イヴ「スヴェン、バレンタインデーって何?」 (19)

スヴェン「? どうした急に?」

イヴ「街の人達がみんな『もうすぐバレンタインだ』って」

スヴェン「そっか……確かにもうすぐだな」

スヴェン「バレンタインってのは……女が好きな男にチョコあげる日なんだ」

イヴ「好きな男の人にチョコを……?」

スヴェン「おう、市販のより手作りのをあげると更に喜ぶらしい」

イヴ「……スヴェンも手作りのをもらったら嬉しい?」

スヴェン「ああ、勿論」

イヴ「……」

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トレイン「メシー……ん? 姫っちは?」

スヴェン「お前より早く飯食って部屋入ったぞ」

トレイン「まーた本でも読んでるのか」

スヴェン「イヴはお前と違って勉強熱心だからな」

トレイン「……何の勉強してるのあいつ?」

スヴェン「俺の紳士道が女のプライベートには深入りするなと言っている」

トレイン「……あっそ」

















イヴ「……」

イヴ「……」

イヴ「……よし」パタン

2月13日

イヴ(まずは材料買いに行かないと……)












スヴェン「ん? イヴはどこ行った」

トレイン「買い物だってよ」

スヴェン「何!? 一人でか!!? 危険過ぎるだろ!!」

トレイン「……あんたまだ姫っち離れしてねえのかよ」

スヴェン「……と、そうだな。 ちょっと一人で外に出るくらいで大袈裟だったな」

イヴ「ただいま」

スヴェン「おお、お帰りイヴ」

スヴェン「何買ってきたんだ?」

イヴ「!!!」ササササ

スヴェン「!!?」

バタン!!

スヴェン「も、物凄い勢いで部屋に入っていった……」

トレイン「あらら、嫌われちゃった」

スヴェン「……」

イヴ「……」

イヴ(危なかった……)

イヴ(スヴェンだったら材料で私が何作るか分かっちゃうもんね)














スヴェン「……」

スヴェン(もしやイヴが買ったのは……)

スヴェン(俺に見せたくない物……つまり……)

スヴェン(如何わしい物か!!?)

スヴェン「あ……ああ……あああ……」

トレイン「なんだよ、頭抱えて」

スヴェン「……イヴも大人の階段を登ったんだな……」

トレイン「は?」











イヴ(問題はチョコを作る時間……)

イヴ(スヴェンとトレイン、二人が出かけてる状況を作れば……)

スヴェン(……俺はアホか、イヴの見た目だったら年齢制限引っかかって買えないだろうが)

スヴェン(……となると……)

スヴェン(……!! まさか……)
















イヴ『スヴェン、バレンタインデーって何?』

イヴ『……スヴェンも手作りのをもらったら嬉しい?』















スヴェン「……」

スヴェン「……トレイン、出かけるぞ」

トレイン「? なんだ急に」

スヴェン「上手いメシ屋があるのを思い出した」

トレイン「お、マジか。 じゃあ早く行こうぜ」

トレイン「姫っちー、メシ屋行くってよー」

スヴェン「いや待て、イヴは呼ぶな」

トレイン「……?」









スヴェン「ちょっと二人で出かけてくるな」

スヴェン「そうだな……2、3時間ぐらいしたら帰る」

イヴ「うん」

バタン!!

イヴ「……」

イヴ(今しかない!!)













トレイン「……んで、話はなんだ」

トレイン「姫っちを巻き込みたくねぇからこうしたんだろ?」

スヴェン「イヴが……」

トレイン「姫っちが……?」












スヴェン「誰かにチョコを作ろうとしているんだ……」

トレイン「……」

トレイン「は?」

トレイン「あの……スヴェンちゃん? 言ってる事と表情が全く合ってませんが?」

スヴェン「合ってる!! いいか、イヴが誰かにチョコを作るっつーことは……」

スヴェン「誰かを好きになったって事だろ!!?」

スヴェン「その男が誰かと考えるだけで俺は……」ウズウズ

トレイン「……これ話す為にわざわざ外に?」

スヴェン「おう」

トレイン「……俺帰っていい?」

スヴェン「いやダメだ、イヴは俺達に内緒でチョコを作ってる。 終わるまでは外だ」

トレイン「……あのさ、なんで他人にチョコ作るのを姫っちは俺達に内緒にするわけ?」

スヴェン「そりゃあれだろ。 好きな人ができたってバレたらお前に馬鹿にされるからな」

トレイン「……あんたが暴走するからじゃねえの?」

イヴ「……」

イヴ「……できた!!」

イヴ「後は急いでキッチンを片付けて……チョコを冷蔵庫の中に……」










トレイン「帰ったぞー」

イヴ「おかえり二人とも」

スヴェン「イヴ、ちゃんと留守番してたか?」

イヴ「うん」

夜中

イヴ「zzz……」






スヴェン「……」

スヴェン(寝れん!!!)










トレイン「ふぁーあ……腹減った……」

トレイン「ミルクかなんかねーかな……」ガチャ

トレイン「……!!」

トレイン「……」

トレイン「……へえ」バタン

翌日

イヴ「おはようスヴェン」

スヴェン「おおイヴか……おはよう」

イヴ「……!!? 大丈夫!!? 凄い疲れてるように見えるけど……」

スヴェン「大丈夫だ……気にすんな」

トレイン「姫っちー、スヴェンちゃん元に戻す為にも早くあげてくれー」

イヴ「!!? あげるって……どうして……」

スヴェン「おいバカ!!」

トレイン「あ、やべ」

スヴェン「イ、イヴ!! 違うんだこれは……」

イヴ「……やっぱりスヴェン達にはバレバレだったんだね」

スヴェン「……わりい」

イヴ「はい」

スヴェン「!! チョコ……俺にくれるのか!?」

イヴ「うん」

イヴ「スヴェンの為にチョコ作ってたんだけど……バレちゃったんだね」

スヴェン「じゃあ内緒にしてたのは……俺にあげるからだったのか!?」

イヴ「うん」

スヴェン「トレインに馬鹿にされたくないからじゃなくてか!?」

イヴ「それもある」

トレイン「あるのかよ」

スヴェン「……俺はとんだ勘違いをしてたみたいだな」

トレイン「昨日の夜中冷蔵庫漁ったらさ、『スヴェン用』って書いてあるチョコ見つけてさ」

イヴ「……漁らないでよ」

スヴェン「イヴ……ありがとな、大切に頂くな」

イヴ「うん」

トレイン「んで姫っち、俺には?」

イヴ「……」

イヴ「トレインは……あの人があげるからいいかなって思って」

トレイン「あの人……?」

トレイン「……!! なんだこの悪寒!!!?」ヒェッ

スヴェン「……! 外が騒がしいな……」

イヴ「……!! スヴェンあれ……」

スヴェン「……!!」












キョウコ「クロ様ーーーーー!!! どこですかクロ様ーーーーーー!!!」

キョウコ「キョウコ、クロ様の為にチョコいっぱい作りましたーーーー!!! キョウコごと食べてくださーーーい!!」
















イヴ「……ね? 私が作らなくても良かったでしょ?」

スヴェン「はは、確かにな」

トレイン「俺、逃げていい?」

終わり

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