善子「今日ってエイプリルフールじゃない?」曜「うん」 (24)

善子「私、思うのよ。エイプリルフールだからって、無理に嘘つかなくてもいいんじゃないかって」

曜「どういうこと?」

善子「嘘をつくんじゃなくて、その逆であえて『本音を言い合う日』にしてみない?」

善子「それが今年の私達のエイプリルフール。それで、本音を言い合って恥ずかしさに耐え切れなくなった方の負け」

曜「負けって……勝ち負けあるの?」

善子「そっちの方が面白そうでしょ」

曜「ふーん……。随分と自信があるみたいだね」

善子「堕天使に敗北は無いわ。かかってきなさい」

曜(挑戦的だなぁ……)

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善子「先攻は譲るわ。ゲームを持ちかけたのはこっちだし、そのくらいはね」

曜「わかった。じゃ、いくよ!」


褒め言葉
>>このレス+2

ヨハネちゃん、可愛い!
ぎゅーって抱き締めたい!

>>3

曜「ヨハネちゃん、可愛い! ぎゅーって抱き締めたい!」

善子「……いいわよ、来れば?」

曜「それじゃ遠慮なく」


ぎゅーっ


曜「……」

善子「……」

曜「……あったかいね、善子ちゃんって」

善子「……ヨハネ」

曜「おっと、ごめんごめん」


曜「ヨハネちゃん」

善子「何よ」

曜「もうちょっとだけこうしてていいかな……」

善子「……好きにすれば」

曜「うん」

数分後


曜「ふぅー……(満足)」

善子「なに雲ひとつ無い澄み切った青空みたいな顔してんのよ……」

曜「詩人だね、よs……ヨハネちゃん」

善子「誤魔化すなっ」

善子「もう……。次はこっちの番だからね!」


褒め言葉
>>このレス+1

曜さんって……(無言で見つめる)

>>6

善子「曜さんって……」

曜「何?」

善子「」ジーッ

曜「えっと……」

善子「」ジーッ

曜「無言で見つめられると怖いんだけど……」

善子「……やっぱ何でもないわ。次、曜さんの番ね」

曜「ええ!? ちょっと、それはずるくない?」

善子「ずるくないわよ。ほら、早く」

曜「ええー……」



善子(……聞けるわけないじゃない)

善子(『私に興味ある?』なんて)


善子(……興味があったら嬉しいです、なんて)

曜「うーんと……」

曜(いざ言おうとすると色々あって迷うなぁ……)

曜(どうしよう……)


本音
>>このレス+1

私も上級リトルデーモンの称号貰うにはどうしたらいいかな?(もっとヨハネちゃんと近付きたいから)

>>9

曜(あ、そうだ)

曜「私も上級リトルデーモンの称号貰うにはどうしたらいいかな?」

善子「じょっ……!? は、はぁ!?///」

曜「え、何か変な事言った?」

善子「あのね、曜さん。上級リトルデーモンっていうのは、私に身も心も捧げた熱狂的なリトルデーモンの事を言うのよ」

曜「身も、心も……!?///」

善子「……別に、あなたとはそういう関係じゃないじゃない」

善子「だから、あなたに上級リトルデーモンの称号はあげられないわ」

曜「そんな……。私は、善子ちゃんなら「やめて」

曜「っ……」

善子「これ以上私の心を揺らさないで」

善子「ゲームは私の負けでいいわ。……それじゃ」タタタッ…

曜「善子ちゃん!」



曜「……」

曜(私は彼女の背中を追いかけることができなかった)

曜(『追いかけてこないで』)

曜(……背中がそう告げていたから)

タッタッタッ……


善子「はぁっ、はぁっ……」

善子「なんであんな事言うのよ……」

善子「確かに本音を言い合うとは言ったけど」

善子「あんな、真剣な顔で……」



善子(言葉以上に目が語っていた)

善子(『これが私の本音だよ』と)

善子(曜さんが何を言おうとしたのかわかってる)

善子(頭では理解している)

善子(でも、私はそれを認められなかった)

善子(幸せすぎるから)

善子(私は堕天使ヨハネ)

善子(天界を追放された、不幸者)


善子(そう、私は不幸なの)

善子(出かければ雨に降られ、丁度傘は持ってなくて、泥で滑って転んで)

善子(膝に擦り傷を作って、流れる涙を雨で誤魔化すの)


善子(でも、あの人はそんな私に傘を差してくれる)

善子(手を差し伸べて、立ち上がらせてくれる)

善子(その手はきっと温かくて)

善子(雨で冷えきった私の手を温もりで包んでくれるんだろう)

善子(きっと、その時に感じるのは――)

善子(……やめよう)

善子(今日の事は忘れて、家に帰ってゆっくり休もう)

善子(そしたらまた明日からはいつも通り)

善子(さっきのことも、無かったことに……)

善子(こと、に……)



善子「やだ……」

善子(無かったことになんてしたくない)

善子(本当はあの人のそばにいたい)

善子(もし、私に一度だけ幸せが訪れるなら)

善子(ずっとあの人の隣で笑っていたい)


善子(何が本音を言い合う日よ、一番の嘘つきは私じゃない……!)

善子(……伝えなきゃ)

善子(“本音”を……!)



善子(そう思ったら居ても立ってもいられなくて)

善子(私は元来た道を走り出した)

ポツ…ポツ…ザーッ…


善子「嘘っ!? こんな時に……!」

善子「はぁっ、はぁっ……!」


善子(息は切れるし雨は本当に降り始めた)

善子(それでも、走る足は止めない)

善子(まだ、曜さんは待っててくれるかも知れない)

善子(こんな私を)

善子(雨の中で)

ズシャァッ


善子「っ! 痛ぁ……」

善子(まさか、本当に転ぶなんて……)


善子(やっぱり、私は不幸だ)

善子(幸せなんて望むべくもないのかも知れない)


善子(……それでも)

善子(たまには運命に抗ってみたくなるの)

善子(それが堕天使だから)


善子(不幸の鎖を打ち砕いて)

善子(私は、漆黒の羽で羽ばたくのよ)

善子(幸福の大空へ)


善子(……らしくない? ま、そうかもね!)


ダッ

善子「……! いた!」

善子「はぁっ……! はぁっ……!」

曜「……! 善子ちゃん!?」

曜「どうしたの、傘も差さないで……! びしょ濡れだし、泥だらけじゃん! 風邪ひいちゃうよ!?」

善子「別に、いいのよ……。本音、言いにきた、だけだから……」

曜「本音って……。ゲームはもう終わりなんじゃ……」

善子「終わりよ。でも、嘘ついたままじゃゲームは終われないの」

曜「嘘……?」

善子「そう、嘘よ」

善子「私は自分に嘘ついてたの。だから、今ここで“本音”に訂正するわね」



善子「……渡辺 曜さん。私は、あなたのことが好きです」

善子「私の上級リトルデーモンになってください」

曜「!!!」

曜「あっ、えっ……?///」

善子「聞こえなかった? 私の上級リトルデーモンに――」

曜「待った待った! ちゃんと聞こえてたよ!///」

善子「曜さん。これが私の本音よ」


善子「それで、その……。返事、は……?」

曜「えっ、あ、うん……。こちらこそよろしくお願いします……かな……?///」

善子「……それだけ?」

曜「もしかして駄目だった……?」

善子「いや、その、嬉しいけど……///」

善子「曜さんのことだから、もっとかっこいい感じで返ってくるのかなー、とか……」

曜「うう……。そんな、いきなりだから何も考えてなかったよ……」

善子「人に可愛いとか抱き締めたいとか言っておきながら、何も考えてなかったの?」

曜「まさか告白されるなんて思ってなかったからね……」

善子「はぁ……。人が度胸出して雨の中言いに来たっていうのに……」

善子「……まぁいいわ。このまま雨の中に居るわけにもいかないし、どこか雨宿りできる所を探しましょう」

曜「あはは……。そうだね」



善子(……変な人。この雨の中で傘も差さずにずっと待ってるなんて)

善子(案外私と同じ気持ちだったとか……?)

善子(……まさかね)



終わり

安価して頂いた方ありがとうございました、おかげさまで無事完結できました

若干急展開だった気はしますが、短くまとめられて良かったと思います

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