ジータ「リーシャお姉ちゃん」 (18)
リーシャがまた置いていかれたので初投稿です。
百合、地の文、メインストーリーのネタバレ注意
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とある騎空艇の一室で重厚な碧い鎧に身を包んだ男性が、椅子に座って眠る12~13歳ほどの少女の体を優しく揺すっていた。
「リーシャ」
「ふぁ……どうしたの、父さん?」
まどろみから目覚めたリーシャと呼ばれた少女は、寝ぼけ眼で自らを起こした父――ヴァルフリートを見上げて尋ねた。
「目的地に着いた。降りる準備をしなさい」
「はい」
父の言葉に頷き身支度を始めるリーシャ。といっても、まだ幼いリーシャができる身支度など、寝崩れた服や髪を整えることと剣を持って行くことくらいしかないのだが。
「お待たせ、父さん」
「ああ。では行くぞ」
そう言って歩き出す父の背中にリーシャもついて行く。執務室を出て艦の出入り口まで歩いて行く間、すれ違う人達は皆ヴァルフリート、そしてリーシャを敬礼して見送る。
この騎空艇が秩序の騎空団の旗艦『グランアインス』で、乗組員は全て秩序の騎空団の団員達なのだから当たり前のことであったが、リーシャとしては『団長の娘』として自分を見る団員達の視線で居心地が悪い。
その視線が『団長の娘』へのものだけではないというのも一因であったが。
全空最強と謂われる七曜の騎士が1人、碧の騎士ヴァルフリート。一緒に歩いているため敬礼はされるものの、敬意を受けているのはヴァルフリートだけでリーシャはただその娘というだけでしかない。
同年代の中でもかなり腕に自信があったが所詮は子供で、まして同年代よりも強いなんてことは『碧の騎士の娘』ならば当然だから。
(我慢しなきゃ。私がわがまま言って父さんについて来ているんだもの)
いつもの視線に耐えて父と共に騎空艇を降りれば、目の前に広がるのはどこまでも続く緑の草原だった。
(ザンクティンゼル……本当に田舎の島なんだ)
「リーシャ。来る前に話したが――」
「うん、わかってる。私はあっちの森の方に行ってるから」
「わかった。弱いとはいえ森には魔物も出る。十分に気を付けるんだぞ。夜までには帰ってくるように」
「大丈夫だよ。行ってきます」
いつも父に着いて回っているが、その仕事の性質上リーシャには見せられない案件ということも多々ある。そういうときはリーシャも無理は言わずに離れて行動するようにしていた。
(でも、こんな辺境の島に父さんがわざわざ来なきゃいけないことがあるのかな? 10日くらいはいるって言ってたけど)
静かで平和そうに見えるこの島に碧の騎士が訪れるだけの、それもリーシャに見せられないような重大な事情があるとは思えなかった。
それでもヴァルフリートが時間を無駄にできるほど暇ではないということも知っているリーシャは、自分には推し量れない何かがあるのだと納得して森へと向かっていった。
静かだからだろうか、どことなく神秘的な雰囲気も感じる森の中をリーシャは1人歩き続けていた。
(剣の修練をと思ってたのに、魔物が全然出て来ない……)
修練のために魔物を探していたのだがウルフの1匹すら現れる様子がない。森の中さえ静かで平和だった。
(もっと奥に行けば出て来るかな?)
そう思って奥へと進み続けていたときだった。不意に静寂を突き破って幼い女の子の悲鳴が響く。
「悲鳴っ!?」
リーシャが慌てて悲鳴が聞こえた方へと向かうと、6~7歳くらいの少女がウルフの前で震えている姿が見えた。
ウルフは今にも飛び掛からんとしていたが、少女は頭を抱えてしゃがみ込んでしまっている。
「危ない!」
剣を抜き放ちウルフへと斬りかかるリーシャ。リーシャにかかれば魔物の中でも最低レベルに弱いウルフなど敵ではなく、その一閃で勝負は決した。
ウルフが首から血を流して息絶えているのを確認し、リーシャは恐る恐るといった様子で自分を見上げる少女に手を差し伸べた。
「もう大丈夫ですよ」
リーシャができるだけ優しい声で言って笑いかけると、少女は大きな瞳に大粒の涙をためてリーシャへと抱き着き泣き始めてしまう。
「え、ええっ!? もう大丈夫ですよ! もう、魔物はやっつけましたから!」
呼びかけても泣き止む気配がなくどうすればいいのかわからないリーシャは、とりあえずなだめようと少女の綺麗な金色の髪をなでた。
「もう大丈夫」と何度も言いつづけながらなでていること5分ほど、ようやく少女は泣き止んだ。
「ごめんなさい……」
「いいんですよ。怪我はしてませんか?」
「うん、してない」
消え入りそうな声で謝る少女にリーシャは首を振り怪我がないか確かめる。少女の言葉通り本当に無事であることを確認し、ようやくほっと胸を撫で下ろした。
「森の中は魔物が出て危ないですから、お家に帰りましょう。私もついていきますから」
「うん! お姉ちゃんがいたら魔物出てきても安心だよ!」
少女に呼びかけるとさっきまで泣いていたのが嘘のように元気に頷き、跳びあがるように立ち上がった。『お姉ちゃん』という呼ばれ方に少しくすぐったいものを感じつつリーシャも立ち上がる。
「剣の練習のために魔物を倒そうと思ってここまで来たの。でも、本当に出てきたら怖くて動けなくなっちゃって……」
少女に乞われ手を繋いで家路を歩く途中、リーシャは少女がなぜこんなところにいるのか尋ねていた。
「そうだったんですね。誰だって最初はそういうものですよ」
「お姉ちゃんもそうだったの?」
「ええ。私だって最初は怖かったですよ。1人で魔物の前に行けるだけ勇気があると言えます」
「えへへ」
「その勇気で危うく死んでしまうところだったので、褒められることではありませんけどね」
「うう……」
リーシャは少女の勇気をほめ、蛮勇を窘める。しばし反省した様子だった少女だが、今度はリーシャに羨望のまなざしを向けてきた。
「でも、お姉ちゃんは怖いのに頑張って強くなったんだね! すごい!」
「いいえ、すごくなんかありません。だって私のお父さんは……」
少女の言葉を首を振って否定するリーシャ。周囲から向けられる感情のせいで本人ですら自らを卑下するようになってしまっていた。しかし――
「お父さん? どうしてお父さんの話になるの?」
「えっ?」
「お父さんがすごかったら、お姉ちゃんがすごくなくなるわけじゃないでしょ?」
不思議そうに首をかしげる少女の言葉。それは至極当たり前のことで、しかし、リーシャにとってはとても遠い言葉だった。
「で、でも、私の父さんは――」
「私のお父さんもねすごいんだよ? 星の島にたどり着いたんだもん! すごいでしょ! お手紙が届いたから本当のことだよ!」
震える声で言い淀んだ先の言葉を紡ごうとするリーシャを遮るように少女が続ける。
「でもね、私はお姉ちゃんが助けてくれなかったらさっきの魔物に殺されてた。全然すごくないよ。すごいお父さんの娘なのに」
「……っ!」
「だからね、お姉ちゃんがすごいのは、お姉ちゃんのお父さんがすごいからじゃなくて、お姉ちゃんが頑張ったからだよ」
リーシャは言葉を失っていた。少女のいうことは至極当たり前で、しかし、リーシャにとってはとても遠い言葉で――
「お姉ちゃんはとっても頑張り屋さんなんだね。えらいえらい」
それでも、その言葉と背伸びをしてリーシャの頭をなでる少女の手のぬくもりは、リーシャがずっと求め続けて来たものだったから。
堪えきれなくなってその場に泣き崩れてしまうリーシャ。
「お姉ちゃん!? どうして泣くの!? もしかしてさっき怪我しちゃった!?」
「違う……違うんです……嬉しくて……父さんの娘としてじゃなくて、私のことほめてくれたの……」
リーシャがどれだけ頑張っても皆「さすが碧の騎士の娘だ」とそれは当然のことだと言うばかり、リーシャ自身の努力をほめてくれる人はヴァルフリートくらいしかいなかった。
だから嬉しかった。たとえそれが何の事情も知らない子供だからこそ出て来るものであったとしても。リーシャ本人のことだけを見てほめてくれる少女の言葉が。
「よしよし、お姉ちゃんはよく頑張ったよ~」
さめざめと泣き続けるリーシャに少女はどうすればいいのかわからずに困った様子を見せていたが、思い立ったようにしゃがみ込んだことでちょうど届く位置になったリーシャの頭を抱きしめ優しく撫でながら慰めはじめた。
そんな少女の優しさが余計に心を震わせ、一回り以上も小さいその身体にしがみつくようにして泣き声をあげ続けるリーシャだった。
「本当にごめんなさい。服汚してしまって」
「ううん、いいの。お姉ちゃん、我慢するのも頑張ってたんだから」
ひとしきり泣いたあとリーシャと少女は、少女の家の側までたどり着いていた。魔物と出会うことはなかったが2人共泣いたおかげで目がはれ上がってしまっており、道行く村人達に心配されたり怒られたりしていたため玄関前に着く頃には日が傾き始めていた。
「ただいま~ビィ! りんご貰って来たよ~!」
少女がドアを開け誰かの名前を呼ぶ。しかし、家の中からの応答はない。
「ビィ~いないの~? あれ? 手紙?」
なおも呼びかけて部屋の奥へと入った少女は、テーブルの上に見慣れぬ封筒が置かれていることに気が付いた。
「えっと、知り合いの人との用事があるから10日ほど留守にします? えええ~!? ビィって手紙書けたんだ!?」
(10日ほど? それってもしかしなくても父さんの用事だ。知り合いに会いに来てたんだ)
少女が読み上げた内容を聞いてリーシャは父の目的を察する。知り合いに会いに来たというならば本人が出向くのも頷ける話だ。なぜリーシャを外させたのかは分からないが。
「でもどうしよう、10日も1人になっちゃう……」
「えっ? ご両親は?」
「お父さんはイスタルシアだし、お母さんも……」
リーシャの問いに少女は寂し気にそう答えた。
(こんな小さな子をひとりぼっちにさせるなんて、何を考えてるの父さん!)
旧交を温めるにしても少女も連れて行くべきだっただろうとリーシャは心の中で憤る。自分が『グランアインス』まで連れて行こうかと思ったが、
(いや、この子には私が七曜の騎士の娘だと知られたくない)
父親は関係ないというが全空最強の名を戴く七曜の騎士の娘であるという事実を知れば、この子も変わってしまうかもしれない。それを恐れたリーシャは不安げに見つめて来る少女に笑いかけて言った。
「じゃあ、お姉ちゃんが一緒にいてあげます」
「本当!?」
「はい。ちょっと許可は取らないといけませんけど、たぶん大丈夫です」
「わ~い!」
リーシャの言葉に少女は両手を上げて喜んだ。自分と一緒にいられることを無邪気に喜んでくれる少女にリーシャの胸が暖かくなる。
「少し待っていてくださいね。すぐ帰ってきますから」
「うん! いってらっしゃい!」
少女の声を背に『グランアインス』に駆けだそうとするリーシャだったが、ふと足を止めて振り返った。大事なことを聞き忘れていたからだ。
「そうだ。貴女の名前を聞いていませんでしたね。なんてお名前なんですか?」
「あっ、そうだった。自己紹介してなかったね。私の名前はジータ! よろしくね!」
ヴァルフリートからの許可はあっさりと降り、リーシャは父の用事が終わるまでの間ジータの家で暮らすことになった。
グランアインスで出る食事とは比べるべくもないがジータの心の籠った夕食を食べた後、2人は寝室に向かった。
「ベッドは1台だけなんですか?」
「うん。私とビィしかいないから」
1つしかないベッドを見て訝しるリーシャにジータは答えつつ、掛布団を捲り上げてベッドの中に滑り込む。
「ビィさんといつも一緒に?」
「そうだよ。ビィを抱っこして寝るの」
「抱っこ? もしかして、ビィさんは人間じゃないんですか?」
その言い回しに違和感を覚えてリーシャは問いかけた。
「ビィはねぇ、喋るトカゲ!って言ったら怒るドラゴンなの。小っちゃいんだけどね」
ジータの答えを聞いてリーシャは驚きを隠せなかった。てっきりビィはジータの保護者だと思っていたからだ。
ヴァルフリートと旧知の仲だというのもそう思った理由の1つだった。
(小さいということはまだ子供のドラゴンということ? 父さんは一体そのドラゴンに何の用があるの?)
疑問が頭をもたげたがそれよりもまず気になったのは、
「じゃあ、ジータは保護者なしでここに?」
ジータの保護者についてだった。まだ幼い少女は両親も親戚もなしに子供1人と子供のドラゴン1匹だけで暮らしているというのか。
「そうだね。でもたまにアーロンのお父さんとかが見に来てくれるし、村の人はみんな優しいからへっちゃらだよ!」
そう言ってジータは笑ってみせる。しかし、先ほど1人になってしまうことを恐れていた姿を見ているリーシャには、それが強がりであることがすぐに分かった。
「では、今日はビィさんの代わりに私を抱っこして眠ることになりますね」
「えっ?」
そう言って自分もベッドの中に入り、自分を優しく抱きしめるリーシャに呆けた声をあげるジータ。
「ビィさんほど抱き心地はよくないかもしれませんけどね」
「……ううん、そんなことない。あったかくてやわらかくて、安心するよお姉ちゃん」
冗談っぽくいうリーシャの言葉にジータは首を振り、自分もリーシャの体に小さな手を回して抱きしめ返す。
「それはよかったです」
「むしろビィを抱っこするより……気持ち、よくて……」
「今日は色々ありましたからね。ゆっくり休んで明日いっぱい遊びましょう。おやすみなさい、ジータ」
心地よさそうな声で船をこぎ始めたジータの頭を優しく撫でて、リーシャもまた瞼を閉じて眠りに落ちていく。文字通り夢見心地になるほどの幸福感に包まれて。
次の日、田舎らしく質素だが暖かな朝食を共に食べたあとジータに乞われて剣の修行を付けることになったリーシャは、彼女を伴って森のまだ魔物が現れないほどの浅く開けた場所へ行き、木剣を使った模擬戦を行っていた。
「たぁっ!」
「踏み込みが足りませんよ」
勢い任せに突っ込んで来るジータの木剣をリーシャはさらりと切り払う、
「むむ~! やぁ! とぉ!」
「力任せに振り回すだけでは剣術とは言えませんよジータ」
「きゃあっ!」
なおも勢い任せに振り回されるジータの剣を、リーシャは苦笑を浮かべて自分の木剣で弾き飛ばす。
「ちゃんとした剣の握り方、振り方から教える必要がありますね」
「う~、ちゃんとできてると思ってたのに~」
尻もちをついてしまったジータは悔しそうにつぶやきながら、差し出されたリーシャの手を掴んで立ち上がった。
「ちょっとは手加減してよセリアお姉ちゃん~」
「これでもちゃんと手加減しているんですよ」
ほっぺたを膨らませるジータが微笑ましくてリーシャは笑みを浮かべながらそう答えた。
(ごめんなさいセリア士官……)
心の中で偽名に使った父の部下に詫びながら。
いつかジータが七曜の騎士を知ったとしても、別の誰かの娘だと思ってもらえるなら憧れを持ち続けてくれるかもしれないと考えたからリーシャは偽名を名乗ったのだ。
将来は秩序の騎空団に入ることになるリーシャの名は、望む望まないに限らず有名になることは予想が付く。
(碧の騎士の娘だから……)
「どうしたの? セリアお姉ちゃん」
「いえっ、何でもないですよ。さあ、剣を取ってもう1本です!」
急に暗い表情になったリーシャを心配そうに見上げるジータにそう答えリーシャは剣を構えた。今は『セリアお姉ちゃん』としてジータとの時間を楽しむことだけを考えようと。
「本当に入るんですか?」
「うん! 冷たくて気持ちいいよ!」
今日の修練が終わり汗と土にまみれた2人は、ジータに誘われて森の中にある湖にやって来ていた。ジータは1人での修練終わりにもここで水浴びをして帰るのだという。
「その、誰かに見られたりはしないんです?」
「この辺りは魔物も人もこないから平気! ほら、早く~!」
「待ってください、今脱ぎますから!」
さっさと裸になってしまったジータに急かされて、リーシャも周囲を警戒しつつ服を脱ぐ。人気のない森の中でジータと2人だけとはいえ、外で裸になることに羞恥心を覚えてしまう。
「水着持ってくればよかったなぁ」
「水着ってなに?」
いつかアウギュステの海で着た水着のことを思い出して呟くと、ジータが不思議そうに首を傾げた。
「あぁ、水着というのは水に入るときに着る服のことですよ」
「服着て水に入るの? 重たくない?」
「水に濡れてもいいような服ですから。海に行くときに着るんです」
「海! 知ってるよ、おっきな湖でしょ! 行ったことあるの!?」
「ええ。何度か」
「わぁ~! いいなぁ~!」
自分が見たことのない海を知っているというリーシャに、目を輝かせるジータ。
「本当に水がしょっぱいの!?」
「ええ。塩水なのでしょっぱいんです。なのでこうして水浴びをすると、逆にベタベタになって体を洗わなければいけなくなるんです」
「本当にそうなんだ! どうしてなんだろ、不思議~」
真剣に考え込むジータの様子が可愛らしくてリーシャは思わず頬が緩んでしまう。
「ねぇねぇ、じゃああれは? 暖かいお水が出て来るの!」
「暖かいお水?」
「うん! 地面から暖かいお水が出て来てて、それに入ると病気とか怪我が治るって!」
「あぁ、温泉のことですね。とても気持ちいいですよ。病気や怪我にいいだけではなくて娯楽としても申し分ないです」
「すご~い! セリアお姉ちゃん色んなところ行ったことあるんだね!」
「いえそんな、父に着いて回ってるだけですから」
無邪気な羨望の眼差しを向けられリーシャは何となく後ろめたくなりそう言った。自分の力で知ったことではないのだと。
「でもすごいよ! いつか私も行きたいな~」
それでも変わらずほめてくれるジータの言葉が心地よかった。ほめてもらう度にリーシャの心の奥が暖かくなっていくのを感じる。
まだ出会ってたった1日だが、リーシャの中でジータの存在はとても大きなものになっていた。
それから時は過ぎ、ヴァルフリートの用事が終わりリーシャがザンクティンゼルを離れる日の前日。
はじめてジータ1人で魔物を狩った祝いと別れを惜しんで少し豪華な夕食を終えた2人は、同じベッドの中でいつものように向き合っている。
「私がいなくても1人で眠れますか?」
「もう大丈夫だよ! それにビィだって帰ってくるし」
最後の『いつも』の時間が名残惜しくて、リーシャとジータは遅くまで話し込んでいた。
「私を抱き枕にしなくても良くなったなら成長したものです」
「もぉ~! 寂しかったんだからしょうがないでしょ~!」
寝るときは抱き合って、というのがこの10日で2人の中では当たり前のことになっていた。明日はきっと中々寝付けないだろうと予感しているのは、リーシャだけではないだろう。
「でも本当に見違えるほど強くなりましたね」
「そうかなぁ? えへへ」
リーシャがジータの頭をなでながらそうほめると、ジータは少し照れ臭そうにしつつも満面の笑みを見せる。
『さすが碧の騎士の娘』と囃し立てられるだけの実力はあると自負しているリーシャから見ても、ジータの成長速度は目を見張るものがあった。
ろくに剣の握り方も知らなかった女の子が、たった10日で低級とはいえ魔物を1人で倒せるようになるとは思っていなかった。
「このまま鍛錬を続ければ、きっと歴史に名を残す大英雄になれますよ」
「大袈裟だよセリアお姉ちゃん。でも、頑張って鍛錬は続けるね!」
あまりの大言に困り顔を見せたジータだったが、実現しようという意気込みはある様子だった。
「私、父さんを追いかけて星の島に行くんだもん。それくらいできなきゃね」
「……」
幼い瞳に爛々と夢を輝かせるジータ。小さくともしっかりと先を見据えた少女の姿がリーシャには眩しかった。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「なんですか?」
「もし私が旅に出たときは、一緒に来てくれる?」
「それは……」
ジータの期待の視線をリーシャは真っすぐに見返せない。自分はきっと秩序の騎空団に入り、それなりのポストに就かされるだろう。
父は娘であろうと贔屓はしないが、それでもそうされるだけの力はあると思っているし努力するつもりだとリーシャは考えている。
そうなればジータと共に旅をすることなどできないだろう。父のように各地を飛び回り、島々の秩序を守るために戦う日々になる。
(でも……)
ジータと共に行きたい。その気持ちが今は強くリーシャの心に根付いてしまっていた。大切なこの娘と共に自由に空を旅したいと。
「だめ……?」
「……いいえ。一緒に行きましょうジータ。空の果てまで」
「本当!? やったぁ! セリアお姉ちゃんと一緒に旅できる!」
芽生えた欲望とジータの悲し気な瞳に思わずそう答えてしまったリーシャ。
(本当の名前すら明かせてないのに、どうやって一緒に行くっていうの……私のバカ)
心の中で自分を罵倒しながら、それでもリーシャははしゃぐジータを見て喜びが沸き上がることを抑えられない。
家族や地位も関係なく、ただ本当の自分を見つめてくれるその瞳を離したくなかった。
それは果たされるはずのない約束だと思っていた。しかしそれから10年近く経って期せずして果たされることになる。
エルステ帝国最高顧問として武力による侵略紛いの行為を繰り返していた七曜の騎士が1人、黒騎士。
秩序の騎空団の第四騎空艇団船長となったリーシャは、元船長のモニカと共にこれを捕縛。彼女が執拗に狙っていたある騎空団の面々を事情聴取に召喚するため会いに向かった。
数奇な運命により星晶獣の力を操る少女と一体化し、それがゆえにエルステ帝国に追われるようになってしまった少女。その騎空団の団長こそ成長したジータだった。
はじめて会ったとき、リーシャはすぐに彼女がジータであると気が付いた。10年もの歳月で更に可愛らしく成長していたが、まぎれもなく彼女であると一目でわかったのだ。
しかし、それをおくびにも出さず極めて事務的に接することにした。なぜなら彼女のお姉ちゃんはリーシャではなくセリアだから。
バレるわけにはいかなかった。彼女はもう七曜の騎士の強さをその身を持って知っている。あの日の『セリア』を『碧の騎士の娘』で塗りつぶすわけにはいかない。
10年間、あの日の思い出だけがリーシャの心の支えだったから。リーシャへの称賛に必ず混じる『さすがは碧の騎士の娘』の台詞を聞くたび、リーシャはあの日のジータの温もりを思い出して耐えて来たのだ。
共に行くことはできなくても憧れのお姉ちゃんのままでいられればとリーシャは口をつぐみ、ジータとは初対面であるように振舞った。
ジータも気が付いていない様子で2人は初対面同士として、ジータ達が黒騎士の脱走を手引きしたことにより剣を交えることとなった。
双方に仲間がいたため1対1ではなかったが結果はジータ側の勝利となり、彼女達は黒騎士と共に脱走を完了してしまう。
彼女は強くなるとリーシャも見込んだ。しかし、まさか自分が負けるとは思っていなかった。
納得がいかずに独断専行で彼女達を追いかけて再戦したが、結果は変わらず負けてしまった。
けれど、その戦いの中でリーシャははっきりと感じた。ジータの剣に自分の教えが色濃く残っていることに。たった10日間見てあげただけだが、それでもジータはリーシャの教えを忠実に守って修練を続けたのだ。
それを嬉しく思ったが同時に嫉妬心も抱いてしまう。自分も10年間鍛錬を続けて来たのにどうして負けてしまうのかと。
積み重なって来たコンプレックスは思い出の少女にさえも悪意を抱かせてしまい、結果暴走してしまう。
リーシャの留守中に第四騎空艇団の本拠地であるアマルティア島を占拠した、元秩序の騎空団船団長にしてエルステ帝国中将であるガンダルヴァに煽られ、半狂乱になって彼に斬りかかってしまった。
発揮した火事場のバカ力のようなもので彼を退けることには成功したものの、激しく見苦しいところを行動を共にしていたジータ達に見せてしまった。
複雑な感情がないまぜになり拠点を1人抜け出してしまうリーシャ。そんなリーシャをジータは追いかけて来てくれた。
嬉しいと思うよりも先に彼女に聞いてしまう。父のことを重荷に思わないかと。何も知らずに憧れていた頃と違い、旅に出た今なら少しは変わったのではないかと。
しかし、ジータは変わらず『誇りに思っている』と答えた。強がりでも何でもなく、本当に純粋にあの頃の憧れを抱き続けていた。
そんな彼女が眩しくてリーシャは彼女が羨ましいと、自分は父の名を借りない何かにも、父の名に恥じない強さも持てなかったと泣き言を漏らしてしまう。
彼女はそんなリーシャに『リーシャはリーシャでいい。自分がやりたいことをやればいい』と言ってくれた。あの頃と同じように、リーシャが自分自身さえも気づかなかったずっと言ってほしかった言葉を、また。
そう言って笑ってくれるジータはどこまでもあの頃のままで、リーシャは泣き出したい気持ちを堪え拠点に戻って島を取り戻すための作戦を考えるのだった。
結局全て計画通りとはいかなかったが、ガンダルヴァをジータと2人で打ち倒すことに成功し、囚われていたモニカも救い出して島を取り返すことができた。
モニカにもほめられたコンビネーションは、ジータの剣がリーシャの教えを忠実に守っていたからこそできたこと。互いに次に相手がどう動くのか言葉を発さずとも察することができたがゆえの連携だった。
その後、リーシャは独断専行の罰により船団長を辞任、ジータの騎空団へと派遣されることになった。
こうしてリーシャはジータとの約束通り、共に空を旅することになった。ジータは『セリア』の正体がリーシャであることには気が付いていなかったが。
空を旅するといっても自由な旅ではなかった。様々な困難の果てに星晶獣アーカーシャを打ち倒し、悲壮な覚悟で戦いを挑んできた黒騎士を下し、彼女の問題が全て丸く収まるまで息つく暇もなかったように思える。
戦いの果てに訪れた平穏をジータの故郷であるザンクティンゼルで過ごすことにした一行は、今後の身の振り方という問題に直面しつつも静かな夜を過ごしていた。
皆も寝静まったであろう真夜中。リーシャはこっそりと宿として借りていた部屋を抜け出し、森の方へと向かった。
真夜中だからということもあるが、人気のない静かで穏やかなその森は10年前と何も変わらない。変わってしまったのは自分だけだ。
(このままずっと、ジータに嘘をつき続けるの?)
リーシャがジータの騎空団に派遣されたのはエルステ帝国の動向を探るため。帝国は既に国としての体を維持できず、崩壊してしまっていると言っていい状態だ。もはやリーシャはいつ秩序の騎空団に呼び戻されてもおかしくない身だった。
(このまま離れていいの?)
ジータに真実を知らせないまま離れ離れになってしまっていいのか。『セリア』は自分だと、ずっと心の支えになってくれてありがとうと伝えなくていいのかと。
(でも、もしジータに失望されたら……)
自分よりも弱く最初から偽名を使って己を偽り、本当はただのコンプレックスの塊でしかないリーシャの真の姿を知って、彼女はまだ『お姉ちゃん』と呼んでくれるのか。
怖かった。『碧の騎士の娘』であることを知られることだけを恐れていたあの頃よりもずっと。浅ましく卑屈な自分の真の姿で、彼女の憧れが上書きされてしまうことが。
もしそうなってしまったら、自分ももうあの頃の思い出を支えとすることができなくなってしまう。
(結局自分のことばっかり……)
情けなさに唇を噛んでリーシャは森の奥へと進んで行く。ジータと水浴びをしていた湖までたどり着くと、誰かがほとりに腰かけているのが見えた。
「……やっぱり」
薄い月明りを照り返す湖に足を付けて波紋を広げていた誰か――ジータはそう言ってゆっくりとリーシャへと振り返った。
「リーシャさんがセリアお姉ちゃんなんだね。こんな夜中にこんなところ、来る人なんていないもん」
「……っ!」
ジータの言葉に息をのむリーシャ。
(どうして……!?)
「はじめて会ったときから気づいてたよ。忘れないよ、私の一番大切な人の顔」
リーシャが驚いているのが顔を見てわかったのだろう。ジータは薄く微笑んでそう言った。
「事情があるんだろうな~って思ってずっと黙ってた。いつか言ってくれるって思って待ってたんだけど、ごめんね。我慢できなくなっちゃった」
「謝るのは私の方です。ずっと、騙していたんですから……」
謝罪するジータを制してリーシャはより深く頭を下げる。ジータは何も悪くない、全て自分が悪いのだと。バレてしまったのならば全てを話すしかない。
「怖かったんです。七曜の騎士の娘だと知られたら、貴女も私をそうとしか見てくれなくなるんじゃないかって。貴女には、私を見ていてほしかった」
「……」
「それに失望されるのも怖かったんです。今の貴女は、七曜の騎士や十天衆さえも相手にできるほど強くなった。なのに私は、そんな貴女の足元にも及ばない……」
体と声が震えた。涙が溢れそうになった。しかしリーシャは堪えて続ける。
「貴女の憧れで、お姉ちゃんでいたかった……貴女との思い出がずっと私を支えてくれてたから……ずっと、今でもずっと……」
はじめてリーシャをリーシャとしてほめてくれたジータの声。優しく頭をなでてくれた手の温もり。片時も忘れたことのなかった思い出が段々と色褪せていく。
それが自分に与えられた罰だとリーシャは思った。ジータを偽り、見せかけだけの『お姉ちゃん』に憧れさせ続けた自分には、あの日の思い出を持ち続けている資格はない。
「今でもずっと、憧れだよ」
「……えっ?」
震えていた体を優しく包み込む柔らかな感触に我に返れば、いつの間にか近づいていたジータがリーシャを抱きしめていた。
「どう、して……」
「私は確かにお姉ちゃんの強さに憧れた。でも、それは剣とか魔法の力じゃない。心の強さだよ」
「心の強さ? 私は強くなんかない! 怖がって、貴女に本当の名前すら教えることができなかった臆病者!」
「そうかもしれない。でも、臆病だけど頑張って来た」
「あっ……」
――お姉ちゃんはとっても頑張り屋さんなんだね。
あの日、リーシャの心を強く震わせた少女の言葉。それは魔物を倒した剣の強さをほめるものではなく、強くなるまで努力を続けて来たことをほめるものだった。
「お姉ちゃんがあれからも、今もずっと努力し続けてることわかってるよ。あんなになっちゃうくらい追い詰められて、それでもめげずに努力を続けて」
「変わってないよ。あの頃のまま。怖がり屋さんで頑張り屋さんな私の憧れのお姉ちゃんだよ」
「うぅ……あぁぁ……」
ジータの優しい声にリーシャはつい耐え切れずに泣き出してしまった。あの日と同じように。
「よしよし、お姉ちゃんはよく頑張ったよ~」
しがみつくように抱きしめて来るリーシャを、ジータもあの日と同じように抱きしめて頭をなでる。
「ごめんなさい……ごめん、なさい……!」
「いいの。もう、いいから……」
泣きながら謝るリーシャをあやすように、ジータは優しい声でそう言いながらリーシャの頭に頬を寄せ優しくなで続けた。
「ビィを抱っこしてもやっぱり全然違うって感じちゃって、それからビィを抱っこせずに寝るようになったの」
「そうだったんですか。そういう点でも成長を促せていたんですね」
それからしばらくして、泣き止んだリーシャとジータは池のほとりで身を寄せ合い、別れた後のことを語り合っていた。
「私もなんだか恋しくてモニカさんにお願いしてみたんですけど、さすがにあの頃のジータよりは大きいですから」
「それモニカさんに言ったら怒られちゃうね」
互いに寂しいと思っていた、同じ気持ちだったのだと思うとリーシャの胸が少し熱くなる。ジータも同じだったのか、少し頬を赤らめてリーシャの胸に倒れ込んできた。
「抱っこ」
「ジータは私を抱っこしてるつもりだったんじゃないんですか?」
「お姉ちゃんの方が大きいのに抱っこしてるつもりになんかなれないよ。される方が気持ちいいんだってあのとき気づいたの!」
「もう、成長促すどころか逆に子供っぽくしちゃってたんですね」
そう言いながらも倒れ込んだジータの体をリーシャはしっかり抱きしめ、やわらかな金髪を梳くようにしてなでる。
しばし2人は言葉もなく抱き合う。互いに成長し身長差も縮まったが、それでもあの頃と変わらない……いや、あの頃よりももっと強い心地よさに浸る。
「約束、ちゃんと守ってくれたね」
幸福な静寂を破り、ジータがポツリと呟いた。
「私の意思ではありませんけどね。それに、もういつ戻されるかわかりません」
「そっか、もう帝国は滅んだようなものだから……」
リーシャのその答えにジータは残念そうな、寂しそうな顔をして考え込み、自分より少し高めの位置にあるリーシャの顔を見上げた。
「秩序の騎空団をやめて、本当に入団するのは……」
「……」
「だめ、だよね……」
「はい。複雑な感情ですが、秩序の騎空団も私の大切な居場所なんです。重荷も色々と背負わされてしまっていますけど、それでも父さんの団だから」
躊躇いがちなジータの問いにリーシャは申し訳なさそうに、けれどはっきりと頷く。
「それに、ここで止めたら頑張ってないって思っちゃいます。ジータのお姉ちゃんとして胸を張れません」
「リーシャお姉ちゃん……」
悪戯っぽく笑ってリーシャはそう続けた。憧れを持ち続けてくれているのなら、そうあり続けようと努力をすることに決めたのだ。
「だけど、ジータと一緒にいたいという気持ちがないわけではありませんよ。むしろ、その気持ちの方が強いというか……」
「……」
正直な気持ちを言うと気恥ずかしくなり、リーシャはジータから顔を逸らしてしまう、
「リーシャお姉ちゃん」
「なんっ――」
甘えたことを言ってるだろうかと少し不安を感じ始めていたリーシャがジータに呼びかけられ、顔をそちらに向けて答えようとしたところで言葉に詰まる。唇を塞がれたのだ。ジータの唇で。
何が起こったのかリーシャには理解できなかった。ただ睫毛の長さまでわかるほどにジータの顔が近くにあることと、唇に触れる柔らかな感触に困惑するばかり。
「……っ」
しばらくしてジータはゆっくりとリーシャの唇から自分の唇を離すと、リーシャの胸にしなだれかかるように顔をうずめた。
「ジータ……なにを……」
「いつか離れるなら、一緒にいる今、やりたいこと全部したい。もっと、リーシャお姉ちゃんと近くに……!」
呆然とした声でリーシャが問いかけると、ジータは再びリーシャの顔を見上げてそう答えた。真剣で、どこか色気を感じる濡れた声。
高鳴る心臓の音は自分のものか、それとも触れ合った胸から伝わるジータのものか、或いはその両方なのか。今のリーシャにはわからない。
ただ今度は少し口を開いて近づいて来るジータの顔を見つめることしかできない。
「ジー……タ……」
「リーシャ、お姉ちゃん……」
互いの名を呼び合い、指を絡ませ、2人の顔の距離は近づいていく。リーシャも少し口を開きジータの唇の奥に見える艶めかしい赤色を招き入れるように、自分のそれを伸ばして――
ルナール「キエアアアァ! なんでこうなるのぉぉぉ!?」バサッ
ルナール「まったく別のジャンルに挑戦して表現の幅を広げようとしたのに! なんでいつもこうなっちゃうのよぉぉぉ!?」
ルナール「しかもポポル・サーガと違って身近な人がモチーフなのにぃぃぃ! 私はあの2人をどんな目で見てるっていうのよぉぉぉ!?」
ルナール「アアアア! 煩悩がぁぁ! 煩悩があふれるぅぅぅ! 流れ出れるぅぅぅ!」
ルナール「キエエエエー! 私の心のジョヤよぉぉ! ブレイクしろぉぉぉ! デュレーションンンン! デリリアムゥゥゥ! トリックステップゥゥゥ!」ガンガンガン
リーシャ「うるさいですよルナールっ!? ちょっ、何してるんです!? なんで壁に頭を……やめてください! 割れちゃいますよ!」
ルナール「割るのよぉ……心のジョヤのオーバードライブをブレイクするのぉぉぉ!」ガンガンガン
リーシャ「だからやめてくださいってば! ん、これは、漫画の原稿?」
ルナール「うぎゃあああっ!? 見ちゃだめぇぇ!」
リーシャ「……見てたんですか?」
ルナール「へ?」
リーシャ「そ、外でそういうことしたのはその、勢いというとか衝動的なことなので! 決して、見られてもいいと思ったわけじゃありませんからね! その後からはちゃんと音とか声にも注意して……じゃなくて!」
ルナール「えっと?」
リーシャ「だだ、大体、そうであったとしても! 勝手に漫画に描くなんて非常識です! それにこんながっ、がっつり……没収です! このような秩序を乱すものは没収します!」
ルナール「あの~?」
リーシャ「私とジータの関係について口外するのも禁止です! いいですね!?」
ルナール「は、はい?」
リーシャ「では、失礼します……どうしよう、他に見てた人いないよね……?」
ルナール「……」
ルナール「……え?」
これで終わりです。グラブルSSだと書くの忘れてました。
主人公とは父親が仲間同士だったというおいしい立場なのになぜ活かさないのか、自分ならこうすると思い書きました。
カインとラインハルザも4凸できるのに1人だけSR3凸までしかないんだぞKMRァ!忘れてんじゃねぇだろうなぁ!?
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