そだちドエル (35)

化物語のssです。

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起こす声が聞こえなくて起きる

天井が見慣れなくて驚く

驚いている自分に驚いている

そうだった時のほうがずっと長かったのだけれど

寝すぎだ。それでも

このまま寝ていても誰も困らない

私が困るだろう後々

じゃあ洗濯しようと

洗濯機を音を聞いている

天気が悪そうだけれど

部屋の中で干せばいい

水の音と機械の音が嫌いではないけど

いまは時間の流れを表しているような気がしている

一人暮らしは何度かしているけど

金がかかって仕方がない

なにをしても金がかかるんだ

電話もそうだ

もういらないかな

いや

電話が鳴ってる

いらないのだけど


電話が鳴って阿良々木が来るって

・・・くるのか

2層式の洗濯機の存在はしっていたけど

あれってどう使うのだろうか?

片方は洗濯で

もう片方は脱水でだろうけれど

違う

阿良々木が来るのか


食器洗いをしよう

水飛沫が散っている

身軽な水飛沫を見ながら

皿を洗っている

これも違う


何時に来るんだ?

というか何時に来るのか言え

もう向かっているのか?

阿良々木は来ているのか?

なぜあいつは来るのか?

説明が欲しい

電話をしてみる

私は電話をかけられる

成長したものだなと思う

出ろ阿良々木

出た

来るの?本当に来るのか?

来るの?

いつ来るの?

すぐ来るって?

そう

来るの

わかった

電話をきったら

気づく

なんでって聞けなかったことに

今度聞くっていつも思ってるのだけれど

それよりも

いやだから何時に来るんだあいつは

すぐじゃない。すぐって何時だ?

電話が震える

私も少し震える

阿良々木の家からだ

遅れるって

待ってないって

言ってやった

雨が降るかもってことも

また切ってから思う

なら最初からすぐ来るって言うなって

そうだ、なんか買ってこいって

言えば良かった

何か買いに行かなくてはなんて

考えなければ良かった、考えなくていいものを

気づいたら

もう買い物に出てしまっているし

でも行っている間に阿良々木が来たらどうしようか

家の前で阿良々木が待っていたら最悪だ

帰ればいいのに

帰れ阿良々木

私は今、部屋にいないからって連絡すればいいか

連絡したら阿良々木は来ないって言わないだろうか

言えばいい、それでいい

来るな阿良々木


それもダメかな・・・阿良々木にかけなおそうか

面倒くさいな阿良々木は

焦っていたのか

頭が回らなかったのか

間違って阿良々木の家にかけてしまった

切ろう

出た

逃げれないかな

どこに

大きな声が聞こえる

あいつの妹が出たじゃないか

はいこんにちは

えっと阿良々木は?

阿良々木はたくさんいるって?

そうじゃなくて

・・・阿良々木君は?

分かるでしょ?

分からない?何で?

・・・・・・暦君はいますか?

声が怖い?

そんなこと言わないで

じゃなくてあいつは?

ああ、そうなの?

わかった

それと、大した用じゃないから私が電話したってことは言わないでねって

すぐに切った

イライラしたから

今度こそ阿良々木に電話だ

・・・出ないし

留守電に電話にでろって一言言って

切った


結局今回もなにも伝えられなかった

だいたい阿良々木に伝えることなんていつもできない

買い出しも終わって家に着いて

そうだ阿良々木が来てから一緒に買い出しにいけば良かったんだ

それから買い物袋を置いた

阿良々木から電話がかかってきている

さっきの電話のせいだ

私のせいだ

出たくない気分だから眺めている

間違っても留守電に言葉なんて入れないでって

でも切り替わる

なにかぼそぼそ言っているようだ

はっきり喋れ阿良々木


なんとなく聞く気になれないから

このまま消去しよう

してやる

した

限りない達成感を感じる

きっと今日一番の喜びだ

そのまま部屋の中で電話を握りしめたまま

横たわる

ゴミ箱が視界に入って

ゴミ箱の中のゴミを捨てたくてしょうがない

でも今日はゴミの日でもないから

お前に早く嫌いだって言おう

そんなことを話したくて仕方ない

それまでじっとしていよう

いつかそうしていたように

だけれど以前、家で体育座りをしていたら

阿良々木に止められたのでそれもできない

来ないなって思うこともできないな

だから電話を握りしめたままで

ここは世界で唯一の私がいていい場所なんだから

これ以外に無くて

お前がいることがすごく不自然なんだ

いつも何を話していいか、考えても思いつかない

阿良々木は何を留守電に入れていたのだろう

消すのでは無かったなと思ってしまい

後悔したことに後悔している


さっき阿良々木家へ奇しくもかけてしまった電話から阿良々木が家をでたのが

かなり前だと言うことがわかった

遅れるとも阿良々木はいっていた

どっちなんだろう

もう来てもおかしくないし

来なくてもおかしくない

私はおかしい

もう一回阿良々木にいつ来るの?なんて電話をすれば

それを来てほしい意味で捉えられたら

死んでくれないかな、互いに


カーテンを開けて窓の外を見る

久しぶりにカーテンを開けた

世の中色んな人がいるよねって

眺めていたら

阿良々木がいた

ウロウロしている

迷ったの?どうしようもないやつだ

私は阿良々木に気づいているが

阿良々木は私に気づいてない

一度カーテンを閉める

落ち着け

一度飲み物を飲んで、これはさっき買ってきたやつだ

握りしめた電話が震える

もしやと思い

カーテンを少し開けて

こっそり阿良々木を見る

電話だ

あいつ私に電話してきやがった

一瞬で切った

何をやっている

何の為にかけてきた

何で生きている

匍匐前進の姿勢でカーテンの隙間から窓を覗く私も

何で生きている

阿良々木はまたもうろうろしている

すごいな。不審者だあいつは

通報したら捕まるだろ

私はしない。面倒だから

このまま見ていたらだれか通報してくれるでしょう

少し楽しくなってきたかもしれない

暫く見ているとおかしいことに気づく

いやずっとおかしかったから

どうも阿良々木は道に迷っている風じゃない

私の家の前をいったりきたりしている

どういうことだ?

電話を握りしめたままであいつは

本当に通報してもらいたいの?

お前は私と違うでしょ

ドアを開けて鍵を閉めてステップを降りて

私がお前を見つけるのだけれど

お前がいるのだけれど

話しかけることができない

電話を握りしめたままの私は


電話が鳴る

阿良々木ではなく阿良々木の家からだ

火憐「兄ちゃん着いたか?」

育「いやまだいないけど」

火憐「まだ!?大分前に家をでたんだけどなあ?」

育「遅れるって連絡あったけど。どうでもいいけど何か用事があるんでしょ?別にいいけど」

火憐「無いない。全然ねーよ兄ちゃんに予定なんて」

火憐「今日だってずっとうろうろしてたぜ」

火憐「兄ちゃん変なところでチキン野郎だから老倉さん家に行くのびびってるんだよ」

育「嫌だから?」

火憐「何で嫌なやつのところに行くんだぜ?」

火憐「何か老倉さんのこと心配だから見に行ってくるとか言ってたけどな」

育「心配って何で?」

火憐「それは自分で聞いてくれよ老倉さん」



育「仕方のないやつ」

育「阿良々木っ」

暦「老倉っ」

育「何やってんの?」

暦「遅れて悪い、だけど僕は老倉の家に行く前に僕は世界を3回くらい救ってきたぜ」

育「何やっているの?」

暦「だからお前の家に行く途中だって」

育「お前は遅いんだ。昔は私の家にまっすぐ来れたでしょう?」

暦「まあそうだな」

育「お前が悪いんだ、お前の所為だ。私がここにいるのは」

暦「真っすぐに来ない僕が悪いな」

育「悪くないだろ、何ですぐ自分が悪いって言うんだお前は」

育「何で何も買ってこないの」

暦「いや言ったじゃあないか?」

育「言った?」

暦「留守電に入れたんだぜ。何か買って来るかって?」

育「聞いてないもの」

暦「聞いてないのかよ!?」

育「阿良々木からというだけで消した。後悔はしていない」

暦「後悔してくれよ」

育「今話していることが後悔だからいいでしょ」

暦「後悔しないでくれ」

育「お前が思っているほどお前は話してない」

暦「僕が思うほど老倉と話してないな」

育「話すなんでどうでもいい。それより雨が降りそうだけれど?」

暦「なあやっぱり何か買ってくるか?」

育「いいよ、お前に言われるまでもなく色々買ってきたんだから」

育「勿体ないからお前なんか入れたくないけど」

暦「結構いい部屋だよな」

育「ふざけるな」

暦「ふざけてはいないけれど」

暦「老倉は今日何やってたんだ?」

育「別に」

暦「別にか」

育「そうだけど?」

暦「最近誰かと喋っているか?」

育「別に」

暦「でも僕とは話しているな」

育「お前が数に入る訳ないじゃない」

暦「そうか」

育「そうって納得されてるからそうじゃないけど」

暦「部屋きれいだよな」

育「何なのお前?まあ今日はこう・・・掃除とか洗濯機を・・・ね」

暦「壊したのか?」

育「いや壊さないし、壊すってなんだ阿良々木」

暦「老倉は僕を探しに来てくれたのか?」

育「阿良々木を?何で?」

暦「けど来てくれて助かったぜ、僕は大分迷っていたからな」

育「阿良々木は迷っていたんだ」

育「何で来たの?」

暦「老倉にいるからだな」

育「そこに山があるからみたいな感じに言わないで」

暦「老倉はそんなに大きくないぜ?」

育「お前もそうだ」

暦「老倉ちょっと聞きたいのだけれどいいか?」

育「嫌だけど?」

暦「僕の家に電話したか?」

育「してない」

育「何の用があって私がお前の家に電話するの?」

暦「そういえば僕からの電話切ったか?」

育「切ってない」

暦「留守電は入れたよな」

育「入れてない」

暦「僕の言うこと全部否定していないか?」

育「してない」

暦「たまには連絡してくれよ」

育「何で?」

暦「老倉がいないと思うからだな」


育「居なければ悪いの?」

育「そうだ飲み物をださなきゃね、いくらお前が相手でも」

暦「いやそんな気を使わなくていいからな」

育「お前が来るから飲み物を買ってきたのだけれどお前が来るから飲んでしまったから買ってきて」

暦「えっ?」

育「えっじゃなくて」

暦「どういう意味だ老倉?」

育「そういう意味だ阿良々木」

暦「まあいいけどさ、飲み物だけでいいか?」

育「いいよ、あと雨が降ったら悪いけどその時は風邪をひいてね」

阿良々木が家を出た。やった

本当にどうでもいいけど

お前は私がどこかにいってしまうって思っているようだ

どうして逆もそうだって思えないのだろう


私はまっすぐ家に帰ったんだっけ

私はお前の家からでたらまっすぐ家に帰ったんだ

いつのときも

決して見つけられることはなかったし

誰も探してはくれなかったから


私がお前を見て私を連想するなんてお前は思えないのだろう

お前がいるだけで忘れることはない

眠りすぎるとよく夢で見る

今日も見た

誇張された過去の家族を私を

私は見るだけ

私はそこにいない

その中の私は幸福であったり不幸であったりするけど

見ている私は嬉しい気持ちも哀しい気持ちもない

何でもない

それでも忘れることはない

結局、私はここに留まり、いるだけなのに


今日は家の前でウロウロするお前に話しかけて

目が合って

同時に話したんだ

暦「待たせたな老倉、僕が帰ってきたぜ」

育「おかえり、別に阿良々木は要らない、飲み物だけよこせ。雨は?」

暦「雨は降っていなかったぜ」

育「良かったね。じゃあ風邪だけでもひいてくれば良かったのに」

暦「ああ良かったよ・・・ん?何作っているんだ?」

育「晩御飯だけど?」

暦「僕もう少しここに居ていいか?」

育「お前に食わせるものはない」

暦「本当に一人でそんなに食うのか老倉?」

育「後ろにいないでよ邪魔だから」

なんで私なんかのところにくるのって

思っている

お前は分からないだろう

私はお前がさよならって言うのを

待っている

私も分からないだろう

でも分からないまま時間が過ぎることがそんなに悪いのか


私はお前に帰れって言いたい本当に

それがどれほど最後の物が無くなっているのか分からない

電話の声を消したときみたいに

育「留守番電話の声を聞いた?」

暦「入れてないって・・・いや、何があったのかと思ったけれど」

育「心配したの?」

暦「そうだな」

育「私がいなくても私なんかの心配していても意味がないしね」

暦「僕が来なくても僕の心配なんてしなくていいのにな」

育「いいからちょっと座れ阿良々木」

いつも逆の行動をするお前は

いつも逆のことを言う私は

もう少しここに居ていいのかもしれない

留まっていいのかもしれない

分からないことが分からないまでの時間の間は


育「手伝うとかそういうのしないんだ?」

暦「今座れって言ったじゃないか」

いつもお前に言うんだ

どんなことでもどうでもいいことでも

今日みたいに

私の声を聞いたでしょ?

それとも同時に声を出したからよく覚えていない?

私から言葉を言われるのを

震えて待つがいい阿良々木

そのときは私も震えて待つのだろうけど


仕方ない


いつまでもこんなのが続くわけないし

もし続いたら

続いたとしたら

育「私の家にいつまでも来れない阿良々木と一緒にするなよ」

暦「あれは迷ったんだって」

育「私の家の前をずっとウロウロしていたのに?」

暦「見ていたのかよ・・・そうだ老倉?」

育「なに阿良々木?」

暦「僕の家に暦君はいたか?」

育「早く食って帰れ」

これで終わりです。ありがとうございました。

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