【安価】みほ「装甲車バトルディッガーです!」【ガルパン】 (623)


【黒森峰学園艦】

みほ「はぁ……」

みほ(今日も転校するってこと、お姉ちゃんにも言えなかったな……)

みほ(お母さんに言い出すのも遅くなったから、新学期すぐに転校ってこともできなかったし……)

みほ「お姉ちゃん……怒るかな……」

みほ(怒るよね……戦車道をもうしたくない、なんて言ったら……)

みほ(お母さんだって、あんなに冷たく、他人みたいに……)

みほ「……」

みほ(いっそ……)

みほ(戦車道なんてなかったらよかったのに……)

みほ(戦車道なんてなくて……)

みほ(西住流の娘でもなんでもない、ただの西住みほでいられる世界があったら……)

みほ「……」 グスン

みほ「……」

みほ「……」 スヤァ

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このスレは、パワプロクンポケット10裏サクセスの世界観を使ったガルパン安価スレです。
マイペースにやって、あんまり長引かせずに終わりたいですが、予定は未定です。書き溜めもないです。

なお、安価の内容次第じゃ人が死ぬので苦手な人は注意。
エロもグロも百合もNL(あるのか?)も特に禁止はしないです、安価は絶対。

あとパワポケ20周年おめでとうございます。続編をくれ。


みほ(…………)

???「………の」

みほ(…………)

???「………殿」

みほ「ん…………」 モゾッ

???「西住殿!!!」

みほ「ひゃああああああ!」  ガバッ

???「よかったぁ、西住殿!」

???「目を覚まされたのですね!」

みほ「え……?」

みほ「……」

みほ「えええええ?! ど、どなたですか……?!」

???「ええ!?」

???「私ですよぉ、アキヤマ・ユカリです!」

みほ「え、あの、その……」

???「……あー……」

???「何か分かったの、マコ?」

マコ「……どういう状況か飲み込めていない、どころか」

マコ「私達が誰なのか、分かっていないんだろう」

ユカリ「ええ!? そうなんですか?!」

みほ「は、はい……」


???「でも、みぽりんは確か……」

マコ「ああ」

マコ「人と人の出会いには不思議な引力が働いている」

マコ「もし別の世界というのがあったとしても、変わらず友人になっている」

マコ「そう言ってはいたが……」

???「うーん……よくわからないけど……」

???「私達のことが分からないなら、1からお友達になればいいってことだよね!」

???「私はタケベ・サオリ!」

サオリ「それで、こっちの髪の毛の長ーい子が」

ハナ「イスズ・ハナです」 ペコリ

みほ「あ、西住みほです……」 ペコリ

サオリ「うわー、やっぱりみぽりんはみぽりんなんだ……」

みほ「ええと……」

ユカリ「うーん、なんと言えばいいのでしょうか……」

ユカリ「ここは平行世界と言いますか、パラレルワールドと言いますか……」

マコ「いきなり言われても混乱するだろう」

マコ「全くの別世界から来たみたいだし、まずは認識のすり合わせじゃないのか」

ユカリ「ああ、それもそうですね……」

ユカリ「ええっと、平行世界とか、パラレルワールドとか、そういう単語に馴染みってあります?」

みほ「い、一応は……」

みほ(友達少なかったから、お昼休みに図書室で小説とか沢山読んでたし……)


みほ「確か、その、自分の住んでる所とは全然違う別の世界、みたいな感じのやつですよね」

マコ「……まあ、大分ざっくり言うとそうなるな」

サオリ「ここはみぽりんにとってはパラレルワールドってことになるんだよね」

みほ「ええええ!?」

ユカリ「ふむふむ……じゃあ遺跡とかってご存知ですか?」

ユカリ「あとモグラとか! ドラゴンや……スライムなんかはご存知ですかね」

みほ(な、なんだか嫌な予感が……)

みほ「ええっと……遺跡は、歴史的建造物、みたいなもので……」

みほ「モグラは土の中で暮らす動物で、ドラゴンとかスライムは、ゲームとかに出てくる空想上のもの、ですよね……」

ユカリ「あー」

ユカリ「そこは結構違うんですねー」

みほ「え?」

ユカリ「まずですねえ、半分正解のモグラについてなんですが……」

ユカリ「我々の世界では、動物のモグラもいるんですけど、それはもっと別のことを指すんです」

みほ「え?」

ユカリ「遺跡……は、まあ、だいたい西住殿の言った意味であってるんですけど……」

ユカリ「遺跡が地下に向かって伸びているのはご存知ですよね?」

みほ「……」

みほ(知らない……)

ユカリ「その遺跡を探検し、地下に潜るための乗り物」

ユカリ「それを、モグラと呼ぶんです!」

サオリ「でたー、ゆかりんのモグラ語り!」

ハナ「大好きですもんねえ」

みほ「モグラ、という乗り物……」

マコ「ピンと来てないようだし、見せてやったらどうだ」

ユカリ「いいですねぇ! そうしましょう、そうしましょう!」

ユカリ「これが! 私達が乗っている、通称・モグラ!」

ユカリ「正式名称、バトルディッガーです!」

みほ「こ、これ……」

みほ「Ⅳ号戦車……!?」


ユカリ「おや、ご存知なんですか」

ユカリ「さすが、西住殿ですね!」

サオリ「みぽりんは、バトルディッガーを指揮する車長さんだったんだよ」

みほ「せ、戦車……」 カタカタ

ユカリ「それと、ドラゴンもスライムも、決して空想上の生物ではありません」

ユカリ「勿論、大多数の人にとっては、縁のない生き物ですが……」

ユカリ「遺跡の中に出没する、実在のモンスターです」

ユカリ「そんな危険な存在と相対してもいいように、遺跡に入る人間は必ずモグラに乗るんです」

ユカリ「モグラは特殊なカーボンで出来ているので、ドラゴン相手でも戦えますしね」

サオリ「待った、ゆかりん! 喋りすぎ!」

ユカリ「はっ! す、すみません……」

サオリ「みぽりんも、ごめんね、なんか一気にまくしたてちゃって」

みほ「あ、いえ……」

マコ「……そろそろ移動した方がいいだろう。ここもまだ遺跡の中だ」

サオリ「そうだねえ。脱出ゲートに向かいながら、今度はみぽりんのお話を聞かせてよ」

みほ(……戦車に乗る、のかあ……)

みほ(今は……よくわからないけど……乗らないわけにはいかないよね……)


【畦道】

サオリ「へー……」

サオリ「みぽりんの世界じゃ、バトルディッガーのことを戦車って呼んでるんだ」

みほ「うん」

みほ(それにしても……よく出来た夢……)

みほ(戦車の乗り心地もリアルだし……)

ハナ「でも、少し不思議な世界ですね」

ハナ「大きなお船の上に学校があるだなんて」

みほ「そうかな」

みほ「……本当にワープしたり、ドラゴンが出てきたこっちの世界の方がよっぽど不思議だけど……」

ユカリ「まあ確かに、遺跡はまだまだ解明されてないことも多くて、不思議がいっぱいですからねえ」

サオリ「遺跡以外は、そんなに不思議でもないんだけどねー」

みほ「戦車の中にクッションとかあるのは、不思議かな……」

サオリ「ええ!? だって長い時間遺跡に潜るんだよ?!」

ユカリ「あー! ほら! やっぱりそう思いますよねえ!」

ユカリ「バトルディッガーはこの武骨な感じがいいんですよお!」

みほ「あはは……」

みほ(なんだろう……夢っぽいからかな……)

みほ(それとも、戦車道っぽくないからかな……)

みほ(なんか、友達が出来たみたいで、ちょっと楽しい……) エヘヘ


みほ「でも、どうして戦車に乗ってまで、あんな危ない所まで……?」

ユカリ「勿論! ロマンがあるからですよ!」

ユカリ「謎の技術やモンスター蔓延る遺跡に、無骨なバトルディッガー!」

ユカリ「これ以上ない組み合わせだと思いませんか!?」

みほ「あ、あはは……」

サオリ「もー、みぽりん引いてるじゃん」

マコ「まあ、普通のモグラ乗りは、お宝目当てだろうな」

マコ「遺跡の大半は、とんでもないお宝とセットだ」

マコ「その大半は、願いが本当に叶うような代物」

マコ「もっとも、その分最深部にたどり着ける人間なんて、一握りだけどな」

サオリ「しかも大体生きて帰ってこないせいで、デマが広まってるだけで全然違うお宝だった、なんてこともあるしねー」

みほ「じゃあ……」

サオリ「そうそう」

サオリ「さっきまで遺跡も、お宝があったんだー」

ハナ「願う世界の自分と入れ替われるっていうバングルが眠っているという噂で」

マコ「……うちの隊長が、それを欲しがってな」

マコ「曰く、ずっと家に縛られてた自分が、私達のおかげで広い世界を知ることが出来た」

マコ「だから、もっと色々な世界を知りたい」

マコ「そして、そこで知ったことを使って、皆を幸せにしたい、だそうだ」

みほ「じゃあ、もしかして……」

マコ「十中八九、そのお宝が本物だったから、私達の隊長である西住さんと、入れ替わったんだろうな」

みほ「うう……」


みほ「どうしよう……引っ越しの準備とかもあるのに……」

ユカリ「え?」

サオリ「えっ、もしかして、みぽりんお家帰りたかった!?」

みほ「え、あ、その……はい……」

ユカリ「変ですねえ」

ユカリ「平行世界は無数にあるって話でしたから、せめて入れ替わる自分は選ぶって言ってましたけど……」

サオリ「違う世界に生きたいって願ってる平行世界の自分との入れ替わりを願う、って言ってたよね」

みほ「!!」

マコ「まあ、そこまで詳細な願いは無理だったということだろう」

サオリ「でもそれじゃあみぽりんが困っちゃうじゃん!」

マコ「……まあ、この西住さんに迷惑をかける、というのは、あの西住さんにとっては本懐じゃないだろうな」

ユカリ「西住殿は西住殿、どの世界であっても私の大切な人ですからねえ」

ユカリ「なんとか帰してさしあげなくては」

みほ「でも、どうやって……」

ハナ「やはり、願いを叶えてくれる系統の宝が眠る、別の遺跡に潜るのが一番では」

サオリ「うーん、でもこの辺だと、信憑性が高いのどこかなー」

ユカリ「このへん、わりと来たばかりですから、あんまり情報ないですもんねえ」

マコ「いつまでに戻らないとまずい、とかはあるのか?」

みほ「えっと……」

みほ(本当に入れ替わりが起きていて、時間の流れが一緒だとして……)

みほ(……最近は全然お姉ちゃんやお母さんとも口を聞いてないし、入れ替わった私でも家族はなんとかなる、かな……)

みほ(でも、転校はちゃんとして、馴染んでいきたいし……)

みほ「50日以内には帰りたい、かなあ」

サオリ「そうなると、あんまり遠くはいけないよねえ」

マコ「丁度良い所に酒場があるな」

みほ「ええ!? お、お酒飲むの!?」

ユカリ「飲みませんよお、モグラ乗りは情報収集の場に使うんです」

サオリ「日用品を売ってくれたりするしね~」

ユカリ「まあ、街中と比べると、どうしてもこういう町外れの酒場だと値が張るんですけどね」

ハナ「とにかく行って、遺跡の情報がないかどうか聞いてみましょう」


【町外れの酒場『トゥータ』】

カランカラン

アキ「いらっしゃーい!」

アキ「ミカ、やった、お客さんだよ! 久しぶりの!」

ミカ「お客さん……それは本当に大切なことかな?」 ポロローン

アキ「大切だよ! お客さんなんて半月ぶりなんだよ!?」

ユカリ「……入る場所、間違えちゃいましたかね……」

みほ「あ、あはは……」

ミッコ「まーまー、座んなよ」

ミッコ「ボロいお店だけど、味はいいからさ」

ミッコ「ほら、このウォッカなんて、そこの街から盗れたてホヤホヤだよ」

サオリ「ウォッカってとれたてって言葉使わない商品だよね???」


マコ「それより、情報を売って欲しいんだが……」

ミカ「情報……それは本当に必要なものかな?」

アキ「もー、なんですぐそう言うこというの!」

アキ「あ! しかも備蓄のサルミアッキまた食べてる!」

ミカ「あんまり美味しくはないね……」

アキ「じゃあ食べないでよ!」

ユカリ「ええと、話を進めて大丈夫でしょうか……」

ミッコ「あー、どーぞどーぞ」

ハナ「このあたりに、遺跡はありませんか?」

サオリ「あ、入れ替わりの宝で有名だったハナノミキ遺跡以外でね!」

サオリ「そこはもう攻略してきたから」 ブイッ

アキ「!」

ユカリ「遺跡は宝を取られると、ゲートが閉じて消滅しちゃうので、嘘じゃないことはすぐ分かりますよ」 フフン

アキ「……出てって」

みほ「え?」

アキ「いいから出ていって!」

アキ「モグラ乗りにあげるものなんて、なにもないから!」


【店の外】

ユカリ「追い出されちゃいましたねー」

マコ「何だったんだ一体……」

ミッコ「いやー悪かったね」 ヒョコ

ミッコ「モグラ乗りのせいでこの店もすっかり寂れて、苛立ってるんだ」

ガシャーン

マコ「すごい荒れ方だな……」

ミッコ「カンテレ飛んできたってことは、ミカのヤツ、なだめるのに苦戦してるなー」

ハナ「何かあったんでしょうか……」

ミッコ「……この近くにさ、ビッグウォッシュの街っていうのがあるんだ」

ユカリ「ああ、結構大きくて地図に乗ってましたね」

ミッコ「そこの近くに、遺跡が現れたんだよ。それも3つも」

みほ「!」

ミッコ「でもそれがまたちょっと変わっていてさ」

ミッコ「お宝は、3つ集めるとなんでも願いが叶う珠で、1つの遺跡に1つあるって話なんだ」

ユカリ「つまり、3つ全部攻略しないと意味がない……」

サオリ「でも、それだけハードルが高いってことは……」

ハナ「噂が本当なら、かなり高度な願いも叶いそうですね」


ミッコ「当然、そんな高確率で願いが叶うけど難易度の高い遺跡様が現れたってことでさ」

ミッコ「街に、厄介な連中が大挙してきちゃったんだよ」

ミッコ「で、街が3つの勢力に乗っ取られた」

ユカリ「3つの勢力、ですか……」

ミッコ「詳細は知らないんだけどねー」

ミッコ「……各勢力が拮抗しながら街を支配していって、1つずつ遺跡を抑えた」

ミッコ「で、膠着状態に入りながら、モグラ乗りを集ってる」

ミッコ「結果どんどん治安も悪くなるし、ここにも柄の悪い連中が接収気取りで略奪によくきてるってわけ」

ハナ「ひどい……」

サオリ「なにそれ、許せない!」

ミッコ「……そう言ってくれるならさ、情報量代わりに、ちょっとお願い聞いてほしいんだ」

ユカリ「お願い?」

ミッコ「……街に行って、遺跡を攻略しちゃってくれない?」

みほ「え……」

ミッコ「遺跡がなくなれば、柄の悪い連中も縄張り争いをする理由がなくなるしさ」

ミッコ「膠着状態も変わってくれるだろうし、結果色々あれば私達も盗りやすくなるし」

マコ「こいつらも大概悪人だな……」


ミッコ「まあでも、元々遺跡に行くつもりだったんなら、いいでしょ?」

ミッコ「やってくれるなら、うち来てくれたとき力になるからさ」

ユカリ「どうします、西住殿?」

ユカリ「……って、聞かれても困りますよね」

サオリ「そうだよゆかりん」

サオリ「……聞いたでしょ、みぽりん、バトルディッガーにあんまり乗りたくないんだから」

ミッコ「?」

ミッコ「なんで?」

サオリ「色々嫌な思い出があったんだって」

みほ「……」

みほ(戦車は、乗りたくない……)

みほ(私のせいで、何かが起こってしまうのが怖い……)

ハナ「とはいえ遺跡に潜ってみほさんをお家に帰してさしあげる必要はありますし……」

マコ「そうなると、バトルディッガーの運用経験のある車長を探す必要があるな」

みほ(……この世界では、それこそ、大会のときの比じゃないくらい、危ないことになるかもしれない)

みほ(……でも……)

ミッコ「うーん、さすがにフリーの車長に心当たりはないなあ」

みほ(これが夢かもしれない、っていうのもあるけど……でも、それ以上に……)

みほ(何もしないで皆が危険な目にあう方が、ずっと辛い)

みほ(私を帰そうとする皆が、傷ついて、帰ってきてくれない方が、怖い……)

みほ(だから……)

みほ「……やります……」

サオリ「え?」

みほ「遺跡攻略、やります……」

みほ「私、バトルディッガーに、乗ります……!」


【ビッグウォッシュの街】

サオリ「本当によかったの、みぽりん?」

みほ「うん……」

みほ「Ⅳ号……バトルディッガーで移動してる間、すごくよくしてもらったし……」

みほ「この世界の私のお友達と、その、私もお友達になりたかったから……」

サオリ「うう、みぽりーーーーん!」

ハナ「ふふ、私達はもうお友達ですよ」

マコ「っと、あれだな」

マコ「ついたぞ。さっきの店員が教えてくれた、この街唯一の安全地帯」

ユカリ「このお店の中では揉め事ご法度」

ユカリ「破れば街の住民すべてが命を賭してでも報復に来るほどの人気店」

ユカリ「ここが、リストランテ『アンツィオ』ですか……!」


【リストランテ『アンツィオ』】

カランカラン

???「お、いらっしゃーい。見ない顔だな!」

アンチョビ「私はこの店の店主、アンチョビだ!」

アンチョビ「よろしくなー!」

みほ「あ、西住みほです」 ペコリ

ユカリ「アキヤマ・ユカリ、装填手です」

マコ「……マコ」

ハナ「イスズ・ハナです」

サオリ「タケベ・サオリです、いい男がいたら教えてください!」

マコ「またそれか……」

ハナ「男性は紹介しなくていいですし、それよりも紹介してほしいところがあります」

アンチョビ「ん?」

ユカリ「私達、モグラ乗りなんです」

アンチョビ「!」

ザワザワザワ

アンチョビ「……さすがに店がピリついてくるな」

アンチョビ「ちょっとあっちで話そうか」

アンチョビ「ちょっと別室で話してくるから、あと頼んだぞペパロニー! カルパッチョー!」

ペパロニ「あいあいさー!」

カルパッチョ「ごゆっくり~」

アンチョビ「さ、こっちだ」


アンチョビ「とりあえずピッツァを食え、お腹をいーっぱいにしろお!」

みほ「わあ、すごく美味しい……!」

ハナ「この美味しさ……店が破壊されたら市民が暴動を起こすのも納得ですね」 ズゾゾゾゾ

アンチョビ「なんかあいつピッツァ吸ってない? どうなってんだ?」

マコ「気にするな、いつものことだ」

マコ「それより……」

アンチョビ「ああ……」

アンチョビ「うちにきて真っ先にモグラ乗りを名乗るってことは……」

みほ「はい……大体のことは、ミッコさんから聞いてきてます」

アンチョビ「ふむ……」

アンチョビ「まあ、ミッコには色々世話になってるしなあ」

アンチョビ「食べられる美味しい野草を教えてくれるから、食材がないときも営業できてるし……」

アンチョビ「ミッコの紹介なら、説明しないわけにはいかないか……」

みほ「……」

ユカリ「……」

ハナ「……」 モグモグズゾゾゾゾゾモグモグモグズビズバッ

サオリ「ちょ、食べるのやめなよ……」 ヒソヒソ

アンチョビ「あー、いい、いい。皆も食べながら聞いてくれ」

アンチョビ「……この街が、荒れてるのは知ってるよな?」

アンチョビ「それこそ、いつ死んじゃうかわからないから、お腹いっぱいここで食べてくって人が多いほどだ」


アンチョビ「その原因は、3つ集めると願いが叶う3つの宝玉――」

アンチョビ「それが眠ると言われる3つの遺跡を、3つの勢力が抑えているから」

ユカリ「……遺跡、下の階に行くのに必要なワープゾーンなんかは毎回ランダムですけど……」

ハナ「入り口と、一定の階層ごとに設置された脱出ゲートでの出口は、毎回固定ですもんね……」

アンチョビ「ああ」

アンチョビ「無理して突入しても、出口を抑えられたらおしまいだからな」

アンチョビ「だから他の陣営が抑えている遺跡を奪い取ろうと、街でずっと小競り合いを起こしているんだ」

みほ「……」 ギュッ

アンチョビ「はは、自分のことのようにつらそうにしてもらえると嬉しいよ」

アンチョビ「まあとにかく、そんな状況だ」

アンチョビ「自分のところの遺跡攻略をモグラ乗りにまかせて、自分達は他所の陣営を倒すのに注力したい」

アンチョビ「それがどこの陣営でも考えていることだ」

アンチョビ「どの陣営だろうと、協力を名乗り出れば簡単に受入れてくれるだろう」

みほ「……」

アンチョビ「とはいえ、狭い街だ。掛け持ちなんて考えない方がいいぞ」

アンチョビ「……後ろから撃たれる心配は、したくないだろうしさ」


マコ「それで、どんな勢力があるんだ」

アンチョビ「ああ、詳細は聞いてないのか」

マコ「ここで聞く方がいいと聞いた」

アンチョビ「まあ、ここはどの陣営からもお客さんがくるからなー」

アンチョビ「……それに、トゥータの皆はどの陣営も嫌いだろうしな」

アンチョビ「どの陣営にも、良いやつもいれば悪いやつもいる」

アンチョビ「それだけは、まず頭に入れておいてくれ」

みほ「……はい……」

アンチョビ「じゃあ、簡単に3つの勢力について解説するぞ」


アンチョビ「まずは、歓楽街を根城にしている<レッドタートル>だ」

ユカリ「れ、レッドタートル!?」

サオリ「知ってるの、ゆかりん?」

マコ「一部地方で有名なギャング集団だな……」

ハナ「そんな方々が、本当に?」

アンチョビ「ああ。実際に幹部クラスのヤツまできている」

アンチョビ「そのくらい、あの遺跡の宝の話は信憑性が高いんだろう」

アンチョビ「ギャングらしく、目的のためには手段を選ばない側面がある」

アンチョビ「が、身内には優しく、ノリもいい。仲良くなると、楽しい連中ではあるよ」

アンチョビ「ギャングだからか変なやつも多いが、戦力って意味じゃあ、かなりのものがあるな」

みほ「なるほど……」


アンチョビ「それから、<ブラックティーガー>と名乗る兵隊崩れの集団が港を占拠している」

アンチョビ「港の倉庫を抑えているから、装備は充実」

アンチョビ「軍隊仕込みで戦闘力も高い」

アンチョビ「統率についても一級品だな」

アンチョビ「上下関係にも厳しく規律もあるが、モグラ乗りなら高待遇になるだろう」

マコ「……それだけ聞くと、そこ一択に聞こえるな」

アンチョビ「だがまあ、問題もなくはない」

アンチョビ「……どこか遠い地からやってきた敗残兵って話だからな」

アンチョビ「かなりピリついているとも聞く」

みほ「……」

アンチョビ「あとはまあ、さすがに向こうの隊長様は来客のモグラ乗りより偉い立場だろうからな」

アンチョビ「あまり逆らうわけにもいかない、という点ではレッドタートルもそうなんだが……」

アンチョビ「隊長の神格化は、レッドタートルの比じゃないからな」

アンチョビ「下手に逆らいすぎると、背中から撃たれる可能性は一番高いかもしれない」

ユカリ「なるほど……」


アンチョビ「それから、一応、<ブルーチーター>ってならず者の集団がいるが……」

マコ「ならず者の集団、といっても、ギャングや兵隊と並ぶほどなんだろう?」

アンチョビ「ああ……」

アンチョビ「ならず者の集団というより、寄せ集めという感じだな」

アンチョビ「元々は宗教団体だったんだが、如何せん戦力ではぶっちぎりで劣っている」

アンチョビ「だから次から次に仲間入りを希望するやつを採用していたら、ここまで大きくなったって感じでなー」

アンチョビ「本拠地は高級住宅街とスラムの境目で、その両方に構成員がいる」

アンチョビ「まあ色々自由に動けるところではあるが……」

アンチョビ「スラム組と、宗教団体幹部で財を持ってる組とで、揉めまくっているからなあ」

アンチョビ「あんまり戦力のバックアップは期待しない方がいいぞ」

ユカリ「自由度極振り、という感じでしょうか……」


アンチョビ「……一応、この3つとも、常連がいるから、どこにでも紹介は出来るぞ」

アンチョビ「うちの店で皆で仲良くパスタを食べたら友達だからな!」

アンチョビ「……どこにするか決めたら連絡を……」

ハナ「いえ、この場で決めます」

アンチョビ「ふえ?」

アンチョビ「じっくり見てから選ばなくていいのか?」

ハナ「ええ。あまり時間がありませんから」

サオリ「うん、そうだよね」

みほ「ごめんね、私のために……」

サオリ「いいのいいの、私達、もう友達じゃん」

ユカリ「そうですよ!」

みほ「みんな……」 ジーン


アンチョビ「それじゃあ、どこにするんだ?」

マコ「……西住さんが決めたらいいんじゃないか?」

みほ「え?」

ユカリ「そうですね、それがいいと思います」

サオリ「うん。皆のためにモグラに乗るって言ってくれた姿、すごく頼りになるって感じだったし」

ユカリ「どの世界の西住殿もやっぱり西住殿って感じでしたもんね!」

ハナ「ええ。みほさんの選んだ道ならば、誰も文句はありません」

マコ「私達の隊長は、西住さんだ」

みほ「ええと、それじゃあ――――」


所属するチーム(レッドタートル、ブラックティーガー、ブルーチーターから選択。それ以外は無効票とし、安価下はなし。同票なら再投票)
>>25-30で多数決

ホワイトチーター

猛省。人が少ない前提で細々とサクサクやっていきます

投票結果
レッドタートル1
ブルーチーター2
ブラックティーガー2
無効票1

よって決選投票、単発安価
>>32
ブルーチーターかブラックティーガーで(どちらでもない場合安価下)

ブラックでお願いします


みほ「ブラックティーガーでお願いします」

サオリ「ええー……大丈夫? ちょっと怖そうだけど……」

ユカリ「いやいやー、偏見はよくないですよっ」

ユカリ「本物の兵隊さんですよぉ」

ユカリ「それに、一部の国では兵隊がバトルディッガーに乗ったりするそうです」

ユカリ「貴重な軍事用バトルディッガーについて知れるかもしれないじゃないですか!」

ユカリ「私は西住殿を全面的に支持します!!」

みほ「あ、あはは……」

みほ(よく分からなかったし、あんまり3つの勢力の名前覚えられなくて、記憶に残ってたティーガーをあげた、なんて言いにくいな……)


アンチョビ「まあ、ちょっと怖いが……悪い奴らではないさ」

アンチョビ「少なくとも、うちの店は良くしてもらってるしな」

アンチョビ「おーい、ペパロニ」

ペパロニ「はいはい、なんっすかー」

アンチョビ「ちょっくらこの人達を港に送ってくるから、店番頼めるか?」

ペパロニ「おっ、余裕っすよーこれでも鍛えられて結構たつんすよー?」

アンチョビ「大丈夫かなあ……」

ハナ「あの、不安なら、無理についてきていただかなくても、地図とかをいただければそれで……」

アンチョビ「ああ、いい、いい」

アンチョビ「丁度ピッツァの宅配も入っているし」

アンチョビ「それに、あちらさんのリーダーとは懇意にしてるしな!」

アンチョビ「結構侵入者に厳しい連中だし、私がいる方がいいだろ」

みほ「ありがとうございます、ついてきていただけると心強いです」


【港】

サオリ「うわあ、なんか迷彩柄の人がいっぱいいる……」

ユカリ「ワクワクしますねえ、西住殿!!」

マコ「ピリピリしていて眠りにくそうなんだが……」

ハナ「それでもアンチョビさんを見ると、兵士の方々、笑顔で敬礼してくれますね」

アンチョビ「まーなー」

アンチョビ「いわゆる敗残兵だから、結構食うものに困ってるらしくてなー」

アンチョビ「たまに期限切れそうでもうお客さんに出せないやつとかで料理作ってやってるんだ」

みほ「わあ……すごいですね」

アンチョビ「一応ガラクタ山の方のスラムでもやってるんだけど、炊き出しエリアで揉められることとかもあるからなー」

アンチョビ「ノリ一点特化なペパロニが歓楽街に炊き出しにいって、チンピラノリにも慣れてるのに上品な物腰なカルパッチョがガラクタ山に」

アンチョビ「そんでもっていざ何かあったら一番逃げ切れなさそうなここには私がよく来てるってわけさ」

アンチョビ「……っと、ついたぞ」

アンチョビ「この倉庫だ」

アンチョビ「おーい、マホ、入るぞー」 ガラガラガラ

みほ「…………」

みほ(まほ?)

        /{//////ヾ========='"////ノ: : : :ヾ、
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      ./: :///: : :"'''- .._//////十/// : : : : : : : : : : : ヽ
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           |    |      「 ;        |:│    |


マホ「ん? そちらは……」

アンチョビ「ああ」

アンチョビ「旅のモグラ乗りらしい」

マホ「なに?」 ピクッ

アンチョビ「ブラックティーガーに力を貸してくれると……」

アンチョビ「って、うわあ!? 大丈夫か!? 顔色悪いぞ!?」

みほ「大丈夫です……」

みほ「あ、ごめんなさい、誰かビニール袋とか持ってたりは……」

マホ「ん?」

マホ「ビニール袋ならあるが……何に使うんだ?」

みほ「いえ、ちょっと胃液を……」

アンチョビ「なんで????????」


マホ「よく分からないが……体調がすぐれないのなら、ゆっくり休むといい」

マホ「これから力を借りるんだ、いい家を与えよう」

ハナ(心配しているようでいて、しれっと断らせず味方に引き入れてきましたね……)

マコ(まあ、囲まれているし、拒否は出来ないだろうな)

みほ「大丈夫です、慣れてますし……胃袋を空っぽにしたら透明な液が少し出るだけだから……」

サオリ「いやそれ大丈夫じゃないよね!?」

サオリ「……ねえ、本当に大丈夫?」

サオリ「みぽりんが本当に嫌なら……私、付き合うよ」

みほ「……え?」

サオリ「本当に嫌なら、一緒に逃げてあげる」

サオリ「だって私達、友達だもん」

みほ「サオリさん……」

マコ「仕方ないな。そうなったらどこへだろうと行ってやる」

ハナ「私達は、みほさんに従いますよ」

ユカリ「本音を言えば、私はちょっとだけブラックティーガーに入りたいですけど……」

ユカリ「でも、自分のそんな欲望より、私は西住殿の方が大事ですから!」

みほ「みんな……」

みほ「ごめんね……」

ユカリ「違いますよ」

ユカリ「こういうときは、『ありがとう』です!」


みほ「……」

みほ(人と人の出会いには不思議な引力が働いている……)

みほ(この世界の私は、そんなことを言っていたんだっけ……)

みほ(この世界のお姉ちゃんは、私のこと、知らないみたいだけど……)

みほ(それでも、きっと、私達は引力に導かれて出会ったんだ……)

みほ(だったら……)

みほ「私……ブラックティーガーに入ります」

ユカリ「!?」

サオリ「みぽりん!?」

ハナ「よろしいのですか……?」

みほ「はい……」

みほ(お姉ちゃんは私のことを覚えてない……)

みほ(私達は姉妹じゃない……)

みほ(逆に言えば、あっちの世界で私を縛り、私達を隔絶していたものも、なにもない……)

みほ「私は……血反吐を吐こうとも、このブラックティーガーでやっていきたいです……!」

みほ(だから、もう、逃げない……)

みほ(失敗しても、元の世界に逃げ帰るだけのこっちの世界でまで逃げちゃったら、きっともう、帰ってからも仲直りなんてできないからッ)


コンコン

???「失礼します!」

???「ビニール袋、お持ちいたしましたっ!」 ケイレイッ

マホ「ご苦労だったな、エリカ」

エリカ「はい!!!」

オゲーーーーーーーーーーーー

アンチョビ「うわあああああああっ、みほがピンクのゲロ吐いた!!!!」


エリカ「うわっ、ちょ、何よアンタ!」

みほ「ぇぷ……エリk……逸見さんまでいるなんて……」 オメメグルグルー

サオリ「みぽりん大丈夫!?」

マホ「なんだ、二人は知り合いなのか?」

エリカ「はぇ!? ち、違います! 知りませんよこんなヤツ!」

エリカ「何なんですか、このイラッとくるくらい陰気な子は!?」

サオリ「ちょ、ちょっと、言い過ぎじゃない!?」

エリカ「うっさいわよ雑兵」

エリカ「上官に対する口の効き方には気をつけなさいよ」

みほ(この感じ……エリカさんだなあ……) ホッコリ

アンチョビ(何でこの流れで実家のような安心感を味わってるみたいな顔を……???)


マホ「エリカ」

マホ「彼女達は、モグラ乗りだ」

エリカ「!?」

エリカ「こ、こんな奴らが……!?」

エリカ「た、隊長~! 遺跡なら、私達だけでも……」

マホ「……そうは言っていられまい」

マホ「我々とて、すでに追い込まれている」

マホ「協力は必要だ」

エリカ「うう……」

エリカ「……」 ギロリ

エリカ「ふんっ……」

エリカ「田舎ならアンタらみたいなのでもモグラ乗りになれるのね」

アンチョビ「おいおい、仲良くしろよ~」

エリカ「ふん……気に入らないけど……隊長のお言葉は絶対」

エリカ「いいわ、最低限の協力くらいしてあげる」

エリカ「私はイツミ、階級は曹長」

エリカ「隊長の補佐が主な仕事だけど……」

エリカ「今は人手不足なのもあって、遺跡に関すること全般を管理しているわ」


サオリ「えー……じゃあこの人の下で働くの……?」

マコ「まさにブラックだな……」

アンチョビ「まあまあ」

アンチョビ「ほら、いっぱいピザも持ってきたし、サービスパスタも用意してあるからさ!」

アンチョビ「みんなで食べて親睦を深めよう!」

アンチョビ「特別に、1枚につき2枚タダ!って計算で、支払いオマケしておくからさ!」

マホ「ふっ……助かるよ」

マホ「エリカ。皆を呼んできてくれ」

エリカ「はいっ、隊長!」

サオリ「うーん、見えないはずの尻尾が見えるわ……」

マコ「凄い勢いでブンブン振られているな……」

みほ(あの二人は、こっちでも変わらないなあ)


ゾロゾロガヤガヤ

みほ「……」

みほ(知らない人も多いけど……)

エリカ「……」 ワイワイ

小梅「……」 ワイワイ

直下「……」 ワイワイ

みほ(知ってる顔も結構あるなあ……)

マウ子「……」 ワイワイ

ヘッツァーがいるぞ子「……」 ワイワイ

みほ(みんな、お姉ちゃんの魂に引かれてるのかな……)

マホ「……」 ワイワイ

ブロッケンJr「……」 ワイワイ

げし子「……」 ワイワイ

みほ(なんか見たこと無い変な人も時折混ざってるけど……)

みほ(……)

みほ(ピリピリはしてるけど、ご飯のときくらい、仲良くしたい、かも……)

みほ(もう一人でおトイレこもって食べたくないし……)


サオリ「みぽりん、ちゃんと食べてるー?」

みほ「わっ、サオリさ……」

みほ「」

サオリ「もー、ほら、やっぱそのボリュームは普通見るだけで固まるんだって」

ハナ「遠慮して、1種類につき1切れしか取ってきてないのですが……」

サオリ「両手で足りないくらいの種類のピザが並んでるんだよ!?」

サオリ「っていうか、パスタも食べてたじゃん!」

みほ「……ふふ」

サオリ「?」

ハナ「?」

みほ「あ、えと、ごめんなさい」

みほ「その……なんか、楽しいご飯って、久しぶりで……」

サオリ「みぽりん……」

ハナ「……これからは、毎日楽しk皆でご飯、食べましょうね」


アンチョビ「お、いたいた」

みほ「アンチョビさん。それに、ユカリさんとマコも」

サオリ「どこいってたのー? さっきまでいなかったよね?」

アンチョビ「ああ。見張りとかで食べに来れない人もいるからな」

アンチョビ「そういう人達に、合間を縫って食べれるように届けてきたんだ」

マコ「やれやれ、面倒なことにつきあわされたものだ」

ユカリ「私は、それについていって色々見学を……」

マコ「私も、使っていない寝具を見せてもらって、枕を見繕ってきた」

サオリ「……そういえば、寝泊まりって」

エリカ「こちらで一軒家を用意したわ」

サオリ「イヌミさん!!」

エリカ「イツミよイ・ツ・ミ!!」

エリカ「あんただけ桟橋の上で寝かせるわよ……ったく……」


エリカ「とにかく!」

エリカ「物資も限られていて、ほとんどの兵士が宿舎に雑魚寝の中、あんたらは一軒家に住めるのよ」

エリカ「少しは感謝することね」

アカホシ「皆で1つのお家だから、少し狭いかもしれないけど……」

サオリ「わっ、びっくりした」

アカホシ「ごめんなさい、イツミ曹長の態度が大きすぎて、私の体が隠れちゃってたのかも」

エリカ「おい」

アカホシ「冗談ですよ、冗談」

アカホシ「……みなさんはじめまして、私はアカホシ・コウメといいます」

アカホシ「階級は軍曹で、皆様のお世話係に任命されました!」

アカホシ「お家まで後ほど案内しますし、何かあったら気軽に言ってくださいね!」

ユカリ「へえ~、曹長クラスの人がお世話係だなんて……本当にモグラ乗りって高待遇なんですねえ!」

マコ(……監視役なんかも兼ねているんだろうな)


【家】

サオリ「あ~~~~~楽しかったー!」

ハナ「ご飯もとても美味しかったです」

ユカリ「色々貴重な話が聞けて最高でした!」

マコ「ベッド……ふかふか……ぐぅ」

サオリ「ちょ、マコ! 服、しわになるよ?」

アカホシ「あはは、喜んでくれたならよかった」

アカホシ「……あんなご馳走、めったに食べられるものじゃないから」 ポソリ

みほ「え?」

アカホシ「あ、いえ、その……あ、そうだ!」

アカホシ「この近辺の遺跡なんですけど、基本的に5日に1回入れるようになるんです!」

アカホシ「昨日調査で入ったばかりなので、次は4日後なんですけど……」

アカホシ「それまでは、好きに行動してもらっても構いませんよ」

アカホシ「用があれば、呼んでもらえたらと思いますので」

みほ「わかりました」

アカホシ「そうは言っても、明日は朝から仕事なんですけどね」

サオリ「うわー、がんばってください」

アカホシ「はい」

アカホシ「それじゃあ、私は1階で寝ますので……おやすみなさい」

みほ「おやすみなさい」


みほ「…………」

みほ「…………」

みほ「…………」 モゾッ

みほ「…………」

みほ「…………」 モゾッ

サオリ「……眠れない?」 ヒソ

みほ「あ……」

サオリ「あー、謝らなくていいよ」 ヒソヒソ

サオリ「……みぽりんからすれば、知らない世界で最初の夜だもんね」 ヒソヒソ

サオリ「……ちゃんと眠れてるかなーって気になっちゃって、眠れなくってさ」

みほ「サオリさん……」

みほ「……」

みほ「不安も……あるし……少し、怖いんだけど……」

みほ「でも、でもね……」

みほ「少しだけ……楽しいんだ……」

みほ「お友達と楽しく喋って、ご飯を食べて、一緒にお泊りして」

みほ「……家に縛られて、何も出来なかったあの頃とは、違っていて……」

サオリ「みぽりん……」

ギュウッ

みほ「さ、サオリさん!?」

サオリ「私もさ……楽しいよ」

サオリ「今のみぽりんも、こっちの世界のみぽりんも、一緒にいて、すごく楽しい」

サオリ「だから、ほら、なんっていうかさ……」

サオリ「家には絶対、私達が帰してあげるから」

サオリ「不安とか、抱え込まないでね」

みほ「サオリさん……」 ジーン


ハナ「ふふ……私だって、同じ気持ちですよ」 ギュウッ

みほ「は、ハナさん!?」

サオリ「あちゃー、起きてきちゃったかー」

マコ「あんな長々と喋ってたらそりゃな」

サオリ「もー、朝だったらもっと大きな声で長々喋ってても起きないくせにー」

ユカリ「ふっふっふ」

ユカリ「みんなにばっかりいい格好させませんよー!」 ギュウッ

みほ「あはは……みんな、ありがとう」

みほ(あったかい、なあ……)

みほ「……おやすみ、みんな」

みほ「……」

みほ「……」

みほ「ありがとう」

みほ「……」

みほ「……」

みほ(くっつきすぎて、暑くて眠れない……)


<2日目>


コーケコッコー!


【家】


みほ「ん……」

みほ「あれ……みんなは……?」

置き手紙『気持ちよさそうに寝ているので、起こさずにでかけてきます ユカリ』

みほ「…・・・・起こしてくれてもよかったのに」 フフ

マコ「……ZZz」

みほ「……」

置き手紙『マコを起こそうと音を出すと、絶対みぽりんも起きちゃうから放置していきます。マコはほっといていいからね! サオリ』

みほ(全く起きてくる気配がない……)


みほ(とりあえず、こっちの世界に来て2日目……)

みほ(まだ分からないことだからけだし、どこか見て回るか、誰かとお話しようかな……)


何をする?(下記より1つ選択) >>53

・港に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う

エリカに会う

マイペースに投下します
あと、過疎スレだし、基本的に安価の連続取得等は制限なしということで


【港・ブラックティーガー本部】

マホ「……みほか」

マホ「何か用か?」

みほ「えっと……その、逸見さん、いないかなって……」

みほ(お姉ちゃんと話すの、不思議な感じだなあ)

マホ「エリカか……」

マホ「この時間なら、我々が管轄している遺跡にいるだろうな」

マホ「地図を描こう」

みほ「ありがとう! ……ございます」

マホ「……」 カキカキ

マホ「ほら」

みほ「わ、わあ……」

みほ(絵が下手……)


【黒の遺跡前】

エリカ「……」

みほ「逸見さん」

エリカ「っ!」 バッ

エリカ「あんたか……驚かせないでよ」

みほ「ご、ごめん……」

エリカ「……言っておくけど、私はまだアンタを認めたわけじゃないわよ」

みほ「うん……そうだろうと思った」

みほ(結局……私のよく知る逸見さんとも、仲良くなれなかったっけ……)

エリカ「それで、ここに何の用なの」

エリカ「遺跡はまだ入れないわよ」

みほ「ええと、>>57


返答、下の選択肢から選択(選択肢以外が選ばれたら安価下)
A:遺跡の下見に……
B:逸見さんとお話がしたくて……
C:お散歩してたら偶然見つけて……
D:逸見さんを始末しに……

B


みほ「逸見さんとお話がしたくて……」

エリカ「話ぃ?」

エリカ「……まあいいわ」

エリカ「スクワットしながらでいいならね」

みほ「……ストイックだなあ」

みほ「……」

みほ(揺れてる……知ってる逸見さんより大きい……)

みほ(いや、この世界だとスポーツブラがない、とかかな……)

エリカ「それで?」

みほ「ふぇ?」

エリカ「アンタが声かけてきたんだから、アンタが話題をふりなさいよ」

みほ「え、ええと……>>59


A:いい天気ですね……
B:逸見さんは、どうしてここで筋トレを?
C:おね……まほ隊長、すごい人ですよね
D:その他(自由に内容を併記)

B


みほ「逸見さんは、どうしてここで筋トレを?」

エリカ「はあ?」

みほ「逸見さん、位も高いから、広い部屋をあてがわれてるって聞いたから……」

みほ「それに、仕事内容的にも、遺跡に来てやる必要はない業務ばかりだって」

エリカ「…………」

エリカ「42人」

みほ「え?」

エリカ「……前回の遺跡攻略作戦の際、戦死および行方不明になった人数よ」

みほ「!!」

エリカ「……」

エリカ「特殊カーボンのモグラの中にいれば、モンスターの攻撃でもある程度耐えられることは分かっている」

エリカ「私達の数少ない保有モグラの内、3輌が取り残されてるわ」

エリカ「……まだ皆、死んだと決まったわけじゃない」

みほ「……」

エリカ「入り口は5日ごとしかゲートが開かないけど、出口はそうとは決まってないもの」

エリカ「……みんな、きっと生きてて、出てきてくる」

エリカ「だから私は……置き去りにして生還してきた者として、いつ戻ってきても出迎えられるようにしておく義務があるのよ」


エリカ「……」

エリカ「アンタみたいなヤツに、頼りたくなんてないわ」

エリカ「私は誇り高き帝国軍人よ」

エリカ「……」

エリカ「でも隊長は、アンタ達専門家に任せようって言っていた」

エリカ「……悔しいわ」

エリカ「それに、弱い自分が腹立たしい」

エリカ「……」

エリカ「それでも、アンタは託されたんだから」

エリカ「腑抜けたら承知しないわよ」

エリカ「……しっかり遺跡を攻略して……」

エリカ「出来たら、私の部下も……」

エリカ「……」

みほ「エリ……逸見さん……」

みほ(私が別世界から来た遺跡の素人だってこと、もうこれ絶対言えないよね……)

エリカ「あーもう、ほら、アンタがいると仕事のジャマよ!」

エリカ「喋りすぎちゃったじゃない!」

エリカ「ほら、帰った帰った!」

グイグイ

みほ「追い出されちゃった……」

みほ(でも……なんだかこの世界の逸見さんのこと、少しわかったような気がする……)


<2日目・夜>

ユカリ「いやー、ついつい軍の話を聞き入っちゃいましたねー」

マコ「ベッドがいい感じにふかふかだったぞ」

ハナ「ご飯も美味しいですね」

サオリ「もー、みんな好き放題でー」

サオリ「みぽりんも、ごめんねー一人にしちゃって」

サオリ「心細かったり寂しかったら言ってね、一緒にいてあげるからっ」

ユカリ「そうですねー、西住殿がしんどかったら言ってくださいね」

みほ「あ、ううん、大丈夫」

みほ「一人には慣れてるから」

サオリ「え、なにそれ重い話?」


マコ「まあ、私達と居ても気を使う、みたいな可能性もあるしな」

ユカリ「ええ~」

みほ「そ、そういうわけじゃ……」 アセアセ

マコ「それに、情報収集にしろ何にしろ、バラけた方が効率的ではある」

マコ「……やりやすいようにしたらいい」

ユカリ「……ですね」

ユカリ「西住殿は私達のリーダーですから!」

みほ「……うん、ありがとう」

みほ(……明日は何をしようかなあ)


何をする?(下記より1つ選択) >>64

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う

赤星に会う


アカホシ「それじゃあみなさん、消灯ですよ」

みほ「あ、赤星さん……」

アカホシ「はい」

みほ「明日、少し付き合ってもらっても……」

アカホシ「!」

アカホシ「勿論です」

アカホシ「皆さんのお世話がお仕事、というのもありますけど……」

アカホシ「みほさん達とは、その……仲良くしたいなあって気持ちも、本当ですから」 エヘヘ

みほ「それじゃあ、また明日…!」

アカホシ「うん。また明日」

アカホシ「おやすみなさい」

みほ「うん。おやすみなさい」


【3日目】

チュンチュンチュン

みほ「ん……」

みほ(今日は早めに起きちゃったな……)

みほ(早朝練習の癖が抜けてないなあ)

みほ(みんなまだ寝てる……) モゾ

みほ(……)

みほ(あ、でも1階から物音が……)


トントントン(階段を降りる音)

みほ「……あ」

アカホシ「わ、おはようございます。早いですね」

みほ「あはは……いつもの癖で……」

アカホシ「そうなんですね」

アカホシ「でも、少しわかるなあ……」

アカホシ「私も、結構軍で早起きに慣れちゃって、目覚ましなしでも起きちゃうんですよね」

みほ(そういえば、私の知ってる赤星さんも、真面目に朝から練習してたっけ……)

みほ(……あの大会のあとでも……)

アカホシ「丁度ご飯作ってたんですけど……」

みほ「わあ、いただいてもいいんですか?」

アカホシ「勿論……!」

アカホシ「皆さんの分も作っておく予定でしたし」


みほ「わあ、美味しい……素朴な味……」

アカホシ「食事の美味しさは士気に関わりますしね」

アカホシ「本物の木の根を食べていたときと違い、今はちゃんとゴボウが手に入るので助かるなーって」

みほ(食べてたのかな……木の根……)

アカホシ「それで、食べたらどうします?」

アカホシ「一応、今は皆さんのお世話以外に特に任務はないので、なんでもお手伝いは出来ますけど」

みほ「……」

みほ「あれ、だとすると、私達が声をかけてなければ……」

アカホシ「あ、別にその場合でも、サボってるわけじゃありませんよ?」

アカホシ「ユカリさんと一緒にバトルディッガーの整備をしたり、食事の準備をしたり」

アカホシ「他にも……一緒に潜ってくれそうで、なおかつ向いていそうな人員をピックアップしたり」

みほ「ふえ? 人員……?」

アカホシ「はい」

アカホシ「……カーボンのおかげで、バトルディッガーの中は安全ですが……」

アカホシ「バトルディッガーの体躯では通れない場所というのもありますから」

アカホシ「斥候要員なんかも必要ですし、車外に出る人間は必要です」

アカホシ「とはいえ、皆さんは5人で1つのチーム」

アカホシ「万が一にも欠けさせるわけにはいきません」

アカホシ「だから――私や、他の者が、斥候要員として、同乗します」


みほ「……」

アカホシ「そんな顔しないでください」

アカホシ「……別に、捨て駒というわけじゃ、ありませんから」

アカホシ「それより、いい天気ですし、外に出ませんか?」

アカホシ「あまりここでお喋りをしていると、上の皆を起こしちゃいそうですから」

みほ「あ、それは、そうか……」

みほ(こっちの世界の赤星さん、かあ……)

みほ(どうやって一緒に過ごそうかな……)


>>70
A:お店に入って雑談をする
B:一緒に街をぶらぶら歩く
C:遺跡攻略について話をする
D:目星をつけている人員を紹介してもらう
E:ホテルPAWA
F:その他(内容併記)

C

寝落ちしてました、申し訳ない


みほ「遺跡なんですけど……」

みほ「何か、分かっている情報とかはありますか?」

アカホシ「そうですね……」

アカホシ「遺跡は毎回入る度にちょっとずつ構造が変わるって話だから」

アカホシ「あまり参考にならないかもしれませんけど……」

みほ(そうだったんだ……)

アカホシ「なんだか巨大なスライムがいて……」

みほ「スライム……」

みほ(弱そうだし、それならなんとか……)

アカホシ「銃撃も効かないし、刀で切ることも出来ないし……」

アカホシ「取り込まれたら呼吸も出来ない」

アカホシ「……今思い出すだけで、寒気が、します」 カタカタ

みほ(う、うええ……そんなに……怖いんだ……)


アカホシ「……」

アカホシ「私……」

アカホシ「失敗をして、スライムに、食べられたんです」

みほ「え!?」

アカホシ「バトルディッガーの中にいても、隙間から侵入されるようで……」

みほ「……」

アカホシ「まるで溺れているかのように苦しくて……」

アカホシ「……体中をスライムに犯されているようでした」 ガタガタ

みほ「その……」

アカホシ「……他の乗組員が、助けてくれたんです」

アカホシ「……」

アカホシ「何人かで引っ張れば救出できる」

アカホシ「それが、あの出来事で、唯一得たものかもしれません」


アカホシ「その後は、地獄でした」

アカホシ「スライムから助け出された私の目に飛び込んできたのは、天井を埋めるスライムの群れ」

アカホシ「……私が叫んだのと、目の前で担任が食われたのは、ほぼ同時」

アカホシ「助けようとした。助けたかった」

アカホシ「でも……数が多すぎた」

アカホシ「それでも何とかしようと、皆色々試そうとして、そして――」

アカホシ「……」

アカホシ「イツミさんが、撤退命令を出した」

アカホシ「全滅をさけ、勝利を見据えた的確な判断だったとは思う」

アカホシ「でも……」

アカホシ「その判断に乗っかって、誰が襲われているかも把握できぬまま、脱出口へと駆け出したときの私は……」

アカホシ「多分、自分のことしか考えれてなかった……」

みほ「赤星さん……」


みほ「私も……似たようなことがありました」

みほ「溺れたアk……仲間を助けようとして、結果チームを壊滅に追い込んでしまったことが……」

アカホシ「みほさん……」

みほ「……夢に見るんです」

みほ「あのときのことを」

みほ「自分の判断は正しかったって、そう思いたいのに」

みほ「お前のせいだって責める言葉が……消えないんです」

アカホシ「……私達、似た者同士なのかもしれませんね」

アカホシ「仲間を助けるため、動けたかどうかは真逆ですけど」

みほ「……結果として、味方がまだ生き残っているかどうかも、真逆ですよ」

アカホシ「……だから、モグラ乗りが見つかったって聞いて、志願したんです」

アカホシ「もう、逃げたくないから……」


アカホシ「私……バトルディッガーが好きなんです」

アカホシ「軍に入ったのも、それが理由で」

アカホシ「といっても……もう、私が指揮した戦車は、遺跡で大破しちゃったんですけど」 アハハ

みほ「……私は……」

みほ「戦車が……バトルディッガーが好きなのか、よく、わかりません」

みほ「でも……」

みほ「これ以上、嫌いにはなりたくないから」

みほ「アカホシさんと一緒に遺跡にいって、一緒に帰ってきます」

みほ「そのつもりです」

アカホシ「……はい」

アカホシ「皆で無事に帰ってこれるように……がんばりましょうね」

みほ「うん……」


<3日目・夜>


【歓楽街】


???「ふーん、それでー?」 モグモグ

???「はっ。どうやらブラックティーガーの連中が、流れのモグラ乗りを味方に引き入れたようです」

???「なるほどねー」 モグモグ

???「ちょーっと対策取る必要あるかもねえ」 モグモグ

???「かーしまー」 モグモグ

モモ「はっ」

???「ブラックティーガーを追い出しにかかるよお」 ニィ


【4日目】


みほ「ん……」

みほ「もう朝、かあ」

みほ「……」

みほ(明日には、遺跡にいくんだよね……)

みほ「……」

みほ(じっとしてると落ち着かないな……)


何をする?(下記より1つ選択) >>80

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う

市場に行く


みほ「ふう……」

みほ「不安になって市場にきたけど……」

みほ(武器関係はユカリさんが準備してたし、ご飯とかは赤星さんが用意してくれてたんだよね……)

みほ(一応、こっちの世界の私が溜めたお金を使っていいって言われているけど……)

みほ「ちょっと躊躇うなあ……」

みほ(何を買えば役立つのかも、ピンとこないし……)

ポン

みほ「ひゃっ」


みほの肩を叩いて声をかけてきた人物(登場済みキャラでも未登場キャラでもOK) >>82

アンチョビ


みほ「あ、アンチョビさん!」

アンチョビ「はは、驚かせてごめんごめん」

アンチョビ「どうしたんだ、買い物か?」

みほ「あ、はい……」

みほ「アンチョビさんは……」

アンチョビ「ああ、店の買い出し」

アンチョビ「この時間帯はそんなにお客さんも来ないから、店はペパロニとカルパッチョにまかせてあるんだ」

みほ「あのお二人に……」

アンチョビ「不安そうになるのもわかるけど、いやまあ、カルパッチョの方はすごい頼りになるんだぞ?」

アンチョビ「ペパロニはちょーっと頼りないけど……」

アンチョビ「それでも、私の後継者になるなら、あいつだって思ってるからな」

みほ「信頼しているんですね」

アンチョビ「まーなー……」

アンチョビ「姐さんだなんだって言われるけど、私がこーして頑張れてるのも、二人がいてくれるからだよ」


アンチョビ「そういえば、何を買いに来たんだ?」

みほ「ええと、それが……」

みほ「よく分からなくて……」 エヘヘ

アンチョビ「はあ? なんだそれ」

アンチョビ「しょうがないなあ、ちょっと付き合ってやる」

みほ「いいんですか?」

アンチョビ「ああ」

アンチョビ「モグラ乗りなら、私の後輩ってことになるしな!」

みほ「え? アンチョビさん、昔モグラ乗りだったんですか?」

アンチョビ「まーなー」

アンチョビ「って言っても、小型の偵察用のヤツだけどな」

アンチョビ「だから遺跡探索者相手に商売始める連中の相談にも乗ってやってるんだ」

アンチョビ「保存食から武器、便利道具、変な面白アイテムまで、言ってくれたら扱ってるとこ紹介するぞー」 ハハハ

みほ「あ、それじゃあ、>>85なんかも……」

アンチョビ「おお、扱ってるところ、あるぞー」

奴隷


みほ「あ、それじゃあ、奴隷なんかも……」

アンチョビ「おお、扱ってるところ、あるぞー」

アンチョビ「……あるけど、本気か?」

みほ「ええと……はい……」

みほ(こういうファンタジーだと、奴隷制度があって、そこで奴隷と仲良くなると良い、みたいなのが流行ってるんだよね……確か……)

アンチョビ「んー……私はあんまり好きじゃないんだけどなー、奴隷」

みほ「えっ、そうなんですか?」

アンチョビ「私は皆で仲良く笑ってパスタを食べれるような世界になってほしいと思ってるからなあ」

アンチョビ「まあ、私自身、ビンボー側っていうのもあるけど……」

アカホシ「奴隷、一応、条約では禁止になっているんですけどね」 ヌッ

みほ「わあ!?」

アカホシ「こんにちは。偶然ですね」

みほ「びっくりしたあ……」

アカホシ「私も買い出しだったので……」

アカホシ「っと、奴隷ですけど、条約で禁止されてるので、あんまりストレートに『奴隷』として売られていることは少ないですよ」

アンチョビ「この街でも、“おてつだいさん”として売られているしなあ」

アカホシ「……ちなみに、私の国では“部下”という名前で奴隷を呼んでいます」

アカホシ「みほさんは、もうすでに大量の奴隷を抱えている状況というわけです」

みほ「わ、笑えないよその冗談……」 ハハ・・・


アカホシ「でも本当に奴隷を買うなら、こっちで融通はきかせておきますよ」

アカホシ「遺跡探索に奴隷もつれていけるようにします」

みほ「あ、ありがとうございます……」

みほ(なんとなくで言っちゃった、とは言い出しにくい雰囲気……)

アンチョビ「……まあ、案内するって言っちゃったもんなあ」

アンチョビ「悪いけど、みほを借りていくぞ」

アカホシ「あ、はい、どうぞ」

みほ「あっ、赤星さんはついてきては……」

アカホシ「私は、やめておきます。だって――」

アンチョビ「奴隷を売ってるのは、市場でではなく、高級住宅街のあるエリアだからな」

みほ「え?」

アンチョビ「庶民でごった返す場所に来たくない、って身分の人間だろうからな、奴隷なんて買うのは」

アンチョビ「だからか知らないけど、この街唯一の奴隷販売店はそこにあるんだ」

アカホシ「高級住宅街はブルーチーターの縄張りですからねえ」

アカホシ「教団幹部もたくさん住んでるっていうし……」

アンチョビ「私が居るとはいえ、刺激しないためにもみほ一人がいいだろうな」

みほ「……わかりました」

みほ(不安だけど……なんとかなる、よね……?)


【高級住宅街】

アンチョビ「うーん、いつ来てもとんでもなくデカイ建物だな」

アンチョビ「圧倒されるだろー?」

みほ「え?」

みほ「あ、はい、そうですね……」

みほ(うちのお屋敷の方が広いかな……)

アンチョビ「っと、ここだここだ」

アンチョビ「……良くない奴隷がメインだけど、バラエティは豊かに揃えているからな」

アンチョビ「何か役立つ奴隷が見つかるといいな」

みほ「はい、ありがとうございます」



【奴隷市場『性奴 グロい穴』】


アッサム「……いらっしゃい」

みほ(わわっ、裸で鎖に繋がれてる人がいっぱい……!)

アッサム「ここは主に性的な奴隷を扱っていますが……」

アッサム「それ以外のスキルを持っている奴隷も大勢います」

アッサム「ご希望の奴隷をあげてくれたら、見繕いますよ」

みほ「え、えと」 アセアセに

アンチョビ(うーん、服屋とかでテンパるタイプだなこれ……)

アンチョビ(でも、奴隷制度はどうも苦手だし、割って入るのもなあ) ウーン

みほ「えと……探してるのは……」

みほ「>>90の条件に当てはまる奴隷なんですけど……」

博学で守りたくなる

この人数だと寄り道減らしてサクサク完結向かう方がいいのかしら
ガルパン安価スレあんまり知らないので分からないぜ…
投下します


みほ「博学で守りたくなる、の条件に当てはまる奴隷なんですけど……」

アンチョビ「お、おいおい……」

アッサム「奴隷とは、道具のように使役されることが大半」

アッサム「守りたくなる、と万人が思うような者は……」

アッサム「それと、守りたくなると虐めたくなるは表裏一体」

アッサム「あるお客様の保護欲をそそる奴隷が、別のお客様の加虐欲をそそるというのはよくあること」

アンチョビ「それに、奴隷の身分だと博学ってのもなー」

アッサム「ああ、それはどうにかなります」

アンチョビ「え? そうなの?」

アッサム「奴隷にも色々いますから」

アッサム「貧乏だからと学がないわけではないんですよ」

アンチョビ「あー、まあそうだよなー」

アッサム「アンチョビ様はお金も学もないですけど、必ずしも全ての人間がそうとは限りません」

アンチョビ「あれ? 今しれっと暴言吐かれた?」

アッサム「冗談ですよ……アンチョビ様はちっとも奴隷を雇ってくれる気配がありませんから」

アッサム「お店の利益のためにもうちから沢山の奴隷を仕入れてくれていれば……」 ハァ

アンチョビ「なあ、冗談なんだよな? まあまあ目がマジっぽいのは気のせいだよな?」


アッサム「守りたくなる、というのは大分主観によりますが……」

アッサム「博識なら、この娘一択ですね」

ジャラッ…

オレンジペコ「……」

アンチョビ「おお……確かになんか賢そうな雰囲気……」

オレンジペコ「……」 ペコリ

みほ「礼儀も正しいですね」

アンチョビ「ちょっと口数が少ないが……まあ奴隷ってそんなもんなのかな」

アッサム「……口数の少ないのが最上の人」

オレンジペコ「シェイクスピアですね」

みほ「!」

アンチョビ「ん????」

アッサム「彼女は革命が起きた西洋国家の貴族の娘でして、このように知識が豊富です」

アッサム「驚かれましたか?」 フフッドヤッ

みほ「……」

みほ(この世界にもシェイクスピアっているんだ……どんな世界観なんだろう……)


アッサム「お気にめしましたか?」

みほ「あ、はい」

みほ「ええと、ちなみにおいくら……」

アッサム「そうですね」

アッサム「元貴族のご令嬢であることの付加価値を加味して……」

アッサム「大体このくらいですね」

みほ「…………」

みほ「いち、じゅう、ひゃく……」

みほ(ぴ、ピンと来ないけど、手持ちじゃ足りないことはわかる……)

アンチョビ「た、たっっっっかあ~~~~~!?」

アンチョビ「こ、これ、ちょっとした家が立つぞ!?」

アッサム「立ってた家が潰れた象徴ですから、そのくらいは」

みほ(やっぱり高いんだ……)


アッサム「ちなみにですが……これは適正価格ですよ」

アッサム「奴隷商人という身ゆえ、性根が腐っていると思われがちですが……」

アッサム「これでも善良さで売っているんですよ」

みほ「……」 チラッ

アンチョビ「ん?」

アンチョビ「ああ、ホントのことだぞ」

アンチョビ「ホントは奴隷なんて無い方がいいんだけど、そんなすぐになくなるもんじゃないみたいでさ」

アッサム「この街の奴隷を私が管理し、適正価格で販売することで、他所の悪徳業者が参入しないようにしてるんですよ」

アッサム「……これでも、奴隷の扱いは、かなりいい方であるという自負もあります」

アッサム「ですから、どうしても値段は張るのです」

アッサム「それに、このくらいポンと出せるような人じゃないと、今後奴隷を養っていくのは難しいでしょうから」

アッサム「……やっぱり、道具のように使われると分かっていても、幸せになれる可能性は信じたいですから」

みほ「……」

みほ(そうだよね……ある程度迎え入れる体勢を整えてからじゃないと……)


アッサム「ちなみに、うちでは買い取りもしてるので」

みほ「え?」

アッサム「モグラ乗りですよね」

アッサム「戦力にならなくなったメンバーの買い取り、しますよ」 フフ

みほ「し、しませんよそんなことっ!」

アッサム「怪我したり動けない奴隷も買い取りますよ」

アッサム「うちはどんな奴隷でも買い取ることを売りにしてますから」

みほ「ぜ、絶対売りませんから!」 ダッ

アッサム「ふふ……逃げられてしまいましたね」

アンチョビ「あんまりからかってやるなよー、結構純情なんだから」


【市場】

みほ「すみません、思わず走り出しちゃって……」

アンチョビ「あー、いい、いい」

みほ「結果結構迷っちゃいましたし……」

アンチョビ「まあ、慣れない内に勢いで動くとそうなるよなあ」

アンチョビ「とりあえずブルーチータと揉めてなくてよかったよ」

みほ「あ、そうか、揉めてた可能性もあるんですね……」

アンチョビ「ああ。だから次からも奴隷を見に行くときはウチに寄るといい」

アンチョビ「私かカルパッチョが案内するから」

みほ「ありがとうございます」

みほ(さっきの娘を買うなら、遺跡でお宝を持ち帰るなり、お姉ちゃんに支援を貰うなり、考えないとなあ……)


<4日目・夜>

アカホシ「とりあえず、明日は遺跡突入のゲートが開かれますけど……」

アカホシ「もう準備は大丈夫ですか?」

アカホシ「まだなら、一旦見送る手もありますけど……」

サオリ「でも、あの、ほら……イツミさん?が許してくれないんじゃない?」

アカホシ「許させるのが私の仕事ですから」 アハハ

アカホシ「それで、どうしましょう」

みほ「>>99


どうする? >>99(下から選択。選択肢以外の場合安価下)
A:遺跡に行く
B:遺跡に行くのを見送る
C:遺跡に行く勢と遺跡に行かない勢で分けてしまう(行く勢と行かない勢の内訳併記)

Aで

明日朝早いので、少しだけ投下します


みほ「行きましょう」

みほ「戦車は、火砕流の中にだって突き進むんです」

アカホシ「そうですよね……」

アカホシ「我々に後退の文字はなし」

アカホシ「行くのであれば、お付き合いしますっ」

サオリ「やだもー、そんな特攻死するみたいな気合いれないでよー」

アカホシ「死を前にしても怯えない鋼の心、それが大切ですから……」 アハハ…

みほ(ところどころ戦時中は門下生こんなノリで出撃してたのかなって思わされるなあ……)


【黒の遺跡】

ユカリ「森の中の遺跡……」

ユカリ「見つかりにくい場所ではありますが……」

マコ「他チームの襲撃とかは大丈夫なのか?」

アカホシ「一応、人数をかけて見張ってはいるので……」

ハナ「同行者はアカホシさんだけなのですか?」

アカホシ「探してはいて、ついてきたがってる子もいたんですが……」

アカホシ「連れてきて大丈夫かの判断が難しくて」

エリカ「……前回のアレがあって行きたがるヤツなんて、どっかネジ外れてるヤツだけだもの」

サオリ「わっ、びっくりした……居たんだ……」

エリカ「ふん、見送りよ」

エリカ「……あんたたちは気に入らないけど、このままこの遺跡に阻まれっぱなしってわけにもいかないでしょうが」

エリカ「とにかく、この遺跡が他の陣営に抑えられないよう、こっちは全力を尽くすから」

エリカ「何の成果も得られずに帰ってきたらただじゃおかないわよ」

みほ「あはは……」

エリカ「だから、まあ……」

エリカ「何かの成果を持って、絶対生きて帰ってきなさいよ」

みほ「……うん」


【黒の遺跡・1F】

みほ「うぷ……」

みほ(入り口からワープ、かあ……)

みほ(事前に聞いてて覚悟はしてたけど……)

アカホシ「……うぷ」

ユカリ「あはは、やっぱり慣れてないと変な感じですよねえ」

サオリ「慣れてても変な感じは消えないけどねー」 アハハ

アカホシ「なんかこう、ぐにゃっと歪んで急に景色が切り替わるの、すごくフラフラしますね……」

マコ「……それも、素人がなかなか遺跡から帰ってこれない理由の一つだろうな」

ハナ「この感覚は、体験してみないとわかりませんしね……」

みほ「ほんウォエ……とにね……」

ユカリ「今飲み込みませんでした? 大丈夫です?」

みほ「あ、あはは……なんのことかな……」

みほ(吐いちゃったら、私が慣れてないってバレちゃうもんね……)

ユカリ(ディッガーが汚れることを気にしているなら、言ってくれたら手で受け止めるんですが……)

ユカリ(いやでもこれを自分から提案したら絶対引かれますよね……)


みほ「一階は特に何もなし、と」

ユカリ「まあ、大体上層階はそうですね」

マコ「モンスターが居たとしても大した相手じゃない」

ユカリ「遺跡は入る度に微妙に出る場所が変わりますからねえ」

ユカリ「便宜上1階とかって表現をしますが、本当に階層上なのかすらわかりません」

ハナ「餌である人間がランダムでしか入ってこないので、強い魔物はあんまり居ないのかもしれませんね」

サオリ「さらっとエグいことを言った!」

ハナ「餌が少ないと、どうしても元気が出ませんもんね……」

アカホシ(……毎回物足りなさそうにしてるし、明日からオカズ一品増やそうかな……)

マコ「……下の階に行くと、モンスター同士で食い合っていて、王様みたいなやつがいたりするがな」

ユカリ「ボスは不思議とどこの遺跡にもいますからねー」

サオリ「ボスを倒すと遺跡は消えるんだから不思議だよねえ」


【黒の遺跡・5F】

みほ「……」

みほ(順調すぎて暇だなあ……)

アカホシ「すごい……」

アカホシ「たまに遭遇する謎の球体を、完全にやりこめてる……」

ユカリ「うちのメンバーは優秀ですからねえ」

サオリ「と、いうわけで~」

サオリ「今はうちのメンバーとなった、優秀なはずのアカホシさんにインタビュー!」

アカホシ「ふえ?」

サオリ「彼氏いますか?」

アカホシ「え、ええと……」

アカホシ「は、恥ずかしいから黙秘で///」

サオリ「え!?嘘いるんですか?!」

サオリ「え、どんな人!?出会いは!?どうしたら出来るんですか!?」

ユカリ「お、落ち着いてください~!!」

マコ「放っておいていいぞ、質の悪いただの持病だ」

ハナ「サオリさんに男性なんて似合いませんしね」

アカホシ「は、はあ……」


ユカリ「でも……インタビューはありかもしれませんね」

ハナ「互いのことを知るって大事ですからね」

サオリ「んー……」

サオリ「あ、じゃあさ、みぽりん、何かアカホシさんに聞きたいこととかある?」

みほ「ふえ!? 私!?」

サオリ「いやほら、私、もう完全に彼氏の話しか質問浮かばないからさ」 アハハ…

みほ「ええっと、じゃあ……」

みほ「>>113


アカホシにする質問 >>113

ブラックティーガーに入った(兵隊になった)きっかけは何?

戦闘はコンマとかでやってもよかったけど、そういうのやるなら人数と勢いがいるので、基本的に戦闘はオート進行で……
明日もまあまあ早いのでそこまで長くやれませんが、のんびり投下します


みほ「ブラックティーガーに入った……兵隊になったきっかけは何?」

アカホシ「きっかけ、ですか……」

アカホシ「言ってしまえば、強制的に招集されたからですね」

みほ「え?」

アカホシ「うちの国、戦争でかなりやられていたんですよ」

アカホシ「でも引くに引けなくて、女子供を引っ張り出すところまできてしまって……」

アカホシ「だから、兵隊になりたかったわけではないんです」

みほ「え、えと……」

サオリ「なんていうか、その……ごめんね」

アカホシ「ああ、謝らないでください」

アカホシ「……確かに強制的な招集でしたけど……」

アカホシ「覚悟はしてましたから」

みほ「……」

みほ(よく知ってる顔で……そんな寂しい顔されると……つらい、な……)


アカホシ「それと……」

アカホシ「一つ勘違いをしているようですから、訂正しておきますね」

みほ「ふえ?」

アカホシ「ブラックティーガーは、まあ、いわゆる軍隊崩れなんですけど……」

アカホシ「正確に言うと、複数の軍隊崩れの集合体なんです」

ユカリ「そうか、私は話を聞いて回ってましたが、西住殿は知らないんでしたっけ」

アカホシ「私は元々『シュヴァルツフォレスト』を名乗っていた、女子のみの部隊だったんです」

サオリ「珍しいよね、女の子だけなんて」

ハナ「衛生兵などで構成された後方支援用の部隊はいくつか他国で見かけましたけど……」

アカホシ「私達はガッツリ前線でしたからね」

アカホシ「……女だけでも勝てるという印象を植え付け、士気高揚の狙いがあったんだと思います」

アカホシ「とにかく実践に投入できそうな女子を集めて、男性部隊の命と引き換えに、戦果を上げさせられました」

アカホシ「……そんな余裕も敗戦が近づくとなくなってきて、とうとう単独で負けが見えてる戦場に放り出されちゃいましたけど」


ユカリ「それで生き残ったんですから、大したものですよ!」

アカホシ「あはは……ありがとうございます」

アカホシ「でも、国はそうは言ってくれませんでした」

ハナ「え……?」

アカホシ「私達はただ無様を晒して生き残っただけ」

アカホシ「勝てないなら、せめて名誉の戦死をしてこい、というのが上の意見です」

サオリ「ひ、ひどい……!」

アカホシ「私達は結構広報に利用されてましたからね」

アカホシ「そんな面々が生き恥を晒して逃げ帰ってきた、なんてことは許されないんです」

アカホシ「だから、名誉の戦死を遂げるよう次々と過酷な血に送られ……」

アカホシ「同盟国の部隊と合同で死地に送り込まれている途中で、祖国が降伏したことを知りました」


アカホシ「……それでも、手ぶらで帰っては、居場所がないから」

アカホシ「部隊の皆と、同盟国の皆で、せめて何か戦果を持ち帰ろうと思って」

ユカリ「それで、遺跡の攻略を……」

アカホシ「……ええ」

アカホシ「ブラックティーガーを名乗ったのも、それからです」

アカホシ「……遺跡を攻略したところで、祖国に受け入れられるとは限らないんですけどね」 ハハ・・・

みほ「……」

アカホシ「っと、暗くなっちゃいましたね」

アカホシ「何か場を盛り上げるようなことしましょうか?」

アカホシ「部隊でやらされた鉛筆食べる芸とか」

サオリ「なにそれ、イジメじゃん!」

アカホシ「戦場では木しか食べられないから慣れるための訓練だ!とか言われましたね」

サオリ「マジで言ってるんじゃなくイジメで言ってるパターンの方がマシっていうレアなケースだ……!」 ガビーン


【黒の遺跡・10F】

ユカリ「言ってる間にもう10階ですねえ」

サオリ「うーん、今まで攻略した遺跡と比べても簡単だよね」

マコ「……なんか臭いな」

アカホシ「……奥までおびき寄せよう、ということなのかもしれませんね」

アカホシ「実際、私達もここまでは余裕でしたから」

ハナ「ある程度装備が整っていれば余裕でしょうしね」

アカホシ「ええ」

アカホシ「……それで調子に乗ったのがいけなかったんだと思います」

アカホシ「結局ここからは弾薬と燃料との闘いになってくることに、気が付きませんでしたから……」

サオリ「5の倍数階にしか、出口のワープゾーンないもんねえ」

マコ「まだ余裕だ、今回は進む方のワープゾーンでいいか?」

みほ「あ、はい、それでお願いします」

みほ「……」

アカホシ「15階のワープゾーンまでは、モンスターもそこまで強くはありません……」

アカホシ「が、手強くはなってきます」

みほ(うう、緊張してきた……吐きそう……おしっこしたい……うう……)

みほ(お、落ち着かなきゃ……て、掌に人と三回描いて……)

サオリ「どうしたのみぽりん、入って文字を掌に描いて」

マコ「緊張しすぎて錯乱してるな……」

アカホシ「?」


【黒の遺跡・13F】

みほ「うわっ、真っ暗!!」

ユカリ「あー、たまにあるんですよねえ、こういうステージ」

マコ「何も見えないな……」

アカホシ「私達も、こういうステージで大分燃料を浪費しましたね……」

ユカリ「明かりを装備するって手もあるんですが……」

ハナ「それより砲撃に予算をかけたくて……」

アカホシ「……一応、懐中電灯ならありますけど」

サオリ「う、つまり……」

アカホシ「……斥候、してきます」

アカホシ「元々それが任務でしたから」

サオリ「あ、危ないって!」

アカホシ「……複数人で行動しても、やはり危険でしたしね」

ユカリ「モグラでもないと厳しいモンスターだっていますし……」

みほ「……あ、そうだ」

みほ「赤星さん、懐中電灯をお借りできますか?」

アカホシ「え?」

みほ「斥候に出なくても、こうすれば……」


アカホシ「きゅ、キューポラから顔を!?」

みほ「うん、やっぱり中からよりこうしてる方がよく見える」

みほ「こうして上半身だけ出して懐中電灯で照らせば……」

ユカリ「た、確かにモグラから離れるよりはいいですけど、ですが……」

サオリ「危ないよお、みぽりん!」

みほ「大丈夫、慣れてるから」

みほ「……」

みほ「あれ、なんだろう」

マコ「!」

マコ「まずい、“システム”だ!」

マコ「しかも溜めてるぞ!」

サオリ「危ない、みぽりん!!!」

みほ「え?」


ジュッ

アカホシ「あ、ああああ」

ユカリ「西住殿ォ!」

みほ「びっくりした……」

みほ「まさかいきなりレーザーを撃ってくるなんて」

ユカリ「うぇぇ!?」

サオリ「無傷!?」

みほ「キューポラから顔出してるときは砲弾とか避けなきゃいけないし……」

みほ「西住流では車長は最初に飛び交う砲弾を避ける訓練からさせられるから……」

みほ「私も3歳の頃にやらされたなあ……」 ヒョイ

ユカリ「ま、またレーザーを避けてる……」

マコ「何で平和っぽい世界から来てるのに誰より機敏な回避行動を取れるんだ……」


みほ「ふう……何とかやっつけましたね」

ユカリ「とうとう最後まで上半身出しっぱなしでしたね……」

みほ「でも、おかげでⅣ号には傷一つつかなかったよ」

マコ「まあ、システムは生体感知でもしてるのか、生身の人間を優先して襲ってくるからな……」

アカホシ「どんな訓練をすれば、そんな回避能力を……」

みほ「まあ、さすがにいきなり砲弾はまずいし、最初は投げられる石をよけるところから始めるんだけど……」

みほ「最初は正面から投げられる石を避けて、どんどんいろんな方角からくるようにするの」

みほ「慣れてきたら視覚からでも空気の流れを感じてよけられるように」

サオリ「いやいやいや、それ普通に達人クラスのやることだから!!」

サオリ「ていうか石を投げるの!? 女の子の顔に!? 正気!?」

みほ「あ、でもある程度避けられるようになるまでは一応防具をつけるから……」

ユカリ「いや、最後まで防具つけてるわけじゃないって時点で驚きですよ……」


みほ「昔は結構運動とかしてたし、輪ゴム鉄砲を撃ち合ったりしてよく遊んだなあ」

アカホシ「なんか私より殺伐とした幼少期をすごしてますね……」

みほ「まあだから、私は上半身を出してても大丈夫」

みほ「こうしてる方が視界も良好だし、いいんじゃないかな」

ユカリ「まあ、そうですけど……」

サオリ「スライムとかドラゴンとか、攻撃範囲が大きい相手がいるときはすばやく中に入ってね」

みほ「うん、それは大丈夫」

みほ「まずいときは大体感覚で分かるし……」

アカホシ「さすが……本場のモグラ乗りは違うなあ……」

サオリ「いや……モグラ乗りでもここまできてる人は相当レアだよ……」


みほ「まあ、本当にまずいと判断したら避難――――」

みほ「きゃああああああああああああああああ!!」 シュポッ

みほ「な、なんっ、なんか気持ちわるいのがっ……!」 ガクガクガク

アカホシ「あー……」

アカホシ「ゴキブリですね」

みほ「ご!?」

アカホシ「私達の部隊もそれで最初パニックになったんですよ」

ユカリ「あれ、かなり気持ち悪いですもんねえ」

サオリ「み、みぽりん……」

みほ「ふえ?」

マコ「う、うううう、うごくなよ……」

ハナ「ど、どうしましょう……まさか貫くわけにも……」

みほ「ま、ままままままままさか……!」

みほ「いあああああああああああああああああ!!」

みほ「とって! とってえええええええええええ!!」

マコ「ばっ、暴れるな!」

サオリ「きゃあああああ! 飛んできた!」

アカホシ「い、痛い! 噛んできた!!」

ユカリ「ええい! 潰しますよ!」

みほ「無理無理無理無理無理!!」

みほ「虫は平気だけど、気持ち悪さパワーアップしたクリーチャーは無理ぃ!!!」


 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


 ・  ・  ・  ・  ・  ・


 ・  ・  ・



ユカリ「な、なんとか始末できましたね……」 ゼーゼー

みほ「……」 グッタリ

マコ「色々体力も削れたし、今回は15階で帰った方がよさそうだな……」 ゲッソリ

アカホシ「……ですね」

みほ「うう……夢に見そう……」


【黒の遺跡前】

アカホシ「はあ……とりあえず無事に戻ってこられましたね」

みほ「……逸見さん、手ぶらで帰ったし、すごく怒りそうだなあ」

サオリ「い、一応色々拾ったけど……」

ユカリ「それは全部こちらの取り分ですし、成果なし扱いでしょうねえ」

マコ「まあ、ないでもないぞ」

アカホシ「え?」

マコ「拾った武器の中に、スライム系が嫌う火炎放射とかがあったからな」

マコ「スライム駆除の目処は立った」

サオリ「さっすがマコ!」

マコ「……問題もある」

アカホシ「え?」

マコ「モグラの中にまで隙間から侵入するという話が本当なら、少なくとも車内に5人はほしい」

ユカリ「通常通りの車長・装填手・砲手・通信手・操縦手、ということですか」

マコ「ああ」

マコ「回避も当然いるが、攻撃も必要だからな」

マコ「だが、自由に動くにしては、取り残された救出対象が邪魔になる可能性が高い」

マコ「……私達がスライムと戦っている間に、生存者を助け出す人員がいる」

マコ(生存者がいるのなら、だけどな)


アカホシ「なるほど、それは確かに」

サオリ「戦闘中のモグラに乗せるわけにもいかないから、他にもモグラが必要だよね」

アカホシ「それは……頼めばなんとかなると思うけど……」

マコ「まあ、それを動かす人手と、救出に出る人間が必要だな」

みほ「最低でも何人必要なんだろう?」

ユカリ「できれば自衛が出来るようにしていてほしくはありますが……」

マコ「戦闘をこちらで引き受けるなら、砲手や装填手はいなくてもいいだろう」

アカホシ「車長兼通信手と操縦手、あとは外に出て人を回収する人手ですね」

アカホシ「勿論多い方がいいですけど……」

アカホシ「私を除いてあと2人いれば、なんとかなるかと」

みほ「あと二人……」

アカホシ「とりあえず、それでかけあってみますね」

みほ「はい」

アカホシ「それでは、人員の方は、よろしくおねがいします」

サオリ「オッケー」

マコ「まあ、何とかなるだろう」

ユカリ「頼りにしてますね、西住殿っ」

みほ「……」

みほ(え、あれ、これもしかして私が人員探すやつ?)

みほ(コミュニケーション能力がファービーにも劣ると陰口叩かれてたのに?)


<6日目>


みほ「ん……」

みほ「わっ、もう午後だ……」

みほ「疲れて泥のように眠ってたんだ……」

みほ「……」

みほ「遺跡、怖かったなあ……」

みほ「……」

みほ「でも知らない人に話しかけるの、同じくらい怖いんだけどなあ」 ズーン

みほ(うう、でも赤星さんは逸見さんに嫌味言われに行ってるっぽいし、全部を丸投げするわけにもいかないよね……)

みほ「うう、今日どうしよう……」


何をする?(下記より1つ選択) >>132

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う

エリカに会う

めちゃ眠たいので少しだけやって寝ます


【港・ブラックティーガー本部】


みほ「逸見さん」

エリカ「ん……ああ、アンタね」

みほ「今日はこっちにいたんだ」

エリカ「……遺跡で奪還作戦を行う目処とか目安が出来たって言うじゃない」

エリカ「そうなると、ただ待ってるだけじゃなくて、色々動かないといけないのよ」

エリカ「行けそうな人材の発掘はアカホシに任せてあるけど、他の人員の配置は私の担当だし」

エリカ「仕事を適切に割り振って、敵からの襲撃に備えるのは当然として」

エリカ「他所のチームが管理している遺跡を奪い取る算段が必要になってくるわ」

エリカ「救出作戦に成功して、遺跡の主を倒し宝玉を持ち帰ったら……」

みほ「あ、そうか。他の2チームが宝玉を奪うため結託してくる可能性が」

エリカ「ええ。ましてや救出したばかりの負傷者を抱えた状況でね」

エリカ「向こうからしたら5の倍数の時を狙って襲うのが一番」

エリカ「……だから結構難しいのよ」

エリカ「通常時は攻めてこられる可能性が低い分、向こうのまもりは硬い」

エリカ「運良く奪い取っても、2箇所防衛できるほどの人員、遺跡から救助してこない限り足りないわ」

エリカ「そうなると互いに手薄な本拠地を攻め合う形に5の倍数のときに持っていくってなるけど……」

エリカ「……」

エリカ「って、アンタにこんなこと言ってもしょうがないわよね」

エリカ「それより、何の用よ」

エリカ「何か話があって来たんでしょう?」

みほ「ええと……」


何をしに会いにきた?  >>135
A::話をしにきた
B:パーティーに勧誘しにきた
C:仕事を手伝いにきた
D:仕事の邪魔をしにきた
E:息抜きに誘いにきた
F:性欲を我慢できずヌキの誘いにきた
G:命を奪いにきた
H:その他(併記)

Aで 勧誘はまだ早いと見た

またちょっとだけ投下します


みほ「ええっと、お話をしたいなあって……」

エリカ「話ィ?」

エリカ「そんなたいそれた話題なんてないわよ」

エリカ「それともなに? 手捏ねハンバーグの美味しい捏ね方でも語れっていうわけ?」

みほ(うわーこの皮肉ったらしい表情、懐かしいなあ……)

みほ「ええっと……」

みほ(何の話題を振ろうかな)



エリカに振る話題 >>140

隊長さんはどんな人?


みほ「隊長さんはどんな人?」

エリカ「!」

エリカ「ふ、ふーん、隊長のことが知りたいっていうのね」

エリカ「しっかたないわねぇ」

みほ(うわあ、人間の頬ってあそこまで緩むことができるんだ……)

エリカ「隊長はねえ、それはもう格好良くてすごいのよ」

エリカ「仕方がないから聞かせてあげるわ」

エリカ「あ、飲み物はお茶しかないけど、暖かいのと冷たいのどっちがいい?」

みほ(露骨に上機嫌でちょっと引く……)



 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


 ・  ・  ・  ・  ・  ・


 ・  ・  ・


みほ(な、長い!!)

みほ(全然終わる気配がない!!)

エリカ「あそこから逆転するなんて、まさにこの人は神に愛されてるんだと思ったわよ」

エリカ「ああ、逆転と言えば」

みほ「え、ええと、逸見さんはおね……まほ隊長のことが大好きなんですね」 アハハ・・・

エリカ「……ええ」

エリカ「ずっと同じ部隊にいたのだもの」

エリカ「憧れの人よ」


エリカ「……私達、今でこそブラックティーガーとか名乗ってるけど……」

エリカ「元々は、『シュヴァルツフォレスト』を名乗っていた、女子のみの部隊だったのよ」

みほ「……」

みほ(もう聞いた……なんて言える空気じゃないよね……)

エリカ「他国じゃ衛生兵とか、後方支援の部隊で稀に女子のみの部隊もあったらしいけど……」

エリカ「私達はガッツリ前線に出ていたわ」

みほ(それももう聞いてるやつだ……)

エリカ「女だけでも勝てるって印象を植え付けて、士気高揚でもさせようって腹立ったんでしょうね、上としては」

みほ(もう聞いた……)

エリカ「まあ、そんなこんなで…………って、何よその顔」

エリカ「ちゃんと聞いてンの?」

みほ「ふぇっ!? も、勿論だよ」

みほ「男性部隊の犠牲の上に成り立つような戦果を上げさせられたって話だよねっ」

エリカ「そうそう。それでも敗戦が近づくとそんな余裕もなくなって危険な戦場に放り込まれ……」

エリカ「……」

エリカ「ん? 私、そこまで話したかしら?」


エリカ「まあいいか……」

エリカ「とにかくまあ、そんな死地に放り込まれてたわけだけど……」

エリカ「そこで生き延び続けることができたのも、全部隊長のおかげ」

エリカ「的確な判断力に加え、兵士としても超一流よ、隊長は」

エリカ「……本当ならとっくに死んでる私達が生きていられるのはあの人のおかげ」

エリカ「だから私達は、あの人に命を賭けられる」

みほ「逸見さん……」

エリカ「だからアンタのことは気に入らないけど、隊長がアンタらに任すっていうから、私も任せてやってんのよ」

みほ「あ、あはは……」

エリカ「……」

エリカ「隊長は……」

みほ「?」

エリカ「隊長は、遺跡で願いが云々なんて与太話、信じちゃいないわ」

エリカ「ただ、そういうオカルトにでも縋らないとやっていられない部下を見て、決断してくれただけ」

みほ「……」

エリカ「その結果、部隊の大多数を失った」

エリカ「……きっと、私より何倍も後悔しているんだと思う」

エリカ「あの人のせいなんかじゃないのに」


エリカ「……まあ、そんなだから、遺跡の宝にもさほど真剣じゃないのよ」

エリカ「だからアンタらみたいなのを雇えるってわけ」

みほ「ああ、どうりで……」

みほ(最後の最後で取り合いになる恐れもあったけど、大丈夫、なのかな……)

エリカ「遺跡にこだわっているのも、単にここまで犠牲を出したから今更後には引けないってのが大きいわ」

エリカ「……どちらかというと、隊長の本命は他勢力の壊滅にあるもの」

みほ「え?」

エリカ「無様に生き永らえた痴れ者として帰国することができない」

エリカ「……でも、都合よく遺跡の宝でそれがなんとかなるだなんて思えない」

エリカ「少なくとも、そんな都合のよすぎる夢に仲間の命は賭けられない」

エリカ「だからこそ、遺跡にはアンタ達少数で行って、そっちのことを丸投げしたいのよ」

みほ「なるほど……その間に他勢力と全面抗争するつもり、と……」

エリカ「……国に帰っても許されるくらい、大きな戦果」

エリカ「私達に必要なのはそれなのよ」

エリカ「世界各地で稀に見つかる遺跡を、自分たちが手を結んだ者が3つも攻略したという実績」

エリカ「更に、あの超巨大犯罪組織レッドタートルや宗教団体ブルーチーターを倒したという実績」

エリカ「隊長が欲しているのは、それなのよ」


エリカ「……っと、こんな時間じゃない」

エリカ「少し喋りすぎたわね」

みほ「……」

みほ(少し?)

エリカ「まあ、要するに、頑張りなさいってことよ」

エリカ「……頼むわよ」

みほ「……はいっ……!」

安価出して寝たかったけど意外と時間経ってるので寝ます。筆が早くなりたい…

マイペースながらもGWくらいには終わるようにがんばりたい……投下します


【家】

みほ「ただいまー」

サオリ「あ、みぽりん戻ってきた」

ユカリ「おかえりなさい」

みほ「あれ、皆、どこか出かけるの?」

ユカリ「丁度西住殿も呼びに行こうとしていたところなんです」

みほ「え?」

ユカリ「それがどうも、食料庫に泥棒が入ったらしく……」

サオリ「今日のご飯は外で食べないといけないんだって」

マコ「……このチームもカツカツらしいからな」

マコ「咄嗟に出せる食料はなかったそうだ」

ハナ「お気の毒だったので、外食代を出す、という申し出は辞退してしまいました」

みほ「そうなんだ」

みほ(まあ、ハナさんの分全部出してたら破産しちゃうよね……)

サオリ「アカホシさんは警備関係で色々あるらしいから、私達だけで行ってきてってさ」

ユカリ「うへへ、アンチョビ殿のお店で久しぶりに美味しいものでも食べましょう!」

ハナ「パスタ、美味しかったですもんね」

マコ「……ジェラート……」

ユカリ「私はなんと言ってもアツアツのピッツァが食べたいですねえ」

ユカリ「ナラの木の薪で焼いた故郷の本物のマルガリータが食べれるかと思うとワクワクしますよ」

サオリ「うんうん、ボルチーニ茸ものっけてもらおう!」

みほ(結構ダンジョンでお金拾ったし、私も自分のお金で好きに食べるくらいはできそうかな)

みほ「うん、じゃあ、私も一緒に」

ユカリ「やったー! 楽しみですね!」


【リストランテ『ドゥーチェ』】

ワイワイガヤガヤ

アンチョビ「おっ、いらっしゃーい」

ユカリ「へへ、来ちゃいましたー」

サオリ「五人で!」

アンチョビ「おー、じゃああのでっかいテーブルつかってくれー」

サオリ「はーい」

みほ「……あ、私ちょっとお花を摘みに行ってきても……」

みほ(逸見さんのところで飲みすぎちゃった)

ユカリ「お花……?」

ハナ「野菜が食べたいのでしたら、サラダを注文された方が……」

サオリ「そうだよみぽりん、体怖いちゃうよ?」

マコ「持ち合わせがないなら出すぞ」

みほ(わっ、この比喩表現、通じないんだ!!)


みほ「ええっと、あの、その……つまり……」 モヂモヂ

みほ「お、おトイレに……」 ヒソヒソ

ユカリ「あ~……」

サオリ「そっかそっか、みぽりんの世界じゃお花をつむってそういう意味なんだ」

みほ「う、うん……」

ハナ「変わってますねえ」

マコ「無駄にロマンチックだな……」

みほ「と、とにかく行ってくるね……」

サオリ「いってらっしゃ~い」

ユカリ「私の生まれた故郷では、お手洗いのことを意味する隠語はガガスバンダスでしたねー」

みほ「?」

サオリ「あ、ゆかりんもなんだ!」

サオリ「ウチも『ガガスバンダスを黄金のような夢で仕込んでくる』ってのが隠語だったなー」

みほ(ガガ……何????)

マコ「こっちは『少年の日の思い出で仕込んでくる』だったな」

ハナ「ガガスバンダスを仕込む、が隠語なのは共通なのに、細部は違うんですねえ」

みほ(き、気になる……)

ユカリ「あれ、行かないんですか?」

みほ「あ、あはは……いってきます」

みほ(これがゲームなら不眠症になってるくらい気になる……)


みほ「……」

みほ「あ、誰か入ってる……」

みほ「……」

みほ「……」

みほ「……」 モヂモヂ

みほ「……」 モヂモヂ

みほ「お、遅いなあ……」 コンコンコン

コンコンコン

みほ「やっぱり、はいってる……」

オロロロロロオゥエェェェェェ

みほ「吐いってる!?」


???「いやー悪いねー」

???「ツレが飲みすぎちゃったみたいでさー」

みほ「い、いえ……」 モヂモヂ

???「ほんとにダイジョーブ?」

みほ「だい、じょーぶです……」 モヂモヂ

???「ふぅん」

???「大丈夫じゃなくても大丈夫って言っちゃうタイプってやつだねぇ」

みほ「そ、そんなことは……」

みほ(う、意識したらやば……)

???「あー……まだ歩けるなら、ちょっとついてきてくれる?」

みほ「ふえ?」

???「向かいの商店、トイレ貸出してるからさ」

???「トイレのみの使用は禁止してるけど、こっちのツレのせいでもあるしさ」

???「お詫びにそこでの買い物は私がするし」

みほ「え、えと、じゃあ、それで……」

みほ(こ、これ以上お手洗いを独占されると本当に白旗が……) モヂモヂモヂモヂ

???「決まりだね」

???「んじゃ、こっちだよ」

みほ「ありがとうございます。ええと……」

???「ああ、名前?」

杏「角谷杏だよ、よろしくねー」 ニタリ


【向かいの商店】

みほ「う、うう……」 ガクガクガク

杏「あはは、いやー苦しそうだねー、西住ちゃん」

みほ「え、ええ……そ、それより、お、お手洗いは……」

杏「店長ー、お手洗い借りるよー」

店主「どうぞー」

みほ「ううう」 ダダッ

杏「あっはっは、よっぽど限界だったんだねえ」 ニタリ

みほ「……」 ガチャッ

みほ「!?」 ガチャガチャガチャ

みほ「は、入って……」

???「入ってまーす」 フフフ

杏「いやー残念だったねー西住ちゃん」

杏「それじゃ、ちょっと決壊しそうな所申し訳ないけど、楽しいお喋りでもさせてもらおうかな?」


みほ「え……?」

杏「いやー、どうやらこっちのトイレも私の知り合いが使ってるみたいでさー」

杏「困ったことに、トイレでのんびりする癖があるんだよねえ」

杏「多分今頃トイレに置いてあるクッキングパパを読み込んでるんじゃないかな」

みほ「な、なんでそんな傍迷惑な……」

杏「いやー、ちょーっとお願いがあってね?」

杏「西住ちゃんさぁ、モグラ乗りなんでしょ?」

杏「ちょーっと、私達に力を貸してほしいんだよねぇ」

???「漏らしちゃ前に言うこと聞いておいた方がいいよ~」

みほ「そ、そんな……」 モヂモヂ


みほ「で、でも私は……」

杏「ああ、知ってる知ってる」

杏「ブラックティーガーに雇われてるんでしょ」

杏「だーいじょーぶだって」

杏「ブラックティーガーの連中は、遺跡を攻略した実績がほしいだけだから」

杏「ただお宝がほしいだけの私達とは、手を取り合えないわけじゃあないんだよねぇ」 ニタァ

みほ(うう……なんでこんなことに……)

みほ(一体どこで間違えたんだろう……)

みほ(あの逸見さんがお茶を出してくれたことが嬉しすぎて飲みすぎちゃったのが駄目だったかな……)

杏「どーすんのー?」

杏「こんな街中で漏らすわけには――」

ズガンッ

杏「!?」

杏(危なっ……何が飛んで来――)

杏「これは……黒いバラ……?」

ハナ「黒薔薇の花言葉は、彼に永遠の死を」

サオリ「みぽりんから離れて!」

マコ「なかなか戻らないと思ったら……」

ユカリ「助けに来ましたよッ!」

みほ「み、みんな……」

みほ(う、嬉しいけど、あんまり激しく暴れられると、も、漏れ……) ブルッ


ドガーン

杏「!?」

ペパロニ「あっちゃー、派手に突っ込んじゃったなあ」

ペパロニ「ま、しゃーないっすよねえ、なーんか不穏な感じだし」

ペパロニ「それより、ご注文のマルゲリータ、お待ちどーっす」

杏(小型のモグラで突っ込んでくる、か)

杏(何しようとしてたか完全にバレてるねこりゃ)

ペパロニ「んで、なーにやってたんっすかあ?」

ペパロニ「ここらは姐さんが中心となって作った中立地域」

ペパロニ「抗争はご法度っすよ?」 ギロリ

ハナ「……」

みほ(あ、だからさっきの薔薇も当てなかったんだ……) モヂモヂモヂモヂ

杏「いや~、ちょーっと挨拶しただけだよ」

杏「……だよねぇ、小山?」

ユズ「……うん、ごめんねー、トイレ時間かかっちゃって」

杏「ま、そんなわけで挨拶も終わったし、私らはそろそろ退散しようかね」

ユズ「モモちゃん、そろそろ回復してるといいんだけど」

杏「どーだろねえ、マジでゲロゲロしてたもんなあ」

みほ(それはガチだったんだ……)


ジャー・・・ゴボゴボゴボ

みほ「ふう……」

ペパロニ「やー、災難だったっすねえ」

ペパロニ「ウチん中じゃ揉めないよう目配せしてるんっすけど、外でとはなあ」

ユカリ「店長さんもグルなんでしょうか」

マコ「詰めても口は割らないだろうがな」

マコ「……どうせ歓楽街で遊びすぎて出来た借金とかを理由に手伝っていたんだろう」

みほ「?」

みほ「何の話?」

ハナ「さっきの方の話です」

サオリ「さっきのなんか腹立たしい人いたじゃん」

サオリ「あの人、レッドタートルなんだってさ」

みほ「!」


ペパロニ「それどころか、この街じゃあ知らぬ者はいないってくらいの有名人っすよ」

ペパロニ「この街を仕切ってるレッドタートルのトップっすから」

みほ「えっ!?」

みほ「あんな小さい子が……!?」

ユカリ「いや、どうやら年上らしいですよ」

みほ「え!?」

サオリ「色々町で噂に聞いてはいたんだけど……」

サオリ「もともとは東の方を取り仕切っていたギャングのボスだったんだって」

サオリ「でも、その組織が経営難だかで、レッドタートルに吸収されたらしいの」

ユカリ「それでも最高幹部の座について、この町に実力者をつれてこられるくらいの権力は与えられてるそうです」

マコ「優秀ってことなんだろうな」

ユカリ「元・極東ギャング集団『星斗会』の会長・カドタニアンズ」

ユカリ「……油断ならない相手ですね」


ペパロニ「まあ、連中も、話してみたら結構気さくでいい奴らなんっすけどねえ~」

ペパロニ「一応このへんは非抗争地帯なんで、ある程度は安心して会話出来ると思うっすよ」

ペパロニ「あくまである程度っすけどね」 ワハハ

ペパロニ「っと、それより冷めちゃうし、はやく食べた食べた」

ペパロニ「追加の注文もどんどん作るっすから、とりあえずテーブル戻った戻った!」

みほ「わわ」

みほ(うう、色々不安であんまり喉を通らなさそうだなあ……)

ハナ「モグモグパチグチャバリンバリンゴクン」

みほ「……」

みほ(ハナさん、食べっぷりは気持ちいいけど、あまりの摂取量に見てるだけで胃もたれが……)


<7日目>

チュンチュンチュン

みほ「ん……」

みほ「うう、頭痛い……」

みほ(そっか……昨日、何も悪くないのにアンチョビさんがお詫びって……)

みほ「……」

みほ「頭痛いけど、昨日のアレ、ぶどうジュースだったんだよね……?」 ズキズキ


みほ「みんなは……」

みほ「マコさん以外は起きてどこかに行ってる、かあ……」

みほ「私はどうしよう……」


何をする?(下記より1つ選択) >>164

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う

市場に行く
スパナ使える子いるかな?


【市場】

みほ「あれ?」

みほ「あの戦車……」

アカホシ「あ、みほさん」

みほ「やっぱり、赤星さん」

みほ「今日もお買い物ですか?」

アカホシ「ええ」

アカホシ「食料泥棒がバトルディッガーのパーツも盗んでいったらしくて……」

アカホシ「この子の整備も兼ねて」

みほ「整備?」

アカホシ「ええ」

アカホシ「このあたりに、腕が確かな整備チームがいるんです」

アカホシ「それこそ、遺跡需要で人が増える前から、この街の機械類を一手に担っていたそうで」

みほ「へえ、そんなすごい人達が……」

みほ(そんな万能便利屋、さすがに私の世界にはいないんだろうな……)


プスン……

アカホシ「あ、あれ?」

アカホシ「と、止まっちゃった……?」

アリサ「ちょっと、困るんだけど」

アリサ「店の前にこんな邪魔なの置かないでもらえる?」

アカホシ「ご、ごめんなさい……」 アタフタ

みほ(うーん、この威圧されるとテンパルの、よく知る赤星さんだあ……) ホッコリ

みほ「じゃなくて、大丈夫ですか!?」

アカホシ「は、はい……」

アカホシ「お、おかしいな……油圧っぽいのに……」 アワアワ

アリサ「ったく……しょうがないわね……」

アリサ「アリス!」

アリス「……ん」


アリサ「悪いんだけど、これ直してやってくれない」

アリサ「このままやられたんじゃ商売あがったりなのよ」

アリス「……」

アリサ「ちょっと、嫌そうにしないでよ」

アリス「私はいいけど、この人達が嫌がるかもしれない」

アリス「……善意にかこつけて盗聴器とかつけられるかも、って疑われるかもだし」

アリサ「だ、だからあれはそういうのじゃないんだっての!」

みほ「あ、あのー……」

アリサ「ああ、この子、かなり修理に強いんだけど、邪魔だからそのモグラ触らせてもいい?」

みほ「ええと」 チラッ

ガヤガヤ

オイジャマダドケー

アカホシ「あ、あうう……じゃ、じゃあ、お願いしますっ」


アリス「……動力系のギアが原因……ここが欠けてた」

アカホシ「えっ? あっ!」

みほ(すごい……そんな一瞬で……)

アカホシ「わあ……ありがとうございます!」

アリサ「まったく、いつ見てもムカつく正確さだわ」

アリサ「それでいて、本職にする気がないってんだから信じられないわよ」

アカホシ「そうなんですか?」

アリス「……」

アリサ「ったく、ほんっともったいなさすぎるわ」

アリサ「レオポンズにだって入れそうな腕があるってーのに」

みほ「レオポンズ?」

アカホシ「さっき話した、凄腕集団ですよ」

アリサ「まあ、実際大した腕よ」

アリサ「でもまああくまで修理の話」

アリサ「通信機器を買うならウチよ、ウチ!」

みほ「あ、あはは……」

みほ(圧が強い……)


【家】

みほ「ふう……」

みほ(赤星さん、結構いろんな人に声かけてくれてるんだなあ)

みほ(私も頑張らなくちゃ)

みほ(今日は早めに明日の予定立てておこうかな……)

みほ(明日は何をしよう?)


何をする?(下記より1つ選択) >>171

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

アリサに会う

眠いので少しだけですが投下します


<8日目>


【市場】


ワイワイガヤガヤ

アリサ「はぁ……」

アリサ「売れないわねー、無線機」

アリサ「このままだとおまんま食い上げだわ」

みほ「あの」

アリサ「はいはい、いらっしゃーい」 エイギョウスマーイル

アリサ「って、あら、昨日の」

みほ「どうも」

アリサ「えーっと、何の用?」

みほ「>>175


何の用? >>175
A:お話をしに……
B::勧誘をしに……
C:買い物をしに……
D:強盗をしに……
E:その他(併記)

a


みほ「お話をしに……」

アリサ「話ィ?」

アリサ「何よ、冷やかしなら帰ってくれる?」

アリサ「これでも忙しのよ」

みほ(すごく暇そうにしてたのに……)

みほ(でも確かに、ちょっとお話しただけだったもんね……)

みほ(なんとか興味を引く話題を出さないと……)

みほ(今こそ散々読んだお友だちの作り方入門を参考にする時……!)

みほ「あの、えと、>>177

アリサから見て遺跡とは何なのか的な話(本編のオチタのインタビュー風)


みほ「あの、えと……」

アリサ「ん?」

アリサ「ああ、名前? アリサよアリサ」

みほ「ありがとうございます、西住みほです」 ペッコリン

みほ「ええと、アリサさんから見て遺跡ってなんでしょうか」

アリサ「何よそれ」

みほ「純粋に気になったもので……」

アリサ「ふうん。まあいいけど……」

アリサ「遺跡、ねえ……」

アリサ「……」

アリサ「観光資源?」

みほ(うわぁ)


アリサ「アンタもモグラ乗りなんだっけ?」

アリサ「まあ、言っちゃなんだけど……」

アリサ「命を賭けてまで潜る理由がわかんないわ」

アリサ「お宝なんて遺跡に潜らなくても手に入るでしょうに」

優季「確かにィ、素敵な恋とか、遺跡に潜らなくても手にできるお宝ですもんねぇ」 クスクス

あや「やめなよお、手に入れれてないんだろうから」 クスクス

アリサ「くぉら、こんのクソガキどもー!」

あや「わー、怒った!」

優季「逃げろ~」 キャッキャッ

アリサ「ったく……」

アリサ「まあ、クソガキどもはムカつくけど、危険がない生活の方がいいに決まってるわ」

アリサ「大体、遺跡の願いだかなんだか知らないけど、そんなもんに頼らなくたってタカシは……」

みほ「タカシ?」

アリサ「!!!」

アリサ「な、なんでもないわよ、あははははは……!」

みほ「……?」


【家】

ユカリ「なかなか新メンバー見つかりませんねえ」

サオリ「色々声かけてはいるんだけどねー」

ハナ「顔のいい男性にばかり声をかけてるからでは……」

サオリ「だ、だってえ!」

ユカリ「まあ、それでも声をかけてるだけ偉いですよ」

ユカリ「私なんて知らない人と話が弾む気まるでしないので声掛け未だにゼロですからね」

マコ「同じく一切やってない」

サオリ「ちょっと」

みほ「……」

みほ(もうすぐ遺跡にもぐれるようにはなるけど……)

みほ(このペースじゃ次はスルーした方がいいかも)……


アカホシ「こちらも声はかけているのですが……」

アカホシ「フルメンバーだったのに、大半のメンバーを置いて敗走してきたばかりですからね」

アカホシ「どうしても尻込みされることが多くて……」

マコ「ましてやメンバーが揃わない場合、火力なしの戦車に乗せるわけだしな……」

ユカリ「まあ、怖いですよねえ……」

アカホシ「志願し続けてくれる人もいるにはいるんですけど、如何せん変わっていて……」

サオリ「あー……そんな状況でも志願する人だもんねえ」

アカホシ「一度実際にあってもらって、やっていけるかどうか見てもらってからじゃないと怖くて組み込めませんね」

サオリ「なるほどなー」

ユカリ「そう考えると、案外タイトなスケジュールですねえ」

みほ(このパーティー、サオリさん以外コミュニケーション能力高くないんだなあ……)


サオリ「一応私は明日も探してはみるよ」

ユカリ「私は、すみません、力になれなさそうなので、整備用の道具を揃えに……」

マコ「西住さんはどうするんだ?」

みほ「え、っと……私は……」


明日は何をする?(下記より1つ選択) >>183

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

エリカに会う

投下します
サクサク進めたい…


みほ「逸見さんに会おうかなって」

アカホシ「あ、そうなんですね」

アカホシ「じゃあ話を通しておきますよ」

みほ「ありがとうございます」

みほ(いきなり行くと不機嫌になるかもしれないもんね……)

アカホシ「それじゃあ、そろそろ灯りけしますねー」

サオリ「はーい」

ユカリ「おやすみなさい!」

みほ「おやすみなさい」


<9日目>


【港・黒の遺跡付近】


みほ「おはようございます」

エリカ「ん、来たわね」

みほ「あ、待っててくれたんですか?」 パァァァ

エリカ「仕方なくよ仕方なく」

エリカ「私だってヒマじゃないんだから」

みほ「……」 シュン

エリカ「……」

エリカ「あー、もう、やりにくいわね!!」

エリカ「ほら、さっさと本題入りなさいよ!」

エリカ「何か用があったんでしょ!?」

みほ「あ、ええと……」


何をしにきた?  >>187

A::話をしにきた
B:パーティーに勧誘しにきた
C:パーティーに誘えそうな人を紹介してもらいにきた
D:仕事を手伝いにきた
E:仕事の邪魔をしにきた
F:真っすぐ行ってぶっ飛ばす、右ストレートでぶっ飛ばす
G:その他(併記)

2
極亜久のノリでいこうぜ


みほ「あの、一緒に遺跡に潜りませんか!?」

エリカ「はあ!?」

みほ「その、前にお話したときからずっと思っていて……」

みほ「こっちの逸見さんも、すごく戦車の知識が豊富っていうか……」

エリカ「こっちの……?」

みほ「あ、えと、その……」

みほ「とにかく、逸見さんの技量が必要なんです!」

エリカ「……」

エリカ「それは命令?」

みほ「え?」

エリカ「……命令なら、従うわ。そうするように言われているもの」

みほ「……」

みほ「命令では、ないです」

みほ「……無理矢理従わせたいなんて、思ってませんし……」

みほ「きっとそれだと、パフォーマンスも落ちちゃうから……」

エリカ「……」


エリカ「……それじゃあ無理ね」

みほ「うっ……」

みほ「そ、そう、だよね……あはは……」

エリカ「……」

エリカ「ハァー……」

エリカ「別に嫌とは言ってないでしょ」

みほ「え?」

エリカ「私だって、遺跡に負けっぱなしは嫌よ」

エリカ「大体アンタが現れなきゃ私が行くつもりだったんだから」

エリカ「……でも、今はそもそも人員が足りてない」

エリカ「それに加えて、私を欲するくらいには戦力も足りてないんでしょ」

エリカ「万が一でも全滅したときのことを考えると、まだ本部を離れて遺跡に潜るわけにはいかないの」

みほ「逸見さん……」

エリカ「……まあ、アンタが無事取り残されてた連中を救出でもしてこれば、人員に余裕ができるかもしれないけど」

みほ「えっ」 パァァァ

エリカ「ま、もしそんなことができたら、それこそ礼としてどこへだろうと潜ってやるわよ」

みほ「それはダブルベッドとかでも?」

エリカ「それ潜らせてどうするつもりなのよ」


みほ(とりあえず、一緒に潜りたいって話は伝えられた……)

みほ(黒の遺跡を攻略したあとなら、一緒に来てくれるのかも)

みほ「……」

みほ(どっちにしても、人数不足で明日は遺跡に潜ってもしょうがないよね)

みほ(潜るのをやめてこっちで何かするとして……)

みほ(明日は何をしようかな)



明日は何をする?(下記より1つ選択) >>191

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

アリサに会う

ジョジョまでスローペースで進めます


みほ(明日はアリサさんに会いにいってみよう)

みほ(なんだか人数足りなくて潜れないのに自分の陣営にいるのも気まずいもんね……)

サオリ「……うええええ、足が太い女は無理だって! 無理だってぇ!」 ウワーン

ハナ「あらあら、サオリさんの魅力が分からないなんて、愚かしい男性ですね」

ユカリ「何でちょっとうれしそうなんですか?」

マコ「まぁ、フられるなんていつものことだろ」

サオリ「だぁってええええええええ! うえーーーーーーーーん」

みほ「……」

みほ(あの会話に混ざれる気もしないし、明日は早起きしてそそくさと出た方がよさそう……)


<10日目>


【市場】


ワイワイガヤガヤ

アリサ「……ふぁ」

アリサ「ったく、クソガキ達の冗談につきあわされたせいで眠たいわ……」

アリサ「こんな時間、誰も来ないだろうし、店閉めようかしら」

みほ「おはようございます」

アリサ「っと、いらっしゃ――――」

アリサ「何だ、アンタか」

アリサ「今日、遺跡に潜れる日なんじゃなかったっけ?」

みほ「あ、あはは……」


アリサ「それで、何の用?」

アリサ「アンタ達、別に通信機器に困ってないでしょ」

みほ「えっ、なんでそのことを……」

アリサ「何でって、そりゃ、通信を聞いて……」

みほ「!」

アリサ「…………あっ」

みほ「あ、あはは……」

アリサ「ちょ、何引いてるのよ!」

アリサ「違うわよ、別に盗聴してるとかそーいうのじゃ…・・・・」

アリサ「ま、こら逃げるな!!」 グイッ

みほ「だ、誰にも言いません、言いませんからぁ!」

アリサ「じゃかーしい!」

アリサ「小柄でキュートな私に迫られてそこまでビビリ倒す人間が、こわーいブラックティーガーのヤツに凄まれて口を割らないわけないでしょうが!」

みほ(そ、それは確かに……)


アリサ「とにかく、盗聴とかじゃないから」

アリサ「それ伝えられてブラックティーガーに追われるとか勘弁だわ」

みほ「そんな大げさな……」

アリサ「大げさァ?」

アリサ「……アンタ、よっぽど綺麗な部分しか見てないのねえ」

アリサ「仮にもアウトロー、まあ言っちゃえばカスの集団の抗争よ?」

アリサ「中立を装った敵疑惑があるヤツなんて、どうなるか火を見るより明らかだわ」

みほ「そ、そんなこと……だって、違うかもしれないのに……」

みほ「無関係かもしれない人に危害とか、そんな」

アリサ「だからこそ、やばいのよ」

みほ「え?」

アリサ「万が一無罪だった場合、私みたいなパンピーは問題になりにくいのよ」

アリサ「スパイだと思って拷問した味方が、裏切ってなかったら?」

アリサ「或いは、攻撃してきていると思った対立組織のメンバーを締め上げて、勘違いだと分かったら?」

アリサ「どっちでも洒落にならない展開になるでしょうね」

アリサ「……でも私みたいに後ろ盾がない場合、仮に無罪でも、他チームとの抗争には発展しない」

アリサ「味方の士気に関わるほど、深い仲の相手もいない」

アリサ「そのくせゲロさせれたら得られるものが大きい」

アリサ「疑われたら拷問するのが安定の存在なのよ」

みほ「で、でも……みんなそんな非道な人には…・・」

アリサ「なによ、私の発想が非道って言うわけ?」

アリサ「それに、ブラックティーガーの連中も、大概悪党軍団よ?」

アリサ「噂じゃ捕虜に木の根っことか食わせてたっていうし」

アリサ「あとなんか虫とかも食わせたって聞いたわ」

みほ(ゴボウとイナゴかな……)


アリサ「大体私が使ってたのはワイドバンドレシーバーだから」

みほ「?」

アリサ「まあ、ざっくり言うと、どっかの通信を適当に拾う道具ね」

アリサ「狙ってやってるわけじゃないし、これは盗聴じゃないわ」

みほ「……」

みほ(でも適当にいろんな通信聴いたりはしてるんだ……)

アリサ「あ、こら、何引いてンのよ!!」

アリサ「とーにーかーく!」

アリサ「アンタ何しにきたわけ!?」

みほ(誤魔化しにきたなあ)

アリサ「用がないなら仕事のジャマだから、帰った帰った!!」 グイグイ

みほ(逸見さんみたいだ……)

みほ「って、ほんとに追い出された!」

みほ「待って待って、あの、用事はあるんです!」

アリサ「ふーん……」

アリサ「一応聞いてあげるわ」

みほ「その……」


何をしにきた?  >>199

A::話をしにきた
B:パーティーに勧誘しにきた
C:パーティーに誘えそうな人を紹介してもらいにきた
D:仕事を手伝いにきた
E:仕事の邪魔をしにきた
F:買い物をしにきた
G:ショバ代を払ってもらわなあきまへんなあ~~~~~!!
H:その他(併記)

A 澄原の姉貴みたいに何度も会話してみよう


みほ「お話をしに……」

アリサ「はぁ!?」

アリサ「アンタ、遺跡にももぐらず、そんなことのために来たわけ?」

アリサ「ったく、変なやつねえ」

みほ「そうですか?」

アリサ「ま、でも悪い気はしないわね」

アリサ「んで、何か楽しい話題でもあるわけ?」

みほ「ええと、>>202

キン肉マンが更新されたら一時中断しますが、のんびりやります


みほ「遺跡には願いが叶う宝があるそうですけど、もし手に入れたら叶えたい願いはありますか」

アリサ「願い、ねえ」

アリサ「まあ、そりゃあタカシと……」

みほ「!」

アリサ「……あっ」

アリサ「いや、別にあれよ、そーいうんじゃあないわよ!?」

アリサ「願いの力に頼らないと脈がないとかそーいうわけじゃあ……!」 アタフタ

みほ(かわいい……)

アリサ「あーもう!」

アリサ「つーか、大体年頃の乙女の願いなんて、好きな人とアレコレくらいしかないでしょーが!」

みほ「ええ……」

アリサ「そーいうアンタは違うわけ!?」

みほ「え、ええと……」

みほ「>>204

好きなもの(ボココレクションやマカロン)を集めたり・・・かな?
アレコレとかは、そういう人がいないから・・・


みほ「好きなものを集めたり……かな?」

アリサ「好きなものぉ?」

アリサ「お金とか?」

みほ「うわあ、直球で俗物……」

アリサ「何よ、誰だってお金は溜めたがるでしょ!」

みほ「でも、それは手段であって目的ではないような……」

アリサ「うっ……」

アリサ「そ、それより恋愛はどーなのよ!」

みほ「あ、あはは……」

みほ「アレコレとかは、そういう人がいないから……」

アリサ「ん、そーなの?」

アリサ「勿体無いわねえ、アンタも結構可愛い顔してんのに」

みほ「そ、そそそそそそんなことはっ///」 アワアワ


アリサ「ん、いーこと思いついた」

アリサ「合コンするわよ、合コン」

みほ「ご、合コ……!?」

アリサ「アンタを餌にタカシを釣れて私はラッキー」

アリサ「アンタも出会えてアレコレ出来るようになるかもしれないからラッキー」

アリサ「ウィンウィンじゃない」

みほ「いや、その、私は別に彼氏がほしいわけじゃ……」

アリサ「何、あんたソッチの気があるわけ?」

アリサ「やーね、やめときなさい。可愛いんだから勿体無い」

アリサ「男相手に女の喜びを教えてもらういい機会だと思って、ねっ、合コンしましょ」

みほ(竿役みたいな言葉が何でそんなにポンポン飛び出すんだろうこっわ……)


アリサ「ま、遺跡も潜らずこんなとこでブラブラしてるくらいなら、いいじゃない」

アリサ「それにほら、お礼はするわよ」

アリサ「……出来る範囲でだけど」

アリサ「色々情報は無線で聞いてるし、アンタが集めてるものも見つかるかも」

みほ「……」

みほ(盗聴だよね……)

アリサ「無難に3対3か、いっそ5対5のどっちかね」

アリサ「どっちにするかは任せるわ」

アリサ「こっちでもメンバーは探してみるけど……」

アリサ「そっちでも探しておいて」

アリサ(こっちの知り合い、タカシを落とそうとしてる姿見せると弄り倒してきそうだし)

みほ「は、はあ……」


▼合コンの約束をしてしまった!!


【ガラクタ山】


???「それは本当なのか、アンドウ」

アンドウ「ああ、間違いない」

アンドウ「うちのメンバーが市場で例のモグラ乗りを見たと言っている」

アンドウ「その報告が、別のヤツらから合計3件」

アンドウ「見間違いじゃないだろう」

???「やれやれ、市場なんて下賤な所、我々は行かないからな……」

???「一応褒めておいてやろう」

アンドウ「あのな、一応アンタと私は同じ立場、対等なんだよ対等」

アンドウ「分かってんのかオシダ」

オシダ「ふん、BC教団においては我々が幹部だ」

オシダ「遺跡攻略のために集まった寄せ集めのならず者と同列とは心外だな」

アンドウ「なんだと!」

アンドウ「お前らずーーーっと無益なカタツムリパーティーするだけで、ちっとも役に立ってないだろうが!」

オシダ「情報収集なんて泥臭い仕事は、お前らスラムの連中の仕事だろうが!」

アンドウ「なんだとぉ!!」


ドカバキポカ

???「~♪」 ケーキパクー

オシダ「ま、マリー様!」

オシダ「マリー様もなんとか言ってやってください!」

オシダ「そして出来れば、明確に位の差を!!」

アンドウ「いーや!」

アンドウ「今成果を挙げてるのは圧倒的に私達だ!」

アンドウ「むしろ私達の位を上げてくれてもいいだろ!」

マリー「どうして私が二人の願いを聞き入れなくちゃいけないの~?」

マリー「それより……そのモグラ乗り、ちゃあんと監視をしておいて」

マリー「オシダ達の経済力と、アンドウの一般市民へのコネ」

マリー「この二つを使って、モグラ乗りを監視して、宝が集まったところで奪い取る」

マリー「遺跡の宝はこのブルーチーターが、楽してズルしていただきかしら♪」 フフッ


【家】

みほ「うう……どっと疲れた……」

みほ(合コン……)

みほ(同性のお友達すら全然出来なかったのに、そんなのハードル高いよう……)

みほ「うう……明日はどうしようかな……」


明日は何をする?(下記より1つ選択) >>211

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

・合コンに行く

サオリに会う

眠いのでちょろっとだけ


<11日目>


【家】


みほ「ん……」

みほ(ユカリさんとハナさん、もういないんだ)

みほ(サオリさんは……)

サオリ「あ、おはよーみぽりん」

サオリ「さあ座って座って」

みほ「ふえ?」

アカホシ「今日の朝ごはん、サオリさんも作ったんですよ」

みほ「へえ~」

サオリ「ふふふ……」

サオリ「やっぱり男は胃袋で掴まないといけないからねっ」

サオリ「前向きに! 自分を高めていくよ~!」 フフン


みほ「あ、おいしい……!」

サオリ「へっへー」

サオリ「ハナも毎日作ってほしい~、とか言ってくれたし、練習してよかったー」

サオリ「旅をしてると、常に見たこと無い食材を扱うことになるから、お料理覚えるの大変なんだよねー」

みほ「あー、それはそうかも……」

アカホシ「私の故郷の料理でよければ、また教えますよ」

サオリ「ほんと? やったー」 エヘヘ

アカホシ「それじゃあ、私は仕事があるので」 ケイレイッ

サオリ「いってらっしゃーい」 ヒラヒラ

みほ「……あ、そうだ」

サオリ「ん?」

みほ「サオリさんに用があって……」


サオリと何をする? >>217
A:話をする
B:合コンに誘う
C:いきなりキスをする
D:その他(併記)

A

また投下します


みほ「その、少しお話したいなー、なんて」

サオリ「えー、うれしー!」

サオリ「私も、今のみぽりんともっと話したいなーって思ってたんだー」 エヘヘ

サオリ「じゃあ今日はガールズトークだねっ」

みほ「うんっ」

みほ(なんだろう……サオリさん、お話してるとすごく落ち着く……)

みほ(友達って、こういう存在なのかな……)

サオリ「?」

サオリ「みぽりん?」

みほ「あ、ううん、ちょっとぼーっとしちゃってた」

みほ「えっと、それより――」


サオリに振る話題 >>220

今一番欲しいもの(元ネタは9裏)


みほ「今一番欲しいものってなにかなーと……」

サオリ「え?」

サオリ「そりゃあもう、素敵な彼氏……」

みほ「……」

サオリ「あ、何その目!」

サオリ「私、これでも結構本気なんだよ?」

サオリ「料理だって、花嫁修業だって、色々してるんだから」

みほ「そうなんだ……」

サオリ「あとは出会いだけなのになあ~~~」

サオリ「このままだと一生マコとハナに料理作って終わっちゃうよ」

みほ「それはそれでいいんじゃあ」

サオリ「いーやーなーの~~~!」

サオリ「モグラ乗りだって、彼氏と幸せな暮らしをしてみたいの!!」

サオリ「みぽりんだってそうでしょ?」

みほ(この話、昨日もやったなあ……)

サオリ「もー、しょうがないなー」

サオリ「それじゃあみぽりんも彼氏がほしくなるよう、恋の素晴らしさを語ってあげようっ」

みほ(あっ、これ今日一日潰れるやつだ……)


みほ「……」

みほ(なんかすごい熱弁されたなあ……)

みほ(やっぱりまだ、そういうのは理解できないけど……)

みほ(少し、夢中になれることがあるサオリさんが羨ましいな……)

サオリ「いい男がいたら、紹介してよねっ」

みほ「う、うん……」

みほ(がっついてる……)

みほ(合コンするとき、呼んだ方がいいのかなあ……)


<12日目>

みほ「……」

みほ(気のせいかな……)

みほ(寝る前、なんかゴソゴソって音と荒い息遣いが聴こえたような……)

みほ(昨日彼氏としたい赤裸々なことを語ってたから……?)

みほ(いや、まさかね……)

みほ(そのあとなんか同じような息遣い増えてたし、気のせいだよね……)

みほ「それより今日は何をしようかな……」



明日は何をする?(下記より1つ選択) >>224

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

・合コンに行く

エリカに会う


【港・ブラックティーガー本拠地】


みほ「ふわ……おはようございます」

エリカ「あら。おはよう」

エリカ「……結構定期的に来てるけど、ひまなのかしら」

みほ「え、えと、そんなことは……」

エリカ「まあ、外様は楽でいいわよね」

エリカ「こっちは人員確保やら財政のやりくりやらで大忙しよ」

みほ(うう……やっぱり怖いなあ、逸見さん……)

エリカ「それで、何の用なのよ」

エリカ「忙しいから手短にね」

みほ(あ、聞いてはくれるんだ……)

みほ「ええとね、>>226

町の人たちと親睦を深める機会(合コン)があるんだけど…もしよかったら一緒に

また少しやります


みほ「町の人たちと親睦を深める機会(合コン)があるんだけど…もしよかったら一緒に」

エリカ「はあ~~~~???」

エリカ「あのねェ、私は忙しいの!」

エリカ「隊長の右腕として、遺跡のゲートが閉じてるときもやらなきゃいけないことが大量にあるのよ」

エリカ「アンタと一緒にしないで」

マホ「……エリカ」

エリカ「はい、何でしょう隊長!」

エリカ「ほら、呼ばれたし、仕事してくるから帰った帰った」 シッシッ

みほ「……」 ショボン

マホ「……行ってきたらどうだ」

エリカ「え?」

マホ「その親睦を深める機会とやらに、一緒に行ってきたらどうだ」


エリカ「な、ななな何を!?」

マホ「……知っての通り、我々は困窮している」

マホ「物資も不足し、このままでは内部崩壊も時間の問題だろう」

エリカ「は、はい」

エリカ「だからこそ、一丸となって課題に取り組まねば、と……」

エリカ「遊んでいる暇なんてどこにも」

マホ「……アンザイとは、仲良くさせてもらっている」

エリカ「?」

マホ「いつも格安で飯を提供してくれるだけでなく、無償で様々なものをもらっている」

エリカ「……」

マホ「勘違いをするな。市民に媚びろと言っているわけじゃない」

マホ「ただ、受け入れられるんだ」

マホ「そうすれば、活動は今よりずっとしやすくなる」


エリカ「で、ですが……」

マホ「……」

マホ「それにエリカは働きすぎだ」

マホ「休暇を与えても、ずっとここか遺跡に顔を出している」

エリカ「それは……」

エリカ「……」

エリカ「私は、まだまだ未熟です」

エリカ「だから……隊長に追いつくには、それくらい……」

マホ「……」

エリカ「それに、隊長だって全然休んでないじゃないですか!」

エリカ「隊長がそこまで頑張っているのに、私だけ休むなんてこと……!」


マホ「……」

マホ「私は……」

マホ「家の方針で、常に戦闘のことを考え、己の体を鍛え上げてきた」

エリカ「存じ上げています」

エリカ「ですから、私も……」

マホ「……四六時中、ストイックに己を鍛えた」

マホ「その結果が、今のザマだ」

エリカ「!」

マホ「戦場で生きながらえるが関の山」

マホ「一人で国に勝利をもたらすなんてことは当然出来ず」

マホ「それどころか、国に戻れる目処も立たぬまま、ジリ貧に追い込まれている」

マホ「その程度のものだ、絶え間ない努力で得られるものなど」


エリカ「それでもッ……」

エリカ「私達がまだ生きていられるのは、隊長のおかげです……」

エリカ「隊長が、導いてくれたから……」

エリカ「だから、私達は……」

マホ「……そうだな。それもまた事実だ」

マホ「鍛錬も無駄ではない」

マホ「やったからこそ、守れた命もある」

マホ「だが――それだけやっても、守れないものはあった」

マホ「自慢ではないが、幼い頃から、私はずっと訓練に明け暮れていた」

マホ「ストイックという点では、誰にも負けない自信がある」

マホ「それでも限界はあったんだ」

マホ「……ストイックにやること自体は止めない」

マホ「だが…」

マホ「私とまるっきり同じになろうとするのはよすんだ」

マホ「……その先に未来はない」


エリカ「……」

マホ「必要ならば命令しよう」

マホ「行って来い、エリカ」

マホ「……ただひたすら己を鍛えることしか知らぬ私では、出来ない仕事だ」

エリカ「……わかりました」

エリカ「隊長がそこまでおっしゃるのなら」

マホ「ふっ……助かる」

エリカ「ところで、それいつなのよ」

みほ「え?」

みほ「あ、そういえば、日程が決まったって手紙が届いてたっけ……」

みほ「ええっと、開催日は――」


合コン開催日 >>235
12日目~51日目の間から選択(ソレ以外なら安価下)

ラスボス襲撃の50日目で(無慈悲)

GW前後でバタバタしてたらリアル50日経過コースだったのでサクサク進めます
おまたせして申し訳ない


エリカ「はあ?」

エリカ「結構先なのね……まあいいけど」

マホ「それなら準備の期間なんかもありそうだな」

マホ「どうせなら服でも買ってきたらどうだ?」

エリカ「……贅沢できるほど資金は……」

マホ「……」

マホ「欲しがりません勝つまでは、か」

エリカ「……」

マホ「……安心しろ」

マホ「私はお前達を勝たせる」

マホ「こんな場所で、惨めに貧しく終わらせるつもりはない」

エリカ「隊長……」

みほ(そんなに苦しい経済状況なんだ……)

みほ(あんまり散財して経費で落とさせると可哀想な気がしてきたな……)


マホ「まあ、そんなわけだ」

マホ「暇なときにでも、エリカと遊んでやってくれ」

エリカ「あ、遊んでって、そんな……」

エリカ「い、言っとくけど、とりあえず遺跡をどうにかしないとそんな暇私にはないんだから!」

みほ「あはは……」

みほ「とりあえず、少し落ち着いたら……」

みほ「一緒にお買い物、行きたいなあ、なんて」

エリカ「……」

エリカ「まあ、隊長の命令だし、遺跡の探索が終わったら考えてやるわ」

みほ「!」 パァァ

みほ「えへへ、楽しみだなあ、ボコTシャツとか置いてtらいいけど」

マホ「……」

マホ(今更だけど、二人共ファッションセンスとかやばそうだな……)


<13日目>

みほ「ふう……」

みほ「なんだろう、時差ボケを食らった気がする……」

みほ「今日はどうしようかな」



何をする?  >>247


・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

アリサに会う

リアル50日洒落にならないのでサクサクいきます
のほほんと交流して遺跡いかずに滅びるのもあり


【市場】

ワイワイガヤガヤ

アリサ「はぁ?」

アリサ「アンタまた来たの?」

アリサ「合コンはまだまだ先だっていうのに、気合入れすぎでしょ」

みほ「そ、そういうわけじゃ……」

アリサ「ま、いいわ」

アリサ「逃げ出される方が困ったし」

アリサ「ほら、店先で突っ立ってると邪魔よ」

みほ「あ、ごめんなさ……」 ソソクサ

アリサ「って、ちょっと、どこ行くのよ」

みほ「え?」

アリサ「なんか用があってきたんでしょ?」

アリサ「別に追い払おうってわけじゃないし、上がっていきなさいよ」

みほ「……!!」 パァァァァァ

アリサ(うわ、めちゃくちゃ嬉しそう……友達いないのかしら)


アリサ「コーヒーしかないけど、いい?」

みほ「あ、はい、ありがとうございます」

みほ「うっ」

みほ(う、薄い……)

アリサ「ちょっと、なーによその顔!」

アリサ「文句あンなら自分でいれなさいよね」

アリサ「他人にいれるの、滅多にないから好みなんて分からないわよ」

みほ「あ、あはは……」

みほ(す、拗ねられないようにさっさと話題を切り替えよう……)



何の話をする? >>251

タカシってどんな人?

キングコング見ながらですがのんびりやります


みほ「その……タカシさん?って、どんな人なんですか?」

アリサ「なっ……」

アリサ「アンタまさか、タカシのことを――」

みほ「ち、違いますよ!」

みほ「ただ……」

みほ「アリサさんがそこまで好きな人って、どんな人なのかなあって」

アリサ「……」

アリサ「絶対手出ししない?」

みほ「しませんよ」

アリサ「……まあいいわ」

アリサ「話してあげる」

アリサ「そのかわり!」

アリサ「合コンでは、ぜーーーーーったい強力しなさいよ!」

みほ「は、はい……」

みほ(圧が凄い……)

アリサ「じゃあ誓約書にサインを……」

みほ(重たい……)



  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


  ・  ・  ・  ・  ・  ・


  ・  ・  ・



アリサ「……とまあ、タカシはホントすごくてね」

みほ(……こ、ここまで顔の賛美しか聞いてない!!)

みほ「あ、あの、お顔以外の評価は……」

アリサ「はァ? 何よ、イケメン好きじゃ駄目なわけ?」

みほ「そ、そうじゃなくて、やっぱり見た目は百聞は一見にしかずっていうし……」

アリサ「……まあいいわ」

アリサ「つってもそんなにプロフに詳しいわけじゃあないわよ、彼女になれてもいないし」

アリサ「……タカシ、17歳。この街の裕福な家柄の生まれ」

アリサ「IQ152という高い知能をモチ、若干13歳の時すでに大学入学の許可を与えられたわ」

みほ「わっ、凄い……」

アリサ「そ、将来も有望なの」

アリサ「ただ……」

アリサ「いかんせん、外見にも家柄にも似合わず、私みたいにケッコー短気な性格でね」

みほ(短気の自覚はあるんだ……)

アリサ「教師との人間関係が上手くいかず、ある教師を重さ4kgの百科事典でメッタ打ちの暴行」

アリサ「以後、落ちに落ちてレッドドラゴンのとこの下っ端となる」

みほ「へえ……」

みほ「…………」

みほ「レッドドラゴン!?!?!?!?!?!?」


アリサ「ああ、安心して」

アリサ「私は別にレッドドラゴンってわけじゃあないし」

アリサ「タカシも地域密着型ヤンキーってレベルだから」

アリサ「別にアンタがブラックティーガーだろうと揉めたりはしないわよ」

アリサ「…………多分」

みほ「多分!?!?!?」

アリサ「大丈夫大丈夫、65%パーフェクトよ」

みほ「パーフェクトって言わない上に駄目だった時のダメージが大きすぎる!!!」

アリサ「っさいわねー」

アリサ「分かってっから日数あけてあげたんでしょー」

アリサ「さっさといざこざ終わらせて、しれーーっと合コン出来るようにしなさいよ」


みほ「ところで合コンのメンバーって……」

アリサ「ああ、他に誰か見つかったなら教えなさいよ」

アリサ「一応こっちでもあてはあるっちゃーあるんだけどねぇ」

アリサ「数が多いほうが釣れるってこともあるし、ある程度揃えた方がいいかなーって思ってきたし」

みほ「ち、ちなみに……どちらさまで……」

アリサ「いやー、言わない方がいいでしょ」

アリサ「レッドドラゴンで用心棒やってる人だし」

アリサ「知ってたら揉めた時にやりづらいでしょ」

みほ「それは、まぁ……」

アリサ「だから日にちが近づいてきて、二人共がおっ死んでなきゃ伝えるわ」

みほ「お、おっ死……」

アリサ「?」

アリサ「なによ、普通のことでよ」

アリサ「……ああ。アンタ、遺跡潜ってばっかで、占拠された街ってあんまり触れたことなかったり?」

アリサ「そう珍しいことでもないわよ、誰かが死んだりなんて」

みほ「……」 

みほ(アリサさんみたいにいい人も……)

みほ(争いに巻き込まれて、いつ亡くなるかわからないんだ……)

みほ「……」

アリサ「ま、そんなつらそうにされなくても、私は死なないわよ」

アリサ「生きてこの抗争を終えたら、私はタカシと結婚する予定なんだから」

みほ「……無理そう……」

アリサ「おいコラそれは結婚が?それとも生存が?」


<14日目>

みほ「…………」

みほ(も、もう明日遺跡に潜れる日かぁ……)

みほ(全然人集まってないなぁ……)

みほ(逸見さん、怒るかなあ)

みほ「……」

みほ(合コン相手、レッドドラゴンの息がかかってるって言ったら絶対もっと怒るよね……)

みほ(限界まで黙っておこう……)

みほ(それより今日はどうしようかな……)



何をする?  >>260


・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う

ガラクタ山
黒陣営所属ならここうろつくだけで仲間加入狙えたよね


【ガラクタ山】

みほ「来ちゃった……」

みほ(レッドタートルとぶつかりそうだし……)

みほ(色々調べておくほうがいいよね……)

みほ「うわっ、すごいゴミの山……」

みほ「熊本の田舎みたいな山を想像してたのになぁ……」

みほ「これだけ荒れ放題だと誰が潜り込んでても全然分からなさそう……」

アマレット「おーっと、ここから先は関係者以外立ち入り禁止だァー!」

ジェラート「見ない顔だなァ?!」

みほ「え、えと……」 ビクッ

アマレット「あぁん?」 ジロリ

みほ「そ、その……私……」 オドオド

ジェラート「……」

みほ(ど、どうしよう……)


ジェラート「ね、ねぇ」 ヒソヒソ

アマレット「ん?」

ジェラート「本物の不審者、ここまで露骨にオドオドしないんじゃあ」 ヒソヒソ

アマレット「……確かに……」

みほ(どうしよう、何も考えずに来ちゃった……) アウアウ

アマレット「コイツの瞳には……嘘や演技ではない、本物の驚きと怯えがある……」 ヒソヒソ

みほ「そ、その……」 オドオド

ジェラート「……」

アマレット「……」

ジェラート「ひょっとして、私らが覚えてないことにショック受けてるんじゃあ……」 ヒソヒソ

アマレット「えっ、マジ?」 ヒソヒソ

アマレット「でも言われてみたら、上流階級っぽいツラしてるし、押田隊のヤツかもしれない……」 ヒソヒソ

ジェラート「げっ、それだって絶対……なんかそう言われると見たことある気がしてきたもん」 ヒソヒソ

みほ「……」 ビクビク

ジェラート「……あー……」

ジェラート「その、ごめんね?」

みほ「え?」

ジェラート「あたしらほら、学がなくて馬鹿だからさっ」

アマレット「そ、そーそー」

アマレット「いやーははは、ごめんって」

アマレット「ほら、通っていいから、ねっ?」

みほ「?????」

ジェラート「だからほら、押田の姐さんには内緒で、ねっ?」

みほ「????????????」


みほ「……」

みほ(中まで余裕で入れちゃった……)

みほ「せ、セキュリティレベル……」

みほ(こうして思うと、直下さん達、ちゃんと見張りの仕事してたんだなあ……)

みほ「……」 キョロキョロ

みほ(うーん、人もいっぱいいるし、色々あるなあ……) キョロキョロ

ドンッ

みほ「いたっ……」

みほ「あ、すみませ――――」


ぶつかった相手 >>265

ローズヒップ


ローズヒップ「おーっとと、ごめんあそばせー!」

ローズヒップ「マリー様のおっ紅茶が冷めてしま……」

みほ「おっこう……?」

ローズヒップ「……って、あーーーーっ!」

ローズヒップ「急ぎすぎていて何もかもをキッチンに忘れてきてしまいましたわ!!」

みほ「ええ……」

ローズヒップ「あ、そこの貴女、おっ紅茶を持っていたりは……」

みほ「……」 ブンブン

ローズヒップ「そんなリズミカルに首を横に振って何してますの」

ローズヒップ「あ、わっかりました、新しい遊びでございますことねっ!」

ローズヒップ「リズムよく首を振る、題してリズム天国とでも言った所で」

みほ「いえ、あの、普通に否定の意味で……」

ローズヒップ「あっはっは、百も承知のすけ様ですわっ」

ローズヒップ「イッツァBCジョークですことよ!」

みほ「……」

ローズヒップ「面白くないといけないとマリー様に言われてるので、常に心がけてますのよ」

ローズヒップ「例えジョークの世界であろうと、時代を追い抜き時代がついてこないスピードで駆け抜けあすわよ~!」

みほ(どうしよう、テンションについていけない……) ズーン


みほ「ええと、その……」

みほ「た、楽しそうですね」

ローズヒップ「ん?」

ローズヒップ「まあ~~毎日楽しいですわおy」

ローズヒップ「お紅茶もケーキも美味しいですし」

ローズヒップ「後はモグラに乗れるのが楽しくてしょうがないですわ~」 ヘラヘラ

みほ「!!」

みほ「モグラ乗り……なんですか……」

ローズヒップ「そうそう」

ローズヒップ「私はローズヒップ。BCの偵察兵ですわ」

みほ(偵察兵って概念はあるんだ……見張りの概念はろくに成り立ってなかったのに……)


ローズヒップ「まぁ、偵察兵なので、モグラは自分じゃ動かせないんですけど」

ローズヒップ「主に乗せてもらって、ダンジョンの中で動き回ってますわ~」

みほ「……ちなみに、操縦したりは……」

ローズヒップ「まあ、興味はあるんですけどねえ」

ローズヒップ「貴女はやれば出来る子よローズヒップ、と皆様言ってくれますし」

ローズヒップ「……でも、なーんでか皆様、実際に指導を乞うと、はぐらかされちゃうんですよねえ~」

みほ(相性のいい教育係とかがいなかったのかなあ)

みほ(確かに教えるの大変そうだもんね……)

ローズヒップ「っとと、いけない!」

ローズヒップ「そろそろいかないと、マリー様に首をはねられてしまいますわ!」

ローズヒップ「何せ庭に植える薔薇の色を間違えるだけで軽率に首をはねてると聞きましたし……」

みほ(う、うちよりブラック企業だ……こっち選ばなくてよかった……)


ローズヒップ「とと、それじゃあそろそろ行きますわ」

ローズヒップ「ぶつかったこと、本当にごめんあそばせー!ソーリー!ですわ」

みほ「いえ……」

みほ(どうしよう、この人、頭ゆるふわで色々しゃべってくれそうだけど……)



どうする?  >>270
A:もう少しお喋りをする(内容併記)
B:今日の所はおとなしく帰る
C::その他、まだ何かをする(内容併記)

BCでも聖グロでもそんなに変わらんのだろうなローズヒップは
A
一緒に紅茶を探しましょうか?

めちゃ眠いですが安価だけは出してから寝ます


みほ「一緒に紅茶を探しましょうか?」

ローズヒップ「おおっ、いいんですの!?」

ローズヒップ「助かりますわー」

ローズヒップ「そういえば元々一人で持っていけるカップの量じゃなかったんですわ」

ローズヒップ「それでトレイとか探してたはずなのに、すっかりそのことを忘れてましたわ」

みほ(頭大丈夫かな……)

ローズヒップ「とにかく、おっ紅茶はキッチンにあるはずですわ!」

ローズヒップ「いきますわよ!」 ドヒューン

みほ「返事する前にもう行ってる……はやい……」

みほ「……」

みほ「あっ、ま、待って! 私キッチンの場所知らな……!」 バタバタバタ


みほ「な、なんとかおいついた……」 ゼハー

みほ(速い……フィジカルエリート揃いの黒森峰にもここまでの速度で走る人は……) ゼハー

ローズヒップ「あれー?」

ローズヒップ「おっかしいですわねぇ」

ローズヒップ「ここにおいてあったはずのおっ紅茶やティーカップがありませんわ」

みほ「誰か戻したとか……」

ローズヒップ「うーーーーん」

ローズヒップ「元あった場所にはありませんわぁ」

ローズヒップ「おふざけやがってでございますわー」

ローズヒップ「マリー様や押田様、愛用のカップ以外で持っていくとべらぼうに面倒でいらっしゃいますことよ」

みほ(よくわからないけど、私ここのメンバーじゃなくてよかった……)

みほ「ええと、それなら>>274


A:人に聞くというのはどうでしょう
B:とにかく可能性があるところを探しましょう
C:似たようなカップを手に入れて誤魔化しましょう
D:一緒に素直に謝りましょう
E:逃げるしかないですね
F:先手を打って顔面をボコボコにすればおっ紅茶なんて飲めなくなるので解決しますよ

どれだと仲間になるだろう?
分かんないから安価下で

透過します


みほ「とにかく可能性があるところを探しましょう」

ローズヒップ「合点承知の助ですわっ」

みほ(合点承知の助って概念、この世界にもあるんだ……)

ローズヒップ「とりあえず……」 ヨイショ

みほ「え、ええええ!?」

みほ「なんで突然屋根に……ちょ、見え……」

ローズヒップ「うーん、屋根の上にもありませんわねぇ」

みほ「可能性があるところって言ったつもりだったんですけど、聞こえなかったなら謝ります」

ローズヒップ「?」

ローズヒップ「いやいや聞こえてましたわよ」

ローズヒップ「ほら、こんな風が気持ちいい日は屋根の上でティーブレイクをしたくなるでしょう?」

みほ「ええ……?」


ローズヒップ「ここにないとすると、うーん…・・」

ローズヒップ「ええと……貴女……名前なんでしたっけ」

みほ「あ、みほです。西住みほ」

ローズヒップ「ふむ。じゃあ、みほ様ですわね」

みほ「さ、様!?」

ローズヒップ「助けてもらってますし、感謝の気持ちを込めて様付は基本と教わりましたわ」

みほ(わ、わからない……文化が違う……)

ローズヒップ「私一人では見つかりそうにないので、みほ様ならどこでお紅茶を飲むかお伺いしたいところですわ」

ローズヒップ「そこに置き忘れだったり、誰かが飲んでたり、そーいう可能性あるでしょーし」

みほ「うーん……」

みほ「お手洗いの個室とか?」

ローズヒップ「え、ええ……?」


ローズヒップ「うーむ、お手洗いにもありませんわねぇ」

みほ「お手洗い、一人で落ち着いて休めるからありえるかなって思ったんだけど……」

ローズヒップ(この人何を言ってやがるんですの……)

みほ「それに利尿作用があってもノータイムで済ませられるし……」

ローズヒップ「レモンティーを飲みたくないスポットにも程がございますわ」

ローズヒップ「……おろ?」

ローズヒップ「キッチンまで戻ってきたら、何やら人が……」

アマレット「あ、おつかれー」

ジェラート「インパクトあるからさすがにすぐわかるね。ローズヒップ……さん、だよね。おつー」

ローズヒップ「確か……安藤隊長の部隊の」

アマレット「そーそー、知っててもらって光栄だねえ」

ジェラート「ローズヒップさんほど目立たないのにねえ、私達」

みほ「……」

アマレット「……ローズヒップと一緒ってことは、やっぱ押田隊の人だよアレ」 ヒソヒソ

ジェラート「ひー、危ない危ない。適当に話合わせてよかったわ」 ヒソヒソ


みほ(よく知らない人と会話されると、どうしたらいいか分からなくなっちゃうな……) オドオド

ジェラート(うーん、やっぱりデフォルトでオドオドしてるだけだこの子)

ローズヒップ「ん?」

ローズヒップ「あーーーーーっ!!」

アマレット「な、なんだよ」

ローズヒップ「それ!!」

ローズヒップ「アバレッドさんの持ってるティーカップ!!」

アマレット「アマレットな。誰がレンジャーの赤色だ」

ローズヒップ「それ、マリー様の愛用のやつですわよ!!」

アマレット「ブーーーーーーーーーーーーーーッ」

ジェラート「おいおいおい、死んだわアマレット」

ローズヒップ「うわっ、よく見りゃジェラートさんのは――」

ジェラート「な、なに? まさかこれも幹部クラスの愛用カップ?」

ローズヒップ「ホームレスのおっさんがベロンベロン舐めたりやべーもん擦りつけてたから処分しようとよけておいたやつですわ」

ジェラート「お、オエーーーーーーーーーーーーーーーッ」


ローズヒップ「まあ、何にせよ見つかってよかったですわー」

アマレット「た、頼む、このことは内密に……」

アマレット「バレたら首が飛ぶ! 物理的に!」

ローズヒップ「いやまあいいですけども」

アマレット「な、なあ、アンタも……」

みほ「あ、はい、ええ、そりゃあもう」

みほ(告げ口したせいえ斬首とか見たくないし……)

アマレット「サンキュー、マジ助かるよ」

アマレット「この借りはいつか返すからさっ」

アマレット「それじゃあ私はさっきから激しく嘔吐してるジェラートつれてくから……」

ジェラート「無理……まぢ無理……」 ゲロゲロゲロ

アマレット「大袈裟だなあ」

ジェラート「口移しでこの汚さ味わわせてやろうか」 ゲロゲロゲロ

アマレット「おまっ、よせ! ゲロを口移そうとするなあ!」

バタバタバタ

みほ「いっちゃった……」

みほ(あ、もらいゲロしそう……)


ローズヒップ「いやーマージで助かりましたわ」

ローズヒップ「あんまりちんたらしてると私の首までぶっ飛んでましたからねぇ~」

みほ「えっ、でも結構時間経っちゃったような……」

ローズヒップ「……」

みほ「……」

ローズヒップ「おわーーーーっ、よく見たらめっちゃお待たせしちゃってやがりますわ!!」

ローズヒップ「あわわわわ、と、兎に角急いでおっ紅茶をお持ちしなくては!!」

ローズヒップ「あ、この御礼はしますわよ!」

ローズヒップ「お礼は淑女として当然、と教わりましたし!」

ローズヒップ「今はちょっとバタバタしちゃってるから後日になりますけど!」

ローズヒップ「次あった時に何なりと願いを言うといいですわ!」

ローズヒップ「それじゃ、失敬!!」 ドヒューン

みほ「速っ……有無を言わさずだったなあ……」

みほ(また今度来た時にでも何かお願いしてみようかな)

みほ「……」

みほ(と、とりあえず今日はそろそろ帰っておこう……)


<15日目>


みほ「もう遺跡に潜れる日かあ、早いなあ」

みほ「……人員を2人確保するように言われてもう10日もたつんだよね…・・」

みほ「今潜ってもいいけど、結局最下層攻略は難しいし……どうすればいいんだろう……」



今日は何をする?  >>284


・遺跡に潜る

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『ドゥーチェ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う

電極とドリルとバンパーは出ますか?
黒陣営だと自動加入する仲間いないのがネック 安価下

少しだけ投下します


【市場】

ワイワイガヤガヤ

みほ「うーん、すごい賑わい」

みほ「遺跡の出現する日の前後も賑わってるけど……」

みほ「あれはどうしても各陣営の人で溢れかえっちゃってるし」

みほ「地元の人でいっぱい、って感じで少し落ち着くな……」

みほ「各陣営が引っ込んでる数少ない日を謳歌してる、ってことかなあ」

ドンッ

みほ「わわっ……」

みほ「ごめんなさい」 ペッコリン


みほが市場でぶつかってしまった相手(既出でも新出でもOK) >>290

引き換え券にはしないからシロタさんポジのキャラと会いたいなあ 安価下

赤:大洗・サンダース付属
青:BC・聖グロ
黒:黒森峰
在野:その他
だいたいこんなかんじ?

安価の結果陣営に追加されたキャラもいるので完全に>>292ってわけじゃあないけど、大外れでもない感じですね
ざっくり決まってるキャラもいれば決まってないキャラもいるので(アリサは安価取られるまで何の役もなかった)

スローですが投下します


モモ「くっ、こちらこそすまな……」

みほ「」

モモ「」

モモ「おまっ、おまおまおまおまおま!!」

みほ「貴女は……レッドタートルの……」

モモ「ひぃぃぃぃぃ、な、なんでここにブラックティーガーモグラ乗りがいるんだァ!?」

モモ「今は遺跡に潜ってるんじゃないのかァ!?!」 ヒェェェェェ

みほ「あ、あの……」

モモ「ひ、ひいいい!」

モモ「ま、まずいまずいまずい、バレたのか!? まさかバレたのかァ!?」

モモ「何故だ、何故だぁぁぁぁぁぁぁ! ユズちゃぁぁぁ~~~~~ん!!」

みほ「……」

みほ(なにこのひと……)


モモ「ち、畜生! 私をナメるなよォ、た、ただでやられたりはしないからなァ!」 ガクガク

みほ「わっ、ちょ、刃物はあぶないですよ!」

モモ「う、うるさあああああい!」 ダダッ

みほ「そ、その、驚かせたなら謝りますごめんなさいっ」 ガバッ

モモ「ぐえっ……」

ドサ

みほ「あ……」

モモ「う……だ、だめだ……た、立てない……」

みほ(よ、弱い……この人……)


モモ「くっ、殺せ!!」

モモ「ころせー!ちくしょー!」 ウワーン

みほ「ちょ、泣かないでくださ……」

ザワザワ

ナンダナンダ

みほ「こ、殺したりしませんからっ!ねっ?」

モモ「ほ、本当か? 本当に命はとらないでくれるのか!?」

みほ「ええ、まあ……」

みほ(普通にいらない……)

モモ「ふん、ならばよし」 スチャッ

モモ「皆のものすまない、騒がせたな」

みほ(あそこからここまで格好つけられるの、すごいなぁ……なんなんだろうこの人……)


モモ「あー……ところで、だ」

モモ「こんなところで何をやっている」

みほ「え……」

みほ(なんで素直に教えてもらえると思うんだろう……素直な人だなあ……)

みほ「お買い物ですよ」

みほ「それより、えーっと……」

モモ「モモだ」

みほ「えっと、モモさんこそここで何を」

みほ(……何だかモモさんって呼ぶの、違和感あるなぁ)

モモ「わ、私は、その、なんだ、えーっと、お買い物だ、お買い物」

みほ(うそがへたすぎる)


みほ(どうしよう……)

みほ(折角市場に来たのにこの人に構いっぱなしっていうのも何だけど……)

みほ(放っておいてもいいものかな……)

モモ「そ、それじゃあ私はこれで失礼する」

モモ「帰ってくちぱっちにオヤツをあげなくてはいけないのでな」

みほ(うそがへたすぎる)

みほ「ええと……」

みほ(どうしよう、引き止めて何かすべきかなあ……でもなあ……)

みほ(……私、コミュニケーション能力低いしなあ) ズーン

モモ「な、なんだ?」

みほ「あ、その、>>300

何を買いに来たんですか?
(それを聞いた後)
それと、


殺さないとは言いましたけどこんな人混みの中で人に刃物を向けて殺しに来ながらタダで済むと思ってますか?

ブラックタイガーがあまりにも黒森峰な名前をしてるくせに黒森峰から程遠い集団だったからチクショウ!!

投下します


みほ「何を買いに来たんですか?」

モモ「え?」

モモ「あー……っと、それはだな」

みほ(あ、これ嘘つかれそう)

モモ「ああ、あれだ、夕飯の買い出しだ、うん」

モモ「ははは、それじゃあ早く帰って作らないらいけないから、これで――」

みほ「へえ、何をつくるんですか」

みほ「見たところ食材っぽいものは何も――」 ガサッ

モモ「こ、こら! 覗き込むな!!」

みほ「銃と、砲弾と……これなんだろう……」

みほ「あ、太ももとかにナイフや銃を隠すためのやつだ」

モモ「ち、違う! これらはその……夕飯のオカズなんだ!!」

みほ「えっ」

モモ「ははは、美味しい~~! 美味しいなぁ!!」 バクッ゙

みほ「ええ……」 ドンビキ

モモ「と、とくに、この、革製品は……は、歯ごたえが……」 モッキュモッキュ

みほ(泣くくらいならやめとけばいいのに……)

モモ「あ~~! 美味しい! これは豪勢な夕食だァ!!」 モグモグ

みほ(嘘が下手すぎる……)

ママー、アレナニ?

シッ、ミチャイケマセン!

みほ「……」 ゲッソリ

モモ「お、おいひ……ウォエッ」

みほ「わ、分かりましたからもういいです」

みほ(見てるこっちまで辛くなってきちゃった……)


みほ「それと」

モモ「……?」 ウォエップ

みほ「殺さないとは言いましたけどこんな人混みの中で人に刃物を向けて殺しに来ながらタダで済むと思ってますか?」

モモ「……!」 ゾッ

みほ「今の奇行で……皆さんの視線が外れましたね……」

モモ「お、おい……?」

みほ「貴女……覚悟してきてる人ですよね……?」

みほ「人を『始末』しようとするって事は――」

モモ「ッ」 ゾワワッ

みほ「逆に『始末』されるかもしれないという危険を常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね……」

モモ「ひっ……」 ペタンッ

モモ(こ、ここここいつ……私を殺る気だっ……) ジョロロ・・・

みほ(え、うわ、きたなっ……)

みほ(どうしよう、一生懸命凄みを出したはいいけど、これ以上近寄りたくない……)


モモ「か、金か!? 金がほしいのか!?」

みほ(ええ……)

モモ「それとも靴を舐めたらいいのか!?」

モモ「靴ならいくらでも舐めしゃぶるぞ!」

みほ「革製品咀嚼した直後だから説得力がすごい」

モモ「だから見逃せ! 頼む! いや見逃してくださいっ!!」 ドゲザー

モモ「会長のためにも私はまだ死ねないんだ!」

モモ「あっ、服か!? 全裸になれば許してくれるのか!?」

みほ「え、いや、ちょ、脱がないでくだs……」

みほ「うわああああスカートから飛沫が!!き、きたない!」


みほ(ぐぅ……)

みほ(こんなことならチームの皆に恐怖政治をしないといけなくなったとき用の教え、ちゃんと聞いておけばよかったな……)

みほ(お姉ちゃんと違って、そういう面白くない教え、まともに聞いてなかったツケかなあ……うう……)

モモ「頼む、この通り、全裸になって土下座もするし今は敵意がないんだっ」

みほ(……今“は”、かあ)

モモ「この通り、哀れなただの非力な少女なんだよぉ」

モモ「だからほら、大人しく見逃すんだ!!」

みほ「……」

みほ(何だか帰りたくなってきたかも……) ゲッソリ

???「そこまで!」

みほ「?」


みほとモモの間に割って入ってきた人物  >>310

アンチョビ


アンチョビ「そこまで!」

アンチョビ「お前ら何やってるんだ往来で!!」

みほ「……」

みほ(ほんとになにやってるんだろ……) ズーン

アンチョビ「あーあー、もう!」

アンチョビ「ほら、タオル使うか?」

モモ「あ、す、すまない……」

アンチョビ「ちゃんと拭いてから服を着ろよ、風邪引くから」

アンチョビ「スカート……も濡れてるか……」

アンチョビ「ほら、ちょっとスースーするだろうけど、マント貸してやるから」

モモ「うう、アンザイ~~~~~」 ウルッ

アンチョビ「アンチョビだ!」


アンチョビ「それから、ミホ!」

みほ「は、はいっ」 ビクッ

アンチョビ「……あんまり無理はするな」

アンチョビ「お前はモグラ乗りなんだろう?」

アンチョビ「ブラックティーガーに義理立てするのはいいが、無理して人間同士争うことはない」

アンチョビ「そりゃあ、同じものを狙ってるなら争いは避けられないだろうが……」

アンチョビ「それでも友達にはなれるし、終わってから一緒にパスタを食べることは出来ると信じてるぞ、私は」

みほ「アンチョビさん……」

アンチョビ「……ほら、震えてるじゃないか」

アンチョビ「来い」

アンチョビ「美味しいパスタを食べさせてやる」

みほ「え、でも……」

アンチョビ「おごりだ、遠慮するな!」

アンチョビ「一緒にパスタを食べたら……きっと良い方向に転がるさ」


【家】

みほ「うーん」

みほ「アンチョビさんはいい人だし、仲良くなる道を模索してくれてたけど……」

みほ「片眼鏡の人は、何か譲れない理由があって、戦うつもり満々だったよね……」

みほ「逸見さんやお姉さんも引くことはないだろうし……」

みほ「困ったな……」

みほ「あんまり、対人で戦車には乗りたくなかったんだけど……」

みほ「……」

みほ「殺さないように相手の戦車を完膚なきまでに叩き壊す」

みほ「そうするのが一番、なのかな……」


<16日目>

みほ「うーん、よく寝た……」

みほ「お腹いっぱい美味しいもの食べられたからかな」

みほ(困窮してるっぽいからか、全体的にご飯は質素だもんね……)

みほ「今日はどうしようかな」


今日は何をする?  >>316

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

修理屋役の子を仲間にしたい
市場


【市場】

カンカンカン

アリス「水道管の修理、完了……と」

アリサ「いやー助かるわー」

アリス「……」 ジトー

アリサ「タカシが知らない女と歩いてたのを見て、つい自棄酒しちゃって……」

アリサ「ああもう、水道管酔って夜通しぶっ叩いてたのは反省してるわよ!」

アリサ「だからこうして自腹切って治してもらってるんじゃないの!」

アリス「まあ、いいけど……」

みほ「本当に便利屋さんなんだ……」

アリサ「あら、また来たわけ?」

アリス「……またあの子の調子が悪くなったの?」

みほ「あ、ううん。そうじゃなくて……」

みほ「今日はちょっと通りがかっただけで……」

みほ(昨日バタバタしすぎてゆっくり見て回れなかったし)

みほ(……あの人、ほんと色んな意味で凄い人だったなあ……)


みほ「そういえば……」

みほ「それだけの技術があるなら、どこかの陣営に所属したりはしないんですか?」

みほ「うちの陣営、結構大規模なんですけど、その割に技術者が少なくて……」

アリサ「そーなの?」

みほ「最低限の整備を独学で、みたいな人は多いんですけど……」

みほ「最低限だけ教えられて戦場に放り込まれて、生き延びながら覚えたらしくって……」

アリサ「重ーーーーーーーーーーーい」

アリサ「重いわ!」

みほ「Ⅳ号の整備をしてくれてるユカリさんが他の戦車の面倒も見てくれてるんですけど……」

みほ「どうしても負担が大きくなっちゃって、最近ずーっと戦車周りに貼り付くはめになってるようで……」


ユカリ「あれ?」

ユカリ「あそこに見えるは西住殿では!?」

ユカリ「おーい、西住ど――――」

みほ「だから、ユカリさんだけに整備を任せるのも何だし、整備士としてスカウトしたいなあ、なんて」

ユカリ「」

ユカリ「」

アリサ「……」

アリサ(何かしら、あの間抜けな顔で固まってるモジャ毛……)


ユカリ「に、西住殿ォ~~~~~~!!」 ガバッ

みほ「わっ、ユカリさん!?」

ユカリ「わ、私リストラされちゃうんですかあ!?」 ウルウル

みほ「ええ!?」

ユカリ「うう、嫌ですぅ……」

ユカリ「昔ならともかく、今更そんなの嫌ですよぉ!」

ユカリ「く、靴ですか!? 靴を舐めたらいいんですか!?」

みほ「この世界、靴を舐める文化でもあるの?」


アリス「……ふふ」

アリス「大丈夫」

アリス「一緒に潜るのは、無理だから」

みほ「え?」

アリス「私は無学だから……」

アリス「独学で適当にやっているだけ」

みほ「え?」

アリス「だから、ブラックティーガーの人達と変わらない」

アリサ「質がダンチじゃない」

アリス「……それに……」

アリス「バトルディッガーが、そんなに好きじゃないから……」

みほ「え?」

アリス「私は、ボロボロになった道具を直してあげることが仕事……」

アリス「だけど、バトルディッガーは壊す側のもの……」

アリス「私は、ボコボコにするよりも、ボコボコにされながらも壊れきらない方でありたい」

アリス「それが、ボコだから……」


アリス「それじゃあ……」 スタコラサー

アリサ「あ、ちょ、待ちなさいよ!」

アリサ「……ったく、相変わらず修理の時以外は何考えてるかよくわからないんだから……」

アリサ「そんじゃ、私も行くわ」

アリサ「じゃあね」

アリサ「待ちなさいこらー!」 タッタッタッ

ユカリ「いっちゃいましたねぇ」

みほ「あ、うん……」

みほ「ボコ、かあ……この世界にもあるのかなあ……」

ユカリ「?」 


【家】

みほ「はあ……」

みほ「あれから結局ユカリさんの誤解を解くために色々おごらされちゃったなあ……」

みほ「明日は何をしようかな」



明日は何をする?  >>326

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

アリスに会う

原作の設定下敷きにはするけど、トレスするだけなのもアレかなってのもあるし、
バンバン勧誘したら原作で仲間にならないポジションでも仲間に出来たり、
原作では死ぬキャラを助けられたりはします
何もしないとまあ死ぬキャラは死にます

あ、投下します


<17日目>


【市場】


ユカリ「うう、感激です」

ユカリ「西住殿がお買い物のお手伝いをさせてくれるなんてぇ!」 ウルウル

みほ「あはは……」

みほ「その、ユカリさんのことも必要だよってちゃんと分かってもらいたくて……」

ユカリ「ん?」

ユカリ「何やらざわついてますね……」

みほ「なんだろう、何かやってるのかな」

ルクリリ「おい女!」

ルクリリ「ボコ様がお前を必要としているそうだ!」

みほ「ボコ!?!?」

ユカリ「ちょっ、西住殿! 何乱入しようとしてるんですかぁ!!」


みほ「でも……今ボコ様って……」

ユカリ「ご存知なんですか?」

ユカリ「ボコ――あのブルーチーターの崇拝する神様ですね」

ユカリ「元々はボコ・クライスト教団、略してBCの教団として立ち上がったとも言われています」

ユカリ「全ての人の罪を背負ってボコボコにされ、それでも挫けず立ち上がる」

ユカリ「そして人々の望みを叶えてくれると信じられているのです」

ユカリ「何でも『夢は自分を裏切らない。自分もまた夢を裏切ってはならない』」とか言って」

ユカリ「盲信する願いを叶えるべくボコを称える奇祭ドリームトラストミーフェスティバル、略してDTM祭などを自主的に開催」

ユカリ「そのお祭りでは強く願いながらボコにお願いをすることで、例えば己の愛車をカラーリングしてもらったり」

ユカリ「とにかく不思議な恩恵を受けることができたそうです」

みほ「そ、そう……よくわからないけど、詳しいね、アキヤマさん……」

ユカリ「ああっ、露骨に距離を!!」


ユカリ「誤解ですよぉ!」

ユカリ「これらは全部チラシに書いてあったんです!」

みほ「チラシ?」

ユカリ「ええ」

ユカリ「ブルーチーターはいわば寄せ集めですからね」

ユカリ「特に貧民街のガラの悪い人達が主に荒事を担当しているようで……」

ユカリ「その人員に加えて、上流階級のパトロンも見つけるために、ちゃんとしたガイドをそこらで配ってますよ」

みほ「そうなんだ……」

みほ「ボコについて書いてあるんだ……」

みほ「……」

みほ「ねえユカリさん、これ一人何部まで持って帰っていいんだろう?」

ユカリ「えっ、西住殿???」


みほ「じょ、冗談、冗談だから……」

みほ(チラシもらうのは一人の時にしておこう……)

ユカリ「あっ、でもあそこで大きな顔してるの……」

ユカリ「上流階級側の人ですね」

みほ「え?」

ルクリリ「ようやくあの口やかましいチビが居ない時に来られたわッ」

みほ「……上流……階級……?」

ユカリ「一応、部隊分けとしてはそのはずですが……」

ユカリ「ああでも、あの大きい態度は、上流階級らしいといえばらしいですよ」

ユカリ「基本的に、平民以下が集まるこの市場のことを見下しているようですし」

ユカリ「ここは本来中立地帯ですから、暴れる人間、大体ブルーチーターなんですよねぇ」

ユカリ「市場のことを遥か下に見ている上流階級か、そんなの気にしないスラムのチンピラって感じですから」

みほ「うわぁ……」

ユカリ「結構この辺買い物来るんですけど、定期的に揉めてますよあの人達」

ユカリ「関わらない方がいいんじゃあ……」

みほ「……あれ?」

みほ(あの絡まれているのって…・・・)


アリス「……大人しくついていったら、ボコミュージアムを建ててくれるの?」

ルクリリ「え?」

ルクリリ「あ、ああ……そう言っていた……」

ルクリリ(ボコミュージアムってなんだ……)

ニルギリ(無邪気な子供を騙すみたいで心が痛いな……)

アリス「だが断る」

ルクリリ「!!」

アリス「このシマダアリスが最も好きなボコのひとつは」

アリス「自分が強いと思っているやつにNOと断ってボコボコにされるボコだ……」

ルクリリ「何言ってんだコイツ……」


ルクリリ「ま、まあいい」

ルクリリ「断られるのは織り込み済み!」

ルクリリ「口やかましい奴がいなければ、こんな子供一匹どうということないわ!」

ニルギリ(ルクリリ様、三下っぽいですよそれ……)

ルクリリ「はっはっは、ティーバックのサビにしてくれるわーーーーっ!」

ブゥン

アリス「!」

アリス(水分を大量に含んだティーバック……)

アリス(あのスピード、まともに食らうのはやば――)

ガキィン

ルクリリ「ん?」

ルクリリ「なんだァ?」

みほ「……」

みほ(思わず飛び出してきちゃった……)


ルクリリ「ふんっ私達を誰だと心得る!」

ルクリリ「邪魔立てするようなら、ティーバッグが火を噴くぞ!」

ニルギリ「ルクリリ様、どんどん言動が小物っぽく……」 ホロリ

みほ「……」

みほ「そういう下品なセリフは、押田隊なら避けた方がいいと思いますよ」

ルクリリ「えっ!?」

ニルギリ「何故ルクリリさんが定期的に態度を注意されていることを……」

ルクリリ「だ、だとしてもだ!」

ルクリリ「押田隊長がこんな所にいるはずがない!」

ルクリリ「そもそも連れてこいというのは隊長の命令だし、そのためなら多少は……」

みほ「そういう言い訳は、まず貴女の後ろにいる隊長にするべきじゃないでしょうか」

ルクリリ「!!」

ルクリリ(た、隊長!? 後ろに!? ま、不味い、嘘でしょ――)

A:あわてて振り返る
B:いそいで振り返る
C:ティーバックウィップを振り回しながら振り返る

ルクリリ「違うんです隊長これはそうあれです安藤隊の陰謀……」

ルクリリ「……あれ?」

ルクリリ「誰もいな――――」


西住流には、白兵戦の技術も当然ながらある。

しかしながら、武道ではないゆえ、その大半は不意打ち専門の技。

偵察や侵入の際、すみやかに相手兵の意識を刈り取るためのもの。

真正面の殴り合いでは圧倒的に不利であるが、しかし――――

ルクリリ「……」

ルクリリ「……ブクブク」

ルクリリ「」 ドサッ

無防備な背中が相手ならば、秒で意識を奪うことくらい造作もないのであるッッ!

みほ「ふう……」

アリス「す、すごい……」


ニルギリ「あ、あわわ……」

ユカリ「……」

ズドムッ

ニルギリ「うっ……」 バタリ

ユカリ「ふう……」

ユカリ「砲弾をセットするように拳を突き出すだけで、結構な威力になりますねえ」

ユカリ「ごめんなさい、援軍呼ばれると面倒なので……」

ザワザワザワ

ユカリ「……まあ、そりゃ周囲の人は驚きますよねえ」

ユカリ「上流階級の人達をのしちゃいましたし」

みほ「う……」

アリス「……」


アリス「ありがとう……」

みほ「あ、ううん」

みほ「いいの。前は、助けてもらっちゃったし……」

アリス「……」

アリサ「はいはいどいたどいた」

アリサ「ったく、野次馬がすごいと思ったら何やってんのアンタ達は」

みほ「あっ、アリサさん」

アリサ「アリス、アンタもあんまウロウロするんじゃないわよ」

アリサ「治安だっていいわけじゃあないんだから」

アリス「う、うん……」

アリス「……やっぱり、いつまでも逃げてはいられない、か……」

みほ「え?」


アリス「……ねえ」

みほ「?」

アリス「私を――貴女の所の専属、ということにしてほしいんだけど……」

ユカリ「!!」

アリサ「ああ、いい考えかもね」

アリサ「どっかに所属しとけば、軽々には手を出されないだろうし」

ユカリ「……」

みほ「……Ⅳ号ナンバーワン整備士はユカリさんだけど……」

みほ「負担を減らすためにも、ぜひ、お願いします!」

アリス「……よろしく」


▼アリスが仲間になった!


<18日目>


みほ「う、頭いたい……」

みほ「ようやく増えた仲間の歓迎会だ!って張り切りすぎたからかな……」

みほ「それともはしゃぎ疲れたのかな……」

みほ「ううん、今日はどうしよう……」



どうする? >>346

疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

エリカに会う


【遺跡傍】

みほ「えーっと……」

エリカ「……」

みほ「何かカリカリしてる……?」

エリカ「あったりまえでしょーが!」

エリカ「アンタねェ、どれだけ経ってるか分かってんの!?」

エリカ「前の突入からももう2週間!」

エリカ「……私達が突入してやられてからは3週間も経つのよ!」

エリカ「……」

エリカ「こうしてる間にも、置いてきちゃった部下はどんどん生存率が下がってる」

エリカ「平常心でいられるわけないじゃない……」

みほ「エリ……逸見さん……」


みほ「あの、えと、きっと皆さん何とか元気にやってますよ……」

エリカ「適当言わないで!」

エリカ「あの穴蔵の中で何をどうしたら元気にやれるって言うのよ!」

みほ「うっ……あの、それは、その……」

みほ「温泉が出てきて、しかも松茸が生えてるとか……」

エリカ「アンタまじで適当言うんじゃないわよ」

みほ(うわぁ、どうしよう、なんか怒ってる……!)

エリカ「ったく……それで何の用なのよ」

エリカ「私も暇じゃァないんだからね」

みほ「え、ええと、それは……>>353

一緒にダンジョンに潜ってもらえませんか?
生存者の手がかりとかもエリカさんなら分かるでしょうし

ガンダーロボ絶対許さんからな
投下します


みほ「一緒にダンジョンに潜ってもらえませんか?」

エリカ「はァ?」

エリカ「その話なら前(>>188-190)もやったでしょ」 イライラ

みほ(そういえば……)

エリカ「ったく、それとも遠回しに言ったら何にも伝わらないの?」

エリカ「そんな脳みそで隊長や車長が務まるわけ?」

エリカ「所詮はしがない流れのモグラ乗り」

エリカ「貴女でも車長が務まるのね」 ハン

みほ「いや、その……」

みほ「生存者の手がかりとかもエリカさんなら分かるでしょうし」

エリカ「うちの連中なら皆分かると思うわよ」

エリカ「……勿論、私が一番良くわかってるつもり」

エリカ「それでも、全滅を避けなきゃいけないし、地上の防衛も手一杯だから無理って話をしたんでしょうが」

エリカ「あんたみたいな無責任なやつと違って、好き勝手出来るわけじゃないのよこっちは!」

エリカ「それとも何?」

エリカ「あんたが私と入れ替わりで地上でお留守番でもしていてくれるのかしら?」

みほ(うう……虫の居所が悪いところにきちゃったみたい……)

みほ(どうしよう……)


どうする? >>357

A:何か喋る(発言内容併記)
B:黙って俯いて言葉の嵐が過ぎ去るのを待つ
C:グーで殴って黙らせる
D:発言を右から左へ受け流す
E:その他(併記)

投下します(最終章第二話までには終わらせたいな……)


みほ(こんな時は……どうしたら……) オドオド

みほ(……)

みほ(そういえば……西住流の教えにあったような……)



~~~~ 回想 ~~~~



しほ「いいですか、みほ、まほ」

しほ「西住流において、上下関係というのは絶対的なものです」

しほ「一糸乱れぬ統率を生むには、上の命令に絶対服従の兵士である必要があります」

しほ「隊長とは頭脳。そして他は皆優秀な頭脳の指示を十分にこなす手足でなくてはなりません」

しほ「そのためには……何が必要か、わかりますか?」

幼みほ「んっと、ガス室!!」

しほ「どこで覚えてきたんですかお母さんは心配です」


幼まほ「……信頼、でしょうか」

しほ「その通り」

しほ「信頼されない頭からの命令では、手足は十全に動けません」

しほ「そのためにも、信頼を得ることは不可欠」

しほ「……ですが……」

しほ「決して馴れ合いになってもいけない」

しほ「……そのへんは、犬の躾と大差ありません」

しほ「いつでもひっぱたく恐怖政治である必要はない」

しほ「それでも、悪いことをしたときには、きちんと叱らねばならない」

しほ「ただ甘やかし、舐められることが信頼ではありません」

幼まほ「……」

幼みほ「……」

しほ「統率を取れていないことを知られることによる不利益は勿論……」

しほ「誤ったことが野放しにされると、真面目にやっていた正しき者までつられて悪しくなっていきます」

しほ「誤った者が得をしているように思わせてはいけないのです」

幼まほ「だから、叱責、ですか……」

しほ「ええ。悪しき行為には報いを与える必要があるのです」

しほ「罰、と言ってもいいでしょう」

しほ「例えば、おやつは一人一つと私がルールを定めたとします」

しほ「みほ。もしも、まほが貴女の分のおやつを食べて素知らぬ顔をしていたらどうしますか?」

幼みほ「え……」

しほ「嫌な気持ちになるでしょう」

しほ「更に私がそれを知り、見逃していたとしたらどうします?」

幼みほ「……私もお姉ちゃんの分を食べる……」

しほ「ええ、そうでしょう。その方が得である、という状況になってしまったのですから」

しほ「勿論、だからといって全ての者が低い方に合わせるわけではありませんが……」

しほ「それが原因で足並みが乱れることは確実。むしろ、全員が低い方で統率される方がマシな状況となるでしょう」

しほ「ならば、みほ。例えばまほが貴女のおやつを食べていたとして、長である私はどうすべきだと思いますか?」

幼みほ「お姉ちゃんの舌を引っこ抜く」

しほ「ワンパクの一言で済ませていいレベルをそろそろ越えてきている気がしてお母さん心配です」


しほ「ですがまあ……適度な鉄拳制裁は有り、というのが西住流」

しほ「過剰な暴力は殴った側の拳を痛める」

しほ「しかし適切に震えば、西住流の盤石の舞台を作れるようになるのです」

幼まほ「……」

しほ「今から、厳しい指導者の厳しさ部分を理解してもらうため、西住流の白兵戦技術を伝達します」

しほ「……」

しほ「みほ」

幼みほ「?」

しほ「今から貴女に、全力の拳をぶちこみます」

幼みほ「?!?!?!?!?!?!?」

しほ「まずは痛みを知る。それが会得の第一歩です」

しほ「それに――」

しほ「これは、お仕置きも兼ねてますから」

しほ「……みほ。こんなお話をされて、鉄拳制裁までくらい理由、わかるわよね?」

幼みほ「え……わかんない……」

幼みほ「お夕飯のカレー鍋にカブトムシの死骸を5つくらい入れたから……?」

しほ「なにそれ知らないやつですねうわぇショックちょっと吐いてきます」



~~~~ 回想、おわり ~~~~


みほ「……」

みほ(逸見さん……向こうでも、お姉ちゃんが鉄拳制裁とかしなかったせいで、増長してるところはあったけど……)

みほ(今回も、まあまあまずいやつだよね……)

みほ(うう……仕方ないよね……黙らせないと……)


みほ「……」

みほ(まずは一歩歩み寄る)

みほ(射程に入れる、ってだけじゃない)

みほ(この技を使われる相手は、大体情緒が不安定になってるから……)

エリカ「な、によ……言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!」

みほ(キレてくるか、小馬鹿にしてくるかになる可能性が高い)

みほ(そして、口を開いて無防備になってみぞおちに――)

みほ(パンツァー、フォー!!!!)

ズドムッ

エリカ「!?」

エリカ(な、に……て、的確に、油断した鳩尾、を……)

エリカ「ぐえっ」 ドサッ


エリカ(た、立てない……足に、力が……) ガクガク

みほ「……」

エリカ「ひっ……」

エリカ(こ、殺され――)

みほ「逸見さん」

エリカ「ひっ」

みほ「>>365

探しに行きましょう

眠いのでのんびり投下します


みほ「探しに行きましょう」

エリカ「……ッ」 ビクッ

みほ(言葉は少ない方がいい)

みほ(それが威圧感を生み、勝手に相手の中で自分を肥大化させてくれる)

みほ(……お姉ちゃん、その教えを忠実に守ってエリ……逸見さんを従えてたもんね……)

エリカ「……」

エリカ(何……この隊長と見間違うようなオーラ……)

エリカ(この子は自分が正しいと信じる道のためなら、火砕流の中だろうと突き進むような“凄味”がある……)

エリカ(わ、私は……)


>>370のコンマで勧誘成否決定

00~29:勧誘失敗、しかも危険な存在として敵視されるようになる
30~49:勧誘失敗、しかも怯えて距離を取られるようになる
50~79:勧誘失敗、勧誘失敗、しかし大きなしこりは残らず
80~89:勧誘成功、しかし大きなしこりが残る
90~99:勧誘成功、大きなしこりは残らず

そい

めっちゃ眠いので少しだけ・・・


エリカ「……こと、わる」

みほ「え?」

エリカ「い、言ったでしょ、私が命令を聞くのは隊長だけっ……」

エリカ「そ、それに、私にはちゃんと役割がある」

エリカ「それを放棄なんて……できないっ……」

エリカ「潜りたいわよ、でも……」

エリカ「私はッ! 多国籍軍ブラックティーガーが副隊長、逸見エリカよッ」

エリカ「ナメるんじゃあないわよ!」 ツカツカツカ

みほ「あ……」

みほ「早足でどこかいっちゃった……」

みほ(やっぱり難しいな、コミュニケーションって……)

みほ(こっちの世界でも、微妙な距離になっちゃうのかなあ……)

みほ「……それでも……これで、よかった……んだよね……?」


【ブラックティーガー管轄エリア】


エリカ(うう……さっきの雰囲気……)

エリカ(アレは隊長と同じ、やばいものを秘めたソレだった……)

エリカ(啖呵切っちゃったけど……大丈夫でしょうね……)

エリカ「ん……?」

???「……」

エリカ「ああ、ご苦労さま」

エリカ「……え?」

エリカ「ち、ちち違うわよ! も、漏らすわけ無いでしょ!!」

エリカ「これは、その……汗よ! 遺跡の近くで筋トレしてたら、内ももが群れて汗染みになったの!」

???「……」

エリカ「……わ、私は忙しいからもういくわよ!」

エリカ「あんたも、遺跡に潜れそうなら志願しておきなさいよ!」 タッタッタッタッタッ

???「……」

???「……」 ニタリ


【繁華街のバー『どんぞこ』】


???「はーい、アンジー」

杏「ん、どったの、ケイ」

ケイ「いやね、さっきそこで面白い話を聞いたものだから」

ケイ「ここで飲んでるって聞いて、わざわざ教えにきてあげたってわけ」

杏「おー、気が利くねえ。ほしいも食べる?」

ケイ「遠慮しておくわ」

ケイ「それよりも――」

ケイ「良いニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい?」

杏「そーいうの、大体話しの流れで大どんでん返しにするためにある二択だしさぁ」

杏「外して微妙な感じになっても嫌だし、好きな方から喋りなよ」 ホシイモヒラヒラ

ケイ「うん、じゃあ早速だけど――」

ケイ「ブラックティーガーの内通者から連絡が入ったわ」


ケイ「何でも、遺跡をべったり守ってるあの副隊長さんが、モグラ乗りと揉めたっぽいわよ」

杏「へえ、そりゃまた……」

ケイ「それも結構心に傷を追ったみたい」

柚子「攻め込むなら今、かも」

杏「だねぇ」

杏「でも今夜じゃあない」

杏「……丁度カーシマが市場で手に入れたやつもある」

杏「次の遺跡、いつ潜れたっけ?」

杏「叩くなら――そこだよねぇ」 ニヤリ

ケイ「悪い顔してるわねえ」

ケイ「……下手に謀略しないで、真正面から殴り込んでも負けないのに」 ハァ

杏「いやー、でもさすがに護衛を0にさせるわけにもいかないしさー」

杏「……」

杏(私は死ぬわけにはいかないし、ね)


杏「それで、今のが良いニュースとして、悪いニュースは?」

ケイ「酔ったモモが口から生しらす丼を吐いた」

杏「全然良いニュースと関係なかったね」

ケイ「そしてそれを避けようとしたバーテンさんが、食材のかごをひっくり返しちゃったらしく……」

ケイ「ほしいも、今日はソールドアウトらしいわよ」

杏「クソっ!!! なんて時代だ!!!!」

ユズ(こんなに凹むの初めて見た……)


<19日目>


みほ「はァ……」

みほ「昨日は逸見さんとあんなことになっちゃうなんて……」

みほ「明日には遺跡に潜れるけど……憂鬱だなぁ……」

みほ「……」

みほ「今日はどうしよう」



どうする? >>379


疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

これは潜らせるわけには行かなくなってしまったな
安価下

眠いですが進めないと終わらないので勧めます


【バー『どんぞこ』】

カランカラン

みほ「……」

みほ(噂では、ここにいるはず……)

みほ(だけど……)

フリント「~♪」

ムラカミ「……」

ラム「ウィック」

みほ(……)

みほ(無策で来たけど大丈夫かなぁ……)

みほ(治安が悪そう……)


カトラス「店に入ったらまず注文しな」

みほ「えっと、ステーキ定食で」

カトラス「……」 ピクッ

カトラス「焼き方は?」

みほ「……」

みほ(アンチョビさんに聞いた合言葉は、確か――)

みほ「弱火でじっくり」

カトラス「……」

カトラス「それで、“誰”への客なの」

みほ「えっ」

みほ「えーと……片眼鏡の……」

ラム「うほ? それってモモさんのことじゃァ……」

フリント「モモさん!?」

ムラカミ「こいつモモさんの客なのか!?」

カトラス「いや……それにしては怪しいね」

カトラス「顔見知りだけど、友人じゃあないってところかな」

みほ(す、するどい……)

ラム「ふーん……」

フリント「それじゃあ……」

ムラカミ「モモさんに会う資格があるかどうか、試してやるッ」

みほ「うう……」


  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


  ・  ・  ・  ・  ・  ・


  ・  ・  ・


お銀「ふぅん、やるじゃあないか」

みほ「っ」 ビクッ

お銀「警戒しなくても、不意打ちなんて真似はしないさ」

お銀「それにしても大したもんだね

お銀「錨結びも手旗信号も識っているうえ、ムラカミのパワーやカトラスの器用さを上回る動き」

お銀「あんたがモグラ乗りってやつだろう?」

お銀「丘の職業は興味ないけどね」

みほ「……」

お銀「だんまり、ね。まあいいさ」

お銀「あんたはモモさんに用があって、私は何だかあんたを会わせたくはない」

お銀「となると、この店を仕切る私とタイマン張ってもらうしかないねぇ」

みほ「……」

みほ(もう4戦もしたのに……)

お銀「ルールは簡単」

お銀「こいつをより多く飲んだ方が――――」

みほ「…………ハァ」 ゲッソリ


みほ「貸してください」

お銀「おっと」

お銀「気をつけな」

お銀「お洒落な瓶だけど、中身は激辛――――」

みほ「」 グイーーーーーーッ

お銀「なッ……!」

ラム「うほっ!? こ、こいつ、飲んだ!? 瓶で!?」

ムラカミ「ハバネロクラブをボトルで一気飲だと?」

カトラス「そ、そんなことをしたら、喉とアナルが…・・っ!」

みほ「問題ありません」

みほ「……この手のものは、影でよく飲まされましたから」

お銀「な、なんなんだい、この子ァ……」


お銀「まいったね……」

お銀「船底以外興味なかったのに、モモさんのためと丘にあがってみたら、こんなバケモンがいるなんて」

お銀「……胃の中の蛙大海を知らず、ってやつだね」

お銀「胃袋の中に入ったことなんざないけどさ」

みほ(馬鹿なのか私の世界と文化が違うのかどっちなんだろう……)

お銀「まあいいさ……」

お銀「野郎ども、モモさんをお連れしろ」

ラム「あいあいさー!」 ドタドタドタ

お銀「……それにしても惜しいね」

お銀「あんたほどの手練がレッドタートルに力を貸してくれていれば、モモさんも楽になっただろうに」

みほ「……」

みほ(もっと真剣に敵対してたら、違う意味でそのモモさんを楽にしてあげる結果になってたことは黙っておこう……)


ラム「モモさん、お連れしやしたー!」

モモ「どうした、お前達」

モモ「明日の作戦のことで忙しいんだ……が……」

みほ(明日の作戦?)

モモ「ななななななな、おまっ……おまぁ!」

みほ「おま?」

お銀「あんた、オマっていうのかい?」

みほ「違います」

モモ「な、なんでここにいるんだ!!」

みほ「ええと、ちょっと用があって……」

モモ「よ、用?」

みほ「>>389

降伏は無駄だ、抵抗しろ

桃「なにを言ってるんだ西住、言葉間違って……待てよそういうことかああああ」
柚子「桃ちゃんうるさい……」

最終章面白すぎるんだなぁ
週末ちょっと書けないので、明日早いんで少しだけですが投下しておきます


みほ「降伏は無駄だ、抵抗しろ」

モモ「え?」

お銀「…………はあ?」

モモ「……ははは!」

モモ「お前、間違ってるぞ」

モモ「それを言うなら『抵抗は無駄だ、降伏しろ』だろ?」

みほ「……………………」

みほ「何故、そう思うんですか?」

モモ「……!」

モモ「う、うわああああああああああああ!」


お銀「モモさ――――」

ガシャン

お銀(あ……)

お銀(ハバネロクラブの瓶……)

お銀(なるほど、だからラッパ飲み……)

お銀「まったく、年寄りの入れ歯にかけて――」

ドゴッ

お銀「ぐ……」

お銀(モモ……さん……) ドサ

みほ「……あくまで狙いはモモさん?だけですが……」

みほ「来るなら本気でお相手します」

みほ(……一方的な暴力は嫌だけど……)

みほ(こちらを殺す気で来てくれるなら……気が楽になるもんね)


  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


  ・  ・  ・  ・  ・  ・


  ・  ・  ・


アリス「おかえ……」 ビクッ

みほ「……アリスちゃん」

みほ「ただいま」

アリス「……」

アリス「その匂い……」

みほ「……」

みほ「はは、汗臭いかな?」

みほ「……シャワーは浴びてきたんだけどね」

アリス「……」

みほ「……」

みほ「……折角遊びにきてくれたし、お菓子でも食べる?」

アリス「……」

アリス「無理はしないで」

みほ「……」

みほ「うん」

みほ「わかってるよ」

みほ「……わかってる」


【バー『どんぞこ』】

杏「……まったく、ほーんと困ったもんだよ」

ユズ「……会長」

杏「……」

杏「ん、ごめん」

杏「おしゃべりはここまでにしておこうか」

杏「……片付けないわけにもいかないしさ」

杏「だから――もう、お別れだ」

杏「ごめんな――かーしま」

ユズ「……」

杏「……埋めてやれ」

ザッザッザッ

杏「……」

杏「……」

杏「そんなに大きな犠牲は出さずに終わらせよう、なーんて思ってたんだけどさ」

杏「甘かった、かなぁ」

ユズ「……」

杏「……」

杏「全面戦争だ」

杏「小山、悪いけど兵隊達に準備させてくれない?」

杏「明日だ」

杏「可哀想だけど――西住ちゃんには、地獄を見てもらう」 ギリッ


【家】

みほ「そういえば、アリスちゃんはなんで――」

みほ「あ、用事がないと来ちゃ駄目だとかそういうんじゃなくてね」 アセアセ

アリス「……」

まほ「私が呼んだんだ」

みほ「お姉ちゃ――隊長!」

まほ「話は聞かせてもらった」

まほ「ようやく仲間が見つかったそうだな」

みほ「うん……」

みほ「でも、あと1人が全然見つからなくて……」

まほ「それがだな…・…」

まほ「明日ならば力を貸してやってもいい、という隊員が現れたんだ」

みほ「え?」

まほ「エリカもどんどん不満をつのらせているし、隊の間でも正直不安の色が濃くなってきている」

まほ「……あいつは、ここで組む前は隊長を務めていた程の者だ」

まほ「皆の心に、本当にモグラ乗りを頼っていいのかというく不安が渦巻いているのを察知したのだろう」

みほ「なるほど……」

まほ「どうする?」

まほ「明日、そやつを連れてダンジョンに潜るか?」

みほ「うーん……」

どうする?  >>400

止めておきます、レッドドラゴンがうるさくなってきてますので
でもその人を連れてきてください
次に潜るまでに親睦を深めたいので

帰宅して家事とかしてたら寝る時間の日々なせいで停滞してて申し訳ない。
サクサクいきます。あと人が死にます。


みほ「止めておきます、レッドタートルがうるさくなってきてますので」

まほ「……確かに、最近の動向は気になっていた」

まほ「特に今夜はどうも繁華街が騒がしくてな」

みほ「……」

みほ「あ、でもその人を連れてきてください」

みほ「次に潜るまでに親睦を深めたいので」

???「その必要はないわ」

みほ「え?」

まほ「……」

まほ「彼女なら、もう来ている」

みほ「えっ?」

みほ「あ、こんなところに」 シャガミ

???「なっ、しゃがみこんで目線を合わせるんじゃないわよ!」

???「それに何!? 小さくて気付かなかったっていうわけ!?」

カチューシャ「カチューシャを馬鹿にすると痛い目にあうんだからね!」

カチューシャ「ノンナ! ノンナー!!」


みほ「……」

みほ(なんだろう、すごく、嫌な感じが……)

まほ「見た目は子供だが――」

カチューシャ「ちょっと!」

まほ「……」 ギロリ

カチューシャ「ひっ……」

カチューシャ「ノンナ! どこいったのよ!」 コソコソ

まほ「腕は確かだ」

まほ「部隊を率いて我が国とやり合い、激しい損壊を与えられた」

みほ「え……」

まほ「終戦し、帰れなくなった同士で一時的に手を組んでいるが……」

まほ「彼女たちには助けられている」

まほ「特に厳しい冬超えについて知識が豊富でな」

カチューシャ「ふふん」

カチューシャ「本当ならここでコテンパンにしてあげたっていいんだけど、カチューシャはオトナだもの」

カチューシャ「部隊の皆を家に帰してあげるためなら、貴方達とだって手を組んであげる」


カチューシャ「親睦を深めてほしかったら土下座でもして頼んでみたら?」

マホ「……」

カチューシャ「に、睨んでも無駄よ!」

カチューシャ「あんた達の方が数が多いし、任せてあげてたけど……」

カチューシャ「遺跡に取り残された中にはカチューシャの部下だっているの」

カチューシャ「この期に及んで地上を警戒して潜りたがらないようなヤワな子には任せておけないわ」

みほ「で、でも、レッドタートルが今本当に――」

カチューシャ「ふふん」

カチューシャ「それなら大丈夫よ」

カチューシャ「遺跡をそっちに任せてた分、カチューシャ達は防衛をやっていたもの」

カチューシャ「明日はまだレッドタートルも動かなさそうってノンナが言ってたわ!」

みほ「……ノンナさんって……?」

マホ「ああ……カチューシャの腹心だ」

マホ「その射撃の腕はピカイチでな」

マホ「……私の仲間もよく殺られたよ」

みほ「あ、あはは……」

みほ(こっちの世界のお姉ちゃんも笑っていいのか微妙なことを平然と言う……)


カチューシャ「とにかく!」

カチューシャ「貴女が行かないならカチューシャが指揮をとって乗り込んであげる」

マホ「……カチューシャの所のモグラは機動力に欠ける」

カチューシャ「問題ないわよ」

カチューシャ「それに、例え遅いとしても、前に進んでいる限り辿り着くのよ」

カチューシャ「怖気づいて足踏みしてる人は一生たどり着けないけど?」 フフン

みほ「……」

マホ「……本気で行くつもりなのか」

カチューシャ「とーぜんよ」

カチューシャ「その子が拒否した時のため、ニーナ達には話をつけてあるわ」

カチューシャ「……ああ、安心して。同盟を裏切るつもりはないし、約束通り防衛任務もやるつもりよ」

カチューシャ「ノンナとクラーラは地上においていくわ。それならいいでしょ?」 フフン

マホ「……」 チラリ

みほ「……私は……」

みほ「潰されるメンツなんてないし、おね――隊長がいいと思うなら……」

みほ(レッドタートル相手の防衛にどれくらい戦力残しておけばいいのかとか分からないし、あんまり口を挟んでも……だよね……)

マホ「……そうか……」

マホ「仕方がない」

マホ「明日はカチューシャ車と赤星車の二台を遺跡に潜行させることとする」


カチューシャ「やった!」

カチューシャ「これでお刺身が食べられるわ!」

みほ「え?」

マホ「お前、まさか……」

カチューシャ「ち、違うわよ!? それだけのためじゃないわ!」

カチューシャ「カチューシャの仲間をこれ以上暗い遺跡に閉じ込めておけないってのが一番の理由!!」

マホ「……」

カチューシャ「ま、まあ、ちょっとはお刺身食べたいって理由もあるけど……」

みほ「あの、お刺身って……」

マホ「ああ」

マホ「刺し身というのは新鮮なナマの魚を」

みほ「そういうことじゃなくて」


カチューシャ「遺跡に潜るって、死んでもおかしくないことよ」

カチューシャ「だから突入する者は前日に美味しいものを食べるんだって」

マホ「ともにこのブラックティーガーを形成した部隊の者がそう言っていてな」

マホ「……確かに最期になるかもしれない食事が木の根というのは可哀想だ」

マホ「だからその文化を取り入れることにしたんだ」

みほ(最期じゃなくても可哀想な食事……)

カチューシャ「クラーラがとってもいいお刺身を手に入れたって言ってたから楽しみだわ」

カチューシャ「折角だし、この食事で釣って戦力を募集しようかしら」

マホ「餌につられただけの者は役に立つまい」

カチューシャ「あら、そこを役立てるのが私の腕の見せどころなんじゃない」 フフン

みほ「あの……私はそろそろ……」

マホ「ああ、戻るのか」

カチューシャ「明日の壮行会、貴女は別に来なくていいわよ」

カチューシャ「どうせそっちの連中は見張りとかで忙しいだろうし、カチューシャはカチューシャの部下が見送ってくれたら十分だわ」

マホ「……」 ハァ

マホ「……仕事を滞らせなくてもいいという気遣いなのだろう」

カチューシャ「ちょっと聞こえてるわよ何よその通訳!!」

みほ「あ、あはは……」

みほ「ええっと、とりあえず、おやすみなさい」

マホ「おやすみ」

カチューシャ「ピロシキ~」

みほ「……」 スタスタスタスタ

みほ「……」

みほ「……!」 ダーッシュ

みほ(ご飯で釣られる前にハナさんにちゃんと潜らないよう言っておかなくちゃ……!)


<20日目>

チュンチュンチュン

みほ「ん……」

みほ「!!」 ガバッ

みほ「えっ、もうこんな時間!」

ユカリ「おはようございます」

みほ「ユカリさん……」

ユカリ「……アカホシ殿は、もう行かれました」

ユカリ「見送られると行きたくなくなるからー、なんて言って、目覚ましは切っていっちゃいましたよ」

みほ「……そう、なんだ……」

ユカリ「……それより!」

ユカリ「ご飯にしましょう!」

ユカリ「今日のご飯はすごいですよー」

みほ「え?」

サオリ「お刺身だって、お刺身!」

みほ「あ、おはようございます」

サオリ「何でも、安く大量に手に入れたけど、カチューシャさんの体積じゃ食べ切れなかったからおすそ分けなんだって」

サオリ「クラーラさんって人がお刺身と、あと調理したやつを振る舞ってくれるみたい」

サオリ「ハナはもう行ってるし、二人も行ってきなよ」

みほ「あれ、サオリさんは……」

サオリ「私はほら、マコを起こしていかないといけないから……」

みほ「わぁ激戦のあと……」

ユカリ「フライパンとかお玉とか散らばってるやつ一通り鳴らしたんですけどねえ」

みほ「なかなか起きないもんね……」

サオリ(行き交う砲弾に鼓膜やられてるのかみぽりんも全然起きなかったけどね……)


サオリ「とりあえず席と一緒に私とマコの分、とっといて」

サオリ「……ハナが全部食べちゃわないように」

ユカリ「ああ……」

みほ「うん……」

サオリ「それじゃ、あとでね!」

みほ「はい!」

ユカリ「……うーん、楽しみですねえ」

ユカリ「アカホシ殿が美味しい料理を作ってくれてましたが、食材の豪華さは限度がありましたもんね」

みほ「そっか、この世界、お刺身がかなり価値高いんだ」

ユカリ「西住殿の故郷ではそうでもないんですか?」

みほ「ん、高級ではあるけど、そこまで手がでないほどじゃないかな……」

みほ「……」

みほ「……こっちの世界のお刺身、ゲテモノだったりしそうで怖いなあ……」

ユカリ「そんなことありませんって!」

ユカリ「マグロっていう非常に美味しい赤身で……」

みほ「……そのマグロ、足とか生えてたりしない?」

ユカリ「しませんよ!」

ユカリ「というか、食文化は西住殿の世界と大差ないって結論になったじゃないですか!」

みほ「あはは、冗談、冗談」


【食堂】

フクダ「ええ!? 今日は全員お刺身を食べていいのでありますか!?」

ホソミ「ああ、おかわりもいいぞ!」

タマダ「我々全員に余った刺し身を分けてくれるとは、カチューシャ隊長は実にお優しい!」

キヌヨ「はは、すまないなあ、あんまり美味いものを食べさせてやれなくて」

タマダ「あ、いえ、そういうつもりで言ったのでは……!」

キヌヨ「ああ、いい、いい」

キヌヨ「実際、少しでも銀シャリを恵んでもらって皆に分けられるよう、モグラに乗るのを志願していたが……」

キヌヨ「残念ながらお目通りすら叶わなかったからな」

フクダ「私も、動機が不純として、断られたであります……」

ホソミ「西住みほ特別部隊長、どうやらあまりモグラ志願兵との面接をする気がなかったようだからなぁ」

キヌヨ「だな……それにしても上手い。これが本当のマグロかぁ」

タマダ「我が国はマグロの産地ではありますが、我々一兵卒の口には入りませんからなァ」

フクダ「至福のときであります……」

クラーラ「……おかわりもいですよ」

フクダ「!」

クラーラ「……遠慮せず、今までの分食べてください」

フクダ「で、では、僭越ながら……!」

タマダ「あ、ず、ずるいぞ!」

キヌヨ「本当に有り難い。いいんですか、本当に」

クラーラ「ええ……」

クラーラ「これが、私達に出来るせめてものことですから」

キヌヨ「?」


みほ「わぁ、皆集まってる……」

ユカリ「我々モグラ組に食料を優先供給してるみたいですからねぇ」

ユカリ「貴重なごちそうなんでしょう」

みほ「あ、ハナさん、いた……」

ユカリ「引くほど山盛りにしてますね……」

クラーラ「あー……そのあたりに、しておいた方が……」

ハナ「美味しいから大丈夫です」

クラーラ「その……」

みほ「なんかほんとすみません」


ザワザワザワ

みほ「……」

ユカリ「見られてますねえ」

ハナ「モグラ乗りは注目の的ですものね」 モグモグ

ユカリ「と、とりあえず私達もいただきましょう」

ユカリ「ほうっておくと全部食べられそうですし」

ハナ「大変美味しいですよ」

ハナ「……ただ……」

ハナ「私の知ってるマグロの味とは若干異なっていますが……」

ユカリ「産地のせいでしょうか」

みほ「……?」

みほ「……」 パクッ

みほ「……」 モキュッ・・・

みほ「!!」

ユカリ「では私も、いただきm――」

みほ「駄目、ユカリさん!」 バシッ

ユカリ「ええ!? な、何を……」

みほ「この味、この感覚……間違いない……」

みほ「皆さん、食べるのを中止してください!」

みほ「これはマグロじゃありません、バラムツです!!」


ユカリ「バラムツ……?」

ハナ「食べたことありませんね……」 モグモグ

みほ「バラムツ……私の世界では深海魚です」

みほ「確かに味は美味しいんですけど、その油分は人体じゃ消化できないんです!」

キヌヨ「?」

みほ「ええと、つまり、これを食べると、ワックスエステルといって……」 アワアワ

ハナ「あ、テンパってますね」 モグモグ

ユカリ「この場の全員が注目しちゃってますからねぇ」

みほ「早い話が、それを食べると、お腹が――」

ギュルルルルルル

キヌヨ「……!」

フクダ「くぉっ……お、おは、なし中申し訳、ない、ですが……」 プルプルプル

フクダ「しょ、少々……お手洗……ひぎっ」 プルプルプル

タマダ「お、おおおおお!? な、なんだああああああ!?」 ギュルルルルルル

キャーキャーウワーヤバイギャアアアアア

ユカリ「ひ、ひいい……な、なんなんですからこれぇ!」

ハナ「どうやら消化できずそのまま体外に出る成分が含まれているようですね」 モグモグ

ユカリ「理解してなお食べるのやめません?」


キヌヨ「お、お腹が……あっ」 ギュルルルルルル

タマダ「と、トイレを……ゆ、譲ってくれ……」 ドンドンドンドンドン

ユカリ「うあああああ……じ、地獄絵図……」

みほ「バラムツ、食べ過ぎると命に別状があるけど……」 チラッ

ハナ「この程度ならなんともありませんね」

ユカリ「ええ……」

ハナ「みほさんこそ、一口食べてましたが大丈夫なのですか?」

みほ「まあ、毒物ならたまに親戚に盛られてて耐性あるから、私は大丈夫」

みほ「それに一口くらいなら問題ないと思うから」

ユカリ「聞いてはいけないことを聞いてしまった……」

ハナ「皆さんの手当、した方がいいのでしょうか」

みほ「……ううん。一旦放置でいいと思う」

みほ「ちょっとしたお茶目で、お母さんがお偉いさんを招待して家で食事した時にこっそりお刺身をバラムツに差し替えたことがあったんだけど……」

みほ「その時も大惨事では会ったけど、誰も命は落とさなかったし」

ユカリ「聞いてはいけないことを聞いてしまった……」


みほ「それより……」

みほ「あのバラムツは、多分意図的に用意されたもの」

みほ「そうじゃなきゃ、カチューシャさん達もバラムツを食べて遺跡に潜れていないはず」

みほ「……レッドタートルの人が市場で怪しい魚を買っていたこともありますし……」

みほ「ただの集団下痢で終わるとは、とても――」

みほ「!」

みほ(逃げられた)

ユカリ「あれ!? 給仕をされてた方はどこに――」

ドガーーーーーン

みほ「!!」

ユカリ「今の音は!」

ハナ「これはかなり不味いかもしれませんね……」 モグモグ

みほ「もうツッコミませんよ。それより行きましょう。嫌な予感がします……」

ユカリ「はい!」

ハナ「そうしましょうか」 ゴックン

ハナ(ここ、なんだか臭くなってきましたし)

ユカリ(この場には居てあげないことが武士の情けでしょう……)


【港入り口】

マホ「くっ……」

???「HAHAHAHAHA」

???「こっちは骨董品の拳銃だけど……」

???「早撃ちなら負けないわよ」 ズキューンズキューン

???「とはいえ――面白くないし、正々堂々殴り合うなら相手になるわよ」

マホ「アイツは……」

エリカ「くそっ、レッドタートルの用心棒です」

エリカ「ああもう、なんでこのタイミングで攻めて――」

みほ「お姉ちゃん!」

エリカ「お姉ちゃんン?」

マホ「ここは危ない、下がっていろ」

みほ「で、でも……」

マホ「……ここは遺跡でもなければ、モグラ戦でもない」

マホ「ここはもう、戦場になったんだ」


マホ「モグラ乗りを失うわけにもいかん。後方で待機を――」

ユカリ「それが、後方のメンバー、軒並み今トイレで倒れてるんですよね」

マホ「なに?」

マホ「あの用心棒――ケイはそういうタイプには見えなかったが……」

みほ「……多分、向こうは一枚岩じゃない」

みほ「正面から暴れるだけの手駒で最大の利益を得るために、内部から壊した人がいるはず……」

ズキューンズキューン

エリカ「くっそ、近づけないじゃないの!」

みほ(このままぼんやりしていていいはずはないよね……)

みほ(このまま時間を稼いでも好転するとは思えないし……)

みほ(この場で力を貸すか、何か他のことをやって手助けしないと……)



どうする? >>420

>>1ーシャ
次に安価取る奴がいたらいい加減遺跡に潜らせてやってくれ
>>1が疲れてきている 萎えはエタへの特急券だ……

遺跡に潜らなくても全然問題はないんですが、地上でイベントを勝手に起こしたりはします
投下します


みほ「この場で応戦します」

マホ「……すまないが、頼めるか」

みほ「はい」

マホ「エリカ、ここは彼女たちに任せて一旦引く」

エリカ「え!?」

マホ「謎の集団腹痛を逃れたものを再編するぞ」

マホ「我々と奴ら、力の差があるとすれば、統率だ」

マホ「このまま動揺のままにそのアドバンテージを手放すこともない」

エリカ「はっ、了解です!」

エリカ「……まあ、一応、死ぬんじゃないわよ」

エリカ「つっても、アンタが死ぬとは思えないけど」

みほ「ええ……任せてください」

みほ「弾を避けるのは得意ですから」


バババババババ

みほ「ふっ、ほっ」

ユカリ「おおっ、なんと見事な回避!」

ユカリ「上半身を最低限に動かす無駄のない回避術……」

ユカリ「これがあちらの世界の戦車道……!」

???「わお! すごいわねえ」

???「面白くなってきたわ」 ポイポイッ

ユカリ「ゲエーーーッ、銃を捨てた!?」

???「銃は我が国の文化だけど……」

???「このテキサスブロンコであるケイさんは、コッチが本職なのよねっ」 バシッ

ケイ「さあ、やりあいましょう。拳で!!」


バババババババ

みほ「ふっ、ほっ」

ユカリ「おおっ、なんと見事な回避!」

ユカリ「上半身を最低限に動かす無駄のない回避術……」

ユカリ「これがあちらの世界の戦車道……!」

???「わお! すごいわねえ」

???「面白くなってきたわ」 ポイポイッ

ユカリ「ゲエーーーッ、銃を捨てた!?」

???「銃は我が国の文化だけど……」

???「このテキサスブロンコであるケイさんは、コッチが本職なのよねっ」 バシッ

ケイ「さあ、やりあいましょう。拳で!!」


ズガンッ

ユカリ「ゲエーーーーッ! 素手で床がへこんだ!?」

ケイ「ふふ……」

ケイ「このガントレットに砕けないものはないわ」

ユカリ「ですが――」

みほ「……うん」

みほ「当たらなければどうということはありません」

ケイ「あら、言うじゃない」

ケイ「そういうことは――このナックルパートを防ぎきってから言ってほしいわね!」 ブンッ

みほ(速い……でも……砲弾ほどじゃあないッ) スッスッ

ケイ「捉えたわよッッ」 ブオンッ

みほ(お母さんが言ってた……何事も力をうまく逃がすことがコツだって)

みほ(昼飯の角度と同じ……戦車道も喧嘩道も、根底にある基本戦術は一緒なんだ……)

ユカリ「う、うまいッ!」

ユカリ「肘でうまく力の方向をずらし、見事にいなしている……」

ユカリ「これが西住流というやつなのですねっ」


ケイ「ウップス!!」

みほ(バランスを崩させた所で一撃を入れるッ)

みほ(西住流家元の娘とあらば、拉致の危険も常に付きまとう)

みほ(護身術は教わってるッ) ドゴォ

ケイ「かはッ……」

みほ(このまま首を締め落と――)

ケイ「なかなかやるじゃない」 ニタァ

みほ「…………ッ」 ゾッ

ケイ「捕まえたわ……」

ケイ「あの一撃でひるむと……思った?」

ズダンッ

みほ「かはっ……」

ユカリ「そ、そんな……あんな一撃を受けてひるまないなんて……」

ケイ「なんとか引きずり倒せたけど……」

ケイ「不用意にマウントからの大ぶりの一撃なんかしたら、カウンターが跳んできそうね」

ケイ「……激しく後頭部を打ったみたいだけど、それで動けなくなるようなタマじゃあなんでしょう?」

ユカリ「なっ……あ、あの姿勢はッッ」

ケイ「だから……まずはその厄介な足をいただくわ」

ギリギリギリギリギリ

みほ「がっ……」

ユカリ「あ、あれはテキサスクローバーホールド!!」

みほ(か、関節技……!?)

ケイ「私をただの大振り馬鹿と思った?」

ケイ「私は関節技もイケるのよ!」

ケイ「足首をグシャグシャにしてあげるわっ!」

みほ(ぬ、抜け出せないッ……!)

ゴキィィッ


みほ「…………え?」

ユカリ「あ、ああ~~~~~~!!」

サオリ「大丈夫、みぽりん!?」

ユカリ「Ⅳ号戦車!!」

マコ「何とか間に合ったな」

ユカリ「全速力でツッコミ、砲身で相手をふっとばすとは…・…」

ハナ「ですが……みほさんを助けるためとはいえ、心が痛みますね……」

ハナ「砲身はお花を活けるものであって、殴るためのものではないのに……」

みほ「うんちょっと何言ってるか分からないけど助かったのでそこは本当にありがとう」


ケイ「ふ、不意打ちなんてやるじゃない……」

ユカリ「ゲエーーーーッ! なんで結構な速度で砲身に突っ込まれて立ち上がれるんですか……」

ケイ「ノープロブレム」

ケイ「丈夫な身体に生んでくれてありがとう、マム」

ケイ「さあ、続きをやるわよ!」

みほ「えっ……」

ケイ「ほら、早く乗った乗った」

ケイ「どうせならフルメンバーの相手とやらなくちゃ面白くないでしょう?」

みほ「……あの……」

みほ「まさか、生身の肉体でモグラと戦うつもりで……?」

ケイ「オフコース!」

ケイ「これは戦争じゃなくて決闘みたいなものだしね」

ケイ「それに私、自分より大きい相手と戦うの、ワクワクするのよ」

みほ(蛮族だ……)


【繁華街】

杏「……ブラックティーガーは闘いのプロ」

杏「寄せ集めではあるけど、全員が軍人」

杏「統率力も実戦経験もピカイチだよね」

杏「ただの犯罪組織であるウチとじゃ、訓練にも経験にもあまりにも差がありすぎる」

杏「まともに戦ったら勝ち目はないよねぇ」

ユズ「……つまり……」

ユズ「」犯罪組織らしい闘い方をすれば、勝機はあるってことだよね

杏「……」

杏「仕込みはかーしまがやっといてくれたんだ」

杏「ケリをつけて、かーしまへの餞にするよ」

ユズ「……うん」


【港】

ノンナ「……」

ノンナ「頃合いですね」

ノンナ「プラウダ分隊へ告ぐ」

ノンナ「これより、特別任務を実行する」

ドカーーーーーーン

マウ子「ええっ、ど、どうした!?」

履帯子「は、背後から撃たれています!!」

マウ子「な、なんだって?!」


バンバンバン

マウ子『た、隊長!!助k』 ザ、ザザーッ

マホ「何事だ!」

エリカ「は、反乱です!」

エリカ「第二小隊が第三小隊を背後から攻撃!」

エリカ「第三小隊は……か、壊滅したそうです!」

マホ「……ッ!」

マホ「……なぜだ」

マホ「何故だ、ノンナ中尉!」

眠すぎるのでちょっとだけやったら寝ます


ガイィィィン

みほ「ひえっ……」

みほ「こ、この世界の人、本当に素手で戦車に!?」

ユカリ「そうですね、白兵戦でもグラを相手取るのは、そう珍しい光景ではありません」

ユカリ「メリケンサックのみでというのはかなり珍しいですが……」

みほ(うう……分からない、文化が違う……)

サオリ「わわっ、ブレーンバスター、またくるよ!」

マコ「ちっ、厄介だな」

ハナ「雇われとはいえ、さすがはギャングスターのボディガードということか……」

みほ「と、とにかく、時間を稼いでこのままこの厄介な相手を――」

みほ「……あっ、あれは――!?」


ノンナ「ちっ……」

ノンナ「クラーラ、西住まほの首はまだですか」

ノンナ「戦況の報告を」

クラーラ『くっ……予想より手こずってます』

ノンナ「何?」

クラーラ『やはり、同じ釜の飯を食った仲間を撃つのに抵抗があるらしく……』

ノンナ「Siht……長居しすぎた、か……」

ノンナ(カチューシャの意思を尊重し、カチューシャにヘイトが集まらないよう慎重になりすぎていた……?)

ノンナ(いや、もう過ぎたことを考えていても仕方がない)

ノンナ(まずはレッドタートルと合流し、確実にブラックティーガーを葬る)

ノンナ(それから――皆で祖国に帰る。レッドタートルの一員としてだけど、カチューシャを帰してやれる)

ノンナ(この機を逃すわけには――――)


みほ「あっ、あれは――!?」

ユカリ「げっ、あれは話題の裏切り部隊の……!」

ケイ「わお、ソーリーノンナ」

ケイ「楽しく殴り合ってたら、合流のことをすっかり忘れかけてたわ」

ノンナ「かけてた、では済まないと思いますが、いいでしょう」

ノンナ「まずは目の前のモグラを仕留める。それが最優先です」

みほ「うっ……」

みほ(逃げるか……戦うにしてもどう戦えばいいんだろう……)


どうする? >>438

戦う
おケイを排除 プラウダ組とやるのであればモグラの装甲に物言わせて指揮官まで一気に突撃
そして排除

のんびりやります


みほ「……やるしかない、かな」 ボソ

ユカリ「え?」

みほ(……今から引くのは無理)

みほ(あの人が異常なのかこの世界の人間が異常なのか分からないけど――)

みほ(平気な顔して戦車に白兵戦を仕掛けてくるし、そのフットワークで逃すまいとしてくる)

みほ(マコさんの腕なら逃げ切れるかもしれないけど…・・)

みほ(逃げたところで、何にもならない)

みほ(むしろ、戦車相手に接戦を演じるこの人をフリーにするだけ)

みほ(自分の白旗惜しさに本隊を危険に晒すような真似は出来ない)

みほ「……こわい、なあ」

サオリ「みぽりん……」

みほ(本当は、指揮なんて取りたくない)

みほ(私の決断一つで何もかもが終わってしまうあの恐怖が忘れられないから)

みほ(責任のある決断なんて、したくない。けど――)

みほ「でも……何もしないで死んでいくのは嫌……」

みほ「こっちの世界のお姉ちゃん達が、何もしないせいで死ぬのはもっと嫌!」

みほ(もう二度と戦車道に関わりたくないっていうのは本心だけど)

みほ(もしまたあの決勝戦と同じ場面になったとして)

みほ(友達を見捨てることなんて、きっと出来ない)

みほ「ハナさん、例のアレ、お願いします」

みほ「ここで敵を殲滅し――敵視期間を叩きますッ」


ケイ「ふう……さすが、本場のモグラは違うわねぇ」

ケイ「なんとか直撃しないように鉄甲で軌道をずらせてるけど……」

ケイ「直れば普通に人類死ぬわね……」

ケイ「でもまァ……にも関わらず、そんな砲弾が飛び交う中で平然としているのでしょう?」

ケイ「なら私だって、引いてちゃ格好悪いもんね」

ケイ「正々堂々、真っ向から叩き潰してあげるわ」

みほ「発射」

ケイ「さあ来なさい」

ケイ「しっかりと芯をずらして――――」

ケイ「!?」

ヴォッッ

ケイ「ッ!?」

ゴオオオオオオオオ

ケイ「あっ……ぎゃああああああああ」

みほ「……遺跡で拾った火炎放射器」

みほ「これならば、弾けませんよね」


ノンナ「くっ……」

ノンナ(連携を取る前に潰されたッ……)

ノンナ(一体どうなって……)

みほ「マコさん、旋回してください」

マコ「あいよ」

みほ「次はあの戦――モグラを潰します」

ノンナ(遺跡に潜る度胸もない腑抜けだったはず……)

ノンナ(それなのに、この寒気はッ……)

ノンナ「ふー……」

ノンナ「総員、戦闘準備」

ノンナ「眼の前の障害を叩き潰し、クラーラ隊と合流するッ」


ノンナ(同じモグラを駆る者とはいえ――遺跡探索と戦争とでは勝手が違う)

ノンナ(装備の違いもあるだろうが……そこは大した問題ではない)

ノンナ(最も重要なファクターは、対戦相手)

ノンナ(排除しようと追い回してくる機械も、腹を減らしたドラゴンも、十分驚異的)

ノンナ(鍛え抜かれた軍人ですら、遺跡初陣ではあの異常な事態を目の当たりにしパニックを起こすほどだ)

ノンナ(だが――逆もまた然り)

ノンナ(遺跡の化物と、人間が向けてくる殺意とでは、まるで別物)

ノンナ(同じ知的レベルのものが、心底の殺意を向けてくる感覚は、初見の者なら怯ませることができる)

ノンナ(習性を利用した逃走も出来ない相手に殺される恐怖は、隠しようもないはず)

ノンナ(なのに……なぜ彼女はこうも殺気に慣れている……?)

ノンナ(なぜ……ここまで本気の殺意を、こちらに向けることができる……!?)

ノンナ「……化物め(と、ロシア語で言っている)」


みほ(……)

みほ(やっぱりハナさん、人が乗ってる戦車を撃つのに抵抗があるみたい……)

みほ「ハナさん」

ハナ「…………大丈夫です」

ハナ「分かっています」

ハナ「分かってますから」

サオリ「……ハナ、食堂でよく色んな人と話をしてたもんね」

マコ「その中には当然今から殺そうとしている奴らも……」

ハナ「……みほさんは……」

ハナ「どうしてるんです?」

みほ「え?」

ハナ「お話を聞いていた限り、私達の世界よりも平和そうなのに……」

ハナ「それほどの殺気耐性と殺気、一体どちらで……」

みほ「……」


みほ「平和な世界でも、殺意というのは向けられます」

みほ「……平和だからこそ、闘いの場でだけじゃない……」

みほ「四六時中、どこで何をしていても、嫉妬や嫌悪が入り混じった殺意を向けられてきました」

ハナ「そんな……」

みほ「それに、平和だからこそ、まわりくどいんです」

みほ「直接襲ってきたら犯罪だから……」

みほ「だから、遠まわしに、死んだらラッキーくらいの感覚で殺意を形にしてくる」

みほ「……こうして相対し、命のやり取りを迫られたうえで向けられる殺気くらい、なんともありませんよ」


ノンナ(くっ……押されている……)

みほ「……」

みほ(戦争と戦車道は違う……)

みほ(これが普通の戦場だったら、きっと戦車道しか知らない私じゃ勝てなかっただろうけど)

みほ(……でも、一騎打ちならばこちらに分があります)

みほ(戦争にいくための練習で、こんなタイマンの戦車戦なんて教わってないはず……)

みほ(だけど私は、西住流の一人娘として、物心ついた時からずっと、その手の訓練は受けてきたッッ)

みほ「マコさん!」

マコ「はいよ」

みほ(それに――私の考えを忠実に再現してくれる味方がいるッ)

ズドム

ノンナ「!」

ノンナ(履帯が……)

ノンナ「……」

ノンナ車操縦手「や、やばい、どうしよう!?」

ノンナ「……私が撃ちます」

ノンナ車砲手「え?」

ノンナ「指揮は任せていいですか」

ノンナ「……カチューシャのためにも、あのモグラだけでも仕留めなくては」

眠たいので少しだけですがコツコツやります
エタりたくはない…


ノンナ(キューポラから顔を出している)

ノンナ(あそこを撃ち抜けばすべて終わる……が……)

ノンナ(あれは罠)

ノンナ(あの身体能力を見るに、一流スナイパーであっても避けられないのは難しい)

ノンナ(狙うべきは、機敏に動かぬ車体の方)

ノンナ(射撃を極めていれば、たとえ相手が戦車であろうと、一撃を入れるだけで決着は――)

みほ「今!」

マコ「任せろ」

ギャルルルッ

ノンナ「!?」

みほ(戦場では……インファイトなんてそうしないはず)

みほ(戦車道で鍛えたドリフトのノウハウを、前の遺跡に潜ったときに教えておいてよかった……)

みほ(遺跡ではそこそこ有用だからって覚えてもらってなかったら危なかったけど、なんにせよ――)

みほ「うしろを取りました!」

みほ「発射!」

ハナ「……はい」

ズガン!!


ゴォォォォォォォォ

みほ「………………」

みほ「え?」

ユカリ「?」

ユカリ「どうかしましたか?」

みほ「え……あ……」

みほ「も、燃え……」

ユカリ「?」

ユカリ「ええ、まあ、撃墜を成し遂げたらそうなりますよ」

みほ「撃墜……」

みほ「で、でも、特殊カーボンが……」

マコ「……カーボンは遺跡に潜って生き延びやすくするための加工だ」

マコ「モンスターには有効だが、モグラ同士の戦闘となるとそうはいかない」

ハナ「モグラ同士で争わせる国が出てきて以来、特殊カーボンの上から殺せる弾丸や技術が広がりましたからね」

みほ「う……え……?」

サオリ「ちょ、みんなストップ!」

サオリ「みぽりん、平和でスポーツみたいに戦う世界からきたんだよ!」

サオリ「いきなりそんなこと言ったら、脳みそパンクして停止しちゃうよ!」

みほ「あっ……あっ……」


みほ(死んだ……? 死ん……そ、そんなわけ……)

ゴォォォォォォォォ

かつてノンナ車通信酒だった燃える塊「ガァァァァァァ」

みほ「ひっ」 ビクッ

みほ「あ……ああ~~~~~~っ!」 ガクガク

ガクン

ユカリ「!?」

サオリ「な、何!?」

マコ「ば、馬鹿な……」

マコ「前輪が浮いて……!?」

???「ふ……ふふ……」

???「サンダース大陸の出身者は……ただでは……やられないのよ……」

ハナ「貴女は――――」

ケイ「この、まま……ブレーンバスターでぶっ壊してあげるわ……!」


ユカリ「な、なぜ火達磨になったはずの貴女が!?」

ケイ「あら、知らないの?」

ケイ「サンダースの女は、燃えるような勝負でこそ強くなるのよ」

サオリ「燃えるような、っていうか、燃えてるのにぃ!」 ヒーン

ケイ「そ、それに……」

ケイ「この世に生をうけて、貴方達のようなやつらになめられっぱなしじゃ」

ケイ「生きてる甲斐がないってものよーーーーーっ!!!」

グワァ

サオリ「ま、マコ!」

マコ「まずいな……完全に持ち上げられている……」

マコ「だが、あんなフラフラな体による肉弾戦では、カーボンに守られたモグラならどうということ――」


ギリギリギリ

マコ「何……!?」

サオリ「どうしたの、マコ!?」

マコ「まずい……」

マコ「あの火達磨モグラ、まだ砲手が息をしているッ」

サオリ「ええ!?」

ハナ「持ち上げられているせいで、こちらの砲手は向こうのモグラを上手く捉えきれてません……!」

サオリ「どうしようみぽりん! みぽりん!!」

みほ「え、あ……」 カタカタ

明日は出来ないので少しだけでもやります


ノンナ「ハァー……ハァー……」

ノンナ(燃えている……もう我々は終わり……)

ノンナ(……車の皆には、悪いことをした……)

ノンナ(でも、後悔はない……)

ノンナ(命にかえても、生きて帰すと、誓った、の、だから……)

ノンナ(レッドタートルとして……すぐ帰れる道は……潰え……)

ノンナ「……」

ノンナ(でも……)

ノンナ(ちゃんと……カチューシャが……いないときに……やれた……)

ノンナ(責任を負うのは……私達、だけでいい……)

ノンナ「…………」

ノンナ「カチューシャ……」

ノンナ「私がいなくても……貴女は絶対……勝利……します……」 カチッ


マコ「くっ……まずいぞ、おい、隊長!」

マコ「このままじゃ全員死ぬぞ!」

みほ「……っ!」 ハッ

みほ「ハナさん、撃って!」

ハナ「え?」

みほ「いいから!」

ハナ「は、はいっ」

ドンッ

ドザアッ

サオリ「い、いたた……」

ユカリ「一体何が……」

みほ「……空中に向けての砲撃」

みほ「その反動で、この戦車を支えてる人のバランスを崩した……」

ユカリ「なるほど、それでモグラごと落とされたってことですか」

マコ「危なかったな……あのまま固定されていたら撃ち抜かれて全滅だったぞ」

サオリ「……あれ……さっきの素手で挑んでくる人の死体がない……」

ユカリ「下敷きになってるなじゃいですか?」

みほ「……」 ズキン

ハナ「……相手のモグラは……」

ゴオオオオオオオオ

ユカリ「……完全に燃えてますね」

ユカリ「もう動いてもこないでしょう」


【港(みほ達の戦闘地点より奥まった場所)】

まほ「……終わりだ」

クラーラ「……そのようですね」

まほ「一時的にでも同胞だった者に手をあげるのを躊躇ったな」

クラーラ「……貴女も躊躇っていたはずなのに、きっちりと、やってくれましたね」

まほ「……私は隊長だ」

まほ「他の大勢の仲間を守る義務がある」

クラーラ「……ふふ」

クラーラ「私や一兵卒とは違う、というわけですね……」

クラーラ「……」

クラーラ「カチューシャ様も……きっと……仲間のためなら……」

まほ「……」

まほ「一つ聞きたい」

まほ「敬愛するカチューシャが不在のタイミングで動いたのは何故だ」

まほ「カチューシャが指揮していれば、そちらの兵は迷いなく銃を撃てただろうに」

クラーラ「……ふふ」

クラーラ「カチューシャ様は……あの人は、器が大きいですから……」

クラーラ「丸ごと全員救うつもりだったから……」

クラーラ「自分たちだけ助かる作戦なんて、乗ってくれるわけがありませんよ」 フフ

まほ「……そうか」

まほ「それだけ聞ければ結構」

バキューーーーーン

クラーラ「……カチューシャ様……」 ドサッ

まほ「……丁重に葬れ」

まほ「短い間だったが……頼れる仲間だった」


ザザー・・・

インカム『れ、レッドタートル、撤退していきます』

エリカ「ちっ……!」

エリカ「仕掛けておいて随分ナメた撤退するじゃないの」

エリカ「追いかけてぶっ殺――――」

マホ「待て」

エリカ「隊長?」

マホ「追うんじゃない」

エリカ「えっ……?」

マホ「交戦になったら殺すべきだが、逃げられているのなら、殺すために無理して追う必要はない」

マホ「……今回の交戦、食事の罠もあり、こちらの戦力はガタ落ちしている」

マホ「加えて、謀反を鎮圧したとはいえ、我々が倒した者の八割以上が元味方だ」

マホ「レッドタートルは損害が少ない」

マホ「下手な人数で追いかけても、おびき出さた形となり返り討ちになりかねない」

マホ「かといって大人数で攻め込んで、ここを空にするのは論外だ」

マホ「隠れていた敵本隊に攻め込まれたら最悪だからな」


エミ「た、隊長!」

エリカ「!」

エリカ「今度は何!」

エミ「その、帰ってきました!」

エリカ「はぁ?」

エリカ「カチューシャ大佐です!」

エリカ「!!」

マホ「無事なのか?!」

エミ「それが――――」


遺跡から帰ったカチューシャ達の戦果 >>462のコンマで決定

00~09:出撃メンバーは全滅し、遭難してた面々も死亡が確認され、遺跡の宝も回収できず、報告後カチューシャも息絶える
10~19:出撃メンバーは全滅し、遭難してた面々が若干名生還するが、遺跡の宝は持ち帰れていない
20~29:出撃メンバーは全滅し、遭難してた面々は死亡が確認されるが、遺跡の宝だけは持ち帰られている
30~39:出撃メンバーに犠牲が出ており、遭難してた面々も救助できず、そのうえ宝も回収できていない
40~49:出撃メンバーに犠牲が出ており、遭難してた面々の救助は出来たが、遺跡の宝は回収でき
50~59:出撃メンバーに犠牲が出ており、遭難してた面々は救出が出来なかったが、遺跡の宝は回収してきた
60~69:出撃メンバーに犠牲が出ているが、遭難してた面々は救出でき、遺跡の宝も回収できている
70~79:出撃メンバーは全員無事だが、遭難してた面々は全滅しており、しかも遺跡の宝も回収できてない
80~89:出撃メンバーは全員無事だが、遭難してた面々は全滅しており、しかし遺跡の宝は持ち帰ってる
90~99:出撃メンバーは全員無事で、遭難してた面々も無事回収し、しかも遺跡の宝も持ち帰ってる

どうかな?

眠いので少しだけですが、三連休遊び歩いてて透過できなかったので投下していきます


マホ「カチュー――」

カチューシャ「……」

マホ「……」

マホ「みんなは……」

カチューシャ「……手遅れだったわ」

カチューシャ「待たせすぎたのよ」

マホ「……」

カチューシャ「……これだけは……連れて帰れたわ」 チャリッ

エリカ「ドックタグ……」

エリカ「ほんとに……みんな……」 ギリッ

カチューシャ「……それを連れ帰るだけで精一杯だった」

カチューシャ「誰も犠牲にはなってないけど……宝は持ち帰れなかったわ」

マホ「いや、十分だ。助かった」

カチューシャ「……疲れたわ。ノンナはどこ」

カチューシャ「子守唄を歌ってもらって今日はもう寝るわ」

マホ「……」

エリカ「……」


エリカ「……アンタの副官は……」

マホ「……」 スッ

マホ「カチューシャ」

カチューシャ「?」

マホ「これを」 チャリッ

カチューシャ「……?」

カチューシャ「!!」

カチューシャ「これ……」

マホ「……先刻まで、レッドタートルとの抗争が展開されていた」

マホ「これは、その犠牲者のものだ」

カチューシャ「う、嘘……」

カチューシャ「ノンナ……クラーラ……」

カチューシャ「じょ、冗談なんでしょう……?」

マホ「……」

マホ「すまない」

カチューシャ「~~~~~っ!」


ドゴッ

エリカ「ッ!」

マホ「よせ」

マホ「……私の力が足りなかったが故の犠牲だ、今の一発は受け入れよう」

マホ「だが……それ以上はもらってやることができない」

マホ「私にはまだやらないといけないことがあるからな」

マホ「……お前もだろう」

マホ「たった数人だが、一緒に潜った部下が、まだ帰してやるべき部下がいるはずだ」

カチューシャ「…………」

マホ「……ノンナ達も、カチューシャを信じ、カチューシャの未来を願っていた」

カチューシャ「……ッ」 ダッ

エリカ「あ、ちょっと!」

マホ「……いい。放って置いてやれ」

マホ「心の整理には時間が必要だ」

マホ「……私達にも、な」


エリカ「……何故……裏切りのことを黙っていたんですか?」

マホ「……甘い、と思うか?」

エリカ「……」

マホ「……ただの温情じゃない」

マホ「今回の闘いで、犠牲が大量に出た」

マホ「これ以上内輪揉めして戦力を減らすことはできない」

エリカ「それは……」

マホ「……」

マホ「レッドタートルも完全に撤退をしたようだ」

マホ「生存者を探しにいってきてくれ」

エリカ「……はい」

マホ「……」

マホ「……」

マホ「くそっ……」


みほ「……」 ハァー…ハァー…

みほ「うっ……」

みほ「オェェェェ」

サオリ「ひあっ!」

ハナ「だ、大丈夫ですか!?」

みほ「うぶっ」 タパタパタパ

ユカリ「あわわ、きゃ、キャッチ!」

マコ「うわっ、素手で……」

ユカリ「あまりモグラを汚すわけにはいきませんし……」

ユカリ「お望みとあらば、口ででも!」

マコ「やめてくれ、その発言が気持ち悪くて吐きかねない」


みほ「う、うう……」

ハナ「……みほさんの元いた世界は、平和だったんですものね……」

サオリ「そっか……命のやり取りは無縁だったんだもんね……」

ユカリ「元気だしてください……!」

マコ「……」

マコ「人を殺めてしまったと思っているのかもしれないが……」

サオリ「?」

マコ「誰も手にかけていないと言えるかもしれないぞ」

サオリ「へ?」

ハナ「どういうことでしょう」

マコ「コッチの世界のニシズミさんと入れ替わったように……」

マコ「元いたらしい世界とこっちの世界では、同じような人物が存在している、ということだったな」

ハナ「ええ……確かそのようなことをおっしゃってました」

マコ「……西住さんは、元々この世界の人間じゃない」

マコ「……そして、あっちの世界では、多分、今殺めてしまった相手も生きている」

マコ「仮に命を落としていたとして――こっちの世界に来ている西住さんの責任とは言えない」

マコ「つまり、元の世界に帰れば、西住さんは綺麗な身体ということだ」

ユカリ「少々屁理屈っぽくはありますが……」

ユカリ「でもまあ、本来この世界にはいない人物ですからね」

ユカリ「言うならば夢の中での殺人」

ユカリ「……本来の世界で目覚めたときには、綺麗さっぱり忘れていいやつですよ」


みほ「……うん」

みほ(そんなの、全部、嘘……)

みほ(私を安心させるためだけの、都合のいい解釈……)

みほ(だけど……)

みほ(まともに向き合うなんてこと、できそうにない……)

みほ「……」

みほ(結局……あのときから私は何も変わってないのかな……)

みほ(責任から、逃げ出して……)

みほ「……」

みほ(それでも……せめてⅣ号の皆には報いるためにも……)

みほ(そして……なんとか……無理矢理にでも前を向くためにも……)

みほ「絶対に……生きて帰らなくちゃ……」


アリサ「しっかしまァ……随分派手にやられてるわねえ」

みほ「あ……アリサさん……」

ユカリ「ご無事だったんですものねっ!」

アリサ「……まーね」

アリサ「って言っても、九死に一生って感じだけど」

アリス「みほさん……大丈夫……?」

みほ「……うん……」

みほ(本当は……とてもつらいけど……)

アリス「……ひどい状況だけど……」

アリス「明日はどうするの?」

アリス「大変そうだし、それが実現できるよう、今からお手伝いしておくけど……」

みほ「わあ、ありがとう……」

みほ「ええと、明日は>>473


どうする? >>473


疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

本拠地

投下します


みほ「本拠地に顔を出そうかと……」

アリサ「あー」

アリサ「まあ、この惨状だものね」

アリス「……私達はみほさんに雇われただけだからいいけど……」

みほ「……うん……顔を出さないわけにはいかないし……」

みほ「……」

みほ(それに……今後のことも話しあわなくちゃ……)

みほ(……もう後には退けない……)

みほ(誰も死んでない平和な世界に帰って、手を汚したことも全部夢のようにしなくちゃ……)

みほ(真剣に……考えないと……)

ユカリ「西住殿……」

アリサ「……心配なのは分かるけど、今はそっとしてあげる方がいいでしょ」

アリサ「……割り切ってかなきゃ、この町じゃ持たないし」

アリサ「それは他人がどーこーしてやれることでもないわ」


【レッドタートル本拠地】

杏「……」

ユズ「アンズ……」

杏「裏切りを誘発し、バラムツで部隊の大半を体調不良に追い込んでも勝てない、か」

杏「やっぱ本物だねぇ、ブラックティーガーは」

杏「……」

杏「とはいえ、こっちも大事な友人を殺られてるし、引くわけにはいかないよね」

杏「……」

杏(とはいえ手札がないのも事実……)

杏(どうすれば……)

カツーン……

カツーン……

杏「ん?」

ユズ「この靴音は……」

ケイ「ただいま、アンジー」

杏「……!」


ケイ「ボロボロだけどなんとか帰ってこれたわ」

ユズ「すぐに治療を……」

ケイ「……それと……」

ケイ「お土産を持ってきたわ」

杏「?」

ケイ「向こうの戦力リストを私なりの視点でね」

ケイ「……アンジーなら、情報があればなんとかなるでしょう?」

ケイ「ましてや向こうはコッチと違って戦力の補充が難しいのだから」

杏「……助かるよ、ほんと」

杏「これなら……そうだねぇ」

杏「今は――――」


<21日目>


【ブラックティーガー本拠地】


みほ「え?」

みほ「レッドタートルが……?」

マホ「ああ」

マホ「ある程度態勢を立て直し、先遣部隊も送ったのだが……」

マホ「どうやら昨晩の内にもぬけの殻になっていたらしい」

エリカ「内輪もめの隙を突かれたわね」

マホ「……先遣部隊によりブルーチーターより先にもぬけの殻であることに気付いたからな」

マホ「レッドチーターが抑えていた遺跡も占拠はできたが……」

エリカ「ただでさえ戦力が減ってるのに、守らないといけない遺跡が増えたわけ」

エリカ「……レッドタートルが消えたことはブルーチーターの連中もすぐ気付くだろうし」

コウメ「ごめんね……」

コウメ「私達が昨日攻略できていれば……」

エリカ「……アンタだけのせいじゃないわよ」

エリカ「今までずーっと放置してた奴のせいでもあるし」 ジトー

みほ「あ、あはは……」


マホ「……カチューシャも、薄々感づいてはいるようだが……」

エリカ「……攻め込んでこないと聞いてたレッドチーターが攻めてきた」

エリカ「その事実の前では、どうしてもそうなります」

マホ「……それが良くない方向にいかないといいのだが……」

マホ「一先ずはエリカとコウメに遺跡の見張りを主にやってもらおうと思う」

マホ「……あまりのんびりしてられなくなったからな」

マホ「急かすようで悪いが、早めに1つの遺跡でも攻略してくれると助かる」

みほ「……はい」


エリカ「それじゃあ、見張りを交代してきます」

コウメ「あ、忙しくなるけど、それでもちゃんと身の回りのお世話は」

みほ「そんな、無理しなくても」

コウメ「ううん……いいんです。むしろ、やりたいから」

マホ「……」

コウメ「それじゃあ」 バタン

マホ「……」

マホ「力になってやりたいとは、私も思っている」

みほ「え?」

マホ「……聞いている。先の闘いで、活躍してくれたそうだな」

マホ「その礼と――――謝罪の意味も込めて、極力相談には乗りたいと思っている」


マホ「我々軍人と違い、君達モグラ乗りは遺跡探索のプロだ」

マホ「……当然、相手にするのもモンスターばかりだったのだろう」

マホ「にもかかわらず、人間を撃たせてしまった」

マホ「……本当にすまないと思っている」

みほ「あ、えと、その……」

マホ「代わりにといってはなんだが、協力は惜しまない」

マホ「何か入り用なら遠慮せずに言ってほしい」

マホ「相談にだって乗る」

マホ「真面目な戦況の話についてでも、どうでもいい相談でも、な」

みほ「ええと……それじゃあ・・・・…」

みほ(今日ここにきた目的はいっぱいあるけど……折角だし……いいよね……?)


マホに振る話題 >>482

カッツカツだし弾薬は節約したい
モグラ用のバンパーはある?
そのバンパーに通電させられる仕組みがあればグッジョブなんだけど
高電圧ならベリーナイス

来週忙しくて投下できないのですが、あんまり引っ張りたくないので投下します


みほ「モグラ用のバンパーはありますか?」

マホ「バンパー?」

みほ「はい」

みほ「今回の件もあって、台所事情はカツカツでしょうから……」

みほ「弾薬の節約のために」

マホ「あるにはあるが……」

マホ「それで一体何を……」

みほ「……」

みほ「まあ、戦争じゃあんまりそういう使い方もしないですよね……」

みほ(戦車道でも勿論しなかったし……でも――――)

みほ「バンパーで体当りして、轢殺します」

みほ(――――これは戦車道じゃない)


マホ「……随分と物騒な発想だな……」

みほ「……覚悟が、決まりましたから」

みほ「これ以上、知った顔がいなくなるのはつらいですし……」

マホ「……そうか」

みほ「そのバンパーに通電させられる仕組みがあればグッジョブなんだけど……」 ウーン

みほ「あ、特に高圧ならベリーナイス」

マホ(何でところどころ変な言い回しなんだろう……)

マホ「あー……そういうことなら、アリスかアリサに聞いてみると良い」

みほ「え?」

マホ「少しだけ話したが、ふたりとも機械いじりやモグラ整備の専門家らしいからな」

マホ「うちのバンパーを改造してくれるかもしれない」

みほ「なるほど……ありがとうございます」

みほ(あの二人……)

みほ(こんなことになっちゃったけど、家に帰るには、協力してもらわないといけないもんね……)

みほ(また会いに行ってみようかな……)


<その晩>

ユカリ「ごちそうさまでした!」

ハナ「……やはり……どうしても少し物足りなく思えてしまいますね……」

サオリ「ねー」

サオリ「でもしょうがないよ。昨日のやつで、物資も人も減っちゃったんだから」

マコ「質素な夕飯……物悲しい」 ウー

みほ「……」

みほ(このままウダウダやっていてもジリ貧)

みほ(……私がなんとかしないと……)


<22日目>


みほ「くぁ……よく寝た……」

みほ「……」

みほ(皆もうもぬけの殻……)

みほ(マコさんまでいないなんて……)

みほ(あんなことがあって、眠れなかったのかな?)

みほ「……」

みほ(一人ででも……この悪夢は終わらせなくちゃ)

みほ「今日はどうしようかな……」


どうする? >>789


疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

会いに行ったらどうなるか、君自身の目で確かみてみろ

スローペースですが投下します


【アリサの家】

アリサ「はいいらっしゃ――」

アリサ「なんだ、あんたなの」

みほ「おはようございます」

アリサ「……もう大丈夫なわけ?」

みほ「え?」

アリサ「……まあ、いいならいいけど」

アリサ「ほら、上がンなさいよ」

アリサ「そこ立たれてても邪魔だし、お茶くらいなら出すわよ」

みほ「あ、じゃあ温かいのを濃いめで……」

アリサ「意外と面倒かつ図太いわねアンタ」


みほ「あ、一応今日はお客さんというか……」

アリサ「何、なんか買ってってくれるの?」

アリサ「レッドタートルの連中がふらっとどこかに消えて困ってたから助かるわ」

アリサ「モグラ用のアイテムも山程発注されてたのに、あいつら代金払わず消えるんだから」

みほ「そうなんだ……」

アリサ「仲良かった人がいくらかポストに突っ込んでくれてたけどさァ……」

アリサ「多分あの人の知らないとこでバンバン注文されてたから、足りてないのよねえ」

アリサ「要るものあったら何でも言いなさいよ」

アリサ「何でもあるわよー、スタビライザーポールとか」

みほ「何に使うんですかそれ……」

アリサ「何でも装備するとカーブをスムーズに曲がれるようになるんだとか」

みほ「……」

みほ(嘘だぁ……)


みほ「その、バンパーに電流を流したいなあって」

みほ「触れた瞬間死ぬくらいの……」

アリサ「まあまあドン引く注文してくれるわね……」

みほ「遺跡には大きな化物が多いから……」

アリサ「あー……」

アリサ「確かに恐ろしい奴ら多かったわ」

アリサ「近づかれたときにバチッとやれると安心かもねえ」

みほ「あ、そうじゃなくて、近づいて体当たりで大ダメージを与えられないかなと」

アリサ「なにそれこわっアンタ後退のネジどっかに落としてきたんじゃないの」


アリサ「まあいいわ」

アリサ「3日あればなんとか出来ると思うし、次の遺跡の日には間に合わせてあげるわよ」

みほ「本当ですか!?」

アリサ「あのねェ、私はこれでもこの街で指折りのパーツ職人様みたいなものなのよ」

アリサ「機械いじったりもかなり上手いの」

アリサ「ナメるんじゃないわよー?」

アリサ「ってわけだから、アリス、まずは設計をお願い」

アリス「ええ……」

みほ(秒で丸投げするのにあの自信、すごいなあ……私にはないものだ……)


アリサ「……ま、なんとかしてあげるわ」

アリサ「主に通信機器関係がメインだから、得意じゃあないけど……」

アリサ「アリスがいるならなんとかなるでしょ」

みほ「ありがとうございますっ」

アリサ「……ま、この仮は合コンで返してもらわないといけないからね」

アリサ「力貸してあげるんだから、さっさと全部終わらせて、笑って合コンやるわよ!」

みほ「アリサさん……」

アリス「……合コン?」

みほ「うっ」

アリサ「え、あー……」

アリサ「子供には早いわよ」

アリス「えっ……」 ドンビキ

みほ「な、なんだか過剰にアダルティーなやつを想像されてる気がする……」


みほ「ふう……結局色々手伝わされちゃった……」

みほ「でも……少しだけ、気が晴れた、かな……」

みほ「……」

みほ「いけないいけない」

みほ「明日も切り替えて、攻略に備えないと!」


翌日の予定 どうする? >>499


疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

ティーガー本拠地
撃破乃至乗員欠乏等により浮いたor破壊されたモグラから主砲とかパーツを引っ張ってこれたりしない?

8月じゃんけ
投下します


<23日目>

【ティーガー本拠地】

マホ「む、どうかしたのか?」

みほ「ええと……」

みほ「結構撃破されたモグラもあるみたいだから……」

みほ「その、使ってないモグラの残骸から使い回せるパーツはないかなって」

マホ「……なるほど」

マホ「多少はこれまでもそうやってやりくりしていたが……」

マホ「如何せん、大半のモグラが遺跡の中でスクラップだからな」

みほ「やっぱり難しいかなあ」

マホ「……」

マホ「可能性がないわけではない」


マホ「すでにスクラップになったモグラが数台あったのだが……」

マホ「お守りとして、そのパーツを持っている者もいる」

マホ「……極力、次のモグラに使い回すよう頼んではいるが……」

マホ「持っていることで慰みになるなら、無理強いはできない」

マホ「モグラは……」

マホ「平気であると同時に、私達にとっては、大事な戦友なんだ」

みほ「……うん。それは――よく、わかる、かな」


マホ「……とりあえず……」

マホ「確実にパーツを持っている者を呼び出そう」

みほ「できれば一番話が通じて、協力してくれそうな人がいいかなって」

マホ「ああ」

マホ「……」

マホ「話が通じなくて協力してくれなさそうな者なんているのか?」

みほ「……」

みほ「とにかく不機嫌なときのエリカさんとか……」

マホ「……あー……」


マホ「……悪い奴ではないんだが……」

マホ「如何せん口下手だからな……」

マホ「まったくまいったものだ……」

マホ「期待はしているんだが……」

マホ「上に立つ者にはある程度のコミュニケーション能力が求められるというのに……」

みほ「私が言うのもなんだけど、どの口が……」


マホ「何か言ったか?」

みほ「と、とにかく、交渉がしやすい人がいいなあって」

マホ「そうだな……」



マホが呼んできた人物  >>507

直下さん改めエミさんはこっちにもいるかな?
いなかったら安価下

投下します


コンコン

エミ「失礼します」

みほ「あ……直下さん……」

エミ「あ、私のこと、知っていたんですね。光栄です」

みほ「え、あ、まあ……はは」

マホ「まあ、そうだろう」

マホ「珍しい地方の出身だしな」

みほ「あ、うん、まあ、そんなところかな」

みほ(向こうの世界で知り合いだった、とは言えないよね……)

エミ「あ……でも私、今はコジマって言うんですよ」

みほ「え?」

エミ「その、先日結婚しまして……」

エミ「とはいえ、故郷から遠く離れた地なので、勝手に言ってるだけなんですけど」


みほ「わあ、おめでとうございます!」

みほ「その、旦那さんは――」

エミ「…………」

みほ「え?」

マホ「……コジマ二等兵は先日のレッドタートル襲撃時に亡くなった」

みほ「!!」

エミ「……ああ、気にしないでください」

エミ「兵士である以上、いつかはこうなることを覚悟してましたから」

エミ「……」

エミ「それに、最期に言葉を交わして、プロポーズの返事が出来ただけ、私は幸せ者ですし」 アハハ

みほ「直s…………エミ、さん……」


エミ「それで、ご用件は……」

マホ「ああ……」

マホ「確か、モグラのパーツを持っていなかったかと思ってな」

エミ「ええ……」

エミ「我軍は足回りが欠点でしたので、それを補うべく導入したフロートの試作機を持っています」

マホ「あれがあればどんな地形でもある程度対処ができる」

エミ「半分壊れちゃったんですけどね」

エミ「……それでもあの人とともに命からがら遺跡を抜け出せたのは、あのフロートのおかげなんです」

マホ「……本家コジマが、導入に積極的でな」

マホ「結局フロートは修理できたがモグラ自体がお釈迦になったため、フロートはまだエミが持っているはずだ」

マホ「そうだったな」

エミ「ええ……あの人の形見みたいなものですから……」

エミ「常にそばに寄り添うように眠ってるんですよ」

みほ(お、重ーーーーーーーーーーーーーーーい!!)

みほ(重いよお姉ちゃんッッ)

みほ(重すぎるよ!!どんな戦車の履帯よりも重いよ!!) 


マホ「それなんだが――」

みほ「あ、ちょっと……」

マホ「?」

マホ「どうかしたか?」

みほ「……」

みほ(お姉ちゃんが言ったら、上官命令で無理やり奪い取っちゃうことになるもんね……)

みほ(取り上げるなら、せめて、私の口からちゃんと言わないと……)

みほ「……」

エミ「?」 キョトン

みほ(こ、心苦しい……)

みほ「ええと……>>513

このまま死蔵させておくのであれば、それを使わせてください
今の私たちに必要なのは感傷ではありません

ありがたいことに人がいる内は何とか終わらせたいですね
今週はちょっとばたついてるんであんまり投下できません、申し訳ない

とりあえずパワポケがすっかり過去の作品になってることを嘆きながら少しだけ投下します


みほ「このまま死蔵させておくのであれば、それを使わせてください」

エミ「えっ……」

みほ「……今の私たちに必要なのは感傷ではありません」

エミ「……」

マホ「……」

マホ(完全に指揮官の目になっているな……)

マホ(先刻の闘いで大量の死者を出したからか……?)

エミ「……わかりました」

エミ「きっとあの人も……」

エミ「勝って、故郷の地に帰りたがってると思いますから」

みほ「……ありがとう」

エミ「いいんです」

エミ「……こっちです、ついてきてください」

みほ「はい」

スタスタスタ

エミ「あ、フロートに少し文字とかデコってるけど、そこは大丈夫かな……」

みほ「あ、はい」

みほ(相合い傘とかかなあ。微笑ましい)

エミ「よかった……あ、はい、これです」

みほ(うっわー!はずかしい落書き!!!!)

みほ(う、噂に聞いたことのある落書きできるプリクラの落書きくらい文字が面積を取ってる……)

みほ(っていうか履帯に何で惚気とか書きまくってるんだろう……こわ……)


エミ「とりあえず、これを運んでセットするまでは付き合うよ」

みほ「え、そんな……なんか悪いよ……」

みほ(このこっ恥ずかしい文字を消しづらくなるし……)

エミ「うちのフロートは重いんだぞ」

エミ「一人で運ぶの大変だろうし」

エミ「遠慮しないで」

みほ「あ、あはは……」

みほ(その後、フロート設置のお手伝いをユカリさんに依頼し……)

みほ(ラブラブな文字を書かれたフロートを見たユカリさんが、何故か号泣するという事件がありました)

みほ(……誤解は無事にとけたけど……)

みほ(何で私と彼女が付き合ってたらユカリさんがあんなに泣くんだろう?)


サオリ「ちょっとみぽりんみぽりん!」

サオリ「いつの間にか恋人できたって本当!?」

みほ「うそです」

サオリ「え、そうなの?」

サオリ「でもユカリンは西住殿に恋人がぁ~~!って号泣してたけど」

みほ(なんで……)

サオリ「でもびっくりしたなあ」

サオリ「ほら、私達、出会い少ないからさあ」

サオリ「火のないところに煙を立てるなんてさすがみぽりん」

みほ「はは……」

みほ(嬉しくない……)


サオリ「デートとかも時間があったらしてみたいんだけどなあ」

みほ「……あの履帯に文字書いてた人、本当に顔も知らない人だから……」

サオリ「ところでさ、明日はどうするの?」

サオリ「デートとか言ってられないくらい忙しいけど……」

みほ「ええと――」


翌日の予定 どうする? >>521


疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

モモちゃんをたしかみてみよう

安価だけ出してから寝ます


みほ「……会って来たい人がいるので……」

サオリ「え!?」

サオリ「ひょっとしてデート!?」

サオリ「噂はほんとうだったの!?」

みほ「ち、違っ……」

みほ「その、明日会う予定の人は、手の届かない世界にいる人っていうか……」

サオリ「うひゃーっ、障害の多い恋!」

サオリ「燃えちゃうなー」

みほ「ええと、そうじゃなくて……」

みほ(その後、サオリさんは延々恋愛の話をしてきた……)

みほ(何度訂正しても最期には自分語りに持っていかれて、結局ただ睡眠時間を失って終わった……)


<24日目>


アリサ「ハァ? 墓の位置ぃ?」

みほ「うん……」

みほ「その、レッドタートルの人とも仲が良かったアリサさんなら知ってるかな会って」

アリサ「まーそりゃ知ってはいるけど」

アリサ「やめたほうがいいでしょ」

アリサ「……洒落にならないドンパチしたんだしさぁ」

みほ「でも……挨拶には、いかないと……」

アリス「……霊媒師、という手もある」

みほ「えっ」

アリサ「あ~~~~~……そういや居たわね、死者と会話するヤツ」

みほ「ええ……」

アリサ「んで、どーすんのよ」

アリサ「どこでも案内は出来るわよ、その後はどうなろうと助けないけど」

みほ「ええと……」


>>526 どうする?
A:モモの墓参りをする
B:霊媒師に会ってモモの霊を降ろしてもらう
C:死亡現場であるどんぞこに行ってみる

霊媒師に会ってみよう

……ただ墓参りしかりイタコしかり死亡現場しかり自分でコロコロした相手にアプローチするってこれみぽりん相当ヤバい奴扱いされるのでは

投下します


みほ「霊媒師に会ってみようかと……」

アリサ「うっへえ、あんたも物好きねえ」

みほ「あはは……」

みほ(この世界だと、霊媒師が本物である可能性もあるし……)

みほ(元の世界ならさすがに会わないけど……)

アリサ「まあいいわ」

アリサ「案内したげる」

アリサ「この近所だしね」

みほ「ありがとうございます」 ペッコリン

アリサ「あー、いいわよそーいう堅っ苦しいの」

アリサ「その代わり今度、何か美味しいものでも奢りなさいよね」

みほ「はいっ」

みほ「……」

みほ(美味しいからってこの前の悲劇に使われたバラムツの残りとか食べさせたら怒るだろうなぁ)


【魔術の館・ラビット】

アヤ「いらっしゃー……何だアリサさんか」

アリサ「何だとは何よ」

ユウキ「アリサさん、またおまじないー?」

アヤ「この前も来たばかりだよねー」

アリサ「だあああああ、もう!」

アリサ「あんたら顧客に媚びようってつもりはないわけ!?」

みほ「あ、あはは……」

アリス「……不思議なお店……」

アヤ「あ、いらっしゃーい」

アヤ「ここはねえ、魔術の館っていうの」

アヤ「いろーんな魔術で、未来を変えてあげちゃうよ~」

ユウキ「恋の成就をするための魔術とか~」

みほ(占いの館みたいなものかな……?)


アリサ「まあいいわ。今日はこっちの娘が用があるっていうからさ」

アヤ「あら、新顔さんだー」

ユウキ「ええ~っ、アリサさん友達いたんだー」

アリサ「おい」

みほ「え、えっと、亡くなった人とお話が出来る霊媒師さんがいるって聞いて……」

アヤ「あー……そういう」

ユウキ「まあ、紛争多いもんねぇ」

アヤ「ちょっと待っててくださーい」

アヤ「おーい、サキー! お客さん!」

サキ「……」

みほ「この子……」

アヤ「この子が霊媒師のサキ」

アヤ「普段は無口なんだけど、霊を降ろしてきたら饒舌に喋ってくれるから」

みほ「そうなんだ」

アヤ「お望みとあらばデモンストレーションで著名な死者をおろしてきて対談とかもできるけど」

みほ「あ、だ、大丈夫」

みほ(どうせ分からないだろうし……)


アリス「……気をつけて」 コソ

みほ「?」

アリス「霊媒師を騙る偽物も世の中にはいると聞くし……」

アリス「何より、真偽を問わず相応の対価を要求されるから」

みほ「……ありがとう」

みほ「それでも私は……ちゃんとお話がしたいの」

アリス「……」

アリス「みほさんが、そうしたいなら」

みほ「うん」

サキ「……」

アヤ「おっと、サキが対価をよこせと言わんばかりに手を」

みほ「ええと、おいくらでしょうか」

ユウキ「ざんねーん、お金じゃないのよねえ~」 ウッフッフ

アヤ「物品だったりぃ、行為だったりするんだよ」

アヤ「どうすんの、サキ」

サキ「…………>>532



サキが要求してきた対価 >>532

飛ぶやつ

投下します


サキ「飛ぶやつ……」

アリサ「はあ?」

みほ「とぶやつ……って、大麻とか……?」

アリサ「あんたはあんたで真顔で何言ってンの?」

アリサ「飛ぶやつってのは……えーっと、こういうやつよ」 カキカキ

アリス「あ、絵、うまい……」

みほ「これ……ロケット……?」

アリサ「それに捕まって移動したりするヤツもいるんだと」

アリサ「どー考えても危ないから私はやる気にならないんだけど」

アリサ「なんかどっかの地域では流行ってる、まあ未開の地の連中用のアイテムね」

みほ「ちょ、き、聞こえ……」 アワアワ

アリサ「いーのよ言ってやれば」

アリサ「そんな地雷原御用達のクソローカルアイテムせびられても、どうせすぐには出せないんだから」

アリス「みほさん」

みほ「えっ、これ……」

アリサ「ちょ、持ってるなら最初から出しなさいよ!!」

アリサ「つーかアンタ、なんでこんなもんを……」

アリス「たまにボコをくくりつけて打ち上げたりして遊んでたから……」

アリサ「なんて?????????????」


サキ「ありがとう……」

サキ「……」 ポチッ

アリサ「!?」

みほ「?」

アリス「え、今使――――」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

バヒューーーーーーーーーーーーーン

みほ「ど、どこかに消えた……」

アリサ「ちょ、どうなってんのよ!?」

アヤ「お、落ち着いて」

ユウキ「ちょっと観光したあとで、お望みの魂を宿して帰ってくるから……」

みほ(何そのシステム……)


アリサ「よっしゃ上がりぃー」

アヤ「もー、また手札覗いたんですか?」

アリサ「失礼ねえ、こんな賭けてもいないトランプでそんなことするわけないでしょ!」

みほ「賭けてたらやるんだ……」

みほ(ていうかこの世界にもトランプあるんだ……)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

アリサ「ん?」

アヤ「帰ってきた!」

ユウキ「もう”下ろしてる”はずだけどー……」 チラリ

サキ「……」

みほ(わざわざ霊媒師まで呼んでもらった……)

みほ(先に喋らせると延々喚かれそうだし、ここは私から――)

みほ「>>537

ニシズミィィ お前が(タートルに)転向しろッ!!

少しですが投下します


みほ「「ニシズミィィ お前が(タートルに)転向しろッ!!」」

みほ「……」

みほ(先手を取られた……) チッ

アリス(わぁ、みほさん物凄く不満そう……)

アリサ(でもちょっと気持ちはわかるわね……)

みほ「……とりあえず、手っ取り早く遺跡を攻略したいので……」

みほ「把握している限りで、こちらが突けそうな穴を教えて下さい」

モモinサキ「はあ!? なんで私がお前なんかのためんそんなこと!」

みほ「……」 パッパッ

モモinサキ「ああっ、無言で塩はやめろ塩はッッ」


みほ「まあ……ただでとは言いません」

みほ「もしうまく行けば、残りの人達の身の安全は保証しましょう」

モモinサキ「何ィ!?」

アリサ「おっ、可愛い顔してえげつないことやるわねえ、いいじゃない」

モモinサキ「馬鹿め、そんな手に乗るか!」

モモinサキ「会長はこんな交渉に乗らずとも、貴様程度にやられる人ではない!」

みほ「……この口ぶり……とりあえず降霊術は信用できそう……」

みほ(濃すぎてモノマネしやすいだけなのかもしれないけど)

モモinサキ「大体、そんなわかりやすい穴があるなら、我々がとっくに突いてる」

みほ(まあ、そうなっちゃうよね)


みほ「でも私は貴女やバーの人達を壊滅させられましたよ」

モモinサキ「それはまあ、そうだが……」

モモinサキ「こっちには切り札があるからな!」

モモinサキ「っと、それが何かは絶対に言わないぞ!」

みほ「ノンナさんの裏切りのことかな……」

アリサ「ああ、そういやバラムツ買ってたの見たし、あの裏切り者と内通してたのって……」

モモinサキ「!?」

アリス「だとしたらとうに鎮圧している」

モモinサキ「ゆ、ユズちゃあん!!!!」


モモinサキ「だ、だが!」

モモinサキ「会長が殺られるはずなどない!」

モモinサキ「本当にまずくなったら、早めに撤退する手筈が――」

モモinサキ「!!」 ハッ

アリサ「ふうん……なるほどねえ」

みほ「……押し切り損ねることも、やはり計算に入っていたんですね……」

アリサ「要は捨て駒だったわけね」

アリサ「あの場面でブラックティーガーを落とせれば良し」

アリサ「駄目なら駄目で逃げるための時間稼ぎになるから良し、と」

アリス「わかってはいたことだけど……」

みほ「気分はよくない、かな……」

モモinサキ「あわ、あわわわわわわ……」 ブルブル


アリサ「でもどーすんのよ」 ヒソヒソ

アリサ「こうなると、口を割らせるの難しくない?」 ヒソヒソ

みほ「……いいえ。逆です」

アリサ「え?」

みほ「……ここで行方をくらましたレッドタートルが取る行動」

みほ「概ね2つに絞られます」

モモinサキ「っ」 ビクッ

みほ「一つは、完全撤退」

みほ「この件からは手を引き、遺跡争奪戦には関わらないというケース」

みほ「もう一つは、一時撤退のパターン」

みほ「正面衝突は不利と見て、あとから戦力を立て直して襲ってくるパターン」

みほ「……このパターンで一番レッドタートルが美味しい想いをするのは、私達が3つの遺跡を攻略した直後」

みほ「もしくはその直前です」

アリサ「確かに、それで漁夫の利得るのが一番楽だわ」

みほ「このパターンの場合、情報を私達に開示し、遺跡攻略を助ける方がレッドタートルのためにもなる」

モモinサキ「……完全撤退した、という可能性もあるだろ」

みほ「……それならそれで、私達に教えても不利益にはならないじゃないですか」

モモinサキ「だとしても、教えるメリットもないだろ!」

モモinサキ「はっきり言うが、こっちは殺されてるんだぞ」

モモinサキ「お前達が苦労してくれるなら、それは十分私にとっては益なんだ!」

みほ「……わかってないですね」

モモinサキ「あ?」

みほ「今の時点では、レッドタートルの残党を皆殺しにするには、探して殺しにいくという手間がかかります」

みほ「でも……」

みほ「すべての遺跡を攻略し、叶える願いによっては、容易く全員を殺しにいけるようになりますよね」

モモinサキ「!!」

みほ「今から敵対するのと和解するの、どちらがいいか、明白じゃないかと思いますけど……」

アリサ(えぐいこと言うわね……)


モモinサキ「わ、わかった……」

モモinサキ「言うから……せめて残ったみんなには……」

みほ「もちろん、殺さないと約束します」

アリサ(しれっと殺害以外は約束しなかったわね)

モモinサキ「ぜ、絶対だぞ!?」

みほ「はい」

モモinサキ「嘘ついたら針千本飲ますからな!?」

みほ「わかりました」

モモinサキ「あの世で嘘ついてないかずっと見てるからな!!!」

みほ「わかったから早くしてください塩食べさせますよ」

モモinサキ「ひーん!」


▼モモから遺跡の情報を聞いた!


みほ(……明日は遺跡に潜れる日)

みほ(大丈夫だとは思うけど、命を落とすことがあるってこの前わかったし)

みほ(誰かと少しおしゃべりしてから寝ようかな)


誰と会話しますか? >>547

ゆかりん

眠いのでさくっとですがやります


サオリ「それじゃ、電気けすよー」

ユカリ「了解です」

サオリ「夜ふかしは美貌の大敵だもんねー」

ハナ「起きてたらお腹が空いちゃいますしね」

マコ「まだ眠れないが」

サオリ「もー、他の人達に迷惑かけないの」

マコ「むう……」

みほ「あはは……」

みほ「……」

みほ「……」

みほ「……」


みほ「ユカリさん」 コソッ

みほ「起きてる?」

ユカリ「!!!」

ユカリ「お、おお、起きてますっ……」

ユカリ「というか、ニシズミ殿がご用命なら、寝ていたって起きますよ」

みほ「あ、あはは……」

ユカリ「ところで、どうしたんですか」

みほ「あ、その……ちょっと眠れないし、お話とかしないかなって」

ユカリ「!!!」

ユカリ「そ、それはつまり、よ、夜伽ということで……?」

みほ「なんで脱ぐの」


ユカリ「あ。あれ? そういうことでは……」

みほ「どういうことかわからないけど……」

みほ「とりあえず、起こしちゃ悪いし、外で出ようか」

ユカリ「ええ!? 初めてなのに野外だなんてそんな……!」

みほ「……」

みほ「よくわからないけど、多分思っているようなことじゃないから……」

みほ「ちょっと>>552についてお話でもしようかなって思っただけだし……」


ゆかりと話す話題 >>552

ありがてえ(人が見てるの嬉しいね)

安価は>>554に変更で(せっかく人がいるけどクソ眠たいから今日はごめんこれで終わります)

俺もいるぞ!

何度か連取りになってしまっていることを謝っておく>>1ーシャ
何日か待ってはみるんだが誰も取ってくれんから……取らなきゃ君に話を書いてもらえないだろ

安価なら入れ替わり前のみぽりんはどんな人だったか聞いてみるのはどうだい
主にモグラ乗りとしての面について

ありがたいことですね
とりあえずどういう形でも完結はしたいと思います

ので、今日もちょっとですが投下していきます


みほ「ちょっと入れ替わり前の私についてお話でもしようかなって思っただけだし……」

ユカリ「入れ替わる前のニシズミ殿……ですか」

みほ「うん」

ユカリ「そうですね……」

ユカリ「ダンジョンから帰ったあと、脱いだ靴下のムワッとした匂いがとても強烈でしたねえ」

ユカリ「でもそこがまたグッとくるというかジュンとくるというか……」

みほ「……モグラ乗りとしての面についてだけでお願い」


ユカリ「そうですね……」

ユカリ「ニシズミ殿は――誰よりもディッがーを愛しておられました」

みほ「……ユカリさんよりも?」

ユカリ「……私の愛は、偏ってますから」 アハハ

ユカリ「ですがニシズミ殿は、なんと言うんでしょうか」

ユカリ「バトルディッがーを取り巻く全てを深く愛していた、とでもいうんでしょうか」

ユカリ「私が目を輝かせて機体なり戦略なり動きなりに感動している時」

ユカリ「ニシズミ殿はその数歩先を見ているんです」

ユカリ「今見て知ったことと、すでに知っている豊富な知識を元に、全く新しい可能性を見つけられる」

ユカリ「そんなすごい人でした」

みほ「……」

ユカリ「何にも捕らわれず、我々では思いつかないような発想でディッガーを活かす」

ユカリ「私はそれを、愛のなせる技だと思いたいです」

みほ「そっか……」

みほ「……」

みほ「私とは……全然違うんだ……」


ユカリ「そんなことは……」

みほ「……私は……」

みほ「縛られて、新しいことなんて生み出せないから……」

ユカリ「……」

ユカリ「そんなことありませんよ」

ユカリ「こちらの世界のニシズミ殿がそうだったんです」

ユカリ「同じ人間なのに、できないわけがないんです」

みほ「……そう、かな」

ユカリ「そうですよ」

ユカリ「それに――縛られてるということは、縛っている何かがあるということです」

ユカリ「縛り付けるものがないところでなら、きっとできますよ」

みほ「縛り付けるものがない場所、かぁ……」 

ユカリ「ええ」

ユカリ「ここもそうですし――」

ユカリ「帰ってもきっと、そういう場所が見つかりますよ」

ユカリ「……なぁんて、柄じゃないですかね」 アハハ

みほ「……ううん」

みほ「ありがとうユカリさん」

みほ「……今日は遅いし、そろそろ寝よっか」

ユカリ「そういえば、明日はどうするんです?」



翌日の予定 どうする? >>559

・遺跡に潜る

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

いざ出陣

体調崩してました、申し訳ない
週末は忙しいので、コツコツ平日にやっていきます


みほ「明日は……遺跡に潜るよ」

みほ「……なんとしても、3つの遺跡を攻略しないといけないから……」

みほ(そうしないと……これ以上、人を殺めたこの世界には……)

ユカリ「……」

ユカリ「私は……貴女に従います」

ユカリ「元々ニシズミ殿に救われたというのが大きいですが……」

ユカリ「貴女は、そのニシズミ殿と同じ魂をしていると、感じますから」

ユカリ「……私は、どうなろうと、貴女の味方ですよ」

ユカリ「だから……あまり一人で抱え込まないでくださいね」

みほ「……ありがとう」

みほ「……今日は、もう寝よっか」

ユカリ「えっ……それはどっちの意味で……///」 クネクネ

みほ「……」

ユカリ「ああっ目線が冷たいっ」

みほ「早く寝ましょう……明日は早いですから……」 ハァ


<25日目>

みほ「……ふぅ」

みほ「行きましょうか」

ユカリ「はいっ!」

ハナ「準備はできています」

マコ「……眠い……」

サオリ「ほら、もう、しっかりする!」

アリサ「しまんないわねえ……ほんとに大丈夫なんでしょうね」

アリス「……みほさんを信じる」

コウメ「……この遺跡、今日こそ攻略して、先遣隊の皆の墓前にいい報告をしましょう」

みほ「……それじゃあ、パンツァーフォー!」


【遺跡】

アリサ「……怖いくらい順調ね」

コウメ「……皆さん一度潜ってますから……」

アリサ「まあ、一番の敵はモンスターと遭遇した時のパニックだもんねえ」

ユカリ「ええ。対策さえできていれば……」

ドゴッドゴン

アリサ「……こうやって、頼まれてたバンパー使って轢きまくるってわけね」

みほ「……先遣隊の皆さんのおかげです」

みほ「モンスターの攻撃前の動作、飛び道具の有無などが分かっていなければできませんでしたから」

アリサ「情報戦が大事ってことね」

アリス「だからって好きな人を盗聴するのはちょっと」

アリサ「だからしてないってば!!」


ユカリ「えー、こほん」

ユカリ「ユカリと!」

サオリ「サオリの!」

ユカリ「スペシャルインタビュー!」

みほ「……」

ユカリ「ああっ異物を見る目っ」

サオリ「ほ、ほら、まだ結構余裕あるし、新メンバーと交流をさ???」

サオリ「やっぱり絆を深めるには互いのことを知る必要があると思って」

ユカリ「不肖アキヤマユカリ、潜入は得意なので、するっとむこうの車輌にも乗り込めるのであります!」

サオリ「まあ、こっちのメンバーインタビューして向こうの人に知ってもらうってのもありなんだけどー」

サオリ「それでほら、ミポリン的には誰へのインタビューがいいとかあるのかなーって」

みほ「え……じゃあ……>>566

ユカリ「ちなみに、何についてのインタビューをおこないます?」

サオリ「ミポリンの興味ある話題を根掘り葉掘り!だよ!!」

みほ「えー……じゃあ、>>567かなあ……」

アリス

この世界のボコはどこで手に入るんですか?(迫真)

ありがたいことですね
またちょっと余裕出てきたので投下します


みほ「この世界のボコはどこで手に入るんですか?(迫真)」 ズズイッ

サオリ「こ、怖いよみぽりん!」

みほ「どうしても気になるもので……」

ユカリ「いやー、一応聞いてはみますが……」

サオリ「大丈夫かなー」

ハナ「ボコといえば、ブルーチーターですものねえ」

みほ「……でも、それだけじゃないはずなんです」

みほ(ロケットで飛ばしてる、みたいなこと言ってたもんね……)

ユカリ「わかりました」

ユカリ「そこまで言うなら不肖アキヤマユカリ、突撃して参ります!」

ユカリ「ニシズミ殿の望みとあらば、たとえ火の中水の中ニシズミ殿のスカートの中!」

ユカリ「それこそ股間の小高い丘に生えたジャングルの中にだって!!」

みほ「時折素直にユカリさんが怖い」

マコ「気を使わないでキモいって言ってもいいんだぞ」


サオリ「と、いうわけで、アリスちゃんにインタビュー!」

アリス「え?」

アリサ「突然モグラ降りてきたと思ったらそンなことしにきたわけ?」

サオリ「やっぱり面と向かってじゃないきゃあれかなーって」

アカホシ「タフだなあ……」

ユカリ(えーっと、さすがにパラレル云々を伝えるのはまずいですよね)

ユカリ「あの、ボコがどこで手に入るのかという質問が来ているのですが……」

アリス「!!」 キュピーン

アリサ「バカ!」

アリサ「ボコに興味あるなんて嬉しいなやっぱりデザインは勿論その精神性が非常に尊く老若男女が好きになる素養を兼ね揃えた最強の存在ゆえに欲するのは自然なことと言えるし」

サオリ「うわっ、超絶早口っ」

アリサ「普段無口なくせにこうなると止まらないわよ……」

ユカリ「うーん、オタクって怖いですねえ」

サオリ「鏡いる?」


アリス「……この国では……」

アリス「ううん。もっと広い範囲で、この大陸では……」

アリス「ボコを手に入れることはできない」

みほ「!」

ユカリ「まあ、ボコといえばブルーチーターですものねえ」

アリス「元々知名度がなかったところで、宗教団体に神輿として担がれてるから……」

みほ「諦めたほうがいい、か……」 ショボン

アリス「壊滅させてからマスコットを乗っ取るてもあるけど……」

みほ「でも、巨大な集団に潜り込んで厚遇されてたボコなんて……」

アリス「わかる……あれじゃあただの包帯巻いたくま……」

サオリ「えーわかんないわかんないどういうことなの」

ばたついてたら年末ですね
サクサクっとお話を畳にいきたいと思います(エタらせたくはないので…)


【地上】

エリカ「……」

エリカ(ブルーチーターの連中、攻めてくる様子がないわね……)

エリカ(元々寄せ集めで地力がさっぱりない集団だし……)

エリカ(遺跡攻略をこっちにさせて、ついでに戦力も消耗させようって腹かしら?)

エリカ「……とはいえ巡回を怠るわけには……」

ブチッ

ドテッ

エリカ「ぎゃんっ」

エミ「あっ」

エリカ「……見た?」

エミ「…………あー……」

エミ「派手にすっ転ぶことくらい誰にだって……」

エリカ「うっさいわね!」

エリカ「幹部がこんな間抜けな姿見せたら色々影響出るでしょうが!!」

エミ「あ、あはは……」

エミ「それにしても珍しいね、転ぶなんて」

エリカ「いや、なんか踏ん――――」

エリカ「げえっ! シューズの紐が!!」

エリカ(何か猛烈に嫌な予感がするわ……)


キヌヨ「失礼しますッ」

エリカ「ん、どうしたのよ」

エリカ「アンタまだ万全じゃないんだし、寝ておきなさい」

エリカ「ブルーチーターの連中とやり合う時に必要な戦力なんだから」

キヌヨ「……いえ……」

キヌヨ「私は……皆が優先して水をくれたので、もう、大丈夫です」

キヌヨ「たまにあのときの後遺症で力むとニュルッと漏れる程度です」

エリカ「いや大惨事じゃないのよ……」

キヌヨ「……でも、命がありますから」

エリカ「……」

キヌヨ「……タマダとホソミが殉職いたしました」

エリカ「!!」

キヌヨ「……脱水症状と栄養失調が響いたものと思われます」

エリカ「……物資ももう残り少ないものね……」

エリカ(モグラ組に物資を固めているのもあるけど……このままじゃジリ貧で壊滅もある……)

エリカ(ブルーチーターのチンピラが市場を荒らしてるとも聞くし、物量差でじわじわやられてるわ……)


キヌヨ「……二人は、最後まで突撃をおこなえないことを悔いていました」

キヌヨ「まだ動く私は、二人の分まで立派に突撃する所存ですッ」

エリカ「……やめなさい」

エリカ「このあとどうなるのかもわからないのに、勝手に死に急いでるんじゃないわよ」

エリカ「……」

エリカ「これ以上、私の指揮で誰かを殺させてたまるもんですか」

ブチブチブチブチィ

エリカ「げえーーっ! シューズの紐が!!」

エリカ(これ以上何が起こるっていうのよっ……!)

エリカ「ちゃんと無事で帰ってきなさいよ……!」 ギリッ

みほ「ただいま逸見さん」

エリカ「わーーーーーーーーーーーっ!!」 ビックゥ

エリカ「きゅ、急に現れるんじゃないわよ!!」 ドッキンバクバク

みほ「あ、あはは……ごめん……」

ユカリ「謝らなくていいと思います」

ユカリ「どうせこっ恥ずかしい呟きを聴かれたんじゃないかと焦ってるだけですよ」

エリカ「さ、さぁぁーーー!ホソミ達を埋めに行くわよ!!!!!!!!!!!」

コウメ(照れてる・・…)


キヌヨ「それにしても、よくぞご無事で!!」

みほ「これまで何度も突入を繰り返して情報を集めてくれた皆のおかげだよ」

みほ「……それに、スライムって、人の形じゃないから」 ボソ

コウメ「え?」

みほ「ううん、なんでもない」

みほ「……中で倒れてた皆、食い散らかされてはいたけど、残った身体はちゃんと埋めてきたよ」

みほ「こっちで倒れた人達も、埋めてあげなくちゃ」

みほ(この犠牲を乗り越えて……全部なかったことにしなくちゃ……)


<26日目>


みほ「ん……」 ズキン

みほ「頭がイタイ……」

みほ「……」

みほ「そっか……」

みほ「遺跡を落として、皆が宴を開いたんだ……」

みほ「節約も大事だけど、褒美がないとモチベーションが上がらなからって、お姉ちゃんも言ってたっけ……」

みほ「……」

みほ「あんな悲劇があったあとなのに、振る舞われるお酒やご飯を笑って食べられるって、すごいことだよね……」

みほ「……」

みほ「まあ、騒ぎすぎてあんまり記憶がないんだけど……・」

コンコン

みほ「?」

みほ「誰だろう……」

みほ「はーい」

ガチャッ

みほ「あっ――――」



みほを訪ねてきた人物 >>581

マッポリーン

透過します


まほ「……起きていたか」 マッポリーン

みほ「あ……うん……」

まほ「まだ眠っていてもいい」

まほ「次の遺跡開放までは時間もある」

みほ「ううん、大丈夫」

まほ「そうか……」

みほ「……」

みほ(様子を見に来ただけじゃなくて、何か用があったのかな)


まほが会いに来た目的 >>584

武装と生理用品をかりに

残りの必要安価数を考えると絶対年内じゃ終わらないことに気づきました。アカン。投下します。


まほ「……すまないが……」

まほ「いくつか武装を借りられないだろうか」

みほ「ふえ?」

まほ「恥ずかしい話だが、こちらも備蓄がほとんどなくてな」

まほ「武装をメンテナンスに回そうにも、その間代わりに装備するものがない現状だ」

まほ「……とはいえ、簡易メンテナンスではそろそろ限界が近い」

まほ「だからこそ、守る遺跡が減ったこのタイミングで一斉メンテナンスをおこないたいんだ」

まほ「……そこで、武器を借りることができれば、メンテナンスに回せる武器は多くなる」

まほ「いつ攻め込まれるかわからない以上、短期でメンテナンスは終えたいからな」

みほ「そういうことなら、全然」

みほ「……遺跡に潜るまでは使わないし」

みほ「……」

みほ(遺跡の化け物は躊躇なく撃てるけど、さすがに人間をまた撃つのは少し躊躇いがあるしね……)


まほ「それと、その……なんだ」

まほ「生理用品も、できれば借りたくてだな……///」

みほ「えっ」

まほ「…………来てしまったんだ」 ゲッソリ

みほ「そ、そうなんだ」

まほ「これまではどれだけ重くとも顔に出さず淡々と我慢していたのだが……」

みほ「重いから大変だよね……」

みほ(お姉ちゃん、いつも大変そうだったもんなあ……)

まほ「……何で知っている……」 ドンビキー

みほ「え、あ、そ、その、重そうだなーーーーーーって!」

みほ「あ、あはは……」

まほ「……それはそれでとんでもなく失礼だが……」


まほ「とにかく、もし多く持っていたら貸してくれると助かる」

みほ「……そんなに物資に困っているんですか……?」

まほ「……本国からはとうに見放され、まともな収入源を持ち合わせていないからな」

まほ「生理用品に回せる資金はもちろん、現物すらまともに手に入らん」

みほ「そんな……女所帯なのに……」

まほ「……故に、これまではほとんど垂れ流しだったのだが……」

まほ「衛生面で非常によろしくなくてな」

みほ「精神衛生にも非常によろしくないかな……」

まほ「最近病が原因で亡くなる者も出始めているからな」

まほ「一応、意識するようにはしているんだ」

まほ「これ以上戦力を失うわけにもいかないしな」

みほ「そういうことなら……」

まほ「すまない。この借りはいつか返すし、生理用品も洗って返そう」

みほ「返さなくていいって言うか返さないでください」


みほ(お姉ちゃん、大変そうだなあ)

みほ(……ううん。みんな大変なんだ)

みほ(私も寝てばかりじゃなくて、ちゃんと行動しないとなあ)

どうする? >>590


・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

奴隷市場に行く

多忙になってきて、完全によくない流れになってるんですが、
エターは避けたいのでちょっとだけ投下します


アッサム「……ああ、いらっしゃい」

アッサム「貴方は確かモグラ乗りの」

みほ「どうも……」 ペコー

アッサム「歓迎いたします」 フカブカー

アッサム「……大事な顧客だったレッドタートルが消えたせいで、少し景気が悪いですから」 ハァ

みほ「そ、そうなんですねー……」

みほ(ギャングには需要があるのかな……)

みほ「えっと、この前見せてもらった奴隷の子って……」

アッサム「ああ、ペコですね」

アッサム「それならこちらに」

オレンジペコ「……」


アッサム「……あの娘を将来買われるなら、今回どう接するかは大事ですよ」 コソッ

みほ「ふえ?」

アッサム「……彼女は革命の際に身寄りをなくしました」

アッサム「家を捨て、逃げる彼女を野盗が捉え、売り払ったわけですが……」

アッサム「その野盗は、レッドタートルをバックに付けた一団でした」

みほ「えっ」

アッサム「……レッドタートルはお得意様でしたから、間違いありませんよ」

みほ(そこから買ったってことかな……)

アッサム「そのレッドタートル壊滅の報は、彼女の耳にも届いていますから」

アッサム「そこにどう触れるか、もしくは触れないか、今後を見据えて選択されるのがいいかと」

みほ「……」

みほ(コミュ力低くて友達少ない私にそんなこと求められても……) ズーン

みほ「え、ええと……どうしようかな……」


レッドタートルの話題をどうするか >>596
A・自分が壊滅させたと話す
B・世間話として壊滅したらしいねと話す
C・壊滅には関わってないが、レッドタートルとは関わっていたと話す
D・私はレッドタートル構成員だと嘘ついてみる
E・レッドタートルには触れない
F・その他(内容併記)

B

少しでも進めます(まさかこんな早く安価とってもらえるとは・・・)


みほ「あ、あの」

オレンジペコ「……なんでしょうか」

みほ「ええっと……」

みほ「れ、レッドタートル、壊滅したらしいですね~」

オレンジペコ「……」

みほ「……」

オレンジペコ「……そうですね」

オレンジペコ「繁華街の一部では評判もよかったと聞きますが、所詮はギャング」

オレンジペコ「地域密着型ならず者のブルーチーターや、軍人であるブラックティーガーと比べると、地域の協力を得にくい」

オレンジペコ「3つの陣営が拮抗した実力なら、民衆という伸び代のないレッドタートルから落ちるのは妥当かと」

みほ「そ、そう、だよねー……あはは……」

オレンジペコ「……」

みほ「……」

みほ(どうしよう、そもそも奴隷って存在に慣れてないから接し方が難しいよお……)

みほ(西住流門下生とかは奴隷みたいなものだと思ってた時期もあったけど……)

みほ(どれだけ身分の差があれども、相手も人間だってよく言われたもんね……) ウーム


オレンジペコ「……変わった方ですね」 フフ

みほ「!!」

みほ(今、笑っ――)

オレンジペコ「……私は奴隷の身」

オレンジペコ「気など回していただかなくて結構ですよ」

みほ「あ、うん…・…あはは……」

みほ(元々あんまり仲良くない人と社交的にやれない、ってことは黙っておいていいよね……)

オレンジペコ「アッサム様も、あまり余計なことを言わないでください」

アッサム「あら、どうしてバレたのかしら」

オレンジペコ「わかりますよ……」 ハァ

オレンジペコ「大方、同情心などで即時購入をさせたかったのでしょうけど……」

みほ「ええっ、そうなんですか!?」

アッサム「……まあ、維持も無料じゃないですし……」

アッサム「上得意のレッドタートルが消えた以上、売れるに越したことはありませんので」


アッサム「それに、この子を買っても損はしないと思いますよ」

アッサム「……この子、モグラも使えますから」

みほ「ええ!?」

アッサム「こちら、資料です」

みほ「わわ、ありがとうございます!」

みほ(すごい……なんて緻密なデータ……)

みほ(他の奴隷についても、何ができる・出来ないがわかりやすく纏まっていて……)

みほ(凄く便利で非人等的……)

みほ(見た目はケータイショップの商品カタログみたいなのに、えげつない用途の可否が載ってる……)


アッサム「それにその子は芯が強いのでおすすめですよ」

みほ(うーん、奮発して、なおかつ値切ったりもできそうな雰囲気はあるけど……)

みほ「ごめんなさい……」

アッサム「……」

アッサム「わかりました。次回をお待ちしております」

オレンジペコ「……」

アッサム「次こそお買い上げいただくために、この子のエピソード傑作選でも作って待ってますね」

みほ(この人暇なのかな……あ、暇になってきてるから危機感抱いてるのかな……)


<27日目>

みほ「ん……よく寝た……」

みほ「ちゃんとお布団で眠れるって大事だなぁ……」

みほ「あの奴隷市、結構奴隷の待遇いいらしいけど、床で寝てたもんね……」

みほ「……それより今日はどうしようかな」


どうする? >>604

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

メンバーはとりあえず揃ってるんだっけ?
装備整えたいね 安価下

今の所メンバーはコウメ、アリサ、アリスで揃ってはいます。

眠いですが、パワポケのイベントって一回一回そこまで長くねえなと原点回帰の気持ちでサクサク回していきます


【港】

みほ「……」 テクテク

みほ「あっ」

みほ「あれは……赤星さん?」

コウメ「その、そこをなんとか……」 ヘコヘコ

ボルドー「悪いんだけど、こっちにも生活が……」

コウメ「あ、あの、それでしたら一週間……」

コウメ「いえ! 10日!10日は無料でいいので!!」 スガリツキー

ボルドー「ああもう、無理なものは無理なんでっ!」

コウメ「ああっ……」

ボルドー「……ほら。ビール券あげるから」

ボルドー「これでチャラ……ってことで……」 ソソクサー

コウメ「う、ううう……」

みほ「……」

みほ(なに、この絵面……)


みほ(とりあえず、気まずいし、やっぱりアンチョビさんのところにでも……) ソローリ

パキッ

みほ「!!」

みほ(ああっ、地面に落ちてたプレパラートをうっかり――!)

コウメ「誰――――って……」

みほ「あ、あはは……」

コウメ「見て……ましたよねぇ……」

コウメ「あはは……お恥ずかしいところを……」

みほ(ほんとに……)


みほ「あの、今のは……」

コウメ「……」

エリカ「この港に倉庫を持ってる、まあいわばスポンサーというかカモよ」

みほ「ひゃあああっ」 ビックゥ

エリカ「……驚きすぎでしょ」

コウメ「あれ……どうしてここに……」

エリカ「……アンタが失敗続きだって聞いてね」

コウメ「うう……面目ない……」

みほ「その……これは一体……」

エリカ「……まあ、知っての通り、ブラックティーガーは港を縄張りにしているのよ」

エリカ「で、他の陣営のチンピラから倉庫の荷物や船を守ってやる代わりに、対価を得ている」

エリカ「……だけどここ数日で、私達から手を引こうとする連中が増えたのよ」

みほ「えっ……どうして……」


エリカ「……」

コウメ「……」

みほ「……?」

みほ「えっと……?」

エリカ「…………はぁ」

エリカ「アンタが聞いてきたんだかね」

みほ「?」

エリカ「こうなった原因は、まあ――あんたよ」

みほ「!!」

エリカ「レッドタートルを撃退した。それは喜ばしいことだし感謝もしてる」

エリカ「街の連中だって、あのギャングどもが消えて喜んでるでしょうよ」

エリカ「一部の繁華街の連中はともかく、まともな人間にしたら、あんな奴ら客でもいない方がいいし」

エリカ「……でも、そんなレッドタートルが消えたあとは、今度はショバ代を求める私達が邪魔者になる」

みほ「そんな……まだブルーチーターだって……」

エリカ「……ブルーチーターもタチが悪いチンピラを有してるけど、あいつら大半が地元民の有象無象だもの」

エリカ「しかも半分は道楽で宗教やってるような金持ちだし、暴れるアホの絶対数は少ない」

エリカ「暴れても、まあ自分たちで何とかできると思える程度の規模と戦闘力だろうしね」

エリカ「レッドタートルを退けるような武力を持った統率された集団こそ、今は恐怖の対象なのよ」


エリカ「レッドタートルとの闘いで派手に暴れすぎたのも恐怖を煽ったみたいね」

コウメ「それで、なんとかスポンサー続けてくれないかなーってお願いを……」

エリカ「あまーーーーーーーーーーーーーーーーい!!」 ハンバァァァァグ

エリカ「甘いわ甘すぎるわ、アーティチョークをどか食いした後に飲む砂糖水よりも甘いわ」

エリカ「こっちが下手に出るからつけあがるのよ」

エリカ「先日のレッドタートルとの抗争に巻き込まれて駄目になった倉庫が出たのが切っ掛けね」

エリカ「これじゃあショバ代を払う意味がないってキレてくる人間もいたし」

コウメ「……そういう人、どうやって相手を?」

エリカ「ディッガー持ち出して砲塔向けて笑顔で交渉、それが基本よ」

みほ「わあ……」 ドンビキー

エリカ「……他人事みたいな顔してるのがムカつくわね」

エリカ「言っとくけど、アンタにも責任の一端はあるのよ」

コウメ「あっ、そ、それは――」 アタフタ

みほ(……なんだろう……)

みほ(確かにレッドタートルは私が追い返した側面も強いけど……)

みほ(でもだからって、こんなに怒られるなんて……)

エリカ「この子がペコペコしてスポンサーを維持しないといけない理由、アンタんとこの馬鹿が貴重な食料湯水のように食べてるからだから」

みほ「本当にごめんなさいそれは完全に私達のせいですはい」


<28日目>

みほ「ん……よく寝た……」

みほ「昨日は世知辛さを感じちゃったなあ……」

みほ「……華さん、昨日もバクバク食べてたなあ……」

みほ「……」

みほ「考えるとなんか辛くなっちゃうし、気分転換でもしようかな……」



どうする? >>613

・疲れたから寝て過ごす

・港をうろつく
・ブラックティーガー本拠地に行く
・リストランテ『アンツィオ』に行く
・市場に行く
・町外れの酒場『トゥータ』に行く
・歓楽街に行く
・ガラクタ山に行く
・ガラクタ山の麓にあるスラム街に行く
・ガラクタ山の麓にある高級住宅街に行く
・奴隷市場に行く

・ユカリに会う
・サオリに会う
・ハナに会う
・マコに会う
・マホに会う
・エリカに会う
・アカホシに会う
・アンチョビに会う
・アッサムに会う
・アリサに会う
・アリスに会う
・ローズヒップに会う
・モモに会う

・他の陣営に攻め込む

歓楽街


【歓楽街】

みほ「……わぁ……」

みほ「ほとんどシャッターが閉まってる……」

みほ「レッドタートルがいなくなって、落ち着いて営業してるかと思ったのにな……」

みほ「ハロウィン翌日の渋谷くらい荒れ果てた感が……」

みほ「あっ」

みほ「このお店……開いてる……」

みほ(……ぼったくりとかは、もうないよね……?)

みほ「覗くだけ覗こうかな……」 カランカラン


【スナック『アリクイ』】

ピヨタン「いらっしゃい」

みほ「わぁ……」

みほ(すさまじい場末感……)

みほ(このママさんとか、おいくつなんだろう……)

ネコニャー「い、いらっしゃい……これ、おしぼり……」 ボソボソ

みほ「あ、ありがとうございます……」

ネコニャー「……」

ピヨタン「……」

みほ「……」

みほ(く、空気が重たい……)


みほ「え、ええと、ここのお店は今の時間も開いているんですねー……」

みほ「その、お昼だからか、まわりのお店はシャッターが――」

ネコニャー「……」

みほ「……あれ……?」

ピヨタン「……残念だけど、周りのお店のシャッターが閉まってるのは、営業時間外だからではないぴよ」

ネコニャー「……みんな、もう営業ができなくて、それで……」

みほ「ええ!? どうしてそんな……」

ピヨタン「この前まで占拠してたレッドタートルがいなくなったぴよ」

ネコニャー「そしたら途端に客足が途絶えて死に絶えちゃったんだにゃー」

みほ「うわあ……」

みほ(言われてみたら、そうなるよね……)


ネコニャー「それだけでなく……」

ネコニャー「後ろ盾がなくなった歓楽街を、ブルーチーターのチンピラが襲っていると……」

ピヨタン「ブルーチーターのお金持ちの人達、上流階級の通うレストランとかが襲われてたら怒るけど……」

ネコニャー「自分の関わることのない歓楽街が襲われててもシカトという……」

みほ「……レッドタートル、意外とちゃんと用心棒してたんですねえ」

ネコニャー「利害は完全に一致してた……」

ピヨタン「でも、一番レッドタートルと懇意にしてたお店は壊滅しちゃって……」

みほ「わーなんででしょうねー(棒)」

みほ(こ、この話題、変えた方がいいよね……)

みほ「そ、それより、>>618

遺跡でお宝を見つけてお店を再建しませんか?

無理があるなら安価下で構わないっす

仕事が当分ばたついてそうですが、安価まではやってから寝ます
こんな停滞する前に終わらせたかった・・・猛省してます


みほ「遺跡でお宝を見つけてお店を再建しませんか?」

ピヨタン「え?」

モモガー「遺跡!?」

ネコニャー「それってひょっとして、つまり――」

みほ「わっ、しれっと増えてるっ……!」

モモガー「あ、はじめましてもも」

ネコニャー「あ、ええと、このお店は三人でやっていて……」

モモガー「客足が鈍い今は、交代で休んでゲームをしているんだもも」

みほ「そ、そうなんだ……」

みほ(どうしよう、変な人達だ……)


ネコニャー「そ、それより……」

ネコニャー「ひょっとして、モグラに乗ることが……?!」

モモガー「!!」

ピヨタン「り、リアル戦車に!?」

みほ「……あ」

みほ(Ⅳ号戦車のスペースだと、3人全員を乗せるの、難しいよね……)

みほ(一台はお姉ちゃんから借りてるけど……)

みほ(あれはあれで、もう赤星さんとアリサさん、アリスちゃんが乗ってるし……)

みほ(うーん……)

みほ「ごめんなさい……そのつもりだったんですけど、今ちょっと戦車にあきがなくて……」

ネコニャー「それは……残念……」

モモガー「生モグラ……」

みほ「……」

みほ(ちょっと心が痛いな……)

みほ(新しい戦車が手に入るか、無理矢理押し込める同意をアリサさん達から取れたら、声かけてみようかな)


【家】

みほ「ただいまー……」

ハナ「おかえりなさい」

みほ「わあ、ご飯が日本昔話に出てくるくらいアホの山盛り」

みほ(相変わらず沢山食べてるけど……明日から大丈夫かなぁ……)

サオリ「あはは、心配事、顔に出てるよー」

マコ「まあ……気持ちは分かるけどな」

マコ「ここにきてもうすぐ一ヶ月になる」

ハナ「もっと長い間いるような風に思えちゃいますね」

みほ「あ、あはは……」

みほ(一ヶ月弱なのに、元いた世界で知ってる顔もいるせいか、すでに結構思い入れちゃってる……)

みほ(なんとか割り切っていかないと……)

ユカリ「?」

ユカリ「どうかしたのですか、西住殿」

みほ「う、ううん、明日どうしようかなーって考えてて……」

ユカリ「あー、そうですねえ」

ユカリ「滞在一ヶ月も遺跡探索も目前ですし、たまには好きにやってもいいんじゃないでしょうか」

マコ「普段も好きにやってるんじゃ――」

サオリ「ちょっとマコ!」

みほ(自由に、かあ……)


翌日やること(自由安価) >>623

ディッガーの修理と燃料補給、後は弾薬の装填
出来ればお店で回復薬とか買いたい

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