アンチョビ「大学生活始めたのはいいが…」 (49)

アンチョビ「授業がない日は暇だなぁ」

アンチョビ「大学の戦車道も今日は休み」

アンチョビ「新しい恋愛小説でも読むかな」

ピンポーン

アンチョビ「ん?誰だろう…大学に近いこの部屋を借りてるのはまだ知らせてないが」

アンチョビ「はーい」ガチャ

>>2

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1574866849

札束一杯のトランクを届けに来た黒服

黒服「…」

アンチョビ「!?」

黒服「安斎千代美か」

アンチョビ「アンチョビ!いや、は、はい…そうですが」

黒服「これを受け取れ」スッ

アンチョビ「え?あの…って重い!?」ズシッ

黒服「確かに届けたぞ」スタスタ

アンチョビ「なんなんだあいつ、あの後ろ姿見覚えあるような…それにこのトランク」

アンチョビ「爆弾とかじゃないよな…」パカ

1億円の札束

アンチョビ「」

アンチョビ「…は?いやこれ、本物か?」

アンチョビ「…透かしもある、本物だ」

アンチョビ「この量…相当な金額になるぞ、まさかヤバイ金じゃないよな」

アンチョビ「そもそもなんで私の部屋を知ってたんだ…?これを受け取ってどうしろというんだ」

prrr

アンチョビ「今度は電話か…さっきの黒服と関係あるかもしれない」

アンチョビ「もしもし…」ピッ

>>5

ペパロニ

ペパロニ「姐さん、久しぶりっす!」

アンチョビ「ペパロニか、いや、ドゥーチェと呼んだほうがいいか」

ペパロニ「よしてくださいよ、まだ呼ばれ慣れてないんすから」

アンチョビ「私が抜けた後のアンツィオはどうだ?」

ペパロニ「姐さんがいなくて皆寂しがってますよ、まったくアイツラときたら」

アンチョビ「それでペパロニ…今日変な奴を見なかったか?」

ペパロニ「変な奴?」

アンチョビ「黒服で、トランクを持ったような…何か心当たりないか?」

ペパロニ「…」

アンチョビ「ペパロニ?」

ペパロニ「姐さん…>>7

それって都市伝説の寿命買い取り屋じゃ……

ペパロニ「姐さん…それって都市伝説の寿命買い取り屋じゃ……」

アンチョビ「何だそれは、都市伝説って…」

ペパロニ「聞いたことあるんすよ、自分の残りの寿命を売ってお金に換えるっていう…」

アンチョビ「おいおい、そんな馬鹿な話信じるのか」

ペパロニ「思い出してください姐さん、ここ最近変な勧誘に遭ったりしませんでした?」

アンチョビ「え?うーんどうだったか…」

アンチョビ「あ…」

数日前

アンチョビ「ここのカフェは日当たりもよくて待たずに座れる、いい穴場だな」

アンチョビ「カプチーノも私好みだ」ゴク

女性「こんにちわ」

アンチョビ「?こんにちわ…」

女性「少しお時間いいですか?」

アンチョビ(何だこの人…断りもせずに私の前に座って)

女性「あなたの寿命、売ってみませんか?」

アンチョビ(急にどういう話だ…新手の宗教か?)

女性「興味を持っていただけると思うんですが」

アンチョビ「は、はあ…(いい気分だったのに面倒だな…適当に答えとけば帰ってくれるか)」

女性「まずですね、あなたの寿命を…」カタカタ

アンチョビ「(パソコンで何を打ってるんだ?変に手が込んでるな)」

女性「いくつか質問を、あなたは…」ペラペラ

アンチョビ「はい、はい…そうですね」

女性「…で、金額が一億円に…」

アンチョビ(投資話か…?)

女性「では、後日あなたにお届けします、受け取った時点から始まりますので」

アンチョビ「はあ…」

女性「ご利用ありがとうございました」ペコ

スタスタ

アンチョビ「結局なんだったんだ…?」

ペパロニ「そ、それ、やっぱり買い取り屋っすよ!」

アンチョビ「いやそう言われても…どうにも胡散臭い話だったし…」

ペパロニ「で…お金は届いたんですか?」

アンチョビ「あ、ああ…トランクに山のように札束が…」

ペパロニ「札束って…、いやそれよりも!姐さんは期間はなんて答えたんすか!」

アンチョビ「期間?」

ペパロニ「寿命まるごと売ると死んじゃうすから、全部売らずにいくらか売って寿命を残せるんすよ」

アンチョビ「えーと…確かあの時…」



女性「では寿命はどれくらい残しますか?」

アンチョビ「んー、じゃあ一週間で」

ペパロニ「い、一週間…」カタカタ

アンチョビ「お、おいペパロニ…?」

ペパロニ「姐さんは…一週間後に死にます」

アンチョビ「………え?」

ペパロニ「嫌だ、嫌だ…姐さん死んじゃ嫌だぁ…」グス

アンチョビ「…私の命が…一週間…?」

ペパロニのすすり泣く声を遠くに感じ、私はただその場に立ち尽くすしかなかった

ギャグ安価が出ると思ったらまさかこうなるとは
多分細々と更新していくと思う

翌日

教授「つまり近世のヨーロッパにおいて経済活動は~」

アンチョビ「…」ボー

アンチョビ(駄目だ…どうも授業に集中できない…)

アンチョビ(本当に私の寿命はあと6日なのか…)

アンチョビ(不慮の事故とかならともかく、知らされてもまったく実感がわかない)

アンチョビ(今まで大きな病気にはかかったことがない…至って健康だ)

アンチョビ(その時が来れば…ぽっくり死んでしまうんだろうか)

アンチョビ(まるで電池が切れたように…)

アンチョビの部屋

アンチョビ(…目の前に札束があっても嬉しくないな)

アンチョビ(もし私の人生の価値が本当に1億円だったとして…例え大金だとしても)

アンチョビ(このトランクに全て収まってしまうのかと思うと…空しく感じるな)

ピンポーン

アンチョビ「…誰だろう」

アンチョビ「もしあの黒服だったら文句のひとつでも言ってやろうか」

ピンポーン

アンチョビ「あーわかった今出る」ガチャ

ミカ「やあ」

アンチョビ「!?」

アンチョビ「継続のミカ…だよな?」

ミカ「元、といったほうが正しいね」

アンチョビ「突然どうした…そもそも住んでる場所は知らせていないが」

ミカ「君は寿命を売ったんだろう?」

アンチョビ「!!」

ミカ「私は君の監視員として付くことになったんだ」

アンチョビ「監視員…そういえばそんな話もあったか」

ミカ「上がらせてもらっていいかな?」

アンチョビ「…どうぞ」

アンチョビ「適当に座ってくれ」

ミカ「失礼するよ」

アンチョビ「まさかお前がこんなバイトをしてるとはな」

ミカ「アキに「いい加減自分で働いて稼いで来て」って言われてね」

アンチョビ「お前…卒業してもあの二人に世話を焼いてもらってるのか?」

ミカ「寧ろアキ達が世話を焼きたがるのさ、私は風の向くままにさすらってもいいんだけどね」

アンチョビ「どうだか…危なっかしくて行き倒れそうだ」

ミカ「そうかな」

アンチョビ「…ミカは寿命を売るだとか買うだとかっていう話、信じてるのか?」

ミカ「私にとってはなにが事実かなんていうのはさほど重要じゃないさ」

アンチョビ「お前らしいというかなんというか…」

ミカ「君を監視するのが仕事だからね、私のことは背景の一部か路傍の小石とでも思ってくれればいい」

アンチョビ「そんな目立つ小石があってたまるか!」

ミカ「元気はあるみたいだね」

アンチョビ「正直現実味がないだけだ…色々モヤモヤして」

ミカ「君は普段どおりに過ごせばいい、…といっても残り少ないんだったね」

アンチョビ「…」

ミカ「自分に出来ることをやればいいさ」

アンチョビ「質問していいか」

ミカ「答えられることなら」

アンチョビ「お前は小石じゃなくて人間だよな」

ミカ「そうだね」

アンチョビ「人間なら食事はするよな」

ミカ「するね」

アンチョビ「自分の食事はどうするつもりなんだ」

ミカ「…その質問に意味があるとは思えない」

アンチョビ「あるだろ!?」

アンチョビ「全く…どうするつもりだったんだ」

ミカ「…」

アンチョビ「…」

ミカ「…」チラ

アンチョビ「はぁ…まぁ一人分多く用意するのは別に構わないが」

ミカ「いいのかい?」ズイ

アンチョビ「仕方なくだぞ」

ミカ「よかったら水も貰えるかな」

アンチョビ「わかったわかった」

ミカ「お風呂も入らせてもらっていいかな」

アンチョビ「少しは遠慮しろ!」

どういう方向に持っていけばいいか分からない… 次は週明けになるかも?

アンチョビ「さて戦車道の演習なんだが…」

アンチョビ「ミカもついてくるのか…」

ミカ「君の側にいないといけないからね」

アンチョビ「聞くまでもないが部外者だぞ…まさか戦車に乗り込むつもりか」

ミカ「必然的にね」

アンチョビ「…どうせつまみ出されるぞ」

先輩「あれ、その子確か」

アンチョビ「はい、継続に居た隊長です…」

先輩「いいね!せっかくだし乗ってもらおうよ」

アンチョビ「え!?」

先輩「私が高校生のときも何度か試合を組んだんだけどさ、なかなか侮れなかったんだよね」

先輩「安斎の戦車の車長やってみようか」

ミカ「お許しが出たね」

アンチョビ「…はあ、とにかく始めるぞ」

演習後

先輩「いやー最後は白熱したね、あんな動き見たことないよ」

先輩「安斎も参考にできるところがあったんじゃない?」

アンチョビ「…」

先輩「今日はありがとう!それじゃ!」タタタ

アンチョビ「…」

ミカ「浮かない顔だね」

アンチョビ「アンツィオではドゥーチェとして率いた私だが…ここではただの1年だ」

アンチョビ「言うまでもなく大学はレベルが高い、高校でどれだけ実績を残してもスタートラインは一緒だ」

アンチョビ「大学は比べ物にならないほど人数も多い、公式戦に選ばれるのも一握り」

アンチョビ「このままでは私は埋もれてしまう…」

ミカ「試合に出ることだけが全てじゃない、君は今…戦車道を楽しめているかい?」

アンチョビ「頭では分かっている!ただ純粋に楽しみたい、けど…!」

アンチョビ「かつてのドゥーチェがこの有り様では私を慕ってくれた後輩達に申し訳ない!」

ミカ「…」

アンチョビ「失望させてしまうかも…しれないじゃないか」

ミカ「…」

アンチョビ「といっても…6日しかなければ結果は残せないか」

グー

アンチョビ「…」

ミカ「…」

アンチョビ「…お前は間が悪いな」

ミカ「それほどでも」

アンチョビ「褒めてない」

ミカ「君の料理、とても美味しかったよ」

アンチョビ「それはどうも…少し休むか」ヨイショ

ミカ「…」ポロロン

アンチョビ「…」

ミカ「外を見つめてどうしたんだい」

アンチョビ「私でも感傷的な気分にでもなるさ、そういえば」

ミカ「なにかな」

アンチョビ「ミカはなんでこのバイトを選んだんだ」

ミカ「騒がしいのは性に合わなくてね、これならありのままの自分で居られるんだ」

アンチョビ「単に接客とかが苦手なだけじゃないか」

ミカ「君は寿命が迫っているのに焦ってないね」

アンチョビ「いざ死ぬと分かってても何をすればいいか分からない」

アンチョビ「私は…」



ペパロニ「姐さん…」

アンチョビ「ペパロニ…」

ペパロニ「あの電話のあと姐さんから連絡ないから心配したんすよ」

アンチョビ「私は…いつもどおり大学で戦車道を」

ペパロニ「っ…なにやってるんすか!」

アンチョビ「え…」

ペパロニ「姐さんはあと5日しかないんすよ、そのままでいいんですか!」

アンチョビ「…」

ペパロニ「せめて…後悔のないようにしてくださいよ」

アンチョビ「ペパロニ…」

ペパロニ「それで今日はどうしてここに」

アンチョビ「ああ…1億円という大金だが、どうにも使い道が思いつかなくてな」

アンチョビ「お前たちの活動資金にしてほしい」

ペパロニ「…!?」

アンチョビ「素直に喜べ、これだけあればP-40も買えるし大幅な戦力が増強できるんだ」

アンチョビ「おやつを減らしてまでお金を貯めなくてよくなる」

ペパロニ「…なんで姐さんはそうなんですか」

アンチョビ「ペパロニ」

ペパロニ「自分のために使ってくださいよ!姐さんの命使ってまで強くなっても…」

ペパロニ「嬉しくなんかっ…」ポロポロ

アンチョビ「…」ギュゥ

ペパロニ「アイツラだって…喜ばないっすよぉ」

アンチョビ「…すまない」

ペパロニ「ところで」

アンチョビ「?」

ミカ「…」ポロロン

ペパロニ「あの人はなんなんすか」

アンチョビ「気にしなくていい」

翌日

アンチョビ「…なあ」

ミカ「なんだい」

アンチョビ「私の寿命を売らなかった場合の私の人生に何が起こるかミカは知ってるのか」

ミカ「…」

アンチョビ「ペパロニから聞いたんだ、監視員は未来の出来事を把握してると」

ミカ「知りたいのかい?」

アンチョビ「どうせ死ぬなら聞いてみてもいいだろ」

ミカ「そうだね、教えてあげよう」

ミカ「まず君は大学を卒業すると同時にプロからスカウトが来る」

アンチョビ「スカウトの目に留まるほどの実力をつけるわけか」

ミカ「プロリーグで輝かしい成績を残しその名は全国に知れ渡る」

ミカ「あの西住さんのお姉さんと肩を並べるほどのね」

アンチョビ「私が…西住まほと…」

ミカ「しかし引退を間近に控えたある日、君は死ぬ」

アンチョビ「…一体何が原因で」

ミカ「試合中の会場に子供が迷い込んだのさ」

ミカ「君はすぐさま戦車から降りて子供を避難させようとする」

ミカ「そこに相手チームの戦車が突っ込み…帰らぬ人となる」

アンチョビ「…結局未来でも不幸な形で死ぬのか」

ミカ「聞いて後悔したかい?」

アンチョビ「どうだろうな…しかしプロで活躍する前に死ぬのが惜しい」

ミカ「人生というのは何かを成し遂げることじゃない、どう生きたかで輝くかどうかが決まるんじゃないかな」

アンチョビ「お前はどこか達観してるな」

ミカ「そんなことはないよ、アキにはよく呆れられてる」

アンチョビ「…そろそろ演習か」

ミカ「そうだね」

先輩「それじゃA、Bチームがまず模擬戦、残りのC,Dチームは観戦して参考にするように」

アンチョビ「私はCチームだな、…ミカはそこで待っててくれ」

ミカ「お花を摘みに行くのかい」

アンチョビ「いや違うが…とにかく待っててくれ」

ミカ「…」

「では模擬戦開始!」

アンチョビ「あの斜面は起伏が激しい、前方に「何か」があっても死角になる」

アンチョビ「普通のルートを通るより近道だ、模擬戦でもよく使われる」

アンチョビ「…行くか」

ゴオオオオオ…

アンチョビ「近づいてきたな…」

アンチョビ「大丈夫…大丈夫だ」

アンチョビ「よし…!」ダッ

グイッ

アンチョビ「!?」ドサ

ガガガガガッ!!

先輩「ちょっと安斎大丈夫!?どうしたの急に飛び出して!!」タタタ

ミカ「いや、ハンカチが風に飛ばされて追いかけていたのさ、迷惑をかけてすまない」

先輩「気をつけてよね、下手したら大事故よ…」

アンチョビ「…」





ミカ「…何をしようとしていたのかな」

アンチョビ「…」

ミカ「まさかとは思うけど、戦車に「わざと」轢かれようとしたのかい?」

アンチョビ「…」

ミカ「感心しないね」

アンチョビ「…近いうちに死ぬことが決まっているなら、今死んでも一緒だろ」

ミカ「…私は今君に怒りを覚えている」

アンチョビ「…」

ミカ「君のやろうとしていることは「逃げ」だ」

ミカ「「もういいや」と投げ出せるほど命は軽くない」

ミカ「例え死期が分かっていたとしても…それでも」

ミカ「君は「生きる」ということを最後まで果たすべきだ」

アンチョビ「ミカ…」

ミカ「今日は模擬戦は休ませてもらったほうがいい…今日の君は今にも消え入ってしまいそうだ」

後日

アンチョビ「今日は宴だ!どんどん食べろー!」

オー!

ペパロニ「姐さんどうして…今日は最後の日なのに」

カルパッチョ「笑顔で送り出してほしいんじゃないですか?アンツィオに湿っぽい空気は似合わないと考えたんですよ」

ペパロニ「でも皆カラ元気で…」

カルパッチョ「ほらペパロニさんも!暗い顔じゃアンチョビさんも安心して行けないですよ!」ポン

ペパロニ「うん…」

アンチョビ「どうしたペパロニー、食べないなら私が頂くぞー?」

ペパロニ「…!!」ゴシゴシ

ペパロニ「しょ、食欲ないわけじゃないっすよ!これ平らげたらおかわりするっす!」

アンチョビ「そうかそうか」

アンチョビ(結局他に思いつかなかった…私に残せるものは何か考えたが)

アンチョビ(これが一番私らしいよな…せめてかっこいいドゥーチェをこいつらの目に焼き付けさせないと)

ペパロニ「…いよいよ…もうすぐですね」

アンチョビ「ああ」

カルパッチョ「う…」グス

ペパロニ「なんだよ…結局カルパッチョも泣いてるじゃんか」

カルパッチョ「だってぇ…」

アンチョビ「今までありがとうな…お前たちのような後輩を持って私は嬉しい」

アンチョビ「元ドゥーチェとして誇りに思う」

ネエサァン… イカナイデ…

アンチョビ「ペパロニ…アンツィオのことは頼んだぞ」

ペパロニ「はいっ…」

アンチョビ「カルパッチョ…ペパロニは突っ走る癖があるからしっかり支えてやってくれ」

カルパッチョ「…はい…」ヒグ

ウエエン… シンジャヤダ…

アンチョビ「なんだよっ…お前達…いつもの元気はどうしたんだ…」

アンチョビ「これじゃ…私までっ…」グス

カチッ…カチッ…

アンチョビ「みんな…名残惜しいがお別れだ」

カルパッチョ「アンチョビさん…」

カチッ…カチッ…

アンチョビ「私は…本当に幸せ者だ」

ペパロニ「行かないで…姐さん!」

カチッ…カチッ…

アンチョビ「それじゃ…」



カチッ

アンチョビ「さよならだ」

ドサッ

ペパロニ「姐さん!!」

アンチョビ「…」

カルパッチョ「アンチョビさん!!」

アンチョビ「…」





アンチョビ「………あれ?」

アンチョビ「何とも…ない…?」

みほ「ど…ドッキリ…成功でーす」コソ

アンチョビ「は?」

杏「倒れたちゃったからホントに死んだかと思ってびっくりしたよもう」コソ

アンチョビ「あ…え…」

沙織「アンチョビさんすみません…全部私達が仕組んでました」

アンチョビ「え…」

アンチョビ「ええええええぇ!!?」

ペパロニ「ど、どういうことっすか!」

カルパッチョ「説明してください!」

みほ「実はその…」

回想

杏「人間ってさー、もしもうすぐ死ぬって分かったらどうするんだろうね」

みほ「さ、さぁ…」

杏「じゃあさ、実験してみない?」

優花里「実験、ですか?」

杏「チョビ子で」

みほ「!?」

アンチョビ「そ、それでこんな大掛かりなことを…?」ワナワナ

みほ「はい…最初にカフェでアンチョビさんに接触したのは変装した猫田さんです」

ねこにゃー「」bグッ

アンチョビ「!?」

杏「でもまさか戦車の前に飛び出すまで思い詰めるとは思わなかった…やりすぎたよ」

アンチョビ「い、いや…私が勝手にやったことで…」

ミカ「死ぬわけじゃないと分かったことだけでも安心だよ」モグモグ

アンチョビ「ミカ…お前は知っていたのか?」

ミカ「いや?バイトに応募したのは本当に偶然さ」

アンチョビ「というか姿を見てなかったが何してたんだ?」

ミカ「ここのご馳走を頂いていたよ、お邪魔かと思ってね」モグ

アンチョビ「お前でも空気読めるんだな…」

みほ「でもあんな札束よく用意できましたね」

杏「いや無理無理、うちの学校裕福じゃないし」

みほ「え?じゃあ…」

しほ「私が用意しました」

みほ「お母さん!?」

杏「ちょっと協力してもらったんだ」

しほ「ドッキリというのも面白いと思ってね」

みほ(お母さんってこんなにノリが軽かったっけ…)

アンチョビ「じゃ、じゃあ1億円は返します…」

しほ「いえその必要はないわ、あなたにあげたのよ」

アンチョビ「!?」

みほ「お、お母さん!1億円だよ!?キャッシュだよ!?」

みほ「そんな簡単に渡しちゃっていいの!?」

しほ「戦車道の発展には一部の強豪だけでは成り立たない、皆で盛り上げる必要があるわ」

アンチョビ「ほ、本当に…?」

ペパロニ「すごいっすよ姐さん!P-40何台買えるんすか!」

カルパッチョ「黒森峰にも負けないですよ!」

アンチョビ「お、おお…?」

アンチョビ「ん?ということは寿命を売らなかった場合の私の人生は…」

杏「うん、嘘」

アンチョビ「そうかぁ…(身を投げ出さなくてよかった)」ヘナ

ミカ「人生が嘘だったとしても悲観することはないよ」

アンチョビ「え?」

ミカ「未来はこれからいくらでも自分で作り出せる、嘘の人生を現実にする可能性を秘めているのさ」

アンチョビ「…そうだな」

アンチョビ「よーしペパロニ!今から模擬戦だ!」

ペパロニ「え?食べた後で動けないっすよ」

アンチョビ「お前たちには教えたいことが山ほどある!ついてこい!なんたって私は…」

アンチョビ「お前たちのドゥーチェだからな!」


終わり

最後までグダグダになってどこに着地させようかギリギリまで迷いました
やっぱりアンチョビには不幸な目には遭わせたくなかったんで

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