百合子「プロデューサーさん!恋しましょう!」 (17)

百合子誕生日記念。
百合子は成人済みです。
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「プロデューサーさん!恋しましょう!」

「部外者は帰って。」

「ひどい!それに私、部外者じゃないですよ。卒業生じゃないですかあ。」

「それでもあんまり気軽に事務所まで来ないでほしいんだけど...。で、なんて?」

「プロデューサーさんが彼女と別れたと聞いたので来ました。」

「誰に聞いたの...。」

「志保ちゃんから聞きました。」

「北沢ぁ...!酔った勢いで話すんじゃなかった...。」

「それで傷心のプロデューサーさんを慰めようと思いまして。」

「いらん。」

「私、今悩んでることがあるんです...。聞いて、くれませんか...?」

「そういう演技はもう効かん。」

「えーいいじゃないですか。お酒飲みましょうよー。」

「昔はこんな娘じゃなかったのに。いつの間にこんな図々しくなった...?」

「プロデューサーさんのせいですね。」

「はあ、なんかもうどうでもいいわ...。仕事終わった後でいいならね。」

「やった!じゃあ待ってますね!」

「はいはい。はあ...押しに弱いな、自分。」

「注文はどうする?」

「私はホワイトリリーで!」

「じゃあ、こっちはブルームーンで。」


「では、プロデューサーさん、今日もお疲れ様です。乾杯。」

「乾杯。...百合子は最近はどうなの?」

「仕事ですか?...順調です。」

「順調じゃなさそうだね。人気エッセイストの七尾先生も筆が進まないことがあるのか。」

「逆です。書きすぎてしまって編集者さんによく怒られてまして。」

「...なるほどね。」

「プロデューサーさんは...最近のシアターはどうですか?」

「まあ昔も今も変わらないよ。ドタバタの毎日。百合子も今日顔出して見てどうだった?」

「七尾先輩って言われるのがすごく気持ちよかったです。」

「あ、そう。」

「で、桃子ちゃんに冷たい目で邪魔するなら帰ってって言われました。」

「何やってんの。」

「プロデューサーさんってモテるの?ってみんなに聞いてたら怒られました。」

「ホント何やってんの百合子。」

「気になるじゃないですかー。みんなキラキラな目でカッコいい!とか大人の魅力!とか言ってましたし。ホントは私からも色々語りたかったんですけど...桃子ちゃんに止められました。」

「ナイス桃子。」

「で、志保になんて言われたか知らないけど、慰めに来たって?」

「はい。志保ちゃんに傷心の今がチャンスだと言われました。」

「ノーチャンスだよ。今回別れたのもそんなに引き摺ってたりしないし。」

「...別れた原因って聞いてもいいですか?」

「まあよくあると言えばよくあるすれ違いだね。」

「すれ違い、ですか。」

「こんな仕事やってると逢う時間も少なくなるし。家に一人で待っているのは...てね。」

「...なるほど。」

「まあ仕方ない。正直、別れて解放された。って思った部分もあったし。」

「でも寂しくないですか?」

「...寂しい、か。そう...」

「夜とか。」

「おい七尾。」

「今ならこんなピチピチの娘の部屋が空いてますよ!?」

「百合子が仕事で書いてるのってエロ小説とかじゃないよね?大丈夫?」

「そういう妄想のは趣味でしか...ゲフンゲフン。ホントに無いですから。はい。」

「見つけたら燃やすわ。」

「大丈夫ですって...。それで...プロデューサーさんは今、フリーなんですよね?」

「そうだね。」

「ここにも一人、フリーな娘がいるんですけど。...どうです?」

「...懲りないね。何回目の告白だっけ?」

「...4回目、ですね。」

「じゃあ今回の返事もわかるでしょ。」

「......。」

「......。」

「私は、ずっとPさんのことが好きです。Pさんは私のこと、どう思ってますか?」

「...百合子のことは好きだよ。大事に思ってる。」

「じゃあ、なんでダメなんですか?」

「...アイドルとプロデューサー。」

「もう私はアイドルじゃないです。」

「...年の差。」

「私も24です。20代の8歳差なんて芸能界じゃよくあるじゃないですか。」

「...さっき言ったでしょ?家に帰らないこともあるし。」

「私はずっと家にいるので大丈夫です。家事もします。」

「でも...。」

「他に断る理由があるんですか?」

「やっぱり駄目だよ百合子。」

「......。」

「だって...。」


「私たち、女同士でしょ?」

「そんなこと、私にとっては何の障害にもならないです!」

「百合子は、普通の男の人と幸せになった方がいいよ。」

「私は男の人とか女の人じゃなくて、Pさんが好きなんです。」

「...ごめん。女性と恋人になりたいって思うなんて、私の影響だよね。」

「違います。知ってますか?女性同士ってのも本の世界では珍しくないんですよ?」

「百合子は思い込んだら一直線ね。まさか10年も続くとは...。」

「そうですね。止めたければ一度付き合って、それから私を諦めさせてください。」

「付き合ってから諦めさせてって...。面白いこと言うね。」

「付き合ってから分かることってあるじゃないですか。...私、夜のPさんを知りませんし、ついていけないかも。」

「なんの妄想をしてるんだ。」

「大丈夫です。予習はバッチリです。」

「本当に何でこんな娘になったんだろうね。」

「Pさんのせいですよ。」

「...いいよ。負けたわ。頑張って百合子を諦めさせることにするよ。」

「はい、Pさん。...よろしくお願いしますね。諦めないですけど」

「こちらこそ、よろしく彼女さん。...本当に押しに弱いわ。私。」

「Pさん。おはようございます。」

「おはよう百合子。」

「どうですか気分は?あ、コーヒー飲みます?」

「飲む。...私の方が百合子についていけないかもしれないわ。」

「何か言いました?」

「何にも。百合子の部屋は本が多いなって。...ん?この薄い本は何だろ。」

「コーヒー出来ましたよ。って、あっ、それは...!?」

「これは...!」


『禁断の劇場!~女性Pとアイドルの情事~ 著:百合騎士』

「よし、燃やすかな。」

「あ~やめて!やめてください!もう書きませんから~!」

終わり。

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