【アニポケ】ヒカリ「ここがアローラ地方ね!」 (33)

アローラ地方

空港

サンサン

ヒカリ(25)「ん~…さすがアローラ地方!あったかい!天気もいいし…これならバカンスもだいじょ~ぶ!」

ポッチャマ「ポチャア!」

ヒカリ(こんな素敵なバカンスをタダでプレゼントしてくれたサトシとスイレンには感謝しなきゃ…)

ヒカリ「さぁ、行くわよ!ポッチャマ!レッツバカンス!」ヤッホー

ポッチャマ「ポチャー!」ヤッホー

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3日前

シンオウ地方

フタバタウン

ヒカリの家

アヤコ「ヒカリ~!いつまで寝てるの!起きなさい!」

ヒカリ「ぁー………もぅ!うるさいなぁ…」ポリポリ

ポッチャマ「ポチャア」ポリポリ

アヤコ「うるさいなじゃないわよ!今何時だと思ってるの!?」

ヒカリ「ん~?………もうお昼……」

アヤコ「そうよ。もうお昼!普通の大人は起きてとっくに仕事や家事をしている時間よ」

アヤコ「アンタ今いくつ?」ジロッ

ヒカリ「25」

ポッチャマ「ポチャ」

アヤコ「そうね。あなたと同じ年頃の子はみんな一生懸命働いてる時間ね。………で、あなたは?」

ヒカリ「昨日遅くまでネットしてたから今まで寝てました」

アヤコ「ネットって……また…」ハァ

ヒカリ「もう!だいじょーぶよ!人生は長いんだし!」

ヒカリ「今は充電期間!たいじょーぶだいじょーぶ!」アハハ

アヤコ「………何がおかしいの?」イラッ

ポッチャマ「ポチャア……」ガタガタ

ヒカリ「あっ、そうだ!見たいアニメの再放送があったのよね!テレビテレビっと……」スッ

アヤコ「………」サッ スッ ピッ

ヒカリ「ちょ、ちょっと~!リモコン貸し……」


アナウンサー『え~……今シンオウ地方には~』


ヒカリ「!」


アナウンサー『カントーのポケモンリーグチャンピオン、サトシさんにお越し頂いています』

サトシ『ど、どうも////』テレッ

ピカチュウ『ピカ』ペコッ


ヒカリ「サトシ……」

ポッチャマ「ポチャ……」


アナウンサー『サトシさん!明日のシンオウチャンプ、シロナ氏とのポケモンバトルへの意気込みはどうでしょうか?』

サトシ『え、え~っと……シロナさんはすっげー強い人だし、普通にやってちゃ全然勝てないと思います!』

サトシ『でも、俺はポケモンたちを信じて、ゼンリョクでシロナさんにぶつかっていくだけです!な?ピカチュウ!』

ピカチュウ「ピカ一!』

アナウンサー『ありがとうございました。明日の交流戦が楽しみですね!』

アナウンサー『そういえば……奥様は来月シンオウ地方で行われるコンテストに出場するとか…』

スイレン『はい!私もサトシと同じです!』

スイレン『ポケモンたちと、持てる力の限りを尽くしてゼンリョク!』メラメラメラ

アシレーヌ『シレーヌ!!』メラメラメラ


ヒカリ「コンテスト……」

ポッチャマ「ポチャ…」

アヤコ「………わかった?ヒカリ」

ヒカリ「!」

アヤコ「………昔あなたと一緒に旅してたサトシくんは、今や結婚もしてカントーポケモンリーグのチャンピオン」

アヤコ「タケシくんもカントーで立派にポケモンドクターをやってるって聞いたわ?それに比べてあなたはなに?ヒカリ!」ズイッ

ヒカリ「…………」

アヤコ「仕事もしないで1日中家でネットにアニメ……たまに外に出たと思ったら変な物を買ってきて…」ハァ

ポッチャマ「ポチャア……」

アヤコ「………立派になった昔の友達と比べて恥ずかしくないの!?」

ヒカリ「だいじょーぶだいじょーぶ!人は人!私は私よ!」

アヤコ「なっ!?」

ヒカリ「それより急いでぽけちゃんねるにスレ立てしなきゃ!」ポチポチポチ

ヒカリ「…………えーっと、"カントーチャンプのサトシと昔一緒に旅してたけど何か質問ある?"うん!これでだいじょーぶ!」ポチッ

アヤコ「この子は…」ハァ

ピンポーン

アヤコ「! 誰か来たみたいね?」

アヤコ「ヒカリ!出てくれる?」

ヒカリ「いまスレ立てでい~そ~が~し~い~」ポチポチポチ

アヤコ「………出なきゃ家から追い出すわよ?」ギロッ

ヒカリ、ポッチャマ「」ビクッ

ヒカリ「…………あー、もぅ!何をそんなにカリカリしてるんだか…そんなんだからシワも増え…」ブツブツ

ポッチャマ「ポチャア」

ヒカリ「…………はーい!どちらさ…」ガチャッ

ケンゴ「やぁ!ヒカリ!」

ヒカリ「!」

ケンゴ「……今日はキミの為に花束を……」スッ

ヒカリ「…………」スッ

バタン

ケンゴ「ちょ…」



アヤコ「誰だったの?」

ヒカリ「んー?なんか怪しい宗教の勧誘」

アヤコ「そう…気をつけなきゃ…」

ポッチャマ「ポチャア……」

ピンポーンピンポーン

ヒカリ「」イライラ

アヤコ「いやだわ?まだインターホンを鳴らしてくる…ジュンサーさんに連絡した方がいいかしら?」

ヒカリ「…………あー!もう!」ガタッ

ポッチャマ「ポチャッ!」ガタッ



ヒカリ「ちょっとしつこいわよケンゴ!これ以上付きまとうならジュンサーさんに……」ガチャッ

ヒカリ「!」

サトシ「ようヒカリ!久しぶり!」

ピカチュウ「ピカ一!」

スイレン「アローラ!」ニコッ

アシレーヌ「シレーヌ!」

ヒカリの部屋

ごちゃっ

ヒカリ「サトシ!スイレン!汚いところだけど座って座って!」

ポッチャマ「ポチャッ!」

サトシ「……うわっ、本当にきたな……」

スイレン「サトシ!」

サトシ「……じゃ、ここに座るかな」ポスッ

ピカチュウ「ピカ一」ポスッ

ヒカリ「サトシ!さっきテレビ見たわよ?すっかり有名人ね!」

ポッチャマ「ポチャア!」

サトシ「いやぁ////」テレッ

ピカチュウ「ピカァ////」テレッ

ヒカリ「シロナさんとバトルするんだって?シロナさん、すっごく強いわよ?だいじょ~ぶ?」

サトシ「ん?それはやってみなきゃわかんないよ!でも……」

サトシ「すっげーワクワクしてるし燃えてる!」メラメラメラ

ピカチュウ「ピカァ!」メラメラメラ

ヒカリ「ふふっ、サトシもピカチュウも……有名人になっても昔と変わんないわね?」クスッ

ポッチャマ「ポチャポチャ」ニコニコ

ヒカリ「……スイレンはコンテストに出るんだって?」

スイレン「うん、まだ予定だけど!」

ヒカリ「う~ん……」チラッ

アシレーヌ「シレーヌ」

ヒカリ「……へぇー……スイレン……このアシレーヌ、すごくいいお手入れしてるわね」ナデッ

アシレーヌ「シレーヌ!」

スイレン「!」

ヒカリ「このさわり心地に、この匂い……とすると、使ってるのはー……」クンクン

スイレン「す、すごい……触っただけで……」

サトシ「さすがヒカリ!」

ピカチュウ「ピカ一!」

ヒカリ「え?別にたいしたことじゃ……」ナデナデ

アシレーヌ「シレーヌ♪」

スイレン「ヒカリ!ヒカリは出ないの!?来月のコンテスト!」キラキラ

ヒカリ「……私は……出ない…かな?」

サトシ「何でだよヒカリー!」

スイレン「もったいない!」

ヒカリ「……だって私……才能ないから…」

ポッチャマ「ポチャ」

サトシ、スイレン「え?」

サトシ「才能って……なに言ってんだよヒカリ!」

ピカチュウ「ピカ一!」

ヒカリ「なにって……本当のことよ?」

スイレン「ポケモンに触っただけで、使ってる物を見抜くなんてできない!普通!」

スイレン「これはヒカリの才能……努力のかたまり!」

アシレーヌ「シレーヌ!」

ヒカリ「…………」

サトシ「……どうしちゃったんだよヒカリ!子供の頃はさ?もっとこう……」

ピカチュウ「ピカ一!」

ヒカリ「…………」

スイレン「私もサトシから聞いた!ヒカリはすっごく頑張る人だって!」

ヒカリ「頑張る……」

ポッチャマ「ポチャ…」

サトシ「……今日はさ?近くでインタビューがあったから寄ったってのもあるんだけど……」

スイレン「ヒカリにもらいにきたの!コンテストのアドバイス!」

アシレーヌ「シレーヌ!」

ヒカリ「アドバイス……?私が……?」

サトシ「そうだよ!俺じゃコンテストの詳しいアドバイスとかしてやれないからさ!」

スイレン「ヒカリはコンテストのエキスパートだって聞いた!是非、ご教授……」

ヒカリ「私はエキスパートなんかじゃないわよ。それに……コンテストはもうやめたし」

スイレン「……え?」

サトシ「やめた?なんで……」

ピカチュウ「ピカ……?」

ヒカリ「私のアドバイスなんか全然だいじょばな~い」

ヒカリ「スイレン。悪いんだけど、アドバイスなら私なんかよりハルカに……」

サトシ「ヒカリ……」

ヒカリ「ほらサトシ!いつまでこんなとこにいるのよ!?明日はシロナさんとのバトルなんでしょ!」

サトシ「で、でもヒカリ……」

ヒカリ「かえってください~?私はこれから見たいアニメがあるんです~!」

ポッチャマ「ポチャ!」

サトシ「アニメって……」

スイレン「……サトシ、帰ろう」クイッ

サトシ「………わかったよ」スクッ

ピカチュウ「ピカ」スクッ

ヒカリ「……サトシとピカチュウならきっと明日のバトルもだいじょ~……」

サトシ「ヒカリ!」

ヒカリ「?」

サトシ「明日のシロナさんとのバトル……良かったら見に来てくれないかな?」

ピカチュウ「ピカ!」

ヒカリ「……………」

翌日

………

ピカチュウ「ピカァ…!!」ドサッ

司会「おーっとピカチュウ!ついにダウン!カントーチャンピオンのサトシ選手!惜しくも敗れてしまいました!」

サトシ「くっそー!」

司会「勝者は……シンオウチャンピオンのシロナ選手だー!!」

ワー ワー

シロナ「……………」

ガブリアス「ガブッ!」

シロナ「いいバトルだったわ。サトシくん」ニコッ

サトシ「はい!ありがとうございましたシロナさん!」

サトシ「すっごく熱いバトルでした!またバトルお願いします!」スッ

シロナ「えぇ?もちろん」スッ

ガシッ

司会「おーっと!ここでチャンピオン同士の硬い握手が交わされたー!!」

ワー ワー



ヒカリ「……………」

「ヒカリ!」

ヒカリ「!」

スイレン「見に来てくれたんだ!サトシのバトル!」

アシレーヌ「シレーヌ!」

ヒカリ「スイレン……」

ポッチャマ「ポチャア……」

ヒカリ「……惜しかったわね。サトシ…」

スイレン「うん……きっとまた明日から猛特訓」クスッ

スイレン「それは……きっとヒカリもよく知ってる」ニコッ

ヒカリ「……うん、だね?」クスッ

ポッチャマ「ポチャ!」

ヒカリ「……スイレン、昨日はごめんね?せっかく来てくれたのに追い返すようなことしちゃって……」

スイレン「うぅん、気にしてない」ニコッ

ヒカリ「スイレン!スイレンとアシレーヌなら来月のコンテストもだいじょーぶ!だから自信持って!」

スイレン「おぉ!ヒカリのお墨付き!やったね、アシレーヌ!」

アシレーヌ「シレーヌ♪」

ヒカリ「ふふっ、それじゃあまた………」

スイレン「待って!」

ヒカリ「え?」

スイレン「……今日バトルを見に来てくれたのと……コンテストのアドバイスをもらったお礼……」ゴソゴソ

ヒカリ「お、お礼だなんて!?わ、私……たいしたことしてな……」

スイレン「はい!」スッ

ヒカリ「! こ、これって……」ピラッ

ポッチャマ「ポチャア……」

スイレン「私とアシレーヌの故郷、アローラ地方行きのチケット!」ニコッ

アシレーヌ「シレーヌ!」

ヒカリ「で、でも!えーっと、私今いくら持って……」ゴソゴソ

スイレン「さっきも言った!それはお礼!お金はいらない」ニコッ

ヒカリ「で、でも……」

ポッチャマ「ポチャ…」

スイレン「ヒカリ……ずっと暗い顔してた。昨日会った時からずっと…」

ヒカリ「!」

スイレン「……私とサトシは一旦カントーに帰るから……」

スイレン「……ヒカリはそれで楽しんできて!バカンス♪」

アシレーヌ「シレーヌ♪」

ヒカリ「バカンス……」ゴクリ

ポッチャマ「ポチャア……」ゴクリ

………………

……

そして現在

アローラ地方

ヒカリ「えーっと……まずはどこに行こうかなー?」ペラッ

ポッチャマ「ポチャア!」

ヒカリ「アローラ観光パンフレットによるとー……うん!丁度お腹も空いたし、このアイナ食堂ってとこに行ってみようよポッチャマ!」

ポッチャマ「ポチャマ♪」

ヒカリ「よーし!そうと決まったら行くわよアイナ食………」

ドンッ

ヒカリ「いだっ!」ドサッ

「あ?」

ヒカリ「いたた……いきなり人にぶつかって転ぶなんてだいじょばな~い!」

ポッチャマ「ポチャア…」ハラハラ

「おい!」

ヒカリ「! あ、その!すみませ……」ビクッ

グズマ「あァ?」ギロッ

プルメリ「……………」

ヒカリ(う、うわ……いかにもな人………最悪……)ビクッ

グズマ「……おい、オメェ……」ズイッ

ヒカリ「ヒィッ」ビクッ

ヒカリ「そ、その……スミマセ……」ビクビク

ポッチャマ「ポチャマ…」ハラハラ

ヒカリ(ど、どうしよう……完全にからまれた……しかも……)チラッ

プルメリ「……………」ジロジロ

ヒカリ(……あっちの女の人はずっと私の顔ジロジロ見てくるし……)ハラハラ

グズマ「……おい!ねーちゃん!!」

ヒカリ「ヒッ」ビクッ

ヒカリ(こ、この人たち……スーツ着てるし絶対にあっち系の人よ!)

ヒカリ(もう!だいじょばな~い!!)

ポッチャマ「ポッチャマ……」ハラハラ

ヒカリ(と、とにかく……スキを見て逃げなきゃ!)

ヒカリ「その……私、急いでるんで……」スッ

プルメリ「ちょい待ちな!」

ヒカリ「」ビクッ

ヒカリ「………な、なんでしょう……」ダラダラ

ヒカリ(うぅ……せ、せめて……私の持てる限りの全財産を渡して見逃してもらうしか……)ゴソゴソ

グズマ「おい!写真の女で間違いないか?」ヒソヒソ

プルメリ「」コクリ

ヒカリ(なんか私の方見てヒソヒソ話してるみたいだけど……このさい関係ないわ!)

ヒカリ「………あ、あの!これ、ぶつかった時の治療費です!これでどうか見逃し……」スッ

グズマ「おいねーちゃん」ギロッ

プルメリ「ちょいとついてきな?」クイッ

ヒカリ(…………終わった……)ガクッ

ポッチャマ「ポチャア……」ガクッ

……………

ヒカリ(人気がないとこ……どこよここ?)キョロキョロ

ポッチャマ「チャマー」キョロキョロ

ヒカリ「………あ、あの……いったい何処に……」

グズマ「………いいとこだよ。黙って歩きな?」ニヤッ

ヒカリ(あぁ……きっと私、売られるんだわ……)ガクッ

ヒカリ(…………こんなことなら……バカンスだなんて現実逃避なんてしないでしっかり働…)

グズマ「おう、着いたぜ?」ニヤッ

プルメリ「代表。写真の女をつれて来ました」

ヒカリ(代表……?きっとこいつらのボスね……)ビクビク

ポッチャマ「ポチャア……」ビクビク

「ご苦労様でした。グズマ、プルメリ」スッ

ヒカリ(…………女の人の声だ……)ビクビク

ヒカリ(それも……どこかで聞いた…………)チラッ

ヒカリ「!」

「アローラ」

リーリエ「ようこそ、アローラ地方へ」ニコッ

シロン「コーン!」

ヒカリ「………え?あなた………」

ポッチャマ「チャマ……」

リーリエ「もぅ!何やってるんですかグズマ!この方は私の友人ですよ?もっと丁重にお連れしてください!」プンプン

シロン「コーン!」プンプン

グズマ「すみません代表」ペコッ

プルメリ「すみません」ペコッ

リーリエ「すいません、部下が手荒なお迎えをしてしまったみたいで……」ペコッ

シロン「コーン」ペコッ

ヒカリ「ぁ……いや、別に……」アセアセ

ヒカリ「それよりあなた!サトシとスイレンのクラスメイトの社長さんでー……」

リーリエ「……あなたが来ることはサトシとスイレンから聞いていましたよ?」ニコッ

ヒカリ「サトシとスイレンから………」

リーリエ「はい!お久し振りです!サトシとスイレンの結婚式以来ですね?ヒカリ!」ニコッ

ヒカリ「あーっ!思いだしたわ!」ポンッ

ポッチャマ「ポチャッ!」

ヒカリ「確か………なんとか財団代表のリ……リー………ユリーカ!」ビシッ

リーリエ「違います」ニコニコ

シロン「コーン!」

ヒカリ「も、もぅー!冗談よ?だいじょ~ぶ~?」アセアセ

グズマ「………あァ?」ギロッ

ヒカリ「ヒッ」ビクッ

リーリエ「」ニコニコ

ヒカリ「……えーっとその………………リリーラ?」アハハ

プルメリ「ハァ……」チッ

ヒカリ「」ビクッ

リーリエ「……リーリエです」

シロン「ゴン!」



ブォーン

リーリエ「ヒカリー?ポッチャマー?撮りますよー?」スッ

ヒカリ「うん!オッケー!リーリエー!」

ヒカリ「アローラの海をバックに~?だいじょ~ブイ!」ピース

ポッチャマ「チャマー!」

パシャッ

リーリエ「ど、どうですかヒカリ?上手く撮れましたか?」ドキドキ

ヒカリ「うん!バッチリ!ありがとうリーリエ!よ~し!早速Twitterに……」ポチポチ

ポッチャマ「ポチャア!」

リーリエ「よ、良かったです」ホッ

シロン「コーン」ホッ

キャッ キャッ

グズマ「………あの女…代表をパシリに……」ギリッ

プルメリ「まぁまぁ、代表も楽しんでるみたいだし」ポンッ

グズマ「ぐぬぅ……」

ヒカリ「う~ん……食べ物は美味しいし!海はキレイだし!船は豪華だし!至れり尽くせりね!」モグモグ

ポッチャマ「チャマー!」モグモグ

リーリエ「ヒカリー!釣りでもしませんかー?」フリフリ

シロン「コーン!」

ヒカリ「あー!やるやるー♪」モグモグ

リーリエ「どうぞ!ヒカリの釣竿です」ニコッ

ヒカリ「すっご………高そうな釣竿……」ゴクリ

ポッチャマ「ポチャ…」ゴクリ

ヒカリ「リーリエー?ここまでしてもらってだいじょ~ぶ?」

リーリエ「はい!だいじょ~ぶ!です!」ニコッ

リーリエ「ヒカリのアローラでのことは……サトシとスイレンに任されてますので」

ヒカリ「そうなの?なんか悪いわね?」モグモグ

リーリエ「いえいえ」ニコニコ

ヒカリ(てことは……アローラにいる間はリーリエが付きっきりで観光案内してくれるのかな?)モグモグ

ヒカリ(う~ん……こんなに美人で優しいお金持ち女財閥社長が付きっきりでガイドなんて……そこらのアニメも目じゃないシチュエーションね?)モグモグ

リーリエ「」ニコニコ

ヒカリ「アローラさいこうーーー!!!」ヤッホーイ

ポッチャマ「ポチャアー!!」ヤッホーイ

リーリエ「楽しんでもらえたようで良かったです」ニコニコ

シロン「コーン!」ニコニコ

…………

ザザーン

リーリエ「………着きましたよヒカリ、ポッチャマ。ここが……」

ヒカリ「……す、すご………」

ポッチャマ「チャマー……」

リーリエ「エーテルパラダイスです」ニコッ

シロン「コーン」

ヒカリ(…………アローラ観光案内パンフレットに書いてある通りね……ここがアローラ1の大企業、エーテル財団の本拠地、エーテルパラダイス…)ゴクリ

ヒカリ(そして……)チラッ

リーリエ「ヒカリ!私についてきてください。中を案内します」ニコッ

シロン「コーン!」

ヒカリ(今回のアローラ旅行を私に付きっきりでガイドしてくれるリーリエがこの物凄いエーテルパラダイスのトップ…)ゴクリ

ヒカリ「………アローラさいこうでだいじょ~ぶ?」ヒャッホーイ

ポッチャマ「チャマー♪」ヒャッホーイ

リーリエ「」ビクッ

シロン「コーン…」ビクッ

ヒカリ「ねぇリーリエ!早く案内してよ?エーテルパラダイス!」ワクワク

ポッチャマ「ポッチャマ!」ワクワク

リーリエ「………あっ、その前に……」

ヒカリ「?」

リーリエ「プルメリ。ヒカリを更衣室まで案内してください」ニコッ

プルメリ「畏まりました」

ヒカリ「? 更衣室?」

ポッチャマ「ポチャ?」

プルメリ「さ、こちらへ」スッ

ヒカリ(ま、まさか……すっごいオシャレな服がいっぱいあって、ここから好きなの選んで着ていいわよとか?)ワクワク

ヒカリ「やったー!」

リーリエ「」ニコニコ


20分後

ヒカリ「………あのー……リーリエ……」

リーリエ「思った通りです!よく似合っていますよ?ヒカリ!」ニコニコ

シロン「コーン!」

ヒカリ「………い、いや…その……この服って………」

リーリエ「エーテル財団職員の制服ですがなにか?」ニコニコ

シロン「コーン?」

ヒカリ「………あ、あの……なんで……」

リーリエ「………ヒカリには今日から一ヶ月間………」コホン

リーリエ「エーテル財団の職員として働いてもらいます」ニコッ

シロン「コン!」

ヒカリ「………………は?」

ポッチャマ「ポチャ……?」

ヒカリ「……え?は、働く……?いったいどういう…」

リーリエ「………さ?中を案内しますね?私についてきてください」スタスタ

シロン「コーン!」

ヒカリ「ちょ、ちょっと待ってよリーリエ!」ガシッ

リーリエ「? なんですか?」

ヒカリ「は、働くなんてイヤよ!全然だいじょばない!」

リーリエ「そうは言われましても……」

ヒカリ「………そうよ!サトシとスイレンに連絡してよ!」

リーリエ「サトシとスイレンにですか?」

ヒカリ「うんうん!きっと何か行き違いがあったのよ!だって私、こんな話聞いてな……」

リーリエ「……論理的結論からいいますと……私、言いましたよねヒカリ?サトシとスイレンからあなたを任されていると」コホン

ヒカリ「………え?」ビクッ

リーリエ「………安心してください。たったの一ヶ月間だけです!それに……ヒカリにやって頂くお仕事はそんなに辛いお仕事ではありません!誰にだってできます」

ヒカリ「で、でも……」

リーリエ「その他在職中の住居……食べ物に娯楽……全てこちらで用意させて頂きます。もちろん、お給料だって払いますよ?」

シロン「コン」

ヒカリ「ぁ……や……」

リーリエ「それでも…どうしてもイヤだと言うならば無理強いはしません。お好きにしてください」

ヒカリ「ほ、本当!?…じゃあ帰……」

リーリエ「………ここは海に囲まれた島エーテルパラダイス」スッ

ヒカリ「」ビクッ

リーリエ「………近海には…エーテル財団お抱えの一流警備トレーナーたちやポケモンも配備しています」ギュッ

ヒカリ「ヒイィィィ」ガタガタ

リーリエ「………一ヶ月間……一ヶ月間だけがんばリーリエしてみようよヒカリ?ね?」ギュウ

リーリエ「………安心して?ヒカリを満足させてあげるからだいじょーぶ♪」スリスリ

ヒカリ(全然だいじょばない!!)ゾクッ

ポッチャマ「ポチャア……」

………

リーリエ「………まず…あちらに見えるのがー……」ツカツカ

シロン「コーン」ツカツカ

ヒカリ「ハァ……」

ヒカリ(あ~!もう!せっかくのアローラなのに、バカンスどころか強制労働だなんてだいじょばな~い!)

ポッチャマ「ポチャポチャ!」

ヒカリ(働いたりしたら好きなアニメも見れないし、いつも見てる掲示板やまとめサイトにも張り付けないないじゃん!)イライラ

ヒカリ(それにTwitterだって……今の時代、情報が命なのよ?)イライラ

リーリエ「………ヒカリ?私の話を聞いていますか?」ジトッ

ヒカリ「えっ!?あっ、聞いてる聞いてる!だいじょーぶ!」アセアセ

リーリエ「………ならいいのですが……」

ヒカリ(なんとかリーリエの隙を見て逃げ出さないと!)

ヒカリ「………あの、リーリ…」

リーリエ「あっ、そうそう」

ヒカリ「………へ?」

リーリエ「………論理的結論からいいますと……今日からヒカリは私の部下になる訳ですし…お仕事をしている間は私を代表と呼んでください」ニコッ

シロン「コン」

ヒカリ「ぶ、部下……」

リーリエ「いくらお友達とは言え、これは社会のルールですから。守って頂かなくては他の職員に示しがつきませんので」ニコッ

ヒカリ「で、でもリー…」

リーリエ「え?」ニコッ

ヒカリ「わ、わかりました…代表…」

ポッチャマ「ポチャ」

リーリエ「ふふっ、これでヒカリも立派な社会人に一歩前進ですね!」ニコッ

ヒカリ「は、はい…ありがとうございます」アハハ

ヒカリ(な、なにが社会のルールよ!人を無理やり働かせようとしておいて!)イライラ

ポッチャマ「チャマッ!」

…………

ナッシー「なっし~~」

ツツケラ「ケラー!」バサッバサッ

ヒカリ「わぁ~~!!」キラキラ

ポッチャマ「ポチャ~!」キラキラ

ヒカリ「すごいすごい!アローラのポケモンがいっぱい!」キラキラ

ヒカリ「あっ!あっちにはアローラナッシーも!でっか~い!」キャー

ポッチャマ「ポチャー!」

リーリエ「ふふっ」クスッ

ヒカリ「ねぇリーリエ!ここって…」ワクワク

リーリエ「はい!ここはポケモン保護区域です」

ヒカリ「ポケモン保護区域……あー、そういえば観光パンフレットにも書いてあったかも……」

ヒカリ「確か……エーテル財団はエーテルパラダイスでアローラの傷ついたやせいのポケモンや親から離れちゃったポケモンを一時的に保護して、やせいにかえす手伝いをするって……」ウーン

リーリエ「その通りです!」ニコッ

ヒカリ「じゃあ、もしかして私のする仕事って……」

リーリエ「はい、ヒカリには保護区域のポケモンを管理する仕事にあたって頂きます」

ヒカリ「ポケモンの保護……」

ペルシアン「ニャー!」スリスリ

ヒカリ「わわっ!アローラペルシアン!」

ヒカリ「あ~ん!フカフカで可愛い~♪」モフッ

リーリエ「ヒカリはポケモンが大好きなんですね?」ニコッ

ヒカリ「うん!大好き!」ナデナデ

ヒカリ(ここなら……働いてもだいじょーぶかも!)

ヒカリ(………って!流されちゃダメよ!私は社会の歯車には……)ブンブン

ヒカリ「ん?このペルシアン……けづくろいがよく行き届いてるわね?」サワッ

ペルシアン「ニャー!」

リーリエ「え?」

ヒカリ「それに……この毛並みの維持に体のツヤ………もしかして食べさせてるのは……」ブツブツ

リーリエ「………………」

リーリエ「………ついてきてください、ヒカリ」クルッ

シロン「コーン」クルッ

ヒカリ「え?」

ポッチャマ「チャマ?」

エーテルパラダイス 最奥

ヒカリ「ずいぶん奥まできたわねー?」キョロキョロ

ポッチャマ「ポチャー」キョロキョロ

リーリエ「………………」スッ

ウィーン

ヒカリ「ねぇリー……代表!ここって……」

「グオオォォ!!」ガシャン

ヒカリ「ヒィッ!」ビクッ

ヒカリ「……さ、叫び声……?」チラッ

オオオ……

ヒカリ「……ヒッ…!て、鉄格子……!?中に何かいる……?」ビクッ

ラッタ「グオオォォ!!」ガシャンガシャン

ベトベトン「ガアァァァ!!」ガシャンガシャン

ピッピ「オオオ!!」ガシャンガシャン

ヒカリ「き、傷だらけのポケモンたち!?ま、まさか……」タラッ

リーリエ「…ヒカリ。明日からあなたには……この秘密保護区のポケモンたちを管理して頂きます」

シロン「コーン!」

ヒカリ「ひ、秘密保護区………?」チラッ

ラッタ「グオオォォ!!」ガシャンガシャン

ヒカリ「ヒイィィィ!!」ビクッ

ポッチャマ「ポチャア!」ビクッ

ヒカリ(な、なによこの狂暴なポケモンたち!こんなの全然だいじょばない!)ブルブル

ピッピ「アァアアァァ!!」ガシャンガシャン

ヒカリ(………ん?このポケモンたち……さっき見た保護区のポケモンたちとは明らかに雰囲気が違うわね……?それにこの傷だらけの体……まさか……)

ベトベトン「ガアァァァ!!」ガシャンガシャン

ヒカリ「……このポケモンたち……叫んでるんじゃなくて……」

ヒカリ「……泣いてるの……?」

リーリエ「………………」

リーリエ「………この子たちはかつて……人間に傷つけられ、いいように利用され…そして捨てられたポケモンたちです」

シロン「コーン!」

ヒカリ「……人間に……?」

ポッチャマ「ポチャ…」

ラッタ「グオオォォ!!」ガシャンガシャン

リーリエ「そうです。この子たちは私たち人間を恐れ……そして憎んでいるんです」

ヒカリ「……………」

ベトベトン「ガアァァァ……」ガシャンガシャン

リーリエ「………この子たちの人間への憎しみや悲しみを少しでも和らげてあげるため……苦しみから解放してあげるためと、財団で保護し、集めたのがこの秘密保護区です…」

ヒカリ「人間に傷つけられて利用されて……捨てられた……」チラッ

ピッピ「ウゥウゥゥ……」

ヒカリ「……なによそれ……酷い!酷すぎるよ!」ジワッ

ヒカリ「全然……だいじょばないわよ…」グスッ

ポッチャマ「ポチャア……」

リーリエ「ヒカリ。これを」スッ

ヒカリ「……え?なによこれ……?」ヒョイッ

リーリエ「この子たちが入っている檻のカードキーです。私のスペアですが」ニコッ

シロン「コーン」

ヒカリ「カードキー?」

リーリエ「はい!当然の権利です。論理的結論からいいますと……あなたは明日からこの秘密保護区の管理主任なんですから!」

シロン「コーン!」

ヒカリ「……………」

リーリエ「………それと……ここを管理して頂くにあたっていくつか注意事項が」コホン

ヒカリ「注意事項?」

リーリエ「まず、ここのポケモンたちは人間を憎んでいます。なので見ての通り、とても攻撃的です。迂闊に檻の中には入らないこと」

ピッピ「ガアァァァ!!」ガシャンガシャン

ヒカリ「りょ、りょーかいで~す…」ビクッ

リーリエ「……この子たちは人間を恐れています。なにがあっても攻撃はしないこと」

ヒカリ「攻撃しない……つまり……バトル禁止……?」

ポッチャマ「チャマ?」

リーリエ「そういうことになりますね。そして、この子たちは私たち人間の施しはけっしてうけません」

リーリエ「………食事も……財団で用意したどんなポケモンでも食べずにはいられない、最低限の栄養が採れるだけの人工食料しか食べません」

リーリエ「これを…1日一回、彼らに与えてください」

ヒカリ「人工食料……」

リーリエ「あとやることはこの紙に書いてありますので目を通しておいてください」ピラッ

ヒカリ「……うわぁ……けっこうやることある……だいじょーぶかな?」

ポッチャマ「ポチャア」

リーリエ「………もしもの時の為にグズマとプルメリを明日からヒカリにつけます。何かあったら彼らに言ってください」ニコッ

ヒカリ(グズマとプルメリって……さっきの怖い人たちよね?)ウワー

ポッチャマ「ポチャア……」

ヒカリ「……ね、ねぇリーリエ……」

リーリエ「? なんですか?」

ヒカリ「……確かにこのポケモンたちは何とかしてあげたいけど…私には無理よ……」

リーリエ「無理?」

ヒカリ「う、うん……だって私……つい昨日まで部屋に引きこもってネットしたりアニメ見たりしてただけなのよ?それをこんな……」

リーリエ「……ヒカリのことはサトシとスイレンから話を聞いていましたが……論理的結論からいいますと、百聞は一見にしかずです!」ビシッ

ヒカリ「え?」

リーリエ「………今日1日あなたと一緒にいて私、思ったんです!この子たちを救えるのはあなたしかいないって!」

シロン「コーン!」

ヒカリ「えぇ!?いったいどこでそう思ったのよ!」

ヒカリ「だ、だいたい!こんな才能もない私が……いきなりそんななろう系主人公みたいに……」

リーリエ「………ポケモンの為に涙を流せるヒカリならきっと……」ポンッ

ヒカリ「!」

リーリエ「だいじょーぶ!……ねっ?」ニコッ

シロン「コーン!」

…………

ヒカリ「あーあ」ハァ

ポッチャマ「ポチャア」ハァ

ヒカリ「誰にでもできる仕事って言ったのに……あんなの詐欺よ詐欺!」プンプン

ポッチャマ「ポチャ!」

ヒカリ「明日からどうしよ……でもあの怖い人たちが見張りについてるんなら逃げることもできないわよねー……」ハァ

ヒカリ(いっそのこと異世界転生でもしたいなー……)ボーッ

ヒカリ「…………こうなったら……!SNSでエーテル財団はか弱い女性をムチャクチャな強制労働させるブラック企業だって言いふらし……………」

ヒカリ「…………は、やめておいてあげるか。私が大人で助かったわねリーリエ」フッフッフ

ポッチャマ「チャマ!」

ヒカリ「……っと、ついた!ここがリーリエから言われたエーテルパラダイス女子寮ね!」

エーテルパラダイス女子寮「」ドーン

ヒカリ「……うっわ……私の家より豪華!エーテル財団……すごい儲かってるのね!悪いことでもしてるのかな?」ウーン

ヒカリ「ま、いーや!今日から一ヶ月間、ここが私のお城♪」ルンルン

ヒカリ「確か……ルームメイトがいるって聞いたけど……だいじょーぶな人だといいな…」

ポッチャマ「チャマー!」

ヒカリ「……リーリエの話だと、私がサトシとスイレンの知り合いだって聞いたら喜んで受け入れてくれたっていうし……サトシのクラスメイトだった人なのかな?……うん、それならきっとだいじょーぶ!」グッ

ヒカリ「……よーし!行くわよ…」ゴクリ

ヒカリ「すみませーん!今日から一緒に暮らさせて頂くヒカリですけどー!」コンコン

ポッチャマ「ポチャー!」コンコン

「はーい!」

ガチャッ

ヒカリ「!」

アセロラ「あなたがヒカリさんね?待ってたよ♪」

ミミたん「キュー」フワフワ

アセロラ「リーリエから話は聞いてるよ?ルームメイトのアセロラです。よろしくね?」ニコッ

ヒカリ「シンオウ地方から来たヒカリです。よろしくお願いします。こっちはポッチャマ」ペコッ

ポッチャマ「チャマ!」

アセロラ「うん!よろしくね?リーリエから聞いてた通り……オシャレさんなんだね?」

ヒカリ「いやぁ////」テレッ

アセロラ「ポッチャマも可愛いー♪」ナデナデ

ポッチャマ「ポチャア////」テレッ

アセロラ「ささ!ヒカリ!今日からここはアセロラとヒカリの家だよ!遠慮しないでくつろいでね?」ニコッ

ヒカリ「う、うん!ありがとう、アセロラ……ちゃん!」

アセロラ「えへへ、アセロラでいーよ!ヒカリ!」

ヒカリ「う、うん……アセロラ!(良かった……いい人そう……)」ホッ

ミミたん「キュー」フワフワ

ヒカリ「………ん?」

ヒカリ「………なんかこのミミッキュ……浮いてる?」ジーッ

アセロラ「うふふ、ミミたんは幽霊なの!」

ヒカリ「幽霊!?」ビクッ

ポッチャマ「チャマッ!?」ビクッ

アセロラ「ささ!まずは荷物を置いて!そして、軽い部屋の説明をー」

ヒカリ「………」ウーン

ヒカリ「あ、あの……アセロラ!」

アセロラ「? なに?」

ミミたん「キュ?」

ヒカリ「そ、そのー……アセロラってサトシとスイレンのクラスメイトだったの?」

アセロラ「なんで?」

ヒカリ「リーリエが私がサトシとスイレンの知り合いだって聞いたら喜んで受け入れてくれたって言ってたから…そうなのかなって…」

アセロラ「あー、そういうこと。アセロラは違うよ」

ヒカリ「え?違うの?」

アセロラ「うん!でもー……サトシとスイレンとはね?とーっても仲のいいお友達だったの!」ニコッ

ヒカリ「そうなんだ~だから……」

ヒカリ「じゃあ……私ともサトシとスイレンの結婚式で会ってるのね?……ごめんね?あの時は人いっぱいいたし……私、料理に夢中で覚えてなくって」ハハハ

アセロラ「………」

ヒカリ「でもー……ルームメイトになったからたくさんお話…」

アセロラ「ヒカリとは今日が初対面だよ」

ヒカリ「え?」

アセロラ「だってアセロラ、サトシとスイレンの結婚式には行ってないの」ニコッ

ヒカリ「………え?え??」

ミミたん「キュー」フワフワ

ヒカリ「結婚式行ってないって…だってアセロラ…サトシとスイレンと仲良かったのよね?」

アセロラ「うーん……アセロラにも色々あってねー」アハハ

ヒカリ「そ、そうだったんだ…残念だったね」

アセロラ「別に?」

ヒカリ「え!?べ、別に??」

ヒカリ(なになに?どういうこと!?)

ヒカリ(てかアセロラ……この話してから機嫌悪そうだし……)チラッ

アセロラ「…………」

ミミたん「キュー」

ヒカリ(も、もしかして私……なんかアセロラのマルマイン踏んじゃったの!?あー、もう!だいじょばな~い!!)

ポッチャマ「ポチャア」

アセロラ「……それで?どうだったの?」

ヒカリ「え、えっと……何がでしょう……?」アハハ

アセロラ「結婚式のことよ!サトシとアイツの!」バンッ

ヒカリ「ヒィィィィ!!(アイツ……?)」ビクッ

ヒカリ「そ、その……人がいっぱいいて……料理が美味しくて……」ガタガタ

アセロラ「……で?」ジッ

ヒカリ「その……スイレンのウェディングドレス姿がとってもキレイで……サトシとラブラブで……二人ならだいじょーぶ!で……」ビクビク

アセロラ「…………そっかぁ」ニコッ

ヒカリ(あ、アセロラが笑った!?やった!よくわかんないけど、なんとかマルマインは回避でだいじょーぶ!)ホッ

ポッチャマ「ポチャ」ホッ

アセロラ「じゃ…お話はこれくらいにして、お部屋を案内するね!ヒカリ!」スクッ

ミミたん「キュー」

ヒカリ「は、はい……お願いします…」ビクビク

ヒカリ(うぅ……最初はいい人だと思ったのに……いつマルマインを踏むかと思うと全然安心できないわよ!)ガタガタ

ヒカリ(このままじゃ私の精神がだいじょばない……)スクッ

ヒカリ「………あ…」ヨロッ

アセロラ「? 座ったままでどうしたのヒカリ?」

ヒカリ「ごめんなさいアセロラ……さん。腰が抜けて立てません」ガクガク

ポッチャマ「ポチャ…」ガクガク

アセロラ「なんで謝るの?」

ヒカリ「ごめんなさい」

アセロラ「いや……だから…」

ミミたん「キュー……」

女子寮 ヒカリの部屋

ヒカリ「ハァ…」ドサッ

ポッチャマ「ポチャア」ドサッ

ヒカリ「あ~疲れた~……あれからアセロラ、ずっとニコニコしてたから良かったけど~……いつマルマイン踏むかヒヤヒヤだったわよ」ハァ

ヒカリ(いったい何がアセロラのマルマインだったんだろ?サトシとスイレンの結婚式に出れなかったのを気にしてたとか……?)

ヒカリ(でもー……別にとか言ってたし……それにスイレンのことをアイツ呼ばわり……)ウーン

ヒカリ「……子供の頃は仲が"良かった"……」ボソッ

ポッチャマ「ポチャ?」

ヒカリ「………………」

ヒカリ「………い、いや……ナイナイ!サトシは既婚者だし、そんなの全然だいじょばないよ!」フリフリ

ポッチャマ「チャマッ」

ヒカリ「と、と~に~か~く!今日はバカンスだと思ったら無理やり強制労働させられちゃうし、明日はまた朝早くから仕事させられるしだから、ゆっくりー…………」

ヒカリ「……って、そういえばリーリエに七時から私の歓迎会やるから来いって言われてたんだっけ」ハァ

ヒカリ「………私の歓迎会だし……リーリエは上司だから断る訳にも行かないわよね……」チラッ

6時

ヒカリ「………って、うげっ!?も、もうこんな時間!?」ガバッ

ポッチャマ「ポチャ!」

ヒカリ「あー!早くシャワー浴びて行かなきゃ!リーリエ怒らすとおっかなそうだし!」

ヒカリ「これが社会の歯車なのね!全然だいじょばない!」ガチャッ

ポッチャマ「ポチャ!」

…………

ヒカリ「あ~……いいお湯でした」フキフキ

ポッチャマ「ポチャ」フキフキ

ヒカリ「……って、言ってる場合じゃないわね!急いで支度しないと!」セカセカ

アセロラ「…………」ジーッ

ミミたん「キュー」

ヒカリ「? 何やってるのよアセロラ?もうすぐ飲み会の時間よ?急いで支度しなきゃ……」ポンッ

アセロラ「ごめんねヒカリ。アセロラ、今日の歓迎会はいけないの」

ヒカリ「そ、そう……(歓迎会行けないって……私、やっぱりアセロラに嫌われてるのかな?)」ハァ

ヒカリ「………って、ん?」ヒョイッ

新聞「」

ヒカリ(これ、今日の新聞のテレビ欄………って、うげっ)ビクッ

ヒカリ(………サトシが出演する予定の番組全部にビッシリ赤マークが……)ゾクッ

ポッチャマ「チャマ……」ゾクッ

ヒカリ「………」チラッ

サー ココデサトシセンシュ……

アセロラ「…………」ジーッ

ヒカリ(あれ……サトシがカロスでゲスト出演した時の番組……録画かな?食い入るように見てる……)

ヒカリ「あ、あの……アセロ……」

アセロラ「ごめんねヒカリ!今いいとこだから!いっけー!サトシー!」

ミミたん「キュー……」

ヒカリ「う、うん……ごめん……私、歓迎会行ってくるね」

ポッチャマ「チャマ……」

アセロラ「いってらっしゃ~い!がんばれー!サトシー!」

ヒカリ「………」クルッ

ガチャッ

バタン

エーテルパラダイス内 居酒屋

ヒカリ「………えーと、リーリエに言われた場所は確かここよね?」

ポッチャマ「ポッチャマ」

ヒカリ「にしてもー……エーテルパラダイス内に色んなお店があるなんてすごすぎ……」

ヒカリ「………少し遅れちゃったけど……リーリエ怒ってないわよね?だいじょーぶかなぁ?」ハラハラ

ヒカリ「………ご、ごめ~ん……遅れちゃ…」ガチャッ

リーリエ「……ヒカリ。10分遅刻ですよ?」ジトー

シロン「コン!」

ヒカリ「す、すみません代表!」ペコッ

ポッチャマ「チャマ!」ペコッ

リーリエ「………まったく!今日はヒカリが主役の会なんですよ?もう少し社会人としての自覚をー……」

ヒカリ(ひえ~~)

ポッチャマ「チャマ~~」

「まぁまぁリーリエ」

ヒカリ「!」

マオ「今日はせっかくのヒカリの歓迎会なんだしさ?楽しく飲もうよー!」

アマージョ「ッジョ!」

リーリエ「そ、そうですね…すみません、つい……」コホン

ヒカリ「! あーっ!あなたは!!」

マオ「! 私のこと覚えててくれたんだー?」

ヒカリ「うんうん!もちろんよ!サトシとスイレンの結婚式で会ったー……」

マオ「うんうん」ニコニコ

ヒカリ(や、やばい……名前が出てこない……えーっと確かー……)ウーン

ヒカリ「セレナ!」ビシッ

マオ「アハハ、カロスクイーンと間違えられるのは光栄だけどー……違うよ」

ヒカリ「な、何言ってるのよ!冗談よ!だいじょーぶ?」アハハ

マオ「それはどういう意味の冗談?」

アマージョ「ッジョ」

ヒカリ(えーっと……確か……そ、そうよ!"ま"が名前についてたハズ!思い出してきたわ!)

ヒカリ「……今日はわざわざ私の為にありがとう!マーマネ!」ニコッ

ポッチャマ「ポッチャマ!」ニコッ

マオ「マオだよ」

リーリエ「ハァ……」ヤレヤレ

…………

ヒカリ「ぷはーっ!」

マオ「お~?いい飲みっぷりだね!ヒカリ!」

ヒカリ「………あったりまえよ!バカンスだと思ったら騙されて明日から強制労働させられちゃうし……飲まなきゃやってられないわよ!」ウイッ

ヒカリ「あ~あ……明日から社畜人生かぁ……だいじょばな~い!」ハァ

マオ「……だってさ?リーリエ代表?」プププ

リーリエ「……ま、まぁ……今日はヒカリの歓迎会ですし仕方ないですね。無礼講です、許します」コホン

マオ「お~、さすがリーリエ!」

ヒカリ「………あ~あ……私の人生……何でこ~なっちゃったかなぁ……」ゲフッ

マオ「……あのさヒカリ」

ヒカリ「………なによ?」ウイッ

マオ「……こんなこと聞いていいかわからないんだけど……サトシからはさ?ヒカリは昔すごいコーディネーターだったって聞いたんだけど……」

ヒカリ「………昔の話よ……」ゲフッ

リーリエ「……コンテストのこと聞きました。何故やめてしまったんですか?」

ヒカリ「………私は才能ないから」

マオ「才能……?」

リーリエ「………失礼ですがヒカリ。サトシから、ヒカリはいつも前を見て、壁にぶつかっても悔しさをバネにしだいじょーぶ!って頑張る子だったと聞いています」

マオ「うんうん!私もそーだよ!」

ヒカリ「………ハルカって子知ってる?」ゲフッ

マオ「ハルカって……サトシの知り合いであのホウエンの舞姫って呼ばれてる人?」

ヒカリ「そう」

リーリエ「ホウエン地方を中心コンテストで連戦連勝、今やポケモンコンテストの顔と言っても過言ではない人物ですね」

マオ「そうそう!よく雑誌にも特集組まれてるよね?」

リーリエ「はい!実は私……サトシとスイレンの結婚式でお話しした縁で、何度かハルカさんとお食事したことがあるんです」

リーリエ「彼女……とってもいい人でした」ニコッ

マオ「いいな~!リーリエ!今度ハルカのサイン貰ってきてよ!」

リーリエ「わかりました」ニコッ

ヒカリ「……………」

マオ「……っと、いけないいけない!……それでー……そのハルカがどうかしたの?」

ヒカリ「………ハルカと話したことあるんなら、きっとリーリエはハルカから私のこと聞いたことあるわよね?」

リーリエ「………確かにヒカリとはお友達だとは言っていましたが、詳しいことまでは……」

ヒカリ「………」

ヒカリ「私……ハルカとは昔から仲よくってさ?大人になってからも…同じコンテストで頂点を目指す者同士……頑張ってたのよ」

リーリエ、マオ「!」

ヒカリ「………落ち込んだ時は励ましあって……お互い腕を磨きあって……いつかすっごい舞台でコンテストバトルしよーよ!ってね?」

ヒカリ「………ま、俗に言う親友でありライバルってやつかな?」ゲフッ

リーリエ、マオ「………………」

ヒカリ「……さっき私は壁にぶつかってもだいじょーぶ!って頑張れる子だったって言ってたけど……そんなの子供の頃の話よ~」ゲフッ

マオ「ど、どういうこと?」

ヒカリ「………大人になると子供の頃には見えなかった"天井"ってやつがどうしても見えちゃうのよね~」

リーリエ「天井……ですか?」

ヒカリ「そう、天井。私……何度かコンテストで挫折しちゃったことあるんだけど……その時はまだだいじょーぶ!って頑張ってたのよ、上を目指して……でも……」

リーリエ、マオ「………………」

ヒカリ「………コンテストでうまくいかない私を後目に、ハルカはどんどん上に行っちゃって離される……」

ヒカリ「気づけばハルカはホウエンの舞姫なんて呼ばれて、私はずっと同じ場所にとどまったまま……」ハァ

ヒカリ「………さすがの私でも気づくわよ…これは頑張ればだいじょーぶ!なんてもんじゃない……」

ヒカリ「生まれ持った才能の差なのよ………ハルカは選ばれた人間で……私はただの凡人!」

ヒカリ「………全然だいじょばないわよ…」グスッ

ポッチャマ「ポチャ……」

マオ「ヒカリ……」

リーリエ「……………」

ヒカリ「………ハルカだけじゃないわ?サトシだって今はチャンピオンだし……タケシも立派なお医者さん…」

ヒカリ「アイリスって友達もいるんだけど……その子もイッシュのチャンピオン」

ヒカリ「………みんな夢を叶えてるのに私だけ……私だけ取り残されてるのよ……」グスッ

マオ「そ、そんなことないよヒカリ!今からだって遅くないよ!」

リーリエ「そうです!もう一度コンテストに挑戦してみましょうよ!私やマオもゼンリョクで応援します!」

マオ「うんうん!」

ヒカリ「………ありがとう……でも、もういいわよ……いくらやったって……私、才能ないし……」グスッ

リーリエ「ヒカリ……」

ヒカリ「………今の私には……アニメとネットとTwitter……それに、美味しい料理とお酒があればだいじょーぶ♪」ゲフーイ

リーリエ、マオ「………………」

ポッチャマ「チャマ……」

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