有咲「私そんなにチョロくない!」[バンドリSS ] (43)

[市ヶ谷家・蔵]


ドアバーン!


有咲「うおっ!?い、いらっしゃいませ~…って香澄かよ」


有咲「てかそんな慌ててどうし…むぎゅ!」ガシッ


香澄「有咲ぁ~!大変なんだよ有咲ぁ~!」ムギュー!


有咲「会って早々うぜーよ!抱ーきーつーくーなー!」ジタバタ


有咲「くそっ!無駄に力強いなコイツ!」


香澄「えへへー」


有咲「褒めてねーし!」


香澄「それより聞いてよ有咲!」


有咲「"それより"じゃねーよ!さっさとはなせよ!」


香澄「まりなさんから聞いた話なんだけど…」


有咲「その"はなせ"じゃねーよ!」


有咲「手を離せっつってんだよ!」

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香澄「もう、有咲ったら照れ屋さんなんだからぁ」パッ


有咲「ったく…暑苦しいったりゃねぇ」


有咲「んで?まりなさんが何だって?」


香澄「そう大変!大変なんだよ!有咲が大変!大変大変!」


有咲「大変大変うっせーな」


たえ「有咲が変態?」


有咲「ちげーよ!」


りみ「ええっ!?有咲ちゃん変態だったの!?」


有咲「だからちげーよ!」


沙綾「お邪魔しまーす」


有咲「どーぞ!」


たえ「手狭な蔵ですが」


有咲「お前何様のつもりだよ!」

沙綾「それで有咲がどう大変なの?」


香澄「そう見てこれ!有咲の新しい星4が出るんだって!」ダン!


たえ「本当?じゃあ私、お赤飯炊いてくるね」ガタッ


有咲「炊くな炊くな!」


りみ「…あれ?この星4、まだイラストが無いんだね」


香澄「うん!まだ作ってる途中なんだってさ!」


有咲「だったら持ってくんなよ!」


香澄「だって、早く有咲に教えてあげなきゃ!って思ったから…」


有咲「…ま、まぁその思いやりは嬉しくなくはねーけどさ」


香澄「あ、有咲ぁ~!」ガバッ!


有咲「だから抱きつくなー!」


たえ「これぞ伝統芸能だね」


有咲「何がだよ!」


有咲「しっかしまた私の星4かよ」


有咲「ついこの前バレンタインで出たばっかりじゃねーか」


沙綾「へぇ、カード名は[ツンデレチョロイン・市ヶ谷有咲]かぁ」


有咲「はぁぁ!?」


りみ「有咲ちゃんツンデレでチョロインなの?」


たえ「違うよ、行こ?」


有咲「どこ行くんだよ!」


沙綾「えーっとスキルは…"スナオが100%UP"だってさ」


有咲「はぁ?スコアじゃなくて?」


沙綾「うん、スナオって書いてあるね」


りみ「どういう事なんだろう…?」


香澄「ねぇ有咲!とりあえず衣装だけでも着てみてよ!」


有咲「やだよ面倒くせぇ」


香澄「え~…」ションボリ


有咲「…ったく、仕方ねぇなぁ…」ガサゴソ

~有咲着替え中~


りみ「物陰で見えないとはいえ、近くで着替えてる人がいるのってめっちゃドキドキする…」


沙綾「ちょっと覗いてみる?」


たえ「覗いたらダメだよ?機織りしてもらえなくなっちゃう」


有咲「聞こえてるっつーか、覗くなっつーか、誰が鶴だよ」


~有咲着替え完了~


有咲「…よっと、ほら、これで満足か?」クルッ


香澄「わぁ!似合ってるよ有咲ぁ!」


有咲「そりゃそうだろうよ」


沙綾「まぁ、見慣れたいつもの花女制服だもんね」


りみ「確かに衣装としては今まで無かったけど、ちょっと拍子抜けしちゃったかな…?」


たえ「でも私達が私服なのに有咲だけ制服だとコスプレ感でるよね」


有咲「母校の制服をコスプレ衣装呼ばわりするんじゃねーよ」

香澄「とりあえず写真撮ろ有咲!写真!」


有咲「いや、だからいつもの制服姿だっつーの」


香澄「ほらもっと寄って寄って!」ギュー


有咲「あー!もう!だからくっつくなー!」


香澄「だってくっつかないと画面に収まりきらないよ?」


有咲「だったら自撮りスタイルじゃなくて沙綾にでも撮ってもらえばいいだろ!」


香澄「私はこれで撮りたいの!」ムニッ


有咲「かっ、顔が近けーよ!バカ!」


香澄「ほらほら~」スリスリ


有咲「香澄マジウゼー、香澄マジウザカワー」


香澄「えっ」


沙綾「えっ」


りみ「えっ」


たえ「えっ」


有咲「…ん?」

香澄「あ、有咲…今、私の事をかわいいって…///」ポッ


有咲「い、今の無し!その、何つーか…今のは無しだから!」


有咲「本当の事だけど!」


沙綾「本当の事なんだ」


有咲「あぁぁぁぁー!///」カァァ


たえ「やっぱりお赤飯炊かなくちゃ」ガタッ


有咲「今そのボケはシャレになんねーからマジでやめろ!」


りみ「有咲ちゃん落ち着いて!墓穴掘ってるよ!」


沙綾「そういう間違いが起きてもおかしくないって事だもんね」


有咲「するかよ!しねーよ!」


有咲「めっちゃしてーけどな!!!」


香澄「あ、ありしゃ~…///」カァァ


有咲「」


たえ「有咲大丈夫?ハンバーグ食べる?」スッ


有咲「食わねーよ!ってか何で持ってんだ!」

有咲「とっ、とりあえず着替えてくっから!」


有咲「覗くんじゃねーぞ!」


有咲「あっ、香澄は別だけどな!」


香澄「覗かないよ!?」


有咲「そこは覗けよ!いやちげーよ!」


有咲「あー!何なんだよコレ!」ダン!


たえ「大変、有咲が1人ノリツッコミしだした」


りみ「とりあえず有咲ちゃん喋らない方がいいんじゃないかな…?」


有咲「!」


沙綾「言われて気付いたんだ」


~有咲着替え中~


ガッサガサ


バタン!


~ッ!


たえ「凄い音してるね」


沙綾「あの物陰の向こうで何やってるんだろう」


香澄「有咲、大丈夫?」


有咲「…」トボトボ…


りみ「あ、有咲ちゃん出てきた…ってまだ制服姿なの?」


有咲「…げない」


香澄「?」

有咲「脱げないんだよ!この制服!」


香澄「ええっ!?」


有咲「ボタンも外れないし、スカートも下ろせないし、どーなってんだよコレ!?」


たえ「きっと呪われてるんだね」


有咲「ドラクエかよ!」


りみ「制服なのに呪われてるの!?」


沙綾「待って、今カードの説明を…」


沙綾「えー…あっ、コレだね」


沙綾「"この衣装は装着後、36時間経過するまで脱げません"」


有咲「長ぇよ!ってかそういう事は先に言えよ!」


沙綾「いやぁ、スキルの下に米粒みたいな小ささで書かれてたから気づかなかったよー、ゴメンね?」


有咲「まぁ、そういう事なら仕方ねーけどさ…」

沙綾「…あっ、まだ続きがあるね」


沙綾「"もしくは、戸山香澄と共に過ごして12時間経過すれば脱げます"」


有咲「どういうシステムだよ!」


沙綾「"なお、どうしてもすぐに脱ぎたい場合は戸山香澄とキスすれば脱げます"」


有咲「えっ、キスしていいの?」


有咲「いやいやいや!いいの?じゃねーよ!」


有咲「そういうのはもっとちゃんとしたシチュエーションでって…ちげーよ!」


有咲「やべぇ!言うこと全部裏目に出る!」


りみ「有咲ちゃん忙しいね」


香澄「…」


沙綾「あー…香澄?恥ずかしかったら外に出てた方が…」


香澄「あ、大丈夫」


香澄「なんか一周回って冷静になっちゃった」


たえ「それ、正常性バイアスだよ」

沙綾「でも36時間かー」


りみ「今がお昼過ぎだから明日いっぱいまでってことだよね」


有咲「やっぱ長ぇな…」


たえ「学校は休んだら?どうせ今までもそんなに登校してないんだし」


有咲「おたえ、デリカシーって知ってるか?」


たえ「でも今の無防備な有咲が学校なんか行ったら誰にでもオトされちゃうよ?」


有咲「私そんなにチョロくない!」


有咲「チョロいのは香澄にだけ!」


有咲「んなぁぁぁ!」


香澄「あ、有咲すこし黙って…」


有咲「マジでごめん香澄」


沙綾「やっぱり明日は学校お休みした方がいいみたいだね」


有咲「…いや!明日はどーしても休めないんだよ!」


りみ「有咲ちゃん、明日何かあるの?」

有咲「う、うん…実は…その…」モジモジ


香澄「モジモジしてる有咲可愛い」


有咲「お、おう…嬉しいな…」テレッ


たえ「ねぇ、イチャついてないで教えて?」


有咲「おたえ今日、私に厳しくねーか?」


沙綾「まぁまぁ」


有咲「…あー、実は明日の放課後は友達…ポピパ以外の友達とカラオケに行く約束しててさ」


りみ「有咲ちゃん私達以外に友達いたの!?」ガタッ!


有咲「居るよ!何処に驚いてんだよ!」


沙綾「そっか…あの人付き合いに不器用だった有咲にも友達が出来たんだね…!」ウルッ


有咲「何で泣いてんだよ!オカンか!」


たえ「コホン、それで?一体その友達はどんな子なんだ?有咲」


有咲「オトンか!」

香澄「有咲、私達以外の友達とカラオケとかそれ本気で言ってるの?」


有咲「お、おう」


香澄「じゃあ私達とその友達、どっちが好き?」


有咲「いや、香澄の方が好きじゃなかったらポピパなんてやってねーよ」


香澄有咲「へへへへへっ」


有咲「何やらせんだよ!」


沙綾「もはやただの漫才だよ」


たえ「香澄、ノリノリだね」


香澄「うん!もう深く考えるの怖くなってきたからノリでいくよ!」


りみ「香澄ちゃんヤケにならないで!」


沙綾「しかし、約束があるんじゃ学校は休めないね」


有咲「学校休んでカラオケだけ行くわけにもいかねーからな」

たえ「それに今の有咲を友達と密室に入れるのは危険過ぎる」


りみ「そうすると香澄ちゃんと夜まで一緒か、キスするか、になっちゃうけど…」


有咲「よし、じゃあちょっと歯ぁ磨いてくるわ」スクッ


有咲「うぉぉい!何、キス前提で動いてんだ私!」


沙綾「もう、この有咲と一夜を共にするぐらいなら潔くキスした方がマシなんじゃないかなって気がするね」


香澄「…あっ!だったら、みんなで有咲の家にお泊まりしようよ!」


有咲「おー!その手があったか!」


沙綾「あー…ごめん!明日はパン屋の仕込みがあるからお泊まりはちょっと…」


有咲「そりゃ急には無理だよな」


有咲「ま、まぁ…香澄と二人っきりにさえならなきゃなんとかなるだろ」

たえ「ごめん有咲、私もおっちゃん達の世話とかあるから無理」


りみ「私も今夜はチョココロネ食べないといけないし…」


有咲「おい、ちょっと待て」


有咲「おたえはまぁ…いいよ」


有咲「りみの理由は何だよ!」


有咲「それならいっそ、面倒だから嫌とか言ってくれた方がまだマシだよ!」


りみ「有咲ちゃん、山吹ベーカリーのチョココロネは生半可な環境や精神で食べると味が濁るんだよ?」


有咲「えっ、マジで一晩潰してチョココロネ食べる気だったのか!?」


沙綾「いや、うちのチョココロネはそこまでして食べるものじゃないと思うなー」


香澄「さーやがそれ言っちゃう!?」

たえ「そういう事だから、友達との約束を守るなら香澄と二人きりで一夜を共にするか、香澄とキスするかだね」


沙綾「無理せず、仮病で学校休むっていうのもいいと思うけどね」


沙綾「それなら有咲の友達もそれほど傷付かないだろうしさ」


有咲「どうすっかな…」


有咲「ってか、香澄はどうしたい?」


香澄「えっ、私?」


香澄「私は…有咲の好きな方でいいよ?」


有咲「そっか…」


りみ「とりあえず少し時間をかけて考えてみたら?」


有咲「…だな」


有咲「…よし!んじゃ、とりあえず練習すっぞ!練習!」


たえ「じゃあ私、ティアドロップスの二連スライド克服したい」


有咲「ガルパの練習じゃねーよ!」

~数時間後~


ジャーン♪


香澄「く~っ!」ブルブル


香澄「今の演奏、みんなキラキラしてた!」


たえ「うん、今の演奏はここ数回で最高の出来だったね」


有咲「ボジョレー・ヌーボーかよ」


沙綾「でもなかなか良かったんじゃないかな?」


りみ「少しずつだけど、上達してきた感じがするね!」


沙綾「じゃあ今の感じを忘れない内にもう一曲…って、もうこんな時間か」


沙綾「そろそろ帰って夕飯作らないと…」


たえ「じゃあ今日はここでお開きだね」


りみ「有咲ちゃん、今夜はどうするか決まった?」


有咲「…まぁ、一応な」


香澄「…」

たえ「有咲、どうするか教え…」


沙綾「はいはい、おたえも帰る帰る」


たえ「でもどうするか気にな…」


りみ「おたえちゃん、帰ろう?」


沙綾「そうそう」


たえ「むぅ…」


沙綾「ほら、後は若い二人に任せて…ってね」パチッ


有咲「同い年だよ!あとなんでウィンクした!?」


沙綾「じゃあまた明日ねー!」


りみ「二人共、またね!」


有咲「おー、お疲れー」


香澄「ばいばーい!」


たえ「じゃあ私はお赤飯炊いたら帰るね」


有咲「しつけーな!さっさと帰れよ!」

有咲「ったく…」


香澄「みんな帰っちゃったね…」


有咲「ああ…」


香澄「…」


有咲「…」


有咲「な、なぁ香澄?」


香澄「…えっ!?な、なに有咲?」


有咲「いや、これからどうすっかって事なんだけどさ…」


有咲「少し…真面目な話をしたくてだな」


有咲「…聞いてくれるか?」


香澄「…うん」

有咲「まず最初に言っとく」


有咲「言葉を取り繕ったところで本音が出るんなら正直に言う」


有咲「私は香澄が好きだ」


香澄「…!」


有咲「この"好き"っつー感情の矛先が友情か恋愛か下心かは、わかんねーけど、とにかく私は香澄が好きだ」


有咲「だからもっとお喋りしたり、ご飯食べたり、バンドやったり、とにかく一緒にいたい」


有咲「勿論、手を繋いだりキスしたりそれ以上の事だってしたい!…したいけどさ!」


有咲「こういう流れみたいな感じでするのはなんか違うって言うか…嫌なんだよ…」


香澄「有咲…」

有咲「でも友達をガッカリさせんのも嫌でさ…」


有咲「ポピパ以外で久し振りに出来た友達だから大切にしたいっつーか」


有咲「ははっ…贅沢だよな私…」


有咲「まぁつまり…さ?」


有咲「私は香澄も友達も大切にしたい」


有咲「だから頼む香澄」


有咲「指一本触れないようにするから、今夜は一緒にいてくれ…!」


有咲「もっ…勿論、無理にとは言わねー!」ウルッ


有咲「嫌だったら帰ってもらって…」ガシッ


香澄「本当の気持ちを打ち明けてくれてありがとう、有咲」ギュッ


香澄「一緒にいる、一緒にいるよ有咲」


有咲「…ばーか、こっちは触れねーっつってんのに何抱きついてきてんだよ…」


有咲「ありがとな…香澄」

香澄「よし!じゃあ今夜はお泊まりで決まりだね!」


香澄「これからどうしようか?」


有咲「うーん…出来れば婆ちゃんにも会わずにやり過ごしたいんだよなー」


香澄「なら朝まで蔵にいた方がいいね」


有咲「だな」


有咲「服が脱げないから風呂に入れないのは仕方ないとして…問題は夕飯か」


有咲「蔵にもお菓子ぐらいはあるけど流石にこれで乗り切るってわけにもいかねーし、どっかで買ってくるか…?」


有咲「でも婆ちゃんもう夕飯の準備してるみたいだしな…」


香澄「じゃあ夕食は私が有咲の家から蔵まで持ってくるよ!」


有咲「そうして貰えると助かる」


有咲「色々と迷惑かけて悪ぃな、香澄」


香澄「いいって!いいって!」

香澄「じゃあ取ってくるね!」


有咲「あっ、その前にウチに泊まるって香澄ん家に連絡いれとけよな?」


香澄「そうだ!すっかり忘れてた!」


有咲「心配かけねーように適当な理由ぐらい考えとけよー」


香澄「わかってるってぇ~!」


香澄「じゃあ行ってきまーす!」


有咲「おー、頼んだ」


有咲「…って、そういや香澄の分の夕飯は別に用意しねーといけねーか」


有咲「前もって婆ちゃんに言っとくべきだったな…」

~十数分後~


香澄「有咲お待たせー!」


有咲「ありがとなー…ってヤケに多いな」


香澄「うん!有咲の分と私の分だからね!」


有咲「…って事は、まさか婆ちゃん自分の分を香澄に…?」


香澄「ううん!最初から三人分作ってたよ!」


有咲「婆ちゃん何で香澄が泊まってくの知ってんだよ!?怖ぇな!」


有咲「まさか蔵に盗聴機でも仕掛けられてんじゃねーだろーな…」


香澄「まぁまぁ、とりあえず冷めない内に食べようよ!」


有咲「ん、そうだな」


香澄有咲「いただきます!」


有咲「つーか、何でよりによってレバニラ炒めだよ」


有咲「他もシジミの味噌汁と山かけご飯とか、孫に何を期待してんだ…」


香澄「?」

~夕食後~


香澄有咲「ご馳走さまでした!」


有咲「ふーっ、食った食った」ポンポン


香澄「やっぱり有咲のお婆ちゃんの料理は美味しいね~!」


有咲「だろ?」


有咲「さてと、まだ寝るには早いしどうすっかな」


香澄「練習の続きでもする?」


有咲「いや、流石に蔵の中とは言え夜中に楽器の演奏は近所迷惑だろ」


有咲「作詞でもしたらどうだ?」


有咲「私も一緒に考えてやっからさ」


香澄「うん!やってみる!」


有咲「んじゃ、まずはどんな曲にするか考えねーとだな」


香澄「こうね、ドゥルルンでガシャーンってしてシュワ~みたいな感じがいい!」


有咲「ポップスとロックの中間っつー感じか…」


有咲「やべぇ、解るようになっちまった」

~数時間後~


有咲「…ここのフレーズはこうして…」


香澄「んー…」ウツラウツラ


有咲「おーい、しっかりしろー」


有咲「って、もうこんな時間か…」


有咲「そりゃ眠くもなるわな」


香澄「寝てない…寝てないよ~…」トローン


有咲「眠くて気だるげな香澄、マジエロ可愛い」


香澄「えっ…!?///」ドキッ


有咲「あっ…悪い、ちょっと油断した」


有咲「じゃあそろそろ寝るか」


香澄「ここで寝るの?」


有咲「いや、蔵には布団とかないから家の方で寝よーぜ」


有咲「この時間なら婆ちゃんも眠ってるだろーし、こっそり入れば鉢合わせる事もねーだろ」


香澄「そうだね~…ふぁぁ…」ノビー


有咲「あー、もー、いちいち可愛いな香澄は」

[市ヶ谷家・庭]


ヒュー


有咲「うー…春先とはいえ、この時間はまだ寒ぃなー」ブルッ


有咲「さっさと暖かい布団に入りてーよ…」


香澄「…あっ!見て、有咲!」ピッ


有咲「んー?空なんか指差してどうした…って、おー!」


香澄「綺麗な星空…!凄いキラキラしてるね!」


有咲「香澄の方が綺麗でキラキラしてっけどな」


有咲「…あー、また油断したっつーか、眠くて頭が上手く働かねーわ…スマン」


香澄「ふふっ、変な有咲」クスッ

有咲「しっかし、都会でもこんな星空が見れんだなー」


香澄「きっと今日は涼しくて空気が澄んでるからだね」


有咲「んじゃ、この星空も今日限りかもしれねーな」


香澄「有咲とお泊まりしなかったら見れなかっただろうね~」


有咲「かもな」


有咲「…そういや、香澄と出会ったキッカケも星だったっけか」


香澄「そうそう!学校の帰り道で星のシールを見つけて!」


香澄「それを辿って行ったら有咲の家の蔵にたどり着いて!」


有咲「そんで不法侵入&ギター強奪かましてくれやがってな」


香澄「いやぁ~、あの時は興奮しちゃってつい…」


有咲「あの時はマジでビビったわ」

有咲「まぁでも、あの時はありがとな」


香澄「ギター強奪した時の事?」


有咲「ちげーよ!一緒にバンドやろうって誘ってくれた時の事だよ!」


有咲「もし、あそこで香澄にバンド誘われてなかったら今の私はねーと思うからな」


有咲「まー、ぶっちゃけ会ったばかりの頃はコイツマジでイカれてんじゃねーか?とか思ったし、距離感近すぎてマジウゼーって思ったけどさ」


有咲「それぐらい無理やり引っ張ってくれなきゃ、こうして友達を作ったりも出来無かっただろうしな」


有咲「改めてありがとな香澄」


香澄「えへへ」


有咲「それから…さ」


有咲「その、なんつーか…」


有咲「すっげー言い辛いし、すっげー言うの恥ずかしいんだけどさ…」

有咲「私…いつも香澄に暴言ばっか吐いてっし、振り回されるの嫌がったりしてっけどさ」


有咲「本当はああいうの嫌いじゃねーんだよ」


有咲「むしろ、それぐらい距離が近い方が嬉しいっつーか…」


有咲「そんで…まー、とにかくだ」


有咲「…香澄の事さ、大好きなんだよ」


香澄「…!」


有咲「…って、はい!これで私の話は終了!明日は学校だし、さっさと寝っぞー!///」カァァ


香澄「ふふっ、そうだね」


香澄「ねぇ、有咲」


有咲「ん?なんだよ?」


香澄「私も有咲の事、大好きだよ」


有咲「ばっ…!急に何言ってんだよ、ばーか!ばーか!///」カァァ


香澄「有咲、顔が赤いよ?」ニヤニヤ


有咲「うっせー!ほら行くぞ!///」カァァ


香澄「は~い」ニヤニヤ

[有咲の寝室]


有咲「じゃあ私はテキトーに布団敷いて寝っから、香澄はベッドな」ガサガサ


香澄「え~?一緒にベッドで寝ようよ~」ポンポン


有咲「流石に香澄と同衾はシラフでも理性がもたねーと思うから却下」


香澄「えぇ…」


有咲「んじゃ、寝るわ」ゴロン


香澄「あっ、おやすみ~」


有咲「んー…」


香澄「…」ゴロン


有咲「…」


香澄「…」


有咲「…」


香澄「…」


香澄(ベッドから有咲のいい匂いがして眠れない…!)ドキドキ


有咲(すぐ近くで香澄が無防備に寝てると思うと眠れねぇ…!)ドキドキ

~翌朝~


チュンチュン


「……さ!」


有咲「んー…」


「…て!…りさ!」


有咲「あー…?なんだよ…」


香澄「起きて有咲!大変だよ!」


有咲「おー…おはよう香澄ー」ムクリ


香澄「おはよう有咲!」


有咲「今何時だ…って、はぁぁぁ!?」


有咲「もう登校時間じゃねーか!」


香澄「目覚ましかけ忘れちゃった!」


有咲「あー悪い!普通に忘れてたわ!」


有咲「とにかく急いで学校行かねーと…って、おおっ!」スルッ


有咲「脱げる!脱げるぞ香澄!」


香澄「わぁ!有咲の下着、可愛い!」


有咲「どこ見てんだよ!…ってツッコんでる場合じゃねー!」


有咲「さっさと着替えて…」シュッ

香澄「制服から制服に着替えてる有咲、変な人みたい」


有咲「ブッ飛ばすぞ!」


有咲「ってか、香澄は制服とか鞄とかどうすんだよ!?」


有咲「今から香澄ん家に寄ってたんじゃ間に合わねーぞ!?」


香澄「大丈夫!あっちゃんに学校まで持ってきてもらうから!」


有咲「妹に迷惑かけんなよ!」


有咲「…あーもう!とにかく学校行くぞ!」バタバタ


香澄「あ~!待ってよ有咲ぁ~!」


有咲「あっ、婆ちゃん!学校行ってくるなー!」


香澄「お邪魔しました~!」


タッタッタッ

[花咲川女学園・校門前]


有咲「はぁはぁはぁ…」ゼェゼェ


有咲「なんとか…間に合った…」


香澄「あっちゃん、ありがと~!」


明日香「もー、こういうのは最後にしてよね?」


香澄「するする!」


明日香「じゃあまたね、お姉ちゃん」


香澄「行ってらっしゃ~い!」


香澄「いやぁ、持つべきものは妹だね」


有咲「いいからさっさと上着だけでも着替えろよ」


たえ「あっ、香澄、有咲、おはよう」


りみ「二人共、おはよう」


沙綾「おはよー」


香澄「おたえ!りみりん!さーや!おはよう!」


有咲「おー、みんなおはよう」

たえ「香澄、その格好は?」


沙綾「あれ?昨日と同じ服って事は…」


りみ「ま、まさか有咲ちゃんと一線を越えて…///」


有咲「越えてねーよ!」


たえ「ゆうべはお楽しみでしたね?」


有咲「お楽しみしてねーよ!」


香澄「そうそう、有咲は私の事を大切にしたいんだって!」


有咲「バラすんじゃねーよ!」


沙綾「へぇ、昨日の夜にそんな話してたんだぁ」ニヤニヤ


有咲「ニヤニヤすんじゃねーよ!」


有咲「あー!もー!先に教室行ってっからな!」


香澄「あっ!待って有咲!」

有咲「はぁ?なんだよ?てか顔が近い…」


チュッ


有咲「えっ…?」


たえ「おっ」


りみ「うわぁ///」


沙綾「あらら」


有咲「かかか…香澄…!?おおお、お前…今、私になにしやがった…!?」ワナワナ


香澄「えへへ、キスしちゃった!」


香澄「って言っても頬っぺたにだけどね!」


有咲「な…な…///」


香澄「どうどう?ドキドキした?」


有咲「こここっ…こんなキスなんかで私がオチると思ったら大間違いだからな!」


有咲「私そんなにチョロくない!」


















たえ「こうして出来た曲が"す、好きなんかじゃない!"です」


有咲「ちげーよ!」


END

~エピローグ~


[CiRCLE]


まりな「あー、忙しい、忙しい…」


有咲「お疲れ様でーす」


まりな「あっ、有咲ちゃんこんにちはー!」


有咲「あのー、これ返しに来ました」スッ


まりな「あぁ!それは私が仕事のストレス発散に作った[ツンデレチョロイン・市ヶ谷有咲]のカード!」


有咲「恥ずかしいんで、あんまり大声で言わないでください…」


まりな「ごめんねー、こんな事して息抜きでもしないとやってられないのよー」


有咲「このライブハウスそんなブラックなんですか?」


有咲「あー、それはそうとこのカード、今後は表に出さないで下さいね?」


まりな「うんうん、出さない出さない」


まりな「これ、私が楽しむのに使うだけだから」

有咲「何に使う気ですか」


有咲「あー…あとそれから…」


有咲「一応、言っておこうかと思いまして…」


まりな「ん?なにか私に用かな?」


有咲「いや、用と言いますか…その…」


有咲「このカードのお陰で、少し自分の気持ちに素直になれたんで…」


有咲「ありがとうございます…ってお礼を言いたくって…ですね」


まりな「えっ」


有咲「そ、そういう事なんで、じゃあ失礼します!」ペコリ


有咲「お疲れ様でした!」ダッ!


まりな「ちょっと待って有咲ちゃん!」


まりな「詳しく!その話、詳しく教えて!」


まりな「ねぇってば!」


まりな「スターあげるから!!!」


END

有咲がチョロい?

いいえ、一途なだけです



最後まで読んでいただきありがとうございます

過去作

友希那「猫可愛い」紗夜「犬の方が可愛いですが」

紗夜「ポテトは野菜」

などなど…

ではまたいつか


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