【異種族レビュアーズ】レギュラーモブDT「ネクロワイフ異聞」【レビュー付】 (20)

※アニメ終了時系列です
※アンソロジー本「異種族レビュアーズ~ダークネス~」の田倉まひろ先生作品のネタあり





スタンク「メイドリー、酒のおかわりくれ」

夜の食酒亭でスタンク・ゼル・ブルースは駄弁っていた。

メイドリー「またぁ? もうそろそろ休んだらスタンク」

スタンク「かてぇ事言うなよ。この前新作レビュー貼って繁盛させたじゃねえか」

メイドリー「アンタたちのレビュー目当てで来る客はろくでもな……チュピィッ……」

メイドリーは急にどこか虚ろな目になり、立ったまま動かなくなった。

スタンク「……? どうしたメイドリ―」

彼女は心ここに在らずという様子でテーブルに備え付けていた羽ペンを持つ。

いや、持つというよりそれは彼女の手の平に吸い付いたまま勝手に紙の上を踊り始めた。

それはやがて文章となっていく。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1587508392

ゼル
「なになに……『拙者はカゲと申す忍び。
 霊体の身ながらこの給仕の体を借りて皆様方に物を申し上げたき次第』」

ブルース「シノビ……東方の暗殺者だな。やけに堅苦しい言葉遣いだが」

ゼル
「『はばかりながら、さきゅばす店ねくろわいふの批評を再考し
 拙者の一筆も加えていただけぬか』……だと」

スタンク「あー言っておくが、ギルドと連携している俺らと同じ事したら料金取るからな」

更にペンは紙の上を滑るように走っていった。

ゼル
「『元より承知の上。路銀その他はさる場所に用意済み。
 拙者の望むはあくまでただ一つ。嬢と店への正当なる評価のみ』……だとさ」

スタンク「……インキュバスの奴が来てからこういう手合が増えたな……」

ブルース
「まあ、分からんでもない。良い嬢の評価が低いと、評価した側の評価まで
 下げられた気もする奴だっているもんだ」

スタンク「しっかし公爵領か……遠いんだよなあそこ……」

ゼル「まあ最近、直通の馬車が出ているらしいがな」

スタンク「はぁ? あんな過疎地に誰が行くんだよ?」

ゼル
「知らねぇのか、『ホネミ~ランド』って遊園地が出来て
 知育を兼ねた客が増えているらしいぜ」

ブルース「ホネミーって……あのスケルトンのサキュ嬢か……」

ゼル「ああ。まあ流石にサキュバス店まで寄る親子連れはいないがな」

スタンク
「ふむ、そこまで言うなら暇だしもう一度行ってみるか。
 メンバーはどうする? 天使のクリムはアウトだから……」

ブルース「わしは降りるぞ」

隣にいたブルースが早々に席を立って店を出ていった。

ゼル「『拙者の所望するは霊体種の評価。彼にこそ再評価を願いたいのだが』か……」

ゼル「まあ仕方がない。あいつはあそこで大ハズレ引いたからな。トラウマなんだろうよ」

スタンク
「そもそも鼻の良過ぎる獣人にはあの店自体キツいだろう。
 霊体種中心のレビュー、か……となると……」

スタンクは店の連中を物色する。

今夜に限ってカンチャルもナルガミもサムターンも出払っている。

まあ居たとしても触れない霊体種レビューにノってくれるかまでは微妙だが……。

そんな時、いつもレビュー記事の前でアレコレ吟味していたあの四人組がコソコソとしゃべり出す。

モブB「DT、この際お前が行ってきたらいいべぇ?」

レギュラーモブDT「えっ!? なぜ私が……」

モブA「そうだっちゃ。ずっと暇してるっちゃ」

DT「し、しかし……」

するといつの間にか彼の傍にスタンクが立っていた。

スタンク
「DTっていうらしいな、アンタ。
 いいか、知識ってのは溜め込んでばかりじゃ意味がねぇ。
 剣や股間のアイツと同じで、活用してこそ自分のものになるんだ」

DT「スタンクさん……」

ゼル
「『拙者は歓迎いたす。元より霊魂種は触れぬ挿入れられぬという清らかな身
 ぷれいを最後まで楽しんでも、純潔は保たれ申す』……だとさ」

モブA「決まりっちゃね」

狐耳モブC「DTのレビュー、楽しみにしてるっす」

モブB「ムラムラしたらついでに筆下ろして来たらいいべぇ」

   #  #  #

善は急げ、朝一番の便に駆け込んだスタンク・ゼル・DTの三人。

馬と舟を乗り継ぎ、徒歩で二日かかるデリベル公爵領だがその日の晩には到着した。

すると馬車の待機場所に、メイドリーに憑依していた

カゲというゴーストがそのままの姿で出てきた。

なるほど、シノビというだけあって東洋風の顔立ちに全身黒ずくめの外見だ。

カゲ
「お待ちしており申した。途中道案内仕りたかったが
 霊体の身では日光がわずらわしいゆえ……」

スタンク
「いいっていいって。直通便で来たからさ。
 しかし、旅費まで出してくれていいのかよ」

カゲ「心配にはお呼び申さん。あの金で嬢たちの笑顔が見れれば、何より」

ゼル「しかし、何がそこまであの店に惹きつけられるのか分からん」

カゲ「それは追々説明いたす。分かりやすく申さば、まぐわれずとも快美に浸る方法はあり申す」

スタンク「……ひょっとして自分でシゴけってか? そのためだけにここまで足を運ぶのは……」

DT「店に着きましたよ、スタンクさん」

朽ちた墓標のような看板は大地に寝そべっている。

その隣ではゆらゆら揺れる燭台の炎に照らされ

つぎはぎだらけの体をしたアンデッドの受付嬢フランパーが佇んでいた。

フランパー「ようこそアンデッド専門店ネクロワイフへ」

スタンク「よお、今回はあんたサボってないんだな」

フランパー
「はい。昼間はホネミ~ランドの受付に借り出されてまして……
 ホネミちゃんはマスコットとして大忙しですし。人間のお客様はまた私を?」

スタンクはフランパーの爆乳に目を引かれつつも

今回の主役である霊魂種から選ぶ事にした。

スタンク「俺は文車妖妃のフミカちゃんで」

ゼル「ええっ!? 確かにマナはあるけど結構ババアだぞ?」

スタンク「またそれかぁ。いいんだよ、見た目が良ければ」

ゼル「全くこれだから人間は……じゃあ俺は式神のアスカちゃんで」

カゲ
「拙者はいつもどおり地縛霊のさよ嬢で
 こちらの方は初めてなので是非れいこ嬢でお願い申し上げる」

フランパー「了解しましたー」

霊魂種たちとの基本的な遊び方については、フランパーが話し始めた。

霊魂種は基本見ヌキプレイオンリーになるが

以前と比べて格段にオプションが充実しているとの事だ。

基本スタンクたちはコスプレを追加で頼む事はあるものの

大体はオプション無しでサキュバス嬢と楽しんでいる。

カゲ
「この『おぷしよん』を使わずして、最早『ねくろわいふ』は語れない、と拙者は断言いたす」

スタンク「ずいぶん大きく出たな」

そもそも死霊種は他種族に圧倒的不人気だ。

そしてその理由の大半があの死臭にあるという事は周知の事実となっている。

フランパー「実は私たちも業務改革に腐心していたんですよ」

ゼル「デリベルの奴がパトロンやってるから生活自体は安定してるだろう」

フランパー
「いやぁまあその通りなんですが、そこは私たちもサキュ嬢ですから
 お客様が喜んでくれるならそれに越した事は無い訳です」

DT「で、そのサービスと言いますかオプションはどういうものなのですか?」

フレンパー「よくぞ聞いて下さいました! これです!」

受付嬢フランパーが出したのは分厚い衣装カタログと多量のクリスタルだった。

スタンク「やけに豊富だな」

フランパー
「何せ霊魂種は触れませんからね。しかし、見ヌキに関してはみんなプロレベルですよ。
 多種族のお客様の好みに合わせた衣装とシチュをとことん集めております」

ゼル「霊の衣装ってどうしてるんだ?」

フランパー「個人オプションのものに加えまして、付喪神の方々にも協力してもらってます」

次にフランパーはクリスタルを手に取って説明する。

フランパー
「新しく追加されたこのクリスタルオプションで
 女の子のプレイの一部始終を撮影記録し、お土産に持って帰られますよ」

スタンク
「なるほど、つまり自分好みの姿になった女の子の
 エロエロムービーが撮れる、という訳か」

ゼル「でも値段はどうなんだ? 記録媒体としてもクリスタルは高いだろ」

フランパー「御心配なく。料金は一個で五百になります」

ゼル「嘘だろ!? 安すぎる! じゃあ、撮影料は……」

フランパー
「込みですよー。実はここ一帯は良質のクリスタルが取れるんです。
 ですがあまりにも人里から離れてて、鉱脈もほぼ手つかず状態だったんですよ」

スタンクたちの感心が一気に集まった。

サキュバスムービーは高い上に種族によっては当たり外れがあったりする。

決して安い買い物ではない。

それをかなりの安価で、しかもやりようによっては

自分の性癖にガッチリ合ったものが手に入れられる。

そう考えれば、決して悪いものではない。

フランパー
「もちろんシチュも拘ってます!
 演技指導にサキュバスムービー監督のバイナバナナ先生や
 サキュバス店おかしらのアジトと提携して
 プリッツさんたちプロ女優にも師事を仰いでいます」

ゼル
「しかし、竿役が欲しい時もあるだろう……」

フランパー
「それならご安心を。ニーズに応じてオークからハーフリング
 汚い髭面のオッサンから美少年まで老若男女問わず
 追加オプションで指定する役を努めます」

DT
「つ、つまりそれはっ!?
『内気なショタの貴族子息をエッチなお姉さんメイドが筆下ろし♪』
 ……というシチュも可能と!?」

DTが興奮気味に鼻息を荒くしてメイド服のカタログを吟味し始めた。

それを面白がりつつ、ゼルもシチュエーションに想いを馳せる。

一人スタンクだけが、以前入ったネトラレ専門店

「扉のスキマ」でのトラウマを思い出して頭を抱える。

あの時の反省を踏まえて、今回は嬢オンリーのサキュバスムービー作りに専念しようと密かに誓った。

カゲ
「これでお分かりいただけたであろう……
 世界でただ一つの『さきゅばすむーびー』が安価で手に入る
 ここはそういう夢のような店なのでござる」

ゼル
「確かにサキュバスムービーならアンデッドだろうが
 腐葉土臭漂う超高齢BBAエルフだろうが、臭いは気にならないな」

DT
「なにより自分好みのシチュエーションに拘った
 お宝ムービーを気軽に作れる点は素晴らしいですね」

スタンク「カンチャルが知ったらハマりそうだな」

   #  #  #

人間 スタンク 8点

ネクロワイフに新オプションが充実したらしいという事で再レビューだ。

サキュバス店なのに挿入れられないのはマイナスだろ、と嘆くのは早計だ。

嬢もそこらへんは把握しているようで見ヌキ特化型のオプションが非常に充実していた。

俺は今回メカクレ文系爆乳娘な文車妖妃のフミカちゃんを指名した。

古い悪書・発禁書から変じて生まれた種族だけあって

エッチに関する耳年増っぷりは想像以上だったぞ。

この種族は本体である書籍によってはとんでもない変態プレイまで網羅してたりするから侮れない。

基本物語とかが大好きな種族だからノリノリでコスプレをしてくれる。

「あのシチュでイってみたいです…♪」とささやく声でおねだりしてくる淫乱ぶりはグッと来た。

付喪神の憑いた下着を着てもらい、その下着がイタズラをしてくるうちにエッチな気持ちになって

……という特殊なシチュのムービーまで出来るのだから夢が広がる。

ただオプションである付喪神のコスチュームは基本的にほつれとか襟が伸びていたりとか

古着感が出ているものも多いから事前に衣装カタログをよく吟味しておこう。

エルフ ゼル 9点

今回は狐耳の可愛いおっぱい式神のアスカちゃんを指名した。

東西問わない様々なコスプレが楽しめる上にそこらのイメージプレイできる店と比べて激安。

式神は元々東洋の魔道士が飼っていた霊が野生化していたもので、獣人の姿をした娘が多い。

本人たちのマナは彼女たちの元主人に由来するものだ。

一応式神にもランクがあるらしいんだが指名する金額的には本当に微差だ。

基本従順な性格なので一人視点でのご主人様プレイがはかどる。

俺は東洋美人のアスカちゃんに巫女服を着てもらって

露出プレイをした後でオナニーさせるというおしおきムービーを作ったぜ。

交通の便は多少マシになったが、それでも遠い事には変わりないな。

しかしカスタム可能な安価サキュバスムービーを調達できる点は

旅費を考慮してもお買い得なのでオススメできる。

レプティリアン レギュラーモブDT 9点

初レビューとなりますのでご容赦ください。

この度はベテランサキュ嬢のレイコさんを指名させてもらいました。

「初めてサキュ店を利用します」と伝えると丁寧にお店について教えてくれましたよ。

その間に豊満な胸を見せつけられての言葉責めは触れずともゾクゾクさせられました。

アンデッドで一番のネックとなる屍臭については霊体なので全く問題ありません。

むしろ部屋にある香の匂いが大変落ち着きますね。

「フフフ……メイドさん上手くやれるかなぁ?」とおっしゃってましたが

こっちの指示以上の演技力を発揮していて脱帽の一言。

相手に指名した可愛い少年役もハマり役でした。

途中一転攻勢となりお姉さんメイドのレイコさんが三度もイカされる姿に

私のマジカル汁は何度も道連れにされました。

肝腎の映りについてですが、幽霊は基本映像関係と相性が良いらしく

肉体がある者と遜色ないくらい鮮明に映っています。

霊体なので多少無理なメルヘン体位も実現可能ですし

竿役視点のハメ撮りアングルも工夫すれば撮る事が出来ました。

私は調子に乗ってクリスタル五個分の

サキュバスムービーを追加注文して撮ってしまいました。

しかし、ネトラレを意識してしまう御仁も少なくありませんので

その場合は嬢のオナニー撮影に留めておくのが無難かと思われます。

ゴースト カゲ 10点

生前から世話になっていたさよ嬢を指名いたした。

「自慰しか出来ぬ」「まぐわれぬ」という事で低評価される事の多い霊魂種だが

「霊体でさえあれば」全く問題なく普通に交われる。

相手と自らの境界が融け合い、まさに一体となって

どこまでも昇り詰める快感は現世では味わえないものだ。

また欠点である店の立地の関係も、霊体なら地形に左右されないため隣の庭のように早く着く。

おまけに霊体の客に配慮した居心地の良い廃屋や墓地ホテルも多い。

元々公爵の保護下で収入も安定している店舗であり

稼ぎにあくせくしていないため、お代も大変割安なのが嬉しい限り。

さよ嬢は男女の交わりを知らないまま

幼くして霊となっただけあって、淫事に対する執着具合は筋金入り。

地縛霊ゆえに土地勘もあって死後に見つけた青姦にお勧めの場所に案内された後

何度もあのあどけない肢体で激しく求められ、非常に濃密な時を共にいたした。

成仏・昇天する前に一度この店に寄って味わってみるのも一興。

ただ地縛霊のおなごは生前の事に執着の強い者も多く

痴情が絡んで自殺した場合「彼氏が二股かけてた…」とか

恨みつらみの思い出話を語り出して萎えさせる子もいるので気を付けた方が良い。

   #  #  #

食酒亭ではネクロワイフの再レビュー話でもちきりだった。

タイアップ企画として「ホネミ~ランド&ネクロワイフ直通便3割引クーポン」

もつけた事により、レビューは飛ぶように売れたという。

モブA「……しかし、霊魂になってまでサキュバス店を利用するって心意気は素晴らしいっちゃね」

モブC
「サキュバスムービー高くて、競売頼りだったっすから
 割引の効いている内に利用してみるのも面白そうっす」

モブB「村娘?オーク数人の輪姦プレイとか撮ってみたいべぇ」

モブA「んっ、そういえばDTの姿が見えないっちゃ」

モブC「大方、戦利品のサキュバスムービーでシコりまくってるっすよ」

モブB「こりゃあ当分の間は童貞確定だべな、ガハハハ!」

モブA・C「ハハハハハ!」

一方その頃、DTは――。

バイナバナナ
「そこっ、演技イキするならもっと子宮に響くように喘いで
 後ろのアナも物欲しげにひくつかせなさい!
 DT君、良い感じだけどまだアングルが甘いわよ。
 もっと犬が骨を味がなくなるまでしゃぶり回すように、ドスケベな被写体を撮って!」

バイナバナナ監督が檄を飛ばす中、DTは真剣な面持ちで

サキュバス嬢とインボー(インキュバスボーイ)の熱い抱擁を見つめてクリスタルを向けていた。

ムービーオプションにハマった彼はそのままネクロワイフに

入り浸り、溢れ出る創作魂のまま作品を撮り続けた。

そこで偶然知り合ったバイナバナナ監督に見出された彼は、助監督兼カメラマンとして雇用される。

彼の携わった作品はサキュバスムービーの歴史に変革をもたらし

後に彼自身もまたサキュバスムービー中興の祖と称される訳だが、この話はまた次の機会にしよう。

修正
>>4の狐耳モブB→モブBに変更

以上です。

修正その2
>>1の注意点に追記

※アニメ終了時系列です
※オリキャラあり
※アンソロジー本「異種族レビュアーズ~ダークネス~」の田倉まひろ先生作品のネタあり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom