【ガルパン】ミカ「そうだ、短期転校しよう」 (20)

アキ「おーい、キノコ採ってきたよー」

ミッコ「うえ…やめなよそのキノコ、前それ食べて2日寝込んだじゃん」

アキ「あれ、そうだっけ」

ミッコ「はぁ…毎日朝昼夜食料の確保に苦労するのはもうウンザリだよ」

アキ「愚痴ったってしょうがないじゃん」

ミッコ「華の女子高生が何が悲しくてサバイバルしなきゃなんないのさ」

アキ「文句言うなら食料探すの手伝ってよぉ」

ミカ「…」ポロン

アキ「ほら、ミカも何か言ってやって…」

ミカ「そうだ、短期転校しよう」

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ミッコ「なに、その「そうだ、京都行こう」みたいなノリ」

アキ「とうとうボケた?」

ミカ「…その言い方はひどいんじゃないかな」

ミッコ「今の状況でなんで短期転校なんて言葉が出てきたんだよ」

ミカ「考えても見てごらん?私達は毎日の食事にも事欠く有り様、時には遠出して食べ物を探してるね」

アキ「確かに危険だね、見つかると大変だしリスクがある」

ミッコ「そっか!」

アキ「?」

ミッコ「短期転校という名目なら後ろめたさを感じずに堂々と他の高校にもぐりこめる!」

アキ「!」

ミカ「そういうことさ」

ミカ「わざわざ危険を冒さずに食料を手に入れられる、素敵な方法だと思わないかい」

アキ「やるじゃんミカ!試合以外で初めて役に立った気がする!」

ミカ「アキ、今日は私に対してひどくないかな」

ミッコ「そうと決まれば早速転校の手続きしなきゃ!あ…でもどこの学校に行く?」

アキ「ミカは決めてるの?」

ミカ「そうだね…あそこがいいんじゃないかな」

アンツィオ

アンチョビ「よく来たなミカ!歓迎するぞ!」

ミカ「少しの間お邪魔するよ」

アキ「こんにちわー」

ミッコ「わー、もういい匂いがしてくるよ」

アキ「ミッコ、涎出しすぎ」

アンチョビ「ははは、そんなに腹が減ってたのか」

ミカ「そうだね、早速で悪いんだけど」

アンチョビ「屋台はたくさんある、好きなところに行くといい」

ミッコ「よっしゃー!」タタタ

ミッコ「見てみて、ナポリタンだって!」

アキ「うわー、すごくおいしそう!」

ミカ「食事というのは心を豊かにするからね、自分を偽る必要はないんだ」

ペパロニ「お、食べてくかい?もうすぐできるよー」

ミッコ「あれがもうすぐ私達の口に…」ハアハア

アキ「もうミッコ興奮しすぎ」

ミカ「さあ、いただこうk」

ペパロニ「はい300万リラ!」

3人「」

ペパロニ「え、なに…ポカーンとして」

アキ「あああああの」

ミッコ「いいい今なんて」

ペパロニ「あぁー!冗談冗談、本気にしちゃった?」

ミッコ「な、なんだ冗談かー」ハハ

アキ「もう驚かせないでくだs」

ペパロニ「300円ね」

3人「」

ペパロニ「いや…ホントになんだよその顔」

アキ「そ…そのー」

ミッコ「お金取るの?」

ペパロニ「…え?」

ペパロニ「屋台だし当たり前じゃん」

アキ「ソウデスカ…」

ペパロニ「…まさかとは思うけど、タダで食べられると思ったのか?」

ミカ「すまない、私の高校では日本の法律が通用しなくてね…貨幣経済には縁がないんだよ」

ミッコ「基本物々交換で…」

アキ「悪乗りしなくていいから!」

ペパロニ「で…お金…持ってる?」

アキ「…」オソルオソル

20円

ペパロニ「」

アキ「私達の全財産です」

ペパロニ「い、いや今手元にあるのがこれってことだよな?さすがに銀行の口座とか」

ミッコ「持ってないよ」

ペパロニ「」

ミカ「…ちょっといいかい」

ペパロニ「なんだよ」

ミカ「お金は時に人を堕落させ、身を滅ぼす呪い…そう思ったことはないかな」

ペパロニ「…」

ミカ「人は今こそお金の呪縛から解放され、自由になるべきなんじゃないk」

ペパロニ「で、払えるの」

ミカ「無理だね」

ペパロニ「じゃあ売れない」

ミカ「」

アンチョビ「あーいたいた!どうだアンツィオの屋台は」

3人「…」

アンチョビ「…この世の終わりみたいな顔してどうした」

ミッコ「なにも屋台の食べ物は口にしてないよ」

アンチョビ「え?」

アキ「香りだけでお腹いっぱいですから」ハハ

アンチョビ「そ、そうか…」

アンチョビ「あ、お前達!是非継続の戦車と一戦交えてみたいんだが」

ミッコ「なに言ってるの」

アキ「戦車なんか持ってきてないよ」

アンチョビ「はあぁ!?」

アンチョビ「いや短期転校なら練習試合なりしてお互いに切磋琢磨してだな」

ミカ「短期転校に…戦車は必要ないんじゃないかな」ポロン

アンチョビ「必要だろ!」

アキ「全然頭になかったよー」

ミッコ「ミカ…当てが外れたね」

ミカ「…」ポロロン

アンチョビ「なにしに来たんだお前達…まさかタダ飯にありつこうなんて邪な動機で」

3人「…」プイ

アンチョビ「図星かー!」

アンチョビ「呆れて怒る気にもならない…」ハア

ミカ「ため息をつくと幸せが逃げていくよ?」

アンチョビ「誰のせいだ!」

ミッコ「あーあ…ミカどうするー?」

ミカ「…」ポロン

アキ「あのー、そういえばアンツィオはよく宴やってるって聞いたんですけど」

ミッコ「そうそう、歓迎会みたいのをパーッとやってもてなしてくれるのかと期待したのに」

アンチョビ「いや…あまりにも出費が嵩むんで最近はめっきりやらなくなったんだ」

ミッコ「タイミング悪いときに来ちゃったか」

アキ「ついてないなぁ…ひもじい」グー

ミッコ「そうだねー…」グー

ミカ「辛い思い出は人生のスパイスみたいなものさ」グー

アンチョビ「…だー!わかった!とりあえず今日は私の奢りだ!」

ミッコ「マジ?ゴチになります」コロ

アキ「わーいいんですかー(棒)」

ミカ「感謝するよ」

3人「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

アンチョビ「うるさい!」

アンチョビ(うぅ…私の小遣い…)

数日後

ザワザワ

アンツィオ生徒A「うわ…あの人達またいるよ…」

アンツィオ生徒B「短期転校してきて戦車にも乗ってないって?」

アンツィオ生徒C「で、今日も食堂前で体育座りしてドゥーチェが声掛けてくれるのを待ってるわけか」

アンツィオ生徒D「昨日はドゥーチェのクラスの前でも待ってたみたいだよ」

アンツィオ生徒E「乞食どころかストーカーじゃん」

アキ「ミカぁ…もうやめようよー、皆の視線が痛いよ」

ミカ「恥を捨てればどうってことはないさ」

ミッコ「ミカはよくてもこっちが嫌なの!優しさにつけ込んでてさすがに罪悪感が…」

ミカ「我慢だよミッコ、少なくとも行き倒れることはなくなるんだ」

ミッコ「でも…」

ミカ「それにね…」

アキ「?」

ミカ「ひらめいたんだ」

ミッコ「…何をさ」

ミカ「短期転校の期間が終わると同時に新たな短期転校の申請をする…そうすれば半永久的にご馳走が」

アキ「もう一人でやれば?」スタスタ

ミッコ「今回ばかりはミカについてけない」スタスタ

ミカ「あ、ちょっと」

ザワザワ

ミカ「…」

ミカ「…もう少し粘ってみよう」

しばらくしてとあるコンビニ前

ガサガサ

みほ「ミカさん」

ビクッ

みほ「継続高校のミカさんですよね、なにゴミ袋漁ってるんですか」

ミカ「…人違いじゃないかな」

みほ「とぼけないでください、苦情が来てるんですよ」

みほ「ほんといい加減にしてください…あなたのせいで戦車道のイメージが下がったらどうするんですか」

みほ「お金がないならバイトなりしてくださいよ」

ミカ「…私に働くということが出来るかな」

みほ「やる前から弱気にならないでください」

ミカ「…」



路上

ポロロン…

通行人A「高校生ぐらいかしらあの子…」

通行人B「ちゃんとお風呂入ってるのかな…臭わない?」

ミカ「ふぅ…」

ミカ(アンツィオから追い出され…アキ達のところにも帰りづらくなった)

ミカ(こうして演奏で稼ぐつもりだったけど…お金が入らない)

警官「ちょっと君」

ミカ「?」

警官「道路の使用許可取ってる?」

ミカ「許可…それは本当に必要なことかな」

警官「すぐどかないと署まで来てもらうよ」

ミカ「…」

ミカ「公園の水を飲めば空腹は多少紛らわせられるね…」ゴク

ミカ「でもここのところ水しか口にしてない…」フラ

ミカ「ふぅ…」

女性「あ、あの」

ミカ「なにかな…」

女性「さっき、あなたの演奏聞いてました」

ミカ「それで…?」

女性「私、音楽事務所の者です」

女性「是非、あなたに来てほしいんです」

数ヵ月後、ライブハウス

観客A「あれが今話題のカンテレを弾く女の子?」

観客B「わー綺麗な子だ」

観客C「でも…なんだか悲しい音色に聞こえるね」

ミカ(アキ…なんとか生きていける目処がたったよ)

ミカ(ミッコ…あの時失望させたこと、今でも後悔してる)

ミカ(もう戦車に乗ることはないだろうけど…もしあの時ちゃんと向き合っていたら)

ミカ(何か変えられたかな…)



おわり

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