歩夢「こわいおでかけ」 (8)

歩夢「ごめんね、かすみちゃん。私の買い物に付き合わせちゃって」

かすみ「何謝ってるんですか!私もいい買い物できましたしお互い様ですよ!」

歩夢「そう?そう言ってもらえるとありがたいけど……」

かすみ「そうですって!でも、流石に9時になってしまったのは買うものを迷いすぎましたね」

歩夢「だね。お母さんには連絡したけど早く帰らなきゃ」

かすみ(はっ!ちょっと行った先の道って近道だけど怖い噂がある道が…!!……いっつもぽわぽわな歩夢先輩を怖がらせるチャンスなんじゃ!)

かすみ「あっ歩夢先輩~!かすみん、近道知ってるんでそこ通ります?」

歩夢「え、本当?じゃあそこ通ろうかな!」

かすみ(くっふふ♪かすみんに怖がる姿をたんと見せてくださいね~)

かすみ「こっちですよー!」




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歩夢(かすみちゃんについて行ったらなんか……人気の少ない森の道?みたいなところに来たんだけど……)

歩夢「ね、ねぇ……かすみちゃん?」

かすみ「はい?なんでしょう?」

歩夢「こっちで、あってるんだよね?」

かすみ「はい!まぁここ街頭少ないですからね~」

歩夢「う、うんそうだね。ちょっと怖いね」

かすみ「大丈夫ですよ~!私何回も通ってますが何にも起きないですし!」

かすみ(まぁ通ってるって言っても昼間だけど)

歩夢「か、かすみちゃんがいうなら……」

かすみ「あ、あれ?」

歩夢「え?ええ?なになに?」

かすみ「あの、あそこに祠ありますよね?」

歩夢「う、うん……」

かすみ「いっつも通ってるんですが……あんなの見たこと……」

歩夢「や、やめてよ~!脅かそうとしてる?」

かすみ「違いますよ!多分普段周りを見てないからですかね?」

歩夢「それはそれで危ないから気をつけなよ?」

かすみ「はーい」


歩夢「………」

かすみ「………」

歩夢「ここ、さっき通ったよね?」

かすみ「先輩もおもいました?私も思ってました……」

歩夢「うん……さっきの祠の話で覚えちゃったもん…あの祠……」

かすみ「うぅ……」

歩夢「か、かすみちゃん?」

かすみ「なんでしょうか?」

歩夢「なんか……様子変だけど、大丈夫?」

かすみ「はい……」

歩夢「そっか……」

かすみ「………」ブツブツ

歩夢「かすみ……ちゃん………?」

かすみ「あぅ……あぅぅ……」

ガコンッ

歩夢「ひゃう!」

ヌッ

歩夢「えっ……手……祠から……えっ?」

ヌンッ

歩夢「きゃ、きゃあああああ!!!」

歩夢(まずいまずいまずいまずいまずい!!!)

歩夢(このままだと私もかすみちゃんも!!)

歩夢「かすみちゃん!逃げるよ!!」

かすみ「ブツブツ」

歩夢「かすみちゃん!!しっかりしてよ!!かすみちゃん!!」

歩夢「かすみちゃ……」チラ

ドサッ

歩夢(もう身体が出てきて……)

歩夢「かす、かすみちゃ!!かすみちゃん!!!」

歩夢「かすみちゃん!!!」パチン!

かすみ「ふぐっ!歩夢……先輩?」

歩夢「逃げるよ!!!」

かすみ「ふぇ?……きゃあああああ!!!」

だだだだだっ

デパート前の公園

かすみ「はぁ……はぁ……」

歩夢「ふぅ……なにあれ……」

かすみ「わからないです……いつも、無いんで……」

歩夢「とりあえず……うちに泊まらない?」

かすみ「そうさせてください……」

歩夢「朝起きてからすぐにお寺に行ってお祓いを受けました」

歩夢「その時は詳しくは聞かなかったけど、図書館で調べたらある記事が出てきて」

女子大生、何者かに刺された川になげこまれる

歩夢「きっと、この人なんじゃないかと思います」

歩夢「仮に違うとしたら、私たちは何を見たんでしょうか」

歩夢「私はなぜ、かすみちゃんより冷静でいられたんでしょうか」

歩夢「私は今でもわからないままです」

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