？ 何話すの？」

花「ひ、秘密！！！」

乃愛「…………へ～ぇ、なるほどぉ～」ﾆﾏﾆﾏ

花「そういうのじゃないから！！！」

ひなた「…………花、本当に大丈夫か？」

花「……何が？ 大丈夫だよ」

ひなた「…………先行ってるぞ、花、後で来てくれ」

乃愛「あ、待って！ じゃあハナちゃん後でねー！」

花「…………」ﾌﾘﾌﾘ

花「お姉さん」

みやこ「へ、花ちゃん公園行ったんじゃ無かったの？」

花「ひなたとノアは行きました、私はちょっとだけ休憩です」ｽﾄﾝ

みやこ「ふーん…………花ちゃん、何か悩んでる？」

花「……なんでそう思うんですか？」

みやこ「あ、ごめんね、何となくそんな感じに見えちゃって」

花「……さっき、『虫歯になったら私のおやつ食べられなくなっちゃう』って言ってたじゃないですか」

みやこ「あー、うん、言ったねえ」

花「あれ、本当なんですか？」

みやこ「…………んー」



千鶴『人様の子にお菓子をあげすぎて虫歯にさせただって！？ あんたは加減って物を知らないから！！ 覚悟しなさいよ！！！』



みやこ「…………うん、私が殺されるから本当に食べられなくなる可能性はあるかな」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

花「……そうですか」

みやこ「え、花ちゃんまさか本当に……」

花「いえ、違いますよ、あくまでも例え話です、お姉さんのお菓子を食べられなくなるのは嫌ですからね」

みやこ「ほっ、良かったぁ、私の命が掛かってるからね！ 歯磨きちゃんとしてね！！」ｸﾞｯ

花「お姉さんの命はともかく…………大丈夫ですよ」

花「私は虫歯になってません」

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

学校 お昼

山中先生「はいっ、じゃあ頂きます！！」

クラスメイト「「いただきまーすっ！！」」

花「……………………」ｼﾞｰｰ

花「あーーんっ！」ﾊﾑｯ!!!

花「ッ！！！！！！」ｽﾞｷﾝｯ!!ｽﾞｷﾝｯ!!

夏音「あれ、花ちゃん、もしかして、む…………」

花「！！！！」ﾋﾞｸｯ!

夏音「ニエル苦手なの？ 珍しいね」

花「あっ、うん、ちょっとね」ﾎｯ

乃愛「いやいや、あれでしょ、ハナちゃんはむ…………」

花「！！！！！」ﾋﾞｸｯ!

乃愛「茶して沢山口の中に入れちゃったんでしょ！ この前もケーキ口一杯に頬張ってたし！」

花「そ、そうかもしれない！」ﾎｯ

小依「ねー！花ちゃん！！ むし…………」

花「！！！！！！！！」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ!

小依「しないでよ！！ずっと話しかけてるのに！！」

花「あ、ごめんごめん！！」ﾎｯ

花(良かった、誤魔化せた……)ﾑｸﾞ

花「…………っ！」ｽﾞｷﾝｯ!ｽﾞｷﾝｯ!

ひなた「…………なあ、花、本当に何もないのか？」

花「な、何も……無い…………」ｽﾞｷｽﾞｷ

ひなた「だって、花、何故か解らないけどずっと苦しそうだぞ」

ひなた「一生のお願いだ、花の悲しそうな顔は見たくないから……教えてくれ」

花「…………」

花「実は……」

みやこ『花ちゃんが虫歯？ならもうお菓子作らないよ』

みやこ『約束だから、お菓子作らないならコスプレは着なくてもいいよ、仕方ないね』

みやこ『ああ、そういえば最近花ちゃんにコスプレしてもらってないね、すっかり忘れてた』

みやこ『うーん、今日はいいかな、新しいコスプレ作ってないし』

みやこ『あー、うん、時間が空いて熱が冷めちゃったかな？』

みやこ『え？ ずっとお菓子を作る約束？ 仕方ないじゃん、お菓子が食べられなくなっちゃった花ちゃんが悪いんだし』

みやこ『要らないよ、もう花ちゃんのコスプレも必要ない』

みやこ『…………ああ、そう言えば』

みやこ『昔、花ちゃんとか言う娘と知り合いだったなあ』