【安価】蓮「東京で一人暮らしする」【P5】 (170)

【注意】ペルソナ5クリア後の話のためネタバレ注意

主人公の名前はアニメから採用しました



20XX年4月9日(月)晴れ


――雨宮蓮、地元の学校



「アイツ戻ってきたのか」ヒソヒソ

「保護観察解けて戻ってきたみたいだぜ」ヒソヒソ

「なんで帰ってきたんだろ」ヒソヒソ

「なんか少年院に入ってたって話聞いたけど?」ヒソヒソ

「保護観察中に何かやらかしたってこと? マジかよおっかねぇ」ヒソヒソ


モナ「(冤罪だったとはいえ、1年いなかった人間が戻ってくればそりゃ奇異な目で見られるか)」

蓮「……」

モナ「(これならまだご主人のところに下宿してシュージンに通ってた方がマシだったんじゃないか?)」


「なぁ最近ネコの鳴き声しないか?」

「野良猫でも迷い込んでるんじゃないの?」


モナ「(うおっやべっ)」

蓮「(……親に相談してみるか)」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1530059648

20XX年4月9日(月)


――雨宮家 リビング


雨宮母「一年ぶりに戻ってきた学校はどうだった?」

蓮「その事で相談がある。父さんは?」

雨宮母「……、書斎に居るわ。呼んでくるわね」



雨宮母「連れてきたわよ」

雨宮父「どうした蓮」

蓮「学校の事で相談したいことがある」

雨宮父「保護観察だった事で噂されているのか?」

蓮「……」コクッ


両親へ学校での様子を説明した


雨宮母「……」

モナ「(苦虫を噛み潰したような顔してるな。シドウが悪さして権力に屈したオマエらは被害者とはいえ、人の悪評ってのはそう簡単に消えないからなぁ)」

雨宮父「……それで、お前はどうしたいんだ?」

蓮「東京に戻りたい」

雨宮母「!」

雨宮父「そうか」

蓮「一人暮らしも考えてる。東京にいた頃いろんなバイトをしていたから貯金はある」


両親へ預金通帳を差し出す


雨宮母「いちじゅうひゃくせんまん……1000万円!? れ、蓮、あなたこんな大金一体どうやって!?」

蓮「掛け持ちでバイトをしていたのと時給が良かった。あとは宝くじ」

モナ「(他にはメメントスで拾ったオタカラをイワイが買い取ってくれたりしたやつだな)」

雨宮母「た、宝くじ…」

雨宮父「……貯金額については深く詮索せんが、とにかくそれがお前のやりたい事なんだな?」

蓮「……」コクッ

雨宮父「わかった。転校手続きはこっちでやる。お前の決めた事だ。しっかりやれよ」

モナ「(話のわかる親父さんで良かったな)」



安価↓ 蓮の転校先となる高校

偶数であれば秀尽学園
奇数であれば洸星高校

20XX年4月10日(火)


――雨宮家・自室


蓮『ひさしぶり』

竜司『おー! 元気にしてるか相棒!』

杏『地元どう? 邪険にされてない?』

双葉『英雄の帰還キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』

祐介『帰還というより凱旋ではないだろうか?』

双葉『凱旋より帰還の方がカッコイイだろ!』

竜司『いやどっちでもよくねーかそれ?』


竜司『それよかどうした?』



蓮『東京で一人暮らしする』





双葉『マジか!?』

杏『ウソ!?』

竜司『マジ!?』

祐介『すまん、俺の目が節穴でなければ蓮が東京で一人暮らしをすると宣言したと認識しているのだが』

双葉『ダイジョーブだおいなり、わたしも同じ内容が確認出来る』

双葉『蓮、ホントにこっち帰ってくるのか?』

杏『エイプリルフール……じゃないよね?』


蓮『地元でのレッテルが1年前と変わっていなかった』

蓮『学校の居心地があまり良くない』


竜司『あー……そっか』

杏『人の噂っていろんな尾ひれ付いちゃうもんね』

祐介『人の噂も七十五日とは言うが、実際はもっと長く続くものだからな』

双葉『悪事千里を行く』

蓮『新学期が始まって間もないけど転校する事にした。秀尽高校には流石に出戻りは出来ないから洸星高校に』

祐介『ということは蓮が俺の同級生になるのか』

杏『あー!祐介と双葉に蓮を取られた!』

双葉『れ、蓮! わたしも洸星高校だ! 一緒に登下校出来るな!』

竜司『あれ? 双葉って洸星高校だっけ?』

双葉『この前ルブランで話したのもう忘れたのか』

祐介『鳥頭だな』

杏『竜司アンタそんな記憶力で大学進学大丈夫なの?』

竜司『うっせ! 余計なお世話だっつーの!』


真『なんか盛り上がってるわね』

春『みんな何かあった?』


蓮『ひさしぶり』


竜司『世紀末覇者の帰還』

真『蓮!』

真『竜司、今度会った時覚えてなさい?』

竜司『サーセンっした!』


モナ「リュージのこのバカさ加減、ワガハイ嫌いじゃないぜ」

春『二人は相変わらずだね』

春『ログ遡ってみたけど東京に戻って来るんだ?』

蓮『またよろしく』

春『うん、こちらこそ。大学の講義とオクムラフーズのコーヒーチェーン店の事業であんまり顔出せないけど、またみんなで集まりたいね』

真『遠出するなら私に任せて頂戴』

双葉『んー、でも集まるならやっぱり最初はルブランだな! そうじろうにあとで報告しとく!』

竜司『一人暮らしかぁ。家はどこ借りたんだ?』

蓮『渋谷駅から徒歩10分くらいにあるマンションの予定』

双葉『四軒茶屋じゃない…だと?』

祐介『屋根裏部屋からの躍進が凄まじいな』

杏『ルブランで集まったら次は蓮の家でパーティーやろうね! 勉強会でも可!』

蓮『考えておく』

モナ「ワガハイもついてくからペット可でちょっとお高いけど、まあそこは勘弁な」



モナ「さてと、そろそろ寝ようぜ。明日からは荷詰め作業とかしないとだからな」



安価↓ さてどうしようか?

偶数 寝る
奇数 誰かに連絡をする

蓮「少し用事があるから先に寝ててくれ」

モナ「寝る前のスマホは眠りの質が落ちるってテレビで言ってたぞ、ほどほどにな」


安価↓ 誰に連絡をしようか?

 
竜司 杏 祐介 真 双葉 春 川上 冴 千早 
一二三 大宅 武見 三島 岩井 吉田 織田 惣治郎 のいずれかから


ゾロ目の場合だと???

蓮「(川上に連絡をしよう)」

安価↓ どんな内容で連絡を入れようか

1 東京に戻ることになった
2 今度いつ会える?
3 ご主人様のお帰りだぞ

蓮『東京に戻ることになった』




川上『えっと、また問題起こしたの?』

川上『君はかなりの問題児だったけど、まさか地元に戻ってすぐトンボ返りするなんて…』

蓮『誤解だ』

川上『なんてね。こっちに愛着が湧いて寂しくなったのかな?』

川上『それとも噂が悪化してあらぬ尾ひれが付きまくってたとか?』

蓮『両方』

川上『そっか。世界を救った怪盗様でも、真相を知らない人から見れば元前科者だしね…』

蓮『少年院に入って余計な泊も付いた』

川上『自分で言っちゃうのそれ…』

川上『まあそれは置いといて。すぐ戻ってくるの?』

蓮『今週末に引っ越しと学校への挨拶の予定』

川上『ずいぶん急なスケジュールだね。まあ君らしいといえば君らしいけど』

川上『迅速果断って言うの? 思い切りの良さとか度胸があるっていうか』

川上『年下のクセに頼りになるの、なんかズルいなぁ』


蓮「……」

安価↓ なんと返事をしよう?

1 なら今度会ったら甘えさせて欲しい
2 心の怪盗だから人心掌握はお手の物
3 ご主人様だからな

蓮『ご主人様だからな』

川上『生意気過ぎるところが玉にキズだけどね。この仮面系男子め』

蓮『それほどのことでも』

川上『褒めてない褒めてない』

川上『ま、いいや。また何かあったら連絡頂戴。家事代行サービスならいつでもやってあげるから』

川上『引っ越しするなら荷解きとかあるだろうし、御用があればあなたの永久メイド、べっきぃまで!連絡待ってまーす♡』

蓮『貞代、落ち着け』

川上『ネタを真面目に返さない! あとサラッと名前呼びしない!』

蓮『何かあったらまた連絡する』

川上『まったく君はほんとマイペースで調子狂っちゃうな…』

蓮『じゃあおやすみ』

川上『はいはい。おやすみなさい』




蓮「(まだ眠るまで時間に余裕があるが……)」

安価↓ どうしようか?

1 寝る
2 誰かに連絡をする

竜司 杏 祐介 真 双葉 春 冴 千早 一二三
大宅 武見 三島 岩井 吉田 織田 惣治郎 のいずれかから

ゾロ目の場合だと無条件で???

蓮「(双葉に連絡をしよう)」


【SNS】NEW1


蓮「(初期アイコンの人物から連絡が届いている」

蓮「(先にそっちを確認するか)」


???『やあ』

蓮『どちら様?』



???『巷を賑わせた元探偵の成れの果て』



蓮『明智、なのか?』

明智『ご明察。久しぶりだね』

蓮『お前、生きていたのか』

明智『本人以外のパレスで人が死亡しても現実に影響はない。君らが実際にやってみせた事じゃないか』

蓮『今どこにいる』

明智『優等生の皮をかぶった『いい子ちゃん』の僕はもうこの世界にはいない』

明智『残ったのは復讐心を動力に動いていた哀れな俺だけさ』

明智『ま、その動力源もどこかの屋根裏部屋に住むゴミに完全に壊されたんだけどさ』

蓮『自作自演のパンケーキ探偵に言われる筋合いはないな』

明智『相変わらず歯に衣着せぬ物言いだな』

蓮『お互い様だ』


蓮『なぜ連絡をよこした』

明智『なぜ、と言われてもね』

明智『「異世界ナビが復活した」事に君は気づいてないのか?』

蓮『なんだと?』


スマホの画面をホームに戻してスクロールする

すると一番下に見慣れた赤い目玉のアイコンがあった

異世界は去年完全に崩壊したはずだがこれは一体…?

明智『正義が悪を裁こうが、第二第三の悪は必ず生まれる』

明智『まだゲームは終わってないようだぞトリックスター』

蓮『お前は今回のゲームに関与しているのか?』

明智『異世界ナビの復活を把握してると言うことは、そういう事だよジョーカー』

明智『おそらくかつての怪盗団の元にも届いているんじゃないかな』


【SNS】NEW1


双葉『たtatた大変だ蓮! アプリの整理してたらなんか「異世界ナビ」が復活してる! どどどどういうことだってばよ!?』


双葉から慌てた様子のSNSが送られてきたが返信はあとにしよう


明智『人間の欲望が尽きる事はない。人が人で生き続ける限り逃れることの出来ない宿業だからな』

明智『ま、認知の上で一度死んだお前と俺は例外かもしれんがな』

蓮『わざわざそんな話を持ちかけてくるのは取引なのか?』

明智『そうだね。未知の現象を解明するには人海戦術が効果的だ。だからお前に声を掛けた』

明智『それに「探偵明智吾郎」はこの世から消えたからね。お恥ずかしい話だが、残った最後の人脈がお前だけってわけだ』

蓮『仕事関係者以外に友達いなそうだったからな』

明智『面白い冗談だ。今度会ったら現実のお前に拳銃を突きつけてやろうか』

蓮『ならその鼻っ柱をへし折ってやろう』

明智『……まあいい。とにかく何か進捗があれば情報を寄越してくれ。俺も何か分かれば報告する』



突如復活した『異世界ナビ』と明智の生存報告に困惑の色を隠せないが、とりあえず双葉に返信をしよう



蓮『わかるってばよ』

双葉『蓮が壊れた!?』

双葉『あ、いや待て。自分よりパニクってる人見たら落ち着く現象が発動した』

双葉『うん、もうダイジョーブ。取り乱した、みっともなかったな、ごめん』

蓮『双葉のスマホにもインストールされていたのか』

双葉『うん、遊ばなくなったアプリ削除してたら見覚えのあるアイコンがあってさ』

双葉『とりあえず蓮に報告したけど、どう思う?』

双葉『まだお母さんの認知訶学の研究を悪用しようとしてる奴がいるってこと?』


蓮「……」

安価↓ なんと返事をしよう?

1 獅童の残党を完全に排除出来なかったからかもしれない
2 よくわからない
3 正義が悪を裁こうが、第二第三の悪は必ず生まれる

蓮『獅童の残党を完全に排除出来なかったからかもしれない 』

双葉『ぐぬぬっ、この国腐り過ぎだろ!』

双葉『とりあえず怪盗団のみんなと共有しないとダメだな! モナは?』

蓮『もう寝た』

双葉『ネコだけに寝るのはっや』

双葉『まあモナが慌てないって事は知らないんだろうな。無理に起こすのも悪いし、情報も「異世界ナビが復活」だけじゃ推測しようがない』

双葉『うーん、他に何か情報があればいいんだけど』


蓮「(明智がシドウパレスから生還しており、接触してきた事を双葉に報告すべきだろうか?)」


安価↓ なんと返事をしよう?

1 報告する
2 報告しない
3 それより双葉、洸星高校に復学したみたいだけどどうだった?

双葉『蓮も情報持ってなさげだよね?』

蓮『持ってない』

双葉『うーん、とりあえず蓮がこっち戻ってくるまで色々調べとくね』

双葉『怪チャンは管理人の更新が途絶えたけど、リクエストはなんかチラホラ書き込まれてるっぽいし』

双葉『こりゃ忙しくなるなぁ。猫の手も借りたいくらいだなぁ』

双葉『たいへんだー わたしひとりで出来るかなー』

双葉『|д゚)チラッ』


蓮「(双葉がわざとらしく返事を求めている)」


安価↓ なんと返事をしよう?

1 双葉ならやれるさ
2 手伝おうか?
3 大宅を紹介してみる

蓮『手伝おうか?』

双葉『ホントか!? ならしばらくウチに泊まり込みな!』

双葉『地元とわたし、どっちが大事かみたいなの前に聞いたけど、やっぱり聞くまでもなかったな』

双葉『蓮はさびしがり屋さんなんだから困ったもんだぜ』

双葉『いつかカナちゃんに2ショット写メ送るからな! 約束だかんな!』


蓮「(そういえばバレンタインの翌日、惣治郎に口裏を合わせてもらったんだった)」

蓮「(ホワイトデーでは全員個別にお返しのプレゼントを贈りなんとか友好度は修復したが)」


モナ「……んぁ? なんだ蓮、まだ連絡してたのか。そろそろ寝ないと明日に響くぞ?」

蓮「そうだな」

蓮「(好意を断りきれない己の優柔不断さが、いつか刃になって刺しに来る気がする……)」



【名前】   雨宮 蓮
【所持金】  1000万
【パラメータ】 知恵の泉 ライオンハート 超魔術 地母神 魔性の男

――ベルベットルーム


蓮「――ここ、は」

イゴール「おやおや、これはまた随分とお早いお戻りですな」

イゴール「ようこそ我が我がベルベットルームへ」

ラヴェンツァ「おかえりなさい、マイ・トリックスター」

ジュスティーヌ「まさか、この身体で貴方と再び顔を会わせる事が出来ようとは」

カロリーヌ「喜べ囚人! 追加の特別検査だ!どうだ!?嬉しかろう!? ……嬉しいって言え!」ガンッ



つい数ヶ月前までお世話になっていた牢獄にはイゴール、ラヴェンツァ

そして統合されたはずのジュスティーヌとカロリーヌがいた


蓮「どういうことだ? なぜ二人がいる?」

ラヴェンツァ「私の力の一部を切り取り、我が主の力で分割したのです。一言で言えば分霊のようなものですね」

イゴール「かつて私がモルガナを生み出した際の応用ですな。手順は企業秘密とさせてもらいますがね」

ジュスティーヌ「悪神の幽閉より解き放たれたばかりの頃の我が主は万全の状態ではありませんでした」

カロリーヌ「力を完全に取り戻された今、こうして我らをこの空間の住人として定めてくださったのだ!」

ラヴェンツァ「私の眼前に私ではない私が存在するという奇妙な感覚ですが、一時期はそれが正常でしたから特に異論はありません」

ジュスティーヌ「猫の手も借りたい時があれば、ベルベットルームに立ち寄ることです」

カロリーヌ「貴様の過酷な試練を手助けしてやる!せいぜい泣いて感謝することだな!」

ラヴェンツァ「こらカロリーヌ、無闇矢鱈に警棒を振り回すのは危険だからやめなさい」

ジュスティーヌ「そうですよカロリーヌ、暴力で物事を訴える女性は嫌われますよ」

カロリーヌ「んなっ!?」


同じ顔をした人間が眼の前でいがみ合いを繰り広げている


蓮「今日はもう戻りたい」

イゴール「ふむ、では本日は顔見せ、ということでよろしいですかな?」

カロリーヌ「コラ待て逃げるな囚人!まだ来て数分も経ってないぞ!」

ジュスティーヌ「カロリーヌ、彼は更生を終えたので囚人と呼ぶのは間違いではないでしょうか?」

ラヴェンツァ「そうですね。なら名前で呼べばよろしいのでは?」

ジュスティーヌ「名案です、流石は真なる私」

ジュスティーヌ「……こほんっ。これからもよろしくお願いします、蓮」

ラヴェンツァ「我々はいつでも貴方を見守っていますよ。何かあればお立ち寄り下さいな、親愛なるトリックスター」

カロリーヌ「れ……っ、……ええい! 囚人は囚人だ! それ以上でもそれ以下でもない!せいぜい励む事だな!」


イゴール「ここは夢と現実、精神と物質の狭間にある場所、ベルベットルーム」

イゴール「さあ、お行きなさい。再び迫らんとする破滅を回避するために」

ここまで書いておいてなんですが、改めて設定の確認

・主人公の人間パラメーターは最大
 【知恵の泉】【魔性の男】【ライオンハート】【地母神】【超魔術】

・9股グットエンド後の後日談(9股でグッドとはこれいかに)

・惣治郎の口裏合わせとホワイトデーのプレゼントで【特別な関係】は継続中
しかし自然消滅の可能性あり

・高校が秀尽学園から洸星高校へ

・学年は3年生へ

・双葉は洸星高校2年生

・消えたはずの異世界ナビが復活

・シドウパレスで反応が消えたはずの明智が復活

・ジュスティーヌとカロリーヌがなんやかんやで復活


公式設定にない捏造設定、妄想等がありますので不愉快になったらごめんなさい
モチベーションやSPが持つ限り書いていけたらと思います
更新時間は夜中がメインになりますので、暇潰しにでも読んで頂けたら幸いです

20XX年4月15日(日)


――洸星高校 校長室


雨宮父「では、息子をよろしくお願い致します」

校長「畏まりました」

担任「これが貴方の生徒手帳になります。なくさないように注意して下さいね」

蓮「はい」



雨宮父「それではこの辺りで失礼致します」

蓮「失礼しました」バタンッ


校長「……ふむ、雨宮蓮くん、か。新学期早々転入するからどんな問題児かと思いきや、大人しそうな子でしたね」

担任「彼、編入試験では満点だったそうです。学業については申し分なさそうですが、その…」

校長「学生は学業が本分ですよ。前歴も冤罪だったようですし、深く詮索するのは止しましょう」

校長「我々指導者は学生が学べる環境を整える、ただそれだけです。くれぐれも余計な事を話して、生徒を混乱させないようにして下さいね?」

担任「は、はい!」

校長「(しかし、彼の顔…どこかで見覚えがあるような…?)」




――渋谷駅 地下通路


雨宮父「それじゃあ蓮、しっかりな」

蓮「……」コクッ


改札口を通って去りゆく父の背中を見送った

モルガナは渋谷駅の新居に置いてきたので身軽だ

今まではカバンの中に収納して都内を歩いていたので違和感を覚える…。


安価↓ どうしようか?

1 双葉に会いに行く
2 モルガナと合流する(コンマ秒数により人と遭遇する場合あり。大アルカナ番号参照)

【大アルカナ49は存在しない為遭遇なし】


――マンション 自室


蓮「ただいま」

モナ「お、戻ったか蓮。ワガハイ待ちくたびれたぜ」

蓮「これから出掛けるから一緒に行こう」

モナ「この前言ってた『異世界ナビ復活」の件だな?」

蓮「そうだ」

モナ「うーむ、ワガハイ達怪盗団の活躍で消えたはずだがなぜこんなすぐに復活したんだろうな?」

蓮「それをいま双葉に調べてもらっている」

モナ「って言っても精神暴走事件みたいなニュースは報道されてる様子はないけどなー」

蓮「報道規制がされてるかもしれない」

モナ「シドウの時もあったなそういや…。よし、とりあえずフタバに会いにいくか」

モナ「――と、その前に部屋はこのままでいいのか? 荷物開けてないぞ?」


今朝届いた荷物がダンボールに梱包されたままだ

川上を呼べば荷解きをしてくれるかもしれない…


安価↓ どうしようか?

1 川上を呼ぶ
2 そのままにして双葉の元へ向かう
3 自分で荷解きをする

蓮「帰ったらやる」

モナ「忘れて明日学校行く時に慌てんなよ」

モナ「よし、そんじゃ行こうぜ」


モルガナをバックに詰めて家を出る。

双葉に連絡を入れておこう。


蓮『学校への挨拶が終わった。今から向かうけどどこに向かえばいい?』

双葉『お!』

双葉『待ちくたびれたぞ! とりあえずそうじろうの家きて』

双葉『そうじろうはルブランで仕事中だから家にはわたしだけ』

双葉『二人っきりで調査するぞ!』

蓮『モルガナ入れたら二人と1匹だけどな』

双葉『あ。』

双葉『モナいるのすっかり忘れてた』

双葉『……ま、モナならいいか。とりあえず玄関開けとくからなるはやで』

蓮『了解』


モナ「なんかワガハイいまぞんざいな扱いを受けた気がする」

蓮「気の所為だ」

――佐倉惣治郎宅 双葉の部屋


蓮「お邪魔します」

双葉「よくぞ戻った勇者よ! さあ座れ座れ!」


双葉の部屋に入ると見慣れた部屋着の彼女からベッドに腰掛けるように促された

特に断る理由もないので腰掛ける


モナ「よおフタバ、ひさしぶりだな」

双葉「おーモナ! おひさー! ……ん?モナちょっと太った?」

モナ「ふ、太ってねーし! コイツのお袋さんがくれるおやつが美味かったからつい食いすぎたとかじゃねーからな!」

双葉「うーんこの自白系照れ隠し、加点対象!」

モナ「ふがっ…こ、こら、や、……やめ、やめれっ!」


謎の採点後、モルガナの顔をぐりぐりとこねくり回す双葉

だがモルガナの顔をいじるのにもう飽きたのか、双葉は自分の隣にやって来てベッドへ腰掛けた


双葉「そんで蓮は変わりないようでなによりだぞ!」

双葉「…………、……ま、また会えて、うれ、嬉しい……っ」



安価 なんと返事をしようか?

1 「双葉も変わりないようでなにより」
2 「髪、切った?」
3 「双葉は前より可愛くなったな」


【今日の更新はここまで 夜までに多かった安価で進行します】

蓮「双葉は前より可愛くなったな」

双葉「か、かかかわいく、なれてる? ……わたし、ちゃんと、可愛い?」

蓮「うん」

双葉「そっか……えへへっ。カナちゃんと連絡取り合って、メイクとかいろいろ勉強した甲斐があった!」

モナ「その割には化粧っ気まったく感じねぇけどなぁ」

双葉「ふっふっふー、こういうのをナチュラルメイクっていうんだぞモナ」

モナ「ふーむ? ダメだ、ワガハイにはよくわからん世界だ」

双葉「まーわたしも最初はよくわからんって思ったけどね」

双葉「でもやっぱ、好きな人からはちょっとでも『可愛い』って思われたいと思ったから、頑張った」

双葉「以前までのわたしだったら到底考えられないことだけどね」

双葉「わたしがこんなに変われたのは怪盗団と、――蓮がいたから」


双葉「だから、その、何回でも言うけど……ありがとね、蓮」


蓮「どういたしまして」

愛梨「さあ行こう、空の果 てへ!」
愛梨「さあ行こう、空の果てへ!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1519427437/)
久美子「永遠のレイ」
久美子「永遠のレイ」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520033314/)
伊織「誰が魔王サーの姫 よ!」
伊織「誰が魔王サーの姫よ!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1520637298/)
エミリー「修正…悪しき文 化ですね」
エミリー「修正…悪しき文化ですね」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521241832/)
奈緒「何で関西弁=恐竜やねん!」
奈緒「何で関西弁=恐竜やねん!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521850482/)
常務「新制限を全て撤回。 白紙に戻す」
常務「新制限を全て撤回。白紙に戻す」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522451692/)
千夏「このTGはテックジーナスじゃないの?」
千夏「このTGはテックジーナスじゃないの?」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523058431/)
礼子「大人の魅力で破滅さ せてあげる」
礼子「大人の魅力で破滅させてあげる」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523661962/)
フレデリカ「恋人は校庭のパラディオンだよー」
フレデリカ「恋人は校庭のパラディオンだよー」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524265978/)
海美「竜騎士の結束を見せちゃうよ!」
海美「竜騎士の結束を見せちゃうよ!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524871125/)
志保「茶運びといえばカラクリだよね!」
志保「茶運びといえばカラクリだよね!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525475657/)
茜「みんなで勝鬨を上げちゃおう!」
茜「みんなで勝鬨を上げちゃおう!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526133608/)
桃子「この金の城いい踏み台だね!」
桃子「この金の城いい踏み台だね!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526686132/)
美紗希「化学反応式も女子力よ!」
美紗希「化学反応式も女子力よ!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527292985/)
小鳥「アリガトウワタシノデッキ」
小鳥「アリガトウワタシノデッキ」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527896333/)
柚「狩らせてもらうよ。キサマのぴにゃンバーズ!」
柚「狩らせてもらうよ。キサマのぴにゃンバーズ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528498815/)
加奈「ダストンの掃除法をメモしておきますね!」
加奈「ダストンの掃除法をメモしておきますね!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529105813/)
さくら「えぇっ?!3分って1ターンなのぉ?!」
さくら「えぇっ?!3分って1ターンなのぉ?!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529710563/)

モナ「ワガハイもコイツがいなかったら今頃どうなってたことやら…」

モナ「リュウジの奴だけだったらたぶんワガハイはカモシダパレスに永久に幽閉されてたかもだぜ」

双葉「竜司はなー、顔はソコソコだけど中身がちょっと残念賞」

蓮「熱いハートは持ってるぞ」

双葉「わたしは熱いのより蓮みたいなクールさが好きだ!」

モナ「フタバ、それワガハイが熱くなるやつ」

双葉「っ! う、ううっさいモナ! 久々に会ったんだからちょっとくらいいいだろ!」

モナ「やれやれ…、ワガハイお邪魔のようならその辺を散歩してくるが?」

双葉「そ、それは駄目だ! わたしの自制が利かなくなる恐れがある! 第三者による監視を求ム!」

モナ「ワガハイがいなかったら何おっ始めるつもりだったんだオマエ…」

双葉「そ、それは例えばそうだな膝枕とか――って何言わせるんだ!? 誘導尋問なんて卑怯だぞ!?」

モナ「勝手に自爆しただけじゃねーかッ!? ワガハイのせいにすんなよ!?」

蓮「……」


モナと双葉の漫才がヒートアップしている…


安価↓2 どうしようか?

1 「双葉、そろそろ調査を始めよう」
2 「膝枕はする方? される方?」
3  SNSの着信が入る (以下より選択)

竜司 杏 祐介 真 春 川上 冴 千早 
一二三 大宅 武見 三島 岩井 吉田 織田 惣治郎 明智のいずれかから

蓮「膝枕はする方? される方?」

双葉「んーそうだなー、わたしはどちらかと言えばされたいけど、蓮が望むならどっち、で……、もーっ! 蓮までッ!?」

モナ「にゃふふ、オマエ、意外と悪ノリするタイプだよな」

蓮「純粋に疑問に思っただけで他意はないそうあくまで疑問に思っただけ」

モナ「うわすっげー早口」

双葉「……ひ、膝枕はまたこんどな! 今はちょっとムリ! いや蓮がムリってわけじゃなくて心の準備とかなんかいろいろ準備必要だからまたこんど!」

モナ「フタバも負けず劣らずの早口、オマエら似た者同士だよな」

モナ「似たような眼鏡掛けてるし、髪の毛どっちか同じ色に染めたら兄妹に見えんじゃねぇか?」

蓮「双葉が妹……」

双葉「蓮がお兄ちゃん…………――ハッ!? いや待て待て待て流石にそういうプレイはわたし求めてないからなッ!?」

モナ「満更でもない反応だったぞオイ」

蓮「流石にそこまで性癖をこじらせてはいない」

蓮「(せいぜい年上にメイドプレイを強要するくらいだ)」


双葉「そうだそうだ! 乙女の口からなんて事を言わせるんだこのエロ猫!」

モナ「エロ猫じゃねーし!ってか猫じゃねーし! 外見が猫なだけだ!」

双葉「それを世間では猫と呼ぶんだぞ!」

モナ「そりゃそうだけどワガハイが猫じゃないと思えば猫じゃないんだ!」

双葉「お、おう。すっげーなその超理論。わたしもどっかで使ってみよ。……使う機会あるかな」

モナ「やれやれ、オマエと一緒にいると疲労度の蓄積が半端じゃないぜ。蓮は平気か?」

蓮「見ていて楽しいから問題ない」

モナ「オマエもかなりのマイペースだったなそういや…」

双葉「ハッ!? 楽しすぎて本題忘れてた! 『異世界ナビ!』の件!」

モナ「脱線事故ってレベルじゃないが、まあ思い出せただけまだマシだな」

蓮「なにかわかったか?」

双葉「んー、とりあえずネットに出回ってる情報探ってみたけど、去年に起きた『精神暴走事件』のような事件事故は報道されてないっぽい」

双葉「警察関係者のサーバーとか覗いてみたけどそれっぽいのは確認出来なかったから、そもそも事件が起きてない?」

双葉「あ、安心しろ。痕跡を残すようなヘマはしてない。ただフラッと覗いてササッと立ち去っただけだ」

モナ「サラッと言ってるけどフタバの技術は恐るべしだな。こんな人畜無害なナリのクセに世界レベルのハッカーだもんな」

双葉「ふっふっふっ、震えて眠れ」

モナ「ただフタバで手がかりがないとすると、ぶっちゃけワガハイらはお手上げだな」

双葉「そういや蓮、怪盗団のみんなと情報って共有した?」

蓮「まだしてない」

双葉「そっか。わたしもあの時慌てて、情報共有したほうがいいと思ったけど、不確定な情報を共有してもあんま意味ないよね」

モナ「まあ何かしら直接的な被害が出てるわけでもないしなぁ」

モナ「他の奴らから連絡がないって事は、おそらく気づいてないのかもしれないぜ」

双葉「『精神暴走事件関連』『獅童』みたいなワードに関する記事が上がれば、自動検知するプログラム組んで放置してるからとりあえずそれ待ちかなぁ」

双葉「釣果はあまり期待出来ないかもだけど……」

モナ「おい? 猫の手も借りたいんじゃなかったのか? それだとワガハイらが来た意味なくないか?」

双葉「ん? ああその件? あんなのウソだぞ」

モナ「んなっ!?」

双葉「……れ、蓮に誰よりもすぐに会いたかったから、ウソついた」

蓮「……」


安価↓2 なんと返事をしようか?

1 「知ってた」
2 「双葉は甘えん坊だな」
3  SNSの着信が入る (以下より選択)

竜司 杏 祐介 真 春 川上 冴 千早 
一二三 大宅 武見 三島 岩井 吉田 織田 惣治郎 明智のいずれかから

蓮「知ってた」

双葉「わ、わたしだって誰にでもウソつくわけじゃないよ? ウソばっかついてたら駄目なことくらいわかるもん」

双葉「嘘も方便! ウソついたおかげで蓮がウチに来た! でも理由はどうあれウソついたのは変わらないからそれは謝る、ごめんなさい」

蓮「気にしてないよ」

双葉「なんか変な気を遣わせちゃった……、ウソはやっぱつくもんじゃないな」

モナ「状況によっては嘘も有効だけどな。ワガハイらのやってきた怪盗行為で人を騙す場面も少なからずあったわけだし」

モナ「ま、なんでも時と場合を選ぶのが重要ってことだ。ワガハイから言える事はそんなところだな」


双葉「……なんかモナってたまに説教臭くなるよね。一昔前のオッサンみたい」

蓮「たしかに」

モナ「なんだとぉ!?」

双葉「説教臭い奴は嫌われるって雑誌に書いてあったぞモナ~」

モナ「むぅ、たしかに説教したあとはオマエらからあまりいい顔されてないな…」

双葉「説教も『時と場合を選ぶのが重要』これだな」



双葉「さてと、そうなると一旦この件は保留ってことで」

モナ「情報がない中調べても時間の無駄だからな。なにか別のことしようぜ」

双葉「……ねえ蓮、このあとってなんか予定ある?」

双葉「ないなら一緒にごはんでも食べに行きたいなぁ……なんて」



安価↓2  どうしようか?

1 「特にない」
2 「家の片付けがまだ」

蓮「家の片付けがまだ」

双葉「引っ越し作業終わってなかったのか!」

モナ「テレビとか冷蔵庫とか、だいたいの家具の設置終わってるんだけどな。着替えとか日用品とかダンボールに入れたまんまだぜ」

双葉「なるほどそれは――わたしの出番だな!?」

モナ「どの辺でだ!? てかお世辞でもオマエの部屋は片付いてるとは言えないんじゃねぇか!?」

双葉「なにおう!? これでも毎週掃除してるんだぞ! あと散らかってるように見えるのはこれが定位置なの!」


はじめて双葉の部屋を訪れた時と比べたらかなり綺麗ではあるが、机の上はじゃがりこや謎の機械が散乱している。

見える部分は綺麗だが、押入れの中は……パンドラの箱だろうか。


モナ「双葉はこう言ってるけどどうすんだ蓮? フタバに荷解き手伝ってもらうのか?」


安価↓2 どうしようか?

1 「手伝ってくれるか?」
2 「気持ちだけ受け取っておく」 

蓮「手伝ってくれるか?」

双葉「うん、任せて! ……よし、そうと決まれば着替えと準備するから蓮とモナは退出!」

双葉「……い、いちおう言っておくけど覗いたら駄目だかんな!? フリでもないからな!?」


双葉に背中をぐいぐい押されて部屋から追い出される


モナ「なんか妙に張り切ってるけどワガハイ不安しかないぜ…」


双葉『……えっとー、この前買った服どこに仕舞ったかなー。たしか押入れの中に……』

双葉『……うーんと……あ、あったこれこれ。あ、でも作業するならいつもの服の方がいいか?となるとこれはまた今度……』

双葉『……そうなるとあとは……コレと、アレと、………と、それから……』


モナ「なんかやたらゴソゴソと物音立ててるな」

蓮「アクセサリーでも探しているんじゃないか?」

モナ「うーむ、ワガハイの杞憂であればいいんだが……」


~10分後~


――四軒茶屋・路地裏 佐倉家前



双葉「へいおまち!」

モナ「よし、んじゃ向かうとするか。はぐれんなよフタバ」

双葉「へっへーんっ、その点は抜かりないぞ! 蓮の腕に抱きついていればはぐれることなどないのだ!」

モナ「お、おう…」

蓮「とりあえず駅に向かおう」

モナ「そんでまったく動じないオマエもなんか慣れたモンだな」

双葉「……」

モナ「ん? どうかしたのかフタバ?」

双葉「へ? あ、ううん!なんでもない! なんか視線感じた気がしたけどわたしの気の所為だと思う」ギュッ

モナ「ふーん?」


双葉に右腕をかなりきつく抱きしめられながら、渋谷行の電車に乗り込んだ。

――渋谷駅周辺 マンション・自室


双葉「お、おじゃましまーす――って広ッ! ナニコレ部屋間違えてない? ホントにこの部屋!?」

モナ「たしか1LDKだっけか? まあ確かに一人暮らしにしちゃ広すぎるかもな」

双葉「なんかちょっとしたホテルみたいな感じがする!いやまあホテルとか泊まったことないからよくわからんけど!」

双葉「うおぉ! なんだこのソファめっちゃふかふかする! 屋根裏部屋のやつとは大違いだ!」

蓮「双葉、あんまりはしゃぐと危ないぞ」

モナ「って、ちょ、待てフタバそれワガハイの昼寝場所! ワガハイの寝床荒らすんじゃねー!」

双葉「ふんふふーん♪ ベッドはどこだー? ――ここか!?」ガラッ

モナ「自由かッ!?」

双葉「ベッド発見! 調査員フタバ、いきまーす! とうっ!」


興奮状態の双葉はベッドにめがけて五体投地

その反動で枕が跳ね上がり、双葉の頭に落下する


双葉「あいてっ」

双葉「(……。……ベッドから蓮のニオイがする……)」

双葉「(見慣れない場所だけど、なんかすごく落ち着く……)」



蓮「双葉」

双葉「ふえっ!? ――あ、いや違うぞ蓮! こ、こここれはだな! その、なんというか人混みを歩いて疲れたからであって他意は別にだな!」


ベッドから起き上がった双葉は、顔を真っ赤にしながら頭と両手を高速移動させていた



安価【先に2票集まった選択肢】 なんと返事をしようか?

1 「疲れたなら休んでていいぞ」
2 「飲み物がないので買物をしてくるから留守番を頼めるか?」

蓮「飲み物がないので買物をしてくるから留守番を頼めるか?」

双葉「る、留守番? ……自宅警備してればいいの?」

蓮「そうだ」

双葉「それなら任せて大得意!」

蓮「ならモルガナと一緒に留守番しててくれ。すぐ戻る」

双葉「任された!」

蓮「何か希望の飲み物あるか?」

双葉「えっと、ならファンタのグレープがいい」

蓮「わかった」




モルガナ「まったくフタバのヤツめ…!」


モルガナはソファの上でブツブツとぼやきながら、グチャグチャにされたタオルをたたみ直していた

相変わらずの器用さに感心しながら家を出て、近所のコンビニへ向かった



――トリプルセブン


店員「いらっしゃいませー」

店内に入り飲み物コーナーへ向かう。

双葉が希望したファンタのグレープと、自分用のお茶を手に取る。

お菓子でもあれば双葉も喜ぶかと思い、お菓子コーナーを物色していると突然背後から肩を叩かれた。


蓮「?」


安価↓3 そこにいたのは


以下より選択

竜司 杏 祐介 真 春 川上 冴 千早 
一二三 大宅 武見 三島 岩井 吉田 織田 惣治郎 明智のいずれかから

祐介「しばらくぶりだな蓮」

蓮「祐介」

祐介「息災なようでなによりだ」

蓮「そっちこそ」

祐介「ああ、怪盗業から足を洗ってからは暇さえあれば美術展に出品をしていてな。かつてのお前の協力もあって、何度か入選を頂いている」

祐介「賞金も貰い、とりあえず食費には困らなくなったので、今日は人間観察がてら渋谷を散歩していたんだ」

祐介「で、ふらりと立ち寄ったコンビニで、お前を見かけて声を掛けたわけだが……また随分とお菓子を買い込むのだな」


訝しむようにカゴの中身を見分する祐介


祐介「もしや引っ越し祝いの宴でも開くのか?」

蓮「引っ越し祝い、というよりは引っ越し作業の差し入れだ。荷解きがまだ済んでいない」

祐介「そうか。……ふむ、ならば俺も手伝うとしよう」

祐介「任せておけ蓮、この俺が黄金比に基づいた家財の配置で華麗な家屋へ変えてみせるとしよう!」


蓮「(祐介は謎の気合を見せている……)」


どうしよ「――さあでは行くぞ蓮! お前の新たな新天地へ! 案内しろ!」

蓮「! か、会計がまだ済んでない」

祐介「む、なら俺はコンビニの外で待っているとしよう」


返事を待たずに祐介はコンビニの外へ向かった。

待たせるのも悪いので、早く会計を済ませよう。

祐介の分の飲み物を適当にカゴに入れ、レジで会計を済ませる。


店員「ありがとうございました、またのご来店お待ちしております~」



祐介「来たな。よし、では行こう」

蓮「ああ」


祐介を連れてマンションへの帰路に着いた



【Tutorial】
「この作品では先制攻撃(セリフ割り込み)が入ると安価が妨害されます」
「先制攻撃はランダム(作者の気分)です」

――渋谷駅周辺 マンション・自室


祐介「ここがお前の新しい住居か」

蓮「まだ家財しか置いてないが、とりあえず適当に掛けてくれ」

モナ「お、帰ったか蓮――ってユースケじゃねーか!?」

双葉「アイエー!? おイナリ!? おイナリナンデ!?」

祐介「なんだ、モルガナと双葉もいたのか」

祐介「……モルガナお前、少し太ったか?」

モナ「う、うるせー! その話は二度目だからワガハイは答えんからな!」

双葉「蓮のお母さんのあげるおやつが美味しくてつい食べ過ぎたんだってさ」

モナ「オマエが答えんのかよ!?」

祐介「なるほどな。野生から帰って来た時は痩せていたが、まさか数ヶ月でこんなに変わるとは」

双葉「肥満はよくないなー、ビジュアル的には可愛さアップでも、カッコよさは大幅ダウン待ったなし」


モナ「ぐっはっ!?」


モナ「…………なぁ蓮、ワガハイを今度ペットジムに連れてってくれないか……?」


二人に指摘されて精神的に堪えたのか、モルガナは弱々しい声で頼み事を口にした

蓮「わかった」

モナ「よろしく頼むぜ……」


――『ペットジムへ行けるようになった』――

祐介「さて、談笑も程々にして早速取り掛かるとするか」

蓮「双葉、疲れはどうだ?」

双葉「ん、ダイジョブ。よほどの重労働でなければ」

双葉「(ちょっとだけど蓮のベッドで仮眠出来たし……)」

祐介「蓮、家財の配置があまり美しくないと思うのだが、位置を変えても構わないか?」

蓮「任せる」

祐介「承知した」

双葉「わたしは何をすればいい?」

蓮「双葉はこれを棚に収納して貰えるか?」

双葉「はいはーい。って意外とズッシリしてるな、なんぞこれ……って、コーヒー豆?」

モナ「ご主人に教わってからすっかり虜になって一式買い揃えたんだよな」

モナ「ワガハイは飲めないけど、コイツのお袋さんと親父さんは絶賛してたぜ」

蓮「ミルやサーバーとかの道具一式は、あのダンボールの中に入ってるからそれも一緒に頼む」

双葉「なんだか『ルブラン』の手伝いみたいだな。これならチョチョイのチョイで出来そう!」



二人に作業の指示を出したので、自分の作業に取り掛かる。

とりあえず双葉にはあまり見せられない下着などの衣類を収納してしまおう。


~30分後~


祐介「出来たぞ…ッ! 枯山水をモチーフにして家財の間に意図的な空間を生み出してみた! 座高の低いソファ、食卓用の長椅子、それらを別の家具や小物と組み合わせることにより、見る人次第で様々な印象を受けるはずだ。これによ(ry」

モナ「話なげーし何言ってるのか全然わかんねぇぞ!?」

双葉「なー祐介、それ椅子座る時引いたりするから結局バランスグチャグチャにならない?」

祐介「……ッ!? そう言われてみればそうだ……ッ!」

モナ「気づいてなかったのかよ!?」

双葉「アホだ、アホがいる」

蓮「二人とも、お疲れ様」

双葉「わたしの作業は終わったぞ。祐介も別の意味で終わったぞ」

祐介「生活動作というイレギュラーがあるのを失念していたか…! くっ、ならばその動作を考慮した上で手直しをしなければならないのは…!」


蓮「少し休憩にしないか?」

双葉「さんせー!」

祐介「椅子の移動範囲を想定すると、この角度から美しく見えるようになるにはある程度の距離が必要となるが…」

モナ「ワガハイは金のスプーンな! 量は普段より少な目で頼むぜ」

祐介「いや待て、そうなると今度は対角線上から美しく見えなくなる恐れが…」


双葉「祐介戻ってこれそうかコレ?」

蓮「祐介、じゃがりこがあるぞ」

祐介「是非頂こう」

双葉「一瞬だった!?」

祐介「俺にとって芸術は最重要項目だが、食事も同じくらい重要だ。金銭的に余裕が生まれようとも食える時に食っておかねばな」ポリポリ

祐介「食事、というよりは料理もある意味で芸術だ。無数の食材の中から素材を吟味し、己の技量で料理という作品へと昇華させる」ポリポリ

祐介「だから料理に関しては一家言があるぞ。苦学生が空腹と苦悩の末に生み出した『空想のフルコース』、いつか俺が芸術家として大成した暁には振る舞ってやろうじゃないか」ポリポリ

双葉「じゃがりこ食いながら言われてもなんかなー。……ってか祐介食い過ぎ! わたしの分がなくなる!」


買ってきたお菓子や飲み物をテーブルで囲んで一息ついた。


祐介「ご馳走様でした」

双葉「結局ほとんど祐介にじゃがりこ食べられたんですけどー!?」

モナ「うーむ、やっぱちょっと物足りねーけど、痩せねば……」


とりあえず荷解きも終わり、やることはなくなった

日は傾いてきたが、まだ外は明るいので出歩いてもよさそうだが…?



安価↓3 これからどうしようか?

1 チャットで怪盗団へ呼びかけてルブランに集まる

2 二人にコーヒーを振る舞う

3 SNSの着信が入る (以下より選択)

竜司 杏 真 春 川上 冴 千早 
一二三 大宅 武見 三島 岩井 吉田 織田 惣治郎 明智のいずれかから

祐介「蓮、差し出がましいかもしれんが、お前の淹れたコーヒーが飲みたい。作ってくれないか?」

双葉「あ、わたしも飲みたい! 食後のコーヒー!」

モナ「食後ってほどしっかりしたモン食ってねーけどな」

蓮「わかった。コーヒー豆は何がいい?」

祐介「お前に任せる」

双葉「右に同じ!」

蓮「了解」


双葉が収納した場所から道具一式を取り出し、惣治郎に教わった手順を思い出しながら豆の選定、焙煎、ブレンド、挽き、淹れを行う。


蓮「おまたせ」


テーブルへ向かい合って座る二人へ淹れたてのコーヒーを配膳する。


祐介「……ほう」

双葉「ルブランの香りだ!」

モナ「ワガハイも人間になればオマエらと一緒に飲めるのになぁ…羨ましいぜ」

祐介「では頂こう」

双葉「お手並み拝見」

祐介「……ふむ、この軽やかな風味はモカだな。スッキリして飲みやすい」

双葉「なんかこれ飲むとそうじろうの顔が浮かんでくる。まあわたしの頭の中では『コーヒー=そうじろう』って式が成り立ってるからなんだろうけど」


二人は満足そうだ。


祐介「しかしお前は多才な才能を持っているな。誰かに教えを請えばすぐに己の糧へと変えてしまう類まれなる才覚がある」

双葉「なんか蓮ってスポンジみたいだよね。教えたらすぐ自分のモノにしちゃうトコとか、謎の包容力があるっていうか」

モナ「まあだからこそ、こいつは怪盗団でリーダーとしてオマエらを率いる事が出来たんだろうぜ」

モナ「すべてのはじまりであり、あらゆる物事の中心に立つのがオマエなんだ」

モナ「ある意味オマエを中心に世界が存在してるって言っても過言はねーかもな」


蓮「流石にそれは過言だ」

祐介「そうか? 俺はお前がいなかったら、いまこうして語り合うことすら出来なかったかもしれないんだが」

双葉「わたしの世界の中心は蓮だぞ。蓮がいたからいまこうして世界を一緒に見られてるんだ」

モナ「ワガハイもオマエに何度助けられたことか。感謝してもしきれないぜ。これからも頼りにしてるぜ相棒」


みんなからの厚い信頼を感じる……。

その後は他愛の無い雑談をして過ごした。

窓の外を見ると日は沈み、街灯が街中を照らし始めていた。


祐介「む、もうこんな時間か。寮の門限もあるからそろそろ帰らねば」

双葉「わたしもそろそろ帰る。そうじろうに何も言わないで出てきちゃったからバレる前に戻らないと」

双葉「(もっと蓮と一緒にいたいけど、学校あるからガマン、ガマン……。登校までの辛抱……っ)」

蓮「二人共、駅まで送るよ」

祐介「いや、俺は電車は使わず徒歩で帰るから問題ない。送迎なら双葉に付いてやってくれ」

蓮「わかった」

双葉「(祐介ナイスアシスト! じゃがりこの恨みはナシにしといてやる!)」

祐介「ではまた明日。学校で会おう」

蓮「ああ」


一足先に家を出る祐介を見送った。


双葉「えっと、そんじゃあ蓮、エスコート、シクヨロ!」

蓮「わかった」

双葉「えっへへ…」

モナ「ワガハイは留守番してるぜ。二人共、気をつけてな」


来た時と同じように、双葉に右腕を抱きしめられながら駅へ向かい、四軒茶屋行きの電車に乗り込んだ。


――四軒茶屋・路地裏 佐倉家前


双葉「送迎ありがと。んじゃまた明日ね!渋谷駅の連絡口で待ってるの忘れちゃ駄目だかんな!?」

蓮「わかった」

双葉「それじゃあサラダバー!」

蓮「また明日」


明日一緒に登校することを約束し、双葉は駆け足で惣治郎の家へ消えていった。

部屋の明かりが付いた事を確認したのでそろそろ帰るとしよう。


そういえば惣治郎にまだ戻ってきた挨拶をしていないが…?


安価↓3 どうしようか?

1 また日を改める
2 顔見せにルブランへ立ち寄る

――四軒茶屋・路地裏 ルブラン


顔を見せておこうと思いルブランの前まで向かう。

夕飯時だからか、すれ違う人は少なく、あちこちから様々な料理の香りが食欲を刺激する。

すっかり歩きなれた路地裏を進み、ルブランの看板の前で立ち止まる。

表札は『OPEN』になっており、まだ営業しているようだ。

店内を覗いてみると、日曜の夜だからか少し混雑しているのが伺える。


『そういえば明智って最近見かけないよな』

『あー、言われてみれば。怪盗団の話も聞かなくなったし』

『獅童の一件でそれどころじゃなかったってのもあるけど』

『明智くんカッコ良かったのになー。探偵引退しちゃったのかな』

『おいおい彼氏の眼の前で別の男を褒めるのかよ…』

『なによ、アンタだってこのまえ「りせちーマジかわいい!」 とか言ってたくせに』

『うぐっ』

惣治郎『おいおいお二人さん、喧嘩ならよそでやってくれ』

『す、すんません』
『ごめんなさい』


『……おあいこだからね?』

『……悪かった。マスター、お代ここ置いときますね』

『ごちそうさまでした』

惣治郎『はいよ。毎度あり』


カップルはバツが悪そうな顔をお互い浮かべながらルブランを後にした。


惣治郎『…ったく、メシ食う時くらい仲良くしとけよなっての。――ん?』


カップルが座っていた席の片付けをしていた惣治郎がこちらに振り向いた。

惣治郎『……』

惣治郎は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐにいつもの目つきに戻る。

そして顎で店内に入るように促してきた。

断る理由もないので、扉を開けて店内へ足を運ぶ。


惣治郎「いらっしゃい」

蓮「カレーでももらおうか」

惣治郎「相変わらず生意気なようでなによりだ」

惣治郎「だが生憎だったな、カレーは今日は売切れだ。頼むなら別のもん頼んでくれ」

蓮「ならコーヒーを」

惣治郎「あいよ。この前の約束通り、1杯くらいは奢ってやるからお代はいらねぇからな?」


惣治郎お手製のコーヒーをごちそうになった。

惣治郎「しっかし、まさか1ヶ月もしないうちに戻ってくるとはなぁ。双葉から聞いた時は驚いたぜ」


まばらになってきた店内を見渡しながら、惣治郎が話題を振ってきた。

コーヒーを嗜みながら、話に耳を傾ける。


惣治郎「まぁ一度付いちまったレッテルってのは、なかなか剥がれねぇもんだ。剥がしても剥がしても、また塗りたくられちまう」

惣治郎「塗りたくる奴らは、テメェの本来持ってる色が見えなくなるまで塗り重ねてやるのが正義だと思ってやがるからな」

惣治郎「そんな奴らにかまってやるだけ時間の無駄だ。何が楽しくて他人のキャンバスにされなきゃならねぇんだよってな」

惣治郎「だから何をしようがありのままのテメェを受け入れてくれる人間は大事にしろよ?」

惣治郎「このご時世、簡単に手のひらを返す人間なんざごまんといるからな」

惣治郎「信じていた人間に背後から刺される、なんてよくある話だ。そうならないよう、大事なことはキチンと腹を割って話せよ」


蓮「惣治郎は刺された事はあるのか?」

惣治郎「俺の事はいいんだよ。仮にあったとしてももう何十年も過去の話だ、時効だ時効」


「マスター。お代ここ置いとくよ」

「俺らもそろそろ帰るか」

「だな。マスター!こっちもお勘定ここ置いときますねー」


惣治郎「あいよー、毎度あり」


7時を過ぎたからか、ぞろぞろと続けて客が店を後にする。

惣治郎はテーブル席へ向かい、テーブルを布巾で掃除しながら背中越しに言葉を発した。


惣治郎「……お前、いろんな人に手ぇ出してただろ?」

蓮「!」

惣治郎「俺も若い頃はだいぶやんちゃしてたからあんまり強くは言えねぇけどな」

惣治郎「若い身空での惚れた腫れたで一緒に居られるうちはいい」

惣治郎「けどな、そうも言ってられない時期はあっという間に来るもんだ」

惣治郎「それ相応の身の振り方は覚えておけよ? でないと新聞に名前載っちまうからな? 『死人に口なし』なのも忘れるなよ」


向こうを向いている為表情は伺えないが、惣治郎から厳しい忠告を受けた。


惣治郎「ま、何事もバランスが大事だからあんまハメ外しすぎんなってこった。特に今年は受験なんだろ?浪人して1年棒に振るなよ」

蓮「気をつける」

惣治郎「そうしてくれると助かるぜ。もうこの前みたいなのはコリゴリだからな」


やれやれと、肩を竦める惣治郎。 惣治郎のフォロワーがなければそれこそ本当に刺されていたかもしれない。


――カランカラン


惣治郎「いらっしゃい。――って、ああ」


最終決戦以上の死を覚悟した修羅場を思い出していると、現実に呼び戻すかのように入口のベルが店内に鳴り響いた。

惣治郎の反応からして知り合いのようだが……。


安価↓3 そこに居たのは?

1 真
2 春
3 武見
4 冴

武見「どうも。まだ営業時間?」

惣治郎「開いてるよ。ただ今日は客が多かったから食材がなくて大したもんは出せないけどな」

武見「そう。ならコーヒーを頂けるか――し、ら」


扉を開けて立っていたのは武見だった。


武見「…………あれ、おかしいな、疲れてるのかな」

武見「ねぇマスター。そこに人、いるわよね? カウンターに座っているの、幽霊とかじゃないわよね?」

惣治郎「そうだな、ちゃんと足はついてるはずだぜ」

蓮「久しぶり」

武見「マスター、いま彼なんて言ったか聞こえた?」

惣治郎「俺の耳が遠くなってなけりゃ、『久しぶり』って聞こえたな」

武見「そう。……ならこれは幻覚でも幻聴でもないのね」


武見はヒールを鳴らしながらカウンター席まで近づいてくる


武見「隣、座っても?」

蓮「どうぞ」

武見「ありがと。………………ところで貴方、今私が何考えているか分かるかしら?」


底冷えするような冷ややかな圧を武見から感じる……。


安価↓3 なんと返事をしようか?

1 「『また会えて嬉しい』かな?」
2 「『想定外の事態で心臓が止まりそう』かな?」
3 「ごめん」

蓮「ごめん」

武見「どうして謝るのかな?」

蓮「東京に戻って来ることを伝えてなかったから驚かせた、ごめん」

武見「……、そうね。凄く驚いたわ。あんまり連絡取れなかったし、貴方も自分から連絡するタイプじゃないもの」

蓮「怒ってる?」

武見「そう尋ねるってことは、私が怒っているように見えてるのね」

武見「……私、感情はあまり顔に出ないの。これでもいま、貴方が隣にいるだけなのに、心臓の鼓動、スゴイ事になってるんだから」


ややうつむきながら武見は言葉を紡ぐ。さっきの冷ややかな圧は冷静を装う為だったようだ。


惣治郎「あー、ゴホンッ」

武見「っ!」

惣治郎「水差して悪いな。ご注文のコーヒーだ」

武見「あ、……どうも」

惣治郎「そんで蓮、お前店番しとけ」

蓮「え」

惣治郎「タバコ買ってくる。10分くらいで戻るわ」

エプロンを外しながらそう言い残して惣治郎は店を出ていった。



武見「気を遣わせちゃったかな」

蓮「かもしれない」

武見「……」


意図せず武見と2人きりになってしまった。


安価↓3 どうしようか?

1 一人暮らしを始めた事を話す
2 惣治郎が帰ってくるのを待つ
3 客が来店する(末尾コンマ判定)
真(0~2) 春(3~5) 冴(6~8) ???(9orゾロ目)

武見「そういえば貴方、以前はこの店で働いていたけど、今日は違うのね」

蓮「一人暮らしを始めたからルブランにはもう住んでない」

武見「へぇ、そうなんだ」

武見「一人暮らし、か。新しい住居はどこなの?」

蓮「渋谷駅から少し歩いたマンション」

武見「高校生がマンション暮らしとはなかなか豪勢だね」

蓮「そうでもない」

武見「いやいや、一人暮らしでマンションはあまりないと思うけど」

武見「それにあの辺りだと家賃もそこそこするんじゃないの?」

蓮「貯金があるから平気」

武見「……言われてみれば貴方、うちで結構な額の買物してたね」

武見「…………ヘンなバイトとかしてたりしないよね?」

蓮「してない」

武見「そう。ならいいけど」

武見「もしお金が足りないなら助手として雇ってあげるから、困ったらいつでも連絡頂戴」

武見「それとも、モルモット君は『治験』の方が良かったかな? なんて」



安価↓2 なんと返事をしようか?

1 「お金には困ってない」
2 「『治験』が必要なら声を掛けて欲しい」
3 「もし風邪で寝込んだ時は往診してくれるか?」

蓮「もし風邪で寝込んだ時は往診してくれるか?」

武見「ふふっ、なにそれ。助手や『治験』でお金を貰うより、『診察』で私にお金をあげる方がいいってこと?』

武見「そうね、もし貴方が病気でどうしようもなくなった時は『お見舞い』に行ってあげる」

武見「貴方からお金は受け取れない。だから『往診』はしない。その代わりに『お見舞い』」

武見「まあ私の『治験』に最後まで付き合う事が出来た貴方が、病気で寝込む姿なんて想像出来ないけど」

蓮「そう言われてみれば『治験』以降体調不良になった事がない」

武見「貴方、元々健康優良児だったし、それに加えて私の治験や薬で免疫力が高まったのかもね」

武見「けど薬はあくまで一時的なものに過ぎないから過信はダメ。体調不良であれば無理はしないこと」

蓮「わかった」

武見「ん。素直でよろしい」

武見「貴方は色々と厄介事に巻き込まれそうな性格してるから、重々注意すること」

武見「医療は万能じゃないからね? それだけは忘れないで欲しいかな」


どこか慈愛を感じる眼差しを向けながら、武見は優しく微笑みかける。

医者として過ごしていれば、救えた命もあれば救えなかった命もあったのかもしれない。



惣治郎「急に留守番任せて悪かったな、今戻った」

そんな事を考えていると、惣治郎が帰ってきた。

武見「……それじゃあ私はそろそろお暇しようかな。マスター、お会計お願いします」

惣治郎「あいよ」



武見「ごちそうさまでした。じゃあまたね、モルモット君」


会計を手早く済ませた武見は軽く手を振って店から出ていった。


惣治郎「蓮、お前も出てけ。今日はそろそろ店仕舞いだ」

蓮「片付けなら手伝おうか?」

惣治郎「何言ってんだ、今日のお前は客だろうが。客に店の手伝いさせるほどウチはブラックな店じゃねぇよ」

惣治郎「ほらさっさと出てけ。双葉がお腹空かして待ってるんだからよ」


有無を言わさぬ物言いで惣治郎にルブランから追い出されてしまった。

路地裏に出ると、少し離れた場所を武見が歩いているのが見えた。


安価【先に3票集まった選択肢】どうしようか?


1 武見の後を追い掛ける
2 渋谷駅周辺で買物をする
3 明日に備えて自宅へ戻る

武見の後を追うか迷ったが、約束も特にしていない状況で付き合うのは迷惑だろう。

ひとまず電車に乗って渋谷駅へ戻った。


――渋谷駅・地下通路

休日出勤だったのだろうか、疲れた表情を浮かべるサラリーマン達の横をすれ違いながら駅構内を歩く。

あまり遅くなると巡回している警察に補導されるかもしれないので、あまり自宅から離れた場所には行かない方がいいだろう。


安価↓ どこへ向かおうか?

1 ロシナンテ(ディスカウントショップ)
2 ビッグバン・バーガー
3 トリプルセブン
4 駅地下モール

――セントラル街・【ビッグバン・バーガー】


店員「いらっしゃいませ! 只今の時間、ワンコインでビッグバンチャレンジが出来ますがいかがなさいますか?」

蓮「普通のビッグバンバーガーと烏龍茶のSをお願いします」

店員「お持ち帰りですか?それとも店内でお召し上がりになりますか?」

蓮「店内で」

店員「畏まりました!商品はお届けに参りますので、できあがるまでの間、テーブル席でお掛けになってお待ち下さいませ!」


店員から整理券を受け取り、テーブル席へ向かう。

ピークを過ぎているからか、店内は閑散としていたので、空いている窓際の席へ適当に腰掛けた。

商品が届くのを待ちながらガラス張りの窓から眺める。

早足で歩く青年、猫背で緩やかに進む老人、横並びで談笑しながら進む女性グループ

右に左に揺れ動く人の波を漠然と眺めていると、こちらを見てピタリと足を止める人影が。


安価 【先に3票集まった選択肢】 そこに居たのは?

1 春
2 真
3 竜司
4 一二三

そこに居たのは春だった。

春はガラス越しに微笑みながら手を振ってきたので手を上げて応える。


反応があって華やかな笑みを浮かべた春は、スマホを取り出して何かを操作する。


【SNS】NEW1


その直後、スマホに着信。

差出人は目の前にいる春だった。

どうやらガラス越しだからSNSで会話をするつもりのようだ。


春『こんばんは。東京に帰ってきたんだね、おかえりなさい』

蓮『ただいま』

春『いま何してるの? 何かの帰り?』

蓮『惣治郎に挨拶がてらルブランで食事をしようとしたら、料理が品切れしてたのでここで夜食の予定』

春『そうなんだ、それは残念だったね』

春『あのね、偶然とはいえ、こうしてあなたと会えたのもなにかの縁だし、私もご一緒していいかな?』

蓮『構わない』

春『ありがとう。じゃあ今から向かうね』


春はスマホをカバンに仕舞うと店の入口へと向かった。

その後すぐに自動ドアが開き、春が入店してきた。

レジで何かを注文した春は、片手に飲み物を持ってこちらへ歩いてくる。


春「改めましてこんばんは」

蓮「こんばんは」

春「あなたが地元に帰ってから、まだ1ヶ月も経ってないのにどうしてかな。あなたの顔が見れて凄く安堵している私がいるの」

春「この前のチャットを見た直後から、はやくあなたに会えたらいいなぁって思ってたらこんなすぐ会えるなんて」

春「単なる偶然なのかな。それとも運命の導き?」


安価 ↓3 どんな返事をしようか

1 「たまたまじゃないかな」
2 「運命の赤い糸が引き合わせたのかも」

蓮「たまたまじゃないかな」

春「リアリスト思考だね。私は運命とかの方がロマンチックで素敵だと思うけどな」


少し残念そうな表情を浮かべながら、春は飲み物に口をつける。

その様子を眺めていると、店員が商品を持ってこちらへ歩み寄ってきた。


店員「お待たせいたしました。ビッグバンバーガーと烏龍茶のSサイズでございます」

蓮「ありがとう」

店員「商品出来たてでお熱くなっておりますので、お召し上がりの際は火傷にご注意下さいませ」


両手で商品を受け取ると、店員はぺこりとお辞儀をしてレジへと戻って行った。


春「どうぞ私にはお構いなく召し上がって。私が注文したのはこの飲み物だけだから」

蓮「わかった。いただきます」


包みを解いてビッグバンバーガーにかぶりつく。

出来たて熱々のハンバーガーを一口、二口と胃袋へ放り込んでいく。


蓮「ごちそうさまでした」


途中、烏龍茶で口の中をリセットしながら手早く完食。

以前挑戦したコスモスタワーバーガーと比べるまでもなく小さいのですぐに食べ終わってしまった。


春「あれ、もう食べ終わったんだ」

蓮「春を待たせるのも悪いから手早く食べた」

春「なんか余計な気を遣わせちゃったみたいでごめんなさい。私も新規事業でのメニュー開発がなかったら注文してたんだけど…」


苦笑交じりに頬を掻く春。コーヒーに合う料理の味見に付き合わされたのだろうか。


蓮「事業は順調そう?」

春「うん、開店に向けて色々と準備が進められてるよ」

蓮「そうか」

春「大学との両立で毎日大変だけど、将来喫茶店を開く時に絶対役に立つはずだから頑張らないと」

春「そのせいで最近はちょっと寝不足気味だけど、慣れていない間は仕方ないよね…」


春の顔をよく見ると、メイクで隠してはいるがうっすらと隈が見て取れ、疲労の色が伺えた。


安価↓2 なんと返事をしようか? 

1 「大変そうだな」
2 「何か手伝える事はないか?」

蓮「何か手伝える事はないか?」

春「心配してくれるんだね、ありがとう。でもあなたの気持ちは嬉しいけど、私がやりたくてやってる事だから」

蓮「無理は良くないぞ」

春「無理……はしてないとは思うんだけど、あなたから見ればそう見えるの?」

蓮「目の下に隈が出来てる」

春「えっ!? うそ、やだ朝ちゃんとメイクしたのに…っ! ごめんなさい。ちょっとお手洗いに…!」


春は鞄を持って慌ててトイレへと向かった。

余計な事を言ってしまったかもしれない…。



それから数分後、春は戻ってきた。


春「お見苦しい姿を見せてごめんなさい」

蓮「こっちこそ無遠慮な発言だった、ごめん」

春「ううん、あなたは悪くないの。上手く両立が出来ない未熟な私のせい」

春「……ごめんなさい、ちょっと愚痴を聞いてもらってもいいかな?」

蓮「俺でよければ」

春「ありがとう」


伏し目がちな目で俯きながら、春は語り始める。


春「実は私も大学生になってから一人暮らしを始めたんだ。家の人からは反対されたんだけど、今までの自分から変わりたくて家を出たの」

春「それで今までお手伝いさんに身の回りの世話を任せてたんだけど、一人暮らしになったら全部自分でやらないといけないじゃない?」

春「掃除、洗濯、食事、学業に新事業の手伝い。毎日全部1人でこなして、いかに自分は恵まれた環境で過ごしていたのか痛感したの」

春「そんな自分がなんだかすごく情けなく感じて、このままじゃ駄目だと思って奮起したけど空回りすることも多くて…」

春「その遅れを取り戻す為に夜遅くまで頑張ってたら、さっきあなたに指摘された隈が出来てしまったの」

春「余計な心配を掛けたくなかったからメイクで隠して平静を装ってたけど、あなたの前では無理みたい」


春「…………うん。ありがとう、話せたらなんだか少しスッキリしたかも」

春「自宅だったら薪を割ってストレス解消出来るんだけど、マンションじゃそうもいかないからね」


そういえば『宴』の時に薪を割るのがストレス解消になると言っていた気が……。

迂闊な言動でかち割られないようにしよう……。

店員「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」


夜もだいぶ深まってきたので、店員に見送られながら春と一緒に店を出た。


春「それじゃあ私はそろそろ帰るね」

蓮「送っていく」

春「ううん、平気。私が今住んでるマンションはそこまで遠くないから」

春「ここからじゃ見えないけど、渋谷駅からはそんなに離れてないの。徒歩10分くらいかな」


そう言いながら春が指を示した方向は確か高級マンションが立ち並ぶ方角だった。

自宅のマンションからは少し離れた位置にあるが、そんなに遠い距離ではない。


安価↓3 どうしようか?

1 心配なのでマンションまで見送る
2 タクシーを拾って送ってもらう
3 買物があるのでここで別れる

蓮「心配だからマンションまで見送る」

春「そう? そこまで言うならお願いしようかな」


――新宿駅近辺・道路沿い歩道


春「前から少し思ってたんだけど、なんだかみんなちょっと私に対して過保護過ぎるんじゃないかな」

蓮「そうかな?」

マンションへと向かう帰路で、春は唐突に疑問を口にした。

春「うん、なんか少し距離があるっていうか、私自身、怪盗団に合流したのが1番遅かったからっていうのもあるのかな」

春「みんなともっと仲良くなりたいんだけど、私もあんまり積極的に人と付き合う人間じゃないから、適切な距離感がなかなかつかめないんだけどね」

蓮「なら今度、怪盗団のチャットで話していたパーティーでも開こう」

春「あ、それってこの前のチャットで杏が話していた提案のこと?」

蓮「そうだ」

春「確か場所はルブランだったよね。最近は足を運べてないから、久しぶりにマスターのコーヒーが飲めそう」

春「ルブランのお店の雰囲気、将来自分のお店を持つ時の参考にしたいからしっかり観察しないと!」


春はやる気をみせている。張り切り過ぎて過労で倒れたりしなければいいが…。



――新宿駅近辺・高級マンション入口


春「送ってくれてどうもありがとう」

蓮「どういたしまして」

春「……、せっかく来たからお茶菓子でもどうかなって思ったけど、もう遅いから流石に迷惑かな」



安価【先に3票集まった選択肢】 どうしようか?

1 「気持ちだけ受け取っておく」
2 「また今度遊びに来た時にでも」
3 「もしかして、寂しい?」

蓮「もしかして、寂しい?」

春「…………また私、顔に出てた?」

蓮「そういうわけじゃないけど、なんとなくそう思った」

春「……、あなたの前では隠し事、出来ないなぁ」


春「……うん、寂しい。自立する為に選んだ道なのに、何言ってるんだって思われるかもしれないけど、1人って凄く寂しいの」

春「帰宅すると明かりの点いていない暗闇だけが唯一出迎えてくれるんだけど、以前はお手伝いさんが必ずいたから孤独感を余計に覚えてしまって…」

春「……情けない先輩だよね。一人暮らしも満足に出来なくて、寂しさのあまり、後輩のあなたにこんな話をしちゃうなんて」


肩を落として弱々しい声で言葉を紡ぐ春。

何か励ましの声をかけなければ…。


蓮「……、今の春は自分から選んで孤独になっているだけで、孤立はしていないんじゃないかな」

春「え…?」

蓮「目の届く所に姿が見えなくても、心で繋がっていれば孤立することなんてない」

春「……」


蓮「春は1人じゃない。今は物理的に見えてないから孤独を感じているだけで、心理的にはずっと近くにいる。自分も、怪盗団のみんなも」

蓮「寂しいなら無理する必要なんてない。毎日遭うのは難しいけど、SNSでならいつだって繋がれる」

蓮「孤独に耐えられなくなったら呼びかけて欲しい。みんなも自分も、いつだって春を受け入れられる場所にいるから」


蓮「それに、自分の夢を叶える為に努力する人が、情けないなんて微塵も思わない」

蓮「春は尊敬出来る先輩だと思ってるから、そんなに自分自身を卑下しないでくれ」


春「……っ」

蓮「春?」

春「…………ごめんっ、なさい。……ちょっと、いま、は、あなたに顔、見せられそうに、な、い……っ」


顔を後ろにそらし、両手で顔を隠しながら途切れ途切れに言葉を発する春。

……まずい、泣かせてしまった……!?


安価【先に3票集まった選択肢】 どうしようか?

1 春が落ち着けるように部屋へ上がりたい事を伝える
2 抱き寄せて胸を貸す
3 春が落ち着くまでしばらく待つ

蘭子「混沌電波第161幕!(ちゃおラジ第161幕)」
蘭子「混沌電波第161幕!(ちゃおラジ第161幕)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522060111/)
蘭子「混沌電波第162幕!(ちゃおラジ第162回)」
蘭子「混沌電波第162幕!(ちゃおラジ第162回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522664288/)
蘭子「混沌電波第163幕!(ちゃおラジ第163回)」
蘭子「混沌電波第163幕!(ちゃおラジ第163回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523269257/)
蘭子「混沌電波第164幕!(ちゃおラジ第164回)」
蘭子「混沌電波第164幕!(ちゃおラジ第164回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1523873642/)
蘭子「混沌電波第165幕!(ちゃおラジ165回)」
蘭子「混沌電波第165幕!(ちゃおラジ165回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1524480376/)
蘭子「混沌電波第166幕!(ちゃおラジ第166回)」
蘭子「混沌電波第166幕!(ちゃおラジ第166回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525058301/)
蘭子「混沌電波第167幕!(ちゃおラジ第167回)」
蘭子「混沌電波第167幕!(ちゃおラジ第167回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525687791/)
蘭子「混沌電波第168幕!(ちゃおラジ第168回)」
蘭子「混沌電波第168幕!(ちゃおラジ第168回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526292766/)
蘭子「混沌電波第169幕!(ちゃおラジ第169回)」
蘭子「混沌電波第169幕!(ちゃおラジ第169回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526897877/)
蘭子「混沌電波第170幕!(ちゃおラジ第170回)」
蘭子「混沌電波第170幕!(ちゃおラジ第170回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1527503737/)
蘭子「混沌電波第171幕!(ちゃおラジ171回)」
蘭子「混沌電波第171幕!(ちゃおラジ171回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528107596/)
蘭子「混沌電波第172幕!(ちゃおラジ第172回)」
蘭子「混沌電波第172幕!(ちゃおラジ第172回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528712430/)
蘭子「混沌電波第173幕!(ちゃおラジ第173回)」
蘭子「混沌電波第173幕!(ちゃおラジ第173回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529353171/)
蘭子「混沌電波第174幕!(ちゃおラジ第174回)」
蘭子「混沌電波第174幕!(ちゃおラジ第174回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529922839/)
蘭子「混沌電波第175幕!(ちゃおラジ第175回)」
蘭子「混沌電波第175幕!(ちゃおラジ第175回)」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1530530280/)

マンションの入口で女性を泣かせるという構図は非常によろしくない。

泣かせるつもりはなかったとはいえ、自分の言葉を聞いて泣いてしまったら、意図は関係なく泣かせたのと同義だ。

春は顔を見せられそうにないと言った。

なら彼女の望み通り、泣き顔を隠してあげるのがせめてもの贖いだろう。

ゆっくりと春の元へ歩み寄り、両手で優しく抱き寄せる。

一瞬驚いたように両肩が震えた春だったが、自分がそれ以上何もしない事がわかると胸元に頭を預けてきた。

ひとまず春の感情の昂ぶりが落ち着くのを待つとしよう。


春「…………………………穴があったら入りたい」


――どれくらい時間が経過しただろうか。しばらくして、泣いた影響か鼻声の春はそうポツリと呟いた。

蓮「ならもう少し抱き寄せた方がいい?」

春「……ううん、このままでいい。…………このままがいい」

俯いたまま言葉を地面へ落とす春。

顔を覆い隠していた春の掌は、いつの間にか自分の服の裾を軽く掴んでいた。


春「…………いま私、凄く恥ずかしい事言わなかったかな?」

蓮「? 男女が抱き締め合うのは恥ずかしい事なのか?」

春「……恥ずかしい事というか、なんて言えばいいのかな、とりあえず普通は恥じらいを覚えるものだと思うの」

蓮「そういうものなのか?」

春「……ふふっ、あなたってたまに予想の斜め上の反応するね」


春「…………うん。ありがとう、もう大丈夫。――あ、でも今の顔は見ないで欲しいから、後ろ向いて貰えると嬉しいかな」


なんとか落ち着きを取り戻した春だが、やはり顔を見られたくないようで、地面を向いたままそうお願いしてくる。


蓮「わかった」

春の要望に応える為に抱き寄せるのを辞めて後ろを向いた。


春「……、――っ!」


――その直後、背中に伝わる柔らかな衝撃と彼女の温もり。

反射的につい振り返りそうになったが、なんとか動きを制止させて前方へ向き直る。


春「……寂しくなったら、またこんな風に励ましてもらってもいいかな…?」


背中に身体を密着させながら語りかけてくる春。返す言葉は先程告げた言葉でいいだろう。

蓮「ああ。いつだって春を受け入れられる場所にいるから」


春「ありがとう。……その言葉、一生忘れないからね?」


囁くような声で告げた後、春は背中から離れ、小走りで足音と共に離れていく。


春「あなたに泣き腫らした顔なんて見せたくないから、部屋へはまた日を改めて招待するね」

春「それじゃあまた。おやすみなさい」

蓮「おやすみ」


足音が遠ざかっていくのを把握しながら、後ろをチラりと振り返れば春の姿はすっかり小さくなっていた。

自分もそろそろ自宅へ帰るとしよう。

等間隔で並ぶ街灯に照らされながら、自宅への帰路についた。

みなさんに少し確認したいのですが、台詞の前に名前があるのとないの、どちらの方がいいですか?

蓮と春みたいに一文字の名前が連続すると、パッと見で同じ名前に見えて混乱を招くような気がするのですがどうでしょうか?

みなさんの考えをお聞かせ願えたらと思います


・追伸
あと毎回更新時間不定期ですみません…

話を考える時間が遅いので、他の安価スレのようなスピード感を出せないのが心苦しいです、精進します

特に反応ないようなので変わらずそのままでいきます

というかそもそも読んでる人が少ないだけかな

――渋谷駅周辺 マンション・自室


蓮「ただいま」

モナ「おー、遅かったじゃないか」

蓮「少し色々あった」

モナ「てっきり事故にでも遭ったんじゃないかって心配したけど杞憂だったみてぇだな」

蓮「心配かけた」

モナ「まあ無事ならそれで何よりだ。んじゃまあ明日に備えてさっさと寝ようぜ」

モナ「転校初日から遅刻とかシャレにならんからな。フタバとの待ち合わせもあるから忘れんなよ?」

蓮「わかってる」

シャワーを浴びて寝間着に着替えて寝室へ向かう。

モナ「そんじゃワガハイはあっちのタワーで寝るからな」

蓮「おやすみ」


ほんのりと甘い香りのするベットへ横になる。

今日は歩き回ったのですぐに瞼が降りてきた。



安価 ↓2 眠りについて?

1 目が覚めたらベルベットルーム
2 目が覚めたら朝

sageだったので再安価

安価 ↓2 眠りについて?

1 目が覚めたらベルベットルーム
2 目が覚めたら朝

――ベルベットルーム


蓮「ここは――」


カロリーヌ「来たな囚人!さあ更生の時間だ!」

ジュスティーヌ「昨夜はお楽しみでしたね」

ラヴェンツァ「お帰りなさいませ。カロリーヌにしますか?ジュスティーヌにしますか?それとも、わ・た・し?」

蓮「ノリがおかしくないか?」


ジュスティーヌ「いつも同じ出迎えの挨拶では退屈ではないかと判断したまでです」

ラヴェンツァ「時には冗談を言いたくなる時もありますよ」

カロリーヌ「ちょっと待て! なにかコソコソ2人で会話してると思ったらそんな事を企んでいたのか!?」

ジュスティーヌ「いつもと寸分違わぬ事務的な対応で仕事に精が出ますね、カロリーヌ」

ラヴェンツァ「そんなに肩肘を張らなくてもいいと思いますよ、カロリーヌ」

カロリーヌ「なぜ私が責められるのだッ!?」

蓮「よくわからないけどカロリーヌが悪い」

カロリーヌ「囚人、貴様もかッ!?」


イゴール「フフ…喧嘩するほど仲が良いとは言い得て妙ですな」


ジュスティーヌ「と、まあ冗談は程々に」

ラヴェンツァ「本日は主からお話があります」

カロリーヌ「しかと傾聴するのだぞ!」

イゴール「貴方は、再び迫らんとする破滅を回避するためにここへ招かれた存在です」

イゴール「私に成りすまし、人間を破滅させようと暗躍した悪神を討ち滅ぼしたトリックスター」

イゴール「人々の希望の結晶であるモルガナに導かれ、差し迫る『死』の運命すら乗り越えた貴方ですが」

イゴール「残念な事に、再び世界は牙を剥こうとしているのです」


ラヴェンツァ「既に『異世界ナビ』が再度インストールされているのはご存知だと思います」

ジュスティーヌ「貴方はまだ把握していないでしょうが、メメントスと似た異世界も確認されているのです」

カロリーヌ「統制神の残滓とでも呼ぶべきか。願いを叶える聖杯、たとえ欠片であろうと世界を歪ませることなど造作もないハズだ」

蓮「つまりまた『世界を奪え』、ということか?」

イゴール「左様。人々の欲望というのはそう簡単に消え去るものではありませぬ」

ラヴェンツァ「かつて主がした事と同じ事を悪神も行った可能性があります」

ジュスティーヌ「人々の希望ではなく絶望、ないしそれに準じたモノをかき集めた結晶」

カロリーヌ「現実と異世界が融合していた状況で生み出されたのであれば、モルガナのように猫の姿とは限らん。人の可能性すらあり得るのだ」

蓮「人の可能性……」

イゴール「まあいずれにせよ、貴方は以前と同様、大衆の歪んだ欲望を頂戴すれば良いのです」

ラヴェンツァ「その上で、元凶を発見次第成敗するか、改心させるか、それは貴方の判断にお任せします」

ジュスティーヌ「生かすも殺すも貴方次第というわけです」

カロリーヌ「ま、貴様が誰かを殺すことなどありえんだろうがな」


イゴール「話は以上。何かお聞きした事があればお答えしますが?」

蓮「今は特にない」

イゴール「なるほど。では、今日はどうされますかな?」


安価 ↓2 どうしようか?

1 現実に戻る
2 ラヴェンツァ達と会話する

蓮「ラヴェンツァ達と会話がしたい」

イゴール「左様でございますか。では彼女らと暫しの間、歓談の時を過ごされると良いでしょう」


ラヴェンツァ「私達と会話をご希望ですか?」

ジュスティーヌ「良かったですねカロリーヌ、蓮と会話が出来ますよ」

カロリーヌ「は、ハァッ!? べ、別に私はコイツと話したいことなんてないからな!? オイそこニヤけるな囚人!」

ジュスティーヌ「相変わらず素直ではないのですね。先日彼がすぐに帰ったあと、この独房の隅で打ち拉がれていたじゃないですか」

カロリーヌ「んなっ!? で、デタラメ言うなジュスティーヌ!」

ラヴェンツァ「その証拠の写真がこちらにあります。ご覧になりますか?」

蓮「是非見たい」

カロリーヌ「なんでそんな写真を撮ってるんだ!? 消せ! 盗撮だ! 肖像権侵害だ!」

ジュスティーヌ「"私"を撮影するのに盗撮も肖像権侵害も関係ないのでは?」

ラヴェンツァ「そもそもこの空間は夢と現実の狭間。現実の法律は当て嵌まらないかと」

カロリーヌ「ああ言えばこう言うな!?」


「「我は汝、汝は我なので」」


カロリーヌ「ええいハモるな! オイ囚人! 貴様からもなんか言ってやれ!」

蓮「振り回されてるカロリーヌは面白いな」

カロリーヌ「私に言うのか!? ええい、なんで私がこんな目に…!」


ジュスティーヌ「素直でないからだと思います。私には遠回りする意味がわかりません」

ラヴェンツァ「せっかくカロリーヌは感情表現が豊かなのだから、好意はまっすぐ伝えるべきです。でないと誤解を招く原因にしかなりませんよ?」

カロリーヌ「ぐぬぬ…っ」


カロリーヌ「おい囚人! 貴様はどう思う!?」

蓮「どう思う、とは?」

カロリーヌ「き、気持ちは素直に伝えるべきだと思うか?」


安価 【先に2票集まった選択肢】 なんと返事をしようか

1 「その人に依るから一概には言えない」
2 「誤解されたくないのであれば、素直になる必要があると思う」
3 「好意でも敵意でも、すべて受け入れるから特に気にしない」

蓮「誤解されたくないのであれば、素直になる必要があると思う」


カロリーヌ「そ、そうか…」

ジュスティーヌ「とは言っても、誤解であれ正解であれ、その解に対する反応は受け手に依る所が大きいのも事実です」

ラヴェンツァ「発言を額面通りに受け取る者もいれば、隠された意図を見抜こうとする者もいますからね」

ジュスティーヌ「まあ気心の知れた間柄であるならそれでも構わないかと。慣れない言動であれば意図を察する事も出来ると思われます」

ラヴェンツァ「先程の私達のように、軽口を叩き合える関係もある意味望ましいものですから」

ジュスティーヌ「軽口で済まない時もありますが、それもある意味では正解であり誤解」

ラヴェンツァ「解を導き出す方程式の議論が出来る間柄であれば、どちらも悪いものではないのかもしれませんね」


カロリーヌ「ええい! 話がシッチャカメッチャカしてよくわからなくなったぞ!? つまりどうすればいい!?」


蓮「そのままのカロリーヌでも魅力的だけど、素直になって新しい一面を見せるのもアリということかな」


カロリーヌ「っ! みりょ、くてき……っ」

ジュスティーヌ「おやカロリーヌ、顔が真っ赤ですよ」

カロリーヌ「褒められて赤面しないのはおかしいだろうが!?」

蓮「見事な逆ギレだな」

ラヴェンツァ「ふふっ、本当にね」


その後も四人で歓談の時を過ごした。

20XX年4月16日(月)


――マンション・寝室


モナ「――おーい、朝だぜ蓮」

蓮「……おはようモルガナ」


気がつけばいつの間にか朝になっていた。

寝ぼけ眼を擦りながら洗面台に向かって顔を洗い、洸星高校の制服に着替え、モルガナにエサを与えて朝食を取る。


モナ「なんかオマエがユースケと同じ制服着てると違和感すげぇな」

蓮「そのうち慣れるさ」

モナ「それもそうだな。ワガハイは家で留守番してるけど、1人でもしっかりやるんだぞ?」

蓮「ああ」


スマホを見ると、着信が入っていた。相手は双葉だ。


【SNS】NEW1

双葉『グッモーニンだぞ! 今日から一緒の学校に登校だな!』

双葉『今からわたし家出るから! ちゃんと駅で待ってないとそうじろうに言いつけるからな!?』

蓮『わかった』


モナ「渋谷駅でフタバが待ってるはずだから、ちゃんと合流して登校するんだぞ?」

蓮「わかってる」

朝食を片付け、登校の準備を済ませて玄関へ向かう。

モナ「んじゃ気をつけてな」

蓮「いってきます」



――渋谷駅


双葉『渋谷駅着いた。相変わらず人多くてシンドイ…。蓮いまどの辺?』

蓮『地下通路のキヤスクの近くにいる』

双葉『おk』


双葉とSNSで連絡を取った数分後、洸星高校の制服に身を包んだ少女が目の前で立ち止まった。


双葉「お、…………おはよう」

蓮「おはよう双葉」

双葉「制服、似合ってるな!」

蓮「双葉も似合ってる」

双葉「そ、そうか? スカートはあんま慣れないけど、褒められて悪い気はしない!」


双葉「よし、とりあえず学校に向かおう! 人混みは嫌いだからこのダンジョンはすぐ抜けよう今すぐだ!」


そそくさと歩く双葉の後ろ姿を追いかけながら洸星高校へと向かった。

――洸星高校・校門前


「聞いたか?三年に転校生が来るらしいぜ」

「マジで? 新学期早々?」

「喜多川くんの絵、また入選したんだって!」

「今度上野の美術館に展示されるらしいよ」

「東郷さん棋戦で連勝伸ばしてるみたいだぜ」

「八百長姫って呼ばれたのが嘘みたいだな、なんか吹っ切れたのかね」



双葉「みんな噂話好きだなー。というかオイナリはウチの高校で評判が良いらしくてビックリした」

蓮「祐介は黙っていれば好青年だからな」

双葉「それな。まあ中身は色々とぶっ飛んでるけどね。じゃがりこジャンキーの腹ペコ芸術家」


祐介「俺を呼んだか?」


双葉「おわッ!? び、ビックリしたなぁもう! 急に会話に割り込むのヤメレ!」

祐介「む、すまん」

蓮「おはよう祐介」

祐介「ああ、おはよう蓮。今日も清々しい朝だな」

双葉「心臓に悪い…」


三人で雑談を交えながら校門を抜け、昇降口へと向かう。


祐介「では俺はこれから部活の朝練なので失礼する」

双葉「美術部で朝練とかあるのな」

祐介「朝の方が絵の構想を練るのに適しているからな。放課後はその練った構想を仕上げる時間に過ぎない」

双葉「ふーん。よくわからん」

祐介「まあ実際に芸術に触れなければこの感覚はわからんだろうな」

そう言い残し、祐介は美術室のある技術棟へ歩いて行った。

双葉「部活なー。集団行動苦手だから入る気しないけど、やっぱ学生ならどこか入部した方がいいのかな」

双葉「蓮はどう思う?」


安価 ↓3 なんと答えようか?

1 「同年代と交友を深めるのは大事だ」
2 「なら一緒にどこかの部活動に入るか?」
3 「無理に入る必要はないと思う」

蓮「なら一緒にどこかの部活動に入るか?」

双葉「おおっ!? 蓮と一緒の部活!? なんか良さげな気がする!」

双葉「あ、でもわたし運動能力低いから体育系はダメだぞ! マネージャーとかも……たぶん無理。重労働は向いてない!入るなら文化系!」

双葉「そもそも蓮は今年受験だから運動部入ってもすぐ引退だしな! よって文化系!」

蓮「何か希望の部活は?」

双葉「うーん、そだなー。うーん、う~ん…? ゴメンわたし学校生活疎くて部活動よくわからん!蓮が考えて!」


安価【先に3票集まった選択肢】 どんな部を勧めようか?

1 美術部
2 将棋部
3 家庭科部
4 帰宅部

蓮「家庭科部とかどうだろうか?」

双葉「ふむふむ、そもそも家庭科部って何する部活?」

蓮「裁縫をしたり料理を作ったり、文字通り『家庭科の部活動』」

双葉「ふーん。裁縫したり料理作ったりするなら女子力のステータスアップにもってこいだな!」

蓮「ただこの学校に家庭科部があるかは知らない」

双葉「あー、それな。んー、記憶あやふやだけど、わたしがココに編入して部活動の入部勧められた時、部活動一覧にあったようななかったような…」

蓮「この時期ならまだ新入部員勧誘の時期だろうから、確認がてら部活動を見学して回るのもいいかもしれないな」

双葉「ん、じゃあひとまず放課後の予定ソレな!」

双葉「新入生の見学時期だけど、わたしもある意味で新入生みたいなもんだしダイジョウブだろう!」

双葉「約束すっぽかして帰るのダメだかんな!?」


双葉と放課後、部活動見学をすることになった。



双葉「そんじゃあわたしはそろそろ教室行くから。またあとで!」

蓮「ああ」

そう言い残して双葉は自分の教室へと向かった。

自分も教室へ向かおうと思ったが、転校初日なのでひとまず職員室へ向かうとしよう。

先日来た記憶を頼りに、職員室へ足を運んだ。

――洸星高校・職員室


担任「それじゃあこのあとのHRの時に紹介するから、簡単な挨拶を考えておいてくださいね」

蓮「わかりました」


朝のHRで自己紹介をすることになった。

担任「じゃあ時間だからそろそろ行きましょうか」



――洸星高校・教室


担任「はい、みんな席についてー。突然ですが、転校生を紹介します」

男子生徒「転校生?こんな時期に?」

女子生徒「男子かな、女子かな」

女子生徒「かっこいい人だったらいいなー」

担任「はい、静かに。じゃあ入ってきて」

蓮「……」

男子生徒「男かー」

女子生徒「髪なんかモサモサしてる~」

女子生徒「え、でもけっこうイケメンじゃない?」

担任「ほらそこザワザワしない! じゃあ雨宮君、自己紹介を」


蓮「雨宮蓮です。よろしく」


担任「雨宮くんの席は窓際の1番後ろの席ね」

担任「教科書の手配が遅れてるから、授業中は隣の…ああ、ごめんなさい。隣の子は午後から登校だから授業中は前の席の子から見せてあげてね」


男子生徒「へーい」

蓮「よろしく」

男子生徒「おう」


それから4限まで授業を受けたが、授業内容は特に難しいものではなかった。


日本史教師「はい、では今日はここまで」


男子生徒「さぁてメシだメシ」

女子生徒「学食行こー」

女子生徒「今日の日替わり定食なにかな~」


昼休みになった。


安価 【先に2票集まった選択肢】 どうしようか?


1 学食へ向かう
2 双葉と祐介に連絡を取る
3 なにやら教室が騒がしい…?

双葉と祐介に連絡を取ろう


蓮『二人共、いまどこにいる?』

祐介『移動教室の帰りで自分の教室に戻っている最中だ。教室に荷物を置いたら学食に寄るつもりだが』

双葉『体育終わって着替えなう。終わったら学食行く予定。蓮も一緒に来る?』

蓮『学食の場所がわからない』

双葉『あー、それもそっか』

祐介『なら俺が案内しよう。教室で待っていてくれ。ところで蓮は何組だ?」

蓮『2組』

祐介『了解した。荷物を置き次第すぐに向かう』

双葉『じゃあわたしは学食で席取っとく!』

蓮『ありがとう』


祐介が来るまでしばらく待つこと数分。

後方の扉から祐介が入ってこちらにやってきた。


祐介「待たせたな」

蓮「全然」

祐介「では行こうか」

蓮「ああ」



女子生徒「え、転校生って喜多川くんと知り合いなの!?」

女子生徒「しかもなんかすごく親しげじゃなかった!?」

女子生徒「どんな関係なんだろ…」

女子生徒「てかちょっと気にならない? あとを追い掛けてみない!?」

女子生徒「そうしよそうしよ! メシ食ってる場合じゃない!」


後方がなにやら騒がしいのを感じながら、祐介に連れられて学食へと向かう。

――洸星高校・学食

祐介「ここが学食だ。リーズナブルな価格だが、味も量も申し分ない。金銭に余裕がある日はいつも世話になっている」

蓮「人が多いな」

祐介「ウチの高校は基本ここで食事をする生徒が大半だからな」

蓮「なるほど」

双葉「おーい! こっちだ二人共!」

食券販売機のすぐそばのテーブルで、双葉が手を振って呼んでいる。

運動後だからか、髪を纏めておりいつもと印象が違って見える。


双葉「座席は確保しといたぞ!」

蓮「ありがとう双葉」

双葉「えっへへ…」

祐介「双葉はもう注文は済ませたのか?」

双葉「確保優先だったからまだだ!」

祐介「そうか。では今度は俺が確保しているから蓮と一緒に注文してくるといい」

蓮「祐介のも注文してこようか?」

祐介「では『ざる蕎麦』を頼む。金は後で払おう」

蓮「わかった」


双葉「よし行くぞ蓮! ちなみにわたしのオススメ学食はカレーだ! ルブランのやつとはまた違った味わいがあるぞ!」


双葉に腕を取られながら食券売場へと向かう。


「佐倉ちゃんと一緒にいるの誰だアレ」

「普段の彼女と表情が全然違う…何者なんだ彼は」


周囲からの視線や噂話が聞こえてくる。

学生としての双葉の現状はよく知らないが、周囲から一目を置かれているようだ。


双葉「注文する時は先にお金を入れて、食べたい料理のボタンを押せば食券が出て来るから、それ持ってあっちのカウンターに向かえばOK」

双葉「食券をカウンターのオバちゃんに渡せば料理くれるから、それで配膳完了。超簡単!」

双葉「あ、でもお残しすると怒られるから注意な。『お残し許すまじ!』ってやつだ。ん?アレなんかビミョウに違う気が…」


教わった手順通りに料理を注文し、カウンターで受け取る。

ざる蕎麦とA定食(ミニカレーとラーメンとプリン)を持って、祐介が待つ席へと戻る。


蓮「おまたせ」

祐介「ああ、すまんな蓮。……む?両手が塞がっていては席に座れないな、いま椅子を引こう」

蓮「ありがとう」

祐介「お安い御用だ」


「喜多川くんが椅子を引いてあげてる!?」

「まるで主人と執事みたい…!」


双葉「なんか今日の学食、いつもと違って騒がしい気がする」

祐介「視線もやけに感じるな。まるで針の筵に座らされている気分だ」

周囲の喧騒に気を散らされながら、三人で昼食を取った。

双葉「ごちそうさま! あー、お腹いっぱいで午後の授業眠くなりそう…」

祐介「体育で運動後に食事からの授業は反則級の流れだな」

蓮「眠くなった時は手のツボを押すといいらしい」

双葉「ほほう? それどこ押せばいいの?」

蓮「手の裏側にある、親指と人指し指の付け根の間」

双葉「この辺? ……んー、あまり実感がない」

祐介「ああ、俺もそれに関するテレビを以前見かけたな。双葉の押している部分は少し違う、ここだ」

双葉「いだだだだだ!!? ちょっ、いきなりなにすんだ祐介!?」

祐介「目を覚ましたかったのではないのか?」

双葉「いや目は覚めたけども! パッチリですけども! でもこれ単に痛みで意識がハッキリしただけじゃね!?」 

蓮「結果オーライだな」

祐介「ああ」

双葉「なんか釈然としない!」


それからしばらく雑談を交わした。


双葉「あー、もうそろそろ5限目始まるから教室戻らなきゃ」

祐介「もうそんな時間か。初めて3人で食事をしたが、時間が経つのはあっという間だな」

蓮「授業へ遅刻する前に教室に戻ろう」



双葉「それじゃあ蓮、また放課後な!」

祐介「またな」

蓮「ああ」


2人と学食で分かれて教室へと戻った。

自分の座席まで近づくと、隣の席に午前中は不在だった女子生徒が座っており、鞄の中から勉強道具を取り出していた。


一二三「……」

不在だった席の主は一二三だった。

彼女も洸星高校の生徒なので、校舎内で顔を会わせることもあるだろうとは思ったが、まさか隣の席だとは。


安価 ↓3 どうしようか?

1 声をかける
2 一二三が気づくのを待ってみる

蓮「久しぶり」

一二三「……? 私ですか? すみません、どこかであ――、…………え?」

蓮「今日からよろしく」

一二三「…………えっと、理解が追いつかないので少し待ってもらえますか?」

眉間にシワを寄せて、目頭を押さえる一二三。

一二三「……色々と言いたいことはありますが、ひとまずこれだけ言わせてください」


コホンと軽く咳払いをし、一二三は居住まいを正してこちらに身体を向ける。


一二三「おかえりなさい」

蓮「ただいま」


一二三「……貴方にまた会えた事はとても嬉しいけれど、何の前触れもなく現れるのは反則です」



現国教師「おーし、そろそろ授業の時間だ席に着けー」

男子生徒「うへー、昼休み明け現国とか超眠くなるわー」



一二三「もうすぐ午後の授業が始まりますね。そろそろ自分の席に戻――ああ、とな、り、……隣の席なんですね」

蓮「よろしく頼む」

一二三「……なんだか昨日の試合より急展開の連続で参ってしまいそうです…」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom