…今まで
正しい選択なんてしてきたかしら
…そんなの、知らないわ。
正しいとか、間違ってるとか、どうでもいい
そもそもそんなモノないのかもしれない
でも
自分が今まで選んできたことは、自分の罪に出会えたことは
あの手のかかる子と346プロに入った事は
バカ正直な小娘たちと、子供みたいにはしゃいだ事は
今日、誰かのために死ねることは
『良かった』と思うわ。
…うん
…今日なら死ねる。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522196418
アイドルマスター×東京喰種の二次創作として書かせていただいている「偶像喰種」シリーズ、
その346サイドの短編集です。
もうすぐ:reアニメ化、
あと就活について段々目途がついてきたので
外伝で書ききれなかった話やアイドルの日常などを中心にちまちま書いていこうと思います。
今後書く予定のリメイク版に沿ってまとめた設定を使用していますので
前作といくつか設定や展開が食い違うところが出てきます。
ややこしい所は解説を入れていくつもりです。どうかご容赦ください。
また、765本編が進んでないことについてはちょっと考えてることがあるので
どうかお待ちください。
~2015年 9月某日 午後5時~
――CCG 喰種対策局本部 橘美樹捜査室――
市原ギン(仁奈の母親)「なあなあ美樹サン。まだ仕事終わってねえのに悪いんだけどよ」
ギン「ちょっとテレビつけていいか?」
橘美樹(ありすの母親)「? どうしたのギン。貴女、普段ここのテレビを使うことなんて……」
美樹「…ああ、もしかして仁奈ちゃんの?」
ギン「そーだよ、あいつの新しいレギュラー番組が今日から始まるんだよ!」
ギン「ほんと悪いんだけどさ、30分だけテレビ見せてくれねーか? 埋め合わせはするから!」
ギン「それに美樹サンとこのありすちゃんもゲストで出るんだろ?」
美樹「私は家で録画してるから、今見なくてもいいんだけど……そうね。少し休憩しましょうか」
美樹「折角のありすの初仕事だもの。ギン、チャンネル合わせてくれる?」
ギン「よっしゃ! 確か放送局は……教育番組っつってたしこれだ」
ギン「にしても、あの堅物ありすちゃんがよくこの番組に出ようって思ったよな」
美樹「え?」
ギン「あれってゲストもすげー子供っぽいコスプレするんだろ?」
ギン「仁奈は似合ってるからいいけどよ、ありすちゃんはよく『あの』コスプレなんてする気になったよなーって」
美樹「…ちょっと待って」
美樹「教育番組とは聞いていたけど、まさか変なコスプレするような仕事じゃないと思うわよ?」
美樹「同じユニットを組んでるお姉さん達も出るって話だし、その子たちは女子高生や女子大学生よ?」
ギン「は? アレに大学生が出んの? ゲストで? …マジで?」
美樹「えっ?」
美樹「……えっ?」
――――――――――――――――――――
ありす(お母さん、お父さん。元気ですか)
ありす(今日も皆を守るために、喰種と戦ってくれてるんですよね)
ありす(いつもお仕事が忙しくて一緒には居れないけど、わたしは元気にやってます)
ありす(今日、私は346プロに入って初めてのお仕事をします)
ありす(美城家という、このプロダクションを経営してる一族)
ありす(その一族の一人であり、アメリカから経営を学んで帰国した『美城常務』)
ありす(あの人が結成したアイドルユニット『プロジェクト・クローネ』)
ありす(そのメンバー6人の中に私を選んでくれたことで)
ありす(ユニットメンバーの皆さんと一緒に、初めてのお仕事に臨めるようになりました)
ありす(お母さん。わたし、すごく嬉しいよ)
ありす(立派なアイドルになるために346プロに来て、採用してもらって)
ありす(だけど私ひとりじゃろくにお仕事をもらえなかったから)
ありす(拾ってくれて、お仕事を見つけてくれた常務には、すごく感謝してるんだよ)
ありす(それが、どんなお仕事でも……)
ありす(―――そう―――――)
仁奈(全身サメ)「仁奈と!」
七海(釣り人)「ななみのー!!」
「「お魚すごいぜ!!!」」
周子(イカ)「いえーい」
フレデリカ(エイ)「わー! どんどんぱふぱふー♪ ひらひらー♪」
文香(タコ)「…ぱちぱちぱち」
唯(タツノオトシゴ)「イエーイ! ちなったん見てるー?」
奏(ハンマーヘッドシャーク)「……ふふっ」ドヤァ
ありす「……」チラ
美城常務(舞台袖)「……」ギリギリギリギリ
ありす(ハリセンボン)「…よ、よろしくお願いします…!」ヒキッ
ありす(…そう)
ありす(―――こんなお仕事でも……)
一旦ここまで。
外伝は2015年の4月から12月の間に起こったお話として書いています。
ありす(このお仕事について知らされたのは数日前)
ありす(美城常務によってプロジェクト・クローネが結成されてから一週間も経っていない日のことでした)
ありす(私達六人に手配された地下の一室)
ありす(埃まみれの地下室に資料を持って入ってきた常務の顔が、とても険しかったことを覚えています)
美城「…君たちの初仕事として本社から手配されたのは、とある番組のゲスト出演だ」
美城「6人分の資料を印刷してきた。個々で読んでおきなさい」
ありす(そうして渡された資料で、私たちのお仕事は仁奈さんと七海さんのレギュラー番組のゲストであること)
ありす(そして…ゲストを含む出演者全員が魚の着ぐるみを着なければいけないことが書かれていました)
ありす(常務がこの場の誰よりも険しい表情をしていなければ、私は出演を拒否していたと思います)
美城「…言いたいことは分かる。おそらく、この場の全員が同じ想いを共有しているはずだ」
美城「だが、今の我々の立場の脆弱さを端的に表したものがこの資料なのだ」
美城「あの……」
ちひろ『すみませんねえ美城常務ぅ。常務はものがたりてきぃ?なアイドルプロデュースを目指してるそうですけどぉ』
ちひろ『あんまり突飛なことやられて怪しまれても困るんですよねえ』
ちひろ『ほら常務はうちのやり方に慣れてませんしぃ? クスクスクス』
美城「…あの女狐め……!!」
ありす(この方は信用できる大人の人だ。私はそう確信しました)
ありす(仕事内容に不満はあっても、この人がやれと言うのなら)
ありす(常務を信じて取り組んでみようと、思うようになったのです)
ありす(……それはそれとして)
ありす(どうして、私以外の皆さんは全員)
ありす(―――ノリノリなんですか!?)
今日はここまで。
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