笑美「念願のアイドルになって2ヶ月ちょい……仕事ないなあ」

モバP「ハハッ、超ウケるw」

笑美「しばくぞ！　ウチの仕事探すのがお前の仕事やろがい！」

モバP「ずっと隠してたんだけど、実は仕事があるんですよ」

笑美「隠すなや！　好きな子に意地悪する男の子か！」

モバP「うっせーブス！」

笑美「小学生か！　担当アイドル、ちゅうか年頃の娘にブス言うなや！！

　　　で、どんな仕事なん？」

モバP「入浴剤の広告撮影です」

笑美「なんや大抜擢やなぁ……ん？

　　　ひょっとしてウチ脱がなあかんか？」

モバP「346は女の子を斡旋する風呂屋なんで」

笑美「やめろやその言い方！　働く気無うなるわ！」

モバP「やってくれたら、豚になった両親を元に戻してあげるよ」

笑美「千と千尋か！　誰の両親が豚や！

　　　たしかに最近太ってきたけども！！」

モバP「いいから働け。そなたは美しい」

笑美「ジブリ大好きか！

　　　最悪のタイミングで褒めるなや！」

モバP「じゃあ今から車出しますね」

笑美「拒否権ないんか……しゃあない、やったるわ」

ｶﾒﾗﾏﾝ「こんにちは。私、ｶﾒﾗﾏﾝと申します！」

笑美「自分“ｶﾒﾗﾏﾝ”って名前なん？
　　　もとの名前が贅沢やったん？」

ｶﾒﾗﾏﾝ「どうせエンドロールで“ｶﾒﾗﾏﾝ”になるんで、名乗るだけ無駄かなって」

笑美「駆け出しの役者か！」

モバP「俺は主役なのに“モバP”ですよ」

笑美「“俺のほうがつらい”選手権はじめんなや！　
　　　 アンタなら優勝できるかもしれんが！」

ｶﾒﾗﾏﾝ「じゃあこちらの水着に着替えてください」

笑美「おっ、マッパにならんでもええんやな」

モバP「ちょっと！　そんな話聞いてないわよ！」

笑美「抗議すんなや！　どんだけ裸が見たいんや！」

モバP「裸が見たいから他の仕事断ってたのに！」

笑美「仕事無かったのお前のせいか！　マジでしばくぞ！！」

ｶﾒﾗﾏﾝ「更衣室は2階です」

モバP「俺が責任を持って案内しますね」

笑美「お前も初めてきたトコやろがい！
　　　なんで更衣室の場所知っとるんや！」

ウチの裸に興味津々か！！」

モバP「そのために名前を捨てたようなものですから」

笑美「業が深いわ！　
　　　とりあえず待っとけ。水着姿くらい、なんぼでも見せたるから……」

モバP「うっせーブス！」

笑美「小学生か！　二回もブス言うなや！
　　　ちょっと良いシーンやったのに台無しやな！！」

〜〜着替え後

笑美「やっぱりちょい恥ずかしいな……ん？」

モバP「こうですか」

ｶﾒﾗﾏﾝ「そうそう良いカンジぃ！」ｶｼｬ!　ﾊﾟｼｬ!

笑美「なんでウチ抜きで始めてるん？」

ｶﾒﾗﾏﾝ「どうせフォトショで加工するからいいかなって」

笑美「いいわけあるか！　性別まで誤魔化そうとすんなや！
　　　どんなに加工してもおっさんの裸は暴力や！！」

モバP「俺の可能性を信じろ」

笑美「アイドルの仕事奪うなや！　どんだけ裸見れなかったの根に持ってるんや！！
　　　いいからウチにまかせとき」

ｶﾒﾗﾏﾝ「じゃあ湯船に浸かってください」

笑美「はいはい」ｻﾞﾌﾟﾝ

ｶﾒﾗﾏﾝ「次は湯船に潜ってください」

笑美「はいはい」ｺﾞﾎﾟｺﾞﾎﾟ

ｶﾒﾗﾏﾝ「撮りまーす」

笑美「ウチ来た意味ないやろがい！」ｻﾞﾊﾟｧ!!

ｶﾒﾗﾏﾝ「お湯かさが増えて写りがいいかなって」

笑美「サイコパスか！ もともとたっぷり入れとけや！」

モバP「そうだそうだー」

笑美「うっさいわ！　多分お前のせいで減ったんやろが！」

ｶﾒﾗﾏﾝ「じゃあ、浴槽の縁に手をかけてリラックスしてください」

笑美「こうか？」

ｶﾒﾗﾏﾝ「では次に足も縁にかけて、身体全体を持ち上げてください」

笑美「いけるかなぁ……ってしんどいわ！
　　　てかもう入浴しとらんやろうが！！」

ｶﾒﾗﾏﾝ「大丈夫です。下からモバPさんが支えますんで」

笑美「どんな広告や！　前衛芸術家かお前は！！」

ｶﾒﾗﾏﾝ「それでは、以上で撮影は終了となります」

笑美「なんでや！
　　　まともな写真一枚も撮っとらんやろうが！！」

ｶﾒﾗﾏﾝ「最悪フォトショでなんとかなるんで」

笑美「フォトショ万能か！　もうええわ！！」