お化けギャルソン「怪談レストランへようこそ」 (25)

お化けギャルソン「怪談レストランへようこそ。私支配人のお化けギャルソンです。」


ギャルソン「お久しぶりですね。なぜに今更と思われるかもしれませんが」


ギャルソン「理由といえばこんな暑い日は肝の冷えるような思いをするのも」


ギャルソン「それもまた風流ではないでしょうか。」


ギャルソン「本日は特別メニューを準備致しましたので、僭越ながら私がご案内しましょう。」


ギャルソン「前菜は忍び寄る音の気配、”近づく音”」


ギャルソン「メインディッシュは逃げ場のない密室からの使者”悪魔のエレベーター”」


ギャルソン「デザートは常夏の琉球に伝わるお話”赤い子と青い子”」


ギャルソン「外部より素材を取り寄せたものになりますので味付けが少々特殊になっております。」


ギャルソン「それではまずは前菜の近づく音のサラダによく冷えたドレッシングをかけておりますので心まで冷えるでしょう」


ガチャ

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ショウ「うわばきおばあちゃん?」


アンコ「うん。最近流行ってるらしいの」


アンコ「うわばきおばあちゃんに目をつけられた人には近づいて来るらしいの」


ショウ「近づいて来るって何が?」


アンコ「姿かたちは見えないんだけど上履き同士を打ち付けたようなパンパンって音が来るんだって」


レイコ「またあんたたちそんな話しているの?」


レイコ「大体姿かたちは見えないのになんで上履きってわかるのよ」


ショウ「それに追いつかれたらどうなるのかも気になるな」


アンコ「わからないわよ。聞いただけなんだし」


ショウ「誰から聞いたんだい?」


アンコ「マリから聞いたけど。マリも友達から聞いたって行っていたわ」


ショウ「…」


レイコ「ほらね噂なんてそんなもんよ」


アンコ「私にいわないでよ!…でもインターネットで調べても出てくるらしいよ」

ショウ「それなら今から調べにPC室に行こう」


アンコ「ええー、やだよ。鍵を借りに行くのめんどくさいし」


レイコ「それなら大丈夫よ。私が丁度鍵を持っているし」


アンコ「うへぇ」



   近づく音



ショウ「検索ワードはうわばきおばあちゃんでいいのかな」カタカタ


レイコ「へぇ、ショウくんってブラインドタッチ出来るのね」


アンコ「ぶらいんどたっち?」


レイコ「あらそんなことも知らないの?」


ショウ「キーボードを見ないでタイピングをすることさ。よく知ってるね」


レイコ「最近家にパソコンが来てね。ネットサーフィンにはまっていてこういう言葉も一通り調べたのよ」


アンコ「ふーん、それでレイコはできるの?ぶらいんどたっち」


レイコ「…」


ショウ「覚えたばかりの言葉をすぐ使いたくなるんだね」


レイコ「う…うるさい!!」

ショウ「うーんだめだ。さっき聞いた話と同じ事しか書いてないや」


アンコ「というかホントにあったんだ」


レイコ「収穫無しってことね」


ショウ「追いつかれたあとどうなるかも書いてないし、追いかけられた時の逃げ方も書いてないな」


アンコ「そ…それじゃあ追いかけられたらどうしよう」


ショウ「目をつけられないことを祈るしかないね」


レイコ「まったく馬鹿馬鹿しいわね。鍵を返しに行きましょう」ガラガラ



パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン



アンコ「うひっ!」


レイコ「ヒッ!!」


アンコ「こ…この音って…うわばきおばあちゃん?」



ユウマ「プククク、見たかよ今の顔」


タクマ「うひっだってさ」



レイコ「あ…アンタたちいいいいいいいいいいいいいい!!!」


ユウマ「やっべぇ逃げろぉ!!」ダダダダダ


ショウ「追われるときはあんな音が聞こえるのかな」


アンコ「…冷静だね」

放課後


ショウ「今日はどこに行こうか」


アンコ「怖くないところがいいなぁ」


ショウ「それならあそこの古いマンションに行こう」


アンコ「そこも出るって有名なところじゃない!」


レイコ「あら今日も探検?」


アンコ「うわまた来たよ」


レイコ「なんかいった?」


アンコ「べ…別に」


レイコ「今日はたまたま暇だから付き合ってあげるわ」


ショウ「たまたまねぇ」フッ



           パンパンパンパンパンパン


アンコ「ん?」


ショウ「どうかしたのかい?」


アンコ「いやなんかパンパンって音が聞こえたような」


レイコ「また?ユウマくんたちの仕業じゃないの」


ユウマ「呼んだか?」


アンコ「あ、あれぇ?」


ショウ「アンコ、音はどこから聞こえてきたんだ?」


アンコ「もう聞こえないし、すごく遠くからだったからわからないよ」

翌日


ショウ「アンコあれからあの音は聞こえたか?」


アンコ「ううん」


       パンパンパンパンパンパンパンパン


ショウ「!」



ユウマ「あれ、今日は驚かねぇな」     


タクマ「つまんねーの」


アンコ「…」


ショウ「どうしたんだい?」


アンコ「なんか違うの。昨日聞いた音と少し違うの」


レイコ「あらまたその話?」


ショウ「うん。どうやら上履きの音と少し異なるようなんだ」


レイコ「そんなのただの空耳に違いないわ」


アンコ「そんなわけな…


     パンパンパンパンパンパンパンパン

アンコ「!!また聞こえた。」


ショウ「なんだって!?」


アンコ「それに昨日より近いし…何この音」ガタガタ


レイコ「アンコ…?」


ショウ「大丈夫かアンコ、しっかりしろ!」


アンコ「う…ううん。聞こえなくなった」ガタガタ


ショウ「どんな音だったんだ」


アンコ「わからない…わからないけどすごく嫌な音だった。」ガタガタ

そしてまた翌日


アンコ「…」ブルブルキョロキョロ


ショウ「アンコ…大丈夫か」


アンコ「あの後も聞こえてきてね…どんどん近づいてくるの」ガタガタ


ショウ「家で調べてみたけど解決方法がわからないんだ」


アンコ「追いつかれたらどうなるんだろう、嫌な予感がする」ガタガタ


ショウ「レイコも朝から見かけないし大丈夫かな」




ユウマ「タクマ肩パンやろうぜ!」


タクマ「やだよ痛いもん」


ユリ「何くだらないことやってんのよ」


ユウマ「うるせーな!行くぞ」


  パン



アンコ「!!キャアアアアアアアアア」


ショウ「!」




ユウマ「!?」ビクッ

ショウ「どうしたんだ!?聞こえたのか」


アンコ「違う…違うんだけど。わかっちゃったの」


ショウ「わかったって、なにが?」


アンコ「あの音の正体が…」ガタガタ


ショウ「…」


アンコ「肉を…肉を叩く音なの…何度も何度も…」ガタガタ


ユウマ「お…おいアンコ大丈夫か。俺もう昨日みたいなことやんねーぞ」







パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン






アンコ「き…聞こえる…ち…近づいてくる!!」ダダダダダダ


ショウ「アンコ!」ダダダダダダダ

アンコ「いやあああああああああああああ」ダダダダダダダダ        パンパンパン


ショウ「アンコ止まるんだ!」ダダダダダダダダ


アンコ「くる…近づいてくる」ダダダダダダダ       パンパンパン


ショウ「!!アンコそこは交差点だ、止まれ!」


アンコ「!!」



ガシッ



トラック「プワァー」



レイコ「何やってるのよ危ないわね」


ショウ「レイコ!」


アンコ「れ…れいこ」

パンパンパンパン


アンコ「ひっ、ち…近くに来ている」


レイコ「!…アンコ、目を閉じて耳をふさいで!」


アンコ「ど…どうして」


レイコ「急いで!」


アンコ「う…うん」アセアセ


ショウ「何をやっているんだ」


レイコ「解決策よ」



パンパンパンパンパンパンパン


ショウ「この音は!」


レイコ「通り過ぎるまで待つの」


     パンパンパンパンパンパン  
                     パンパンパンパンパン

                                            パンパンパン
                                                                 パンパン





ショウ「通り過ぎたようだね」


レイコ「アンコ、もう目を開けてもいいのよ」


アンコ「ううう…」ブルブル


ショウ「耳をふさいでるから聞こえないんだよ」


レイコ「大丈夫ったら!」ガシッ


アンコ「きゃあああああああああ…ってもうだいじょうぶ?」


ショウ「それにしてもよく解決策を知ってたね」


アンコ「レイコ…目にくまが…調べてくれたの?」


レイコ「べ…別に、アンタがあんまりのも怯えているからよ」


ショウ「へぇーそれで、朝いなかったのか」






後からレイコが見たというサイトをインターネットで調べてみたけどなくなっていたという。


そのサイトにも追いつかれたあとはどうなるかは書いてなかったらしい

多分書いていなかったのは追いつかれた人がもうこの世にはいないからなんじゃないかと今にして思う。

前菜終わり

イットフォローズに似てるなーと思ったけどあの映画ができる前に考えたやつだからセーフだと思いたい

というかあの映画見たことないし

本編と関係ない小ネタ


ショウ「こ…これは」


アンコ「ショウくん知ってるよ」


アンコ「これは妖怪のせいね!」


ショウ「やめろぉ!」

アンコ「今日も暑いね」


ショウ「今年は記録的な猛暑らしいからね」


アンコ「もう汗止まんないよ」ダラダラ


レイコ「おはよう」


アンコ「あ、レイコおはよう」


ショウ「おはよう」


アンコ「すんすん…あれ、レイコなにかいい匂いがする」クンクン


レイコ「ちょ/////くっつかないでよ。汗をかくだろうと思って香水をつけてきただけよ/////」


ショウ「これはローズマリーの香りだね」


ショウ「ローズマリーには魔除けの効果があって儀式でもよく使われるようなハーブなんだ」


アンコ「へー」


レイコ「わ…私はそんな理由でつけてきてないわよ!」

放課後ホームルーム


ミチコ先生「今日はここまでです」


ミチコ先生「最後に連絡事項があるのだけれどあの山のそばの古いマンションだけれど」


ミチコ先生「取り壊しが決まったから近づいたりしないようにね」


一同「「「「はーい」」」」



ショウ「聞いたかいアンコ」


アンコ「聞いたよ…行くって言うんでしょ」


ショウ「あのマンションには悪魔が住むって言うんだ取り壊される前に行かなきゃもったいない」


アンコ「言うと思ったよ」


レイコ「やっぱり行くのね」


レイコ「悪魔が住むなんて馬鹿馬鹿しいけど、あのマンションは老朽化が進んでるし危ないから私も仕方なくついて行ってあげるわ」


アンコ「ええー」


レイコ「なんか言った?」


アンコ「べ…別に」


ショウ「素直じゃないなぁ」




悪魔のエレベーター



アンコ「ねぇやめようよ」


レイコ「ちょっと//////くっつかないでよ/////」


ショウ「噂だとマンションの中のエレベーターに乗り10階まで行くそして一度降りる」


ショウ「扉が一度しまったらもう一度ボタンを押して中に入る」


ショウ「そのあとに1階のボタンを押す。そうすると6階の時に悪魔が現れるらしい」


アンコ「なんで6階なのかな」


ショウ「6は忌数で悪魔の数字なんだ。まあ正確には666なんだけどね」


レイコ「なんか嘘くさいわね」


ショウ「まあ入ってみようよ」

ショウ「まずは10階に行こうか」


アンコ「そもそもエレベーター動くのかな」


ポチッ


エレベーター「ウィーン」


アンコ「開いた…」


レイコ「…ゴク」


ショウ「よし行こう」





エレベーター「ウィーン」





アンコ「つ…着いたわね」


ショウ「ここで一度降りてもう一度乗り1階を押せば」


レイコ「馬鹿馬鹿しいわ、これなら住んでる人が使えないじゃないの」


アンコ「もう誰も住んでないよ」


レイコ「…」

     ( 10 )
      
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     ( 07 )

ショウ「…」


レイコ「…」


アンコ「…ゴクリ」ブルブル

     (    )

     ( 06 )

     (    )

レイコ「な…なによ6階すぎても何もないじゃな…」



ガコン     ギギギギギギギ


アンコ「う…うそ、エレベーターが6階に戻された!?」


                       ズズズズズズズズズズズ

ショウ「扉の向こうから何か来るぞ!」

レイコ「な…なによあれ!」


     ズズズズズズズ      ズズズズズズズズズ


アンコ「扉が開かない!?」ポチポチ


ショウ「あれがこのマンションに棲む悪魔の正体か!?」


ズズズズズズズ


アンコ「と…扉の前まできちゃったよ」



エレベーター「ガガガガ」



レイコ「なんで今開くのよ!」


ショウ「まずいぞこんな密室じゃどこにも逃げられないぞ!」


アンコ「ショ…ショウくんどうしよう」


ショウ「二人共何か持っていないか!?…魔除けの十字架とか」


レイコ「そんなもの持ち歩いてるわけ無いでしょ!」



エレベーター「ガガ…ガガガ」



アンコ「まずいよ、もうエレベーター開ききっちゃうよ」

ショウ「!!  レイコ香水を持っているか!」


レイコ「も…持ってるけど」


アンコ「そうか、ローズマリーの香水だから魔除けが!」


ショウ「早くそれを!」


レイコ「これをどうするのよ」ヒュッ


パリーン


ズズズ  ウァァ


アンコ「怯んでる!?」


ショウ「今のうちに扉を閉めるんだ」



エレベーター「ガガガガ」



ショウ「よし、このまま10階にいくぞ」



エレベーター「ウィーン」
    

    (  10  )


アンコ「た…たすかったー」


ショウ「どうやら10階でこのエレベーターに乗った時からすでに引き込まれていたのかもしれないな」


レイコ「香水…高かったのになぁ」


ショウ「わざわざ叩き割らなくてもふりかけるだけで良かったのに」


レイコ「お…落としたのよ!」


アンコ「でもおかげで助かったね」


ショウ「さて帰ろうか」


レイコ「そうね、もう日も暮れるし」


アンコ「あのさ、帰りはやっぱりエレベーター使えないんだよね」


ショウ「またあれに遭遇したいのかい」


アンコ「やっぱりね…10階から階段でかぁ」ハハハ



 



エレベーター「ズズズズズズズズズズズズ」





おわり

ギャルソン「怪談レストラン、本日の特別メニューはいかがでしたでしょうか」


ギャルソン「ご満足いただけたでしょうか?」


ギャルソン「ご満足いただけない?でしたらご自身に背筋の凍るような出来事を祈りましょう」


ギャルソン「少しは涼しくなるかもしれませんよ。しかしお気をつけください」


ギャルソン「未知なるものとの出会いはいつ来るかわからないのですからね」


ギャルソン「まあその前に当店でご用意したデザートをお召し上がりください」


ギャルソン「琉球の島に伝わるキジムナーと呼ばれる妖怪のお話です」






アンコ「これはね琉球の島に伝わる話なんだけどね」



赤い子青い子



琉球にはキジムナーって呼ばれるガジュマルっていう木に住む魚の目玉を好む子供の妖怪がいてね


漁師の船に赤いキジムナーが乗って、こう話すの


「魚の目玉をくれたら魚を大漁にとらせてやるよ。でも誰にもいっちゃダメだよ」


赤いキジムナーが乗るといつも大漁だった。漁師はお礼に魚の目玉を赤いキジムナーに上げていたんだ。


そんなある日青いキジムナーが船に乗ってきて言ってきたんだ。


「目玉をくれたら魚を大漁にとらせてやるよ。でも誰にもいっちゃダメだよ」


いつもと色が違うけど漁師は特に気に止めないでそのまま船を出した。


その日も大漁で漁師はいつものようにキジムナーに魚の目玉をあげようとしたんだ。


「だれが魚の目玉をくれって言ったんだ?」



漁師は青いキジムナーに目玉を取られてどこも見れないながらもかろうじで浜に戻ってこれたんだ。


「どうしたんだ、大丈夫か。誰にやられた!?」


「き…キジムナーに、キジムナーに」
























「誰にも言うなって言ったよね」







アンコ「最後のキジムナーはどっちのキジムナーだったんだろうね」


おわり

アニメ二期か誰かが学校の怪談のクロスSSを書いてくれることを祈る

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