【モバマス】多元分岐同時選択存在鷺沢文香 (10)

キャラ崩壊注意



かな子「ショートケーキか、モンブランか……カロリー的に食べられるのはどちらか一つ……うーん、悩むなぁ」ウンウン

晶葉「そんな二択に悩める諸君へ!『どっちも選べるスイッチ』~!」ジャジャーン

かな子「わぁ晶葉ちゃん、それ何?」

晶葉「名前の通り、人生における二択をどっちも選べるようになる装置だ。具体的には発動者の量子的情報群を分析、変換、分離させることによって対象を二元分岐同時選択存在へと……」

かな子「つ、つまり?」

晶葉「ショートケーキもモンブランもどっちも食べれる!」

かな子「やったー!早速ポチっと」ポチッ


ポンッ


かな子α「!?」

かな子β「!?」

かな子α「わ、私が分身してる!?」

晶葉「うむ。無事に作動したようだな。右のかな子はショートケーキを、左のかな子はモンブランを食べるといい」

かな子β「おお……これでどっちも食べれるってことだね!」

かな子α「いただきまーす!」

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かな子β「もぐもぐ……」

かな子α「ぱくぱく……」

かな子β「ねぇ晶葉ちゃん。これじゃ一つずつ食べてるのと変わらないよね……?」ジトーッ

晶葉「ふふふ……舐めてもらっては困るな。ここからこの装置の本領よ……!かな子、もうそろそろレッスンの時間だろう。レッスンルームに向かうと良い」

かな子α「……?まぁ、晶葉ちゃんの言う通りにしてみるけど……」スタスタ


ポンッ


かな子「わっ、分身してたのが元に戻った!」

晶葉「そう。同じ状態、同じ場所で同じ行動を取ることによって分岐した存在は一つに収束する」

晶葉「まぁ直前に違うケーキを食べていたのだから厳密に言えば、記憶や胃は『同じ状態』ではないのだが……そういった変化に補正をかけ統合させるのがこの装置の本懐!かな子、先ほど食べたケーキを思い出してみてくれ」

かな子「ショートケーキとモンブラン……すごい!二つの記憶がある!満足感も二つ!」

晶葉「二つの『情報』を一つの体に収めたわけだからな。どうだすごいだろう」ドヤァ

かな子「……あのぉ、つかぬ事をお聞きしますが……その『情報』って記憶だけだよね?」

晶葉「いや?胃袋にもケーキ二つ分が入っているはずだが」

かな子「じゃあ意味ないじゃん!」ガビーンッ

かな子「はぁ……しょうがない。チョコレートケーキも食べよう」

晶葉「そんなに食べて大丈夫か?」

かな子「さっきのガビーンってショックでケーキ一個分瘦せたから大丈夫」モグモグ

晶葉「それでもう一個食べたら結局許容量オーバーなのではないか?」

文香「というか、もうすぐレッスンなのでは……?」

かな子「そうだった!ごちそうさま!」バヒューン

晶葉「む。おはよう文香」

文香「おはようございます……ところで晶葉ちゃん。一部始終を見させていただいたのですが、私にもそのスイッチを貸していただけないでしょうか……」

晶葉「いいぞ」スッ

文香「ありがとうございます」スッ

文香(これで一日の内に、色んな本が楽しめますね……)ワクワク

晶葉「あぁ、だが説明していなかった注意事項が一つある。十分以上の分岐は控えた方がいい。それより長い時間分岐していると、起こる変化がこの装置で補正できる範囲を越える危険がある。スイッチを押してから十分以内に、同じ場所で同じ行動を取るんだ。いいな?」

文香「承知です……」

ありす「文香さーん、一緒に帰りましょ……」ガチャッ

文香αⅠあ甲〇「ありすちゃん」

文香βⅡい乙●「ありすちゃん」

文香s「「「ありすちゃん」」」ゾロゾロッ

ありす「いっぱい居るーっ!?」ガビーンッ

晶葉「おーい文香、そろそろあのスイッチを返しいっぱい居るーっ!?」ガビーンッ

ありす「『あのスイッチ』!?晶葉さんまた何かやらかしたんですか!」

晶葉「まさか分岐した状態で更に多重分岐するとは……とにかく状況確認だ!おいそこの文香!識別コードを言いたまえ!」

文香αⅡあ乙〇「αⅡあ乙〇です」

晶葉「五種類……ということは2の5乗で32人の文香が存在するということか……文香三二……ふみかみふ……」

ありす「くだらない回文遊びは後にしてください!どうすればこれは治るんですか!」

晶葉「同じ場所で同じ行動を取らせれば治るはずだが……」

ありす「なら……!文香さん達!この椅子に座ってください!」ガシッ


ギュムッ


品行方正な小説を読んでた文香「ふふ……くすぐったいですよ、ありすちゃん」クスッ

陰鬱悪辣な小説を読んでた文香「むむ……読書の邪魔をしないでください、ありすちゃん」ムスッ

ありす「……元に戻りませんよ!?」

晶葉「くっ……かたや笑顔かたやしかめ面、分岐による変化が強すぎて装置による補正が追いついていない……!やはり十分ごとに元に戻っていたということもなさそうだな」

文香~「私が読書中にそこまで気が回るはずないでしょうが……」プンプン

晶葉「今何で私は怒られたんだ」

ありす「どうするんですか!文香さんが32人も居たら、文香さんだけで二十四時間、映像を回せる……!他アイドルの皆さんは全員お払い箱ですよ!?」

晶葉「別にそんなことはないだろうが……クローンはまだ違法だし、この状況は倫理的にまずいな……」

文香~「こいつぁ“マジ”に“ヤベェ”なぁ……」!?

ありす「この文香さんはヤンキーアイドルの載ってる雑誌を読んでたルートの文香さんでしょうか……」

文香~「まぢやばたにえん」

晶葉「……この文香はギャルアイドルの載ってる雑誌を読んでたルートの文香かな?」

ありす「この状況を打破する、何か良い方法はないんですか!?」

晶葉「うむ……さっきはありすが無理矢理にさせた行動だったから失敗したが、文香達全員が自らの意思で同じ『選択』を取れば……さっきより分岐による変化は減少する。ギリギリ装置の補正範囲内まで収まるかもしれない……が」

ありす「普通の文香さんから、変な文香さんまで32人居るのに……」

晶葉「その全員に強い意思で同じ選択を取らせる状況など作れるか……?」

ありす「……いや、あの人なら、もしかしたら……」

駅前


P「ありす、急に文香を夕食に誘えって……どういうことだ?」

ありす『いいからそこで黙って文香さんを待っててください』

文香「すいません……お待たせさせてしまったでしょうか……」タッタッ

P「あっ、文香来た」

ありす『! 何人ですか!文香さんは何人居ますか!?』

P「え?いや、一人だけど……」

ありす『そうですか……良かったです。では通話を切りますので文香さんとのデートに集中してください』プツッ

P「何だったんだ……?まぁいいか。それじゃ行こう文香」

文香「……はい」ニコッ

文香(どうやら……あなたを選ばない私は居ないようです)

P「デザートどれにする?」


ポンッ


  -おしまい-

以上になります。

クローンが合法になるのとモバマスがサ終するのどっちが早いでしょうか。

ありがとうございました。

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