20年後の豚 (10)
介護施設「アドリアーノ」
老豚「・・・」ポケーッ
介護士「ポルコさ~ん。朝ご飯持ってきましたよ~」
老豚「ほぃほぃ」
介護士「ポルコさんったら・・・また、ご飯こぼしてるじゃない?」
老豚「ほぇ?」クッチャクッチャ
介護士「しょうがないなぁ・・」フキフキ
老豚「・・・」クッチャクッチャ
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スタッフルーム
介護士「お疲れさまですぅ・・」
ジーナ「お疲れ様~彼、元気だった?」
介護士「あ、はい!今日も元気そうに景色を眺めてましたね」
ジーナ「貴方にはずっと面倒見させちゃってごめんなさい・・」
介護士「いえ、私は彼のファンですから・・」
ジーナ「ありがとう」
ある日の昼下がり
老豚「・・・」ポケーッ
介護士「ポルコさ~ん。今日は久しぶりにお外に散歩でもどう?」
老豚「ほぃほぃ」ペチャペチャ
介護士「準備するから少し待ってね~」
・・・・・・・・・・・
老豚「おぉー」
介護士「綺麗な花が生えてるね~」
介護士「この庭の花は全てジーナさんが手入れしてるのよ?」
老豚「ほぇ~」ジーッ
介護士「今度、ジーナさんにお花を採ってもいいか聞いてみるね!」
介護士「ポルコさんのお部屋に飾りましょ?」
老豚「うぃ」コクンッ
スタッフルーム
介護士「お疲れ様ですー」
ジーナ「お疲れ様~」
介護士「庭にあるお花なんですが、少し採ってもいいですか?」
ジーナ「花?別にいいわよ」
介護士「ポルコさんのお部屋に飾ってあげようかと思いまして」
ジーナ「そっか・・ポルコも花を見て楽しむ時が来たのね~」ハァ
介護士「ポルコさんも私もジーナさんもあれから老いましたしね・・」
ジーナ「そうねぇ・・」
・・・・・・・・・・・
介護士「ポルコさんお花持ってきましたよ~」
コトッ
老豚「おぉ~」
介護士「良い香りがするから夜も良く寝れると思うよ!」
老豚「うぃぅい」コクンコクンッ
やっいまった!!!ポルコじゃねぇ!!マルコや!!
ある日の夕暮れ
介護士「さて・・夜ご飯持っていくか~」
同僚「フィオさんお先失礼します!」
介護士「あ、お疲れさまですー!」
コンコンッ
介護士「マルコさ~ん、入りますよー」
ガチャッ
老豚(人)「・・・」
介護士「マルコさん!?」
老豚(人)「あぁ・・フィオか」
介護士「私の事分かるんですか!?」
老豚(人)「分かるとも」
介護士「というか、人間に戻ってる!」
老豚(人)「ん・・・そんな事より、夕日を見てみろ」
介護士「え、うん・・?」
老豚(人)「空が紅の色に染まってやがる・・」
介護士「そうだね?」
老豚(人)「仲間達が空を飛び回ってやがる」
老豚(人)「俺もあそこに行って空を飛びたい」
介護士「・・・」
老豚(人)「ジーナによろしく伝えてくれや」
介護士「待って!ジーナさんとちゃんと話を!」
老豚(人)「生憎、湿っぽいのは苦手でな」
老豚(人)「俺は先行くぜ」
老豚(人)「フィオも元気でな」
介護士「マルコさん!」
老豚「・・・」シーンッ
介護士「マルコ・・・」
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