機動戦士ガンダム 黄昏を越えし者【安価コンマ】 (260)
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オリジナルのガンダムでてんやわんやしようというスレ。
次々レスから設定がはーじまーるよー。
A.R(アフター・ラグナ)
綴りは『After Ragna』で、後述する戦争『ラグナロク』停戦後の現年代を指す。
西暦換算すると、ラグナロク勃発がA.D2715、停戦がA.D2725となる。現在はA.R25のため、A.D2750となる。
人類は地球、火星、木星、土星、金星で生活しており、木星、土星、金星ではコロニーを建造し居住している。地球と火星は普通に住んでいる。
一部の衛星には、直接都市群を形成していたりする。
ラグナロク(世壊大戦)
地球、火星、金星組と木星、土星組との間で勃発した絶滅戦争。
核でもコロニー落としでも小惑星ブッパでも何でもあり状態だったが、千日手が続いて流石に疲弊したため休戦協定が結ばれた。
民間人の意識はそこまで高くないので、いざ再開したらグダグダになること間違いなし。
しかしトップは殺る気マンマンマンチカン。
テルマルヴェ統一連邦(TeLMarVe Unity Federation)
略号はT.U.F。連邦軍はT.U.F.F(TeLMarVe Unity Federation Force)、その中でも宇宙軍はT.U.F.S.F(TeLMarVe Unity Federation Space Force)となる。
地球、火星、金星、月の国家を統一した超大国で、酸素と水を貿易のカードとして持っている。
ナーザー帝国(Nuser Empire)
略号はN.E。帝国軍はN.E.M(Nuser Empire Military)。宇宙軍との区別は無い。
木星、土星を支配している大国で、燃料として利用されるヘリウム3を貿易のカードとして持っている。
アステロイドベルト
火星、木星間の小惑星帯を指す。
連邦と帝国を分ける境界線にして、完全中立宙域にも指定されている。
この中でのみ共同開発が進められているが、絶対安全とは限らないよね(ヘリオポリスを見ながら)。
モビルスーツ(MS)
宇宙世紀のやつと変わりません。
オールレンジ攻撃はファンネル(キュベレイ系のような漏斗状)とフィン・ファンネル(νやデルタカイのような放熱板状)、ビット(それ以外の形状。サザビーのような円柱状も含む)に分けられます。
インコムも宇宙世紀のと同じです。
ガンダム(G)
ラグナロクが泥沼千日手状態になった元凶。
モビルスーツの中でもぶっ飛んだ性能をしており、両軍をめちゃくちゃにしやがった。
伝説的な存在として民衆には認知されており、パイロットは英雄視される。モテモテだねぇ。
ベルセルク(Berserk)
所謂強化人間で、北欧神話の『ラグナロクに備えて鍛えられる兵士』の『エインヘリヤル』と『敵味方関係なく滅ぼそうとする狂戦士』の『ベルセルク』が"意図的に"混同されている。
非戦闘時は虚脱状態だが、戦闘時は『インプットされたたった一つの命令』を遂行するためだけに動く。寿命?察して。
まずは所属を決めましょう。先に2票入ったやつです。
1:テルマルヴェ統一連邦
地球圏側の勢力。ガンダムが充てがわれる確率大。
2:ナーザー帝国
木星圏側の勢力。ガンダムが充てがわれる確率大。
3:PMC
民間軍事会社。状況に合わせて勢力を好きに変えられるがガンダムが充てがわれる確率小。死亡率も高い。
4:民間人
主人公にありがちな巻き込まれ系。どちらの勢力に付くかはコンマ次第で、ガンダムに乗る確率はかなり高いが基本弱い。
民間人ですね。では次にどれだけ戦えるか判定しましょう。
↓1コンマ(-20補正)が戦闘力となります。
主人公、あんたやっぱ強いや…。
初っ端からフルスロットルですね。これだけ強いならNTチャレンジもやってしまいましょう。
↓1コンマが70以上でNT的な存在になります。
流石に初手NTは無理だった模様。
次はキャラを作っていくのですが、テンプレをこちらで用意しましたのでご利用ください。
↓3まで募集して、その後コンマ判定を行います。
名前:
性別:
戦闘スタイル:どんな戦い方を得意とするか。投擲とか射撃とか近接とか。
概要:どんな性格、外見をしているか。来歴は書かないでいただくとありがたいです。
出揃ったので↓1コンマで決めます。
1~3:クリス・アレッシー
4~6:カイル・カラスマ
7~9:ユイナ・サテン
0:十の位でやる。
次はMSの募集をします↓4までがガンダム、↓5から8までが量産機です。
どちらも前二つが連邦、後ろ二つが帝国製となります。
名前:
武装:
搭載システム:NT-Dやバイオセンサー的な。ガンダムのみ搭載可能。
概要:どういった特徴があるか。どこ製かは記載しないでいただくとありがたいです。
名前:マーリド
武装:頭部バルカン砲。ビームライフル。ビームサーベル。腰部レールガン。シールドミサイル。
搭載システム:サイコミュによる操縦の補助。
概要:
オールドタイプでも扱えるサイコミュ搭載機を目指して作られ、武装も比較的扱いやすい物が選ばれている。
システムを活用するには常に戦況や機体の状況などを把握する認識能力、瞬時に最適な行動をとれる判断力などが必要であり
一部のベテランやエース、ニュータイプでないと使いこなせない。
ジ・O的なガンダムにしたかった。
名前:キャバリアガンダム
武装:対艦ブラストランス、ビーム・サブマシンガン、左腕部大型シールド
背部ブースター内蔵4連装ミサイル×2
搭載システム:操縦補助AI(名称未登録)
概要:攻撃をガードしながら突撃する中~近接機。専用のブラストランスは簡単に言うとモ〇ハンのガンランス。
名前:クェル・ガード
武装:
155mmアサルトライフル
10m対弾シールド
8m対MS硬質ブレード
頭部25mm機関砲×2
搭載システム: 僚機、指令本部、衛星などとの相互リンクによる高度な位置探知システム「千里眼」を備え、脅威をたちどころに見つけ出して対処する
概要:
量産型の防衛・警備用モビルスーツ
人工密集地の都市部や重要施設で運用するためビーム兵器は基本的に装備していない(使用自体は可能)
頭部と胴体が一体化した手足の生えた装甲車ですのような姿
ガンダムと付いてないとガンダムと分からないおじさんなので>>23はエース用機体とします。
>>27も量産機なのにシステムうーんと思いましたが、これくらいなら大丈夫でしょう。うん。
せっかく来たので>>26も候補に入れますね。このレスが奇数で連邦、偶数で帝国製となります。
今までに出てきたキャラ、機体はなるべく使うつもりです。
次に艦船の募集をして、本編を書いていこうと思います。↓6まで募集で、前三つが連邦製となります。
名前:
武装:
概要:
名前: ヒエイ改級巡宙艦「チョウカイ」
武装:
単装220mmレールガン 3門(前面2、後方1)
2連装300mmビームカノン(船体左右中央に一門ずつ)
25門垂直ミサイル発射器 1基
37mmCIWS 4基(艦橋前後左右に1ずつ)
MS用リニアカタパルトならびにMS格納庫(底部)
MS 4機
概要:
連邦の旧型艦「ヒエイ級」を近代化改修した「ヒエイ改級」に属する艦艇
普通の船体の底にMS用のカタパルトと格納庫を設置して、装備も一新している
主にMS小隊3機と予備機を積んだ「ヒエイ改」二隻で構成されるパトロール艦隊を最小単位として運用されている他、過疎地では一隻のみで運用されるケースもある
これで最低限の機体とかは出揃いましたかね。
最後に、主人公が現在いる場所の名前を↓1で決めます。
アステロイドベルトの小惑星『ケレス』の都市です。
西暦2650年、宇宙にまで生活圏を広げた人類は、それぞれの指導者によって二分される。
一つは『テルマルヴェ統一連邦』。地球、月、火星、金星を統一した超大国で、生存に必須となる酸素、水を供給することによって多大な利益を生んでいた。
現在、宇宙に点在するコロニーの多くが彼らが造り出したものであり、その権力は非常に大きなものだ。
一つは『ナーザー帝国』。地球圏から遠く離れた木星、土星を基点とする国家であり、生存のために団結した国家でもある。
人類の生活と密接に関係している燃料『ヘリウム3』を産出する唯一の国家であり、技術の発展の裏には、常に彼らがいた。
だというのに、地球圏の者たちは木星圏の者たちを蔑ろにした。するしかなかった。
手の届かない場所にいる者に、救いの手を差し伸べることなど不可能だから。
そのようなことが、虐げられる者に解るはずがない。
怒りが生まれ、憎悪が渦巻き。それは叛逆の狼煙となった。
そして、西暦2715年。お互いを滅ぼす以外の意味を持たない終末戦争『ラグナロク』の戦端が開かれた。
ラグナロクの始まりは、帝国が画策した廃コロニーの火星投下作戦だった。
運が良かったのか、悪かったのか。作戦前夜にロールアウトされたMS『ガンダム』によって、その作戦は失敗する。
目には目を、歯には歯を。コロニー落としにはコロニー落としを。
報復に仕向けられた二つのコロニー。しかしそれを、帝国軍の核ミサイルが迎え撃つ。
コロニーに随伴していたガンダムに部隊を蹂躙されながらも、コロニーだけは破壊してみせた。
ガンダムを脅威と見た帝国も、同等、否、更に上を行くMSの開発に着手する。対抗心故か、その機体にも『ガンダム』と名付けられることになる。
双方のガンダムが、双方の部隊を牽制する。一方が基地を制圧すれば、もう一方が基地を奪い取る。
そんな平衡状態が10年続き、先に疲弊したのはナーザー帝国の方だった。
帝国から申し入れられた停戦協定を、連邦が突っぱねる理由は存在せず、それは結ばれる。
表面上は無傷を装っていたが、連邦もまた疲弊していたのだ。それが、まだ継戦出来るギリギリのラインで留まっていただけに過ぎない。
これ以上続けば、再興出来ないほどに双方が打撃を受けることが解っていた。だから、断れなかった。
打算的な停戦協定が結ばれたのは西暦2725年のことだった。
それから25年。A.R(アフター・ラグナ)25に、再び戦いの火の手が上がろうとしていた。
アステロイドベルトの小惑星『ケレス』。そこに、一つの中立都市がある。
名前は『ニューベルリン』。新型MSの研究が共同で進められている学術研究都市である。
そこの開発エリアで働く青年が一人。彼は、モビルワーカーを駆り岩石の除去に勤しんでいた。
「こっちは均して、これはとりあえず放置かな。先輩は…」
器用にマニピュレータ先のドリルで岩石を砕くのは、『カイル・カラスマ』が操縦するモビルワーカー。
その隣で、先輩が操縦するモビルワーカーから黒煙が上がり始めた。
「ちょ、先輩何やってんすか!?」
『エンストだチクショウ!このオンボロ旧式ポンコツマシンめ!』
苛立った様子で、コンソールを蹴る先輩。バチバチと電撃が走り、コンソールからも煙が上がった。
『あああああああああああ!!!』
(あ、ノルマ倍だわこれ)
完全に機能停止したモビルワーカーを眺めながら『ま、なんとかなるか』と呟くカイル。
彼らはまだ知らない。平和を終わらせる死神が、すぐそこに迫っていることを。
ニューベルリンに近づく二隻の軍艦。火烏級駆逐艦の『ホムラ』と『ヤタ』だ。
それぞれ二機のMSが露天係留されており、起動は済まされている。
「今回の作戦、確認しておくぞ」
隊長の言葉に、三名の部下が反応する。
「ベルリンを本部隊で襲撃し、我が軍の新型ガンダムを回収。可能であれば、連邦のガンダムも強奪する」
『隊長、ベルリンの同士に通達しているでありますか?』
「…ああ。しているとも」
バイザーで隠された隊長の顔を、部下がうかがい知ることは出来ない。
『聴け、地球の人類たちよ』
モニターの片隅に映し出される、豪奢な装飾を纏った女性。
それが言葉を紡ぎ、理不尽を伝播する。
「…作戦を開始する!手早く済ませるぞ!」
『了解!』
呼応するかの如く、四機のMSが母艦を発った。
『聴け、地球の人類たちよ』
突然始まった、ライブ中継。少なくとも、発信源は地球ではない。
「先輩、何か始まりましたよ」
「何だこれ。…別嬪さんだな」
食い入るようにモニターを注視する先輩に、やれやれと首を振るカイル。程なくして、女性の発した言葉に耳を疑うことになる。
『我ら『ナーザー帝国』は、現在より地球圏に対する攻撃を行う』
『これは、貴様らの積み重ねた暴虐に対する報復措置である。我々帝国の民は、理不尽には決して屈服しない』
『過去を清算する日が今来た。貴様らの命をもって、償いをさせよう。繰り返す!』
『我ら『ナーザー帝国』は、現在より地球圏に対する攻撃を行う』
『これは、貴様らの積み重ねた暴虐に対する報復措置である。我々帝国の民は、理不尽には決して屈服しない』
『過去を清算する日が今来た。貴様らの命をもって、償いをさせよう』
『ナーザー帝国の未来のために!狡猾な猿を全て抹殺することをここに宣言するっ!!!』
女性の力強い叫び。民衆がそれを讃え『スラヴァ・ヴィ・ナーザー!(ナーザーに栄光あれ!)』と一様に叫ぶ。
その異様な光景に、息を飲むしかなかった。
「…先輩、これって戦線布告ですよね」
「だなぁ…。急にするとはたまげた。でもここは中立都市だし安全だろ」
「ですかね?」
「もし狙われるなら事前通達があるだろHAHAHA」
先輩が笑うと同時に、空のドームにヒビが入る。
爆発音が聞こえた刹那、空が闇に染まった。
「っべぇ!」
反射的にハッチを閉めるカイル。先輩は我先にとシェルターに逃げた。
が、その先から出撃したMSに怯え、方向を変える。そこはすでに、廃墟となっているのに。
「クェルガード!?さっきの放送がマジのやつなら、襲って来たのは帝国かっ!」
操縦桿を握り、軍のシェルターに向かう。この異常事態なら、民間人も受け入れてくれるはずだ。
オートパイロットに切り替え、ノーマルスーツを着用する。宇宙空間に普段着で投げ出されては、堪ったものじゃない。
道路を駆け抜けるモビルワーカー。その上で、二機のMSが踊る。
飛び交う鋼の弾丸は、地面、天蓋を無惨に破壊していく。
また一つ、穴が空いた。空気漏れが加速し、それに気を取られた警備用MSが撃墜される。
時間は少ない。急いで避難しなければ。逸る気持ちを抑えながら、最短ルートで街を駆ける。
ゴールは目と鼻の先まで迫る。さあ、選択の時だ。
↓1コンマと↓2コンマでの判定です。
奇数:テルマルヴェ連邦の基地
偶数:ナーザー帝国の基地
01~20:量産機しかなかった。
21~99:ガンダムがあった。
カイルが入っていったのは、ナーザー帝国の基地。どういうわけか、帝国兵の死体がそこここに散乱している。
酸欠か、爆風に晒されての死亡か。専門家ではないので分からないが、外傷が見られないのでおそらく酸欠死だと思われる。
「うおぉっ!?」
MS用の格納庫が爆発する。これでは、中の機体は全て駄目になっているだろう。
「シェルターは…チッ!満員かよ!」
モニターに映されるシェルターは密閉されており、外側からはもう開けることが出来ない。
かと言って、真反対にある連邦の基地に向かう時間も無い。選択肢は一つしかなかった。
「生きてればいいが…」
かねがねから噂になっていた極秘区画に向け、モビルワーカーを走らせた。
「ビンゴ!やっぱなんとかなるもんだな」
カイルが向かった先には、搬送途中で止まっていたトレーラーが三台あった。エンジンは作動しているので、運転手が何らかの要因で絶命したようだ。
モビルワーカーを棄て、トレーラーに接近する。人の気配は無く、MSを撃墜しながら帝国の機体が近づいてきた。
「…吟味する時間は無いか。そもそも、何が入ってるか知らないしな」
あのMSに発見されたら、間違いなく狙われる。部外者が極秘区画のMS付近にいるなど、それだけで殺す理由になる。
トレーラーに刻まれている文字は三種類。それが何を示すのかは分からない。
だが、選ぶ。カイルが直感が囁いたトレーラーに向けて、走り出した。
↓3に選択したものを記入してください。
1:U
2:D
3:C
開放されているコックピットハッチから、中に乗り込む。マニュアルに目を通したが、操縦方法はモビルワーカーと変わらないようだ。
基本的に、世界で流通しているMSは共通規格(ユニバーサル・スタンダード)となっているから、当たり前のことかもしれない。
「システム起動…。武装は…うん、これなら『なんとかなる』」
未だに危機が去っていないと理解(わか)っていながらも、冷静に作業を進める。そこに、二機のMSが接近する。
『ガンダムのパイロット、聞こえるか?』
「………っ!」
ワイヤーを介しての通信。これが行われた意味を、カイルは知っている。
彼らは知らないのだ。誰がこの機体に乗っているのか。味方をも犠牲にしての攻撃を行ったため、誰が乗っているのか判断しかねるのだ。
どう、答える。民間人が乗っていると知れたら大ごとだ。かと言って、無言を貫けば敵対行為と見なされてしまう。
考えろ、考えろ、考えろ!何が最善の選択か、どうすれば生き延びられるか!
↓2に選択したものを記入してください。
1:応答する
帝国のMSについていきます。
2:無言か挑発
戦闘に移行します。
ここで敵対しても、何にもなるまい。私怨を優先して戦ったとして、助かる可能性は低い。
なら、敵意を見せることもない。先輩たちを殺めた相手に尻尾を振るのは、些か滑稽に感じるが。
「…はい。聞こえます」
『…軍の者ではないな。貴様は誰だ?』
「誰って言われても。俺は建築会社の従業員ですよ。シェルターが全部閉まってたから、モビルワーカーを棄ててこれに乗ったんです」
『軍の所有物だと解っていても、か?』
「だって死にたくないですし。あんなのに乗ってたって、投げ出されちゃおしまいでしょう」
くつくつと笑う音が聞こえる。馬鹿にしているのか、何なのか。
ともかく、警戒はしておいた方が良さそうだ。先刻の奇襲がある。何かされてもおかしくない。
↓1コンマでの判定です。
何で途中送信なった。↓1コンマでの判定です。
01~30:銃をこちらに向けてきた。
31~99:ついてくるように命令された。
『まあ、良い。貴様の処遇を考えるのは上の者だ。反抗する気がないなら、随伴しろ』
「了解です」
これで首の皮一枚繋がったかと、カイルは安堵の息を漏らす。本当になんとかなるものだな。
『さて、別働隊の方はどうなった…』
隊長と思しき人物は、別の回線を開く。別働隊とやらとお話ししているようだ。
「俺はこれからどうなるのかねぇ」
コックピットに響く独白。未来を心配してのことではなく、単純に気になっただけだ。
今まで色々な問題に直面したが『なんとかなった』。きっと、これからも。
そんなことを考えながら、コンソールに手を伸ばした。
↓1コンマ判定です。結果によって、結構変わってきます。
01~30:通信途絶。ガンダムが二機出現。
31~50:通信途絶。ガンダム一機出現。奇数でH、偶数でG。
51~70:ガンダム一機鹵獲。奇数でH、偶数でG。
71~99:二機とも鹵獲。
『隊長…一機、取り逃がしました…!』
『損害状況は?』
『デールが殺られました。ガンダムは友軍基地に向けて撤退した模様』
『…ふむ。三機回収の一機強奪か。上々だな』
『帰投するぞ。変な真似をしたら、撃ち墜とすからな』
「解ってますよ」
翡翠色のガンダムが、隊列に合流する。あの機体は、肌に合う感じがした。もし搭乗出来たなら。
そんな妄想をするが、現実はそう優しい者ではないと、すぐに直面することになる。
「が…っ……!」
「そら、もう一発!」
「ゲホ…オェ…ッ」
コックピットから出て早々に拘束され、拷問を受けるカイル。何故ここまでの想像が出来ていなかったのかと、自分を恨む。
腹を、顔を、足を。好き放題に殴打され、血が滲む。複数箇所の内出血は確実だ。
「何故殴られているか、分かるか?」
「分かるわけないでしょ…」
「『教育』だ。殺処分にせよ入隊させるにせよ、従順になってもらわねば困るのだ」
「あ…がぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
腕を捻られ、頭を踏み付けられる。意識が飛びそうになるが、薬の所為で許されない。
「上層部からの指示が届く二日後まで、楽しみにしておくことだ…なぁっ!!」
その日の記憶は、そこで途切れた。
「あー…痛い…。骨折れてないかなこれ」
独房で食事をするカイルは、服を脱いで怪我の度合いを確認する。幸いなことに、骨折はしていなかった。
(ここにいたとして…このまま殺されるか、飼い殺されるかのどちらかかね)
(抜け出すとしたら、どうするかな)
脱走するならば、武器が必要だ。衛兵から盗めたら、それで話は終わる。それが出来るかは別問題だが。
(『なんとかなる』はずだ。考えろよ、俺)
まだ、手遅れではないはずだ。まだ。
↓1コンマでの判定です。
01~20:上層部「民間人とか当てにならん。撃てラリー」
21~45:上層部「実験には使えるでしょ」
46~80:上層部「とりあえず戦えるか試してみてよ」
81~99:脱出のチャンスが
『釈放だ』と伝えられたカイルは、別の船に乗せられる。宛てがわれた部屋は、真っ白だった。
ガラスが嵌め込まれているその部屋は、ドラマや映画で見たことがある。そう、これは。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁっっっ!!!ギ…グゥゥゥゥゥゥゥァァァァァ!!!」
研究員のような人が来て、数本の注射をする。頭が割れるように痛み、記憶すらも作り変えられていく。
薬物投与から始まり、ナノマシン注入や精神操作を行われ、カイルは道具のように使われた。
なんとかなる。そう自分に言い聞かせるのも限界があり、度重なる苦痛の中で、その言葉を紡ぐことすら忘れそうになる。
それでも、必死に耐え続けた。いつか、やがていつかは、解放される日が来るはずだからと。
なんか地獄まっしぐらですね。書いておいて言うのも何ですが。
↓1コンマでの判定です。
01~20:負担に耐えられず絶命
21~80:生存したが…
81~95:生存し、人格などもちゃんと保持出来た
96~99:何故か部隊長にされる
「…基準は満たしております。彼なら、部隊に配属しても問題無いでしょう」
「ほう、やるではないか」
研究員と女性が、テスト中のカイルを眺める。無表情のカイルは黙々と、データのMSを撃墜していく。
本人は知る由も無いことだが、彼自身MSの操縦技術は卓越しており、それがさらに『処置』によってブーストされている。
今のカイルは、伝説的な活躍をした『ガンダム』に比肩しうる能力を秘めているのだ。その代償として、人格と寿命を犠牲にしたが。
「テスト終了。陛下。彼ならば、この膠着した戦況を打開しうるでしょう」
「確かに、素人の私でもその実力は窺い知れる。だが、奴は使えるのか?」
「そのための処置です。下された命令に従う従順な犬ですよ、今の彼は」
「なら、遠慮する必要もあるまい。前線に配備せよ」
「ガンダムと共に、な…」
「かしこまりました」
黄昏を制す戦いは、激化する。その中で青年はどう生き、どう戦うのか。
絶望の中で、希望を見出せ。『ベルセルク』。
機動戦士ガンダム 黄昏を越えし者
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
PHASE 01「作られし狂戦士」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
お陀仏しても好きなところから復活出来ます(5回まで)。限界になったら、ニューゲームとなります。
現時点でのステータスはこちら
カイル・カラスマ(19歳) 戦闘力(108) 寿命(???) MS(???)
質問等ありましたら23:30まで受け付けます。
人格もぶっ壊れてるならコミュニケーションもできないし、ひたすら戦うだけになるのか?
ガンダムとかMSの募集ってもう終わり?
生身での白兵戦はありますか?そちらの戦闘力は別にコンマ判定しますか?
連邦ルートの場合、大雑把にどんな感じのルートになりますか?
>>83、人格が壊れてるといっても、最低限の受け答えは出来ます。ステラみたいになってると思ってください。
>>84、MSもキャラも、これから募集を行う予定です。今回もそうする予定であります。
>>85、展開次第ではあり得ます。白兵戦の能力もその時に判定しますね。
連邦ルートだと、部隊に残るかやめるかの選択肢が出てきます。その代わり、ガンダムが充てがわれる可能性は減ります。
帝国だと判定が厳しめではありますが、それを乗り越えれば配属時にMSを自由に選べるメリット、訓練(という名のシゴキ)で能力アップが期待出来ます。
また、ベルセルクが部下に配属される可能性も高いです。
帝国が悪のグループのように見えますが、生殺与奪の権利をずっと握られているので形振り構ってられないだけなのです(やってることからは目を逸らす)。
状況が変われば、連邦も平気で下衆戦法を取ってきます。というか現時点でも使ってきます。
これからも一話ずつ進めていこうと思います。今回はキリが良いのでここまでです。
先述した通り、募集を行います。MSとキャラの募集で、ガンダムが↓4まで、量産機が↓5から8までです。
今回は前半分が帝国製、後ろ半分が連邦製となります。こちらの条件は>>20と同じ感じです。
キャラ募集は↓9から16までです。こちらは前半分が連邦、後ろ半分が帝国所属です。
こちらは来歴を記載しないでいただくとありがたいです。軍人限定とかはありません。民間人でも全然構いませんが、出てくる機会は少なくなります。
少し募集が多いですが、あまり募集自体は行わない予定なのでご了承ください。
それと、↓3までの方は連邦のトップ(男性)と帝国のトップ(女性)の名前を併記していただくと助かります。その中で気に入った名前を採用させていただきます。
名前:ミカヅチガンダム
武装:日本刀型実体剣『ムラクモ』&『ハバキリ』
腕部搭載型ビームバルカン『ハバヤ』×2
対ビームコーティングシールド
概要:甲冑を着込んだ武士のような出で立ちのガンダム。日本刀(打刀)を模した二振りの実体剣『ムラクモ』と『ハバキリ』は、優れた操作技術があればMSを一刀両断する切れ味を発揮するが、使いこなせるパイロットは限られている。また、近接戦闘に特化した機動力と武装を備えているため、遠距離からの砲撃戦には滅法弱い。
入れようと思って忘れてた次回予告。明日には投稿出来ると思います。キャラはあと一名ですね。
一度に大量に募集したのは、申し訳ございません。皆様の負担を考えておりませんでした。
ベルセルクの調整を終えたカイルに下されたのは、連邦の遊撃部隊の殲滅命令だった。
未来と心を引き換えに得た力は、ガンダムという器に注がれる。
『審天使』に導かれるままに、狂戦士は宇宙(そら)を往く。
[ピザ]リ帯を駆ける遊撃部隊を襲う、狂乱する黒鉄。
狂戦士の瞳に映るのは、戦いの光芒だけなのか。
次回、機動戦士ガンダム『黄昏を越えし者』--ベルセルクの初陣--
その出会いに、意味があれば。
「この次も、『なんとかなる』さ」
フィルターに引っかかりましたのでもう一度。
ベルセルクの調整を終えたカイルに下されたのは、連邦の遊撃部隊の殲滅命令だった。
未来と心を引き換えに得た力は、ガンダムという器に注がれる。
『審天使』に導かれるままに、狂戦士は宇宙(そら)を往く。
デブリ帯を駆ける遊撃部隊を襲う、狂乱する黒鉄。
狂戦士の瞳に映るのは、戦いの光芒だけなのか。
次回、機動戦士ガンダム『黄昏を越えし者』--ベルセルクの初陣--
その出会いに、意味があれば。
「この次も、『なんとかなる』さ」
ナーザー帝国の保有する木星コロニー『カナン』。帝国政府が管理するこのコロニーでは、多種多様な研究が進められている。
『ベルセルク』製造の効率化、高性能化は、ラグナロクが始まった35年前、更に言えばそれよりも前から変わることなく図られている。
研究内容の凄惨さなど言うに及ばず、非人道的な研究、実験が絶えず行われている。
『カイル・カラスマ』もその犠牲になった人間であり、幸か不幸か、ベルセルクの研究に利用されたため今を生きることが出来ている。
命はあれど、心と未来はない。皮肉な状況ではあるが、確かに生きている。
『被験体『F-132』、聞こえるか?』
壁も天井も、何もかもが真っ白な部屋に、無機質な声が響き渡る。部屋の主は気怠げに身体を起こし、スピーカーに視線を向ける。
『聞こえているようだな。お前に来客だ。外出の準備を済ませ、6番面会室まで移動しろ』
「…了解」
外行きの準備をし、6番面会室に向かう。その命令だけを反芻しながら、カイルは用意を終了させる。
誰が待つのか。何があるのか。そんなことは心底どうでもよく、命令に従う以外の興味は無い。
小さな手提げ鞄を片手に、カイルは指定された場所に向かった。
↓2に選択したものを記入してください。
1:マキナ・テンスェッド
2:シード・クラウド
3:シャノン・ブラックテール
4:リュウヤ・タチバナ
小ぢんまりとした面会室で、二人の人間が待機している。一人は白衣、一人は軍服に身を包んでいる。
「被験体『F-132』、カイル・カラスマ、到着しました…」
「来たか。では、手短に説明する。お前に出撃命令が下された」
「命令…」
「ああ。アステロイドベルト付近のデブリ帯『ガルシア岩礁』に向かう連邦の部隊がいると、我が軍の偵察隊が確認した」
「お前にはこれの殲滅に当たってもらう」
命令が出た。それ以外の言葉は耳に入らず、命令の内容を補足し得る部分だけを拾い集める。
「命令遂行のために『F-132』は正式に入隊することとなる。上層部の意向で、専用機の手配もされる」
「そこで、お前に選んでもらうことになった。このリストから選ぶんだ」
「了解」
アクリル板越しに渡されたリストに、カイルは目を通す。その視線は虚ろで、上下左右に忙しなく揺れている。
その様子を見て、軍服を着た『シード・クラウド』が言葉を漏らした。
「…こいつに任せて大丈夫かぁ?」
「人格は失ったとはいえ、思考能力は残っています。趣味嗜好は無いでしょうが、選ぶくらいなら出来るものですよ」
「そうじゃねぇよ」
「完成度、性能は保証しますよ。これにかかれば、連邦の猿如きはカトンボのように落とせます」
「へぇ…。まぁ、使えるならそれで良い」
「利用価値があるか否か。それ以外に興味は無いんでね」
シードはタブレッツを噛み砕き、髭を撫でながら目の前の狂戦士を見下した。
↓3に選択したものを記入してください。
1:G
2:C
3:Y
4:E
5:S
Y
候補にデザイア入れるの忘れてました。やり直した方が良いのかな…。
>>119からの返事が来ないので、このまま進めます。
カイルが選んだのはユナイダルガンダム。主兵装はビームライフルとビームサーベルで、中距離での戦闘を主軸としたガンダムだ。
肩部、脚部に設けたスラスターにより、高い機動性を持つ。これは、機動力を生かした中、近距離戦を得意とするカイルとマッチしている。
また、本機に搭載されている『あるシステム』が作動すれば、その性能は更に上昇する。
ベルセルク調整を受け、身体能力も向上したカイルと、その能力を十全に発揮させられるガンダム。
その組み合わせは正しく『鬼に金棒』だ。
「決まったならさっさと行くぞ。めんどくせぇんだよ、こっちの手続きも」
「紹介しておこう。こちらの方は、お前の監視役をしていただく『シード・クラウド』少佐だ」
「お前のためだけに来てやったんだ。感謝しろよ」
シードは煙草を取り出すが、研究員の制止を受けて渋々箱に戻す。
意識はしていなかったが、彼の制服は酷く臭う。ヘビースモーカーなのだろう。
臭う事実を認識する"だけ"で、気にも留めないカイルには関係無い話だが。
「ほれ、お前の分の煙草だ」
ポイと投げつけられる、5本ほど煙草が入った箱。葉巻などではない、至って普通の紙巻き煙草だ。
「戦闘が終わる度に一本吸え。そうすりゃ、気分が良くなるぞ」
「…それは、命令?」
「あ?…んーと、まぁ命令だな」
「…了解」
未成年に煙草を勧める暴挙をしでかしているが、それにカイルは気付かない。今はもう、自身のことにすら興味が無いから。
機動戦士ガンダム 黄昏を越えし者??
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆??
PHASE 02「ベルセルクの初陣」??
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
何故文字化けしてるし…。
機動戦士ガンダム 黄昏を越えし者
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
PHASE 02「ベルセルクの初陣」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
この世界での部隊編成は一個小隊で三機、一個中隊は四個小隊、一個大隊は四個中隊となります。
軍港に停泊している、一隻の大型艦。それは、帝国の技術の粋の集大成である。
名は『ドミニオン』。単艦で一個大隊の搭載、指揮を務めることが可能な最新鋭戦艦だ。
単独での大気圏突入・突破を可能とする設計が施されており、場合によっては艦隊旗艦を務めることもある。
この艦にカイルは配属され、連邦の部隊を撃滅する命令を果たし続けなければならない。それが、彼の生きる手段。
既に大量のMSが積載されており、その殆どが『アルバトロス』というMSが占めている。その中で一機だけ、明らかに風貌が違うMSがいた。
「あれが『ガンダム』か。やっぱ、他の機体と違うな」
「ガンダム…」
一瞬、何かの映像がフラッシュバックする。トレーラーに眠る、MSに乗り込む映像。
そんなものは記憶に無い。僅かに頭が痛み、視界が歪む。しかし、すぐにそれは治った。
『これより、本艦はカナンを出航します。作業を終了し、衝撃に備えてください』
放送を耳にしたシードは、欠伸をしながら格納庫を出る。無言のまま、カイルは後を追った。
『お前の仕事は出撃以外に無い。好きにしろ』
そのような命令を下されたが、これといってやりたいことがあるわけでもない。ベルセルク調整で人格が失われているのだから、当然のことだ。
手配された部屋に入り、ベッドに腰掛ける。万が一の保険にと、同居人はいない。
「………」
鞄のマニュアルを取り出し、目を通す。数分で思考が鈍り、手が止まった。
コンピュータを使い、ニュースでも見ようと操作を始める。興味を惹かれず、すぐにベッドに戻った。
「………」
命令を果たすべく、カイルはベッドに腰掛けたまま動きを止めた。
"好きにする"のが命令ならば、"何もしない"。そうするだけで、命令は果たせる。
微動だにしないまま、無常に時間だけが過ぎていった。
↓2に選択したものを記入してください。
1:マグナ・ドウミョウジ
2:ナザロフ
3:リオ・カンナギ
4:デルタ・エルフィン
ドミニオンが出航する一時間前に火星を出立した遊撃艦隊の旗艦『ビッグホエール』。そのシャワールームにて。
ただ一人、シャワーを浴びる人物がいた。
「………」
名前は『リオ・カンナギ』。テルマルヴェ統一連邦の大尉であり、ガンダムのパイロット。その表情は、怒りに染まっていた。
赦せない。奇襲から始まった、突然の宣戦布告が。これで、どれだけの犠牲が出たと思っている。
赦せない。仲間すらも躊躇なく犠牲にする、帝国の兵士たちが。国を想い戦う者を、嘲笑うかの如きその仕打ちが。
首から下げられたペンダントを握り締め、胸へと寄せる。年相応の胸が形を変え、腕を包んだ。
「赦せるものか…。私の父を、卑劣な行為で奪った者を…!」
その瞳は、憎悪に染まり、燃えていた。復讐の火を、胸に抱いていた。
負の連鎖は止まらない。これからも、ずっと。
「…足止めには成功したが、戦力の漸減には失敗か」
ガルシア岩礁を防衛する部隊からの報告に、シードは煙草の消費を加速させる。灰皿には、20本以上の吸い殻がある。
ガルシア岩礁は、帝国の保有する物資補給拠点。補給線を絶たれるのは、戦意にも影響を及ぼしてかねない。
報告と現在の航行速度を照らし合わせ、試算する。やはり、鉢合わせは避けられそうにない。
「…カナ研の奴らが傑作と言ったんだ。余程良い出来をしてるんだろうが」
「本当に使えんのか?あんなボーッとしてる野郎が」
咥えていた煙草を灰皿に押し付け、新しい煙草に火を付ける。
また買い溜めしないとな。そう独り言ちるシードだった。
ガルシア岩礁に接近し、連邦の部隊を捉えたドミニオン。遊撃艦隊の編成はビッグホエール一隻とヒエイ改級二隻。
「ガルシア岩礁の部隊より入電!ミノフスキー粒子の散布を完了し、後退したとのことです!」
「よし」
ベルセルクを運用するにあたって、必要な手配がある。それは、戦闘宙域から友軍を撤退させることだ。
基本的に、ベルセルクは動くものや指定された施設を問答無用で攻撃する。傑作がそうするかは分からないが、そうする前提で動いても良いはずだ。
「カタパルトスタンバイ。ガンダム、出撃行けます」
「分かった。おいカイル」
『………』
モニターに映る狂戦士は、無表情で待機している。これから単独で敵の大部隊に突っ込むというのに、随分と余裕があるものだ。
「お前の仕事は、敵MSを堕とすことだ。それは分かるな」
『はい』
「だが、ガンダムを喪うのは困るもんでな。交戦可能時間は10分としておく」
「専用のアラート音が鳴ったら帰投しろ」
『了解』
狂戦士は頷き、操縦桿を握る。シードが頷くと、オペレーターが作業に入った。
「進路クリアー。ガンダム、発進してください」
『発進します』
感情の無い声を上げ、ガンダムは出撃した。
既に出撃していた連邦のMSは、小隊毎に固まって航行している。その大将機であるガンダムは、デブリを避けながら前進する。
「拠点を棄てた…?いや、このパターンは…」
この挙動は、前に報告があった戦闘と似ている。部隊が撤退し、単騎でMSが特攻してきたという報告と。
「ミノフスキー粒子が散布されている…。くっ、回線が繋がらない…!」
大急ぎでワイヤーを飛ばし、情報を伝達する。まさか、態と見え見えの機雷を敷設していたのは。
『MS接近!この信号は…ガンダムですっ!』
「やはりか…!全機、陣形を組め!突出したら堕とされるぞ!!!」
「援護射撃をしながら後退!敵は一機だ!冷静に対処しろっ!!!」
囮になるべく、ガンダムが突撃する。ガンダムの相手を務められるのは、ガンダムだけだ。
ビームバルカンで牽制しつつ、距離を詰める。接近すれば、有利になるのはこちらだ。
だが、敵のガンダムは接近しない。付かず離れずの距離を維持したまま、正確無比な射撃を繰り返す。
気が緩めば、強烈な一撃を貰ってしまう。防御に意識を向けたその瞬間。
「しまっ…!?」
『わああああっっっっ!!?!』
ガンダムの紫刃が、友軍機の胸を貫いていた。
「一、二、三…32機か」
観測データに目を通し、敵の総数を確認する。隊長機であるガンダムさえ警戒すれば、どうとでもなる。
「来た」
隊列を無視して、猛烈な速度で接近するガンダム。牽制射撃を回避しながら、デブリを巧みに使い翻弄する。
少しでも動きが止まれば射撃、反撃してきたら応戦しつつ後退。これを繰り返し、思考を鈍らせる。
「………!殺せる…!!!」
ビームライフルの銃口を向けられ、防御に転じたガンダム。その隙を、ベルセルクは見逃さない。
全てのスラスターをフル稼働し、背後を固めるMS部隊に接近する。迎撃に差し向けられた紫と黄の弾丸を、悉く躱し。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっっっ!!!!!」
動きが鈍い一機に狙いを定め、ビームサーベルを突き出した。
連邦のMSを一機墜としたユナイダルは、バルカンを乱射しながら距離を取る。
それを猛追するミカヅチだが、射撃に阻まれ近づけない。援護射撃も、その悉くが宇宙に消える。
「ぜあああああぁぁぁぁぁっ!!」
動きを止めたユナイダルに、ムラクモを抜いて斬り掛かるミカヅチ。だが、それは誘いの一手。殺すために取った、無慈悲な手段。
「オラァァッ!!!!」
「な……っ!?」
シールドで一太刀を往なしたユナイダルは、右手のライフルを手放し、サーベルを抜く。
「ぐぅぅっ……」
蹴りで対応するミカヅチだが、左のマニピュレータでメインカメラを掴み、デブリにぶつける。
『隊長っ!』
「来るなぁぁっ………ぁぁ…………っ……!」
救援に向かった四機のガーマ。それを穿つ、四つの光。ユナイダルの右手に握られたライフルから放たれたものだった。
「お前も墜ちろォォ!!!」
高速で持ち替えたサーベルの刺突。それを、ミカヅチはもう一本の刀で対抗しようする。
↓1コンマでの判定です。
01~10:カウンターで大破
11~30:防御される
31~65:救援に駆けつけたガーマを更に撃破
66~99:謎の感応発生
「死ねるかぁぁぁぁっっ!!!」
ビームサーベルにハバキリをかち当て、鍔迫り合いに持ち込む。そのまま、激しい斬り合いが始まった。
何合目かの斬り結びで、両機の近接武器が鍔迫り合いになる。押すも引くも出来ない状態のまま、ユナイダルがスラスターを吹かし、もう一度デブリにミカヅチごと体当たりする。
「あぅぅ…っ!!」
「が……っ!」
激しい振動で双方のコックピットが揺れる。エアバッグが起動し、身体を優しく包み込む。
その衝撃と同時に、光が二人の視界を奪った。
(あれ…?戦闘は…?)
光が収まり、目を開けるようになる。開かれた眼に映るのは、何も無い空間。
(戦闘に、戻らなきゃ)
手探りで進むカイルだが、どこに向かっても何も触れることはない。だが、少し時間が経過してから、声が聞こえ始めた。
「~~~!」
「え…?」
「きさ…ぜ………って…る!?」
飛び飛びでしか聞こえない言葉。しかし、それは少しずつ鮮明に聞こえてくる。
「貴様は何故戦っている!?」
「何故…?」
漸く理解出来た言葉に、カイルは首を傾げる。何故と言われても、解らない。『生きるため』以外の理由は無い。
「ふざけるなっ!そのような仕打ちを受けてまで、尽くす理由はあるのか!!?貴様の友人を、全てを奪った奴らのために戦って…貴様はそれで満足か!???!!!」
「…そんなこと解らない。俺は命令に従うだけだ」
カイルの返答に返事をするように、黒の中に白が生まれる。それは大きくなって、粘土細工のように形を変え、人となった。
カイルの目の前に生まれたのは、女性だった。自分と同い年くらいの凛々しい女性。
同時に流れ込む、知らない映像。断片的に流れてきては、泡沫のように消えていく。
中継映像が流れる。街が破壊される映像が流れる。視界が滲む映像が流れる。入隊式の映像が流れる。
そして、ガンダムと戦う映像が流れる。
「…あんたは」
そこで、理解した。目の前の女性は、殺し合っている相手だ。
「………」
女性は目尻を赤くし、カイルを睨む。怒り、悲しみ。様々な感情がごちゃ混ぜになった、複雑な表情。
「貴様は…戦うべきではないだろう……!」
力無き拳が、カイルの左胸を打つ。少しだけ仰け反り、視線が動いた。
邪魔な手を払い除けようと、手を動かす。女性の手に触れた瞬間に、自身の左手が消えた。
「…時間、か。最後に訊かせてほしい。貴様の名前を」
「被検体『F-132』」
「本当の名だっ!」
「…『カイル・カラスマ』」
「そうか…。私は『リオ・カンナギ』だ」
いつしか足も消え、胴体より上を残すのみとなった。それでも、女性は話を続ける。
「敵同士である以上、手抜きはしない。だが…」
もう、貴様と戦うのは御免だ。最後にそう言ったリオは、悲しげに笑っていた。
「っ……!」
視界が戻り、コックピットが映る。反射的に距離を取ったが、それは相手も同じだった。
『…撤退だ。奴がいては、拠点の制圧は出来ない』
『…了解…』
デブリを破壊し、ミカヅチガンダムは友軍機の元に戻る。そしてそのまま、撤退していった。
「追わなきゃ…。命令は、殲滅だから…」
追討しようと操縦桿を握る手に力を込めるが、動かない。やるべきことは理解しているのに、身体が拒んでいる。
無理矢理身体を動かし、スラスターを吹かせようとしたところで、ドミニオンからの連絡が入った。
『撤退した以上、追撃は不可能だ。散布していたミノフスキー粒子も効果を失った。戻ってこい』
「了解…」
先程とは打って変わり、スムーズに動く身体。疑問に思いながらも、ガンダムを着艦させる。
「リオ・カンナギ…」
そしてヘルメットを脱ぎ、知らないはずの女性の名前を反芻していた。
初陣で得た戦果は、傑作と讃えられるほどではなかった。
しかし、その戦闘で狂戦士は『何か』を得た。
戦果、名声よりも遥かに価値のある何かを。
拠点攻略のために集う帝国軍と、それを迎え撃たんと集う連邦軍。
僅かにある興味を掻き立てるのは、一体何か。
次回、機動戦士ガンダム『黄昏を越えし者』--レゾナンス--
羽化する力は、何を齎す。
「裸を見られたのは、父以来だな…」
今回はここまでです。
あまり募集は行わないって言ったのに、すぐに必要になってしまった。
帝国軍のベルセルク4名と、帝国、連邦のMAを二機ずつ募集です。
今回のオマケは今年は申年です。Q&Aは次回更新まで。
キャバリアガンダム《CAVALIER GUNDAM》
パイロット:カイル・カラスマ
コスト:2000
耐久力:600
変形:×
換装:×
射撃
メイン射撃:ビーム・サブマシンガン
射撃CS:対艦ブラストランス【ブラストモード】 射撃ガード付き3連射突進 Pセルフの前サブの廉価版
格闘CS:クェル・ガード呼出 二機呼び出し、一機はアサルトライフル連射、もう一機が誘導そこそこ強判定の突撃
サブ射撃:対艦ブラストランス【ブラストモード】 Nで超発生狙撃、レバー入れで発生は遅いが射撃ガード付き狙撃
どちらも弾速はダインスレイヴより少し遅く、銃口補正も弱い 誘導も皆無で鈍足効果無し 2発20秒リロ
特殊射撃:背部ブースター内蔵4連装ミサイル 強誘導低弾速のミサイルを8発山なりに発射
格闘
通常格闘:袈裟斬り→横薙ぎ→突き→叩き落とし
前格闘:シールドバッシュ→対艦ブラストランス投擲→対艦ブラストランス接射 誘導中に射撃ガード有り
横格闘:斬り上げ→突き上げ→突進突き→引き抜き→蹴り飛ばし 時間が長いが高火力
後格闘:カウンター 盾を構え(射撃を受けるとガード移行)、成立するとフルスイングで強制ダウン
BD格闘:突き→斬り抜け→斬り抜け→斬り上げ→踵落とし 斬り抜けは覚醒エクシアのN格レベル
特殊格闘:対艦ブラストランス【ランスモード】&左腕部大型シールド 騎士ガンの前特射だが性能はかなり控えめ モンテーロくらい
バーストアタック:騎士の槍舞
袈裟斬り→蹴り→突き×4→対艦ブラストランス【ブラストモード】×2→突き抜け 4発目の突きで長時間スタンするため、バリアがあっても最終段まで入る
乙
名前 フレディ・オガワ
性別 男性
戦闘スタイル 中~近距離での射撃
概要
かつて戦傷を負い、復帰するために自ら志願してベルセルクとなった正規兵
別アプローチで研究された『ベルセルク』
定期的に精神調整薬『B-ハジェートキシン』の投薬と医療ポッドによる調整が必要な代わりに、
元の人格や記憶と感情を維持して大幅に能力が向上している
戦闘では一定距離を維持しての射撃戦を得意とし、特に多対多の戦いにおいて活躍する
尚、『B-ハジェートキシン』は劇薬であり、使用者の寿命を著しく削ることになるため、彼の残り時間はそう長くはない
name:フレイヤ・ノルン
武装:ビームスパイクビット「スクルド」×6
オールレンジビット「ウルズ」×8
ディフェンスビット「ヴェルサンディ」×6
腕部ビームガン(ビームサーベル)×2
システム:サイコミュコントロールシステム
パイロットの脳波を使って姿勢制御の補助を行う。適正が低いと運が良くても廃人状態になる
概要:帝国軍製でベルセルク用のサイコミュMS。
サイコミュ武装自体が大きな発展をとげておらずどのような遠隔操作武器が1番戦果をあげやすいかのテストも兼ねて様々な目的のビットを儲けている。
「スクルド」はビーム刃を展開して敵機に突撃する武器、イメージはアルケーのファング
「ウルズ」はビーム砲を上下に2門儲けている、イメージは天帝や伝説の板ドラグーン
「ヴェルサンディ」は自機の周辺にしか展開出来ず短時間だがビーム壁を1面3基使って展開する。
機体名:メビューム・ゼーレ
武装:20mm機関砲×4
ビームキャノン×2
ミサイル発射口×2
遠隔操作式自立ポッド型ビーム砲×4
システム:インコム
概要:連邦軍の宙域戦闘用MA。全長は8mほど。
MSの本格的な発展前に使用されていたMAを現代改修し新規の武装を追加した
遠隔操作式自立ポッド型ビーム砲はサイコミュの適正が低くても使用出来るようにリレー式のインコムとなっている
C.E.のMAの扱いでも問題ないなら
待ってます。
お忙しい中すいません質問です
特定の機体とパイロットを連続で投下は一度のみなら可能でしょうか?
>>177、その場合は一つのレスにまとめてください。
ドミニオン内に設けられた喫煙室。その中で、未成年者が煙草を吸っていた。
「………」
命令に従い、煙草を吸う。煙たいだけで、何も気分は変わらない。そういう調整をされているのだから、当たり前だ。
「…リオ・カンナギ…」
朧げに残る女性の顔を思い出しながら、女性の名を呟く。出会ったことは無いのに、何故か名前を知っている。
あの感覚は、あの光景は夢だったのか。まやかしだったのか。判断する材料は無い。
だが、頭の片隅に引っかかる。命令には無いものなのに、意識に刻まれている。
「…あの女は、誰?」
いくら考えても、答えは出なかった。
「あのガンダムのパイロット、状況判断が早かったな…」
戦闘データを確認しながら、シードはそう吐き捨てる。
予想よりも与えられたダメージが小さいことが、苛立ちになっていた。
数的優位に立っていたのは連邦側だ。数で押せば墜とせた可能性もあった。
だというのに、撤退を選んだ。冷静に戦力差を分析し、安牌を取ったのだ。
「奴の判断も大したものだ…。…が、それよりも…」
あの大軍相手に、無傷で5機を撃墜したカイル。ガンダムに乗っているにしても、普通ではない。
連邦側もガンダムを出撃させていたのだから尚更だ。あのガンダムを抑えながら、遊撃部隊のMSを容易く墜としてみせた。
「傑作…ねぇ。確かに、カナ研の奴らが言うだけはある」
あのレベルのベルセルクが量産されれば、連邦にも。
くつくつと笑うシードは、煙草に火を点けた。
負けた。完膚無きまでに、叩き潰された。同じガンダムに乗っていたというのに。友軍機もいたというのに。
「…カイル・カラスマ…」
父、自分と同じく、帝国に全てを歪められた青年。心も身体も壊され、戦う以外に道は無いパイロット。
呆然としていながら、鬼神のように戦う、歪な男だった。それでいて、異常なまでに冷静に、こちらの攻撃に対処していた。
「………」
何故、攻撃を止めた。実力に差があったことは明白だ。あのまま押し切れば良かっただろうに。
「…何故、私を殺さなかった…」
撤退の判断をしたのは自分だが、その前に墜とすことは出来たはずだ。
何故、あの時ガンダムは距離を取った。こちらのメインカメラは破損していた。撃墜する絶好の機会だったのに。
「…私は戦えるのか?次、あの男と。カラスマと戦場で出会った時に…」
困惑に揺れる感情は、ふらりふらりと揺れ動く。
A.R25.9/6。ドミニオンは針路を変更し、ニューベルリン跡地に急行していた。
「ええ…。承知しました、陛下。必ずや、勝利を収めてみせましょう」
モニターに敬礼をし、程なくして項垂れる。取り繕うのも大変なのだ。
「はぁ…まだ若いのに素晴らしい威圧感なこって」
ナーザー帝国の現国王『マリア・コルテス』。齢23にして、絶大な支持を受ける女王。
軍部の提示する大規模作戦を承認する、最高責任者も兼任しており、カナン研究所のベルセルク研究を推し進めたのも彼女だ。
今回承認、実行される作戦は移動要塞『サーラメーヤ』の制圧。地球圏侵攻に向けて、本格的に行動を起こすようだ。
今回の作戦では、ベルセルクを三名動員するらしい。一人はカイルとして、残りの二人は新規調整を済ませた者だろう。
艦隊旗艦を務めるのは、ドミニオン。それに伴い、シード・クラウドは臨時的に大佐に昇級する。
帝国の未来を左右する、重大な作戦。何としても成功させねばならない。
空き箱を握り潰し、シードはベッドに倒れ伏した。
機動戦士ガンダム 黄昏を越えし者
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
PHASE 03「レゾナンス」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
二票先取の多数決です。二人決定するまで続きます。
1:カノン・ホワイトダスト
2:ジャンニ・カルリ
3:セラ
4:フレディ・オガワ
ニューベルリン跡地にて、友軍艦隊と合流する。内訳は火烏級6隻とサンディエゴ級4隻。
MSは88機と、サーラメーヤ攻略には少々心許ないが、宙域全体の軍事力を鑑みると、仕方のない部分もある。
一隻のサンディエゴ級から発進した二隻のシャトルを迎え入れると同時に、アルバトロスを二機発進させる。MSを搬入するための処置だ。
「『ジャンニ・カルリ』少尉、ただいま着任しました!」
「『フレディ・オガワ』大尉、本作戦遂行のため、ドミニオンに編入されることとなりました」
シャトルから出て敬礼をする二人の男性。どちらも新型ベルセルクである。
ジャンニ・カルリは被験体『F-237』。フレディ・オガワは被験体『β-102』。
アルファベット、ギリシャ文字は実施されている研究に応じて割り当てられ、3桁目はロット数、残りの二桁がロット内の番号を示す。
この場合は、ジャンニはF研究の2番ロットに含まれる37人目の被験体であること、フレディはβ研究の1番ロットに含まれる2人目の被験体であることを示している。
搬入されているMSは、コードEとコードDが割り当てられているガンダム。二機も追加で編入することから、本作戦がどれだけ重視されているかが伺える。
「お前らはあれよりマトモみたいだな」
「マトモじゃないですよぉ。こう見えて脳味噌弄られてますし」
「マトモなベルセルクはいませんよ」
「普通に会話出来てる時点でマトモな方だろ」
シードの指摘に、二人は笑った。
研究所から受け取ったトレーニングプログラムを施行し、自室に戻るカイル。その前を、作業員が通った。
大型の医療ポッドを担いでおり、それは隣の部屋へと搬入された。
そういえば、次の作戦に合わせてベルセルクを二人動員すると言っていた記憶がある。それに必要な備品なのだろう。
カイルは傑作と評されるだけあって、定期的な調整を必要としない。その上、命令には従順で、稼働テストでは同士討ちもしなかった。
サイコミュ適性だけは時間の都合で行われなかったが、身体データを見る限りでは適性がある可能性が存在すると結論付けられている。
「今日のプログラムはもう無い。どうするべきか」
平時は自由行動が許されているが、命令が無い以上自律行動は不可能に近い。
スリープ状態直前の脳で、行動を模索する。
↓2に行動を記入してください。
格納庫に入ったカイルは、自身のガンダムに近付く。その両隣にも、ガンダムが積み込まれていた。
片方は鳥を思わせる形状の背部スラスターを装備しており、ビーム発生器が両手首に取り付けられている。
踵にも小型の実体刃が取り付けられており、アンテナの後ろから僅かに顔を覗かせるスコープが特徴的だ。
この機体の名前は『イーグルガンダム』。狙撃能力と機動力の両立を目指し、設計されたガンダムだ。
この機体はジャンニ・カルリ少尉にデータ収集用に配備されたもので、新造されるガンダムやMAに利用されるそうだ。
もう片方はシンプルなトリコロールカラーのガンダムで、ビームライフル等の射撃兵装を多数搭載している。
名前は『ガンダムデザイア』。状況に応じて自由に装備を変更出来る汎用性が売りの機体だ。
どちらもガンダムである以上、その性能は最たるもの。戦場で活躍してくれるだろう。
用を終えたカイルは、無表情のまま自室に戻った。
「カイルさん!こんにちは~!」
「………」
「ちょっ、無視は酷いですよぉ!!」
ヘラヘラとした表情で付き纏うジャンニ。苛立ちを覚えることもなく、カイルは淡々とそれを回避する。
「これから、テスト」
「サイコミュのやつでしょ?俺は適性無かったんですよねー」
投げ渡されたコーヒーを受け取り、無言で飲み干す。苦味があるが、所詮は水分だ。何も思うことは無い。
「カイルさん、きっと凄い数値を叩き出すんだろうなぁ」
「…俺は命令に従うだけだ」
それ以外に、気を向ける必要はない。胸中でそう吐露したカイルは、壁を蹴ってテストルームに向かった。
↓1でコンマ判定を行います。ベルセルク補正(+30)とNTレベル補正(+10)です。
なんじゃこりゃ。サイコミュ適性がとんでもないことになりましたね。
無数の電極を頭に取り付け、VRゴーグルを装着する。目の前に広がるのは、広大な宇宙空間。
『これよりサイコミュ適性検査を始めます。頭部に装着した電極が、感応波を検知します』
『検知された感応波に合わせビットが行動するので、宙域に浮遊しているデブリを全て撃墜してください』
『また、不定期に出現した連邦のモビルスーツが迎撃を行います。そちらも撃墜するように』
「了解」
操作するのは四基のビットだが、バーチャルでも負荷は実物と変わらないらしい。そんなこと、カイルには関係ないが。
「命令を遂行する。それ以外に意味は無い」
今回もそうだ。命令に従い、対象を撃滅する。
ただ、それだけだ。
「…この感応波は…!?この数値はっ!?」
「不味い!検査を中止するんだ!」
計測された感応波に研究員は大騒ぎ。今出ている数値は、異常だった。
異常などという単純な言葉で言い表すことが出来ないほど、常軌を逸していた。
仮想空間では、ビットたちが目まぐるしく動いている。意思を持った生き物のように、ターゲットを囲み、墜としていた。
二基のビットが一列に並び、後ろのビットが砲撃する瞬間に、前のビットが上に飛び上がる。
そして、回避先を"視て"撃ち抜いた。未来を見ているかのように、寸分違わない正確無比な射撃が繰り返される。
「わぁぁぁぁ!!?!!」
「機械が壊れました!!!」
カイルから送り込まれる感応波に耐え切れず、計測機器が全壊した。
また、この感覚だ。あのガンダムと殺し合った時と同じものだ。
何も見えず、聞こえない。虚無だけに満ちた世界。手を伸ばしても、何も触れることはない。
「テストはどうなった?」
前と同じように、直前まで行っていたことに気を向ける。すると、何もない空間に色が付き始めた。
前いた空間は、白い宇宙と形容するべきものだった。が、今回いる空間は。世界は違う。
前から後ろへ。後ろから前へ。左から右へ。右から左へ。虹があらゆる方向へと駆け巡っている空間だった。
「ここは…前とは違う?」
「ぶべっ」
前回とは全く違う光景に、カイルは頭を悩ませる。
そして、頭を何者かに叩かれた。
「誰…って…」
「よっ」
「…先輩?何してんすか」
そこにいたのは、忘れもしない。するわけがない。建設会社に勤めていた時に世話になっていた先輩だ。
「…あれ、俺、何言ってるんだ…?」
忘れもしない。そんなわけがない。俺は、ナーザー帝国のベルセルク。それ以外の過去などない。はずなのに。
「お前なんでこっち来てんの。まだ生きてんだろーが!」
「先輩、生きてるって、何、ですか」
言葉が上手く紡げない。視界が滲んで、顔が見えない。声は、何度も聞いたものなのに。どうして俺は、忘れていたのだろう。
どうして、俺は涙を流しているのだろう。
「それを話すには、俺の知能不足でな。まぁとりあえず、さっさと帰りな」
「ほら、別嬪さんが待ってるぞ」
「………っ!リオ・カンナギ…!?」
いるはずのない人が、遠くにいた。虹の彼方、光の中で、彼女はもがいていた。
「…んだよ。知り合いとか羨ましいじゃねぇか」
「じゃねえ!さっさと帰らないと、お前もこっちに来ちゃうんだよ!行ってこいやオラァァァ!!!」
「先輩!先輩ィッ!!!?!」
強引に投げ飛ばされ、カイルは光の元に飛んでいく。流星のように飛び、消えた。
「…じゃあな。カイル」
背を向け、男性は光と消えた。
↓1コンマで判定します。51以上で成功です。
「…テスト中止?」
「覚えてないんですかぁ!?カイルさんが検査したら、機械が全部ぶっ壊れたんですよ!」
目が醒めると、目の前に広がっていたのは医務室の天井だった。椅子に座っているジャンニは、ケーキをつまんでいる。
「傑作と言われるだけはあるな。俺も、大した結果は出せなかった」
「ああ、俺は『フレディ・オガワ』大尉だ。あんたより階級は上だから、気をつけろよ」
「…『カイル・カラスマ』少尉です」
ベッド上で敬礼するカイル。ほぼ同時にアラーム音が鳴り、フレディは立ち上がった。
「…失礼する」
そして、錠剤を飲みながら部屋を出て行った。
『まもなく作戦宙域に侵入します。各パイロットはモビルスーツに搭乗し、待機してください』
オペレーターのアナウンスを受け、カイルはガンダムに乗り込む。気のせいか、思考がクリアになっているような気がした。
『カイル。今回の命令は、本隊前進のための露払いだ。可能なら、要塞のメガ粒子砲も潰せ』
「了解」
命令を受諾し、ガンダムの起動を急ぐ。モニターに浮かぶ文字列が、スムーズに頭の中に入る。
(へぇ。ユナイダルガンダムっていうのか)
「誰?」
「………?」
『ベルセルク1、どうしました?』
「…いえ、何でもありません」
声が聞こえ、ふと後ろを振り返る。もちろん、誰かがいるわけではない。一人乗りなので当たり前といえばそれまでだが。
『作戦宙域に侵入。モビルスーツ、発進スタンバイ』
「ベルセルク1、出撃準備良し」
『ベルセルク2、発進行けまーす!』
『ベルセルク3、出撃準備完了』
『ガンダム発進。続けて、アルバトロス隊はカタパルトに移動してください』
「ガンダム、行きます」
カイルにとって二度目の出撃。ジャンニとフレディにとって、初めての出撃。三人のベルセルクが、母艦を発った。
↓2に選択したものを記入してください。
1:マグナ・ドウミョウジ
2:ナザロフ
3:デルタ・エルフィン
サーラメーヤの工廠にて、一機のMSがロールアウトされる。NT専用の試作機であり、ランドセルから伸びたサブアームが特徴的な機体だ。
「ククク….クハハハハハ………!!」
ヘルメットとパイロットスーツに身を包む男性が、コックピットに乗り込む。バイザー越しに見える顔は、目、鼻、口、耳を除いて包帯で包まれている。
ああ、愉しみだ。遂に、血湧き肉躍る戦争の時間がやって来た。ノコノコと、木星の"ヒトモドキ"が出てきてくれた。
この時をどれほど待ち望んでいたと思っている。何のために、つまらない訓練をしてきたと思っている。
「実に35年振りの実戦…興が乗るのも無理は無い…!」
《システム起動。権限を『ナザロフ』大佐に譲渡します》
機械音声が響き、システムが全て立ち上がる。コンソールを操作し、ケーブルを切り離す。
「ナザロフ、ルドラ。発進する!!!」
狂気が、戦場へと放たれた。
遂に始まった『サーラメーヤ攻略戦』。
帝国の軍を迎え撃つは、無数のMA、一機のガンダム、そしてニュータイプ。
光の奔流は全てを融かし、戦局を我が物にせんと暴れ狂う。
戦場を駆ける傑作の狂戦士は二刀を携えた戦士と合間見え、狂気と相対する。
次回、機動戦士ガンダム『黄昏を越えし者』--交わる光、融ける命--
二つの意志が、未来を拓く。
「俺の出番これだけ!?もっと出番とついでに名前もくれよぉぉぉ!!!」
本日はここまでです。
普通にキャラとかMSの設定ストックが足りねぇ…。というわけで募集です。すみません。
連邦、帝国共にキャラと機体とかを募集します。どれも6個くらいずつ欲しいです。
機体はMSとMA合わせてです。ご協力お願いします…。
人はパイロットのみ?
艦長とか将軍を出しても良い?
>>229、人間なら何でも大丈夫です。
名前:ハロルド・ホワイトダスト
性別:22
戦闘スタイル:非戦闘員
概要:若くして帝国の研究部門のトップに立つ女性。専門は『人体工学』と『MS工学』。現在はベルセルクの先を行く存在を作ることを計画している。
銀髪碧眼、ロングヘアの美女。しかしホルマリン漬けに陶酔し、人体解剖に狂喜乱舞する狂人。研究のためには肉親すら迷わずモルモットにするし、必要なら自分が被験体になることすら厭わない。
口癖は「興奮するわ」。
ミスったので再投稿
名前:ハロルド・ホワイトダスト
性別:女
戦闘スタイル:非戦闘員
概要:若くして帝国の研究部門のトップに立つ女性。年齢は22歳。専門は『人体工学』と『MS工学』。現在はベルセルクの先を行く存在を作ることを計画している。
銀髪碧眼、ロングヘアの美女。しかしホルマリン漬けに陶酔し、人体解剖に狂喜乱舞する狂人。研究のためには肉親すら迷わずモルモットにするし、必要なら自分が被験体になることすら厭わない。
口癖は「興奮するわ」。
名前:スサノオガンダム?
武装:14mm2連装近接防御機関砲×2(頭部両脇に2門装備)?
日本刀型高周波振動剣『クサナギノツルギ』(高周波を流すことでさらに切れ味を増した日本刀型実体剣。また、鞘の部分にはある仕掛けがある)
脚部ビームブレイド『イクタチ』×2(爪先から膝まで展開するビームブレイド。隠者のアレと同じ)
ビームキャリーシールド『イクユミヤ』(ビームシールド発生器・ビームブーメラン・ワイヤーアンカーを内蔵した複合防盾兵装。ビームブーメランはシールドの先端に取り付けられているため、大型ビームサーベルとしても運用可能。隠者のアレと同じ)
概要:ミカヅチのフレームを元に設計・開発された連邦の次世代ガンダムシリーズ『三貴子』の内の一体で、三体の中ではミカヅチの設計や思想を最も色濃く受け継いだ機体である。
その性能を一言で表すなら、『近接戦の鬼』。本体の機動性も去ることながら、近接戦向けの兵装がこれでもかと詰め込まれている。
また、『クサナギノツルギ』を収めている鞘の部分にはトリガーが搭載されており、トリガーを引くと鞘の内部で火薬の爆発による加速が発生し、刀を高速で射出する。これを利用することで回避不能の居合斬りを放つことができるが、一度使うと相手が間合いに入らなくなるため、あくまで奥の手として使用することが推奨される。
見た目は隠者+レッドフレーム÷2みたいなイメージ。
名前: ユナイダルストームガンダム
武装:
対空自動バルカン砲塔システム×2
高周波実体剣『カリギュラ』×2
高エネルギービームライフル『ロムルス』
ビームピストル『ネロ』×2
ストームパック
L対ビームシールド
Lビームサーベル×2
L対装甲ソードビッド×6
Lビームライフルビッド×6
足部ハンターエッジ
搭載システム:OVEREDシステム
ゲイルガンダムの『オーバーブーストシステム』に、ユナイダルガンダムの『ALESSシステム』を掛け合わせた物。
機体の出力・反応速度が飛躍的に上昇する他、操縦者の感応波に働きかけより効率的なサイコミュ操作を実現、『未来予知』すら可能にする。
このシステムには操縦者の高いサイコミュ適性が要求され、通常の人間・ベルセルクでは脳の負荷に耐えきれず廃人となる。
概要:帝国製MS。
ユナイダルガンダムの戦闘データと鹵獲したゲイルガンダムのデータを掛け合わせてできた機体。
新兵装『ストームパック(ゲイルストライクのシールドストライカーをイメージ)』を採用し、サイコミュ兵器を増設。エネルギーをサイコミュ兵器に回すため、メイン兵装は実体剣となっている。
これにより機動力が向上した他、『ライフルビッドで牽制し近接戦』『ソードビッドで牽制して距離を取り射撃戦』と自在に距離を変更し敵を翻弄する事が可能になる。
無論脳への負荷は計り知れない為、当初は複座式が計画されていたが、『尋常ではないサイコミュ適性を持った存在』の存在が明らかになった為、単座式となっている。
機体のパーソナルカラーは『クリムゾンレッド』、これはあえて目立つ色にする事で心理的な威圧効果を狙っているため。
アトラ・ハートル
♀
戦闘スタイル:オペレーター
概要:「ドミニオン」に配属されてる士官学校を卒業して間もない新人オペレーター。成績自体は優秀。
物事を楽観視するきらいがあり面倒事を嫌がる。恋愛も自分の身の回りを色々やってくれる男性を求めるなど少々いい加減
ベルセルクに関しては「訳アリ人間を軍が拾って作っている」と思い込んでおりカイルもそうだと思っている
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