【ガルパン】バレンタイン? (12)
カエサル「今日は2月14日か、この日がやってきたな」
左衛門佐「そうだが特別な日か?何の日だっけ?」
おりょう「バレンタインデーぜよ」
エルヴィン「ああそうだった。どうも流行り事には疎くてな、すっかり忘れていた」
おりょう「今日は帰りにチョコ買ってみんなで食べるぜよ」
エルヴィン「よしチョコパーティだな。乗った!」
左衛門佐「うむ、節分には豆、バレンタインにはチョコレート、季節を感じられる風習はいいものだな」
カエサル「すまないが今日は用事があるから参加できないんだ」
エルヴィン「せっかくのチョコパーティなのに参加しないのか?」
おりょう「遅くなったらチョコ残ってないかもしれんぜよ」
カエサル「わたしの事は気にせず楽しんでくれ」
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エルヴィン「チョコパーティだ!」
左衛門佐「みんなチョコレートは用意したな?」
おりょう「準備万端ぜよ!」
エルヴィン「最初はわたしから行こう。これがわたしの用意したチョコだ!」
おりょう「おおっ!これは!」
左衛門佐「奮発したな」
エルヴィン「ドイツが誇るチョコレートケーキ、ザッハトルテだ!」
おりょう「ちょっとお高いだけあっていつ食べても美味いぜよ」
左衛門佐「美味い美味い。だが以前も言ったがこれはオーストリアのケーキであろう?」
エルヴィン「大ドイツと言うくくりで見れば同じだ!」
おりょう「次はわしぜよ。見よ、このチョコを!」
左衛門佐「可愛いではないか」
エルヴィン「もちろんこれは坂本龍馬だな?」
おりょう「そうぜよ。これは通販で買った龍馬さんチョコぜよ」
エルヴィン「通販?今日注文しても間に合わないだろ?既に用意していたのか」
おりょう「みんなで食べようと思って頼んでおいたぜよ」
左衛門佐「流石はおりょう。伊達に女の名を名乗ってないな」
エルヴィン「味の方はどうだろう?うん、普通のチョコだ」
おりょう「この形に意味があるぜよ」
左衛門佐「龍馬の顔を見ながら食べるのも乙なものがあるな」
左衛門佐「最後は拙者が用意いたしたこれでござる」
エルヴィン「これはおはぎかな?」
おりょう「よく見るとあんこではなくチョコの色ぜよ」
左衛門佐「これが拙者手作りのチョコこねつけ餅だ!」
エルヴィン「チョコとごはん、大丈夫か?」
左衛門佐「意外な組み合わせが美味しいと言う事もあるかもしれんだろ!」
おりょう「和魂洋才を表した素晴らしいものぜよ」
左衛門佐「おりょうはわかってくれたな」
エルヴィン「なら食べてみてくれよ」
おりょう「試してみるぜよ」
左衛門佐「どうだ?美味いか?」
おりょう「チョコレートと米のごはんの組み合わせが意外、ではなく予想通り合わないぜよ」
エルヴィン「やはりそうなるよな」
左衛門佐「甘い小豆の餡なら美味いんだからチョコでもいけると思ったんだが、ダメだったか」
おりょう「お茶飲んで龍馬さんチョコで口直しぜよ」
左衛門佐「すまないな。実はこのチョコこねつけ餅は余ったチョコで作ったものなんだ。不出来で悪かった」
エルヴィン「余ったチョコ?と言う事は別に作ったものがあるのか?」
おりょう「本命チョコぜよ?もしかして意中の人に?」
エルヴィン「もんざが?こいつ隅に置けないな」
左衛門佐「確かに本命チョコではあるな」
おりょう「誰ぜよ?誰ぜよ?」
左衛門佐「いや誰にも渡していない」
おりょう「本命チョコを渡していない?えっ?ダメぜよ、わしには未来の龍馬が待ってるぜよ」
左衛門佐「そうではない。上手く出来すぎて食べるのが惜しくなっただけだ。ほらこれだ」
エルヴィン「ほう、これは見事な幸村像だ」
おりょう「型に流し込んで作ったぜよ?」
左衛門佐「それならば簡単なのだが、これは塊から削り出して作った一品物だ」
エルヴィン「食べるのが惜しくなるのもわかる気がする」
おりょう「これはしばらく飾っておくぜよ」
エルヴィン「ああ、カエサルにも見てもらおう」
おりょう「そう言えばバレンタインデーの由来って何ぜよ?」
エルヴィン「バレンタイン、イギリスの歩兵戦車の日だ」
おりょう「今日、何があったぜよ?」
エルヴィン「制式化された記念日だろう」
おりょう「チョコレートはどうしてぜよ?」
エルヴィン「えっと、みんなでチョコを食べて制式採用を祝ったのではないかな?」
おりょう「いくらなんでもそんな訳ないぜよ」
エルヴィン「やはり無理があったか」
おりょう「戦車ではなくてキリスト教に関係するものだったはずぜよ」
エルヴィン「カエサルなら詳しそうなんだがな。帰ってきたら聞いてみるか」
左衛門佐「おぬしらそんな事も知らんのか」
エルヴィン「もんざは知ってるのか?」
左衛門佐「もちろんでござる」
おりょう「教えて欲しいぜよ」
左衛門佐「バレンタインデーという日は、昔ルイス・フロイスが信長に謁見してキリスト教布教の許可を貰った日の事だ」
エルヴィン「それならばフロイスデーになるんじゃないのか?」
左衛門佐「今ではなまってバレンタインだが、昔は伴天連の日と呼ばれていたのだ」
エルヴィン「そうか伴天連がバレンタインになったのか」
おりょう「チョコレートはどうしてぜよ?」
左衛門佐「謁見の際に信長に献上したのがチョコレートだったと言われている」
おりょう「なるほど、辻褄が合ってるぜよ」
エルヴィン「納得だ」
おりょう「そうだ、決めゼリフを忘れていたぜよ」
左衛門佐「バレンタインデーは伴天連デー」
「それだ!」
福田「本日は、ばれんたいんでーであります。西隊長にちよこれいとを用意して参りました!受け取って下さい!」
西「ば、ば、ばてれんでい?」
玉田「なんだそれは?福田!」
福田「ばれんたいんでーとは尊敬する人にちよこれいとの贈り物をする日であると聞いております!」
玉田「福田!と言う事は私は尊敬されてないと言う事か!」
福田「勿論尊敬しております!先輩方の分もありますがまずは西隊長にと!」
西「よくわからないが尊敬している人への贈り物か、ありがとう福田」
福田「先輩方もどうぞ!」
玉田「よし!貰おう!」
細見「バレンタインの贈り物、元々は愛する人へ贈るらしいですな」
玉田「流石は細見、このようなハイカラな事も知っているのだな」
西「愛する人への贈り物だと!それは本当か!細見!」
細見「隊長!その通りです!キリスト教の教えで愛の言葉と共に贈り物をするらしいと聞いております!」
西「なんということだ!」
玉田「な、なんと破廉恥な!福田!そこへ直れ!」
福田「はい!」
玉田「これは受け取れぬ!」
西「私もこのようなもの受け取れないな」
玉田「第一、一人だけならまだしも複数の者へと愛の贈り物をするとは不届き千万!恥を知れ!」
福田「本命ちよこれいとにはその様な意味があるらしいですが」
玉田「やはりわかってやっているではないか!」
福田「先輩方に差し上げたのは尊敬する人への義理と人情ちよこれいとであります!天地神明に誓って邪な思いなどいささかもありません!」
西「そうか、それならば」
玉田「邪な考えがないにしてもだ!これは耶蘇の教えではないか!亜米利加や英吉利の宗教など受け入れられるか!」
西「うっ、そうだ!鬼畜米英許すまじ!」
福田「米英もそうですが友邦独逸と伊太利亜も基督教の国であります!」
西「福田、やはり駄目だ。友邦国が信じていようと基督教の風習などわたしには受け入れられぬ」
細見「キリスト教の祭ぐらい良いではないですか。チョコレート美味しいですぞ」
西「基督教の祭を祝って日本の神仏を裏切る訳にはいかぬのだ」
福田(一番尊敬する西隊長にこそ受け取って貰いたいのに妙に信心深いとは、そうだ!)
福田「畏れながら申し上げます!」
西「なんだ福田、ちよこれいとなら受け取れぬぞ」
福田「今まで話したばれんたいんでーと言うのはすべて俗説で間違ったものなのであります!」
玉田「なんだと!福田!」
細見「そうなのか?」
西「ならば正しいば、ば、ばれたでいと言うものがあるのか?」
福田「はい!」
福田「そもそも、ばれんたいんでーと言うのが間違いで正しくは、ぱれんばんでーなのであります!」
西「ぱれんばん?何処かで聞いた事がある様な?」
福田「今日二月十四日は栄ある皇軍の落下傘部隊がぱれんばん油田を無血占領した日なのであります!」
玉田「おお!空の神兵か!」
福田「一兵も損なわず勝利した事を祝って国民にちよこれいとの特別配給があったそうです!」
西「そうか!ぱれんばんの戦勝記念日なのだな!それならば大いに祝おうではないか!」
福田「はい!ちよこれいとであります!」
西「うむ!美味い!」
玉田「では不肖玉田一曲歌わせてもらいます!藍より青き~♪」
「ぱれんばんでー万歳!」
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