内容は9巻後のパラレルなので気になる未読者とアニメ派そっ閉じ推奨
キャラ崩壊の可能性あり
カズめぐです
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ウィズ魔道具店前
めぐみん「………」ウロウロ
めぐみん「………………」ウロウロ
めぐみん「はぁ………」
めぐみん「こんにち」ガチャ
バニル「へいらっしゃい!先程から店の前でアンデッドのようにウロウロしている娘よ。残念ながらこの店に汝が望んでいるような媚薬などはおぉーっと!そんな危ない魔法を詠唱するのはやめてもらおうか!」
めぐみん「べべっべつに媚薬なんて探しに来てませんよ!ただ買い物に来ただけです!」
バニル「見通す悪魔翌様に嘘が通用する訳がなかろう!だが貴様があの今もよからぬ妄想をしている男とどうしてもくっつきたいというのなら提案があるぞ」
めぐみん「く、くっつきたいなんて思ってもいないです。それに、悪魔の提案なんてよからぬ気しかしないのですが」
バニル「我輩は契約にうるさい悪魔である。騙すなどということは到底する気も無いし、大切な商談相手であるあの小僧の仲間に手を出すのは不利益である。まあ簡単な話でな。あの使えぬ店主が仕入れて来た返品用の魔道具を使ってみるのはどうかと思ったのだ」
めぐみん「なるほど。それで、その魔道具とは?」
バニル「ここからはビジネスの話である!どうだ紅魔の娘。その魔道具を紹介する代わりにこの店で1日アルバイトをしないか」
めぐみん「なぜ商品を紹介されるのにわざわざアルバイトをしなければならないのですか……」
バニル「おや、欲しいのではなかったのか?あの小僧と結ばれたかったのだろう?」ニヤニヤ
めぐみん「べべ、別に結ばれたいとも使いたいとも思ってませんよ!……ただそういうものがあったら最終的に使ってみるのもありかなと思っただけなのです」
バニル「そうか、それは残念である。その魔道具の説明文には『多少意識しあっているのならくっつく確率アップ!』だとか書いてあるのだが」
めぐみん「……」ピクッ
バニル「好き好き夜の間に言い合った汝らなら良いと思ったのだが……」
めぐみん「くっ……」
バニル「まあ、最初の目的も果たせずうじうじと帰るような小娘にはいらぬかもしれんな」
めぐみん「な、なにをーっ!?なにが小娘ですか!大人ですよ!いいですよバイトしますよ!ほら早くバイト用の服を貸してくださいよ!」バッ
バニル「ふはははは!バイト用の服は今店主が倒れている部屋にあるわ。早く取ってくるがいい」
めぐみん「まったく、見通す悪魔なんてものはこれだから…というか、なんでウィズが倒れているのですか」
バニル「仕事中に過労で倒れたので砂糖水を掛けようとしたら『もう砂糖水は嫌ですー!』とか言いながら失神してな。暫く放置しておるのだ」
めぐみん(流石悪魔……鬼畜ですね)
~~~~~
めぐみん「それで、仕事とは何をしたらいいのですか?レジですか?」
バニル「そうだな、汝も紅魔族。見通す悪魔である我輩程ではないが知能も高いだろう。店主の代わりに雇ったようなものだしレジをしてもらう」
めぐみん「分かりました。……約束のもの、終わったらよろしくお願いしますよ。」
バニル「心配しなくてもよいわ。我輩は商品の棚入れをしている。レジのやり方が分からなかったら聞くがいい。まあはなから心配等してないがな」
めぐみん「分かりました。まあ大体買い物の時に見ているので大丈夫ですよ。」
ゆんゆん「こんにちは……ってあれ、めぐみん!?こんなところで何をしてるの?」
めぐみん「いらっしゃいませ」
ゆんゆん「……めぐみん?」
めぐみん「……………」プイッ
ゆんゆん「わあああああーっ!なんで無視するのよっ!」ユサユサ
めぐみん「今の私はめぐみんではなくアルバイトです。話し掛けないで下さい」
ゆんゆん「なんでアルバイトなんてしてるのよ?」
めぐみん「何故あなたに話さないといけないのですか」
ゆんゆん「えぇっ!?私たち友達でしょ!?その位聞いたっていいじゃない!」
めぐみん「嫌ですよ。いーやーでーすー。揺さぶったってあなたの胸が揺れるだけで何も出ませんよ」
バニル「そこの友達と言われて少し嬉しそうにしている紅魔の娘はあの常にいやらしい目付きをしている小僧とくっつきたいがためだけに我が店でアルバイトをしてやめろっ!レジ裏で仕事をしていろ!我輩の仮面を剥がそうとするな!」
めぐみん「い、言い方を考えて下さい!大体そんな事を言う必要ないでは無いですか!それに嬉しそうにもしてませんよ!!」
バニル「我輩は悪魔である!ご馳走がそこにあれば食べるのは当たり前であろう。今の汝は羞恥の悪感情の塊なのだ」
めぐみん「なにが羞恥の塊ですか!紅魔族である私に羞恥の感情なんて……あんまりありませんよ!その気になれば今ここで爆裂魔法を放っても…」
バニル「やめんか!それは羞恥でも悪感情でも無いわ!……所で後ろのぼっちを放置しても良いのか?」
ゆんゆん「」パクパク
めぐみん「……ゆんゆん」
ゆんゆん「………へっ!?な、なに、めぐみん!?」ビクッ
めぐみん「なにか買いませんか?買わないのですか?」
ゆんゆん「へ?え、えっと、じゃあこのうねうねしてるの下さい…」
めぐみん「お買い上げありがとうございます。1500エリスになります」
ゆんゆん「……あの、めぐみん?さっき、カズマさんとくっつきたいって言ってたのは…」
めぐみん「………事実ですよ。私とカズマは布団の中で抱きしめ合ったりする中なんです。いいじゃないですか、そういうことを考えても」プイ
ゆんゆん「!!」
めぐみん「…ゆんゆんは作らないのですか?そういう相手を。あぁ、作れないのでしたね。ゆんゆんですし。」
ゆんゆん「なんでそんなことを言うのよー!」
めぐみん「カズマも私の事を好きと言ってくれましたし、もう後はくっつくだけなのです。ゆんゆんも早く作ったらどうです?…ともだちを」フッ
ゆんゆん「う、うえぇぇー!めぐみんの馬鹿ああああ!」ダッ
バニル「耳まで赤いぞ。……あの紅魔の娘は放置していると際限なく金を使う上得意なのだが」
めぐみん「うるさいですよ!……まあ、私がここでアルバイトをする以上、あの子がいると面倒なことになりますし」
バニル「その分貴様に働いてもらうことになるがな。さて、時間的にそろそろ客が増え始める頃である。心するのだぞ」
~~~~~
めぐみん「つ、疲れましたよ……」
バニル「ふむ、普段より1時間長いラッシュであったわ。何故このような結果になったのか……」
めぐみん「商才があるのかないのかよく分からない言動をするのはやめてもらえますかね。もっと売りたいというのなら人の事を勉強したらどうなのですか?」
バニル「言ってくれるではないか。だが貴様では参考にもならなさそうであるな。またごく普通の名前をした頭のおかしくない人間に話を聞くか」
めぐみん「私の名前に文句があるなら聞こうではないですか!えぇ!文句があるんですか!?」
バニル「ふははははは!随分な悪感情である。美味である。美味である!!」
めぐみん「黒より黒く、闇より暗き漆黒に、我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒の時来たれり」
バニル「やめんか!店どころか街が吹き飛ぶわ!!」
めぐみん「やめて欲しいのならば私の名前を馬鹿にするのはやめてもらおうか。大体、私の爆裂魔法はもはや詠唱もいらない程極められているのです。こうして脅してもらえるだけありがたいと思ってください」
バニル「ふん、それよりも店前にあの男が来ているが」
めぐみん「……私はレジの仕事に戻りますね」
バニル「分かりやすいやつめ…我輩の仮面をつねるな!折れたらどうするつもりであるのだ!」
カズマ「よーっす。あれ、めぐみん?なんでそんな所にいるんだ?」
バニル「らっしゃい!そこの貴様の顔を見て嬉しくなっている娘は」
めぐみん「ちょっと用事があるので!アルバイトをしているだけなのです!ですよね、バニル!」メキッ
バニル「仮面を触るなと言っている!やめ、やめろ!」
カズマ「随分仲が良さそうだな」
めぐみん「良いわけ無いでしょう!?」
カズマ「………」ジー
めぐみん「…カ、カズマ?そんな珍しいものを見るような目でじっと見られるとさすがに恥ずかしいのですが……普段通りいやらしい目付きをされた方が幾分か楽なのですが」
カズマ「い、いやらしい目付きなんてしてねーよ!いや、なんか、めぐみんのエプロン姿なんて普段見ないから凄く可愛く見えて」
めぐみん「ほう?それは私が普段は可愛くないとでも言っているのですかね?」キラン
カズマ「違う!ちが、違うって!杖を持ってこっちに躙り寄るな!めぐみんの事は普段から可愛いと思ってるけど普段の姿と違って新鮮で可愛いなと……」
めぐみん「……」モジッ
カズマ「照れてんの?」
めぐみん「てっ照れてませんよ!照れてません!」
カズマ「え、でも今もじもじ」
めぐみん「してないと言ったらしてません!!」
バニル「………」ウンウン
カズマ「……どうしたんだ、バニル」
バニル「いやなに、先程からそこそこ質の高い羞恥の悪感情を味わっているのでな。以前くっつこうが子作りしようが構わんとは言ったが、意外とそうではないのかもしれん」
めぐみん「くっつくなと!?あなたがそれを言うのですか!?」
バニル「ふはは!我輩は我輩の考えを口にしただけである。いくら小僧の事を好きになり過ぎて少し精神が不安でもそこは勘違いしないで頂きたい」
めぐみん「なってませんよ!!そんなにおかしくなるまで好きな訳で、訳では……!」
カズマ「なんだお前、そんなに俺とくっつきたいのなら言えばいいじゃないか。俺はいつでもウェルカムだぞ」
めぐみん「カズマは黙っててください!!」
バニル「とは言え、先程紅魔の娘が可愛いと言われた時に溢れかえった好意の感情は我輩の好む感情ではない。まったく、悪感情を放つかイチャコラするかどちらかはならんのか人間というものは」
カズマ「人間ってのはそんなに簡単な生き物じゃないんだよ。なあ、めぐみ………どうした?」
めぐみん「………///」
バニル「羞恥の悪感情は基本的に繰り返すと薄くなるものなのだが……なぜ濃くなっていくのだ?」
カズマ「……まあ、そういう曖昧なものが人間ってもんだからな。俺だって例の店で繰り返しお世話になってたらいつの間にか初めの頃のような緊張感は無くなってた代わりに愛着が湧くようになったしな」
バニル「なにか違うような気もするが、まあ良い。先程から今晩にでも押し倒しに行こうかと考えている娘。早く仕事に戻らんか」
めぐみん「かんがっ!かん、考えてませんよ!思考の一部だけを歪曲して伝えるのはやめてください!あぁ、カズマもニヤニヤしないでくださ、ニヤニヤしないでください!!!」ババッ
カズマ「い、いや、お前がそれでいいんならいいんだけどな。そこになると、俺にも心の準備はあるし、明日ならどうだ」
めぐみん「分かってないじゃないですかっ!あぁ、なんで今日は私こんなに転がされてるんでしょうか……ところで、カズマは何故ここへ?このゲスクズカス悪魔に商談でも?」
バニル(酷い言い草だな)
カズマ「えっ…いや、その、うーん……」
バニル「なに、小僧はつい先日新しく作った道具のレプリカの為に」
カズマ「ストーップ!1回黙ろうか!」ガシッ
バニル「なぜ貴様らはそんなに吾輩の仮面が好きなのだ!やめろ、触るな!それで、この前聞かされたダイナマイトとやらはいつ完成するのだ」ヒソヒソ
カズマ「一回完成したんだけどめぐみんに怒られて材料ごと捨てたんだよ。だから隠れて作るつもりなんだ。黙っててくれ。例のポーションはあるよな?」ヒソヒソ
バニル「もちろんだ。ではゆっくりしていくといい。紅魔の娘、しばらくレジを預かる。貴様は裏で店主に掛ける用の砂糖水でも飲んでいるが良い」
めぐみん「なんだかよく分かりませんが、休憩ということでしょうか。そういうことなら失礼させていただきます。砂糖水は飲みませんが」ガチャ
めぐみん「………ふぅ」パタパタ
めぐみん「あの悪魔は本当に迷惑な存在ですね……羞恥の感情なら他にも取れるでしょうに」パタパタ
めぐみん(顔の火照りが抜けませんね…)パタパタ
ウィズ「あの………」スッ
めぐみん「ピャァ!…………ウ、ウィズ!?木箱の上でそんな格好で寝て……どうしたのですか?」
ウィズ「バニルさんが、休憩してもいいって言ってくれたんです。木箱の上で休憩させてもらえるだなんて、幸せです」
めぐみん「………以前カズマが言っていた言葉を借りるなら、とんでもない社畜根性というやつですね。そんな働き方をしていたら体を壊しますよ?」
ウィズ「私はアンデッドですので、体を壊す心配はないので、大丈夫です。壊れるとしても心の方ですから」
めぐみん「ウィズの心が壊れて暴れ回られたら、アクセルに被害が出るなんてレベルじゃすまないと思うのでどうか大事にして下さい………」
ウィズ「………そんな事より、なぜここでそんな格好をしているんですか?」
~~~~~
ウィズ「なるほど、カズマさんと………」
めぐみん「あの悪魔はこの事を知ってますし、ウィズも店主だから話すのです。あ、あの、この事は他の人には」
ウィズ「言いませんよ。私だって元は人間ですから多少はその気持ちも分かります」
めぐみん「う、あ、ありがとうございます……そろそろ私は仕事に戻りますね」
ウィズ「あ、その前にそこの砂糖水掛けて貰えませんか?」
めぐみん「……分かりました………」バシャッ
めぐみん「さてと」ガチャ
カズマ「……~~~つまり、これに火を付けると連鎖反応的に爆発して、大爆発をおこすんだ」
バニル「粉塵爆発なるものを聞いたことがあるが、それとは違うのか?」
カズマ「あっちは炎だな。炎が拡がる。これは完全に爆……発………」ピタッ
バニル「どうした、小僧………」
めぐみん「……………」フルフル
カズマ「……め、めぐみん?違うんだ、これは。これは科学の発展のため、全ての為に必要な事で………」
バニル「その通りである。このように擬似爆裂魔法が使えるようになれば………」
めぐみん「それは炸裂魔法程度の威力ですよ」
バニル「あ、はい」ギラン
カズマ「落ち着け、落ち着いてくれめぐみん。いや確かに怒るのは分かる。悪かった。本当に悪かった。でもこれだって………」
めぐみん「なんなんですか」
カズマ「えっ」
めぐみん「なんでカズマは私を約立たずにしようとするんですか。知ってますよ、自分がぽんこつ魔法使いな事くらい。爆裂魔法しか使えない魔法使いなんて要らないにも程があるなんて知ってますから」
カズマ「めぐみん、落ち着け、な?」
めぐみん「私の取り柄の爆裂魔法をみんなが使えるようになったら私はどうしたらいいんですか。ただでさえ自分よりも戦闘力の高いキャラが被ってる子が現れて焦ってるのに」
カズマ「え、誰の事?お前とキャラが被ってるって」
めぐみん「アイリスの事ですよ。……そんなことは今はどうでもいいんです!そうですよ、言いましたよね、そんなだめな所も好きだって!そうですよ、好きですよ!でも好きでも思うんですよ!」
めぐみん「カズマは私をどうしたいんですか!取り柄を失ったらそれこそ私ただの一般人ですよ!」
カズマ「お前は爆裂魔法抜きにしても普通の主婦とやって行けそうだけど」
めぐみん「そんな話をしているのではないのですよ!カズマに私の取り柄を否定されたら、私どうしたらいいんですか………!」
カズマ「………その、………めぐみん?いや、その、悪かった。本当に悪かった。嘘を吐いたのは謝る。お前がそこまで思いつめてたなんて知らなかった」
めぐみん「………」
カズマ「お前の爆裂魔法への愛がどれだけかってのは知ってた。でも、ごめん、ダイナマイトがお前にとってそんなに危ない物だとは思ってなかったんだ」
めぐみん「………それなら」チラッ
バニル「………ふむ、チラチラと光がうっとおしいが、ダイナマイトを今後作ったり使ったりしている未来は見えんな」
カズマ「本当に悪かった。試し打ちの時エクスプロージョンって叫んだのも、遊びのつもりだったんだ」
めぐみん「あの事はもう許しましたよ」
カズマ「そ、そうか?」ホッ
めぐみん「……ついさっき許さなかったことにしましたけど」ジロッ
カズマ「うっ」
めぐみん「冗談ですよ。なんだかんだ言ってもちゃんと止めてくれる、あなたが好きです。それに………」
カズマ(流石にこれはもう生産出来ないな……)
めぐみん「……あれは、私の為に作ってくれていたのでしょう?私が1回しか爆裂魔法を撃てないから、それで発散できるようにするために」
カズマ「まあ。……それが1番と言ったらそうなのかもな。色んな用途に使えると思って作ったけど…」
めぐみん「………」ジー
カズマ「な、なんだよ……」
めぐみん「ふふ、その言葉を聞けただけでもう全部良いです。好きですよカズマ。この際だからもう一回言いますけど好きです」
カズマ「な、なんなんだよお前、今日は少しおかしいぞ!?さっきから妙に殊勝な態度を取ってみたり!」バッ
めぐみん「つつつつい先日あんなことがあったのですよ!?意識するに決まってるじゃないですか!どうせならもっともっと言ってあげましょうか!」
カズマ「好きを大安売りするのはやめろ。好きって言葉に価値が無くなるぞ」
めぐみん「う……だったらたまーにしか言いません」
カズマ「いや、待て、それは少し寂しいような」
めぐみん「どっちがいいんですか、全くこの男は……」
バニル「ふむ、ところで、アルバイトの時間は既に過ぎているのだが。紅魔の娘を少し借りるぞ」
今日はここまで
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