ダイヤ「悪い夢」(17)

幼い頃から果南さんには普通の女性には備わっていない「男性器」があり、何も知らなかった私達は気にもとめずにいましたが、中学3年に上がった頃、突然押し倒されたことが全ての始まりでしたわ。

ダイヤ「か、果南さん!?」

 イタズラじゃない、ということは日を見るより明らかなほどその目はギラギラと飢えており、荒い息が前髪を荒く撫でる。

果南「ごめんダイヤ。でも、抑えられないんだ」

 無理やり重ねられた唇、乱雑に潜り込まれ口内を隅から隅まで呻く舌が蹂躙し、溢れんばかりの唾液が口端から零れていく。
 ファーストキスを最低の形で喪失し、私のか細い腕が果南さんの力に勝てるわけがなく、馬乗りになられたら抵抗するすべもありません。

果南「ダイヤダイヤダイヤ……!!!」

 余裕なく私の白い肌へ舌を這わし、何度も唇で鬱血の痕を刻む。だめ……そこは見えてしまう。
 しかし言葉だけの反抗は逆効果で「じゃあもっとつけないとね!」と、首筋は果南さんの痕でマーキングされましたわ。

果南「大人しくしててよ……」

 私のスカーフを制服から抜き取り両手を机の脚にキツく縛られ、自分の非力さを嘆くしかありません。目の前で私を襲う果南さんは本当の果南さんですの? あの優しい姿は偽りで、本当はこういうことをするために近づいてきてましたの?
 いいえ、違いますわ……これはきっと。

果南「ダイヤの肌は白くて羨ましいなぁ……控えめなこの乳、私は大好きだよ?」

 そう言って私の乳房にむしゃぶりつき、自己満足のために優しさも愛でる気持ちもなく、力任せに鷲掴みにされ揉み潰され気持ちよさよりも痛みが酷く、声に出してしまえば「ちょっと、人に聞こえたらどうすんの?」と、鈍い痛みが顔に走り、景色が歪みましたわ。

ダイヤ「え……?」

 信じられなかった。今まで何度も喧嘩はしてきましたけれど、決して手は出されてなかった。果南さんは誰よりも人の痛みがわかる方だから……なのに、涙が止まらなくて頬の痛みに心が引き裂かれ、

果南「大体さ、悪いのはダイヤなんだよ?」

 腹部に果南さんの拳が叩き込まれ、めり込み、吐瀉物が喉を駆け上がり、そこで初めて親友に「強姦」されてるのだと理解したのです。

果南「中学上がった途端、急に色気が出てきて私を誘ってさ……そのくせ無自覚なんだから襲われても文句ないよね?」

知りませんわ……その一言は2度の痛みで閉ざされ、口を噤み、大人しく身体を差し出すことが我が身を守ることなのだと知られましたの。

果南「そう、大人しくしてたらいいんだよ。もし今度なんか喋ったら……わかってるよね?」

 殴られた痛みがトラウマとなり、涙を飲んでただただ人形のように首を縦に降るしか「無事で済む」方法ないのです。

例え、乳を乱暴に噛まれて握り潰されて酷く内出血しても、苦悶の表情を浮かべただけで幾度も腹部を殴打されても。

 這う舌が気持ち悪い、身体を蝕む果南さんに吐きそう、何度も脳が警報を鳴らすけれど「抵抗」という思考は放棄しましたわ。

果南「もう濡れてんじゃん。ダイヤも期待してたんでしょ?」

 あぁきっとそれは自己防衛のために濡れてるのですわ……きっとこの先に待ち受ける「あれ」を傷つかず受け入れるために。

果南「清楚なふりして欲しがりだったんだね」

 果南さん、貴女はいくら「男性器」が備わっていても女の子なのですから、何故私の膣が濡れているのか理解できるはずでしょう?
 本当は受け入れたくありませんのよ?

果南「すぐ気持ちよくなるから!!!」

 脱ぎ去ったスカートから現れた果南さんの「男性器」は凶暴な獣のようで、これが果南さんをおかしくしたのだと恨みましたわ。

ダイヤ「っ!?」

 殴打の痛みとは違う、無理やり内蔵をこじ開けあられ肉体の内側を硬い凶器で抉られたかのようなグチャグチャな痛みに声を我慢出来ず、

果南「うるさい!!!」

 3度目の拳が左目を巻き込んで私の顔へと振りかざされましたわ。

 痛い、痛い、痛い、無我夢中な猿のように振られる腰、蠢く「男性器」が経験したことのない辛すぎる痛みに痛みを重ね、悲鳴をあげる膣に耐えきれるはずもなく、その度に私の顔は黙らされるために殴打されましたわ。

 突然震えて快楽の波に飲まれる果南さんを見て、
「あぁ、私は中に出されましたのね……」と諦めにも近い感情に涙が一雫真っ青な頬を伝い、同時にこれで終わり、明日からまた「いつもの日常」に戻り悪い夢だったと自分に信じ込ませる日々が始まるのだと思いましたが、

果南「!!!!」

 それは勘違いで果南さんが満足するまで私は何度中出しされても、殴られても、全てを受け入れるしかなく、やがて解放された時にはあまりにも醜い「痣だらけの臭い女」がそこにいましたわ。

鞠莉「ダイヤ!」

 身ぐるみを剥がされ、鞠莉さんのホテルの前に捨てられた私は無事保護してもらえました。
 
鼻をつく臭いが洗っても洗っても落ちない気がして、髪にこびりついた精液は切る以外の選択はなく、身体中がボロボロでもう立っていられなかったのです。もう2度と以前の美しさには戻れない……膣から流れ出る「果南さん」の精液を見てパニックに叫んだら、鞠莉さんがすぐ駆けつけ私を抱きしめてくれましたの。

鞠莉「ごめん……ごめんね……ダイヤ……」

 暴れ回る私の手に引っ掻かれても彼女は抱きしめることをやめなくて、落ち着くまで側にいてくれましたの。泣き叫び続けやがて疲れたのか、私は大人しく鞠莉さんに身体を綺麗にしてもらいましたわ。と言っても、お風呂に入れてもらって髪を切り、可愛い洋服を着せてもらっただけですが。

ただ、いつ鞠莉さんが果南さんと同じように襲いかかるか……そう考えたら手の震えが止まりませんでしたが、その度に「大丈夫……大丈夫だから」と力強く訴えてくれましたわ。

しかし、家には帰れません。今の私の姿を黒澤家に持ち帰るわけにはいかず、当分の間は鞠莉さんの部屋で過ごすことになる……それがどういうことかすぐに身をもって知りましたわ。

果南「お、綺麗になってるね」

 どうやら私は、大切な親友2人に裏切られてたようですわ。
目を腫らして泣き続ける鞠莉さん、
お人形さんのように整えられた私、
鋏でせっかくのお洋服を破いてしまう果南さん。
 
果南「お家に帰りたかったら、わかってるよね?」

 あの時と同じように裸にされた私の前に、凶暴な「男性器」が突きつけられ「口を開けて」と指示されたので、恐る恐る小さな口を開くと磯臭いそれが喉奥まで無理やり捻じ込まれましたの。
 むせて咳をしても抜かれることはなく、口内いっぱいの「男性器」は生物のように私の口を膣と勘違いして脈をビクビクとさせます。
 苦しい、吐きそう、でも大人しくしなければ……これが生き地獄なのですわね。

果南「ああっ!!!」

 喉の奥の奥、息を閉ざされ物のように恐ろしいほど臭い精液を喉へと流し込まれ、激しい嫌悪感と嘔吐感が血液のように溢れ出し、喉の中でせめぎあってついに全て逆流してしまいました。
 咄嗟に「男性器」を抜いた果南さんですが、どうやら亀頭に少々かかってしまったようで。
 私は気付かず、並の高校生では決して手が届かないほど高級なカーペットの上に堰き止められなかった気持ち悪さを嘔吐。胃液がすっからかんになったのでは?と錯覚するほど、流し込まれた精液を一滴も残さず身体から排除したかったんですの。

果南「なに……やってくれてんの!」

だけど、私の景色は白濁とした吐瀉物の海へと叩きつけられ、息をすれば鼻腔が壊死してしまうほどの強烈な刺激臭が入り込み、舌に触れるものなら今すぐにも切り落としたくなりましたわ。

果南「ねぇそんなに私のが嫌!? 素直に飲めないの!?」

鞠莉「や、やめて……果南……もうやめて……」

果南「うるさい!鞠莉はどっちの味方なの!?」

  どうしてこんなことに……足掻いても地獄からは解放されず、痛い程に押し付けられてしまいます。

果南「ねぇダイヤ……私の言うこと聞けないんだったら、ルビィがどうなってもいいんだよね?」

 ルビィ……!最愛の妹の笑顔が、私のように壊されるのだけは……ダメですわ!!!
 ルビィにだけは……手を出さないで!!!

果南「嫌でしょ? ルビィを守りたいんでしょ? だったらわかってるよね? ダイヤが私に逆らうつもりなら知らないよ?」

  髪を掴まれ、顔を上げられました。

眼下に広がるのは自身の吐瀉物……お願いします、神様。この世に堕天使がいるならばどうかお伝えください……私を不幸にしないで、と。

 それからはずっと果南さんの「物」ですわ。
 朝起きれば果南さんにお口で奉仕をし、少しでも歯を立てれば蹴り飛ばされ、お昼には泣きながら謝る鞠莉さんのお馬になり、夕方頃になりますとずっと果南さんの性欲処理ですわ。
 食べる物と言えば「精液」と「鞠莉さんがこっそりくださった余り物」ですわね。まぁ、後者はすぐにバレて吐かされましたわ。

 ルビィのため……そう思えば例え氷水のお風呂に閉じ込められても、痣がいつまでも消えなくても、心配する妹に「お姉ちゃんは今、果南さん、鞠莉さんと試験勉強に集中しますので安心してね」と嘘を伝えようとへっちゃらですわ。
 携帯を握る手が震えて止まらなくても。

鞠莉「ダイヤ……ごめんなさい……」

果南さんがお店の手伝いで不在の時、鞠莉さんはずっと私に謝り続ける。ここ最近、彼女が笑ってるのを見たことがありませんの。

鞠莉「最低だよね……でも、果南がいなかったら私、立ち直れない……だって果南が好きだから……」

 果南さんに捨てられる……それは鞠莉さんにとって人生の終わりに相応しいものであると私は理解してますわ。だからこそ、責めることなど出来きませんの。

 そっと優しく鞠莉さんを抱きしめる……小刻みに震える方が痛々しく、この苦しみを少しでも和らげたい……そう思って入れば、

鞠莉「なのに果南はダイヤのことばっかり……私が誘惑してもずっとダイヤとセックスしてばっかりじゃない……なんで……なんでなんでなんで!!!」

 突き飛ばされ、ゾッとするほどの「怒り」が顕になった鞠莉さんのそれはまさしく般若……私の傷と痕に穢れた喉を力任せに締め「あんたがいるから……ダイヤがいるから果南は狂ったのよ!!!!!私の果南を返して!!!」
心が壊れたからなのか、あの笑顔に隠していたのか、吐露される感情はあまりにも重く、絶対に聞きたくなかった……お願いだから……私を貴女が否定しないで……。

 思い出が、初めて出会ってからずっと輝いていた日々が音を立てて崩れ、払いのけようとする手も力を失い

「これはきっと悪い夢……だって、鞠莉さんも果南さんもこんな人じゃない……友達想いの本当に優しい人達……だから目を覚まさないと。浦の星女学院に入学したらスクールアイドルを……おふた方と……ルビィと……」

 静かに瞳を閉じた。

果南「ダイヤ!ちょっとダイヤ!練習始まるよ!」

鞠莉「お寝坊はぶっぶーだよ!」

ルビィ「で、でも最近生徒会も大変だったから寝かしてあげた方が……」

 うるさいですわね……私は夢から覚めないといけませんのよ?

?「くくく、全く仕方ないわね。ここは──の魔力で!」

?「やめるずら」

 どなたですの……? 聞き覚えのない声ですわね。
 それにしてもルビィまでいるなんて……もしやこれもまた夢?

?「ダイヤさん起きた時1人だったらびっくりしちゃうし、リーダーの──がいるよ」

 リーダー? 練習? 一体なんですの?

?「じゃあそうしよっか!ラブライブも近いし!よーし、屋上まで全速前進ヨーソロー!」

?「あ、ちょっと待って!まだ着替えてないわよ!」

 なんて賑やかな夢なんですの……果南さんも鞠莉さんも、ルビィも……元気に笑えていますわね……みんな仲がとても良さそうで……きっと素敵な仲間達ですわね。ふふ、ほんのちょっとでも目を開けられたら、せめてこの夢が終わる前に眩しいほどの輝きを────。

直後底冷えする水に足元から飲み込まれ、私は必死に足掻くけれど頭を凶暴な力に押さえつけられ狂うほどに抵抗すれば、

果南「やっと起きたね」

 心地よい夢の中ではなく、氷水に裸で浸からされた現実が私に突きつけられましたわ。髪が千切れてしまうほど乱雑に掴まれており、顔を動かせませんの。

果南「帰ってきてびっくりしたよ。鞠莉に遊ばれてたなんてさ。いくら叩いても起きないからこれは罰だよ」

 鞠莉さんは私を本気で絶命させようと手にかけてきたのに、果南さんにとっては遊び……ならいっそのこと遊びのまま終わらせて欲しかった、そう一瞬だけ頭をよぎりましたが、もしそうなれば……

 次のターゲットはルビィ。

 生き地獄では、死すらも許されない……そう、妹を、ルビィを守るために……。

果南「ほら早く上がって。こっちは我慢してんだから」

 傷んでボロボロな自慢だった髪を引っ張られ、私は無理やり風呂場を後にしましたわ。リビングでは鞠莉さんが縛られ、デリケートな女性器から割れて粉々になった電球の破片が突き出してるのを見て、思わず色々なものが込み上げてきましたがこれ以上果南さんの期限を損ねるわけにもいかず、ただただ涙を飲むだけ……。

果南「冷たいダイヤの身体……海みたいで気持ちいいや……」

 ベッドの上に押し倒された私は、それから数えきれないほど果南さんの全てを受け止め、数え切れないほどの痛みの中、奉仕しましたわ……。

もちろん、そんな生活を続けてれば当然ですが。
ダイヤ「う……ううぇ!!うえぇぇぇ!!」

 抗いようのない吐き気と今までにない体調の悪化が訪れ、何故か鞠莉さんの部屋に隠してあった「検査薬」で調べたところ、赤子を孕んでしまいましたの。

 絶望、ですわ。この年齢で結婚をしていない相手との行為で望まぬ妊娠……もう、黒澤家には戻れませんわ……。

果南「へー、あっそ」

 冷たくあしらわれ、その日は珍しく何もされませんでしたの。ただ「次どうしようかな……」そう呟いていた貴女の言葉はきっと忘れませんわ。だって私の次となればそれはきっと……。

 いけませんわ……。

  ルビィには……ルビィだけには……!!!

ダイヤ「果南さん!ルビィだけは……ルビィだけには!!!」

例え貴女に赤子の部屋を流産させるまで暴行されても、
「ダイヤはもう使えないんだよ!」
と身体が血塗れになるまで蹴り続けられても、ルビィを守るためならば!

果南「はぉはぁ……しつこいんだよ!だったら今すぐ出して!孕んだのを出してよ!」

顔へ叩き込まれた足先が変な角度に入り、右目を押し潰したとしても、果南さんは悶え苦しむ私に向けて投げつけてきた……鉄製の鋭利な鋏を。

果南「妹が同じ目に合いたくないならできるでしょ?なに?やれないの?」

壊れる……何かが壊れていく……ルビィには絶対手を出させない……だったら、

ダイヤ「果南……さん……」

貴女の命をこの手で奪うまで……。
血が滲むほど握りしめた凶器は不思議と私に勇気を与えてくれて、ボロボロなこの身が残りの力すべてを出し切って「殺害」のため凶刃を振り下ろした……かつての親友へ。

果南「結局自分なんだ」

しかし、いとも容易く私の青ざめたか細い腕は捕まり、希望だった鋏が取り上げられてしまった。

果南「ダイヤがやらないなら、私がやる」

だめ……やめて……と抵抗するまもなく、下腹部へ想像を絶する激痛が、膣の壁を抉り押し込まれていく……私の内側をズタズタに壊していきながら。

かき乱される……血が溢れる……このままショックで生命活動を終えたい……。
だけど既に限界を迎えていたのか、漠然と「死」を感じましたの……もうこれで私の人生はピリオドを打つのだと。最低最悪な形で。
まだやらないといけないことがあるのに。

ルビィを……ルビィを……ルビィを守らないと、

突然痛みを感じなくなった身体……私はすぐさま手を必死に伸ばし、部屋の椅子を持ち上げると勢いよく果南さんの頭へぶつける。1度床へ倒れるのものの、すぐさま起き上がろうとしたので今度は角で何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も殴打した。気がついたら床一面へと広がる温かい血の海が、冷えきった私の足を包み込んでくれてましたの。
深く突き刺さった鋏を引っこ抜くと刃には生々しい真っ赤な肉が付着しており、ゼリーのように潰れた脳へ突き刺すと鞠莉さんの元へと向かう。

 女性器の傷を放置されたからか、悪い菌が入り込んで化膿していましたの。見るからに衰弱してましたので、
ダイヤ「鞠莉さん、親友からの最後のプレゼントですわよ」
 果南さんと同じ末路を捧げましたわ。

終わった……地獄のような日々があっけなく。
 大切な親友2人を手にかけた心境は意外にも清々しく、暗闇だった道に光が差し込んだかのような気分ですわ。

 ここまで出来るなら、どうして言いなりになっていたのか……過去の自分を恥じてしまいます。

 しかし、私のやるべき事はまだ終わっていませんの。
 子宮に手を当て、優しくさする。いくら相手が果南さんと言えど私に宿ったかけがえのない生命……もし平穏な家庭を築き、貴女を身篭る未来があったならば名前は何が良いのか、せっかくですし宝石に由来したものをつけたいですわね……でも、どうか普通の人生を、何も縛られない自由な人生を歩んでほしいですわね……。

 きっとルビィがお姉ちゃんになるんだぁ!なんて勘違いして、かつて私がそうだったように沢山の愛情を注いでくれる姿が目に浮かびますわ……愛する方と愛する娘、そして愛する妹ルビィとの生活……ふふ、今の私には過ぎたことですわね。

 ねぇルビィ……こんなお姉ちゃんをどうか許さないで……。

私は貴女と交わした約束を、
浦の星女学院で一緒にスクールアイドルという夢を叶えられないことが何よりの後悔ですわ。

 だから、どうか……1人でも強く生きて?
  
 服は全て焼却されたので裸のままベランダへと出て、夜風を剥き出しの肌で感じる。

ダイヤ「最期に1目だけ……貴女に会いたかった」

  誰よりも愛していますわよ……ルビィ。

 ゆっくりと閉じる瞳に描かれるのは、夢の中で見た光り輝くルビィ達の姿……このまま身体が打ち付けられたら、私もそっちの世界へと行けますか?

ルビィ「お姉ちゃんどうしたの!?」

ダイヤ「え?」

 ルビィに指摘されて初めて、自分が練習前の部室で涙を流していると気づいた。
先程まで見ていた夢のせい……?
しかし、目覚めた今となっては何も思い出せない。

ダイヤ「あ、いえ……何もありませんわ!きっと目にゴミが入ってしまったのでしょう」

ルビィ「本当に大丈夫……?」

ダイヤ「ふふ、ルビィは本当に優しい子ですわね」

ルビィの頭を撫でていると、皆さんの賑やかな声が聞こえてきましたわ。

ダイヤ「全く、遅いですわよ!」

果南「ちょっとダイヤ張り切りすぎだって~」

鞠莉「そうよそうよ!」

ダイヤ「ぶっぶーですわ!ラブライブも近いのですから、当然ですわよ!」

 何故か今日は不思議と、いつもよりAqoursの練習を頑張らねば……!と思いましたの。

 きっとラブライブが近いから……ですわよね。

おわりです。

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