アライスローターさん (53)

それは真夜中の出来事だった。
不気味なまでの静けさが漂う森の中でそれは起きた。
静寂を切り裂くかのように4つの影が木の葉を散らして駆け抜ける。
ご存知、アライグマ人間のアライちゃんだ。
某アニメのアライグマ少女とは外見以外は一切関係のないそれは、今日もトウモロコシ畑から略奪を行ったのである。

アライちゃんA「うんめゃぴゃはらぁ!ちょわぁぁぁ!」

アライちゃんB「あまぁいあまぁいトウモロコシなのらぁ!」

アライちゃんC「きゅうっ!きゅうっ!」

不気味な怪奇音を発するそれは、猛スピードのよちよち歩きで駆け抜けていく。

そして目前に迫る本拠地の木。ここに着けばもう安心だ。
スピードを上げ、猛然とよちよち歩きを行うアライちゃん達。
だが!

ディスパイザー!!

猛烈な閃光がアライちゃんAに降り注ぐ。それに気づく間もなく爆発し、辺りには肉片が飛び散った。

アライちゃんB「お、おねえじゃあああああん!」

アライちゃんC「(声にならない声)」

目の前で青春を共にした姉妹が消えた。その果てのない苦しみが悲しみを呼び、怒りとなってアライちゃん達を包み込んだ。

そして、声の主がアライちゃん達に語りかける。

「…私は、特例害獣捜査官アライスローター」

アライちゃんC「あ、アライスローター…?」

彼女達は知能が著しく低い。故に理解そのものができない。

アライスローター「人類はアライグマインフルエンザにより滅亡し、いまやあの農家のご老体しか生き残っていない。私の任務はその要因となったアライグマ人間の殲滅だ」

アライちゃんB「ふみゃああ!アライしゃんたちにたてつくなんてずうずうしいにもほどがありゃあ!おかあしゃんをよんでやるのりゃぁ!おかあしゃあああああん!!!」

だが、アライちゃんの声は虚しく空を切る。全く理解ができない彼女達を前にアライスローターは残酷な真実を突きつける。

アライスローター「お母さんとはこれのことか?」(ボロ切れのようになったアライさんを首根っこ捕まえて見せる)

アライちゃん達「あああああああああああああああ!!!」

なんと残酷な運命か。アライちゃん達の母親は既に駆除されていたのだ。その傷から察するに…
木の上で休んでいたところを背後から尻尾を掴まれ地面に叩き落とされる。
そのまま暴言を吐く間もなく鉄拳が二度三度飛ぶ。鉄骨を折るパンチ力だ、凄まじい威力だろう。
自分が食べ物を取りに行かず子供に死を覚悟で食べ物探しに向かわせた彼女の最期としてはあまりに悲劇的である。
…いや、まだ死んでいない。顎関節が外れてジム・キャリーの顔芸のようになった滑稽な表情となった。
間髪入れずに指先からの冷凍ガスを鼻に突っ込む。脳に直接冷凍ガスが周り、悶えるアライさん。
そして、…あまり下品な表現ゆえ使いたくないのだが脚を小刻みに震わせ痙攣を起こすゴキガイジムーブを起こしてそのまま息耐えた。

そして厳しく自分勝手なお母しゃんが亡くなったとなれば次の標的は…

アライスローター「首かけアタック!!」

アライちゃんB「でゅえ!?」

bloodless dispatchという動画で有名な首かけ罠(仮称)である。恐ろしい程の締め付けが首に負担をかける。叫ぶこともできないまま、彼女は息耐えた。

残るは1頭。自前のショットガンが恐怖に震えるCに照準を定める。だが、

玉利さん「おい騒がしいぞ!今何時だと思ってんだ!」

農家の玉利さんである。アライスローターはその声に反応してしまったがゆえ照準がぶれ、銃弾を彼に当ててしまった。
玉利さんは脚を小刻みに動かして息耐えた。

アライちゃんC「助けてくれ~っ!!」

この隙を見て逃げ出すC。逃がすかとばかりに絶妙な歩行スピードで追いかけていくアライスローター。
果たして、この末には何が待っているのか。勝つのはアライか、スローターか。人類は滅亡したのか。
その答えを知る者はいないまま、夜の闇は静かに一人と一頭の逃走劇を見守っていた…。





アライちゃんD「トウモロコシおいちぃのらー!」

アライスローター「あー暇だな~」

尻を掻きつつ日曜日のおっさんスタイルでその場に寝転ぶアライスローター。彼の使命はアライグマ人間の殲滅その他諸々。
故に近くに生体反応がなければ特に何をすることもないのだ。
だが、彼の暇な時間は刹那で終わりを告げた。

ダガァァァァァァァァァン!!!

突如背後に起きる爆発。何物の仕業か。普通のアライグマ人間の知能では爆薬は作れはしない。新手の敵の襲来を予期し、彼の眼は瞬時に高機能センサーへと姿を変え、爆発の主の姿を捉える。果たしてその正体は?

アライスローター「アライ…グマ…?」

爆心地にはアライグマ人間がいた。

不思議とアライスローターはそのアライグマ人間に対して敵意を覚えることはなかった。害獣センサーが作動しないのだ。
故障を疑ったが先程の仕事で直したばかり。つまり正常なセンサーがそれを敵として判断しないものと見たのだ。
それに見たことのない姿をしている。嗜虐を誘発させる稚拙な絵柄のような容姿でもなければ目が点々でオムツを履いた姿でもない。もちろん最近画力を上げてきた人の個体らしくもない。
一体何者なんだろうか?考える間もなくアライグマ人間は覚醒した。

「ここはどこだ?」

アライグマ人間は極めて流暢な発音で言葉を発した。

アライスローター「気がついたか。君は誰だ?」

覚醒から間髪入れずに質問を行うアラスロ。そこはもう少し待とうよ。

ラッセル「僕はラッセル。アライグマ人の兵士だ。君は?」

アライスローター「私はアライスローター。アライグマ人間殲滅を目的としている特例害獣捜査官だ。つまりアライグマの敵なんだが君からは害獣反応を感じない。何故だ?」

ラッセル「知らないね。第一アライグマを殺めるなんて道徳に反しているよ」

アライスローターは高度な人工知能である仮説を立てた。彼は人間の常識の範疇を超えた多次元並行宇宙の中の別の世界から来たのだと。仮にこれをアライバースと呼称するとして、では彼は何故ここに来たのか?そんな疑問を砕くかのように目前にアライちゃんが現れた。

その数は20を超えているが、その20のアライちゃんが一頭のアライちゃんを嬲っていた。

アライちゃん?「や、やめてくれー!」

アライちゃんA「オスのアライちゃんがいるぞ!汚らしい!(意訳)」

アライちゃんB「大事なものとっちまおうぜ!(意訳)」

アライちゃんの仲間割れなど珍しくないが今回ばかりは様子が違いそうだ。そのオスのアライちゃんからも害獣反応を感じない。ラッセルと同じかもしれない。助けなければ!

アライスローター「縮小ビーム!!」

アライちゃんA「ちょわっ!?」

蜘蛛の子を散らすように逃走するアライちゃん達。
だが逃げ遅れた2匹がビームを浴びて1cmほどに小さくなってしまった。甲高い声はより甲高くなり、ヘリウムボイスのような雰囲気を漂わせる。

シオマネキ「あっ、おいしそう」

そして現れるシオマネキ。アライちゃんの嬌声に群がり、四方八方から引っ張り始める。悶えた声が凄まじい苦痛を感じていることをいやでもこちらに実感させる。

アライG「でゃぱろるぅぉったっ!ぴぇやぁぁあ!やめでぇぇぇ!」

アライJ「じゅあおうぁ!みゃぁうあっあっ!」

実際のアライグマの赤ちゃんの苦しむ声のような雄叫びが海岸に響き渡る。そして解体が終わり、アライちゃん達の各部は今日のシオマネキの貴重な栄養源として再利用されることとなった。ところで他のアライちゃん達はどこへ?

ラッセル「あれじゃない?」

ラッセルが指をさした先には一つの物体に群がるアライちゃんの姿があった。偶然そこを通りすがったらさっきのビームの巻き添えを食った玉利さんである。四方八方から引っ張られ激しい痛みが全身を貫く。

玉利さん「ああああああああ!!!いだいいだいいだい!!あっ右肩が!くそぉ!なんで俺がこんな目に!?」

アライH「いや自業自得でしょ(意訳)」

そして玉利さんは肢体を割かれて四散し、それぞれのパーツがアライちゃん達の餌となる。だがパーツは少ないのですぐに醜い争いに発展する。

アライスローターはチャンスとばかりに自前のライターをアライちゃんたちに放り込む。そしてアライちゃんMが放屁をした瞬間、

ドボォォォォォォォォォォォ!!!
やびぁォォォォォォォォォォォォォ!!!!!
今日一番の熱気がこもった炎がアライちゃん達を包み込む。

ラッセル「これは僕の故郷でもやってることだよ。キャンプファイヤーだ」

アライちゃん?「アライグマがキャンプファイヤーなんてやるの?」

アライスローター「おかしくはないね。アライグマが人間になるような世界なんだ」

2人と1匹は地獄の業火とも希望のキャンプファイヤーともとれる焚き火の中でお互いの世界のことについて語り合った。

アライスローター「…つまりだ、ラッセルは帝国軍の攻撃を食らったらこの世界へ飛ばされて、そこのアライグマは親の目を盗んでどんぐりを取ろうとしたら転んでここに来たということか」

アライちゃん?「あの…」

アライスローター「どうした?」

アライちゃん「僕にちゃんとした名前があるんですけど」

ラッセル「なんていうんだ?」

ガリオン「ガリオンです」

アライスローター「そうか。ようしわかったガリオンにラッセル!使命であるアライグマ人間の殲滅のついでに君達を元の世界に戻してしんぜよう!」

3人はともに友情の握手を交わした。たとえ外見がどうであろうがなんであろうが、罪のないものを殺めるわけにはいかない。そして知らない場所で迷子になってしまった命を尊び、慈しむことに意義を見出すことが自らの揺るがぬ正義の糧になることを信じて、今日もアライスローターは戦い続けるのであった。

アライスローターは 悩んでいた。
新たな仲間も加わり、目まぐるしく変わっていく周囲の状況に自分が置いて行かれないか心配だったのだ。
つい最近まで打倒アライグマ人間の使命のため戦っていたにもかかわらず、今は別世界の二人の迷子のアライグマ人間を元の世界に戻すために奔走している。
自分の本来の目的を見失ってしまうことが怖かったのだ。
自分はなんのために作られたか。なんのために存在するのか。
彼は見かけによらず繊細なため、表には出さないが本気で悩んでいた。
ところでここは荒廃した都市。人間が消えたことで使われなくなり風化した施設からは植物が繁茂し、かつての文明の面影は影も形もない。

ガリソン「でっかい街ですねぇ~」

アライスローター「あまり前に出すぎると危ないよガリソ…」

アライスローターの注意勧告をさえぎり、施設の中に隠れていたアライさん軍団のショットガンが火を吹いた。

アライスローター「いって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!たまらん」

四方八方から放たれたショットガンやアサルトライフルの弾丸がアライスローターの堅牢な装甲にダメージを与えていく。
流石にアライスローターもダメージが大きいのか口から血を吐いてもんどりうって倒れる。
その光景はかつて多くの動物が人間に受けた仕打ちと酷似した、一方的な狩りのようであった。
ちなみに某アニメのアライグマ少女とは外見以外一切関係を持たないアライグマ人間は成長すれば人間の道具程度なら教えれば扱えるようになる。そんなにバカではないのだ。

ラッセル「大丈夫かアライスローター!ええい煙幕弾だ!」

ラッセルはこの場を逃れるために周囲に嗅覚及び視覚に致命的な影響を与える煙幕弾を使った。

アライさんA「見失ったのだ!」

アライさんB「手分けして探せ!見つけたらバーベキューにしてやるのだ!」

その場をやり過ごした一行は、寂れた酒場の中に避難していた。

ガリソン「本当にすいません。僕のために…」

アライスローター「いや、ガリソンの突っ走りは関係ない。あいつら前から狙ってた私達のこと…うっ」

傷が痛むのか、脇腹を押さえながらうめき声をあげる。
特例害獣捜査官も無敵ではないのだ。その硬いボディも、時として人間の心以上に脆くなってしまうこともそう少なくはない。

ラッセル「消毒液が切らしてる…」

アライスローター「消毒に関しては私は見ての通りサイボーグだから大丈夫だ。それより身体に付けられた傷をなんとかしないと」

ラッセル「一体どうすれば?」

アライスローター「ここから数km離れた場所に製鉄所がある。そこに溶接用のバーナーがあるからそれを使えばなんとかなるかもしれない。あとは自動リペアでなんとかするから」

ガリソン「アライスローターさんが傷を負ったのは僕の責任です。僕に行かせてください」

アライスローター「わかった」

ラッセル「道に迷うなよ~」

アライさんC「どうだ、見つかったか?」

アライさんJ「ネズミ一匹見つからんのだ」

アライグマ人間が手負いのアライスローターを探して周囲を歩き回っている。そこへ、

アライグマの赤ちゃん「きゅるるるっ!」

アライグマ人間に進化していない野生のアライグマの家族が姿を現した。母親も手負いなのか傷を負った状態で子供をかばっている。

アライさんI「ああっ!かわいい!」

アライさん達はすぐさまアライグマの家族に殺到する。母親は威嚇を試みるが多勢に無勢である。
ここでアライグマの赤ちゃんを一匹取り上げるアライさんの一人。

アライさんD「ああ…かわいい…ふわふわ…いただきまーす」

哀れにもアライグマの赤ちゃんは丸呑みにされてしまった。
他の赤ちゃんも同様の仕打ちを受けないよう赤ちゃんを庇う母親だったが隙を見計らって一匹ずつ同じような目にあわされていく。
ちなみに母親は最後に残った瞬間囲んで棒で叩かれて昇天した。

ガリソン「お待ちどう!」

ガリソンが戻ってきた。手にはバーナーを持っている。絵が稚拙なタイプのアライちゃんならバナナを持ってきていた。食べかけの。

アライスローター「でかした。あとは使えるかどうかだな…」

試しにスイッチを入れてみる。

玉利さん「あっつ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

たまたまそこにいた玉利さんが目と耳を焼かれてしまった。もう長くはないだろう。

アライスローター「使えるようだ。15分ほど時間をもらえないか」

ラッセル「なぁに7分半で終わらせられるさ」

ガリソン「僕も手伝います」

アライスローターの修理は5分で終わった。

アライさんA「どこにいったんだあいつめ…」

アライスローター「ここだここ!」

アライさん達が見上げた先、今にも崩れ落ちそうなビルの上にアライスローターは立っていた。

アライスローター「今の私は逃げも隠れもしない。それは私の使命がため。無念に散った命のため!」

アライさんD「何を小賢しい。やれー!」

アライさん達の銃撃がはじまった。

アライスローター「行くぞ!とぉー!」

だがジャンプの衝撃と銃撃でビルが崩れてアライさん達はそれの下敷きになってしまった。

アライスローター「勝った…」

アライスローター、堂々たる勝利である。
駆け寄る二人の仲間の祝福もあり、彼の心は晴れ晴れとしていた。
まるで先ほどの悩みなど消え失せてしまったかのように。
そして彼らは気持ちを切り替えて次の場所へと向かう。
アライスローターには使命が終わるまでは安住の地などない。
そうとでも言いたいのか、どこかアライスローターの歩みは重たげであった。

アライさんD「奴め、どこに消えたのだ?」

アライスローター「ここだここ!」

崩壊寸前のビルの上にアライスローターは立っていた。

アライスローター「私の命は消えることはない。それは己の使命がため。今を生きることができなかった命がため!」(もう少しかっこいい向上だったけど誤って書き込み寸前に消えてしまった。辛い)

アライさんA「小賢しい!やれ~!」

アライさん達の銃撃が始まった。

アライスローター「行くぞ! とぉー!」

大きく飛翔するアライスローター。だがジャンプと銃撃の衝撃でビルは崩れてアライさん達はそれに巻き込まれて全滅した。

アライスローター「勝った…」

アライスローター、堂々たる勝利である。
駆け寄る二人の仲間とともに分かち合う喜びの笑顔。
そこにかつての苦悩はなかった。
たとえこの身が滅ぼうと使命を果たすまでは消えることすらできない。
そんな宿命であろうが仲間と分かち合う幸せには何事も変えがたい。
アライスローターは仲間とともにより一層の活躍を見せることを固く誓ったのである。

…そして、そんな3人の姿を眺める一つの影があった。彼は何者なのか?
いや…あるいは?

なんか前の書き込みが表示されないと思ったらタイムラグがあっただけで書き込まれてたみたいで最後の1ページが重複してしまいました。

正史(?)は>>27でお願いします

知ると10倍楽しめるアライスローター豆知識

・アライグマ人間はこの作品の中でのアラ虐verのアライさんの解釈だがあまり変わりはない(ただし新種の発生もあるかも?)

・アライグマインフルエンザはアライグマ人間が蔓延させる感染症として便宜上そう言われてるだけでインフルエンザと違って致死率はすごく高い

・アライスローターの害獣反応選定の対象には「住み分けができない人」や「エゴイスト」も含まれている。これはアライグマ人間の性質ゆえ

・この世界では世界中で最も人命を奪った動物ランキングでカバや蚊を抑えてアライグマ人間が1位に躍り出ている。おめでとう

・この世界においては最も一般的なアライグマ人間の容姿は嗜虐心誘発下手絵タイプでもオムツ点々目タイプでもなく例えるならグレ○リンに近い。そりゃ地球も滅ぶわ

激しい戦いを乗り越えたアライスローターは仲間の2人とともに洋館で休んでいた。ガリソンはおもむろに足元のリモコンを拾って テレビに向けてスイッチを押す。すると…

ガリソン「あっ、テレビが付きますよ」

人類は滅んだはずであるが なぜか番組がやっていた。
内容は多分昼ドラかもしれない。

ニーメン「みんな動物が悪いんだ!だから俺は…」

玉利さん「そうだそうだ!お前に俺たちを裁く権利などあるはずが…」

スーパー刑事「うるせえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スーパー刑事の放たれたスーパーワッパーが二人を捕縛する!!!!!!!
ワイヤーにかえしが付いているので痛い!!!!!!!
痛いから叫ぶ二人!!!!!!!
描写的にその数時間後二人は痛みに耐えかねて息耐えたっぽい。

スーパー刑事「俺が正義だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガリソン「かっけぇ!僕もあんなのになってみたいなぁ…」

アライスローターがジャブをしつつテレビに釘付けになるガリソンにお茶を出す。キッチンも無事だったらしい。

アライスローター「否定はしないけど、やってみればわかるがかなり辛いよ。痛いし苦しいし正義を守らねばだし」

マッサージ機にかかっているラッセルもそれに続く。

ラッセル「上層部からの指示に従わないとねぇ~~~~…クビにされちゃうからねぇ~~~~」

ガリソン「あっそっか…。お二人とも辛いんですね…」

戦いを知る者にしか戦いの残酷さはわからない。
ガリソンは平和な世界でのびのびと生きていたがために戦いの世界の恐ろしさをまだ熟知できていなかったのだ。
空気は一気に重くなる。アラスロが雰囲気を変えようと話題を変えようとしたその時!

アライスローター「キャッチ!」

死角から放たれた矢文をアライスローターがキャッチした。

矢文にはこう書かれていた。

拝啓 アライスローター様

今年も初夏の季節がやってまいりました。
季節の変わり目ということもあり、夏風邪をひきやすくなる頃でしょう。
どうかお身体に気をつけてお過ごしください。
さて、本題に移りますが俺と戦え。
場所は富士山麓だ。

アライスローター「滅茶苦茶な文章だ」

アライスローターは怪文書でも送られてきたような反応をした。

ラッセル「どうするの?行く?」

アライスローター「行くしかないだろ。呼ばれたんだから」

かくして、一行は謎の人物が待つ富士山麓にむけて移動を開始した。
途中アライちゃんに会ったけどなんか山犬に襲われて全滅してた。

そして場所は富士山麓。
白銀の世界は荒廃した今も衰えてはいなく、むしろ人が消えた事によって輝きが増したように見えるのは気のせいだろうか。

アライスローター「ここが富士山か」

ラッセル「なんかそれらしくないな」

ガリソン「それらしいから富士山なんですよ」

ラッセルは、ふと山に向かって大声を放つと反響して面白い事に気がついた。そして叫んだ。

ラッセル「ヤッホー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

こだま「ヤッホー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

みんなこれには大喜び。やがて三人だけのこだま大会が開催された。下ネタ放送禁止用語なんでもありだ。世界は滅んでいるので。

と!そこへ一つの投げナイフ!弾くアライスローター!

アライスローター「誰だ!?」

そこに立つのはほっかむりをつけた一つの影!腕を組んでいるので全体像が全く把握できない。高性能センサーも意味なしだ。

アライスローター「名前を名乗らないなら嫌でも吐いてもらう!ディスパイザー!!」

火を吹くディスパイザー・ビームモード。当たればアライグマ人間でも致命傷は免れない。
だが驚くべき事にその影はナイフ一本でそれを弾いて見せた。

アライスローター「効かない!?」

よくみればそのナイフは材質からして違っていた。スーパーチタンだったのだ。
おそらく装甲車すら傷をつける凄まじい威力を持っている代物だろう。
だがスーパーチタンは重い。ナイフ一本につき自転車並みの重さを持っていると考えたほうがいい程である。
となればまず影の正体は人間ではない。

…不気味な沈黙が辺りを支配する。やるか、やられるか。
地獄へ落ちるのはどっちか。今、火蓋は切られようとしていた!

先に動いたのは影!すばやいパンチが鳩尾を狙う!
それをガード!その腕を捻って膝蹴り!
…と言いたいところだが影は既に片脚を払っていた!
倒れこむアラスロ!だが倒れる際の勢いで顎にキック!
吹っ飛ばされる影!そこにたまたまアライちゃんがいたため押し潰される!
そのままフライングボディプレスをかける!避けられた!
グロッキーのアラスロがロープに体をかけた瞬間に胸に影の連続チョップ!
アラスロもこれに対してプロのリアクションか!否!本当に強いからこうなっているのだ!
そして近くの岩を登りつつ狙いを定めた影がドロップキック!
すごい威力!吹っ飛ばされたーッッッ!!!!!!!


アライスローター「つ、強い…」
既に装甲がひびだらけのアライスローター。足取りも重く、焦点も定まっていない。吹っ飛ばされた勢いで頭も打っている。
そこに非情なナイフの一撃!

だがナイフは弾かれた。
ラッセルの銃撃だ。

アライスローター「!?」

ラッセル「そこまで!試合終了!終わり!やめろ!死んじゃうだろ!!!」

ラッセルが影に対して試合の終了を言い放つ。
その際無防備に近づいている。

アライスローター「やめろラッセル!!殺られちゃうだろ!!!」

当然影もその意見を飲むつもりなどない。神聖な戦場に足を踏み入れたらどうなるか。
懐に忍ばせたナイフを大きく掲げる。
ラッセルは死を覚悟した!その時!

アライスローター「…タイム!」

両腕の手の部分だけをTの字にしてタイムを宣告するアライスローター。

アライスローター「この勝負、ひとまずお前の勝ちでいい。だから私の友達に危害を加えるな。な?」

影はナイフを持った手の力を緩める。

アライスローター「そもそもお前の名前を聞いていなかった。名前は?」

影はナイフをしまう。ラッセルも笑っちゃうような体勢でその場を離れる。

影「…」

ボソボソ音で聞こえない。

アライスローター「え?なんだって?」

影「…クーン」

ラッセル「もう一声」

ジャークーン「ジャークーンだ。覚えておけ」

影の名前はジャークーンであった。彼はその場を離れる。
アライスローターはこの時に感じた。
恐ろしい敵がまた一人増えたということを。

夏休み直前記念!アライスローターおまけ編

かつては夢の島と呼ばれていたジャンクの山の中でアライスローター達は面白いものを見つけた。

ガリソン「へぇ~これがかき氷機ですか!」

ラッセル「僕の世界にはないテクノロジーみたいだな」

アライちゃんオムツ「はやくたべさせるのだぁー!」

アライスローター「まぁ待ってなって…あ!!!!!!!!!!!!!!」

操作を間違えたのか突如かき氷機が暴走して20トン分の氷が四方八方に飛び出した。氷塊の一部に至ってはまるでつららであった。

アライちゃんオムツ「がぁー!(死亡)」

アライスローター「はやく逃げろ!爆発するぞー!!」

言葉通りに爆発するかき氷機。なんとかその場を逃れた三人はその爆発が生み出した光景に驚愕した。

ガリソン「ひゃあー!一面銀世界だ!」

20トンの氷の爆発によって周囲はすっかり雪景色となってしまった。

アライスローター「よーし気持ちを切り替えてスキーで楽しもう!」

しかし照りつける日差しのせいで準備をする前に雪が溶けて中止となり三人はなんともやるせない気分になった。

おまけ2

ここはゴミ捨て場。

アライスローター「ミラクル掃除機を見つけたぞ!」

ガリソン「ちょっと使ってみてくださいよ」

ミラクル掃除機はスイッチを入れた瞬間ものすごい吸引力で周囲の物体を吸い始めた。

アライスローター「すげーすげー!いろんなものを吸い込めるぞ!」

埃はもちろん、レジ袋、CD、本、ペットボトル、ソファ、アライちゃんまで色々なものを吸い込むミラクル掃除機。が!

ガリソン「あっ !!成人男性が引っかかった!!!」

吸入口に成人男性が詰まってしまったため取り出すアライスローター。首かけ罠に引っかかった玉利さんだった。
掃除機の吸引力で顔が面白い形に変形していたのでみんなで笑った。

214 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします sage 2018/08/14(火) 11:58:31.94 ID:PDnOLJEw0
某氏「アラ虐には「アニメでうまく立ち回れてなかったイラつくクソ野郎をぶちのめす」っていう独自の大義名分があるから、以前それ関連でキャラ叩いて今アラ虐に心痛めてる人は噛みしめて。
シンとかスザクとかマクギリスとかだよ」

アラ信「むううううんwwwwwwアライちゃんの虐待をそんな理由でやってるとか許せないんだむううううんwwwwwwwwwwww」

某氏「おっ、やるか?^^口喧嘩なら負けんぞけもフレガイ…」

アライスローター「あっ!!!!!!!!!!!!硫酸落っことしちゃった!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



某氏「…はっ!ここはどこだ?」

アライスローター「お前は地獄に落ちた。なんか10の40乗年はそこにいるっぽいよ」

某氏「はあ!?俺が地獄に落ちるとかありえねんですけど!?好きなキャラ汚されたからこういうことしてる被害者なんですけど!?!?あいつらガイ○だから被害者たる俺は貶してもいいんですけど!?!?!?スタッフや関わったペンギンも関係者だからネタにしてもいいんですけど!?!?!?!?てかアラ信のやつはどこなんですけど!?!?!?!?!?」

アライスローター「最初からそんな奴いないよ。お前が一人で狭い場所で叫んでただけだ」

某氏「はぁ!?アラ信は屑だから俺と一緒に落ちて然るべきなんですけど!!!!!俺が過去に嫌な目にあったからあいつらも同じ目にあうべきなんですけど!!!!!!!!!!!!!!!アラ信共は地獄に落ちるべきなんですけど!!!!!!!!!!!!!!!ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

アライスローター「そんなんだから地獄に落とされたんじゃない?」

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