仗助「“怪獣使い”と少女」(26)

-杜王町-


康一「今日は天気が悪いなぁ……これから学校なのに気分が悪いや」


ザクッ ザクッ……


康一「……ん?」

少女「………………。」


康一(……そこには、1人のオレンジ色の髪の女の子がいた。すると、そこに2,3人くらいの不良達がやってきた)

不良A「よう、“宇宙人”さんよォ……」

不良B「こんなとこで何してんだァ?もしかして自分の宇宙船が地面に埋まったから掘り返してんじゃねェよなァー」


ガシッ!!


少女「……!!」


康一(その不良の1人は、女の子の手を掴みあげた。すると……)


フワッ!


康一(……不良は、中に浮かび上がってしまった。奴らはその女の子に対して“宇宙人”呼ばわりしていたが、本当に宇宙人だとしても実感が湧かなかった)

不良B「おい、こいつ間違いなく宇宙人じゃねエのか!?早いとこやっちまおうぜッ!!」

不良C「お、おう……こいつが掘っていた穴に埋めちまえ!」


ザッ、ザッ!!

ドボォッ!!


康一(その女の子は自分が掘っていた穴に埋められ、さらに不良はその上から泥をかけた。さすがに可哀想すぎる……止めなきゃ)


康一「何をしているんですか!」

不良C「あ~ン?なんだてめぇはァ!?」

康一「その子が可哀想です!!いくらなんでも酷すぎますよッ!!」

不良B「バーロー、こいつ宇宙人だぞ。頭から食われていいのかよォー」

不良C「お前もやれよッ、こいつをやっちまわないとひでぇ目に遭うぞ」


康一(そういいながら、不良の1人は持っていた自転車に乗りその女の子を轢こうとしたのだが……そこに、仗助くんがやってきたんだ)

仗助「おい、何やってんだテメェらッ!!」

康一「じ、仗助くん!」


康一(仗助くんは走って向かってきた後に立ち止まり、不良達にこう聞いた)


仗助「……どうしてこんな酷い事をすんだァ?何か理由でもあんのかよォ~ッ」

不良A「こいつ、宇宙人なんだ。だからやっつけてやろうと思って……」

仗助「そんなの単なる噂じゃねえかよ、宇宙人なんていねェっての(……ミキタカは本当に宇宙人かどうかは分かんねェからな)」

不良B「違うよ、こいつ超能力持ってんだ。間違いなく宇宙人だよッ!」

不良C「あんたもやっつけるの手伝ってよォ~ッ」


康一(……すると、さすがの仗助くんも血相を変えて激怒した)

仗助「……テメェら、いい加減にしろッ!!そういって他人を傷つけていいと思ってんのかよッ!!」

不良A「いッ!?お、おい!早くずらかろうぜッ!」

不良B「わ、わかってるよォォォ~~~~ッ……チクショウッ!!」


康一(……不良達は一目散に逃げていった)


少女「……ありがとう、“おじさん”」

仗助「おいおい、お礼はありがたいけど俺は“おじさん”って歳じゃあねェんだよ……そういや、なんであんなに穴を掘ってたんだァ?宝探しかよォ」


康一(……すると、女の子の態度が変わった)


少女「……そんな事を聞く為に助けたんなら、ほっといてよ」


康一(そういって女の子はどこかに行った……)

仗助「……変な奴だなァ」

康一「そうだね……あッ!!もうこんな時間だ、早く急がないと!」

仗助「げッ!!康一、早いところ学校に行こうぜッ!」


康一(僕と仗助くんは全速力で走った。僕はあの子がなにか隠し事をしていると直感した)

OP(のつもり)
https://youtu.be/fkoa7p2Qf3U

穂乃果(……穂乃果は、この杜王町にやってきてからいい思い出がない。むしろその前に起きた出来事が原因でした)


『あなたは最低です!!』


穂乃果(穂乃果には子供の頃から親交を持ってた2人の友達がいた。その1人が海外へ留学する事が原因で穂乃果は『ある事』を言った。そしたら、もう1人の子がさっきの言葉と共に私の顔を……思い切り殴ったのです)

穂乃果(……さらに、穂乃果はそれがショックで学校を休む事になりその学校は廃校。妹はむしゃくしゃしたのか万引きで少年院に入れられ、お父さんはこの町に行ったっきり蒸発し、お母さんは重い病気にかかりそのまま亡くなり、実家であるお店は潰れたのでした……)

穂乃果(天涯孤独となった穂乃果はお父さんを追ってこの杜王町へと向かいました。行き倒れとなった穂乃果を“ある人”が助けてくれたのです……)

-夜-


コトコト…… グツグツ……


穂乃果「……もう、大丈夫かな」


穂乃果(すると、向こうからあいつらがやってきたのです……)


不良A「何だァ~?宇宙人も飯食うのかよォ」

穂乃果「……!!」

穂乃果「ま、待ってよ!まだ出来てないのに……」


穂乃果(不良達は穂乃果が炊いていたお米の入っていた鍋を乱暴に開けたのです……)


不良B「なァんだ、お粥か……」

穂乃果「あ、あっちに言ってよ!」


穂乃果(しかし、その言葉も虚しく……鍋はひっくり返されてしまった。中のお米もぶちまけられたのです)


穂乃果「……うぅ、そんな……グスッ」

不良A「うめぇかよォ~ッ、その飯?こんな泥だらけの米を食うなんて流石宇宙人だぜェ~ッ」


穂乃果(穂乃果が泥だらけのお米を拾い集めている最中の事でした。不良の1人が穂乃果の手を……踏みつけたのです)


不良B「宇宙人が泣いてらァ、悔しいかよ!宇宙人女ァ!」

穂乃果「うっ……ううううっ……」


穂乃果(穂乃果が泣き崩れていると、不良のもう1人は自分の犬をけしかけてきたのです……)


不良C「ほれッ、ゴロ!その宇宙人を噛んじまいなッ!」

ゴロ「バウッ!!」


穂乃果(“ゴロ”という犬が穂乃果の脚に噛み付こうとした瞬間でした……)


ドワォ!!


穂乃果(……犬は急に爆発し、それを見た不良達は一目散に逃げたのです)


不良C「おッ、俺のゴロがァーッ!!」

不良A「馬鹿ッ!やっぱりこいつはヤバい宇宙人だ!!早いとこ逃げるぞッ!!」


穂乃果(……違う。穂乃果じゃない……本当は穂乃果がやったんじゃない……でも、穂乃果の宇宙人疑惑は広まるばかりでした)

-次の日-


億泰「へぇ、その女の子が宇宙人と言われてんのかァ……ミキタカがそうならそいつもそうなんじゃねェのかァ?」

康一「いくらなんでもそれはあんまりすぎるよ……ねえ、仗助くんもなんか言ってやってよ」

仗助「そうは言ってもなァ……ん?あそこにいるの、露伴と承太郎さんじゃあねェか」


康一(仗助くんが指さした方向には、露伴先生と承太郎さんが『煉瓦亭』の席でお茶をしながら駄弁っている光景があった)

露伴「ふーん……宇宙人ねぇ。あいにくだが、僕はSFやファンタジーを描く趣味はない」

承太郎「そういう意味ではない。不良少年のうち1人が宙に浮き、もう1人は買っていた犬を爆殺された……俺はあいにく宇宙人だとか妖怪の類は信じないタイプなんだ。恐らく少女は新手のスタンド使いだろう……」

仗助「承太郎さんッ!一体なんの話をしてるんスか?」

承太郎「……仗助。いい所に来た……少し話が長くなるが、いいか?」


康一(数分後……)


仗助「……その女の子がスタンド使い~ッ?俺と康一はあの時に不良が宙に浮かんだときにはスタンドなんか見えなかったっスよ」

露伴「なるほど……珍しいな」

億泰「おい、流石に馬鹿らしくなってきちまったぜェ~ッ?俺は先に帰るからな」

康一「……僕もこれから用があるから帰るよ。仗助くん、ごめんね」

仗助「お、おう……(ヤな予感がしてきたな)」

穂乃果(……穂乃果が雨の日に商店街にパンを買いにいった時の事でした)

穂乃果「すみません……こちらを、1つ頼めますか?」


穂乃果(すると、そのお店の人は穂乃果に対し怒鳴りながらこういいました)


パン屋の女性「……いやよ、あなた宇宙人なんでしょッ!どっか行きなさいッ!!」

穂乃果「えっ……?」


穂乃果(……結局、何も買えずにトボトボと帰っている最中のことだった、その時です)

子供「お姉ちゃん、お腹すいてるの?」

穂乃果「……えっ?」


穂乃果(なんと、穂乃果の後を追いかけた子供が売れ残ったパンを渡してくれたのです)


穂乃果「……同情なんて、いらないよ」

子供「同情なんかしてないもん!、うちパン屋だもん」


穂乃果(……なぜでしょうか、穂乃果はこの街に来てから初めて人に笑顔を見せることが出来たのです)


穂乃果「……ありがとう」

子供「こっちこそ、ありがと!」


穂乃果(嬉しさのあまり穂乃果は、走りながら帰っていきました)

-翌日-


康一「……あっ、あれは……」

億泰「この前康一の言ってた女の子じゃねえかよォ、まだ穴なんか掘ってやがるぜェ~ッ」

仗助「さすがに止めてやらねえとな……お前達はここで待ってろ」


康一(そう言うと、仗助くんは女の子のもとに向かった)


仗助「おい、あんた……なんで穴堀りを続けてんだよ?」

穂乃果「……実は……ここに一緒に住んでいたお金も、家もないおばあさんが亡くなったの」

仗助「……えッ?」

穂乃果「穂乃果はもともとこの街に住んでいた人じゃなくて、音ノ木坂という街からやってきたの」

仗助「音ノ木坂っていえばあの、μ'sで有名だった学校があった街じゃあねえかよォ……そこからやってきたのか?」

穂乃果「むしろ、そのμ'sの一員だったの……でも、穂乃果はある事が原因で他のみんなと離れ離れになって……家族もバラバラになったせいで穂乃果はずっと1人だった」

仗助「そうか……」

穂乃果「そしてお父さんがこの杜王町に行ったっきり蒸発したから、それを追いかけてこの街にやってきたの……でも、穂乃果は何も食べずにこの街に来たからお腹が空きすぎて街中で倒れ……そして行き倒れになってた穂乃果を拾ってくれたのがこの土手に住むおじいさんとおばあさんなの」

仗助「……。」

穂乃果「おじいさんとおばあさんは穂乃果を本当の子供の様に可愛がってくれた。でも……おばあさんが死んじゃって、その遺体を埋葬する為にお墓を作る事にしたの。でも、おじいさんが足が不自由になって動けなくなったから代わりに穂乃果がおばあさんを埋葬しようと思って……それで……ううっ……」

仗助「……もういい、話すな」

穂乃果「……えっ?」

仗助「あんたの婆さんが死んだのが辛いのは痛い程わかった……でも、あんたは親父さんを探す為にここにやってきたんだろ」

穂乃果「……お父さんなんていらない、穂乃果達を見捨てた人なんて……お父さんじゃないもん」

仗助「……そうか。あんたが言いたいことはよく分かったぜ……それじゃ、じいさんを大切にしろよ」

穂乃果「……うん」


康一(……仗助くんが“穂乃果”という女の子との話を終えた、その時だ)


町民A「……呆れたもんだぜッ、こんな宇宙人なんかと仲良くする奴がいるなんてなァ~」

町民B「こうなったら、俺達が手を下すしかないぜェ……」


康一(それぞれ武器を持ってきた町中の人達が穂乃果さんを殺そうと襲ってきたのだ!!)

町民A「お前ら、準備はできたな!やっちまえッ!!」

町民『オォーッ!!』


康一(穂乃果さんは人々に引きずられ、連れていかれた)


穂乃果「や、やめて……殺さないで!!穂乃果は宇宙人なんかじゃ……!!」

仗助「おい、やめろッ!!その子から手を離せッ!!」

康一「やめてくださいッ!!穂乃果さんは……穂乃果さんは悪くないんです!!」

億泰「畜生、待ちやがれッ!このダボ共がァーッ!!」


康一(穂乃果さんの声も、僕らの叫びも届かずに人々は穂乃果さんを引きずっていく……その時だった)

老人「……待ってくれ、その子は宇宙人ではない!宇宙人は私だ……その子を離してやってくれッ!!」


康一(穂乃果さんのいう“おじいさん”が突然と出てきて、穂乃果さんを庇ったのだ……)


町民『…………?』


康一(……人々は穂乃果さんを解放し、穂乃果さんはおじいさんのもとへ向かった)


穂乃果「おじいさん……なんで出てきたの?」

老人「もうよい……もうこれでよいのだ」


康一(……しかし、人々は宇宙人を名乗ったおじいさんを攻撃し始めた)


穂乃果「待ってください!!おじいさんを……おじいさんをいじめないでください!!おじいさんに酷いことしたら、大変な事が……」

老人「……私に構わず逃げろ!今すぐ逃げるんだッ!!」

穂乃果「そんな、おじいさんを置いて逃げるなんて……」


康一(……混乱の中、どこからかひとつの音が響いた)

バンッ!!


康一(……警官が撃った銃弾がおじいさんの心臓に命中し、おじいさんはそのまま息絶えたのだ)


穂乃果「……うぅ……おじいさん…………そんな……」


康一(おじいさんの遺体にすがり泣き崩れる穂乃果さんだった……しかし、その涙は赤く輝いていた)


億泰「ありゃあ……血涙じゃあねェかよッ!?」

仗助「しかも、滝のように流れてやがる……一体なにが起こるってんだよッ!?」


康一(……次の瞬間、穂乃果さんの言葉が本当の事になったのだ)

穂乃果?「……ぅうぐるぅぅぅぅぅ…………ッ!!……うばぁぁしゃあああああああーーーーーーッ!!!!」


康一(穂乃果さん……いや、あの“スタンド”は猛獣のような声を上げたのだ)


仗助「なんだ……!?」

億泰「あの声……人間じゃあねぇ……まるで怪物だぜッ!?」


康一(そう……その“スタンド”は「大事な人を殺された」という激しい怒りにより“怪物”となったのだ!!)

康一(……その怪物はおじいさんを傷つけ、殺した人々を次々と殺した。爪で、牙で、脚で、尾で……僕らはただ、見ているしかできなかった)

康一(……宇宙人騒動から数日が経った。全ての自分とおじいさんを殺し、役目を終えたかの様に人間の姿に戻った“怪物”……いや、穂乃果さんは…………全ての記憶を忘れた)

康一(おじいさんとおばあさんの事も、僕らの事も、自分の事も、人間である事も……)

康一(……承太郎さんはこう宣言した。「俺は全責任を持って生涯をこの“人間だった物”を育てる事にする」)

康一(仗助くんはなぜそんな事をするのか承太郎さんに聞いた。承太郎さんは答えた……)

康一(「それが自分達の罪に対する“罰”」だと……)


BAD END

これにて完結です。
このSSは「帰ってきたウルトラマン」の第33話のストーリーをジョジョの奇妙な冒険とラブライブ!(無印)で改変し、この板に投稿したのです……穂乃果ちゃんが好きな皆様、大変申し訳ありませんでした……。

それでは、さようなら

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