【グラブル】イオ「コルル、一緒に寝よっか」 (29)


* コルルのフェイトエピソードなどネタバレを含みます


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とある日、夕食


コルル「♪~」モグモグ

ルリア「ふふっ、美味しいですか?」

コルル「はい!これがかれーらいすという物でごんすか…」

ルリア「コルルちゃん、カレーは初めてですか?」

コルル「はい…この世界には、まだまだ知らない料理があるので申す…」

カタリナ「ローアインの料理は、味も栄養バランスも完璧だからな。いつも助かっているよ」

コルル「うめ、うめ…」


カタリナ「あぁコルル、頬にご飯粒がついているぞ」

コルル「ほぇ?」

カタリナ「ほら、ジッとしていなさい」スッ

カタリナ「よし、綺麗になった」

コルル「わざわざかたじけない、母上」

カタリナ「…ん?」

ルリア「…え?」

コルル「…あっ」

カタリナ「母上…?わ、私がか?」

コルル「も、申し訳ない!わたし、いったい何を言っているのでごんすか!」

カタリナ「い、いや。そんなに気にするな。ちょっとビックリしただけだ」

コルル「(うぅ、恥ずかしい…わたしはいったい何を…)」


べつのひ


ラカム「…」カチャカチャ

ビィ「なぁラカム、さっきから何やってんだよ?」

ラカム「見りゃわかんだろ?銃の手入れだよ」

ビィ「にしても、さっきからずっとやってんじゃねぇか…」

ラカム「ここのところ、帝国やら魔物やらの相手で忙しかったせいで、ロクにメンテナンスもできてなかったからな」

ラカム「ま、たまには腰入れて整備してやんねぇとな」

ビィ「ふーん…」

ビィ「…ん?」


トコトコ

コルル「おはようござい申す、父上」

ラカム「おぅ、コルルか。おはよう」

ビィ「今日はずいぶん早起きだなぁ?」

コルル「目が覚めてしまったので、外の空気が吸いたくなったのでごんす」

ラカム「今、銃の手入れしててな。悪いが、あんまり構ってやれねぇぞ」

コルル「お気遣い感謝致し申す。少し、そのあたりを散歩してくるでごんす」

ラカム「おう、朝飯前には戻れよ」

トコトコ…

ラカム「…なぁ」

ビィ「ん?」

ラカム「さっき、コルルが俺のこと父上って呼んでなかったか?」

ビィ「え?そうだったか?」


またべつのひ


ラカム「…で、どう思うよ?」

カタリナ「どう、とは?」

ラカム「コルルだよ。最近、よく父上って呼ばれんだよな…」

カタリナ「あぁ、私も母上と呼ばれたことが何度かあるな」

イオ「え?二人とも、コルルに何したのよ?」

ラカム「何もしてねぇよ!」

ラカム「ここのところ、どうも様子がおかしいんだよな…」

イオ「ふーん…」

イオ「…それ、お父さんとお母さんが恋しいんじゃないかしら」

ラカム「ん?」


イオ「コルルって、確かまだあたしと同い年でしょ?」

イオ「それで急にお父さんとお母さんがいなくなっちゃって、一人ぼっちになって…」

イオ「今は騎空団にたくさん友達がいるけど、それでも、寂しくなることはあるわよ」

ラカム「…確かに、ホームシックにもなるだろうな」

カタリナ「まだイオと同い年の子が、そう簡単に両親を忘れられるわけもないか…」

イオ「あたしだって、たまに師匠が恋しくなる時もあるし…」

イオ「それが育ててくれたお母さんやお父さんなら、すごく苦しいことだと思うの」


カタリナ「…しかし、私たちはコルルに何かしてやれるのだろうか…」

ラカム「…」

イオ「…よし、私にまかせて!」

ラカム「なんか策でもあるのか?」

イオ「そんなのないけど…でも、友達が悩んでるんだったら、何とかしてあげたいもん」

イオ「コルル、いつも自分がしっかりしなきゃって思ってるし、ちょっとくらいあたしや皆に甘えてほしいもん」

カタリナ「そうだな…」

ラカム「俺たちにできることがあったら、なんでも言ってくれよ」

イオ「任せといて!」


べつのひ


コルル「…はぁ」

コルル「(わたしは、最近何をしてるんでごんすか…)」

コルル「(ラカムさんやカタリナさんを父上、母上などと…)」

コルル「(こんなんじゃ、依頼に力が入らないでごんす…)」

コルル「(しっかりしないと…)」


コンコン

コルル「?」

ガチャ

イオ「コルル、いる?」

コルル「イオ?」


コルル「…あ!もうこんな時間でごんす!依頼が…」

イオ「あ、待って!」

コルル「どうしたで申す?」

イオ「あー、その…今日の依頼なんだけど、いろいろあって中止になって…」

コルル「ほえ?中止…でごんす?」

イオ「そ、そうなの。だから今日、コルルのお仕事はお休み」

コルル「それを伝えにきてくれたのでごんすか…いや、まっこと感謝致し申す」

イオ「(本当はグランが代わってくれたんだけど…今度、埋め合わせしないとね)」

コルル「あのー…そうなると、わたしは今日どうすれば…」

イオ「…」

イオ「…ね、コルル。ちょっと付き合ってくれない?」


====

イオ「ラカムー!」

ラカム「お、来たかイオ」

イオ「頼んでたヤツ、届いてる?」

ラカム「用意できてるぞ。ほら。こっちがコルルの分だ」

コルル「…?ラカムさん?これはなんで申すか?」

ラカム「ミニ騎空挺の作成キットさ」

コルル「ミニ騎空挺?」

ラカム「あぁ、こういうヤツだ」

コルル「…!? これ、グランサイファーでごんす!?」

ラカム「ははっ、サイズは比べ物にならねぇけどな」


コルル「じぃーっ…」

ラカム「おいおい、そんなに気になるか?」

コルル「あ、これはかたじけない」

ラカム「気になるなら、渡したソレを自分で作ってみな。意外と楽しいもんだぜ」

イオ「あたしもちょっと気になってたから、ラカムに頼んでたの!」

コルル「そうで申したか…。では早速…」パカッ

コルル「…おぉ…これは…」

イオ「うわっ…思ってたよりパーツが多いのね…」

ラカム「これが設計図だ。ニッパーと接着剤は用意したから、指を切らないように気を付けろよ」

コルル「感謝致し申す。では…!」


~~

コルル「…ん…これは…」

ラカム「あぁ、そこはこっちとくっ付けるんだ」

コルル「ほぉ…」

ラカム「ここが船首部分になるから、好きに色を塗ってみな。こいつが筆と塗料だ」

イオ「…」

イオ「…ふふっ」

ラカム「…?イオ?どうかしたか?」

イオ「なんでもなーい」

コルル「むむむ…」ペタペタ


~~~

コルル「…完成でごんす!」

イオ「やったぁ!あたしもできた!」

ラカム「おっ、結構早かったじゃねぇか!じゃあ、さっそく飛ばしてみるか」

コルル「ほあ!?これ、本当に飛ぶでごんすか!?」

ラカム「おいおい、サイズは違うが、こいつは立派な騎空挺で動力も付いてるんだ」

ラカム「ガラドアの用意してくれた走行コースがあるから、そこで試してみな」

イオ「ほらコルル、行きましょ!」

コルル「あ、うん!」


~~~


イオ「すごいじゃない、コルル!ちゃんとコースの最後まで飛んだわね!」

コルル「まさか、あんな上手く飛ぶとは思ってはいなかったので申すが…」

コルル「でも、騎空挺を組み立てるのも楽しかったでごんす!」

イオ「ふふっ、それならよかったわ」

トコトk

カタリナ「…ずいぶん楽しそうにしているな。何かいいことでもあったか?」

イオ「あ、カタリナ!さっき、ラカムにミニ騎空挺を貰って、コルルと一緒に組み立ててたの」

カタリナ「ほう…あれは初心者には難しいと聞いていたが…」

コルル「ラカムさんが親切に教えてくれたおかげでごんす」


カタリナ「…ん?」

イオ「どうかした?」

カタリナ「いや…少しいいかな、コルル」サラ…

コルル「えっ!?か、カタリナさん…?」

カタリナ「ああ、急に触ってすまない」

カタリナ「少し、髪が痛んでいるな」

コルル「そうでごんすか?自分ではあまり気にしていなかったので申すが…」

カタリナ「…そうだな、簡単に整えるくらいはしてあげられそうだ。そこに座ってもらえるかな?」

イオ「え?カタリナが?」

カタリナ「失礼な反応だな…帝国にいたころは、よくルリアの髪を整えていたよ」

コルル「えっと…それじゃあ、お願いしても良いでごんすか?」

カタリナ「ああ、もちろんだ」


コルル「では、お願いいたし申す」

カタリナ「あぁ」

サラ…

コルル「ん…」

カタリナ「こうして人の髪を整えるのは、ルリアにしていたくらいだな…」

コルル「その時のルリアさんは、どんな感じだったので申す?」

カタリナ「あぁ…あの時のルリアは、帝国から受けていた扱いのせいで、ずっと下を向いているような子だったな」

カタリナ「こうしていたり、一緒に食事をとっているときだけは、少しだけ表情が和らいでいるような気がしたよ」

コルル「ルリアさんが…」

カタリナ「今では昔の面影がないほど明るい子になったよ」

イオ「ふふっ、カタリナやグランのおかげね」

カタリナ「…あぁ、そうかな」


~~~

カタリナ「…ん?」

コルル「…すぅ……すぅ……」

イオ「あら、寝ちゃった?」

カタリナ「ルリアもよく寝てしまっていたな…」

イオ「ふふっ、それだけリラックスできたんじゃないかしら」

カタリナ「それなら良かった。すまないが私はこれから、ファラに稽古をつける約束をしていてな」

カタリナ「イオ、コルルを頼めるか?」

イオ「うん、任せといて。ありがとね、カタリナ」


イオ「…よし」


~~~

コルル「……ん…………」

コルル「………!! わ、わたし、眠ってしまったでごんす!?」

イオ「あ、コルル、起きた?」

コルル「わたし、カタリナさんに髪を梳かしてもらって…」

イオ「ふふ、途中で寝ちゃってたみたい」

コルル「そうで申したか…カタリナさんに申し訳ないでごんす…」

イオ「それだけ気持ちよかったってことでしょ?カタリナも気にしないでって言ってたわよ」

コルル「はぁ…では、お言葉に甘えさせてもらい申す」


コルル「……ん、この匂いは…?」

イオ「あ、気づいた?もう晩ごはんの時間だから…」

イオ「…はい、これ!」コト

コルル「…これは?」

イオ「見てわからない?」

コルル「シチュー…でごんす?」

イオ「そうよ?」

コルル「これ、イオが作ったので申すか?」

イオ「うん!」

コルル「…」

イオ「…あ、あれ、コルル?」

コルル「あ、いや、少し、ビックリして…」


コルル「では、いただきます」

イオ「はい、めしあがれ!」

コルル「…あーん…」

イオ「…」

イオ「…ど、どう?」

コルル「…!!」

コルル「美味しい…美味しいでごんす!イオ!」

イオ「本当!?よかったぁ!」

コルル「あむ…」

コルル「はぁ、体の芯からあったまるでごんす…」モグモグ


イオ「シチューが好きって聞いてたから、作ってみたんだけど…」

イオ「それならよかったわ」

コルル「まっこと感謝致し申す。以前は父上や母上に作ってもらったのでごんすが…」

コルル「その時と同じくらい美味しくて…」

コルル「…あ、あれ?」ポロポロ

コルル「わたし、なんで泣いて…」グスッ

イオ「あ…」

コルル「も、申し訳ない。あの…」

イオ「コルル」

イオ「…泣きたいときは、我慢しなくていいのよ」

コルル「いや、そういうことでは…」

コルル「なんでか涙が出ちゃったのでごんすが…」

コルル「何だか…あったかい気持ちでごんす…」

イオ「…ふふっ」


~~~

コルル「ご馳走様でした」

イオ「はい、お粗末様でした」

イオ「…」

イオ「ねぇ、コルル。今日は楽しかった?」

コルル「うん、ラカムさんもカタリナさんも、わたしの両親のように優しくしてくれて…」

イオ「…」

イオ「…ごめんね、コルル」

コルル「ほぇ?」

イオ「こんなことをしても、コルルのお父さんやお母さんの代わりにはならないってわかってるけど…」

イオ「でも…あたし、こんなことしか思いつかなかったから…」

イオ「その…」

コルル「…イオ…」

コルル「ううん、今日はすごく楽しかったでごんす」

コルル「また…今日みたいに甘えてもいいでごんすか?」

イオ「…うん!もちろん!」

イオ「遠慮しないで、いつでも甘えていいのよ」


イオ「ん…もうこんな時間ね」

コルル「あ…」

イオ「それじゃあ、おやすみ、コルル」

コルル「…」

イオ「…」

コルル「…」

イオ「…?」

コルル「…その…」

イオ「ねぇ、コルル」

コルル「え?」

イオ「今日、私の部屋で一緒に寝よっか」


~~~

イオ「じゃあ、明かり消すね」

コルル「うん」

パチッ

イオ「よいしょ…」

コルル「ひゃっ」

イオ「あっ、ごめんね」

コルル「…」

イオ「…」

コルル「…」

イオ「…コルル?」

コルル「今日は…本当に感謝致し申す。イオ」

イオ「え?」

コルル「わたしのために、今日は、その…」

イオ「何言ってるのよ。あたしたち、友達でしょ?」

コルル「…うん」


コルル「あのぅ…イオ…」

イオ「なぁに?」

コルル「その…手を握っても、良いで申すか…?」

イオ「…」ぎゅ

コルル「ふあっ」

イオ「遠慮しないでって言ったでしょ?」

コルル「…うん」ぎゅ

イオ「えへへ」

コルル「ふふ…」

イオ「おやすみ、コルル」

コルル「おやすみなさい、イオ」



おしまい

フェイトエピソードのイオとコルルの絡みが可愛すぎたので書きました。口調が難しいですねこの子
みんなもグラブルSS、書こう!

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