リトバスss短編集 (81)

理樹、YouTuberになる
クド、筋肉(マッスル)に恋をする
葉留佳、姉の引き出しから百合物の同人誌を見つける
の三本です(∵)

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食堂

真人「おっ、もう全員いるな」

理樹「本当だ」

理樹(夏休みが終わり、すっかり学校にも活気が戻った。しかし、暑さという奴は全く引き際を知らないようで、まだまだ寝付けない夜は続きそうだ)

来ヶ谷「やあ久しぶりだね二人とも」

理樹「うん!久しぶり、来ヶ谷さん!」

真人「おう!」

理樹(いつもの席にはみんなが既に食事を取っていた)

小毬「あ~理樹君と真人君が来たよクーちゃん」

クド「あっ、本当です!お二人もキブユー!なのですっ」

理樹(クドは会うや否や僕らにピンポン球くらいの大きさの紙の包みを渡した。触ってみた感じかなり柔らかい)

真人「なんだこれ?」

クド「夏休み中、テヴアに行って来てましてそのお土産の大福です!お爺さんがとても気に入っているらしくて日本からわざわざ取り寄せていたらしいですよっ」

理樹(えっへんと胸を張るクド。それはお土産と定義していいのだろうか?)

真人「ありがとよ!それにしてもみんな変わってねえな~」

理樹(親戚の叔父さんのような事を言う真人)

葉留佳「こんな2ヶ月程度で変わってたら逆にビックリでしょーが!」

真人「おっ、でも西園はちょっと焼けてね?」

美魚「はい。私も少し家族で沖縄へ旅行に行っていました」

理樹「みんないいなぁ。旅行に行って」

謙吾「ふっ、だが理樹だって恭介達の実家に行っていたんだろう?」

理樹「はは、まあね」

理樹(そう、僕は夏休みの間はずっと棗家にお世話になっていたのだ。というのも……)

小毬「そういえば恭介さんは元気だった?」

理樹「うん、ちょっと元気過ぎるほどだったよ」

鈴「あいつ仕事から帰ってきたらすぐ理樹と遊ぼうとするんだ」

葉留佳「やはは……なんか光景が容易に想像出来ますナ…」

理樹(卒業後、仕事に就いた恭介は学生寮に住む僕らになかなか会えず、せめて夏休み中はと思ったのか実家に招くなり仕事の時間以外のほとんどの時間を一緒に過ごして来たのである)

謙吾「しかし恭介はこんな調子で大丈夫か?社会人一年目とは言えまだ理樹や鈴と離れられない状態ではこの先心配だな」

理樹「まあ夏休みの間だし……」

鈴「でも恭介はまだ理樹や真人達と遊びたがってたぞ。今度は週末にこっちに来たいとか言ってた」

葉留佳「ウワー重症ですネ」

美魚「電話や手紙では飽き足らずお前に直接会いたい……といった感じですね……フフフ」

理樹「なんなのその言い方……」

クド「うーんでもリトルバスターズの中で恭介さん一人だけ卒業した訳ですから少し気持ちは分かりますね~…」

理樹「でもここに来るとかそういうのは現実的じゃあないしなぁ」

理樹(どうにか僕も恭介と遊びたいが何しろこちらも学生の身でしかも寮生だ。なかなか上手くコトは運ばない)

来ヶ谷「……そうだ、ではYouTuberをやってみてはどうだろう?」

理樹「YouTuber?」

来ヶ谷「youtubeに動画を投稿し、そこから来る広告収入を生業として活動する人々の事をそう言う。分かりやすく言えば、ミニマムなテレビ番組を自分たちで作っているようなものだな」

理樹(と、来ヶ谷さん)

謙吾「俺も見たことがある。基本、素人が作っているようだがなかなか見れるものが多いぞ」

来ヶ谷「近頃は動画編集ソフトも潤っている分、腕に覚えがある人間がいればクオリティはそれなりの物は作れるさ。良くも悪くも内容が勝負の世界という所かな」

クド「わふー!今度私も見てみるのです!」

真人「ほー。まあそのyoutuberってのがどんなのかは分かったけどよぉ、なんでそれをやろうってんだ?」


理樹(僕も聞きたかったことを先に真人が口に出した)

来ヶ谷「ふふ、分からないか?ズバリ私たちが恭介氏が学園に居た頃のように面白いことをしているのをyoutube越しに恭介氏に楽しんでもらおうというのだよ」

理樹(今日の来ヶ谷さんは心なしかいつもより芝居がかった口調だ)

葉留佳「なにーっ!ついにリトルバスターズがゼンコクデビューですカ!?」

来ヶ谷「はっはっは。甘いな葉留佳君、youtubeはネットだから全世界だよ」

真人「なるほどそういうことか!よっしゃあ!燃えてきたぜ!!」

謙吾「ふふ・・・こんなこともあろうかと温めて来た一発ギャグ108連発がようやく火を噴くか」

美魚「撮影は任せてください」

理樹(意外にもみんなの雰囲気は肯定モードでむしろやる気が満ち溢れているようにも感じられた)

理樹「いやいやいや!みんな待ってよ!そんな簡単にやるとは言うけどそういうのって大変な準備が色々と必要なんじゃ・・・」

理樹(と、異論を唱えようとするとなにかが後ろから僕の制服を引っ張った)

鈴「理樹、あたしはやってもいいと思うぞ」

理樹「り、鈴・・・?」

鈴「確かに動画を作るのは大変かもしれないけどきっと皆でやれば楽しい。それに恭介がそれで気を紛らわしてくれれば・・・」

理樹「くれれば?」

鈴「・・・もう実家に帰っても飛びついてこなくなるかもしれない・・・」

理樹「ああ・・・」

来ヶ谷「youtubeに動画を投稿し、そこから来る広告収入を生業として活動する人々の事をそう言う。分かりやすく言えば、ミニマムなテレビ番組を自分たちで作っているようなものだな」

理樹(と、来ヶ谷さん)

謙吾「俺も見たことがある。基本、素人が作っているようだがなかなか見れるものが多いぞ」

来ヶ谷「近頃は動画編集ソフトも潤っている分、腕に覚えがある人間がいればクオリティはそれなりの物は作れるさ。良くも悪くも内容が勝負の世界という所かな」

クド「わふー!今度私も見てみるのです!」

真人「ほー。まあそのyoutuberってのがどんなのかは分かったけどよぉ、なんでそれをやろうってんだ?」


理樹(僕も聞きたかったことを先に真人が口に出した)

来ヶ谷「ふふ、分からないか?ズバリ私たちが恭介氏が学園に居た頃のように面白いことをしているのをyoutube越しに恭介氏に楽しんでもらおうというのだよ」

理樹(今日の来ヶ谷さんは心なしかいつもより芝居がかった口調だ)

葉留佳「なにーっ!ついにリトルバスターズがゼンコクデビューですカ!?」

来ヶ谷「はっはっは。甘いな葉留佳君、youtubeはネットだから全世界だよ」

真人「なるほどそういうことか!よっしゃあ!燃えてきたぜ!!」

謙吾「ふふ・・・こんなこともあろうかと温めて来た一発ギャグ108連発がようやく火を噴くか」

美魚「撮影は任せてください」

理樹(意外にもみんなの雰囲気は肯定モードでむしろやる気が満ち溢れているようにも感じられた)

理樹「いやいやいや!みんな待ってよ!そんな簡単にやるとは言うけどそういうのって大変な準備が色々と必要なんじゃ・・・」

理樹(と、異論を唱えようとするとなにかが後ろから僕の制服を引っ張った)

鈴「理樹、あたしはやってもいいと思うぞ」

理樹「り、鈴・・・?」

鈴「確かに動画を作るのは大変かもしれないけどきっと皆でやれば楽しい。それに恭介がそれで気を紛らわしてくれれば・・・」

理樹「くれれば?」

鈴「・・・もう実家に帰っても飛びついてこなくなるかもしれない・・・」

理樹「ああ・・・」

来ヶ谷「という訳で我らがリーダーのお許しも出たことだし早速次の休日から初めて行こう!

みんな「「「おおー!」」」



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・・・・・・・・・・


・・・・


数日後

来ヶ谷「よーいアクション!」

カンッ

謙吾「はい!という訳でさっそく第一回リトルバスターズチャンネルをやっていきたいと思います!今回のリポーターは私、宮沢謙吾と・・・」

真人「井ノ原真人、略してイノマサがお送りするぜ!」

謙吾「って語呂が悪いわ!なんのための略称だ!」

真人・謙吾「「ハッハッハッ」」

来ヶ谷「はいカット。どうだ?」

美魚「画は問題ありません」

来ヶ谷「音は?」

小毬「うん、オッケーだよーっ」

カカンッ

来ヶ谷「よし、次の場面にいこう!」

理樹(撮影は全員素人の状態だったはずが思ったよりとてもスムーズに動いていた。僕は撮影というとただカメラを回すだけかと思っていたが、
どうやら音を別で撮る”音響”や、撮る対象を光で照らす”照明”といった部署があるようで、来ヶ谷さんはそれらを僕らに恐ろしい程の速度で伝授していった。そんな撮影風景をぼんやりと後ろで見ていると、さっきまで現場にいたはずの鈴が近くに来て話しかけてきた)

鈴「理樹、どうした?」

理樹「ああ、いや・・・来ヶ谷さんは凄いなぁってね。みんなを引っ張って上手くやってるし、僕よりよっぽどリーダーに適任じゃないかって思ってさ」

鈴「そんなことはないっ」

理樹(鈴はそういうとスズをちりんと鳴らして言った)

鈴「確かに今回は来ヶ谷が言い出しっぺだったが、恭介がいた頃もこんなことはあった。あんまり上手くは言えないが、リーダーというのは必ずしも真ん中にいなくてもいいんだ。たまには皆がやってる後ろで見守ってないと何か起こっても気付きにくい・・・と、あたしは思う」

理樹(そういう鈴の目には僕が自分を卑下したことに対するちょっぴりの怒りと、過去の恭介の背中を見てきたことによる確信の想いが見て取れたような気がした)

理樹「ふふ、そういうものかな」

理樹(その時、前から来ヶ谷さんの声が聞こえた)

来ヶ谷「おおい、来てくれ理樹君。2人がまた喧嘩しそうなんだ。君じゃないと止められそうにない」

鈴「ほら、行ってこい」

理樹「うん」

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・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・


一週間後



恭介部屋

恭介「ふう・・・今日も疲れたな・・・」

恭介(なかなかやりがいのある仕事ではあるが、最近はずっと働き詰めで疲れが溜まりやすくなっていた。こういう時はネットサーフィンで面白動画を見るのが日課となりつつある)

恭介「どれどれ、今日のおすすめはっと・・・・ん?・・・・・んんんんんん!?」

恭介(youtubeの動画一覧をざっと見ていると一つどこかで見たことがある顔がサムネイルになっている動画を見つけた。つかどうあがいても真人だこれ)

恭介「何故真人がyoutubeに!?」

恭介(さっそく動画をクリックして撮影してみると、まぎれもない真人と謙吾が学校の食堂メニューで食レポをしていた。一瞬俺の頭が働き過ぎでおかしくなったのかと思ったが、確かにそこにはリトルバスターズチャンネルとかいうそれらしいチャンネル名と共に動画が投稿されていた)

恭介「ふふ・・・なるほど、今度はyoutuberを始めようってか。なかなか面白そうじゃねえか!どれ、少し見守ってみるか」

恭介(それにしても一つ気になるのは、おそらくあっちも意識せざるを得ないだろうが・・・)





同時刻

理樹部屋

来ヶ谷「動画再生数・・・やっぱり伸びないな」

理樹(動画を投稿してから数日後、動画の見直しも兼ねて僕と真人と来ヶ谷さんと鈴と謙吾の5人が部屋に集まった)

真人「やっぱりってどういうことだよっ」

来ヶ谷「いやなに、初めから上手くいくとは思っていなかったさ。ただ、テストを兼ねていたとはいえたったの58回では皆も少しは落胆するだろう」

謙吾「俺達自身が見た回数を減らすと21回か・・・」

理樹「いつの間にそんなに見てたの!?」

真人「内容そんなに悪いとは思ってなかったんだがなぁ」

鈴「お前らがただ飯を食うだけの動画のどこが面白いんじゃ」

真人「あんだと!?」

理樹「まあまあ落ち着いて。・・・そういえば恭介にはまだ動画のこと伝えなくていいの?」

来ヶ谷「ああ。いずれは話すのもいいが、どんどん動画が話題になって次第に恭介氏の目に入って驚かせるというのもまた一興だろう」

謙吾「ふっ、確かに。驚く姿が目に浮かぶな」

来ヶ谷「そうだな・・・どういうのが良いと思う?」

鈴「うーん・・・」

真人「すまねえ、話の最中で悪いけどちょっとトイレいってくるわ」

理樹「行ってらっしゃい」

パタン

理樹(と、真人が部屋を出ると、来ヶ谷さんは怪しげな目をして言った)

来ヶ谷「・・・とは言ったが実はもう次の企画は決めてあるんだ」

理樹「・・・というと?」

来ヶ谷「ドッキリ企画だよ。主人公は真人君だよ」



裏庭

真人「よう、珍しいな。鈴が呼び出すなんてよ」

鈴「まあな。たまには一緒に飯でもどうかと思ってな」

真人「ふっ、3年に上がってから色々変わったなあ鈴さんよ。そういえば結局撮影の方はどうすることになってんだ?そろそろじゃねえの?」

鈴「・・・うーん、そうだな」

真人「・・・ところでなんだその手に持ってるちっちゃい奴?」

鈴「ん?これか?これはまあ、なんだ、今度使うマイクだっ」

真人「そうかい。あ、ていうか飯食うならなんか買って来なきゃな!購買行こうぜ!」

鈴「・・・」

ダダダッ

謙吾「真人!」

真人「おう謙吾!・・・どうした、そんな声荒げて」

謙吾「り・・・理樹がリトルバスターズの女性陣全員と全股しててそれがバレたから結局能美とそのままテヴアへ駆け落ちした!」

真人「な・・・なん・・・だと・・・?」

茂み

理樹(真人はこの真人しか引っかからないであろうドッキリに見事引っかかっていた)

来ヶ谷「うむ。やはり真人君は素晴らしいな」

美魚「あとはこのまま校門で落とし穴に引っかかる真人さんへネタバレするという流れですね」

理樹「やっていてなんだけど凄まじく雑だよね」



………………………………………………………………

謙吾「テヴアに向かうぞ真人!既に飛行機のチケットは取っている!俺たちで理樹の目を覚まさせよう!」

真人「……………………」

謙吾「……真人?」

理樹(外へ向かおうとする謙吾。真人もそのまま後を追うものかと思ったけど、何やら様子がおかしい)

真人「待て謙吾、それは俺たちが言ってもいいものなのか?」

謙吾「なに?」

……………………………………………………………

来ヶ谷「むむ」

美魚「どうしたんでしょう?」

理樹(予想外の真人の動きに来ヶ谷さん達の動揺が見て取れた)

……………………………………………………………

真人「確かに理樹の行動は褒められたもんじゃねえが……でも、理樹は本当にそういう事をするか?」

謙吾「だ、だが実際にそうだと女子から聞いたんだぞ!?」

真人「謙吾はあの理樹がそうやって人を傷付けるような奴だと本気で思っているのか?」

謙吾「……いや、そうは思わない」

真人「こんなことになってるのに理樹は俺やお前に相談すらせず外国まで行っちまったんだ。きっと何か事情があるに違いねえ……!」

……………………………………………………………

理樹「ま、真人……」

理樹(真人は、リトルバスターズの中でもよく人にいじられたり遊ばれたりはするが決して本気で見下す人間はいない。むしろ友人である事を誇りに思う人の方が多いだろう。僕もその一人だ)

来ヶ谷「まずいなこれは…これでは凄く真人君がカッコいい」

真人「鈴、お前も理樹とそういう関係だったのか?」

鈴「うん。赤ちゃんもいる」

理樹(とんだ畜生だな僕)

真人「正直に言って俺はこの件に関して何も関係がない。だからもし理樹が本当にそういう事になっていたとしてもぶん殴ってやる事は出来ない。だから鈴、もし鈴に行く気があるなら理樹のいる場所の扉の前までは俺も一緒について行くぜ」

理樹(真人はずっと真面目な顔だった。とてもドッキリをしていることが申し訳ない。まさかこんなアホな話に本気になってくれるとは……)

……………………………………………………………

美魚「どうしますか?」

理樹(来ヶ谷さんは苦笑いしながらふっと笑った)

来ヶ谷「もういい、我々の負けだ。葉留佳君にプラカードを持ってこっちに来てもらおう」

美魚「はいっ」

数日後

理樹部屋

カチカチッ

来ヶ谷「ううむ……おっ、今度は再生数が伸びているな。ちょっとしたネットニュースで紹介されたのと同じくらいだ」

真人「ふっ、やっぱり俺の理樹に対する熱い思いが伝わっちまったかな……?」

理樹(あのドッキリをしてからというものの皆真人に対して何か申し訳なくなり、その結果、真人本人はちょっと調子に乗っていた)

理樹「はいはい……あ、なんかコメントがちらほら付いてるね」

謙吾「なになに……『ドッキリの女の子が美人』『仕掛け人の子あんまり喋ってなかったけどかわいい~』」

理樹(ネットは素直な意見が多く、また大抵は内容に関わらず視聴者にとって目に留まった部分が注目されがちだ)

真人「全然ドッキリ関係ねえじゃねえか!」

謙吾「だと、鈴」

鈴「な、な、な……」

理樹(鈴は少し顔を赤くさせていた。元から鈴は学校で男子からそれなりの人気を博していたが、こうやって直接的に褒められたことは少ないのだろう。あるいはされても気づかなかったか)

来ヶ谷「ふふふ……」

理樹(そこへ怪しげな笑顔を浮かべる来ヶ谷さん)

来ヶ谷「私はどうも回りくどい考え方をしていたようだ。……そうだよ。最初から鈴君達を売り出せばよかったじゃないか、何故こんな美女揃いのグループなのに女の子を前面に押し出さなかったんだ私は!」

理樹「僕はあえて黙ってたけどそういう感じでやっちゃうと何か本末転倒地味て来ない!?」

来ヶ谷「可愛いは正義だよ理樹君。可愛いは正義だ」

理樹「ええ……」

理樹(この有無を言わさず話が通る感じ、無茶苦茶ではあるが恭介のいた頃のリトルバスターズにとてつもなく似た流れだ……)

同時期

恭介部屋

恭介(仕事帰り、ふとまたあいつらが動画を更新しているかもしれないと思い立ち、早速チェックしてみると案の定新しい動画が上がっていた)

「~~~!」

恭介「ふっ、真人にドッキリはなぁ・・・特にこういう種類のは昔から斜め上の反応をしてくるから成功した試しがなかったんだよなあ・・・」

恭介(思わず学生の頃に真人をびっくりさせようとさせてきた過去を思い出して苦笑いを浮かべた。そして何気なしに動画に寄せられたコメントを見ていくと一つの特徴を持ったコメント群が目を引いた)

恭介「『仕掛け人の女の子が可愛いすぎる』『女の子をもっと映せ』・・・・か」

恭介(確かに鈴は可愛い。それは避けようのない事実だ。しかしそうか、とうとうあの可愛さが世界デビューしちまったか・・・)

恭介「・・・」

恭介「なんだか嫌な予感がするな」




・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・




数日後

来ヶ谷「チキチキ!棗鈴VS直枝理樹の野球対決~~~!」

パフパフ~!

小毬・クド・葉留佳「「いえ~~~!!」」

鈴「理樹、なんだこれは」

理樹「あはは・・・これもなんか企画らしいよ。youtubeの・・・」

理樹(来ヶ谷さんが言うには今度は前回のコメントからヒントを得て鈴のマスコット性を前面に押し出した企画にしたいとの事だった)

来ヶ谷「えー今回は草野球チームらしく黄金の右腕、棗鈴と学園の虎、直枝理樹の3打席勝負をしたいと思います。ルールは簡単、彼ら2人で1回分の勝負をしてもらい、3アウトになるまでに1点でも理樹君が入れることが出来れば理樹君の勝ち、逆にこの回を抑えられたら鈴君の勝利となります」

鈴「・・・つまりどういうことだ?」

謙吾「理樹を打ち取ればいいってことだ。ちなみに守備と代走は俺達がやる」

来ヶ谷「プレイボール!」

理樹「なんだかよく分からないけど勝負なら手は抜かないよ鈴!」

鈴「おー!あたしも容赦はしない!」

理樹(とはいったが、動画的には鈴の良いところを映したいはず・・・真剣勝負に水を差すのは主義じゃないがここは適当な所で力を抜いて・・・)

来ヶ谷「あっそうだ」

理樹(と、僕のすぐ後ろでグラブを構える来ヶ谷さんがうっかりしていたといった口調で言った)

来ヶ谷「負けた方はえげつない罰ゲームを用意しているから頑張りたまえ」

理樹・鈴「「!?」」

理樹(気合を入れることにした)

PIIIIIIII!!

あーちゃん先輩「さあ始まりました理樹くんバーサス鈴ちゃんの戦い!実況は私、あーちゃんと!」

佳奈多「・・・解説の二木です。なんで私がこんなことを・・・」

あーちゃん「まま、固いこと言わないで!それよりかなたん、相手ピッチャーから見て直枝選手はどうですか?」

佳奈多「・・・そうですね、やはり棗選手が退団した今、同時に監督も務めるリトルバスターズの4番打者ですから威圧感はあるでしょう」

あーちゃん「そうですかー。さあ、ピッチャー振りかぶって投げた!」

鈴「うりゃ!」

バシュッ

あーちゃん「おっと、一球目は外してきた!」

佳奈多「抉るようなインコースですね」

あーちゃん「打者に対して恐れはないぞ、といった力強い投球です」

理樹「おっとと・・・」

審判「ボール!」

理樹(鈴の投球は試合の時となんら変わらない球圧だった。それにしてもこのコントロールをたった数回練習しただけで仕上げてくるとは・・・)

来ヶ谷「いい球だ鈴君!」





・・・・・・・・・・・・・・



あーちゃん「さあ試合は佳境を迎えました。ツーツー、2アウト一塁二塁」

「~~~」

あーちゃん「えーたった今、お菓子休憩をしていた神北アナから速報があるようです。神北アナどうぞ」

小毬「はいっ、えー先ほど捕手のくーちゃん選手から話を聞いたところ、2人のうちどちらか負けた方には罰ゲームがあるそうで、鈴ちゃんは猫耳メイドを、理樹君には巫女の女装をしてもらうそうです」

あーちゃん「はい、小毬アナウンサーありがとうございましたー!・・・とのことですがかなたん?」

佳奈多「・・・そ、それは・・・見逃せない勝負ですね・・っ!」

あーちゃん「さあと言っている間に鈴選手投げっ・・・ああーっと!打った!直枝選手打ちました!」

佳奈多「あーー!!だめだめ!行くな!行くな!超えるな!!」

ピュー・・・

あーちゃん「っとなにやら欲望じみた声も聞こえましたがボールはギリギリポールの外側へ外れてファールです!」

佳奈多「ほっ・・・」

理樹「はぁ・・・はぁ・・・」

鈴「ふーっ・・・ふーっ・・・!」

来ヶ谷「・・・」

スッ

来ヶ谷(ここは流れを一旦切るためにも一球外そう外角低めののフォークだ)

鈴「んーん」

来ヶ谷「・・・オーケー」

来ヶ谷(ストレートだな。君も熱い女性だ)

鈴「・・・!」

コクッ

あーちゃん「さあ首を一度振ったっ」

佳奈多「恐らくここで勝負を決めるつもりでしょう。この回だけで47球投げてますからね」

あーちゃん「なるほど、次の球が最大ポテンシャルで投げられる限界という訳ね!」

鈴「・・・!」

スッ

理樹「・・・っ!」

ギュゥ

あーちゃん「鈴ちゃん振りかぶって・・・投げた!」

バシュッ!!




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・

理樹部屋

理樹「・・・それで反応の方はどう?」

カタカタ・・・

来ヶ谷「うむ、上々だ!再生数も中堅と言っても差し支えの無いところまで来ている。これもひとえに二人の真剣な様子と可愛さから来るものだろう」

理樹(今、可愛さまで一緒くたにされた気がしたけど言及するのはやめておこう)

真人「『二人ともいい目をしているのがイイネ』『実況と解説も面白い!罰ゲームはよ』だってよ!」

謙吾「そうだ、罰ゲームもまた別で撮るのか?」

来ヶ谷「そうだな。既に企画についてはだいたい考えてある。・・・・期待しているぞ理樹君?」

理樹「・・・うう」

理樹(その次の日、来ヶ谷さんは具体的な企画書を持って皆の前に現れた。それは『巫女姿のままあらゆる場所を闊歩していつまでバレないか』という地獄のようなものだった)

つづく(∵)

数日後

グラウンド

来ヶ谷「はい、という訳でやってまいりました罰ゲームのコーナー」

謙吾「いえええええええぇぇぇーーーっっっ!!!!」

葉留佳「ひゃほおおおお!!」

小毬「ぱふぱふ~」

クド「わふわふ!」

鈴「なんか全体的にテンション高いな」

真人「謙吾は巫女姿って聞いてからあんな調子だぜ・・・」

来ヶ谷「それにしても我々は鈴君に感謝しなくてはならないな。近年は警戒されてこういう機会がなければ中々お目にかかれない」

鈴「乙女は強くなくっちゃな」

美魚「それにしてもこれは撮れ高が期待できますね」

佳奈多「ところで肝心の直枝はどこよ?」

真人「なんで当たり前のようにお前もいるんだよっ!?」

来ヶ谷「ふっ、案ずるなかれ者どもよ。今回罰ゲームを受けることとなった直枝理樹君・・・いや、理樹子は今そこの更衣室でスタンバっている。それではどうぞ!」

ガララッッ

理樹子「うう~・・・もう一生の恥だよ・・・」

シーン

謙吾「・・・おお」

佳奈多「うあ・・・・」

全員「「「・・・・・・」」」

ゴクリ

理樹「いやいやいやいやいや!!みんな何か反応してよ!」

理樹(扉から登場する前まではてっきり色んな冷やかしが飛び交ってくるものかと思ったけど、実際の状況はそれと程遠く、まるで同窓会にまったく知らない人が現れたかのような静けさしかなかった)

理樹「ど、どうしたのさ・・・」

真人「・・・レベル高ぇなオイ」

謙吾「これもう実質女性じゃないのか?」

佳奈多「アリね、アリだわ」

来ヶ谷「あーこれはヤバいな。キュートすぎる」

鈴「おい、なんか知らない人だぞ。理樹はどこだ?」

美魚「はぁ・・はぁ・・!」

理樹(その時、本能でなんとなく『これがガチの時の反応なのか』と悟った)

理樹「あ、あはは・・・冗談きついな皆!ほら、カツラ被ってるからでしょ?これで顔が見えづらかったんだよきっと」

理樹(僕はポニーテールになっていたカツラを外した。すると張り詰めた雰囲気が少しマシになった・・・ような気がする)

鈴「あ、なんだ理樹か」

小毬「えへへ~私とはるちゃんでメイクした甲斐がありましたね~」

葉留佳「えっへん!」

来ヶ谷「ご、ごほん!よし、じゃあお披露目も済んだことだし早速企画の説明をしようか!」

謙吾「お、おう・・・そうだな!頼む来ヶ谷っ」

佳奈多「・・・・」

シュン

美魚「フルパワー直枝さんがあれほどだったとは・・・いやぁ油断していました」

来ヶ谷「この企画はずばり理樹子ちゃんがあらゆる女性向けの場所に赴いてバレないかを攻めていくものだ。バレたらその時点で終了、ただしわざとバレるような行動・・・人前で喋ったりなどしてもノーカウントで次の場所へ移動だ」

理樹「もう好きにして・・・」

来ヶ谷「この企画は少人数で行動しよう。カメラマンの美魚君と企画進行役の私、あと一人くらいならいいが・・・」

葉留佳「はいはーい!はるちんも行きたーい!」

佳奈多「ずるいわよ葉留佳!私も行きたいわ!」

クド「わ、私も行きたいですー!」

来ヶ谷「ふふ・・・じゃあくじ引きでいこうか」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・

街中

真人「別に俺はどっちでもよかったんだけどなぁ・・・」

来ヶ谷「いいじゃないか、美少女3人に囲まれて幸せだろう」

理樹「もうつっこまないからね」

美魚「ところで最初はどこへ行きますか?」

来ヶ谷「そうだな・・・女子寮という手もあったが正直言ってどうせバレないからな。ここはもっと大胆に行こう」

理樹「というと?」

アウトレットモール

理樹「いやいやいや・・・まさかとは思うけど・・・」

来ヶ谷「うむ!理樹君は思いのほか素で完成度が高かったからな。ここで衣装も来てみよう」

理樹「いや絶対問題でしょこれ!」

来ヶ谷「大丈夫、試着するものは全部買い取るし、試着室なんて男女どちらが使っても問題あるまい」

理樹「いやいやいや・・・」

美魚「さあ観念して中に入りましょう!」

理樹「ちょっとお、押さないで・・・!」

真人「おいおい、あんまりいじめてやるなよ?」


ウィーン


店員「いらっしゃいませー!」

理樹(店に入ると早速店員さんが話しかけてきた。僕は声を出すとバレるのでここからはおしゃべり厳禁だ)

店員「わっ、巫女さんですかー?とても似合ってますねー!」

来ヶ谷「そうでしょうそうでしょう。実はこの子、今まで実家の神社でずっと暮らしていたため、年相応の服を一着も持っていないのです。彼女に似合うものを何着か見繕ってくれませんか?」

理樹(人が何も言えないからって適当言って!)

店員「そーなんすか!?よーし、腕が鳴るぞ!ちょっとお待ちください!」

理樹(若い店員は目に炎を灯し、一周して僕を見るとあちこちの服を調達しに行った。相変わらず来ヶ谷さんは人が言われて嬉しい言葉を引き出すのが上手い)

・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・


・・・

1時間後

店員「ありがとうございましたー!」

ウィーン

理樹「・・・死にたい」

理樹(あの後ゆうに15回は試着を繰り返したと思う。女性らしいふわふわしたものからピチピチした一歩間違えたら犯罪じみたものまで・・・今来ているものもスカートだから股がなにやらスースーして気持ちが悪い)

来ヶ谷「うむ、理樹子ちゃんはなで肩だからフリフリの服も割と似合うな!」

美魚「大丈夫です、費用は私たち持ちですが服は直枝さんにお渡ししますよ」

理樹「いらないよ!」

真人「次はどこいく?」

来ヶ谷「次はランジェリーショップに・・・」

理樹「絶っっ対!!行かないからね!」

来ヶ谷「はっはっは!そう凄まれても今の理樹君だと可愛いだけだよ」

理樹(その後もパンケーキ屋やメイク用品店などに連れまわされた。残念ながらその中で僕を男性だと疑う人は見つからず、散々真人に嫉妬の目線やお世辞が贈られるだけの一日だった)

理樹部屋

ガチャ

鈴「お。おかえりー」

謙吾「ふっ、また可愛くなって帰って来たな」

理樹「もー勘弁してよ・・・おかげでスカートをはいてる時のしぐさを完全にマスターしちゃったんだから」

佳奈多「やってみなさいよ」

理樹「ええーこんな感じ?」

ヒラヒラ

理樹(フラフラ動きながらもスカートをパンツが見えるギリギリで押さえたりした)

佳奈多「グハッ!」

葉留佳「お姉ちゃんが倒れた!」

来ヶ谷「いやしかし、これならなかなか期待通りの動画が出来そうだ」

美魚「我々の目線を抜きにしてもこれは結構いい再生数を稼げるのでは?」

理樹「いやいやいや・・・流石にないでしょ。むしろこんなヘンテコな内容で逆に人が離れるんじゃない?」

来ヶ谷「どうだろうな。女の子が男だったり、男の子が女だったり。はたまた男同士だったり女同士だったりと、性に関してはよく分からないことが流行りまくっているからな。もしかするとこれは・・・」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・



・・・・・


数日後

来ヶ谷「バズった」

理樹「えっ?」

来ヶ谷「再生数100万いった」

理樹「えっ?」

謙吾「『この子本当に男の子?可愛すぎだろ・・・』『理樹子ちゃんのファンになります』『理樹君は本当に男の子?気になる交友関係、彼氏はいるのか?』」

来ヶ谷「既に有志によって理樹君のファンクラブのようなものまで出来つつある」

佳奈多「なるほど、コアな層に目を付けられたって訳ね」

真人「だからなんでお前が自然と俺達の部屋にいるんだよっ!というかコアな層ってお前らだろ!」

理樹「うわあ・・・なんか大ごとみたいになっちゃったね・・・」

来ヶ谷「みたいな・・・というより大ごとだ。こいつは非常にまずいことになったぞ」

鈴「どーゆー意味だ?」

来ヶ谷「有名になったということはそれほど一般群衆と理樹君個人の関係が狭まったということ。今のネットの有名税は以前と比べて50%は増したと言っても過言ではない。今までは役者やタレントといった芸能人こそが有名人であったが、今日日素人がテレビなどを介さずそのまま同じような扱いを受ける時代だ」

謙吾「そうか・・・学校では元々、リトルバスターズのリーダー・・・もとい学内のぬらりひょんとして有名だった理樹もこれからは学外ですら有名となってしまい、ほとぼりが冷めるまでどこでもお忍び状態となってしまう訳か!」

理樹「待って、ぬらりひょんのくだり初めて聞いたんだけど」

来ヶ谷「すまない、理樹君。これから君の可愛さに嫉妬してあらゆる謂れのない言葉や風評被害を投げつけられるかもしれない・・・」

理樹「いやいやいや、考えすぎだよ。確かに100万回ってのは凄いけど一瞬で流行るってことは一瞬で廃れるってことなんだから」

来ヶ谷「・・・そうだな。少々人気に怖気づいてネガティブな考えになっていたようだ。ここは人気youtuberとしての成功をささやかながらに祝おうじゃないか」

皆「「「おおーっっ」」」








・・・・・・・・・・・・




理樹部屋

理樹(最初は僕も来ヶ谷さんにああは言ったけどやっぱりちょっと不安なところはある。確かにネットというのは恐ろしいもので、一歩使い方を誤っただけで想わぬ事態になることは少なくない。まさか僕の元までやってくるような人はいないとは思うけど今度から動画での言動は注意しよう)

理樹「ふぁぁ・・・」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・


・・・

次の日

教室

理樹(それは授業中、もうすぐで寝てしまうかという時のことであった)

ブーブーッ

理樹「?」

理樹(授業中にもかかわらず携帯のバイブが鳴った。先生に見つからないよう静かに中身を確認すると、それは前の方に座っている謙吾からだった)

謙吾『窓の外、グラウンドの更衣室の影を見てみろ』

理樹(妙な指示だな、と思ったのもつかの間。視線を言う通りに流して僕は全身の血が凍り付いた)



謎の男「・・・」


理樹「!?」

理樹(何者かがこちらを見ていた。背丈は高く、おそらく170~175cmといったところだろう。肩幅も大きく男性であることは間違いない。・・・と、何故こうも確信の無い言い方をしているかというとその原因がその男の格好だった。上下はフードを深くかぶったパーカーと体格の分かりづらいジャージ。それに顔は大きなサングラスとマスクでほとんどが覆われていたからである)

謙吾『早速現れてしまったな』

理樹(謙吾がまたそう送ってきた。そうなのか?本当に僕の・・・」

来ヶ谷『何があった?』

理樹(すると僕の落ち着きのなさに左端の席の来ヶ谷さんが気付いてメールを寄越した。僕も謙吾と同様のメールを送る)

来ヶ谷『状況は把握した』

理樹(来ヶ谷さんはそれだけ返すと席を立った)

来ヶ谷「すいません先生。少し体調が悪いので保健室に行かせてもらってもよろしいでしょうか?」

謙吾「・・・!」

先生「あ、ああ・・・行きなさい」

ガタッ

謙吾「俺もついていこう」

来ヶ谷「ああ、助かるよ」

理樹「・・・・・・・」

理樹(見かけはただの保健室へ向かう生徒と、それを手伝う友人だが、僕にはどうも違う思惑が見てうかがえる。おそらくなにか先ほどから僕らの教室を覗いている男性について対策するつもりなんだろう・・・無茶はしてほしくないけど・・・)

明日終わりにしたい。そして終わったらこれからかなーり忙しくなるので短編集とか言ったけどスレは閉じる。いや、申し訳ない

ガタッ

理樹(2人が出ていったあと、僕もやっぱり考え直すことにした)

理樹「すいません、僕もトイレに行っていいですか?」

先生「おいおい、このまま生徒が全員出て言ったらたまらんぞ!?」

理樹「はは、すいません・・・」

理樹(流石に他の皆には奇妙な目で見られたけどしょうがない。いくらあの2人だといっても相手は不審者だ。不安にもなってしまう)

真人「ふがが・・・・むにゃ」


・・・・・・・・・・・・・


廊下1F

理樹(階段を下りて裏庭側の通り道へ進んだ。グラウンドからだとここからあまり遠くないけど・・・)

来ヶ谷「そっちへ行ったぞ謙吾君!」

謙吾「おおう!」

不審者「はぁ・・!はぁ・・!」

理樹「ゲッ!」

理樹(来ヶ谷さんの掛け声に表の方を向くと、今まさに来ヶ谷さんと謙吾のハサミうちで不審者を追い込んでいるところだった)

不審者「トァアッ!」

理樹(まるで何かの猟のように完璧に不審者を捉えたかと思ったが、不審者の方は横の棟へ飛び移ったかと思うと窓を開けて学校へ侵入した!)

来ヶ谷「チッ!まずい・・・って何故そこにいる少年!?」

理樹(ちょうど来ヶ谷さんから見て不審者の方向に僕がいたので来ヶ谷さんは不審者に対して一瞬の隙を見せてしまった。謙吾もそれは同じだったようで、不審者はそのまま階段のほう・・・つまり僕のいる所めがけて走ってきた)

謙吾「理樹!」

理樹「う、うわあああ!」

不審者「どいてくれぇぇぇ!・・・って理樹!?」

理樹「えっ!?」

理樹(不審者はこの状況から逃げ出すのに夢中だったのか僕のことを完全に見えてなかったのか、僕を見るなり素っ頓狂な声をあげた。それと同時に僕にはいくつかの疑問が浮かんだ。まず、この不審者は僕の名前を何故知っているのか。これについてはよく考えれば動画の視聴者だったのならば知っていても不思議ではない。ましてはこの学校を特定できるのならなおさらだ。しかし、二つに疑問に思ったのはその声だった。この声はとても聞き覚えがあるような・・・)

謙吾「今だ!」

理樹「わっ」

ガッシャーン!

理樹(その時、いったいどんなスピードで走って来たのか、謙吾が僕を遮ってその不審者にタックルした)

理樹「だ、大丈夫」

理樹(どっちかというとその心配は謙吾というよりも不審者のほうへかけた言葉だったかもしれない)

???「いてて・・・まったく容赦ねえなお前は・・・」

理樹「えっ!?」

理樹(謙吾に倒された衝撃で不審者の顔を覆うものがほとんど吹っ飛ばされ、そこから顔を出したのは紛れもない恭介その人だった)

恭介「よ、よお理樹」

理樹「き、恭介!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・

カフェテラス

理樹(僕らは何故か来ヶ谷さんお手製のカフェテラスへ足を運ぶことになった)

恭介「だ、だから何度も言ってるだろ!お前らの動画を見てたら無性にまた会いたくなっちまったんだよ!」

理樹(そう叫ぶ恭介の顔は真っ赤だった)

謙吾「今日は平日だぞ?会社はどうした?」

恭介「有給を使った」

理樹(新入社員が最初からもらえるものなのかそれは・・・?)

来ヶ谷「何故堂々と会おうとせずわざわざ不審者のような行動をとった?」

恭介「だってバレると恥ずかしいし・・・」

理樹(今の方がよっぽど恥ずかしいと思う)

謙吾「しかし、今まで考えてもなかったが、このようにアポも取らず理樹達に直接会おうとする不埒な輩がいつ現れるとも限らないな」

恭介「誰が不埒な輩だ!」

来ヶ谷「うむ・・・どうも我々は本来の目的から大きく脱線してしまったようだな。youtuberもここらが潮時か」

理樹「えっ!ということはもう動画取るのは終わり!?」

来ヶ谷「そうなるな」

理樹(よかった・・・今まで動画のためという大義名分で割とめちゃくちゃ趣味に走らされていた気がしたけど、それも今日までだ!」

来ヶ谷「さて・・・ところで恭介氏はそんな大荷物を抱えてどうするつもりだったんだ?泊りの衣装というには少し多い気がするが・・・」

恭介「あ、いや、これは・・・」

理樹(と、恭介が慌てて持っていたリュックサックを遠ざけようとして触れると、先ほどの謙吾と取っ組んだせいかリュックの紐がはじけるようにほどけてその荷物があらわになった)

ドササッ!

理樹「・・・・・・・・」

謙吾「・・・・・・・・」

来ヶ谷「・・・・・・・・」

恭介「・・・・・・・・・ええと」

理樹(そこには僕が女装に使用した服が、物置の奥深くに隠しておいたはずの服が散乱していた)

理樹「き・・恭介・・・これは・・?」

不審者「ええとこれは・・・・あれだ!こういうくだらないものの一つをとっても青春の1ページなんだと思って実家で大切に置いておこうかと・・・」

謙吾「お前はその時いなかっただろうがっっ!!」

恭介「う、うおおおおっっ!」

来ヶ谷「待てっこの変態がーーーっっ!!」

理樹(恭介は衣装を抱えられるだけ抱えると脱皮がごとく外へ逃げ出した。それを追っかける謙吾と来ヶ谷さん。地獄絵図だ)

恭介「とほほーっ!もう理樹の部屋に忍び込むのはこりごりだよ~~!」

理樹「いや、前からやってたの!?」


終わり(∵)

ある日

夕方

寮長室

佳奈多(葉留佳)「・・・・・・」

理樹「どうしたの二木さん?なんだか元気なさそうだけど・・・」

葉留佳「あ、いや、オカマイナク・・・」

葉留佳(私は断言できる。この状況は、はるちんのこれまでの人生でどんなことよりもヤバい修羅場であることを・・・)



・・・・・・・・・・・・


今日の朝

佳奈多部屋

コンコン

ガチャッ!

葉留佳「ハァーイ!お姉ちゃん!元気にしてる~?」

葉留佳(その日、ワタクシはふとカップケーキを作りたくなり、ケーキをかたどる包み紙を持っていたマイシスターにちょいと分けてもらおうと部屋を訪ねたのだった。しかし、そんなはるちんを迎えたのは普段の様子からは想像もつかないほど弱り切ったお姉ちゃんの姿であった・・・)

佳奈多「ゴッホゴッホ・・・な、なに・・・?」

葉留佳(お姉ちゃんはベッドで寝込んでおり、顔は真っ赤で、息も絶え絶えといったアリサマ。正直言ってこれには焦りましたナァ)

葉留佳「か、佳奈多大丈夫!?」

佳奈多「だ、大丈夫。ただの風邪よ・・・」

葉留佳「いや顔がトマトみたいですよ!?」

サササッ

葉留佳(そんな時、廊下の方からすり足で最大限の速さを生み出そうとしているような足音が聞こえたんですナ)

クド「佳奈多さん!タオル持ってきましたよ!」

佳奈多「あ、ありがとう・・・」

クド「あっ、葉留佳さんおはようございます!」

葉留佳「クー公!こりゃいったいどったの?」

クド「そ、それが私もさっき佳奈多さんに用があって部屋に来た時にはもうこんな状態だったのです!こりゃ一大事だと思ってとりあえず体の汗を拭かねばとタオルを持ってきたのですが・・・」

佳奈多「助かったわクドリャフカ・・・どっこいしょ」

ザッ

葉留佳(湿ったタオルで顔を拭いた佳奈多はクドにお礼を言うとフラフラしながら立ち上がった)

葉留佳「ちょいちょい!どこ行くの!?」

佳奈多「え・・?どこって寮長室よ・・・仕事に行かなきゃ・・・」

葉留佳「いやいやいや!」

佳奈多「だ、大丈夫。ただの風邪よ・・・」

葉留佳「いや顔がトマトみたいですよ!?」

サササッ

葉留佳(そんな時、廊下の方からすり足で最大限の速さを生み出そうとしているような足音が聞こえたんですナ)

クド「佳奈多さん!タオル持ってきましたよ!」

佳奈多「あ、ありがとう・・・」

クド「あっ、葉留佳さんおはようございます!」

葉留佳「クー公!こりゃいったいどったの?」

クド「そ、それが私もさっき佳奈多さんに用があって部屋に来た時にはもうこんな状態だったのです!こりゃ一大事だと思ってとりあえず体の汗を拭かねばとタオルを持ってきたのですが・・・」

佳奈多「助かったわクドリャフカ・・・どっこいしょ」

ザッ

葉留佳(湿ったタオルで顔を拭いた佳奈多はクドにお礼を言うとフラフラしながら立ち上がった)

葉留佳「ちょいちょい!どこ行くの!?」

佳奈多「え・・?どこって寮長室よ・・・仕事に行かなきゃ・・・」

葉留佳「いやいやいや!」

葉留佳(佳奈多は立ち上がりこそしたけど、身体はフラフラで誰かがチョンと身体に触れただけで盛大にぶっ倒れそうな勢いだった。おまけに口から出る言葉は完全に追い詰められたサラリーマンのそれでしたナ。いや、サラリーマンの知り合いはいませんガ)

葉留佳「そんな様子であたしとクー公が外に出るのを許すと思ってか!」

クド「わふー!その通りです!今日は幸い休日。ここは大人しく私と一緒に部屋にいてください!」

葉留佳(しかし、この姉というやつはガンコな性格なのか中々諦めようとしなかったのだ)

佳奈多「いいえ・・・今日は絶対に行かなきゃいけないのよ・・・」

葉留佳「なんで!?」

佳奈多「実は昨日・・・」


・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・

昨日

寮長室

カリカリカリ・・・

理樹「ええとここは・・・」

佳奈多「・・・・」

理樹「・・・あっ、そういえば一昨日真人が珍しく風邪引いたんだよね。次の日の朝には治ってたけどあんなに弱った真人は久々に見たな~」

佳奈多「はっ。体調管理が出来ていない証拠だわね。そろそろ肌寒くなってきたとはいえ、日頃から雑に過ごしてるからそうなるのよ」

理樹「そういえば二木さんが風邪を引いたって聞いたことないね~」

佳奈多「ふふっ、私は風紀委員長よ?生徒の模範となるように日々健康には気を付けてるの。あの筋肉バカとは違うわ」

理樹「凄いね~」

佳奈多「ふふん」


・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・



・・・


佳奈多「・・・そんな事を言った次の日に風邪を引いたなんて口が裂けても言えないわ・・・ゴホッ」

葉留佳「バカなんですカ?」

佳奈多「理由は分かってる。多分来週の小テストに向けて夜更かしをし過ぎたせいだわ」

葉留佳(そういいながら佳奈多は制服を取ろうとヨロヨロもがいていた)

クド「だ、ダメです!というか多分、もしあっちに行ったところですぐリキに見破られますよ!?」

佳奈多「ううう~~・・・」

葉留佳(その姿はなんかゾンビ映画に出てきそうなソレでしたな。いや、はっきり言ってゾンビだコレ)

葉留佳「・・・しょうがない!ここはこのはるちんに任せてもらおうじゃあーりませんカ!」

佳奈多「ど、どういうこと?」

葉留佳「どのみち今日は仕事を出来るような元気はない。ならばせめてそのお姉ちゃんのプライドだけはあっしが守ってしんぜようってことですヨ!」

佳奈多「・・・それってもしかして・・・」

葉留佳「クックック・・・気付いたようですネ。察しの言い姉ちゃんは気付いたようですネ!」

クド「わふー?」

寮長室

ガララッ

理樹「あっ、おはよう。今日は遅かったね」

佳奈多(葉留佳)「ええ・・・まあ・・・」

葉留佳(そう、私が麗しい我が姉のために思いついた方法というのはずばり私自身が姉になることだった!どうせ仕事と言っても理樹君は理樹君で集中しているだろうし、それっぽくため息でもつきながら向かいの理樹君の似顔絵でも書いて過ごしていればそれっぽく見えるハズ!いや~我ながらパーペキですナ)

理樹「・・・ん、なんか二木さんいつもとなんか・・・そう、匂いが違うね。シャンプー変えた?」

葉留佳「!?」

理樹「いつもミントっぽいんだけどな・・・」

葉留佳(ふ、不覚!・・・いや落ち着け葉留佳、嘘が一番バレやすい瞬間というのは痛いところを突かれた時!こういう時こそ堂々とするのだ!)

葉留佳「・・・変態」

理樹「!?」

葉留佳「変態ね、変態よあなた。いつも人の香りを気にしているの?いくら一緒に仕事をしている仲だといってもそういったセクハラ行為は今後謹んでほしいわね」

理樹「ご、ご、ご、ごめんなさい!そういうつもりじゃあ・・・」

葉留佳「ふん・・・」

葉留佳(ほんぎゃーーっっ!理樹君ごめんなさい!!)

数時間後

理樹「ふぅ~・・・とりあえずひと段落だな。ちょっと飲み物買ってくるよ。二木さん、なにか欲しいものはある?」

葉留佳「別に・・・」

理樹「おっけー」

葉留佳(そういって理樹君は部屋を出た)

葉留佳「ん~案外楽勝ですナ・・・」

葉留佳(理樹君がいない間、なにげなしに部屋を見渡してみたり、お菓子入れなどを散策してみたりした。演じるべき相手がいなくなると途端に暇になるものである。そしてしばらくして遂に私は佳奈多の机の引き出しを開けることにしてみたのである。今ままでも、それにこれからもあれ程驚くビックリ箱はないだろう)

葉留佳「日記でも入ってないかな~・・・・ん?」

葉留佳(引き出しにはきっちりした机の上の書類には似つかわしくない、とてもカラフルな色のものが目に入った)

葉留佳「なにかの本・・・?」

葉留佳(取り出して、全貌を顕わにさせることにした。それはとても薄い本で、なにやら表紙には可愛いらしい女の子たちが描かれていた。漫画のようだった)

葉留佳「『仲の良すぎた姉妹』・・・?」

続く(∵)

葉留佳「・・・・・・」

ペラペラ

葉留佳(・・・・・・)

パタンッ

葉留佳「・・・なんじゃこりゃぁぁああああ!!!」

葉留佳(いやー思わず叫んじゃいますネこれは。お姉ちゃんの引き出しからこんな本が出てきたら誰だって叫びますヨ)

ガラッ

理樹「どうしたの!?」

葉留佳(そんな時、私の叫びを聞いた理樹君が血相を変えて扉を開けて来た)

葉留佳「はひっ!?あ、ああ・・理・・直枝、早かったわね」

理樹「い、今の叫び声二木さんの!?凄い声だったけど・・・」

葉留佳「あーいや、それは・・・!そう、私実は最近歌の練習をしているの!」

理樹「う、歌・・・?」

葉留佳「そう!実は風紀委員の忘年会でカラオケに行くことになって、それで・・・」

葉留佳(取り乱していたとはいえ我ながら雑な言い訳ーー!し、しかし理樹君ならあるいは・・・)

理樹「・・・」

葉留佳「・・・・」

葉留佳(いけるか・・・?)

理樹「なーんだ、そうだったんだ!びっくりしちゃったよもう!」

葉留佳(理樹君チョロくてよかったーー!!)

数分後

カリカリカリ

理樹「・・・・・・」

葉留佳「・・・・・・」

葉留佳(・・・上手く誤魔化せたとはいえこの本の存在がなくなった訳じゃない・・・いったいコイツぁどういうことなんでしょうカ・・・)

ゴソゴソ

葉留佳(その本の内容をお茶の間で語るにはあまりにオブラートの皮が必要すぎますネ・・・あえて言うならまさにこの本の題名となっている通り仲が良すぎる姉妹を描いたものだとでも言っておきましょうか・・・)

チラッ

葉留佳「・・・ゴクリ」

葉留佳(ドユコト!?えっ、本当にどーゆーことなんですカ!?か、か、佳奈多が最近私としゃべってくれてるのは分かってたけど姉妹愛的なヤツデスヨネ!?うわぁここにきて佳奈多を疑うことになるとは思わなかったーー!!!)

理樹「二木さん大丈夫?汗かいてるけど・・・お茶でも飲む?」

葉留佳「だ、大丈夫よ・・・知恵熱だから」

葉留佳(ま、まさか普段お姉ちゃんこんなこと想像しながらアタシとしゃべってたの!?)

葉留佳「キツイ・・・色々とキツ過ぎる!」

理樹「えっ?」

葉留佳「あ、いや違うの!今日は食堂でご飯5杯もお代わりしたからお腹がキツイなーって!」

理樹「えっ、それ本当!?」

葉留佳(ともかく今はこの本をどうにかせねば・・・確か佳奈多はいつも一緒に鍵を閉めて出ていくって言ってたからなんとか理樹君に気付かれないようにここから持ち出して本人に事情を聴かねば!くそう、カバンは持ってきていないから・・・あっ、そうだ!)

ゴソゴソ

葉留佳(制服の下に挟んで持っていこう!幸い今日はお姉ちゃんに変装するため厚着で来ていたのだった!よし、そうと決まれば!)

葉留佳「よっと・・・」

葉留佳(さりげなく理樹君の死角になるよう椅子から腰をさげてっと・・・)

ジジーッ

葉留佳(この冬服、着慣れてないんですよネ・・・ええと、スカートと腰に上手く挟み込むようにしないと・・・)

ズルッ

葉留佳「あっ、ヤバッ」

ドスン!

理樹「ん?あっ、だ、大丈夫?」

葉留佳(理樹君がこっちに来る!や、ヤバい!服を中途半端に脱いだせいで!)

理樹「手を貸すよ・・・ってうわ!ご、ごめん!」

葉留佳「う、うぅ・・・」

葉留佳(ええ、見事見られましたとも。本の方はなんとか机の下に落ちたから見られてないにしろ、はるちんの・・・いや、今は佳奈多の横パンがね・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

理樹「それで僕もびっくりしちゃってさぁ~」

葉留佳「ふ、ふーん・・・」

葉留佳(チクショ~完全に出ていくタイミングを逃しちゃいましたネ・・・というか・・・)

理樹「二木さんもこういう経験ない?」

葉留佳「いやぁ・・・あんまり・・・」

葉留佳(なんか理樹君、お姉ちゃんに馴れ馴れしすぎない・・・?普段2人が外で話してるところとちょいと雰囲気が違うような・・・)

理樹「ねえ二木さん、この間行った水族館だけどさ」

葉留佳「!?」

ガタッ

理樹「どうしたの?」

葉留佳「あ、いや、ちょっと机に虫が・・・」

葉留佳(す、水族館!?理樹君とお姉ちゃんが!?ナンデ!?いつの間に!)

理樹「あの時は大変だったよね~まさかペンギンの餌やりを見てたら恭介達が出てきてさ、見つからないようにするの大変だったね」

葉留佳(しかもお忍びデェトォ!?)

葉留佳「は、はは・・・そうだったわネ・・・」

理樹「でもあの時のお弁当は美味しかったよ!」

葉留佳(ほんぎゃあああああああああああ!!!)

ガクゥ

理樹「・・・本当に大丈夫」

葉留佳「いや・・・オカマイナク・・・・」

葉留佳(しかも手作りのお弁当だとォ・・・!?)

葉留佳(こ、これは予想外の事態だ・・・!まさか隠れてこの二人がきゃっきゃウフフしてたなんて)

理樹「そろそろまたどこかに出かけようよ。二木さんどこがいい?」

葉留佳「そ、そうね・・・」

葉留佳(なにが悲しくて姉のデートプランを私が・・・)

葉留佳「映画館とか・・・近場のモールで服を見たり・・・)

理樹「えっ、それは一週間前にもやったような・・・もう一度行くの?」

葉留佳(し、思考回路が一緒・・・!?)

理樹「まあ、それはまた夜メールしながら決めよっか。それより、そろそろいつものアレやってよ」

葉留佳「”アレ”?」

理樹「やだなぁ・・・二木さんから恥ずかしいから絶対人目につかない時にしかやらないって言ってたじゃないか」

葉留佳「!?」

葉留佳(そういうと理樹君はおもむろに立ち上がると部屋のロッカーから敷物のようなものを取り出して空いた場所に広げた)

葉留佳「!?!?」

理樹「ほら、お願いだよっ」

葉留佳(すると理樹君はそこにまるで迷いなく寝そべった)

葉留佳「えっえっえっ」

理樹「ほらほら」

葉留佳「~~~!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

葉留佳「・・・」

理樹「あっ、うおお・・・ぐっ・・・!」

葉留佳「・・・・・・・」

理樹「も、もうちょっと左・・・っ・・・そう!」

グッグッ

葉留佳(理樹君の言ういつものというのは足ふみマッサージだった。どうやら佳奈多は仰向けに寝そべった理樹君の背中に乗って足で踏んで肩こりをほぐしているらしい)

理樹「ふぅぅ・・・ありがとう。いやあ、まだ慣れてないのかな?なかなか凝りが取れないんだよね」

葉留佳「ああ、そう・・・」

葉留佳(なんかもう色々と考えてたはるちんがバカみたいですネ・・・)

理樹「よーし、じゃあそろそろ僕の部屋に行こっか」

葉留佳「?」

理樹「えっ?昨日言ってたじゃん。仕事がひと段落したら今日は僕の部屋に泊まるって」

葉留佳(なん・・・だと・・・?)

理樹「もうずっと楽しみにしてたんだよ?今更無しだとか言わないでよね?」

葉留佳「そ、それは・・・言ってたっけ・・・?」

理樹「言ってたよ。この日のためにわざわざ真人へ謙吾の部屋に言ってあるんだから」

葉留佳(二人っきりで一つ屋根の下ァ!?どういうことだ佳奈多!!アンタ本当に風紀委員か!?)

理樹「ささ、準備して」

葉留佳「え・・・うあ・・・」

葉留佳(おおおお落ち着け葉留佳!えっ、どういうこと!?これから理樹君の部屋で夜まで二人きりってことデスよね!?もはや同人誌どころじゃなくなってきたんだけど!?)

理樹「・・・・くくく」

葉留佳「!?」

理樹「はははっ!ウソウソ、冗談だよ葉留佳さん」

葉留佳「ウソ・・?って、葉留佳さんって・・・」

理樹「うん、もちろん気付いてたよ。最初は何事かと思ったけどせっかく成りすましてるなら日頃のからかいのささやかな仕返しをしようと思ってね」

葉留佳「え・・・じゃあ水族館とか・・・さっきのマッサージとかは・・・」

理樹「もちろんその場で思いついただけだよ。まさか本当にやってくれるとは思わなかったけど」

葉留佳「ぐ、ぐわぁーーーッ!や、やられた!!」

葉留佳(くそう、全部理樹君の手のひらの上だったとは・・・!)

理樹「外見だけならほとんど一緒なんだけどね。やっぱりいつも近くで見てるから仕草の違いで分かるよ」

葉留佳「なあんだ・・・やっぱりだめかァ・・・!」

葉留佳(何故か色々ととてもほっとした)

葉留佳「あ、じゃあこれも理樹君が机に仕掛けたの?もーすっかり騙されましたヨ・・・」

葉留佳(そういって腹の中から例の本を取り出した)

理樹「・・・えっ、なにそれ」

葉留佳「えっ」

理樹「そもそも僕がイタズラを考えたのはさっきだし僕が何か二木さんの机になにか仕掛けたなんてことはないよ・・・というよりその本はいったい・・・?」

葉留佳「ち、違うの!?アッ、いや、これはなんでも・・・!」

葉留佳(慌てて本を後ろに引っ込めた)

理樹「いや、なんかタイトル見えちゃったんだけど・・・」

葉留佳「アッ」


葉留佳・理樹「「・・・・・・」」

葉留佳(改めて理樹君と本の内容を(火傷しない範囲で)確認した)

理樹「・・・こいつはヘビィだね・・・」

葉留佳「うん・・・」

理樹「・・・・・・どうするのコレ?」

葉留佳「人は、人生で何度か”知らなかったことにする”というどうしようもない選択肢が最善手である場合がありマス・・・」

理樹「今回がそれだと?」

葉留佳「・・・我々は無力だ」

葉留佳(私はその本を元あった位置に寸分違わず戻した。もはや何も考えるまい。お姉ちゃんはこれから風邪が治り、今までと同じように接してくるだろう。今まで私はそれに全く嫌悪感は抱かなかったし、これからも抱くつもりはない。それでいいじゃないですかカ)







佳奈多部屋

プルルルル

クド「あっ、佳奈多さん、携帯が鳴ってますよ!はいなのですっ」

佳奈多「ありがとう・・・」

ピッ

佳奈多「はい・・・もしもし」

あーちゃん先輩『もしもし?ってあら、声がなんか枯れてるわね・・・風邪?」

佳奈多「ええ・・・」

あーちゃん先輩『あらお大事に。こんな時に仕事の話で悪いんだけどね、今日の朝、生徒がちょ~~っと学校にふさわしくないものを持ってきてたから私が風紀委員に代わって預かることにしたんだけど、面倒だからかなちゃんの机に入れっぱなしだったの思い出してさ。まあ風邪ならいいわ。あとで私がまた持っていくから』

佳奈多「そうだったんですか・・・わかりました・・・はい、お気遣いどうも・・・では・・・」

ピッ

クド「なんだったんですかー?」

佳奈多「仕事の話だったわ・・・それにしても葉留佳は今頃大丈夫かしら?」

クド「きっと葉留佳さんなら上手くやってるに違いないです!」

佳奈多「そうね・・・ふふ、今度お礼にどこか買物に連れて行こうかしら」




理樹(それはいつものように練習へ向かった時のことだった。その日の僕は体操服をカバンに詰めるのを忘れて謙吾や真人には先に行ってもらったから、一人でそのグラウンドに来たんだ。だから今見ているこの光景がどうやって出来たかなんて全く予想もつかなかったね)

クド「わふわふわふぅ!真人さんのこのハジける筋肉!素晴らしいですーっっ!」

真人「わはははっ!やめろよっ!こそばゆいだろっっ」

恭介「・・・・・・」

謙吾「・・・・・・」

理樹(説明すると、まるで3年ぶりに主人が帰って来た飼い犬のように真人の腹筋に懐くクドとくすぐったがる真人。それを見て眉間に皺を寄せてどうしたものかと唸っている謙吾と恭介の光景だった)

クド「わふわふぅ!」

理樹「こ、これはいったい・・・」

理樹(ショックを無理やり頭の片隅に置いて立ち尽くす恭介に聞いた)

恭介「チ、チクショウ・・・そんなの俺が聞きたいくらいだ・・・!」

謙吾「一つ言えるのはクドの真人に対する好感度が明らかに昨日の比ではない事。そして真人がまったくそれに気づいていないことだな」

鈴「おーす」

恭介「げっ、鈴!」

理樹(そんな混乱のさなか、鈴がスズの音を鳴らして更衣室の方向から走ってきた。恭介や僕らならともかくこの光景を鈴に見せるのは色々とまずい気がするので僕は彼女の前で反復横跳びをすることで視線を逸らした)

理樹「ふんふんふんッ!やあ鈴!今日もキマってるね!!」

鈴「ど、どうしたんだいきなり・・・今日の理樹は変だぞ?」

理樹「いやあハッハッハ!なんだか急に反復横跳びにハマってね!鈴もどう!?楽しいよっっ!!」

鈴「キモいからいい」

理樹「き、きも・・・」

理樹(軽くショックを受けたが、そのお陰でこの間に恭介は上手いこと2人を物陰に誘導させることに成功していた)

恭介「せっかく着替えてもらって悪いが鈴、今日の所は練習を中止させてくれ!どうも今日はグラウンド点検の日だったらしいんだ!」

鈴「何ィ!?それは本当か恭介?」

恭介「ああ、悪いが他の更衣室で準備している皆にも言っておいてくれないか?」

鈴「あ、ああ・・・分かった」

タッタッタッ・・・

恭介「ふう・・・とりあえずはなんとかなったか・・・」

「わふわふぅ!!」

「おわぁっ!どこ触ってんだクド公!?」

謙吾「・・・とりあえずは・・な」

理樹「うん・・・」

恭介部屋

恭介「さて諸君、今回集まってもらったのは他でもない。能美と真人の件だ」

謙吾「……諸君って、ここにいるのは俺たちだけじゃないか」

恭介「そりゃお前、雰囲気だ」

謙吾「はぁ。とにかく、これは結構想定外の事態じゃないか?恭介」

恭介「ああ……まさか能美が真人に好意を寄せる事になるとはな…いったいどうなってるんだ!?」

謙吾「確かにおかしい。単に真人に恋をした
のなら俺達に一言断るべきだ。この世界の事情を薄々とはいえ意識するように行動しているのならな」

恭介「今は能美の願いを叶える途中のだんかいだったはずだ。……ええと、最後にやり直したのはどの時点だったっけ?」

謙吾「……それが俺も分からん。なにか頭にモヤがかかったような感じになるんだ」

恭介「実を言うと俺もなんだ…もしかすると俺達の及ばないところで前の世界でやり直す前に何かラブ的なイベントが起こったのかもしれない!」

謙吾「ううむ……実際の所、例えば能美にほだされて真人も能美の事が好きになり、カップルになったとしよう。果たして俺たちは引き裂ける事が出来るのか!?」

恭介・謙吾「「……………」」

恭介「……本当にそうするしかないのならば仕方がない」

謙吾「恭介!」

恭介「だが、他にも方法はある!」

謙吾「なんだ、それは?」

恭介「…………」



理樹部屋

真人「大丈夫か理樹?もう俺準備出来ちまったぜ」

理樹「ああ、うん。すぐ着替えるよ…」

理樹(昨日はなかなか眠れなかった。急にクドが真人にあんなにベタベタするんだもんな……)

コンコン

真人「ん?こんな朝っぱらから誰だ…はぁーい」

ガチャ

恭介「よう」

謙吾「おはよう」

理樹(真人が扉を開けると、そこからはもう準備万端といった様子の二人が出てきた)

真人「おお、どうしたんだ二人とも」

理樹「ここまで来るなんて珍しいね」

恭介「いやなに、ちょっと理樹に相談事があってな」

理樹(恭介はそういうと僕に目配せをした。恐らくは例の件だろう)

真人「俺は?」

謙吾「悪いんだが真人は先に行っててくれないか?俺達もすぐあとで食堂に向かう」

真人「んだよ仲間はずれかよ…」

理樹(真人はぶさくさ言いながらも支度を済ませるとそのまま出て行ってしまった。恭介は、それを確認すると僕のベッドに座り、話し始めた)

恭介「多分理樹もだいたい何を言いにきたのか分かっているんだろうが……」

理樹「クドのこと、だよね」

恭介「……ああ」

恭介「単刀直入に言うとだ・・・お願いだからクドといい感じになってくれ!」

理樹「はっ?」

謙吾「実をいうと昨日の夜、真人が俺達に悩みを打ち明けてきたんだ。クドに言い寄られて困っているとな」

恭介「理樹も見ただろ?あのクドの真人に対する異常な執着を!」

理樹「そ、そりゃあアレは異常というほか何もなかったけど・・・でも真人ってそれくらいで困ったりするものなの?そもそも言い寄られてること自体に気付かなさそうだけど・・・」

恭介「いいや、困っている。何故なら真人はホモだからだ」

理樹「え、ええーーーっっ!!!?」

謙吾「このことは今まで理樹達には隠していたんだがな・・・こうなったらやむをえまい」

理樹「そ、それ本当のこと!?ま、真人が・・・」

恭介「だって女の子に言い寄られようとも俺達や理樹と遊びたがる男だぞ?ホモじゃないという要素を探す方が難しいだろ」

理樹(そういわれてみればそうだけど・・・)

恭介「だから理樹にはクドの熱意をお前に逸らしてほしいんだ」

理樹「そんな無茶苦茶な!」

謙吾「なにも恋仲になれとは言わない。真人から引き離すだけでいいんだ」

理樹「そんな邪な気持ちでクドに会えないよ・・・」

恭介「じゃあなにか?お前は一度でもクドの事をそういった目でみたことがないとでも言うのか?」

理樹「そ、それは・・・」

恭介「あの純粋な性格、誰もが認めるエキゾチックなキュートさ、あの慎ましい感じ。なんとなくだが理樹と相性ピッタリだと思うぞ!」

謙吾「ああ。お前ならなんやかんやあって同棲することになったとしても意外と上手くいくと思うぞ。なんとなくだが」

理樹「うう・・・」

理樹(実をいうと最近は結構クドのことは意識してしまっていることは事実だ。はっきり言ってしまうと僕はナイスバディもタイプだがクドみたいな感じもそれはそれで好きなほうだし・・・ってなにを言っているんだ僕は!?」

恭介「よし、話しはまとまったな!行け理樹!作戦名はずばりラブロリハンターズだ!!」

謙吾「はぁ?」

理樹「うわぁ・・・」

恭介「えっ」

食堂

クド「うひょぉ!真人さん、今日も相変わらずいい筋肉!その引き締まり、イエスですー!」

真人「ふっ、そうかい?クド公も鍛えればすぐにこれくらいにはなるぜ」

理樹「と、隣いいかなクド?」

>>72
途中送信したので訂正

食堂

クド「うひょぉ!真人さん、今日も相変わらずいい筋肉!その引き締まり、イエスですー!」

真人「ふっ、そうかい?クド公も鍛えればすぐにこれくらいにはなるぜ」

理樹「と、隣いいかなクド?」

真人「おっと、来たか理樹!」

クド「あ、おはようございます理樹」


柱の裏


恭介「・・・なんとかうまくやってくれているようだな・・・」

謙吾「しかし本当に勝手に真人をホモって事にしてよかったのか?俺は責任取れんぞ・・・」

恭介「この事にカタが付けばやり直せばいい。ちょっと反則気味かもしれないが軌道修正さえ出来ればあとはゆっくりクドか真人に遠回りに原因を聞けばいい」

謙吾「倫理的に大丈夫なのか・・・?」

恭介「俺達は理樹に8股させようというんだぞ?今更倫理とかいうなよ・・・」

謙吾「う、ううむ・・・」

理樹(その後、あらゆる恭介達の助言を受け、あらゆるアプローチをクドに行った)


・・・・・・・・・・・・・

理樹「クド、今度の日曜日に枕を買おうと思うんだけど一緒にどうかな?確かクド詳しかったよね」

クド「あっ、ごめんなさいリキ・・・その日は真人さんを誘ってスポーツジムに行く約束が・・・」

・・・・・・・・・・・・・

理樹「クド、のど乾いたでしょ?なにかジュース買ってこようか」

クド「ごめんなさい・・・最近は真人さんおすすめのプロテインジュースしか飲まないようにしているんです・・・」

・・・・・・・・・・・・・

理樹「クド!」

クド「あっ、真人さん!こっちですよー!」

・・・・・・・・・・・・・



数日後

食堂

理樹「いや無理でしょこれ!!」

恭介「おい、食堂であまり大きな声出すなよ・・・」

理樹「だってこっちは凄く声かけてるんだよ!?なのにかすりもしないんだけど!」

恭介「確かに結果は酷いものとしか言えないな・・・ううん、確かクドはそれなりに理樹へ行為を抱いていたはずなんだが・・・」

理樹「えっ、なんか言った?」

恭介「いや別に・・・」

謙吾「悪い。遅れた」

恭介「ああ・・・ってなんだその恰好!?」

理樹(謙吾はいつもの剣道着から体操服となっていた)

謙吾「三枝にしてやられたのさ。あまり深くは聞いてくれるな」

理樹「大変だったんだね・・・」

恭介「・・・しかしここまでしてもクドが真人以外に興味を持たないとなると本格的に無理やりリセットするしかなくなってくるな・・・」

謙吾「恭介!」

理樹「り、リセットって?」

恭介「なあ理樹・・・お前はどんなことがあっても俺を親友と思ってくれるか?」

理樹「・・・まあ、別に親友を裏切るようなことさえしないなら・・・」

恭介「グハァッ!」

謙吾「き、恭介!気をしっかり持て!」

理樹「さっきから一体何の話を・・・」

クド「わふー?みなさん集まってどうしたんです?」

全員「「「!!」」」

恭介「い、いやこれは別に・・」

クド「わ、わふぅーっ!?」

謙吾「ん?」

クド「け、謙吾さん!その恰好はどうしたんですか!?」

謙吾「いや、これは三枝に・・・」

クド「普段の剣道着もいいですが、その二の腕が見えるのもグッドですねー!」

謙吾「は、はあ・・・」

クド「真人さんもいいですが、やはり謙吾さんのも素晴らしいですー!」

謙吾「お、おい、ちょっと!」

理樹(クドが急に謙吾の腕をべたべた触りだした)

クド「ナイスですねーナイスですねー」

恭介「ど、どういうことだ・・・まるで今までの真人にしていたような恍惚とした目線を今度は謙吾に向かって・・・」

理樹「ハッ!ま、まさか・・・!」

恭介「どうしたんだ理樹?」

理樹「もしや、クドは最初から真人ではなく、筋肉に興味があったんじゃ・・・?」

恭介「なんだと?」

謙吾「そうか!そういえば能美が真人としゃべっていたことってだいたい筋肉関連でしかなかった!それにだ恭介!」

恭介「ん?」

謙吾「あまりのインパクトで今の今まで記憶の外に出していたが、最後にリセットした世界ではなにが原因だった!?」

恭介「あっ・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

真人「筋肉いぇいいぇーい!筋肉いぇいいぇーい!」

鈴「筋肉わっしょい!わっしょい!」

理樹「あはははっ!筋肉ってやっぱり最高だね!」

クド「わふー!脳みそ筋肉なのですー!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

恭介「筋肉エンドじゃねーかっ!!」

謙吾「そうだ!だから能美はおそらくその反動で今も潜在的に筋肉を求めてしまっているんだ!なまじ筋肉旋風の発生源に近かったがあまり・・・!」

恭介「・・ふ・・・な・・・!」

謙吾「な、なんだ・・・?」

恭介「ふざけるなーー!!さっきまで悩んでた時間をかえしやがれぇぇぇ!!」

その後、恭介はクドの後遺症が消えるまでめちゃくちゃリセットした。



終わり

とりあえずこれでHTML依頼出してくる
いやなんだかんだでめちゃくちゃ伸びたな・・・

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