【まちカドまぞく】洗脳まぞく!?良子のお姉はオトナな女!! (48)

アニメ最新話の内容を見て思い付いたシャミ良姉妹+ご先祖中心のシャミ桃SSです

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プロローグ



シャミ子「………………」



『やっぱり桃さんはお姉の軍勢の魔法少女だったんだ!』

『子供にはとても言えないような手段で桃さんを調略して篭絡したから説明しづらかったんだよね!!本で見た!!』

『良、そういうの本でいっぱい見た!!』



シャミ子「………むぅ~…」

悪辣まぞく



邪神像(リリス)「どうしたシャミ子―?余に折り入っての相談というのは」

シャミ子「由々しき事態です。先日、良と2人で桃の家にお邪魔したときのことなのですが…」

ごせん像「おぉ。勘違いした良子のために、表面上だが桃・ミカンを配下と認めさせたそうではないか」

シャミ子「実は、その良についての相談なのです!というのは…」

ごせん像「なにっ!?シャミ子、まさかお前――」



ごせんぞう「四六時中桃やミカンを良と一緒に連れまわすことで己が支配権をご近所にPRしていくというのだな!?血を分けた肉親さえ利用するとは…暗黒まぞく顔負けの成長っぷりだな!」

シャミ子「そんなひどいことしませんよ!!?」

身内による犯行



シャミ子「ご先祖様もご存知の通り、桃へ取り入る計画が順調に進んでいるわけですが」

ごせん像「そっ、そうなのか!?シャミ子に『順調』と言われるのが却って不安だが…なによりだ!」

シャミ子(あれ、もしかして私バカにされてる?)

シャミ子「…ともかくですね、私の配下を自称してくれた桃の様子に良がこう言ったのです!」



良子『子供にはとても言えないような手段で桃さんを調略して篭絡したから説明しづらかったんだよね!!本で見た!!』



シャミ子「まだ小学生なのにですよ?一体全体どんな発想をしたのか、必要とあらば姉として教育的指導も辞しません!」プンスコ

ごせん像「ふーむ、いささか過保護ではないか?近頃の小学生は恋愛面での情緒が早熟だというではないか」

シャミ子「ご先祖様、いったい何を根拠にそんなことを…!」

ごせん像「ああ、向こうの部屋に転がっていた『月刊下世話 10月号』の巻頭特集に…」

シャミ子(おかーさん!!!!!!)

詭弁派まぞく



シャミ子「いずれにせよ、私と桃のあいだにゾーニング必須な関係があると思われては気まずくてしかたありませんっ」

ごせん像「確かにそれはやりにくいな…」

シャミ子「なので、ご先祖様の力をお借りして良子のイメージを塗り替えたいのです。内容次第では私の手で……えっと、えーと…教育的指導(2回目)です!」

ごせん像「余は構わないぞ。しかし、シャミ子的には妹を洗脳するのはOKなのだな?」

シャミ子「はぇ?…私が良を…せん、のう…?」

ごせん像「妹の思考を覗いて、必要なら矯正に動くのだろう?見方にもよるが、余は立派な洗脳行為だと思うぞ」

シャミ子「せん……いや…これは……教育的(三回目)………っ」



シャミ子「そう!私がやろうとしているのは検閲です!中身見て、危ない内容は編集するだけなのでセーフ!!」

ごせん像「一方的な検閲は思想統制と紙一重だぞ?」

学習意欲:良



シャミ子「思想統制……ぶっそうな響きです…」

ごせん像(ククク、悩んでおるようだが…シャミ子が自ら夢の改竄を試みるとは好都合よ。このまま上手いこと経験値を稼がせてやらねばなぁ)クククのク…

シャミ子「一方的なのは確かによくないですね。でもどうしたら……」



良子「……話は聞かせてもらった!」バーン!



シャミ子「りょ、良子!?どこから聞いていたのですか?」

良子「断片的にしか聞こえなかったけど、お姉とご先祖様の力で私にまぞく補佐としての教育を施してくれるんだよね?むしろありがたいよ、臨むところだよ!」

シャミ子「予想外にアグレッシブ!!」

親しき仲にも礼儀あり



シャミ子「でもね良子。おねーちゃん、これから良の脳内をご先祖様と一緒にウォッチングして書き換えちゃったりするかもしれないんだよ。本当にいいの?」

ごせん像「!」



ごせん像「余計なことを言って惑わすな、おバカまぞく!自分から言い出したのだろうが!」ヒソヒソ

シャミ子「だ、だって本人の顔を見ると罪悪感がマシマシで…!…え、今『おバカ』って言った?」ゴニョゴニョ

ごせん像「言っとらんわ、気にするなおバカ!」ヒソヒソ



シャミ子「…良」

良子「…………」



良子「全然気にしないで!むしろ、血縁に縛られず施策を実行しようとするお姉に感服した!すごいよお姉!立派な君主の器だよ!」キラキラキラ

シャミ子「うぅっ!羨望と期待のまなざしが我が良心を苛む…!」

ごせん像(これもう逆にひっこみがつかんな…)

そのキラキラを奪わせないで



~ごせんぞ封印空間~

シャミ子「……結局、良も私も就寝してしまいました。ここまできたらやるしかないのか…」

リリス「いい加減覚悟を決めよ。元はといえばお主の発案なのだぞ」

シャミ子「…そうですよね。良だって、私の力を行使されると思うとドキドキしすぎてなかなか寝付けなかったくらいなのに」

リリス「そんなに興奮していたのか?」

シャミ子「それはもう、遠足前夜よりもですっ」



良『これってお姉に配下としての忠誠心を証明する機会だよね。良、うれしい!』



リリス「…検閲より先にこの心酔っぷりを矯正洗脳すべきではないか?」

シャミ子「私へのリスペクトを奪わせないでください…っ!」

突撃!妹のドリーム



シャミ子「ではご先祖様、良子の夢を捕まえるので例のしゃも…鏡を貸してください」

リリス「しゃもじって言った?今しゃもじって言おうとしたよな?」

シャミ子「間違えました」

リリス「ぬけぬけと言いよって。…ところでシャミ子、今回は桃のときとは違ったやり方で洗脳してみてはどうだろうか」

シャミ子「ほぇ?」

リリス「以前は桃の夢にシャミ子が入り込んで洗脳を目論んだだろう。しかし今回は我々と血で結ばれている良子が対象なのだ。で、あるから~……」ゴニョゴニョゴニョリータ

シャミ子「……な、なるほど!ご先祖様の力も借りられるし、そっちの方がいいかもです!」

リリス「そうであろうそうであろう!」ドヤッ

シャミ子「ではご先祖、しゃもじをお貸し願います!」

リリス「鏡だってゆーとろうがー!」

すくすく育て愛妹よ



シャミ子「それでは、今から良をこちらへ呼び出します」

リリス「うむ。良と思念の周波数を合わせて見つかったらグイッと引き寄せるがいい」

シャミ子「わかりました。えーと…えーと……」

シャミ子「良には、とにかく健やかに育ってほしいんだーーーーーーーーーーー!!」



夢見鏡「バリーン!」



シャミ子「ご先祖!鏡の向こうで何かをつかみました!やらかいです、ぬくいです!」

リリス「そのまま思いきり引っ張るのだ!」

シャミ子「おりゃー!」



??「………お姉っ!?」

2Pカラーってなんぞ?



良子「お姉…ここは?それに、そっちのお姉に似た人は誰?」

シャミ子「妹よ、よくぞ我が求めに応じて来てくれました。ここは私の夢の中です!」

良子「夢? ……そっちの、お姉に似てる人は?」

リリス「この姿で会うのは初めてだな。良子、余がお前たちの崇高かつ高貴なる先祖……闇の夢魔・リリスだ」

良子「ごせんぞうの、中の人?」

リリス「その通りだ。……良。会いたかったぞ」

良子(きんぱつだ…お姉の2Pカラーみたい……!)

シャミ子「早速本題に入りましょう。良、こちらのテレビに手を触れてください」

良子「夢の中なのに、テレビがあるんだね」

リリス「地上波も映る優れモノだぞ?」

シャミ子「今回は、これを『良のメモリー投影機』として使うんですよね?ご先祖様!」

リリス「うむ」

どんとこい、洗脳教育!



良子「メモリ…記憶を映すってこと?どうやって?」

リリス「これは普段、余の記憶を映しだして『これまでのあらすじ』などを捏ぞ…もとい編集しているテレビだ。今回はここに良の記憶を映す」

シャミ子「私ともご先祖様とも魂のチャンネル?が近い良子だからできることらしいです!…尤も、やってみなければ分かりませんが」

リリス「良よ。今宵は我々が編集した記憶をきっちり脳裏に焼き付けてからぐっすり眠ってもらうぞ?」

シャミ子「お姉ちゃんとご先祖様とで良のメモリーをしっかと監修してやります!さあ、レッツ投影!」

良子「わかったお姉。編集・脚色・捏造…良、そういうの得意!」

リリス(それにしてもこの妹、洗脳されるというのにノリノリである)

魔法少女のヒ・ミ・ツ



良子「えっと。テレビに触ってるけど…これでいいの?」

リリス「そのままじっとしていろー。ここをこうこうこう……よしっ!」

テレビ「ピッ… ザーーーーーーーーーーーー」

良子「……砂あらし?」

リリス「良の中の色々な記憶が混ざっているのだ。これから特定のメモリーを引き出してもらうぞ」

シャミ子「良、思い出してください!このあいだ桃の家に私と2人でパソコン直しに行ったときのこと!」

良子「えっ?あのとき起きたことって、確か…変なねこがいて……」



『ちょっ…そこにアイスはやめて!呪い出ちゃうから!』



『わっ分かりました!よく分からないけど配下になる!配下になります~!!』



良子「ミカンさんが桃さんにトイレへ連れ込まれて何かされてた」

シャミ子「そっ、そこも矯正必須だけどもう少し前のシーンです!」

リリス(あやつら、他所の姉妹に聞こえる場所で何をしていたのだ…)

ピュアまぞくなんです



シャミ子「良。桃が、自分を私の配下だと認めた直後の自分の言葉を思い出してください」



『子供にはとても言えないような手段で桃さんを調略して篭絡したから説明しづらかったんだよね!!本で見た!!』



良子「そういえばそんなこと言ったような」

シャミ子「いいですか、良。世の中には小学生が知らなくていいことがたっくさんあるんです。おねーちゃんは、知りすぎてしまった良に教育的指導(4回目)を施そうと思います!」

良子「小学生が知らなくてもいいことって、なに?」

シャミ子「えっ」



シャミ子「…………っと…」



シャミ子「…ぁ、ははは………」ポー…



リリス「顔を赤らめるな! 経験値の浅さがバレる!」

子は親を見て育つ



シャミ子「と、とにかくこの場面で良が考えていたことをテレビに映してください!ご先祖様スイッチオン!」

テレビ「ザー……ッププ」



『実録!ひかりとやみのウォーズ24時!~女帝の手管~』



良子「タイトルは『手管』と『知略』で迷ったけどどうかな?手練手管って言うよね?」

シャミ子(どうしましょう。すでにやばげな空気がぷんぷんです!)

リリス「清子のやつ、年頃の娘を置いて週刊誌を転がすとはうかつなマネを……」

良子「週刊誌って猥雑だけど、大衆の関心を把握するのには有用だと思うの」

半分役者気分



ナレーション『まぞくの軍門に下ったことを告白した桃さんとミカンさん。闇の女帝は魔法少女をどのように調略して篭絡して骨抜きに仕立て上げたのだろうか…』



シャミ子「せっかくですし、みんなでゆっくり見ましょう。良、いま飲み物出すから待っててね」

良子「なんか、上映会みたいで恥ずかしいかも…」

リリス「ほれ、シャミ子の脳内イメージから取り出したコーラだ。良にも分けてやれ」

シャミ子「ありがとうございます」プシュ



シャミ子『ククク…千代田桃。その力、光の下で腐らせるには実に惜しいぞ!』



良子「…でね、魔法少女の力がよく分からなかったから、色んな本を参考にして…」

シャミ子「ほぇー」

リリス(あ、こやつら普通に楽しんでるな?)

グラビア撮影じゃないんです



シャミ子『どうする魔法少女。自己満足で”名誉の死”へ逃げるか?』

桃『…まだ負けたわけじゃないっ』



リリス「なぁシャミ子。こういう形で見ると、危機管理フォームもなかなかカッコイイのではないか?」

シャミ子「それはありえません」

リリス「そんなぁ…。…しかし良子、シャミ子はどうやって桃をここまで追い詰めたのだ?」

良子「え?それは多分、もうちょっと前の方で見られるかも…」

リリス「どれ、巻き戻してみるか」キュルルルル



桃『いいよシャミ子。かわいく撮れてる。次はこっちに目線向けてみようか』カシャカシャ

シャミ子『も、桃ぉ…!』

シャミ子「ぶぅーーーーー!!」



シャミ子「な、なんですかこのいかがわしい映像は!?」

良子「えぇ…!?桃さんがくれた写真の中のお姉、すごく恥ずかしがってたからこんな風に撮ったと思ってた…」

シャミ子「早送り早送り!ご先祖様、あとでこの記憶も検閲対象です!」

リリス(現代の魔法少女め、幼女にこんなイメージを抱かせるとはやるではないか…)ゴクリ

悪魔大将軍(シャドウミストレス)



シャミ子『さあ魔法少女よ!食らいなさい!!』

桃『くっ…!』



シャミ子「あっ、このシーンっぽいです!」

リリス「良がどのように魔法少女攻略をイメージしたのか楽しみだな」



シャミ子『ゆけー!万を超えるごせんぞう軍隊のじゅうたん爆撃―――!!』

ごせんぞう×10000『ワーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』

桃『ま、負けてたまるか!』



シャミ子「…いや、多すぎでしょう」

リリス「物量を押し付けるタイプの攻略方法だったかー」

良子「ダメ?やっぱり、大軍を率いてこその女帝(ミストレス)だと思って…」

シャミ子「お姉ちゃん軍は率いませんってば!」

本気だったのに……



シャミ子『クックック…ぶざまだな魔法少女。古来、一騎当千とうたわれた英雄はみな軍略軍勢の前に敗れ去った。お前も今まさに敗北者の列に名を連ねたのだ』

桃『諦めないかぎり、勝負は終わらない!はぁぁぁぁぁぁ!』

シャミ子『まだ絵空事を口にするか!今度はさっきの倍だー!』

ごせんぞう×20000『ワァァァァァァァァァァァッ!!!!!!』



シャミ子「合計で3万体のごせん像…。私、そんな大軍を統制できる気がしません!」

良子「さすがに多すぎたかな」

リリス「まあ、率いるかはともかく3万くらいならこの場にも召喚できるぞ?邪神像3万体、今すぐ出してやろうか」

シャミ子「あははははは。まあ、夢の中ですしね」

リリス「……」ショボーン

勧誘(ごうもんとは言ってない)



ナレーション『かくしてシャドウミストレスは魔法少女を無力化するのであった。そしてここから、悪魔のような勧誘が始まる…』



シャミ子『おらおら~。ここがお前の弱点ちゃうか~』

桃『ふぐっ…』



シャミ子「………なっ、な…!」

リリス「…うわぁ」



シャミ子『簡単なことだ。降伏するとひとこと口にすればいい。そして、私と共にこの多魔市を守ろうではないか』

桃『誰が…まぞくなんかにっ』

シャミ子『口の聞き方がなっていないぞ!』ズポッ

桃『ムグッ…!?』



シャミ子「良子!お姉ちゃんは桃の手足を拘束して脅迫なんて考えたこともなければ、口の中にピクピクうごめくごせん像を突っ込んだりもしません!!」

良子「ごめんなさい。このあいだ読んだハードボイルドな小説で、相手の口に銃を突っ込んだり突っ込まなかったりする展開があったからつい……」

シャミ子「『つい』じゃなーーーい!」プシューッ

勘違いするなよ(自己暗示)



シャミ子「いいですか良。私はハードでボイルドな展開をしたこともするつもりもありません。…それにな、桃はごせん像軍団になんか負けないくらい強いし、たとえ負けても口の中にごせん像をズポズポされたくらいで降参なんかしないのだ!!!」カーッ

良子「…!…そうだよね。いくら敵だからって、”親友”だって言った人にお姉はこんなことしない……」

シャミ子「親…!?…そ、そうでしたね。桃のこと、確かに"親友"として良には紹介してました」

良子「お姉…ごめん……っ。私、イメージだけど桃さんにひどいことしちゃった……っ」

リリス「気にしすぎるな良。シャミ子は、桃に関わることは怒りっぽくなるタチなのだ」

シャミ子「べ、別にそんなことはありません。…ただ、そう。親ゆ…配下のイメージを守るためです」

シャミ子(そうそう。たとえイメージだとしても、宿敵をあなどられるのが嫌なだけなんだからなっ)



シャミ子『ふははははは。いつまで保つかなー?』ズポッズポッスポッ

桃『ぐっ、ふっ、むぅぅ……!!』



シャミ子「ってご先祖様!お説教中は再生止めてくださいお願いします!!」

リリス「あっ。すまんすまん」ピッ

ヒ魔神と化したご先祖



シャミ子(いけない…さっきの映像を思い出しただけでドキドキしてしまうぅ~~)プシュー

良子「お、お姉。どうしたの?大丈夫?」

リリス「頬染めまぞくは放っておけ。それより、軍勢だの脅迫だのの暴力的イメージを取り除いた調略&篭絡プランを練り直すのだ」

良子「…わかった。ちょっと考えてみる」

シャミ子(うぅ。桃の口にうごめくごせん像がずっぽずっぽ……)グルグルグルグル

良子「………………」フーム

リリス「…………」

シャミ子「考えるな。考えるな…」ブツブツ

良子「……………」

リリス「…………」



リリス(あれ?余、この状況でめっちゃ持て余されてる?)

気付けシャミ子よ!



良子「お姉が武力を使わず桃さんを篭絡するイメージ……できたかも!」

リリス「待ちかねたぞ!ではレッツ投影!」ピッ



『実録!ひかりとやみのウォーズ~光を堕とす魔性の罠~』



シャミ子「サブタイトルが変わった!」

リリス「オイオイオイ、すでに怪しくないか?」

良子「良、がんばってそういう雰囲気イメージしてみた…!」



ナレーション『…かくして、シャドウミストレス優子は、持ち前の明るさと優しさで以て魔法少女の居城へ易々と上がりこめるほど深い関係を築いているのだった…』

シャミ子『桃、約束通り遊びにきましたよー』

桃『シャミ子。よく来たね』



シャミ子「ここまでは現実と変わりませんね」

リリス(…冷静に考えるとこの時点でだいぶ調略が進んでいるのでは…?)

半分イメトレ気分



桃『ふぅ、美味しかった。シャミ子、いつもありがとう』

シャミ子『気にするな桃よ。私たちは親友ではないか』



メタ子『時は来た!』



シャミ子『桃……。私たち、そろそろ話し合うときが来たんじゃないですか』

桃『え?なんの話……?』

シャミ子『決まっているでしょう…』



シャミ子『私たちの、関係についてです』



リリス「おぉ?思ったより真剣で良い展開ではないか。余は感心したぞ、なあシャミ――」

シャミ子「……」フンフン

良子「お姉のこと、今はそっとしてあげよう」ヒソヒソ

リリス「う、うむ」ヒソヒソ

私は君が欲しい!!



シャミ子『お前は光。私は闇。このまま時がたてば、いつか私たちは一方を滅ぼさなければならなくなる』

シャミ子『私は滅ぼされるつもりなど毛頭ない。しかし桃、お前を失うのはあまりにも惜しい…』

桃『……シャミ子…』

シャミ子『だから桃!いっそ、力づくでお前を――』



桃『――!?………んっ…』

シャミ子『――私のモノにしてや――

シャミ子「カットカットカット!!!!カットーーーーーーーーーーっ!!!!!」

ハニートラップ、ってやつ?



シャミ子「どどどどどどいうこことでし良!!なんで私が桃とっときっしをせんとらー!!?」プッシュー!

リリス「シャミ子よ、動揺のあまり舌がまるで回っとらんぞ!

『どういうことですか良子!なんで私が桃とキッスをせんといかんのだー!』と言いたいのか?」

シャミ子「そうそれ!」

良子「大丈夫……お姉の魅力があればきっとできる!」

シャミ子「できるできないの問題じゃないんです!そもそもなぜラブでロマンスな方向に行くんですか!?」

良子「大丈夫。桃さんはラブ強めだけど、お姉はあくまで親友以上の情は持たずに魔法少女を堕落させるのが目的で色じかけ」

シャミ子「あああああもう聞いてられない!」グルグルグルグル

お姉ちゃんはお怒りです



良子「お姉……ごめんなさい。良、またお姉や桃さんに失礼なイメージしちゃったんだ…」

シャミ子「その通りです!中途半端に現実的な分だけ危なさマシマシ、百歩譲ってイメージだから許しますけどこれが桃に知られたらなんて思われるか。今のうちにしっかりと悔い改めてください!」

良子「!………うん。本当に、ごめん」

良子「良、武力抜きでイメージしなおせって言われたら…ヒック、こんな、ことしか思い浮かべられなくって……グスッ」

良子「金銭や、人間関係から崩すのも、考えたっ、けどっ。…ウチ貧乏だし、桃さんも、ご両親や兄弟、いなさそうだったから……!」ポロポロ

シャミ子「あっ…良……!」

良子「…すん、すん。……ごめんなさぃ…」

シャミ子「だ、大丈夫ですよ。良、泣かないで?」アタフタアタフタ

リリス「ちょくちょくエグいワードが出てたが本当に大丈夫か?」

お約束的操作ミス



リリス「……良、気に病むなと言っただろう。お前は姉のリクエストに応じてイメージを切り替えただけなのだ。なにも悪いことなどないさ」

シャミ子「そうですよ。所詮イメージなんですから、外に出さえしなければいいんです。強く言いすぎてごめんね、良」

良子「お姉……ごせんぞさま……!」

シャミ子「そ、そうと決まればです。これから一緒にいい案を考えましょう!」

リリス「最初の方はいい感じではなかったか?ちょっと巻き戻して、そこから考えようではないか」

シャミ子「ご先祖様ナイスアイディア。じゃあ巻き戻しお願いします」

リリス「任されたっ」キュルルルル

シャミ子「良。お姉ちゃんはもう大丈夫です。これだけ見せられたらちょっとやそっとでは驚きません」

良子「お姉…」

リリス「この辺かー?」ピッ



桃『……ふふ、こんなに体を火照らせちゃって。シャミ子はいやらしまぞくなのかな?』

シャミ子『ぐっ…桃ぉ…!』



シャミ子「ぶーーーーーーーーーーーーーーー!」

お姉は悪くないよ



リリス「すまんシャミ子!早送りと間違えてしまったようだ…」

シャミ子「ご先祖様なんばしよっと―――――!?」



桃『シャミ子が悪いんだよ。はじめに私を誘惑したのはそっちなんだから』

シャミ子「あっ、あ……」

桃『ミカンは用事でまだ帰ってこない。シャミ子、覚悟決めて…』

シャミ子『こっ、これで勝ったと……思うなよ…っ』



シャミ子「大体なんで桃と私が形勢逆転してる!?良、説明を!」

良子「ごめん。武人っぽさ漂わせてる桃さんを腕力でお姉が上回るとこ、想像できなくて…」

シャミ子「そんなところを現実準拠にしなくていいです!」

母は辛いよ



シャミ子「大体、せっかくの色仕掛けなんですからそこは私の絶妙な技でこう、腰砕けにさせればいいじゃないですか」

良子「で、でも『こしくだけ』って…どうやればいいの?」

シャミ子「えっ」

良子「えっ」

シャミ子「…ど、どうと言われても……」

良子「…図書館で読める小説だと、そこまで詳しく書かれてないからわかんない……」

シャミ子「詳しく書かれてても覚えなくていいです!…もっとも、私も具体的には……ごにょごにょごにょ」

良子「……お姉?」

シャミ子「……ぁ~~~~~」カァァァァ



リリス「はいはい、巻き戻したから編集始めるぞ!!姉妹そろってそんなこと考えんでいい!」パン、パン



シャミ子「はっ」

良子「はっ」

リリス(清子よ。今までこやつらの世話を背負わせてすまなかった…!)

グッドエンドルート



シャミ子『…桃、まぞくの手料理は旨いか?』

桃『うん。こう見えて、私もミカンもシャミ子のことはありがたく思ってる』

シャミ子『…そうか。……なぁ、桃よ!一ついいか?』

桃『……なに?』

シャミ子『お前は光。私は闇。このまま時がたてば、いつか私たちは一方を滅ぼさなければならなくなる』

シャミ子『私は滅ぼされるつもりなど毛頭ない。しかし桃、お前を失うのはあまりにも惜しい…』

桃『……シャミ子…』

シャミ子『だから桃。お前は私の配下になるがよい!そして、まぞくの下でこの多魔市を笑顔のあふれるすてきな街にするのだ!』

桃『…!』

シャミ子『私たちのどちらかが欠けても、こうしてご飯を共にすることもできなくなる…』

シャミ子『そんな未来を避けるため、お前は今からシャドウミストレス優子の配下となるべきだ!今ならなんと三食昼寝付きだぞ!……ど、どう……ですか…!?』

桃『…………』

シャミ子『…………っ』

桃『……ふふっ』

シャミ子『!!』

対ミカン編:鋭意構想中



桃『分かった。私、魔法少女千代田桃は多魔市の街角を守るシャドウミストレス優子の配下になる。……これでどう?』

シャミ子『嬉しい…嬉しいぞ、桃!』

桃『ふふふ。私たち、これからずっと一緒だよ。――ね、シャミ子』

シャミ子『ああ、その通りだ千代田桃!――わが、愛すべき配下よ!』



ナレーション『こうして闇のまぞく・シャドウミストレス優子は魔法少女を見事に配下として引き入れることに成功した。――がんばれお姉!負けるなお姉!』



メタ子『時は来た!』



『実録!ひかりとやみのウォーズ~2人で守る街角のミライ~』 ~fin~





リリス「おぉ~~~」パチパチパチパチ

良子「えへ。ありがとう、ごせんぞさま」

リリス「こういうのでいいのだ、こういうので。武力だの色仕掛けだのは優子には似合わん」

リリス「――で、姉の方から何か感想はないのか?」

シャミ子「……………」

リリス「……シャミ子……?」

家事苦手の桃には効くはず!



シャミ子「……『三食昼寝付き』のくだり…」

良子「……」ゴクリ

シャミ子「あれ、部屋掃除や皿洗いも付けて特典をもっと豪華にするのはいかがでしょうか?」

リリス「……そういう勧誘は泥沼だからやめとけな?」

シャミ子「せめてゴミ出しくらいは!」

リリス「だからやめとけっつの!」

良子「さすがお姉……!闇の女帝は謀略の検討を怠らない!」キラキラ

リリス(この姉妹、収拾がつかん!)

褒め言葉ですよ



リリス「ともあれ、これで目的は達成されたな。なんというか…シャミ子らしく、いかにも牧歌的な調略イメージだったではないか」

シャミ子「むっ。ご先祖様それ貶してます?」

リリス「褒めたのだよ。良、姉のわがままに色々付き合わせて悪かったな」ナデナデ

良子「大丈夫……私、お姉やごせんぞさまとお話しできて楽しかった」

リリス「今日見た夢の内容をお前は大分忘れてしまうかもしれん。夢とはそういうものだからな」

良子「そうなんだ」

リリス「だが、我らと話した影響も頭のどこかに残るはずだから安心するのだ。ではな、良子」

良子「うん。それじゃあまた――」



リリス「………」

シャミ子「…ご先祖様、今日はなんだかいっぱい『ごせんぞさま』してましたね」

リリス「むぅ。シャミ子、どういう意味だそれ?」

シャミ子「…えへっ。なんでもありません」

桃が悪いんだぞ……っ!



リリス「なんにせよ良い体験ができたではないか。妹の洗脳もでき、お前の能力行使の経験値も蓄えられたのだ」

シャミ子「そうですね。洗脳ではなく教育的指導(5回目)ですが」

リリス(欺瞞だ…)



シャミ子「…って、あーーーーーーーーーーーっ!」



リリス「!?」

シャミ子「忘れてた!忘れてた忘れてたどしようアレどうしましょうご先祖様!!?」

リリス「落ち着けシャミ子、どうした一体?」

シャミ子「わ、私が桃に恥ずかしい姿を撮影された記憶や桃とミカンさんが恥ずかしい会話をしていた記憶がそのままです……っ!」

リリス「もう放っとけそんなもん!大体桃のせいだと思えばいい!」

シャミ子「うぅ~~~~っ、恥ずかしいです…」シュン

一騎打ちもしませんから!



良子「お姉、おはよう!」

シャミ子「おはようございます、良」

良子「ゆうべお姉とお話してる夢を見たの。魔法少女をどうやって攻略するかを相談するって感じで…軍議みたいですっごく楽しかった!」

シャミ子「それはよかったですね!」

シャミ子(…郡、議?……群戯……?)

良子「でねでね!良はお姉に軍勢を率いてもらおうとしたんだけど、夢の中のお姉は『軍勢など率いる必要はありません。私が一人で決着をつけるべきです』って――」



清子「優子―。良子―。ごはんできるから顔を洗って着替えてきなさーい」



良子「あ、はーい。…じゃあお姉、またあとで!」

シャミ子「うん。またあとでー………」



シャミ子『だからお姉ちゃん軍は率いませんってば!』



シャミ子(…アレそういう文脈じゃなかったけど!?)

何から話せばいいものか



良子「ふしぎな夢だったんだー。お姉と私、あと、覚えてないけどもう一人の誰かと3人で喧々諤々の軍議をしてたの」

シャミ子「……」モクモクムシャムシャ

清子「そうなんですか。ちなみに『誰か』って?」

良子「思い出せないけど、昔から知ってるような感じの人で、すごく自然にお話できたよ」

清子「昔から?…………ひょっとして、お父さん?」

良子「ううん、女の人。でもね、なんとなくお姉に似てた気がする!」

清子「あらあら。どんな人だったのか、おかーさんも夢で会ってみたいですね」



ごせん像「……」

段ボール箱「……」



シャミ子「…良、おみそ汁が冷めますよ」

良子「はっ!ありがとお姉っ」

あいさつは大事だよね



シャミ子「ご先祖様…」テクテク

ごせん像「どしたーシャミ子」

シャミ子「いえ。こうして登校までしてしまっているわけですが…良と話さなくてよかったんですか?」

ごせん像「話す?なにをだ?」

シャミ子「だって、良はご先祖様のことを忘れていたじゃないですか。せっかくご先祖様の本来の姿で会えたのに……」

ごせん像「…よいよい!もとより夢から覚めれば記憶がフワってするし……それにだな、」

ごせん像「いつか、またあの場所に呼んで覚えてもらえるまで挨拶をしてやればよいのだ。…そう。何度でも、良と会う機会はあるともさ」

シャミ子「……はいっ。ご先祖様の言う通りです!」

シャミ子「何度でも何度でも、もうびっくりするくらいお気軽に挨拶すればいいんです!そうすれば良もご先祖様と」



桃「おはよ、シャミ子」



シャミ子「どぅぅわーーーーーーーー!!?」

蘇るあの夜の光景( )(きおく)



桃「え、なんか驚かせた?…ごめん」

シャミ子「…気にするなー、魔法少女よ。またいつでもお気軽に挨拶してくるがよい…」

桃「それはちょっと、今の反応を見るとためらわれるかも。…ところでさ、シャミ子……」

シャミ子「…な、なんですか……」

桃「……」

シャミ子「…」

《そのとき、シャミ子の脳裏に昨晩のイメージが降りかかった!》



『おらおら~。ここがお前の弱点ちゃうか~』

『ふぐっ…』



シャミ子「…!!」



『だから桃!いっそ、力づくでお前を――』

『……んっ…』



シャミ子「――――――!!!」プシュー!

桃「…シャミ子?なんか、焦点が合ってなくない?」

刺客からの一撃



杏里「おーっす二人とも!今日は朝から一緒なんだねっ」

桃「杏里か。おはよう」

シャミ子「!?お、おおはようございますっ」

杏里「おん?シャミ子、なんかテンション高くね?」

シャミ子「そ、そげんこつなかですよ?」

杏里「ごまかすなって!あれか、ちよももとの二人きりをジャマされてちょっと慌ててる系でしょ?」

桃「杏里。からかい方が安直。私とシャミ子はそんなんじゃない」

杏里「ちぇー。桃はノリが悪いなー…、」

シャミ子「二人…きり……ぁわわわわ……」



桃『ミカンは用事でまだ帰ってこない。私たち、これからずっと二人きりだよ…』

シャミ子『こっ、これで勝ったと…』



桃『私たち、これからずっと一緒だよ。――ね、シャミ子』

シャミ子『ああ、その通りだ千代田桃!――わが、愛すべき配下よ!』



杏里「…って、シャミ子?」

シャミ子「ぁぅ、ぁぅ、ぁふ………」

身長差を活かした手つきで



桃「……シャミ子、ちょっといい?」

シャミ子「ふぇっ?」

杏里(桃の顎クイいただきました!)



桃「さっきから何か変だよ。悪いモノに憑かれたのかもしれない。確かめるから、私と目を合わせてじっとしてて」

シャミ子「そっ、んな……。…桃と、目を合わせて……なんて…!」



『――!?………んっ…』

『……ふふ、シャミ子はいやらしまぞくなのかな?』

『シャミ子が悪いんだよ。はじめに私を誘惑したのはそっちなんだから』

『これからずっと、一緒だよ。――シャミ子』



シャミ子「――~~~~!」カァァァァァァ

お約束



シャミ子「はっ、放せ桃!私は私だ、何にもとりつかれてなんかない!」

桃「そう?大丈夫ならいいんだ」

シャミ子「い、いいか桃っ、勘違いするなよ!これはあくまで……ま、まぞく的な力が暴走した的なイメージ的な自爆のような……~~」

杏里「シャミ子、なにを言いたいんだい?」

桃「…やっぱり頭が変になっちゃったのかな…」

シャミ子「おかしくなったわけじゃありません!…とにかくだ、千代田桃!!」





シャミ子「これで勝ったと!思うなよ~~~~~~~~~~~!!!」





《がんばれシャミ子 あれやこれやと経験を積んでオトナなまぞくになるのだ!》




以上です。お読みいただきありがとうございました

良子ちゃんの早熟っぷりと思い込みの激しさが好き(小学生並みの感想)

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