唯我成幸「溝口誠?」 (18)

学園長「ああ、君も知っているだろう。 一ノ瀬学園の問題児……溝口誠くんを」

唯我「……はい」

唯我(溝口誠……自称喧嘩100段……)

唯我(今年で浪人10年目の28歳……)

唯我「その溝口が……何か?」

学園長「唯我くん……どうにかして……」

学園長「彼を卒業させてはくれないだろうか」

唯我「は?」

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学園長「知っての通り、彼はもう彼此浪人10年目だ」

学園長「これまで何十人もの教育係に何とかしてもらおうとしたが……ご覧の有様だ」

学園長「そこでだ唯我くん」

唯我「ま、まさか……」

学園長「そう、そのまさかだ」

学園長「君に溝口誠くんの教育係を頼んでもらいたい」

唯我「……」

唯我「お断りします☆」

















唯我「……とはやっぱり言えず……」

唯我「緒方と古橋だけじゃなくて……まさか溝口の教育係もやるなんて……」













学園長『彼の力はこの学園にとっては驚異だ……学校を破壊しかねない』

学園長『事件が起こる前に彼を卒業させたいのだ』

学園長『……強制的に退学させる? 退学なんてのはうちの汚点になってしまうよ』

学園長『……というわけで頼んだぞ』

唯我「ここか……溝口のクラスは」

唯我「あのー……すいません、溝口くんいますか?」

溝口「ああ!? 誰じゃワレ!!」

唯我「!!! み、溝口。 お前に用があるんだ」

溝口「なんじゃあ? 喧嘩なら受けて立つでぇ」

唯我「いや、悪いけど喧嘩じゃないんだ」

唯我「実は……」











溝口「ワシの教育係じゃとお!!?」

唯我「ああ、学園長からの依頼でお前の教育係になる事になったんだ」

溝口「ほう、そうかい。 なら……」

ザザッ

唯我「ん?」

溝口「さっさとこんかい兄ちゃん!!」

唯我「な、なんでファイティングポーズを……?」

溝口「ワシを教えるっちゅうことは……ワシよりも強いっちゅうことじゃあ!!」

唯我「いや、どういう事だよ!!?」

唯我「!! まさか……今まで溝口の教育係は……」

溝口「全員ぶっ飛ばしてやったでぇ!!」

唯我「マジかよ……無理に決まってんだろ!!」

唯我「こいつを教えるにはこいつに勝たないといけないなんて……」

唯我「……いや!! そんな弱音を吐いちゃダメだ!! これも妹達の為……」

唯我「……!!」












小林『知ってる成ちゃん? 溝口って彼女いるんだって』












唯我「……一か八かだ!!」

溝口「何をごちゃごちゃ言っとんじゃい!!」

唯我「……なぁ溝口、お前って彼女いるよな?」

溝口「ああ? 千絵がどうしたんじゃ?」

唯我「その彼女さんの為にも……卒業しないか?」

溝口「??」

唯我「やっぱり自分の彼氏が高校を卒業してなくて10浪もしてるっていうのは……彼女として恥ずかしいと思うんだ」

溝口「!!」

唯我「お前は全然気にしなくても……彼女さんはこのままだと恥ずかしい思いをずっとする事になるんだ」

唯我「もしかしたら彼女さんは気にしなくていいよって言ってるかもしれない……けど……」

唯我「本当は内心……嫌なんじゃないかな」

唯我(我ながらゴリ押し理論だ……)

溝口「千絵の為に、か」

唯我「わ、分かってくれたのか!?」

溝口「おう、分かったで!! なら千絵の為に……」














溝口「さっさとかかってこんかい!!」

唯我「全然分かってねええええええええええ!!!」

溝口「兎に角……ワシは大学に受かればいいんじゃな?」

唯我「あ、ああ」

唯我(大学に出れないとあらゆる大会に出れなくなると言ったらあっさり信じてくれた)

溝口「さっさと受けたるでぇ!! まずはどこに行けばいいんじゃあ!?」

唯我(先が思いやられる)

唯我「溝口は……志望している大学とかはないのか?」

溝口「喧嘩ができればどこでもええんじゃい!!」

唯我「成る程……特にないのか」

唯我「じゃあ……この大学だな」

溝口「喧嘩はできるんか?」

唯我「あ、ああ」

唯我「この大学はスポーツ推薦がある。 ただ、英語が必須科目なんだ」

唯我「だから英語だけを重点的にやればこの大学に行けるかもしれない」

唯我「まずは簡単な英単語から……」

溝口「ああダメじゃダメじゃ!! ワシはそういう横文字は全然分からん!!」

唯我「そ、そんな好き嫌いしてたら卒業できないぞ」

不良「勝負だ溝口!! 今日こそお前に勝ってやる!!」

唯我「!! 挑戦者!!?」

溝口「タイガーバズーカじゃあ!!」

ドカァン!!

不良「ぐわぁ!!?」

溝口「出直してこぉい!!」

唯我「お前横文字苦手なんじゃないのか!!?」

頑張れ溝口!! タイガーバズーカだけは特別だぞ!!

その後……

溝口「ヘッドヘッドヘッドヘッドォ!!」

唯我「そう!! ヘッドは頭だ!!」

唯我(頭突きの時はヘッド……というように身体の部位を使う時にその英単語を何度も繰り返す)

唯我(格闘馬鹿の溝口ならではだ)

溝口「チェストチェストチェストチェストォ!!」

唯我「違う!! それはフットだ!!」

更に月日が経ち

唯我「溝口。 今日のこの英語のテストは重要だぞ」

溝口「やってやるでぇ!! これで推薦ゲットすれば千絵も喜んでくれるしのぉ!!」

唯我(俺の為じゃない。 溝口、俺はお前の為に頑張って欲しいんだ)









溝口「テストなんかけちょんけちょんにしてくれるわぁ!!」

『次の英単語の意味を答えなさい』

溝口「簡単じゃあ!! あれもこれも唯我と勉強したところばっかりじゃのお!!」

溝口「……ん? この英単語は……」

『Tiger』

『Bazooka』

溝口「こ、これは……」

溝口「ワシの十八番の……」










溝口「タイガーバズーカじゃあ!!!」

ドカァァァァァァァァン!!

溝口「あ、うっかり出してもうた」

ドンガラガッシャアアアアアアン!!!

「うわああああああ!!! 学校が崩れたああああああ!!!」

「きゃあああああああああ!!!」












溝口「流石ワシじゃあ!! タイガーバズーカ一発で学校を破壊してしまったわい!!」

唯我「……」

溝口「お、唯我。 すまんのぉテスト中に」

唯我「すまんのぉじゃねえええええええ!!!」

唯我「!! ていうかなんで生きてるんだ俺!? 校舎が崩れたのに!!?」

亮子「全く……貴方ならやると思ったわ」

唯我「嘉納!!!?」

武元「成幸ー!! 大丈夫ー!?」

唯我「武元!!?」

緒方「……とりあえずみんな無事みたいですね」

唯我「緒方!!?」

古橋「一仕事したら疲れた~……」

唯我「古橋!!?」

「すげー!! 姫達が俺達を守ってくれたぞー!!」

「ありがとう!!!」

唯我「お前ら……そんなに強かったのか?」

桐須「当然。 何故なら私が育てたから」

唯我「桐須先生!!?」

学園長「いやはや……奇跡的に死者ゼロとは」

唯我「学園長!!!」

ポン

学園長「……唯我くん」

唯我「は、はい?」

学園長「……君が溝口くんをちゃんと見てくれるんじゃなかったのかな?」

学園長「……こういう事が起こらない為に」

唯我「す、す……」











唯我「すいませんでしたああああああ!!!」

















唯我「……は!!!」

唯我「……」

唯我「夢でよかった……」

武元「成幸おっはー!!」

唯我「……おー」

武元「うわっ!? どうしたの!? 顔色悪くね!?」

唯我「……朝から変な夢見たからな」

武元(……ここは成幸に一発かまして元気出さしてやるか)

武元「チェストオ!!」バシッ

唯我「うわあああああ!!! 溝口いいいいいいい!!!」

武元「誰!!?」

終わり

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