遊馬「もういっそ後藤隊長と南雲隊長をくっつけよう」野明「え?」【パトレイバー】 (48)

野明「急になに言ってるんだよ遊馬」

遊馬「お前もあの二人の関係、見てていい加減イライラせんのか?」

遊馬「後藤隊長は南雲隊長のことが好きなのがもろ丸出しだ。しかも南雲隊長もそれなりな感じだろ?」

野明「まあ…それは確かに、言われてみればイライラするっていうか、見ててムズムズしちゃうところはあるけどさ」

遊馬「俺としてはそろそろ決着をつけさせたい」

野明「け、決着…!?」

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熊耳「やめなさい二人とも。そういうデリケートな問題、しかも上司同士の問題に軽々しく首をつっこむ物じゃないわよ。」

熊耳「第一、後藤隊長はともかくとして南雲隊長の気持ちはどうなの?」

遊馬「正直なところ俺の見立てじゃ悪くないってところだと思いますよ。」

遊馬「最初はてんで相手にされてないかと思いましたけど、南雲さんも最近は意外に隊長への態度が軟化してきましたしね」

遊馬「それにこの間忘年会のスナックでデュエットなんかしてました。普通嫌いな同僚とデュエットなんかしないでしょ!」

熊耳「……なるほど。そう言われてみたらそうね。そうなると脈はなくもないのかもしれないわねぇ。」


一同(……意外に納得するの早いな)

野明「確かに、狭い隊長室にいつも二人きり、なんの感情もない…ってこともないよね」

遊馬「あと後藤隊長の一押し、ってところなんだよなあ……」

太田「ふん、職場恋愛なんぞ軟弱だ!」

遊馬「とかいいつつ功ちゃ~ん、香貫花ちゃんとはどうなのよ~?」

太田「なっ……!?し、篠原きしゃまには関係ないことだァ!!」

一同(噛んでる……)

進士「でも付き合わせようっていったって一体どうするんです?」

進士「僕は正直なところ、南雲隊長相手にあと一押しっていうのが厳しいと思いますけど」

ひろみ「ガードが固そうですよね…」

遊馬「そこでだ。野明、もうすぐバレンタインだよな?」

野明「う…うん…それが?」

遊馬「まず第一作戦だ。南雲隊長が後藤隊長にバレンタインチョコレートを渡すよう誘導すればいい。」

進士「去年も貰えずじまいなのにですか?」

遊馬「俺に奇策がある。協力しろ、野明」ニヤリ

野明「と、いうわけで今年のバレンタインは大袋のお菓子を豆まきみたいにデッキからたくさん撒くことになりました」

整備員一同「ええええ!!!!!!」

熊耳「一人一人にチョコレートを渡すのは大変なのよ。」

遊馬「ただし、今回は一味違う」

整備員「違うってなんだよ!」

遊馬「赤、青、金のシールが一つづつ貼られ、それぞれ野明、熊耳さん、南雲さんから別途高級チョコレートが贈呈されることになっている」

一同「うおおおおぉぉぉ!!!!!!」

遊馬「以上、今期バレンタインのお知らせだ。一同解散!」



野明「で、遊馬。これがどうして南雲隊長が後藤隊長にチョコレートをあげることに繋がるわけさ。」

遊馬「あの南雲ストのことだ。血眼になって南雲さんのチョコレートを欲しがる」

遊馬「というか、他人の手に南雲さんのチョコが渡ることを阻止するはずだ」

野明「チョコレート撒き大会にわざわざ後藤隊長が参加するかなぁ…」

遊馬「しないな。いや、する必要がない。あのおっさんのことだから」

野明「?」

遊馬「まあ、みてろって野明」

当日

野明「鬼は~そと!」

整備員「うおおおお!!泉ちゃんのチョコレート!!!!」

整備員「あたたたたあああ!!!!熊耳さんのチョコレート!!!!!!」

ひろみ「熊耳さんのは……」

太田「けっ、軟弱だ!」ヒロイ



野明(ねえ、遊馬、後藤隊長来てないよやっぱり)

遊馬(心配いらない、いらない)

整備員「うおおおおぉぉぉ!!!!!!3万円!!!!!!」

野明「シゲさんは参加しなくていいの?」

シゲ「今回、俺っちはパ~ス!果報は寝て待てって言うでしょ?」


野明「???」


次の日

整備員A・B「交換、お願いいたします!!」

野明・熊耳「はい、おめでとうございます」

整備員「ヨッシャアアアア!!!!」

進士(……愛のないチョコレートなんてもらって嬉しいんですかねぇ。この人たち)

野明「そういや、遊馬、昨日は大丈夫って言ってたけどさ」

遊馬「大丈夫大丈夫。今頃引き換えにいってるだろ」

野明「後藤隊長が!?昨日来てなかったのに!?」

遊馬「隊長室、こっそり覗きにいくぞ」


シゲさん「いぇ~い、5万円♪5万円♪2万円ゲットぉ~♪」

隊長室

後藤「ねぇしのぶさん」

南雲「なあに」

後藤「これ、引き換えてくれない?」

南雲「あら、これは……」

後藤「金色って、しのぶさんの、だったよね?」

南雲「そうだけど……後藤さん、まさかあの大量のチョコレートの中からそれ見つけたの!?」

後藤「まぁね。どうしてもしのぶさんからのチョコレート、欲しかったからさぁ~。アハハ」

南雲「まあ……呆れたっていうか、すごいわねというか」

後藤「で、貰える?」

南雲「仕方ないわね。二課のみんなにした約束だから。はい」

後藤「あれ、二個?」

南雲「今年は色々助けてくれたでしょ。他の整備員の子に渡して後藤さんにはないっていうのも悪いし」

南雲「一応…と思ったんだけれど。二個もいらない?」

後藤「えっ、じゃあ三万は」

南雲「あら何か言った?」

後藤「い、いや!いります!全部いりますいります!」

南雲「そう。賞味期限短めだから早く食べて頂戴」

後藤「個人的には飾っておいて来年の今頃に食べたいなぁ~」

南雲「そんなに喜んでくれるとあげがいがあるわね。ふふっ」

後藤(そうでもしないと三万円の元がとれないよなぁ……)

訂正

後藤「えっ、じゃあ5万は」

南雲「あら何か言った?」

後藤「い、いや!いります!全部いりますいります!」

南雲「そう。賞味期限短めだから早く食べて頂戴」

後藤「個人的には飾っておいて来年の今頃に食べたいなぁ~」

南雲「そんなに喜んでくれるとあげがいがあるわね。ふふっ」

後藤(そうでもしないと5万円の元がとれないよなぁ……)

隊長室の外

野明(なあ、遊馬、私たち完全に余計なことしたんじゃないの)

遊馬(まあ、その感も否めないが、結果オーライだろう)

後藤「どうした、お前ら。何か用か?」ガチャ

野明・遊馬「げっ」


野明「な、なんでもないですよ隊長!あ、そうだ!灰皿掃除しますね!!」

野明・遊馬「あはははー!」


後藤「………」

第2小隊オフィス

野明「あ、危なかった…」ヒィヒィ

遊馬「妙に勘が鋭いからなあのおっさんは……」

野明「で、遊馬。作戦その2は?」

遊馬「そりゃ野明、あれだろ。」

野明「まさか」

遊馬「『デート』だ」ニヤリ

野明「でもさ、デートっていっても南雲隊長が了承するかなぁ?風の噂だとこの間食事に誘って振られたって」

遊馬「二人きりの食事の場合だろ?ならば!」

野明「……ならば?」

隊長室

遊馬「と、いうわけで明日、懇親会を開こうと思います!」

後藤「明日ぁ?随分と急だなぁ、そりゃ」

野明「隊長達に言うの忘れちゃってて…すいません」

後藤「懇親会ねぇ…忘年会、この前、やったばっかりじゃないのよ。急に言われても困るしなぁ」

野明「……ですよねぇ」

遊馬「ですよねぇ、じゃないだろう野明!」

野明「いや、あの…じゃあいわゆる第2小隊決起集会みたいな!!」

後藤「テロリストじゃないんだからさぁ」

南雲「いいんじゃない?後藤さん。明日は1日暇なんでしょ。いってあげたら?」

後藤「そんなこと簡単にいうけど、いま俺も色々あってさぁ……」

遊馬「そこは心配しないでください隊長、明日は俺たちの奢りです!」

後藤「お前達が?俺に?」

遊馬「じゃん!じゃん!飲んでください!」

後藤「お前達の奢りかぁ……」

野明「だから是非……南雲隊長も!」

南雲「私はいいわよ、第1小隊は待機だもの。あなたたちだけで…」



ガチャッ


五味丘「いや、南雲隊長。いってらしてください。第1小隊なら私におまかせを!」

南雲「五味丘くんまで…?」

五味丘「研修の際の様に私がなんとかします。最近、休みが少ない様ですし、いってらしてください。」

五味丘(本来なら第2小隊に協力するのは癪なのだが、南雲隊長(33)の幸せを考えれば仕方あるまい……)

五味丘(しかし南雲隊長の相手があの後藤隊長でいいのか?もっと相応しい相手がいるんじゃないのか?)

南雲「五味丘くん?」

五味丘(しかし南雲隊長には時間がないことだ、一応後藤隊長も警部補で収入面は安定しているし)

五味丘(しかししかし南雲隊長の幸せとはそもそも)

五味丘「 」

野明「ご、五味丘さんなんか白目むいてるけど…」

南雲「五味丘くん…?」

当日


都内、某レストラン




後藤「………」
南雲「………」


南雲「一旦この席で先に座っていてと言われたけれど」


南雲「全く来ないわね」
後藤「全然来ないね」グビグビグビグビ

南雲「ちょっと後藤さん、飲みすぎよ。緊急出動が掛かったらどうするの」

後藤「そのときはシゲさんに運転は頼むさ。ビールでも飲まなきゃ、待つ気がしないよ」

店の外の茂み

野明「ねえねえ、ほんとにこんな強引な方法で良かったの?」

遊馬「良かったもなにもこれしか手段はなかった」

太田「上司のプライベートを覗き見とはけしからんぞ篠原!」

遊馬「じゃあなんでついてきとるんだ太田」

太田「お…俺はだな……」

遊馬「ほんとは興味津々なんだろ?え?」

太田「篠原貴様…!俺はだな、お前達がしでかさないようにだな」

熊耳「静かになさい!太田くん、気付かれるわよ」

進士「あ、なんか南雲さんが店員さんに確認してますよ。」

ひろみ「そろそろバレる頃ですかね……」

南雲「後藤さん、やっぱりおかしくないかしら?私たち最初に二人席に通されて…」

後藤「段々混んできたなぁ。懇親会やれるスペースあるのかね、こりゃ」グビグビ


南雲「……あの、少しよろしいでしょうか」

店員「はい」


進士「あ、これ完全にバレる流れですね」

熊耳「後藤隊長と南雲隊長相手に良く持った方よ」

南雲「……え?元々二人分しか予約されてない?」

店員「左様でございます。ご予約は篠原様から伺っておりましたが。」

南雲「何か変だとは思ったけれどまさか……」


後藤「あぁ、俺たち」グビグビグビグビ

南雲「嵌められたわね……」
後藤「嵌められちゃったね」グビグビ

後藤「ちなみにその篠原様から代金とか預かってない?」

南雲「ちょっと後藤さんっ」

店員「いえ、全く」

後藤「……あたぁ~」


野明「気づいたっぽいね遊馬」

遊馬「完全に気づいたな」

熊耳「本当にこれで良かったのかしら」

遊馬「良かったんですよ。ホワイトデーにはまだ早いが、後藤隊長は南雲隊長に良いとこみせられるじゃないですか。」

進士「あ、なんか後藤隊長が動きましたよ」


後藤「しのぶさんさ」グビ…

南雲「なあに後藤さん」

後藤「今日、篠原達の奢りって言うから……」

南雲「………ハァ」

野明「ものすごい頭下げてるけど」

遊馬「あ、多分あの人金持ってきてないな」

一同「………」


その後


店員「お会計21450円になります」

南雲「………」

後藤「ごめんねしのぶさ~ん。全額返すからさぁ。ね?」

野明「遊馬、なんでもっと安い店を予約しなかったんだよ」

遊馬「南雲さんは成城育ちのお嬢様だぞ。これでもデートとしては最低限のレベルだろ」

遊馬「しかもまさか払う金も持ってきてないだとか、こっちも流石に想定外だっちゅーの!」

ひろみ「あ、なんか店の外で南雲さんが怒ってますよ」

熊耳「それは怒るわよ……」

進士「すっごい後藤隊長、頭ペコペコさせてます。」

太田「あれが俺の上司なのか……情けない……」

野明「あ、南雲隊長帰っちゃった」


一同「あ~あ~……」

遊馬「これじゃデートするしない以前の問題だな」

野明「でもこんな強引な方法とった遊馬が悪いんじゃないの」

遊馬「それ以前の問題だろぉ!俺だって今の会計を乗り切るくらいの金は持ち合わせ
とる」

野明「遊馬が奢りますだなんてホラ吹くからだぞ」

熊耳「まあ、篠原くんの計画は不味かったけれど、確かに後藤隊長にも問題があるわね……」

進士「まあ、そんなこと僕らもわかりきってましたけどね」


後藤「………」


一同「………!!」

遊馬「や、やばい!!隊長に気づかれたぞ!」

野明「げっ!」

一同「逃げろ!!!!」ダダダダッ!!

翌日


後藤「しのぶさ~んおはよ~う」

南雲「………」

後藤「しのぶさんさ、昨日はごめんね?やっぱり、怒ってる?」

南雲「………」

後藤「お金、給料日には返すからさぁ」

後藤「あと、篠原達にもちゃ~んといっとくから」

南雲「昨日、シゲさんに聞いたわよ。チョコレート、整備員の子からシゲさん通して買い取ったんですって?」

後藤「ゲッ、シゲさん喋っちゃったの」

南雲「違うわよ、怪しいと思ったからシゲさんに私から聞いてみたの!!」

後藤「あちゃーぁ……」

南雲「後藤さんには本当に呆れたわ。部下の管理も出来ないお金の管理も出来ない、しかもズルするわ」

後藤「……はい」

南雲「はぁ。もういいです。私はちょっと今日は第1小隊にいるから、何か問題があったら呼んでね。じゃ」

後藤「ちょ、ちょっとしのぶさぁん!?」

南雲「じゃあね」


ガチャン


後藤「………」

野明「あ~あ~……」

遊馬「こりゃもう完全にダメだな。しょうがないから帰ろうぜ野明」

後藤「帰ろうぜ、じゃないぞ。篠原、泉」ガシッ

遊馬「げ!後藤隊長!!」

後藤「第2小隊一同に言っとけ。マラソン30周」


野明・遊馬「ええええ!?」

後藤「腕立て伏せ200回、腹筋250回、回れ右!」


野明・遊馬「そんなぁ……」

遊馬「ハァ、ハァ、完全に八つ当たりだ、あのおっさん!!」

野明「ハァ、ハァ、もぅ、遊馬の言うこと聞くんじゃなかったぁ!ハァ!」

太田「ゼェ、ゼェ、篠原ァ!下らんこと考えてたお前のせいだからな!!」

遊馬「ハァ!!確かに俺の作戦が外れたことは認めるが!ゼェ!後藤隊長の自業自得だ!!」

進士「ハァ!!こんなノルマ設定するなんて!!あの人も器が小さいですよ!!」

熊耳「やっぱり、あなた達のこと止めるべきだったわ……」タタタタッ

ひろみ(やっぱり、熊耳さんは汗ひとつかいてない。キレイですごいなぁ…)

ウー!ウー!ウー!ウー!

『第8管区にて第1小隊より第2小隊へ応援要請!繰り返す!第1小隊より第2小隊へ…』


野明「しゅ、出動……?」ゼェゼェ

遊馬「体がボロボロなのに勘弁してくれよぉ……」ゼェゼェ

太田「篠原!貴様のせいだぞ!!!」

熊耳「喧嘩はあとで!いくわよ!!!」

一同「はぁい……」



都内某所

後藤「しのぶさん、派手にやられちゃったねぇ」

南雲「本当はお世話にはなりたくなかったけど、仕方がないわね。」

南雲「うちじゃあ、手に追えなかったのよ、あのレイバー」

五味丘「……申し訳ありません、南雲隊長」

結城「すみません……」

南雲「あの暴れようじゃ仕方ないわ」




犯人「バレンタインでチョコレートを貰った奴は全員[ピーーー]!!!!」ガシャーン!!ガシャーン!!





後藤「なーんでそんなに固執するかねぇ」

南雲「後藤さん、あなたには言われたくないと思うわよ」

後藤「あははは~」

野明「そんなにチョコレートなんか欲しいもんなの遊馬」

遊馬「まあ、一応好きになった女子からもらえんというのはプライドが傷つく。」

野明「あ、後藤隊長が説得するみたいだよ」

遊馬「今日は体がボロボロだ…なんとか今日こそ説得してもらわにゃ、かなわん……」

野明「確かに言えてる……」

後藤「あ、あ、テステス。レイバーの操縦士に告ぐ。今なら罪はそんなに重くない……と思うのでさっさと降りてくること」

犯人「また今年もミチコからチョコレート貰えなかったんだ!!もう俺は終わりだ!!!!!!」

後藤「ああ、気持ちはよーくわかる」

犯人「なんだよ!全てを破壊し尽くす第2小隊なんかに俺の繊細な気持ちがわかるかよ!」

後藤「ああ。よーくわかる。」

後藤「俺は同僚のチョコレート欲しさに第3者に5万払った」

犯人「……は?」

後藤「で、翌日その同僚と食事に行ったが金が払えずに同僚から二万円借りた」

犯人「え?」

後藤「そしてカンカンに怒らせて帰られた」

犯人「お…おう……同僚って、まさかさっきの」

後藤「そうなんだよねぇ~。いまも怒ってるみたいだし」

犯人「あんたいったいそりゃどんな状況なんだよ……」

後藤「まあ何を言っとるかわからんと思うが。とにかく俺の方こそ終わっとるようなもんだな。あははは~」


犯人「あ、ああ……」

野明「あんなにはっきり堂々と言うことないよね……」

遊馬「南雲さん、すごい顔してるな」




後藤「とにかくさ、そんなこんな知恵張り巡らせた挙げ句醜態さらした情けない俺みたいなおじさんより、まだ潔く貰えなかった君の方がまだましでしょ」

犯人「お…おぅ……」

後藤「だろう?それにいまなら新聞の一面は逃れられるよ。」

後藤「『チョコレート貰えずレイバー暴走!』なんて書かれちゃうよ?それをミチコちゃんが見たらどう思うよ。」

後藤「それだけじゃない。世間のいい笑い者だ。第2小隊もとい、俺みたいになっちゃうよ?いいの?」


犯人「……それは」

後藤「だからさ、お願いだから降りてきてね。」

犯人「なんか、俺より情けないおっさんがいて安心した。これ以上情けないことはやめるよ……」

後藤「あ、そ~お?よかった~。泉、太田。お客さん、気ぃ変わったみたいだから片付けに入っていいぞ」

野明「なんか後藤隊長の説得がうまく言ったのはじめてみたよ…遊馬……」

遊馬「世の中何が役に立つかわからんもんだな……」

犯人「すいませんでした……」


太田「……銃を撃てなかった」

後藤「はい、一件落着。」

南雲「……お疲れ様、後藤さん」

後藤「いやぁ~、まさか俺の説得がうまくいっちゃうなんてねぇ、ラッキーだったよ」

南雲「そうね、まさか犯人に同情されるなんてね」

後藤「同情ってしのぶさぁ~ん」

南雲「ま、私も後藤さんにこれで借りがひとつ、かしらね」

後藤「あら~?」

南雲「ありがとう、後藤さん。正直助かったわ。」

後藤「いやだなぁ~。しのぶさんに褒められちゃったよ~あはは~」

後藤「ってことは、一連の件、許してくれたってこと?」

南雲「もう、そうやってすぐ調子に乗らないの」



野明「なんかいつも通りに戻ったんじゃない?後藤隊長と南雲隊長」

遊馬「意外と単純なのかもな、あの二人の関係も」

進士「いや、南雲隊長が慈悲深くて辛抱強いんだとおもいますよ……」

野明「まあ、二人を付き合わせる作戦は結局失敗しちゃったね遊馬」

遊馬「今回でよ~くわかったがあのおっさんにゃ独身のままがお似合いかもな」

野明「そうかもね」


野明「っていうより」

野明「しばらくはあのままの関係が二人はいいんじゃない?」

遊馬「俺たちがでしゃばるとろくなことにならないみたいだしな」

後藤「そう言えばしのぶさん、お詫びの印にさ、今夜近くで食事でもどう?いいイタリアンの店、知ってるよ」

南雲「あら、お金ないんじゃなかったの」

後藤「まあ、利子分くらいはなんとかね」

南雲「じゃあ……」



南雲「上海亭ならいいわよ?」ニッコリ




後藤「ちょっとしのぶさ~ん……」


南雲「ふふふっ」




この物語はフィクションである。…が、10年後においては定かではない。




おわり

おまけ


野明「遊馬ぁ~、たまには食事につれてってよ」

野明「チョコレートもあげただろ」

遊馬「ホワイトデーにはまだ早いだろうが」

野明「遊馬のせいでマラソン30周走らせられたんだぞ。その埋め合わせ。」

遊馬「…仕方あるまい」

遊馬「ただ今の俺は給料日前で金欠病だからな」

野明「あれ、お金に余裕はあるんじゃなかったの?」

遊馬「……まあ、いろいろあったんだ。とにかくいくぞ。後ろにのれ」

野明「やっりぃ!」

サイゼリヤ埋立地店


店員「いらっしゃいませ!2名様ですね」

野明「はーい!っあれ、遊馬」

遊馬「あ……」




後藤「しのぶさ~ん、遠慮しないで、どんどん食べて、ね?」

南雲「え、ええ……」






野明「 」

遊馬「……帰ろう、野明」






ちなみに特車二課内で南雲隊長以外のチョコレートも闇オークションに掛けられ
それなりの金額で落札された。
落札先についてここでは敢えては記さない。


fin

おつきあいありがとうございました!!!

パトレイバー30周年おめでとうございます!
あと8月10日はパトレイバーの日ですね!!
よろしくお願いします!!!!!!

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