――ある日の野クル部室にて。
あき「いやー、とうとうアニメも終わっちゃったな~」
あおい「せやな~。一クールまるまるやってたのに、終わってみたらあっという間やったな~」
なでしこ「そだねー。時が経つのって、意外と早いものなんだね~」
あき「ま、原作の私達は単行本6巻も出てんのに正味二ヶ月ちょいしか経ってないけどな!」
あおい「あき、そういう揚げ足取りはええから」
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あき「にしても、この一クールの間に色々なことがあったよなあ」
あおい「ほんまやなあ。オリンピックがあったり、東京では結構雪降ったりしたみたいやでー」
なでしこ「雪かあ……。今回アニメになった範囲だと、雪が残ってる気温の中でのキャンプはなかったよね?」
あき「そうだな。あの辺りがアニメになるとしたら二期かOVAじゃないか?」
あおい「まあ、やるためにはBDやDVD、グッズの売り上げが良くないといけないんやけどな~」
なでしこ「……」
あき「……」
あおい「……」
あき「……いや、いけるんじゃね?」
なでしこ・あおい(無言で頷く)
あき「アマゾンのランキングを見る限り、相当人気あるみたいだし」
あおい「放送後の反響を見る限り、結構いろんな層が見てくれてるみたいやし」
なでしこ「風の噂では、キャンプ用品の売り上げ、リンちゃんのと同じ原付に焚き火グリルが入手困難になってるみたいだし」
三人「「「……っていうか、原作単行本そのものが入手困難になってるし」
三人「「「…………」」」
ふぅ、と三人同時に息を吐いてから、ぽつりと溢すように、あおいは呟いた。
あおい「思えば遠くに来たもんやなあ……」
あき「ほんとだよなあ。正直、アニメ放送前はここまで人気が出るなんて思ってなかったよ」
なでしこ「きららアニメの中でも、フォワード出身ってちょっと人気が出にくい雰囲気があったからねぇ。ハナヤマタ先輩しかり、あんハピ先輩しかり」
あおい「がっこうぐらし先輩はアニメ側の見せ方が上手くて原作コミックスぎょうさん売れたらしいけど、円盤の売り上げ自体はそこまででもないしなあ」
あき「それに、同じクールにスロウスタートさんがアニメやってたからなあ。なでしこ、あれ見たか?」
なでしこ「見たよ~。なんか、本当にきららアニメなのかな? って思っちゃうくらい動いてたよね」
あおい「あれ初めて見たときやばかったわぁ。ちょっと不安になるくらいやったもんなあ」
あき「とにかく作画が綺麗だし、崩れないし、よく動くんだよな。流石天下のA-1picturesってところか」
あおい「お金のかかったアニメって気配が伝わってきたなあ。キャラソンCDも発売してるみたいやし、芳文社様はどっちかというとスロウスタートさんの方を押してきてる気がしたなあ」
なでしこ「スロウスタートさんは前評判が高かったんだよね。きらら本誌連載だし、王道のきららって内容だし、芳文社的にはあっちの方を推したかったのかも」
あおい「三者三葉先輩しかり、けいおん! 大先輩しかり、本誌掲載作品で結構お金をかけてそうなアニメは多いなぁ」
あき「もちろん全部そうとは限らないけど……。でも、確かにスロウスタートさんはお金かかってそうだったよな。NEWGAME! 先輩のときにも感じた芳文社の本気をぴりぴりと感じたよ」
なでしこ「王道のきらら作品だもんねぇ。……原作の方は意外とそうでもなかったりするんだけど」
あおい「せやけど、OPが声優ユニットやったしなぁ。そこんところ、きららアニメって感じが伝わってきたで」
あき「声優ユニットといえば、うちらOPもEDも声優ユニットじゃないんだよな。スロウスタートさんも、ブレンド・S先輩も、春からアニメが始まるこみっくがーるずもOPは声優ユニットなのに」
なでしこ「ブレンド・S先輩はOPもEDも歌ってたからねぇ。こみっくがーるずちゃんもそうなんだっけ?」
あおい「せやなぁ。対してうちらは声優ユニットが組まれる気配すらなし」
あき「アニメ化したきらら作品には付き物のアンソロジーすらないからな」
三人「「「…………」」」
三人「「「……っていうか、いくらなんでも期待されなさすぎたんじゃ……」」」
あおい「……ま、まぁそんな逆風(?)の中でちゃんと面白いアニメにしてくださったアニメスタッフには感謝してもしきれんなぁ」
なでしこ「ほんとだよねぇ。音楽も雰囲気出てたし、背景の作画なんて写真みたいだったよねぇ。あの綺麗な富士山といったら!」
あき「声優さんの演技もよかったよな。カレーめん、マジでうまそうだったし」
なでしこ「リンちゃん――東山奈央さんの『くぁwせdrftgyふじこlp』なんかもネットニュースに載ってたしね」
あおい「声優関係ないけど、5話でパスタを半分に折ったのが海外で論争になってたこともあったなぁ」
あき「こうして見ると、話題には事欠かなかったよな。きらら系特有の美少女の臭いというか、そういう現実離れした雰囲気も比較的少なかったように感じたし」
あおい「その分だけ普段きららアニメ見ない人も見てくれてた印象があるなぁ」
なでしこ「いろんな作品のファンが見てたってのは絶対あるよ。ヤマノススメさんとか、けものフレンズさんとか、ガールズ&パンツァーさんとか、のんのんびよりさんとか、勿論きららアニメが大好きな人も見てくれてたよね」
あき「絵師さんも結構注目してたよな。pixivのイラスト検索によれば、しまりんのイラスト数は1000件超え、なでしこやイヌ子もそれに迫る勢いだ」
なでしこ「いや~、人気でうれしい限りだよ~」
あおい「ほんまやな~。……で、あきは?」
あき「……まあ、そんなわけで。幅広い世代に見ていただけたのは素晴らしい事だな!」
あおい「話題そらしたな」
なでしこ「でも、そうだねぇ。色んな人の応援があったからこそ、ゆるキャンはオンリーイベントが三ヶ月の間に二回も開かれるくらいのコンテンツに育ったんだねぇ」
あき「いいこと言ったぞなでしこ。そうだ、ゆるキャン△は皆様の応援があったからこそ、ここまでやってこれたんだ。応援してくださった皆様、ありがとうございました! これからもゆるキャン△をよろしくお願いします! 具体的には円盤を買ってください!」
なでしこ「よろしくお願いしまーす!」
あおい「媚びるな媚びるな、ダイレクトマーケティングすな」
あき「でもこんくらい媚びとかないと応援してくれないかもしれないぞ?」
あおい「うーん、それもそやな……」
三人「「「 ………………(暫し無言タイム)」」」
三人「「「……アニメを応援してくださった皆様、ありがとうございました! これからも応援よろしくお願いします! 具体的には3月28日発売の円盤と、好評発売中の原作コミックス既刊六巻を買ってください! よろしくお願いします!」」」
○
――同日、本栖高校図書館にて。
斉藤「リンー?」
リン「……なんだ、斉藤」
斉藤「ゆるキャン△のアニメ、終わったじゃん?」
リン「おう」
斉藤「アニメ、大好評だったじゃん?」
リン「おう」
斉藤「その影響で、ゆるキャン△の二次創作界隈が広がったじゃん?」
リン「おう」
斉藤「皆、色々な妄想cpのお話とか書くじゃない? ……主になでしこちゃんとリンの」
リン「お、おう」
斉藤「その件について、私ちょっと言いたいことがあるんだけどさ」
リン「お?」
斉藤「……なんで私、リンの元カノの設定なことが多いの?」
リン「……」
斉藤「なんで私、病んでることが多いの?」
リン「…………」
斉藤「なんで私、『なでしこちゃんとカップルになったリンと二人きりの図書室で過ごす』みたいなシチュエーションが異常に多いの?」
リン「………………」
斉藤「ねえ、なんで? どうしてなんだと思う?」
リン「……………………」ダッ
斉藤「あっ、逃げた? ちょっとリン、ちゃんと答えてー」タッタッタッ
終われ
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