●全30レス(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●うっちーせつないようっちー
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【原幕高 玄関】
キーン コーン カーン キーン コーン ・・・
「うっちー、おはよ」
「おはよー、みんな」
「こないだの遠足、楽しかったね」
ザワ ザワ ザワ …
「ごめんね、何度も迷子になって」
「ほーんと、そそっかしいんだから」
「・・・ごめんね」
「いいんだよー。 とっても楽しかったから!」
「・・・ありがと」
「またああやって、みんなで遊びに行きたいね」
「うん(・・・みんな)」
内(・・・みんな、いつも、ありがとう)
内(わたしってば、いつもわがままばっかり言ってるのに)
内(みんな、いっつも笑って許してくれる。 ・・・・・・・)
(・・・ああ、わたし、バカみたい)
「・・・うっちー。 なんか、元気なくない?」
内「・・・大丈夫。 ちょっと疲れただけ」
「そう? 無理しないでね」
内「うん、ありがとう・・・(ほんとうに、わたしってバカだ)」
(こんなにいい友達が、こんなに近くに、こんなにいっぱいいるのに)
(なんで・・・)
(なんで、あんなやつのことなんか)
ザワ ザワ ザワ ・・・
内(それはさておき)コソッ
内(真子たちにお礼を言わなくちゃ)
内(このあいだ迷子になった?時、助けてくれたんだから)
内(真子と、田村さんと、吉田さんと、根元さん。 それに・・・)
・・・ガヤ ガヤガヤ ガヤ
内(・・・まあ、しょうがない、か)
内(みんなに言って、あいつだけシカトってのもかわいそうだし)
内(しかたないよね・・・)
ザワ ザワ ・・・
内(・・・靴箱の中でいいか)
内(あいつの顔なんかもう、見たくないし)・・・スッ
ガ チ ャ 。
「うっちー、どうしたの?」
内「・・・ううん、なんでもない」 ニ コ 。
「なんでも、ないから ―」
…ガヤ ガヤガヤ
ザワ ザワ ザワ ・・・
黒木「・・・・・・・」トコ トコ トコ
ガ チ ャ 。
黒木「おっ?」
・・・ ガ サ ッ
黒木(また、手紙か)
黒木(こういうことするやつは・・・)ガサガサ
[ このあいだはありがとう ]
[ あれからちゃんと みんなに会えたから ]
[ 楽しかったよ ]
[ 内 ]
黒木(・・・やっぱり)
黒木(あいつもいちいち律儀だなあ)
黒木(ああ見えて、実はけっこういい奴なのかな)
黒木(遠足のときも・・・)
(く・・・黒木は、こういうの平気なの? 怖くない?)
(一緒に写真撮る?)
黒木(あいつはあいつなりに、ずいぶん気を使ってくれたんだろうしな)
黒木(こっちは別にかまわないのに)
(・・・あの、『例のあの人』)
(あはははははっ)
黒木(あんまりわたしに構ってると、友達無くすかもしれないんだから)
黒木(・・・でもな・・・)
・・・ ガ サ 。
(いちいちこうやってやりとりするのも、いいかげんめんどくさくなってきたな・・・)
【翌日朝 原幕高 玄関】
「うっちー、おはよ」
内「おはよー」
「元気になったみたいだね?」
「やっぱり、うっちーは元気でなくっちゃ!」
内「ふふ、もう、へっちゃら(・・・そう、へっちゃら)」
(あいつが、悪いんじゃない。 悪いのはわたし)
内(わたしが勝手に勘違いして、舞い上がってただけ)
内(あいつはもともと、かわいい女の子だったらだれでもよかったんだ)
スタ スタ スタ
内(あの牛だって、田村さんたちにも普通に配ってた)
内(あいつにとって、私は別に特別でも何でもない)
ガ チ ャ …
(ただの知り合い―)… キ イ 。
[ こちらこそ、いろいろありがとうございました。 とても楽しかったです ]
[ これからなにかお話しがあったら、これにまとめて書いて、靴箱に入れておいてください。 ]
[ 迷惑でしたら、捨ててもらって結構です。 では、また。 ]
[ 黒木 ]
「・・・うっちー?」
内「・・・・・・・・・・・・・・・」
「また、なにか入ってる・・・」
「ノート? なんだろ」
内「忘れもの」
「えっ?」
内「・・・昨日 図書室に 置いて きちゃった ノート 」
「ノート?」
内「誰かが 届けて くれた みたい」
「ふーん。 ・・・あいかわらず、おっちょこちょいだなあ」
「それがうっちーの可愛いところだけどね」
内「・・・ふん だ」ギク シャク
・・ ギク シャク ギク シャク
「うっちー???」
「どうしちゃったの?」
内「 筋 肉 痛 」・・ギク シャク
「だいじょうぶ?」
内「だい じょぶ」ギク シャク ・・・
【放課後】
キーン コーン カーン ・・・
黒木「あー、疲れた。 ・・・小腹すいてきた」
根元「クロ、おっさんくさーい」ニヤニヤ
田村「黒木さん、おっさんだもん」ニコッ
田中(田村さん、根元さんとずいぶん打ち解けたね・・・)ニコニコ
黒木「・・・好き勝手言いやがって(・・・絵文字のやつ)」ブスッ
(ノート、受け取ったかな? 捨ててないだろうな)
(靴箱でやりとりするのはめんどくさいけど)
(・・・どうせあいつは、わたしにメルアドもラインも教える気ないんだろうし)
(せめてまとめて書けるようにしといたんだが)
田村「・・・帰りに、どっか寄ってく?」
田中「! ・・・いいね、どこにする?」
根元「いつものサイゼかなー」
黒木「(・・・肉食いたくなってきた)」ガチャ
「・・・おっ??」
田村「・・・黒木さん?」
根元「どうしたの? ・・・靴箱に、なんか入ってる」
黒木「絵文字・・・ 内さんから」
田中「うっちーから?」
黒木「うん。 ・・・まあ、わたしがあげたものなんだけど」
田村「あげた? 内さんに?」
黒木「そう。 連絡帳」
田村「連絡帳?」
黒木「いちいち手紙でやり取りするの面倒だから」
根元「携帯使えばいいんじゃないの?」
黒木「・・・まあ、そうなんだろうけど」・・・ゴソッ
パ タ ン。
田中「・・・黒木さん?」
黒木「腹へったから行こう」
田村「本当におっさんくさいなあ」
黒木「うるせーよ」
田中「・・・・・・・・・・・」
【黒木家 智子の部屋】
[ こんなのもらっても困る。 まあせっかくだから使うけど ]
[ 書くこともないけど、いちおう自己紹介。 名前は内 笑美莉 ]
[ ●●年生まれの17歳。 趣味は体を動かすこと。 好きなものは・・・ ]
黒木「(・・・自己紹介か。 無難な内容だな)」パラリ
黒木「(入れたその日に戻ってくるとは思わなかった)」
黒木「(マメなやつなんだな・・・)」
黒木「・・・・・・・・・・・・」パラ・・・
パ タ ン 。
黒木「(やっぱり連絡先は書いてないか)」
黒木「(まあ当然か。 そこまでする気はないだろうな)」
黒木「(ガチレズさんのつながりから申請することもできるだろうけど・・・)」
黒木「(わたしも、そこまでする気にはならない)」
― ほら、例のあの人。
黒木「・・・こんなもんか」カリカリカリ
[ 書いてくれて、ありがとうございます。 わたしも自己紹介を。 ]
[ 名前は黒木智子。 生まれた年は○○年、あなたと同い年です。 ]
[ 趣味は読書。 あとはもう知ってるでしょうけど、アニメもよく見ます。 最近は・・・ ]
内「・・・また無駄にきれいな文章書いて。 あーきもい」カリカリ
[ お返事ありがとう。 わざわざいいのに ]
[ どうでもいいけど、昨日は何してた? ]
黒木「ほんとうにマメだなあ」カリカリ
[ 田村さんたちと、サイゼに行ってました ]
[ 吉田さんに田中さん、根元さんもいっしょです ]
内「・・・別にすぐ返事くれなくていいのに。 あー、キモしつこい」カリカリ
[ 見た目より付き合いがいいんだね、ちょっと意外 ]
[ わたしは先週、みんなとサイゼに行ったよ ]
黒木「・・・やめどきがわからなくなってきた。めんどくせー・・・」カリカリ…
[ いつものあの人たちですか? ]
[ みんないい人そうで、仲が良さそうで、うらやましいです ]
内(・・・うん。 みんな、とってもいい人。 大事な友達・・・)カリカリカリ
[ うらやましい? あんたぼっちだもんね ]
[ 中学の頃から、いっしょだったんだ ]
黒木「なんだと? このやろ・・・」ガリガリゴリゴリ
[ わたしにも、中学の頃からの友達がいます ]
[ とてもきれいな人で、今でもよく遊んでくれます]
内(・・・筆圧が強い。きもいきもい)クスクス
[ ちょっとわたしに似てる人のこと? ]
[ アウトレットで下着あてがってた人 ]
黒木(見てやがった?!)カリカリカリ
[ あんまり内さんには似てないと思うけど、たぶんその人です ]
[ ずっと仲良くしてくれてます、大事な友達です ]
内(・・・大事な、友達・・・)カリカリカリ・・・
黒木(なんだか交換日記みたいになってきたな・・・)カリカリカリ・・・
――――――――――
内「・・・・・・・・・」コソッ
・・・・・・・・・・・・・・・・
内「(誰もいない。 いまのうち・・・)」
コ ソ コ ソ ・・・ ガ チ ャ 。
田中「うっちー」
内「ぎゃあ?!」
田中「わあ!?」
ドテッ ドテン!
「あいたた・・・」「い、いてて」
内「ま、真子! いきなり声なんかかけないでよっ!」
田中「ご、ごめん、うっちー。 でも、何してたの?」
内「え・・・」
田中「そこ、黒木さんの靴箱だよ。 ・・・それ、ノート?」
内「え、えっと・・・」
田中「・・・ふふ。 ごめん、うっちー。 わたし、知ってるんだ」
内「え?」
田中「黒木さんから聞いたの。 連絡帳・・・ 交換日記でやりとりしてるって」
内「・・・う、うん」
田中「いいね、なんか、それ」
内「えっ」
田中「なんていうか、特別な間柄って感じ」
内「・・・特別な、間柄・・・?」
田中「うん、ちょっとうらやましいかも」
内「(・・・真子ったら。 こんなの・・・)」…ギュッ
(・・・こんなの、こんなのおかしいに決まってるじゃない!)
(携帯もラインも使わずに、こんなのでやりとりしてるなんて・・・!)
内「・・・このことを聞きに来たの?」
田村「ううん、明日のおさそい」
内「明日?」
田中「あした、ゆりと買い物に行くの。 黒木さんたちもいっしょなんだ」
内「・・・それって」
田中「うっちーも来ない?」
内「・・・・・・・・・」
田中「田村さんも根元さんも、来てほしいって」
内「あのふたりも?」
田中「うん。ふたりとも、内さんと黒木さんの日記のこと、聞いてみたいって」
内「・・・・・・・・・そう」
田中「よかったら、だけど。 どう?」
内「・・・考えさせて」
田中「・・・うん。 無理にとは言わないけど、来てくれるとうれしいな」
内「・・・・・・・・・」
田中「じゃあね」
パタ パタ パタ ・・・
内「・・・・・・・・・」
(ねえ、例のあの人)
(またあんなところにいるよ)
(いったい何やってるんだろ)
内「・・・・・・・・みんな、わたし・・・」
[ おみやげ ありがとう ございます。 ]
[ チョコのお返しです ]
[ 書いてくれて ありがとうございます ― ]
(みんないっしょだよ、まじ奇跡だよ! うっちーもいっしょだよ!)
(うっちー一緒じゃないと、つまんないよ)
(うっちー、いっつも、ありがとうね。 ・・・ずっとわたしたちと、友達でいてね)
内「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「バカみたい、わたし」
【翌日朝 原幕高】
キーン コーン カーン キーン コーン ・・・
「おはよー、うっちー」
内「おはよー」
「・・・うっちー、おはよ」
内「・・・おはよ」
「・・・・・・・・なんかうっちー、また元気なくない?」
内「・・・そんなこと、ないよ」
「そう? ・・・無理しないでね」
内「ありがと。 ・・・あ」
黒木「・・・・・・・・・」トコ トコ トコ
・ ・ ・
「あ、あ の 人」
内「・・・・・・・・・」スッ
・・・ ツカ ツカ ツカ
「・・・うっちー?」
「どこいくの・・・?」
内「・・・」ツカツカツカ…
黒木「(おっ、絵文字だ。 ・・・あいつらもいっしょか)」
黒木「(嫌がられちゃ、いけないな)」クルリ
内「待ちなさいよ」ガシッ
黒木「え」
内「なに、逃げてるの」
黒木「逃げる、って。 別に」
内「はい、これ」ゴソ…
・・・ ス ッ 。
黒木「・・・連絡帳?」
内「もういらない。 めんどくさいから」
黒木「え」
内「用があったら勝手に来て。 わたしもそうする」
「え?!」「え。えっ・・・」
「・・・うっちー」「・・・・・・・・・」
黒木「・・・いいのか?」
内「何が」
黒木「何が、って」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
内「あんたには関係ないでしょ」
黒木「関係ないって・・・」
内「・・・みんなごめん。 わたし」
・ ・
「 こ の人と、友達になるから」
黒木「・・・!」
「えっ?!」「え・・・」
「うっちー!?」「なんで?!」
内「こいつ、ちょっとおかしなやつだけど」
内「話してみると、けっこう楽しくってさ」
黒木「(・・・ちょっとおかしい?)」ムカッ
内「・・・だから、さ。 友達増やしてやろうかな、って」
黒木「(絵文字のやつ・・・)」イラッ
(キョロ充の分際で、かっこつけやがって・・・)
内「・・・こいつ、ぼっちだから、さ」
黒木「(何があんたには関係ないだ、偉そうに)」イライラ
内「別にみんなのこと、嫌いになったとか、そういうんじゃないけど・・・」
黒木「(さっきから聞いてりゃ、いい気になりやがって)」ムカムカ
内「だから、さ。 今日、ちょっと・・・」
黒木「(ぼっち? 友達増やす? よけいなお世話だ!)」ムカッ!
(なめんな! おまえなんかに、そこまでされてたまるか!)
・・・ ズ イ ッ 。
内「黒木?」
黒木「(・・・覚悟決めるか)みな、さん」オズ・・・
「その、今日の放課後、内さんを・・・ 貸して、ください」
内「黒木?!」
「「「「「えっ」」」」」
黒木「内さんに、その・・・ 田中さんの方から、お話ししてたんですが」
「・・・真子から?」
黒木「はい。 ・・・今日、みんなで買い物行くから、内さんも来ないかって」
「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」
黒木「修学旅行でも、遠足でも、一緒だったし、よかったら・・・ と思って」
黒木「わたしが一緒じゃ迷惑かもしれないけど、でも・・・」
内「・・・黒木」…ジロ
「なに、きもいこと言ってるの」
黒木「はあ?」
内「迷惑? ・・・だれがそんなこと言ってほしいって頼んだの、きもい」
黒木「お、お前! なんだその言い方!? わたしは・・・」
内「心配してとでも言いたいの?! それこそ迷惑よ! きもいきもいきもい!!」
「・・・うっちー」「あなた」「そっか・・・」
黒木「わ、わたしは、おまえが友達無くしたらいけないと思って!」
内「だからそれがめ・い・わ・く・だって言ってんの! ちょーきもい!!」
黒木「きもいってなんだ! せっかく心配してやったのに!!」
内「あんたなんかに心配されてたまるか! わたしをなめるなっ! あーーー、きもいっ!!」
「・・・・・・・・」「やっぱり・・・」「そうだったんだね」
黒木「・・・は?」
内「やっぱり?」
「まえからそうだと思ってたんだ」
内「え」
「お肉、焼いてあげてたでしょ」
「遠足のときも、いっしょに行ってあげたんだよね」
「花火も一緒に見てたよね?」
内「・・・し、知ってたの」
「やっぱり、そうなんだ」
「うっちー、嘘がつけないからなあ」
内「・・・・・・・・・・・・・」
黒木「(そ、そうだった・・・のか?)」
「言ってくれればよかったのにー」
「ほーんと、水くさいー・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「「「「「わたしたちのせい?」」」」」
内「・・・えっ」
「わたしたちが、『例のあの人』とかって、言っちゃってたから?」
「わたしたちに、嫌われると思ったの?」
内「・・・・・・・・・そ、そんな」
「・・・黒木さん」
黒木「う、うん」
「悪気じゃなかったんだけど。 ・・・ううん、これ、言いわけだね」
「いままでごめんね」 「黒木さんは、うっちーのこと、好き?」
黒木「・・・・・・・嫌いじゃ、ないです」
「・・・そっか、よかった」 「うっちー、ちょっとアレなところがあるけど」
「でも、いい人なの」「大事にしてあげてね」
黒木「・・・はい」
内「・・・・・・・・みんな」ギュッ
「みんな、きもい!」
黒木「は?」
内「みんなきもい。きもい。きもすぎる」
黒木「ちょ、ちょっ、内さん」
内「きもいきもいきもい! みんなきもいっ!!」
黒木「ちょっと内さん、みんなにそんな言い方!」
「いいんだよ、黒木さん。 ねーみんな?」
「そうそう。 うっちー、いま、大喜びしてるんだもんね」
内「うっさいだまれ! きもいきもいちょーきもい!」
黒木「お、大喜び・・・??」
「黒木さん」 ニ コ 。
「うっちーの『きもい』って、『大好き』って意味なんだよ」
黒木「・・・は、はあ」
内「もうやだ! みんな、みんなきもいっ!!」 カ ク ン 。
… ヘ タ リ 。
内「きもい・・・ きもいよっ・・・」
「・・・うっちー」「ぐすっ・・・」
「ごめんね、うっちー。黒木さん・・・」
黒木「・・・・・・・・・・・別、に」
【昼休み】
キーン コーン カーン
キーン コーン ・・・
田村「真子、お弁当食べよ」
田中「うん。 ・・・根元さんも、どう?」
根元「うん。みんなで食べよ。 ねえ、クロ」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・」
根元「・・・クロ???」
田村「どうしたの?」
黒木「・・・いや、その。わたし」モゴモゴ
「今日、先約があって・・・」
根元「え??!」
田村「・・・先約?」
田中「・・・・・・・・・・」
黒木「ごめん、言ってなくて。でも・・・」
田村「いいけど・・・でも、誰?」
根元「加藤さん・・・じゃ、ないよね?」
黒木「・・・それが、その・・・」
田中「・・・・・・」
ガ ラ ッ !
黒木「うわ!」
田村「えっ?!」
「「「「「くろーきさ――ーん!!」」」」」
根元「な、なに!?」
田中「・・・ふふ」
「約束だよ!」「お昼食べよー!」
「真子、ちょっとごめんね」「田村さんに、根元さんも」
「うっちーも待ってるから! 出発出発!」
根元「・・・・・・・・」
田村「どういうこと?」
黒木「あわわわ」アセアセ
「・・・言ってないの、黒木さん?」
「言えなかった?」
黒木「あ、う・・・ ご、ごめんなさい」
「もう、黒木さんったら」「やっぱ似たもの同士だなあ」
「真子、ごめんね」「きょう、うっちー、真子たちといっしょに行くって」
田中「ほんとうに? ・・・ありがとう」
田村「・・・そう。内さん、来るんだ」ニコッ
根元「よかった。・・・でも、クロ・・・きさんが、どうかしたの」
「約束したの」「ねー、黒木さん」
「うっちー貸してあげるかわりに、黒木さんのこと放課後まで貸してって」
田村「えっ」
根元「そうなの、クロ?」
黒木「・・・う、うん」
「うん。だって、うっちーの友達なら、わたしたちの友達だもん」
「でも・・・ もし、嫌だったら、またにするけど」
田中「ゆり、どうする?」ニコッ
田村「・・・別に」クスッ
根元「クロ、大人気じゃん」ニヤー
黒木「ちょ、人ごとみたいに」ジタバタ
「よかったー。 じゃ黒木さん、わたしたちとご飯食べよ」「午後の体育もいっしょだからね?」
「うっち―の話、いっぱい聞かせてね」「三人ともごめんね、ありがとう」
田村「・・・いいけど。 でも、その人きっと、みんなが思ってる以上に変な人だよ」・・・クスクス
根元「うちのクロがご迷惑おかけします」ニヤニヤ
田中「早めに返してね? ふたりがさみしがっちゃうから」ニコニコ
根元「?! ちょっ、田中さんっ!」 田村「ま、真子っ! もうっ!」
「はーい!」「田村さん根元さん、ごめんねー!」
「今度はみんなで遊ぼうね!」「ばいばーい!」
黒木「うわわわわ」ズルズルズル
・・・パ タ ン 。
田中「・・・ふふ。良かった」ニコニコ
根元「た、田中さんっ! わたし、クロのこと、別にそんなふうになんか・・・」・・・カーッ
田村「・・・バカ。 真子のバカ」ペチペチペチ
田中「痛い痛い、ふふふふっ」ニッコリ
【その晩 智子の家】
「・・・・・・・・・・・」フラフラ
ボ フ ッ 。
黒木「(・・・疲れた。 嵐のような一日だった・・・)」
黒木「(昼ごはん中も授業中も、雌猫どもに囲まれてもまれて・・・)」
黒木「(陰キャラには刺激が強すぎる一日だった・・・)」ゴソッ
パラ パラ パラッ 。
黒木「(・・・まあ、放課後の買い物は割と気楽だったけど)」パラパラ
黒木「(もともとあんまりしゃべるメンバーじゃないし)パラパラ
黒木「(絵文字もいつもの絵文字に戻ったし)」パラッ。
[ はじめまして、宮崎です。 黒木さん、これからよろしくね。 まずは自己紹介から・・・ ]
黒木「(結局続けることになっちまった・・・)」・・・パラッ
[ ナツでーす! 自己紹介だよー。 名前は・・・ ]
[ いちおう、はじめまして。 わたしの名前は・・・ ]
[ こういうのしたことないから、変だったらごめんなさい。 わたしは・・・ ]
[ 交換日記なんてはじめて。 なんかドキドキするね。 わたしはね・・・ ]
黒木「(しかも書く人が一気に増えた)」ゲンナリ
黒木「(個別レスはさすがにしんどいなー。 まとめて返答しとこう)」
黒木「(『これからもお付き合いのほどよろしくお願いします』でいいかな。 絵文字のは・・・)」
[ もう、こんなの書くのマジめんどい ]
[ こっちに連絡して ↓ ]
[ ucchixxxxx@hardpank.ne.jp ]
[ RineID:emilyxxx ]
黒木「・・・・・・まったくあいつは」ペラッ
[ ほんとに、あんたたちきもい ]
[ みんなでこんなめんどくさいこと、することないでしょ ]
[ あー、マジでいや。 みんなも、黒木も、ほんときもすぎ ]
黒木「・・・・・・・・・・・・」
…カリカリ カリカリカリ
[ おまえこそマジきもい。 絵文字みたいな顔してくっそキモい ]
[ そんなに嫌なら毎日書いてやる、ざまあみろ。 ああキモい ]
※おしまい※
※おまけ※
ワイ ワイ キャッ キャッ ♪
内「・・・マジで?」
田村「うん。 遠足の帰り、電車の中でね」
根元「ぐるんぐるん揺れて、ばたんって寝ちゃった」
黒木「・・・・・・・・・」ムスッ
♪ ワイワイ キャハハ ワイワイ
根元「いびきまでかいて、落っこちそうになっちゃって」
田村「それでとなりの加藤さんが、ひざを貸してあげたの」
内「ひざ・・・」ゴクリ
田村「加藤さん、寝ちゃった黒木さんのことをしっかり押さえてくれてたんだけど」
根元「そしたらね・・・」コソッ
内「・・・よだれ?!」ドキッ!!
黒木「こ、こらあ!!」
キャハハ ワイワイ アハハ ♪
内「キモい。 ・・・マジでガチでキモい」ドキドキ…
根元「だよねー。 正直ちょっと引いたなー」
田村「・・・それでも加藤さん、嫌な顔一つしなかった」
黒木「・・・・・・・・・・」
内「・・・それで、あの牛を?」
根元「うん。 どうしてももらってくれって押しつけてたよ」
内「・・・そうだったんだ」
田村「あれくらいじゃ、とてもお返しにならないけど」
黒木「う・・・」シューン
内「でも黒木って、妙に義理堅いんだよね」
根元「そうなの、内さん」
内「うん。 普段は偉そうなくせに、なにかしてあげると絶対お返ししてくる」
田村「・・・それはそうかもしれない」
黒木「義理堅いのはそっちだろ。 なにかあるたびに手紙くれるし、物もくれるし」
根元「・・・やっぱクロは鈍すぎるよ」
黒木「なんで?」
田村「ほんとこの人、こういう人なの。 内さん」
内「ほんとキモい」
黒木「・・・だからいったい何なんだよ」
アハハ ウフフ キャハハ・・・
田中「・・・・・・・・・・」ニコニコ
田中(・・・よかった。 みんな、仲良くなれて)
♪ ワイワイ キャッキャ ワイワイ
田中(おさまるところにおさまった、って感じだね。 ・・・ふふ)
田中(なにも、心配することなんて無かった)
[ みんな、実は、うっちーと黒木さん・・・ ]
[ やっぱり、そうだったの? ] [ なんとなく、わかってた ]
[ わたしたちのこと、気にしてたのかな ]
[ ごめんね、真子。 ありがとう、教えてくれて・・・]
田中(余計なことしちゃったな、わたし)
田村「真子、何か食べる?」
田中「あ、お腹は空いてないけど、飲み物はほしいな」
黒木「わたし腹へった」
内「なにこのおっさん、ほんとキモい」
アハハハ ウルセー アハハハ ・・・
※おまけその2※
[ うっちーってね、ほんとね、ウソのつけない人なの ]
[ 嬉しいとぴょんぴょんはねて抱きついてくるんだよ ]
[ とっても泣き虫なの。 嬉しくても悲しくても、すぐ泣いちゃう ]
「・・・」
[ 思ったことすぐやっちゃうから、ほんといっつも失敗ばっかりなんだけどね ]
[ でも、怒るとすごく怖い人でもあるの ]
[ わたしのことかばって先生と大ゲンカしてくれたとき、怖かったけど嬉しかった ]
「・・・」パラリ
[ そんなウソのつけないうっちーがね、わたしたちのことになるとウソをつくの ]
[ 隠し事もしちゃうし、素直になれなくなっちゃう ]
[ そんなときに、うっちーは言うんだよ。 『きもい』って ]
「・・・」パラッ
[ うっちーはほんとうに、わたしたちのことを好きでいてくれる ]
[ わたしたちがいままでつながってこれたのはね ]
[ うっちーがわたしたちをずっと好きでいてくれたからなんだよ ]
[ [ [ [ [ うっちー、いつも、ありがとね ] ] ] ] ]
「・・・みんな、ほんと、キモすぎ・・・」
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