あさひ「しりとりの『り』からで……りんごっす！」

愛依「『す』～……すいか！」

あさひ「火星っす！」

愛依「また『す』か～……ん～、酢の物！」

あさひ「ノートっす！」

愛依「え、あさひちゃん結構やばくね……？」

愛依「スパイク！」

あさひ「くすりっす！」

愛依「うわ～また『す』じゃん」

愛依「てかもう『す』から始まる言葉なくない？」

あさひ「愛依ちゃん降参っすか？」

愛依「ちょい待ち～……あ、すみれ！」

あさひ「レモンっす！」

愛依「ちょ……あさひちゃんマジ強いわ……」

冬優子「……あんたたち馬鹿じゃないの」

～書初め～

冬優子「……何してんの」

あさひ「書初めっす！」

冬優子「なんで九月に事務所でやってんのか聞いてんの」

あさひ「テレビでやってるのみてやりたくなったんすよ！」

愛依「ちな道具はうちが用意したし～」

冬優子「……っていうか何書いてんのよ」

あさひ「『黛冬優子』っす！」

愛依「黛って字のバランスがムズいんだよね～」

冬優子「勝手にひとの名前を題材にしないでくれる」

あさひ「上手く書けたら飾るっすよ！」

冬優子「誰になんのメリットがあんのよ」

あさひ「でも、飾るならもっと大きな紙に書きたいっすね～」

愛依「幕みたいにして窓から垂らすとかよくない？」

あさひ「名案っすね！」

冬優子「なんか大会で入賞したみたくなるからやめて」

～せんたっきー～

愛依「気付いちゃった系の話していい？」

冬優子「……何よ」

愛依「洗濯機ってあるっしょ？　回るヤツ」

愛依「あれって、正しくは『せんたくき』なわけじゃん」

冬優子「それがどうかしたわけ？」

愛依「いや、冬優子ちゃんちょっと言ってみてって！」

冬優子「は？」

愛依「ほんと、一回だけでいいから！」

冬優子「……」

冬優子「せんたっき」

愛依「ほら～！！」

冬優子「……は？」

愛依「実際言うと『せんたっき』になるっしょ？」

愛依「これやばくない？」

愛依「気付いたときガチびびったんだけど」

冬優子「ただの発音の問題でしょ」

愛依「でも『せんたっき』で通じるのも謎じゃない？」

愛依「みんな『せんたくき』って読んでんのに！」

冬優子「……そんなに興奮するようなことでもないでしょ」

愛依「『せんたっき』『せんたっきー』……謎だわ～」

冬優子「聞いてないし」

愛依「あさひちゃんも不思議に思うっしょ？」

あさひ「ん～そうっすね」

あさひ「なんかフライドチキン食べたくなったっす！」

冬優子「あんたは自由すぎる」

～二十歳になってから～

あさひ「冬優子ちゃん、お酒って美味しいんすか？」

冬優子「なんで飲んでる体なのよ」

あさひ「コンビニとかでカゴに入れてるイメージあるっす！」

冬優子「……喧嘩売ってんの？」

あさひ「わたしはあと6年しないと飲めないんすよね～」

冬優子「まぁアイツもビールは好きって言ってたし」

冬優子「それなりに美味しいんじゃないの」

あさひ「あ～気になるっす！　飲んでみたいっす！」

冬優子「アイドルの未成年飲酒は洒落にならないから」

冬優子「だいいち中毒で倒れでもしたらどうすんのよ」

愛依「あ～でもうち絶対弱いわ」

あさひ「愛依ちゃん、飲んだことあるっすか！」

愛依「いや、普通のお酒はないけど～」

愛依「こどもビールでも酔っぱらっちゃったんだよね～」

冬優子「……？」

～キ～

あさひ「冬優子ちゃんってイバラギ出身すよね」

冬優子「……それが何よ」

あさひ「何があるのか興味あるっす！」

冬優子「……」

あさひ「……」

愛依「あ、イバラギって言えばあれっしょ！」

冬優子「どうせ納豆でしょ」

愛依「違くて、なんつったっけあれ……」

愛依「……あ、思い出した～！　あんこう鍋！」

冬優子「地元民でも食べないっつーの」

冬優子「……ていうかイバラギじゃなくてイバラキだから」

愛依「えっ！？」

あさひ「そうなんすか！？」

あさひ「ひとつ賢くなったっす！」

冬優子「……」

～カラー～

愛依「あ～色落ちてきたかも」

愛依「そろそろ染め直さなきゃかな～」

あさひ「髪染めるの楽しそうっす！　やってみたいっす！」

愛依「あ～教えたげたいけどガッコで怒られるっしょ」

冬優子「そうよ、やめときなさい」

あさひ「む～……つまんないっす～」

愛依「何色にしたいとかあんの？」

あさひ「そうっすね～愛依ちゃんみたいな色とか」

あさひ「摩美々ちゃんみたいな紫とか」

あさひ「果穂ちゃんみたいな赤髪もいいっすね」

愛依「あんまり色変えると髪すぐ傷むからな～」

あさひ「う～ん、でもいっぱい試してみたいんすよね～」

あさひ「……あ、部分ごとに色を変えて染めるっすよ！」

愛依「お～、トロピカルなカンジでいいんじゃね？」

冬優子「志茂田景樹かなにか？」