遊作「デュエル部の親睦会?」 (35)
キャラ崩壊注意!
島「そうなんだよ、でも他の上級生達はみんな用事あるって言ってさぁ…流石に財前と二人じゃ心細いだろ?あいつ、愛想がないからさ」
遊作「なら尚更、俺を誘う理由はないんじゃないか?」
島「お前じゃなきゃ駄目なんだよ~、ほら、財前ってお前には親しげじゃん」
遊作「別に仲良くなったつもりはない。悪いが他を当たってくれ、じゃあな」
島「くっくっく……いいのかなぁそんな事言っちゃって?」
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島「なぁ藤木君、俺ってPlaymakerのソウルメイトだよな?」
遊作「…そうなのか?」
島「とぼけちゃって。俺は知ってるんだぜ?お前の秘密」
島「その秘密バラされたくなかったら、俺の頼み聞いた方がいいんじゃないかなぁ?ふふふ…」
遊作「………」
島「来てくれるだろ?一緒に親睦を深めようぜぇ」
放課後
葵(Playmaker……一体、どこに居るの……)
島「財前ーーっ!!」
葵「…?」
島「はぁ…はぁ…明日の親睦会、色々予定立てといたぜ」
葵「集まれるのが私と島君だけじゃ、無理に開く必要はないでしょう?私も暇じゃないので」
島「そう言うなよ、代わりと言っちゃなんだけど、藤木の奴を誘ったからさ」
葵「え?」
島「それから、転校生の……穂村だっけ?そいつも来るからさ、それだけじゃないぜ。明日は藤木の家でパーっとお泊りパーティだ!」
葵「お泊りパーティ…!?」
島「あ、明日は学校に寝巻き忘れんなよ?明日の放課後に藤木と穂村を捕まえてからお前のクラスに行くから。じゃあな!」
葵「あ、ちょっと……!行っちゃった……」
葵「…………」
カフェナギ
草薙「島がお前の正体を?」
Ai「おいおい遊作ちゃんよ、何かヘマしたんじゃねぇのか?」
不霊夢「まさか、尊じゃあるまいし」
尊「どういう意味だよ!?」
草薙「例えハッタリだとしても、Playmakerを探る者にお前の家を見せるのは危険だな」
遊作「ああ、特に財前葵が知ればSolテクノロジーやバウンティハンターに伝わる。それだけは避けたい」
草薙「とにかく、何か対策を立てる必要があるな。明日一日は遊作と尊のデュエルディスクは俺が預かろう。遊作の部屋にあるパソコンも回収した方がいいだろうな」
尊「すみません、草薙さん」
草薙「気にするな。まあ、なんだ遊作、友達同士でお泊りパーティなんて、今までなかったんだろう?ここは楽しんでってのも変な話だが、少しくらい肩を落としてもいいんじゃないか?」
遊作「そうだな……」
Ai「ちぇ、お泊りパーティってのは俺も興味あるんだがなー」
尊「お泊りパーティか……デュエル部には興味あったし、それはそれで楽しみかも」
不霊夢「油断するなよ、もしかしたらPlaymakerだけでなく君の正体も知られているかもしれないのだからな」
尊「わかってるって」
遊作「………」
晃「そうか、その島という少年はハズレだったか」
エマ「全く、あんなのを警戒してた自分が恥ずかしくなっちゃう。それで、貴方の方も?」
晃「我々が知るPlaymakerの情報は葵と同じくらいの歳という事のみ。前にも言ったが、リンクヴレインズと現実の性格が一致しているとも限らないからな」
エマ「そうね、凄腕のデュエリストでありながら、現実じゃそれを隠してるかもしれないし。むしろPlaymakerならその方が自然かも」
晃「八方塞がり……やはり再びリンクヴレインズで出現するのを待つしかないか。すまなかったな、また明日連絡する」
エマ「ええ、また」
葵「あ、お兄様。明日はちょっと…」
晃「うん?何かあるのか?」
葵「すみません、明日はデュエル部の親睦会に泊まりで」
晃「親睦会か…しかし泊まりとは、どこかに行くのか?」
葵「詳しいことは聞いてませんが、友達……藤木遊作君の家に私を含めて四人としか」
晃「そうか、彼の……うん、いいじゃないか。むしろ存分に楽しんで来るんだ。お前も学生の時間は今しかないんだからな」
葵「お兄様…!」
エマ「意外ね、いつもお兄様お兄様のあの子が親睦会なんて。学校じゃかなり大人しい子って感じなのに」
晃「それでいいのさ。友と未来を語らい、青春という時間を大事な仲間と過ごす。学生とはそうあるべきなのだから」
エマ「親睦会と言っても、男の子の家に泊まるなんて、貴方も心配じゃないの?」
晃「葵と彼はそういう関係じゃないからな」
エマ「あら、随分と信用してるのね」
晃「わざわざ昏倒していた葵を発見してくれただけでなく、病院まで付き添ってくれたんだ。彼もPlaymakerと同じく恩人の一人だよ」
エマ「ふ~ん。いい奴じゃない……ん?」
晃「どうした?」
エマ「わざわざ昏倒していた葵を発見してくれた……その子、同じ部の友達か何か?年は?」
晃「体験入部したとは聞いていたが、彼自身はただの同級生だと言っていたが」
エマ「…その話、もう少し詳しく聞かせてもらっていいかしら?」
翌日の放課後
島「よし、じゃあ行くぜ親睦会!」
尊「今日はよろしく、財前さん」
葵「よろしく……」
島「ほらほら、もっとテンション上げていこうぜ!藤木、案内してくれ」
遊作「ああ、こっちだ」
葵「ごめんなさい藤木君、変な事に巻き込んじゃって」
遊作「別にいい」
遊作「着いたぞ」
尊「な……!」
島「おまっ、こんな街角の建物に住んでたのかよ!?ていうか、家もボロボロじゃん!」
葵「…………」げしっ
島「あいだっ!」
尊「島君、それは流石に失礼だよ」
島「あ、ああ…すまねぇ藤木、また悪い事言っちまった…」
遊作「…いいさ、前にも言ったが本当の事だ。何もないが、とりあえず上がってくれ」
ロボッピ「オ帰リナサイマセ」
尊「おっ、お手伝いロボットだ」
島「結構片付いてるっていうか、なんもねぇな」
葵「…もしかして藤木君、一人暮らしだったり?」
遊作「まぁな」
島「マジで!?羨ましい~!!俺なんて毎日母ちゃんに怒鳴られっぱなしでよ、たまには伸び伸びしたいぜ」
葵(…でも他にある物といえばベッドと箪笥だけ。一人暮らしにしても少し寂しいわね)
尊「それより親睦会って、具体的に何をするの?」
島「おう、親睦会って言えばやっぱり飯だろ。いいもの持ってきてやったぜ」ドン!
尊「これって、ホットプレート?」
島「どうよ、今夜はこれで焼肉パーティってのは!」
尊「へぇ、焼肉パーティ。面白そうだね。二人は大丈夫?」
遊作「ああ」
葵「私も構いません」
島「よっしゃ!そうと決まれば肉を買いに行こうぜ!わかってると思うけど割り勘だからな!」
スーパー
尊「すごい……それじゃあ君、あのハノイの騎士を……!」
島「おうよ!お互いが完璧な手札同士のデュエルだったんだけどな、まあ俺の力に掛かればハノイ如き手札一枚で片付けてやったけどな!」
尊「へぇ、強いんだねぇ君」
島「ふっふっふっ、やっとわかったようだな。俺こそPlaymakerに認められた唯一無二の男!敬意を払えよ!」
葵「…すっかり打ち解けたみたいね、あの二人」
遊作「そうだな…」
葵「………」
葵「藤木君は、Playmakerの事は知ってるわよね?」
遊作「…一応、有名らしいからな」
葵「貴方は知らないかもしれないけど、彼、リンクヴレインズじゃ賞金首として指名手配されてるの。Solテクノロジーも今じゃPlaymakerの正体は誰って大騒ぎ」
遊作「そうなのか?」
葵「うん、少し前は英雄として称えられてたのにね。私の兄さんもPlaymakerの身柄を拘束する立場にあるわ。ネットワーク世界を救った彼が指名手配されるなんて、何か裏あるとは思うけど」
遊作「…まさか、今日もその為に?」
葵「残念ながら外れ。親友なんて名乗るもんだから、島君を辿ればPlaymakerに行き着くと思ったのにね」
遊作(やはり財前葵も正体を追っていたか。彼女は倒れていた自分を発見したのは、島もハノイに捕まった自分の元へ駆けつけたのが俺だという事は知っている。その事が知られれば……)
遊作「興味深い話だが、仮にPlaymakerと島に繋がりがあるとしたら、現実世界で自分と親友なんて名乗らせるような真似をしないと思うぞ」
葵「あんまり言わないで、思い出すだけでも恥ずかしいから……」
島「財前ー!藤木ー!会計するぞーっ!」
葵「…行きましょう」
遊作「ああ」
藤木家
島「よしよし、ようやく火が通って来たぜ!飲み物と肉用意しとけよ」
尊「しかし暑いねえ、室温が相当高くなってる。まあそれも醍醐味ってやつかな?」
島「おっ、わかってるねぇ。ほら財前、藤木も。みんなグラス持ったよな?じゃあ……」
島「かんぱ~~いっ!!」
尊「かんぱ~~いっ!!」
葵「乾杯……」
遊作「………」
遊作「………」ムシャムシャ
島「うぐっ……んっ……ぱぁっ!やっぱり親睦会はこれだねぇ!!」
尊「美味い!いい肉使ってる!」ムシャムシャ
島「がははは、だろう?親睦という言葉には、打ち解けて親しくするという意味。いわばコミュニケーション!焼肉は持ってこいって訳よ!」
遊作「………」ムシャムシャ
尊「腹が減ってはいいカードはドロー出来ぬって、昔のデュエリストは言ってたしね」
島「その通り!財前も食えよ、野菜もどんどん焼くぜ!」
遊作「………」ムシャムシャ
葵「藤木君、さっきから気になってるんだけど」
遊作「なんだ?」
葵「お肉、食べ過ぎじゃない?」
尊「ん?あれ?」
島「なぁっ!!藤木てめぇっ、俺が焼いた肉全部食いやがったなぁ!!」
遊作「ああ、すまん。つい……」
島「ぬぅ……まあいいさ、むしろ嬉しいぜ。やっとお前もその気になってくれた訳だからな」
尊「うん、気を取り直して焼こう焼こう!財前さんも、お腹空いてるでしょう?みんなでパーっとやろうよ!」
葵「…では、お言葉に甘え―――っ!!?」
島「ん?どうした財前?」
尊「財前さん?どうし――――いっ!?」
島「あ?どうしたんだよ穂村まで」
遊作「………」ジュ~
カサ……サ……
尊「し、島君……後ろにいるのってもしかして………」
島「もしかして……?」
尊「…君もデュエリストなら経験あるでしょ?特定のプレイを行った時、それを妨害する効果を持っているあいつがさ。いやー、特にドローされるのがわかってて特殊召喚するかは毎回悩むよねー」
島「は……ははは……まさか……」
カサ………カサカサ……
葵「いっ……」
カサカサカサカサカサカサ!!
葵「嫌あああああぁぁぁっ!!」
島「Gだあああぁぁぁっ!!」
遊作「焼き過ぎたか…」ジュ~
尊「ちょっちょっちょっちょっ!!」
島「来てる!?こっち来てるーーっ!!?」
葵「ひゃあああぁぁぁっ!?壁!壁歩いてるぅぅぅ!!」
葵「島君、後でイベントでもなんでも開いてあげるから、あれなんとかしなさいよー!!」
島「なんの話だよ!?」
尊「そうだよ、君はPlaymakerに認められた唯一無二の男!ここは男にならなきゃ!」
島「いや、それとこれとは別というか……!!」
遊作「………」ジュ~
カサカサ
尊「は、羽を広げたっ!?」
島「ま、まさかっ……」
葵「ひゃあああああっ!?こ、こっちに飛んで…!?」
尊「ふ……ははは……情けねえ、絶望のトラウマは乗り越えたと思ったのに……まさか、こんな最後に――」
バサバサ!!
グチャ!
尊「あ…」
葵「あ…」
島「あ…」
遊作「飯時に騒ぐな、早く食わないと冷めるぞ」ムシャムシャ
尊「え?あ、ああ、ごめん……」
島「飛翔するGを握りつぶした……だと!?藤木……?お前は、お前という奴は……!!」
葵(あ、お肉が全部なくなってる。残ってるの野菜だけ……)
深夜
遊作(静かだ……)
島「ん……むひゃむひゃ……」
島「ひゃあぁ……ブルーエンジェル……そこはらめぇ……ムシャムシャ……」
尊「うーん……綺久……もう無理……すー……すー…」
遊作「………」
遊作(そういえば、財前葵は……いないな。外か?もし彼女が兄である財前やゴーストガールと繋がりがあるとすれば……)
葵「あの時は、授業中に気分が悪いって抜け出して、その時に」
葵「まさか、彼を疑ってるの?確かに旧式デュエルディスクだったけど、以前にデッキも見せて貰ったし」
葵「でも……」
葵「うん、わかったわ。また」ピッ
葵「はぁ……」
遊作「こんな時間にどうした?」
葵「あ、ごめんなさい。勝手に抜け出したりして。知り合いから電話があって」
遊作(今の口ぶりからして、相手は財前ではない、か。となれば、ゴーストガールか?)
葵「島君達は?」
遊作「ぐっすりだ」
葵「そうなんだ、今日は特に楽しんでたものね、あの二人」
遊作「そうだな……」
葵「藤木君は、もうデュエル部には入部する気はないの?」
遊作「情けないが、ろくなカードもないしな。今の俺には今の生活だけで精一杯だ」
葵「…ごめんなさい、悪い事聞いちゃって」
遊作「気にするな。むしろ焼肉なんて豪勢な食事をしたのは本当に久しぶりだった」
葵「そっか、だからあんなに沢山食べてたのね」
葵(お陰で、私達は殆ど食べられなかったけど……)
遊作「いや、一番の収穫はゴキブリが出た時の財前の反応だったかもな」
葵「…あ、ちょっとっ…!あれは違うの、行動のアヤっというか…///」
遊作「俺は年頃の女の子らしくていいと思うぞ」
葵「顔色一つ変えなかった貴方が言っても説得力ないんだけど……」
葵「でもまあ、ありがとう……」
葵「藤木君が良かったら、今度差し入れでも持って来てもいい?私も兄さんと二人暮らしなんだけど、結構家庭的な方だと思うし」
遊作「気持ちはありがたいが、遠慮しておく。あまり家にはいないんだ」
葵「…そう」
遊作「そろそろ戻るか?明日はそのまま学校に行くんだろ?」
葵「うん」
翌日
尊「ふぁ~っ、おはよう」
遊作「おう」
葵「おはよう……」
尊「あれ?二人だけ?島君は?」
遊作「あいつは先に行った。用事があるそうだ」
尊「用事?」
島「えっと……この辺りに?」
エマ「はーい、Playmakerの親友さん?」
島「ひゃいっ!?あ、貴女が……!?」
エマ「あの時はごめんなさい、でもどうしても会いたくて…」
島(素顔は隠してるけど、この美声……美人だ。美人に違いない!)
エマ「実は私、今とっても困ってるの。でももし貴方が協力してくれるなら……」
島「はい!俺に出来る事なら、何でもします!!」
エマ「あら頼もしい!それじゃあ――」
尊「忘れ物はない?」
遊作「ああ」
葵「大丈夫です」
尊「うん。じゃ、行こっか」
遊作「っ!?」
葵「?」
尊「どうしたの?遊作」
遊作「悪い、先に行っててくれ。腹の具合が悪くなって来たみたいだ」
尊「うわー…無理もないよ。昨日あんなに食べ過ぎたから」
葵「なんなら待ってるけど」
遊作「いや、長くなりそうなんだ。それで二人が遅刻したら申し訳ない」
尊「そう?なら先に行くよ?財前さん」
葵「え、ええ……」
遊作「………」
遊作「出て来い」
エマ「あら?やっぱりバレちゃってた。こっちで会うのは初めてね」
遊作「………」
エマ「ロスト事件のデータを見た時から、Playmakerが彼女と同じ年くらいの子だとわかってた。そしてあの時、リボルバーは言ってたわよね?Playmakerの正義感を利用して、ブルーエンジェルを人質に取ったって。でも無名の誰かじゃ効果は薄い。最初はカリスマデュエリストとして名が知れたからだと思ったわ。でも考えてみれば、Playmakerにとってブルーエンジェルは赤の他人じゃなかったって意味だったのよね?」
エマ「いやー、二人の話を聞いた時から、おかしいとは思ったのよねぇ。あの子は授業を抜け出して、Playmakerのデュエルした。結果、デュエルに負けた彼女はハノイの罠により昏倒状態。それを大した時間もかけずに発見出来る人なんて……まあそれだけなら偶然で誤魔化せたかもしれないけど」
エマ「どうして島直樹が、ハノイに捕まった事を知ることが出来たの?」
遊作「………」
エマ「会えて光栄よ、Playmaker。いえ、藤木遊作君」
終わり。早く身バレしないかなぁ、もしくは草薙さんが大丈夫な内に日常回を…読んでくれた人ありがとう!
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