西住みほ「スパロボ道、始めます!」 (44)

『スパロボ道、それは……』

『もう500年以上も前に、地球を滅亡の危機から何度も救ってきた、数々のスーパーロボット達』

『その功績と偉業を決して忘れないよう、全宇宙で女子の嗜みとして受け継がれてきた伝統ある武芸です』

『スパロボ道を学ぶ事は女子としての道を極める事でもあります』

『スーパー系ロボットのように、熱く、大胆に、力強く』

『リアル系ロボットのように、素早く、華麗に、美しく』

『そして、戦艦のように、大きな包容力と安心感を』

『スパロボ道を学べば、必ずや良き妻、良き母、良き職業婦人になれる事でしょう』

『愛や勇気、激励や祝福を覚えた貴女は、多くの男性に好意を持って受け入れられるはずです』

『さあ、皆さんも是非スパロボ道を学び、身心共に、健やかで美しい女性になりましょう』


『来たれ、乙女達!!』

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桃「全員、静かに!」


シーン……


桃「では、これよりスパロボ道の授業を開始する」

桃「あれだけ特典をつけたのにも関わらず、集まった人員は18名しかいないが……」チラッ


あんこうチーム、4名

歴女チーム、4名

一年生チーム、6名

バレー部チーム、4名


柚子「でも、ロボットもそんなにある訳じゃないので、丁度いいかもしれません」

杏「そーゆー事。じゃ、始めようか」

優花里「あ、あの!」

桃「何だ?」

優花里「ロボットは何でしょうか! マジンガーですか、それとも」

杏「えーと。何だっけ、河嶋」

桃「今、格納庫を開きます」ポチッ


ガガガガガ……



『ボロボロのガンダムステイメン』



梓「これ……ガンダム……?」

あゆみ「でも、何かちょっと違うような……」

ロンメル「GP03だ。名前のステイメンは花のおしべを指す。宇宙世紀0083におけるアナハイム・エレクトロニクスの技術が詰まった誇り高い機体だぞ」

沙織「でも、ボロボロなんだけど。それにどっちかって言うと、誇りじゃなくて、ホコリまみれ?」

華「これ、ちゃんと動くんでしょうか……」

みほ「…………」

みほ(ガンダム系か……)

みほ(何だか懐かしいな……。どんな機体でも操縦出来るようにって、お母さんに最初に教えてもらったのがモビルスーツだっけ……。一番数が多いから、まずこれを覚えなさいって……)

みほ(それで、子供の頃はお姉ちゃんと二人でよくキュベレイmk2に乗ってファンネルを撃ち合って……)

みほ(お母さんの乗ってたボールを滅多うちにして遊んだっけ……)


みほ「」テクテク……


みほ(うん……。見た感じ、装甲も動力系も大丈夫そう。武装も全部揃ってるし……)


みほ「これなら……」


みほ「いけるかも」ニコッ


優花里「!」パアッ





華「会長」

杏「うん」

柚子「頑張りましょう。皆で。このコロニーを守るために」



続く

>>3のキャラ名を修正

ロンメル→エルヴィン

西住みほ「戦車、乗ります!」

沙織「でもさあ、これ一機しかないけど、私達、全員乗れるの?」

みほ「全員は流石に無理かな……」

華「そうですよね。大きいとは言え、全員はちょっと無理そうですね」


カエサル「というか、これは何人乗りなんだ?」

エルヴィン「ステイメンは、本来、一人乗りだ」

おりょう「一人?」

左衛門左「それなら、後の17人はどうしろと」


桃「問題ない。スパロボ道の機体は全部改造されてて、どんな機体でも3人~6人まで乗れるようになっている」

柚子「ちなみに、スパロボ道の機体にオリジナルのものはないそうです。全部、精巧に造られた量産型だとか」

優花里「あとあと、補足するなら、全部古い機体なんですよ。今から300年前までに造られたロボットしかスパロボ道では使われてませんから」

優季「へえー」


あゆみ「それで……6人はこれに乗るとして他の人達はどうするんですか?」

杏「探せばいいよ。ロボットを皆でさあ」

あや「探す?」

桃「我がオオアライコロニーにおいて、スパロボ道は何年も前に廃止になっている」

柚子「だけど、その時に使われていた機体がこのコロニー内のどこかに必ずあるはずなんです」

杏「で、明後日さあ、スパロボ道の教官が来るから、それまでに4機ぐらい見つけてきてよ。そんぐらいあれば、全員乗れるはずだから」


あけび「それはいいですけど……大体の場所とかは……?」

桃「不明だ」


忍「心当たりや手がかりは?」

杏「ないねー」


エー……


柚子「すみません。頑張って下さい」



妙子「厳しいなあ。始めから」テクテク

典子「根性! 成せばなるから」テクテク

【それから、機体を皆で探して約2時間後……】



『アフロダイA』
(マジンガーZシリーズ)

『ガンダムmk2』
(機動戦士Zガンダム)

『ヴァルシオーネR』
(魔装機神シリーズ)

『ジャイアントロボ』
(ジャイアントロボ 地球が静止する日)

『ガンダムステイメン』
(機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー)



桃「発見出来たのは、以上、5機だな」


柚子「会長、どう振り分けますか?」

杏「発見した人が発見した機体に乗ればいいんじゃない?」

柚子「そんな適当でいいんですか!?」

桃「それなら、振り分けは……」



Aチーム。ガンダムステイメン
『みほ、沙織、華、優花里』

Bチーム。アフロダイA
『典子、妙子、忍、あけび』

Cチーム。ジャイアントロボ
『カエサル、エルヴィン、おりょう、左衛門左』

Dチーム。ヴァルシオーネR
『梓、あゆみ、紗希、桂利奈、優季、あや』

Eチーム。ガンダムmk2
『杏、桃、柚子』



桃「で、決まりだな」

続く

桃「それでは、最初に言った通り、明日はいよいよ教官が指導に来る」

桃「粗相のないよう、今日はしっかりとロボットを綺麗にするぞ。いいな」

全員「はい!」

『Aチーム:ガンダムステイメン』


沙織「このステイメンってロボット……確かモビルスーツって言うんだっけ?」

優花里「そうです。スパロボ道において、最も多い機体ですね。一年戦争のザクから始まって、今までに何百種類、何千種類ものモビルスーツが生まれてきてるんですよ!」

華「このロボット……盾も持ってるんですね」

みほ「うん。あとビームサーベルも持ってるから、上手い人が乗ると実弾兵器はほとんど切り払えたりするよ」

華「そうなんですか。……では、もしかして、物凄く強いロボットだったりするのでしょうか?」

みほ「あ、えーと、それは……」

優花里「スパロボ道において、強さは関係ありません。スパロボ道とは、愛です! 愛があればどんな機体でも強いものなんです! そうですよね、西住殿!」フンスッ

みほ「ええと……うん、まあ……」


優花里「嗚呼、ガンダムの中でもレアな部類に入るステイメンに乗れるなんて感激です。DC戦争の後期からα大戦ぐらいまで活躍した名機なんですよ」スリスリ


沙織「それで……みぽりん。本当はどれぐらいの強さなの?」

みほ「時代によって評価は微妙に違ったりするけど、大体で言えば、10段階評価で3~4ぐらい、かな……」

沙織「あ、そんなものなんだ……」

『Bチーム:アフロダイA』


忍「このロボット、見た目が女の子っぽい」

あゆみ「装甲とか、すっごく固そうですねー」

典子「いいアタックが出来そうです」

妙子「色も私達の体操服と同じで赤色ですし」

忍「スタイルもいい」

典子「何か、バレー部っぽい!」

『Cチーム:ジャイアントロボ』


エルヴィン「ジャイアントというだけあって流石に大きいな」

おりょう「顔がスフィンクスみたいぜよ」

左衛門左「正に。隣のヴァルシオーネRと比べると、可愛さで圧倒的に負けてる」


カエサル「お前ら、失礼な事を言うな!」


三人「?」


カエサル「ジャイアントロボは世界征服を企む秘密結社BF団を倒した凄いロボットなんだぞ!」

カエサル「ジャイアントロボがなかったら、今のこの平和もなかったんだ。全員、ジャイアントロボに謝れ!」


三人「すみません!」ペコッ

『Dチーム:ヴァルシオーネR』


梓「このロボット、顔が可愛いよね」

あゆみ「ていうか、スゴい人間っぽい。ロボットって感じがしないもん」

桂里奈「それにおっきー」

優季「隣のジャイアントロボと同じぐらい?」

紗希「…………」

あや「これに乗るって、なんか不思議な感じだね。どこから乗るんだろ?」

梓「もしかして……口の中からとか?」

あゆみ「それ、食べられちゃってるよー」

優季「やっぱり、背中からじゃない?」

桂里奈「着ぐるみだー」

紗希「…………」

『Eチーム:ガンダムmk2』


桃「会長、この機体強いんでしょうか?」

杏「さあ? でも、ガンダムって全部強そうなイメージあるから、多分、強いんじゃないの?」


柚子「えっと……さっきネットで検索したところ、10段階評価で……」

桃「10段階評価で?」

柚子「2~3ぐらいだそうです」

桃「!?」


柚子「一年戦争後、すぐ後に開発された機体なので、バイオセンサーもサイコフレームもついてなくて……」

柚子「要するに、時代遅れの機体だと、ネットでは……」

桃「」


杏「まあ、何とかするしかないでしょ。弱い機体でも戦いようによっては役に立つしさあ」

柚子「そこは、西住さんに期待しましょうか……」

桃「に、人間は死ぬ気でやればどうにかなるものだ! 私達は絶対に負ける訳にはいかないのだからな!」

柚子「はい」コクッ

杏「だね」

『そして、機体の洗浄と清掃が終わり……』


桃「よし。いいだろう」

桃「後の整備はメカニック部の部員に今晩中にやらせる」

桃「それでは、本日は解散!」

『丁度その頃、テレビでは……』


アナウンサー「次はスパロボ道の話題です」

アナウンサー「高校生大会で昨年MVPに選ばれて、国際強化選手となった西住まほさんにインタビューしてみました」



レポーター「スパロボ道の勝利の秘訣とはなんですか?」

まほ「愛と勇気、そして底力ですね」

レポーター「なるほど。深みのある言葉ですね」

まほ「幸運や希望、友情に努力など、勝利する為に必要ありません」

レポーター「そ、そうなんですか……」

まほ「はい。完全に不要です」

レポーター「あ、えと、あの、それではこれで西住まほ選手のインタビューを終わります! スタジオどうぞー」

続く

『翌日、スパロボ道の授業』


沙織「みぽりん、今日どうしたの? 遅刻?」

みほ「ごめん。朝、ふらふら歩いてた女の子を送ってったら、遅くなっちゃって」

華「あら……貧血か何かでしょうか?」

みほ「ううん。多分、低血圧……じゃないかな?」

沙織「低血圧?」


優花里「それにしても、教官殿は遅いですね。どんな人が来るか、昨日からずっと楽しみにしてるんですけど……」

華「そうですね。あら……? 何か空から音が……」


ゴウンゴウン……


左衛門左「あの音は、まさか!」




ゴゴゴゴゴゴ……!!



おりょう「あの特徴的な艦首に主砲……そして、あのフォルムに色とくれば間違いないぜよ」

左衛門左「そう! あれは、ヤマトだ!」

ヤマト「」ゴゴゴゴゴ……


???「はあっ!!」ビョインッ






桂里奈「何か、おっきい艦からロボットが飛び降りてきたー!」

エルヴィン「あれは……ガンダムか? いや、ガンダムに間違いはないが!」

優花里「はい! ガンダムの中でもかなり特殊な系列の機体!! しかも激レアのマスターガンダムじゃないですか!!」キラキラ



マスターガンダム「」ズシャアッ!!!

ズガガガガガガ……!! ガッシャアーン!!!



柚子「学園長の車が!!」

杏「やっちゃったねえ。吹き飛んだよ」

マスターガンダムin亜美「全員、答えなさい!!」


全員「え!?」


マスターガンダムin亜美「流派、東方不敗は!?」

全員「お、王者の風です!」

マスターガンダムin亜美「全新!?」

全員「系烈!!」

マスターガンダムin亜美「天破!?」

全員「狂乱!!」


マスターガンダムin亜美&全員「見よ! 東方は紅く燃えているぅぅぅ!!」


ジャッキーン!!!

亜美「はい! という事で、本日、特別講師としてアジア・ロンドベル分隊から来ました蝶野亜美です。階級は一尉。皆、宜しくね」ニコッ


全員(なんか、とんでもない人が来た……)


亜美「スパロボ道は初めてという人が多いと聞いていますが、一緒に頑張りましょう」ニコッ


全員(あの笑顔が逆に怖い……)

亜美「あら?」

みほ(う……)

亜美「そこにいるのは、西住師範のお嬢様じゃありません?」

みほ「あ……えと……」

亜美「師範にはお世話になってるんです。お姉様もお元気?」

みほ「…………はい」


ザワザワ

優季「師範って?」

あや「もしかして、西住先輩って有名な人なの?」

亜美「西住流って言うのはね」

亜美「数あるスパロボ道の流派の中でも、最も由緒ある流派なのよ」

オーッ……

みほ「いえ、流派東方不敗には負けますけど……」


亜美「今でも忘れないわ。西住師範がまだ学生だった頃、たった一機で3分も経たずに12機の相手機体を殲滅した試合の事を」

オーッ……!!!

亜美「アムロ=レイの再来として、当時かなり話題になったし、それを見てスパロボ道を始めたって人もかなりいるはずなんだから」

亜美「それぐらい凄い流派なのよ。西住流って言うのは」


みほ「ぅ……」

沙織「あ、あの! 教官!」

亜美「?」

沙織「教官はやっぱりモテるんですか!」

みほ(沙織さん……)パアッ


亜美「んー、そうねえ」

亜美「モテるというより、狙った的を外した事はないわ」

亜美「撃破率は120%よ」


オーッ……!


桃(……撃破? 撃墜ではなく?)

柚子(落とすんじゃなくて、破壊するの?)

杏(アタック、ヤバそうだねえ、これ)

優花里「それでそれで、教官! 本日はどのような練習を行うのでしょうか!」

亜美「そうね。本格戦闘の練習試合、早速やってみましょう」


柚子「え!? あの、いきなりですか?」


亜美「大丈夫よ。何事も実践、実戦」

亜美「ロボットなんて、バーッと動かしてダーッ、ドーン、ガーッ(略)」

亜美「そもそも弱い機体なら素手でだって壊せるんだし、大丈夫大丈夫」

みほ(それ、流派東方不敗だけだから……)


亜美「それじゃあ、皆、それぞれのスタート地点に向かってね」ニコッ

続く

『全員、どうにか苦労しつつスタート地点に……』



亜美「それじゃあ、始めるわよ」

亜美「スパロボ道のルールは簡単。全てのロボットを撃墜するだけ」

亜美「つまり、ガンガン前進して、バンバン、ドガーン(略)。わかった?」



全員「…………」



亜美「スパロボ道は礼に始まって礼に終わるの」

亜美「一堂、礼!」



全員「よろしくお願いします!」ペコッ



亜美「それでは、試合開始!」

『ステイメン、コクピット内』



沙織(メインパイロット)「これ、私が色々決めていいんだよね?」

みほ(主に格闘担当:サブパイロット)「うん。武器と操縦は私達で担当するから」

優花里(主に射撃担当:サブパイロット)「メインパイロットである沙織殿は、モニターを見ながら私達に指示をして下さい」

華(主に操縦担当:サブパイロット)「他の事は私達に任せてもらえれば大丈夫ですから、お願いします」


沙織「なんか、そう考えるとあれだね。メインパイロットって、戦艦の艦長みたい」

みほ「モビルスーツだとそうかもね。これが合体系のスーパーロボットだと少し違ってくるけど」

優花里「コンバトラーVやボルテスVとかですね。あちらは全員が操縦しますから」

華「分担出来る分、私達は楽なんですね」

みほ「でも、全員の呼吸が合ってないと動きがちぐはぐになるのは変わらないから、結局は同じだと思うよ。操縦とかはすぐに慣れちゃうものだし」

沙織「そういうものなのかなあ。操縦って結構難しそうなんだけど」

華「実際、難しいです。オートバランサーがついているので転ぶ事はな」


ドッゴーーーーン!!!

グラグラッ!!



華「きゃあ!」

沙織「な、なに!? どうしたの!?」

みほ「攻撃! 後ろ!!」

優花里「センサーに反応あります! アフロダイAとジャイアントロボです!」

『アフロダイA、コクピット内』


妙子「光子力ミサイル、命中……した?」

忍「命中した」コクッ

あゆみ「バックアタック成功!」

典子「このまま格闘、行くよ! 飛び出して!」

忍「わかった!」ガチャッ



典子(カットイン)「全力で、アタッークッ!!」

『ジャイアントロボ、特設コクピット内』


カエサル「賽は投げられた」

エルヴィン「秘密協定は締結済みだ。まずはアフロダイAと協力してステイメンを落とす。こちらの武装は?」

カエサル「パンチと全力パンチ」

左衛門左「小型ミサイル、大型ミサイル、スポンゾン砲、ロケットバズーカ」

エルヴィン「とりあえず、パンチだ」

おりょう「了解。突っ込むぜよ、ロボ!」ガチャッ



エルヴィン(カットイン)「行けっ! ジャイアントロボ! パンチだ!!」

『ステイメン、コクピット内』


沙織「ちょ、ちょっと! なんか二体同時に突っ込んでくるんだけど!」

みほ「華さん、避けて! まず左!」

華「は、はいっ!!」ガチャ!!

みほ「全員、Gがかかるから、耐えて!」

優花里「ぐうっ!」


ヒュン!!


沙織「やっ、やった! 避けたよ!」

優花里「で、でも、今度は右からジャイアントロボが来ますよ!」


みほ「翔んで! スラスター全開!」キュピーンッ(閃き)

華「はい!」ガチャコン!!!


ブワッ!!


ヒュインッ!!



優花里「やりました! かわしましたよ!」

みほ「このまま逃げ切るよ! 移動力ならあの二機には絶対に負けないから!」


ドギュンッ!!

続く

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