ラッキービースト「ようこそ、クズのフレンズ共。『ジャパリエスポワール』へ」 (42)

図書館

ワシミミズク「博士、博士」

オオコノハズク「どうしたのですか、助手」

ワシミミズク「このような本を発見したのです」

オオコノハズク「どのような本なのです」

ワシミミズク「ざわざわしてるのです」

オオコノハズク「ざわざわですか。どのようにざわざわしてるのですか」

ワシミミズク「ヒトがヒトを騙し、醜い部分を映し出しているのです」

オオコノハズク「ほう……。興味があるのです」

ワシミミズク「見てみるですか」

オオコノハズク「見たいのです、助手」

ワシミミズク「一緒に見るのです、博士」

オオコノハズク「……」

ワシミミズク「……」

オオコノハズク「このフナイとかいうヒトは悪いヒトなのです」

ワシミミズク「こんなの我々なら騙されないのです。賢いので」

オオコノハズク「ですね。しかし、このパークに住むフレンズたちは絶対に騙されるのです。ポンコツばかりなので」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518410401

数日後

サーバル「今日も良い天気だねー!」

かばん「そうだね」

サーバル「今日はどこまでいこっか?」

かばん「うーん……。ここを抜けると湖があるみたいだけど……。ラッキーさん、この道は安全ですか?」

ラッキービースト「……」

かばん「ラッキーさん?」

サーバル「またおかしくなっちゃったの、ボス?」

ラッキービースト「更新中……更新中……」

かばん「こうしん?」

サーバル「こうしん?ってなになにー!?」

ラッキービースト「アップデートが完了しました」

サーバル「ボス、何があったの?」

ラッキービースト「ようこそ、クズのフレンズ共。ジャパリエスポワールはこの先だよ」

かばん「ラ、ラッキーさん!?」

ラッキービースト「借金を返したいフレンズたちは参加することをおすすめするよ」

かばん「しゃ、借金っていわれても……」

サーバル「なになにー? しゃっきんってどういうことー?」

かばん「わからないけど、こっちに何かはあるみたいだね」

サーバル「そうなんだー! それじゃあ、今日はこっちにいってみよーよ! かばんちゃん!」

かばん「えぇ……。でも、何があるか分からないのに……」

サーバル「だいじょーぶ、だいじょーぶ! セルリアンがでてきても、やっつけちゃうから! うみゃーってねっ」

かばん「その心配はしてないんだけど……」

サーバル「ボス、こっちだね!?」

ボス「そうだよ」

かばん「ラッキーさんがサーバルちゃんに返事を……」

サーバル「よぉーし!! かばんちゃーん!! いこーよー!!」

かばん「あ、うん」

サーバル「うみゃみゃみゃー!!」

かばん(何もなければいいけど……)

ラッキービースト「ここが希望の楽園『ジャパリエスポワール』だよ」

サーバル「なにここ、なにここー!」

かばん「色んなフレンズさんがいるね」

サーバル「あ! おーい!! ビーバー!!」

ビーバー「サーバルさん、かばんさん。お久しぶりっす」

かばん「こんにちは、ビーバーさん。ビーバーさんもここに来ていたんですね」

ビーバー「はいっす。しゃっきんがあるフレンズは参加したほうがいいっていわれたっすからね……」

かばん「ビーバーさん、借金なんてあるんですか?」

ビーバー「じゃぱりまん三か月分を博士から借りてるっすよ」

かばん「ああ、そういえばそんなこと言っていましたっけ」

ビーバー「これは参加しないとまずいっておもったっす」

サーバル「しゃっきんってじゃぱりまんのことだったの?」

プレーリードッグ「おぉー! かばん殿、サーバル殿! お二人も来ていたでありますか! では、ご挨拶を!」

かばん「それはやめてくださーい!!」

サーバル「プレーリー、相変わらずだねっ」

アライグマ「フェネックぅ! 向こうにかばんさんがいるのだー!! かばんさんなのだー!!」キャッキャッ

フェネック「おー、やっぱり来てたねー」

アライグマ「挨拶してくるのだ!!」テテテッ

フェネック「走ると危ないよー、アライさぁん」

「割と集まったのです、助手」

「ええ、ラッキービーストに土下座的なことをしてアップデートを頼んだ甲斐があったのです、博士」

フェネック「ん? あれはぁ……」

オオコノハズク「では、開始するのですよ、助手」

ワシミミズク「始めますか、博士」

オオコノハズク「あーあー、マイクチェック、マイクチェックなのです」

ワシミミズク「全員、博士に注目するですよ」

かばん「博士たちだ」

サーバル「おーい!! はかせー!! これからなにするのー!?」

アライグマ「何して遊ぶのだー!?」

オオコノハズク「ここは遊び場ではないのです。希望の楽園『ジャパリエスポワール』なのですよ」キリッ

かばん「えっと、何をする場所なんですか」

ワシミミズク「それを今から説明しようとしているのです。黙ってきくのです」

オオコノハズク「本日は『ジャパリエスポワール』によく来たのです、負け犬のフレンズたち」

サーバル「私、犬のフレンズじゃないよ!!」

アライグマ「アライさんはアライグマのフレンズなのだ!!」

プレーリードッグ「自分、オグロプレーリードッグでありますが、犬ではないであります!!」

かばん「そう言う意味じゃないと思うんですが……」

オオコノハズク「ここに集まってる負け犬たちは、大なり小なり我々に借金があるはずなのです」

サーバル「あったかなぁ?」

アライグマ「わかんないのだ!」

フェネック「しゃっきんって、たとえばどんなのぉ?」

ワシミミズク「いつもお前たちには知識と知恵を貸しているのです」

オオコノハズク「十分、借金なのです。じゃぱりまんの個数に換算すると1000個分ぐらいは貸しているのです」

フェネック「え~。そんなにぃ?」

アライグマ「借り過ぎなのだ、フェネック。ちゃんと計画的に借りなきゃだめなのだっ」

ワシミミズク「アライグマには合計1500個分の貸しがあるのです」

アライグマ「うえぇぇ!? なぜなのだ!! そんなに教えてもらった覚えはないのだ!!」

フェネック「アライさぁん、ちゃんと計画的に借りなきゃ、だめだよぉ」

オオコノハズク「というわけで、今日はお前たちに貸していた分を全て返してほしいのです」

サーバル「でもでも、1000個もじゃぱりまん、もってないよー」

プレーリードッグ「そんなに持てないであります」

オオコノハズク「分かっているのです。ですので、今からゲームをしてもらうのです」

かばん「ゲーム、ですか」

ワシミミズク「まず、全員にこのカードと星の形に切り取ったものを配るのです」

かばん「これは……」

オオコノハズク「各自、三つの星があるはずなのです」

サーバル「あるよー!」

アライグマ「あるのだー!」

オオコノハズク「カードを使って、その星を奪い合ってもらうのです」

サーバル「このかーど?ってどう使うの?」

アライグマ「かーどで星を奪うのだ」ブンブンッ

フェネック「アライさぁん、カードで掠め取ろうとしちゃだめだと思うよぉ」

オオコノハズク「カードに描かれているものをよくみるのです」

かばん「ええと、ハサミと石と……紙……ですか?」

ワシミミズク「そうなのです。かばんなら意味がわかるはずです」

サーバル「どうなの、かばんちゃん」

かばん「ええと、多分だけどこの三種類のカードは勝ち負けがあるんじゃないかな?」

サーバル「どういうことー?」

かばん「ハサミは紙を切れるし、紙は石を包み込める、石はハサミに負けない」

アライグマ「すごいのだ! かばんさん!!」

サーバル「すっごーい!! そんなの全然きがつかなかったよー!!」

ビーバー「これでどう遊ぶっすか」

ワシミミズク「遊びではないのです。これはぎゃんぶるなのです」

オオコノハズク「フレンズ同士の醜い部分をさらけ出して戦うのです」

フェネック「えー」

アライグマ「アライさんは醜くないのだ!」

サーバル「かばんちゃんはかわいーよ!」

かばん「サーバルちゃん、そういうのいいから」

オオコノハズク「では、ルールを説明してやるのです。心して聞くように」

ギンギツネ「つまりこの三種類ある12枚のカードを一枚ずつ出して、勝てば星をもらえて、負ければ奪われる。で、星がなくなったら終了っと」

キタキツネ「げぇむができるってきいたからきたのに……」

ギンギツネ「こっちのほうがいいんじゃない? あなたがいつもしているゲームは体に悪そうだもの」

キタキツネ「そんなことないよ」

オオコノハズク「同じカードをお互いが出した場合はあいこになるのです。そのときは星の移動はないのです」

ワシミミズク「この砂時計の砂が落ち切った時点で星が3個以上あれば合格なのです」

かばん「あの、3個未満だとどうなるんですか?」

ワシミミズク「あちらに送られるのです」

サーバル「なになに? あそこってどこに続いてるの?」

オオコノハズク「地下王国なのです」

サーバル「ちかおうこく? なにそれなにそれ、たのしそー!!」

プレーリードッグ「自分、地下王国に行きたいであります!!」

ビーバー「そっちのほうが落ち着けそうっすねぇ……」

ワシミミズク「行けば、一日じゃぱりまん一個で働くことになるのですよ」

オオコノハズク「ジャパリペリカを集めればそれなりの量と交換もできますが、とてつもない道のりなのです」

サーバル「えー!? 一個はやだなぁ。おなかすいちゃうよー」

かばん「どうしてそんなことを……」

カワウソ「わーい! たのしそー! やるやるー!!」

ジャガー「わからんことがあるんだけど、質問いいか?」

オオコノハズク「許可するのです」

ジャガー「相手は誰としてもいいわけか」

オオコノハズク「話し合いで決めればいいのです」

ワシミミズク「同じ相手とカードがなくなるまで対戦してもいいのです。一戦ごとに相手を変えてもいいのです。そこは自由なのです」

ジャガー「戦わないってことはできるのか?」

オオコノハズク「砂時計の砂が落ち切ったときにカードが一枚でも残っていれば、問答無用で地下王国へ連れて行くのです」

ワシミミズク「強制労働なのですよ」

ジャガー「そ、そうなのか……」

かばん「あの……だったら、同じフレンズさんと話し合って全部あいこで終わらせればどうでしょうか……?」

オオコノハズク「む……」

フェネック「おぉー。それいいねー、かばんさん、ナイスだよぉ」

アライグマ「どういうことなのだ? あいこだと星がもらえないのだ」

サーバル「それだと地下王国に連れて行かれちゃうよ!」

かばん「ううん。僕たちは最初から星を3個もってるから、あいこを続ければ星3個を持った状態で終われるよ」

サーバル「……うみゃ? よくわかんないけど、そーなんだ! すごーい!!」

オオコノハズク「かばんならそういうと思ったのです」

ワシミミズク「ルールの穴を見つけられることは想定ないなのです」

かばん「え?」

オオコノハズク「まだ、ルールがあるのですよ」

ワシミミズク「そういったあいこによる引き分けを防ぐために、引き分けが8回以上あった者は我々と対戦してもらうのです」

オオコノハズク「どちらかを好きに選んでいいですが、我々とは話し合いはできないのです」

かばん「つまり、それって……」

オオコノハズク「引き分けのみで生き残れるほど甘くはないのですよ」

ヘラジカ「ふん! 引き分けなどつまらん! 正々堂々と勝負だ!!」

かばん(引きわけなきゃいいわけだから、交互に負ければいいのかな……)

ライオン「それじゃあ、話し合いでハサミだすから石だしてねーって言ってもいいの?」

かばん「あっ……」

ライオン「なに?」

かばん「な、なんでも……」

ワシミミズク「む……」

オオコノハズク「そこに気が付くとは、やりますねぇ」

ライオン「いやぁ、それほどでもぉ」

オオコノハズク「そこまで想定していなかったのでルールを追加するのです」

かばん「あぁ……」

ワシミミズク「話し合いは禁止にするのです」

オオコノハズク「ただし、何を出すかは宣言しても良いのです」

サーバル「どういうことー?」

オオコノハズク「つまりですね……」

ワシミミズク「博士、次は石を出しますよ」

オオコノハズク「では、こちらは紙を出すのですよ、助手」

ワシミミズク「というやりとりはしてもいいのです」

サーバル「あんまり変わらないような気がするけど」

オオコノハズク「あと、一番大事なルールを伝えておくのです」

ワシミミズク「星3個は合格の最低条件なのですが、4個以上になれば豪華な特典が与えられるのです」

サーバル「なになにー?」

オオコノハズク「まず星4個でクリアしたのなら、この今では手に入らないペパププラチナチケットをペアで進呈するのです」

マーゲイ「オホォォ!!!」

イワビー「お前はマネージャーなんだからいつでも見れるだろ」

コウテイ「あれって博士たちなら自由につくれるんじゃないか?」

オオコノハズク「5個になれば、滅多に出回らない特性じゃぱりまん食べ放題券です」

サーバル「おぉぉぉ!! すっごーい!! かばんちゃん、かばんちゃん! あれほしー!!」

かばん「何か違うの?」

サーバル「ぜんっぜんちがうよー!! あれはね普通のじゃぱりまんじゃないんだよ!! もうすっごいおいしーの!!」

アライグマ「たべほうだい……ほ、ほしいのだぁ……」

フェネック「6個になるともっとすごいのかなぁ」

ワシミミズク「6個でクリアしたら、ジャパリパークに残る貴重な品々を進呈するのです」

ワシミミズク「テレビとそのテレビでできるテレビゲーム。あと、我々が保管していた数百枚のジャパリコイン」

ツチノコ「なんだとぉぉぉ!!!」

かばん「うわぁ!?」

サーバル「ツチノコもいたんだ!」

ツチノコ「あ、あんな大量にもってたのか……探しても見つからないわけだぜ……」

キタキツネ「絶対に、勝つ」

ギンギツネ「分かりやすいわね、あなた」

オオコノハズク「7個以上になれば……」

アミメキリン「わかったわ!! ジャパリパークを支配できるようになるのね!!」

ワシミミズク「正解です」

アミメキリン「正解なの!?」

タイリクオオカミ「そこ、驚くのか」

オオコノハズク「ジャパリパークキングの称号を与えるのです」

ヘラジカ「狙うか」

ハシビロコウ「狙うの?」

オオコノハズク「星3個以上で合格したものは次のステージに進めるのです」

かばん「続くんですか!?」

ワシミミズク「当たり前です。その次のステージで借金を返せるかどうかが決まるのです」

かばん「特性じゃぱりまん食べ放題券があれば返済できるような……」

オオコノハズク「助手、かばんの言う通りなのですよ」

ワシミミズク「そこまで考えていなかったのです、博士」

オオコノハズク「……特典は次のステージをクリアできたら、あげるのです」

ジャガー「ルールかわりすぎだろ!」

オオコノハズク「仕方ないのです。かばんやライオンがルールの穴を的確についてくるから悪いのです」

かばん「黙ってた方がやっぱりいいみたい……」

ワシミミズク「ちなみにここに居る時点で辞退はできないのです。ぎゃんぶるをしないのであれば強制的に地下王国へ行ってもらうのですよ」

サーバル「そんなのひどいよ!」

オオコノハズク「では、最初のステージ『げんていじゃんけん』をはじめるのです」

ワシミミズク「スタート」

ジャガー「はじまったみたいだぞ!?」

トキ「まずどうしたらいいのかしら」

アルパカ「わかんないにぇー。どぉーするのー?」

ざわ……ざわ……

オオコノハズク「ざわざわしているのですよ、助手」

ワシミミズク「これがざわざわなのですね、博士」

かばん「あの!! 一つだけ、質問いいでしょうか!!」

オオコノハズク「なんですか」

ワシミミズク「許可するのです」

かばん「例えばですけど、星をいくつも持った状態でクリアした場合、それを終了間際、星がないフレンズさんに配ってもいいんですか?」

オオコノハズク「いいですよ」

ワシミミズク「特典に興味がないならそうするのです」

かばん「……ありがとうございます」

サーバル「かばんちゃん?」

かばん「サーバルちゃん、僕と勝負しよう」

サーバル「いいよー!!」

かばん「僕は石のカードを出すよ」

サーバル「それじゃあ私はぁ……」

かばん「サーバルちゃんは紙のカードを出せばいいんだよ」

サーバル「それだとかばんちゃんが負けちゃうよ!?」

かばん「次、僕が勝てばいいだけだから」

サーバル「そっか!! うんっ! 私は紙のカードをだすね!!」

オオコノハズク「最初に勝負を始めたのはやはり、かばんなのです」

ワシミミズク「気になるのですよ」

サーバル「いっくよー!! せーのっ!!」

かばん「はい」ペラッ

サーバル「うみゃ……?」

ざわざわ……ざわざわ……

キタキツネ「あれ……」

カワウソ「かばんの出したカード、ハサミだー! キャハハッ」

サーバル「あれれ? かばんちゃん、カード、間違ってるよ」

かばん「あ、ごめん、サーバルちゃん。次、間違えないようにするよ。一応、星を渡してくれる?」

サーバル「そっかー! かばんちゃんでも間違うときがあるんだね!!」

かばん「そうだね」

サーバル「次は私がハサミのカードだすね! だからかばんちゃんは紙だね!」

かばん「うん」

サーバル「せーのっ!!」

かばん「はい」ペラッ

ざわざわ……ざわざわ……

ギンギツネ「え……!?」

ジャガー「おいおい、かばんの出したカードって石じゃないか」

サーバル「え……かばんちゃん……?」

かばん「星、渡してくれるかな、サーバルちゃん」

サーバル「どうして……?」

かばん「渡して」

サーバル「う、うん……」

かばん「ありがとう」

サーバル「つ、次はもう間違わないよね!?」

かばん「もうサーバルちゃんとは戦わない。ごめんね」

サーバル「か、かばんちゃん……? な、なんで……」

かばん「あのー、次、僕と戦ってくれるフレンズさんはいませんかー」

サーバル「かばんちゃん!! どうして嘘ついたの!? なんでなんでー!?」

かばん「誰か僕とげんていじゃんけんしてくださーい」

サーバル「うみゃぁ……」

アライグマ「かばんさん!! あんまりなのだ!!!」

かばん「……」

オオコノハズク「助手……かばんがこわいのです……」ガタガタ

ワシミミズク「まさか……ヒトの野生解放なのですか……」ガタガタ

アライグマ「サーバルが可哀想なのだ!!! どうしてそんな酷いことができるのだ!! おかしいのだ!!」

かばん「次は、アライグマさんが勝負してくれるの?」

アライグマ「や、やるのだ!! サーバルの仇をとるのだ!!」

かばん「ありがとうございます」

フェネック「アライさぁん、それはだめだよぉ」

アライグマ「フェネック、止めないでほしいのだ!! アライさんが、かばんさんの目を覚まさせるのだ!!」

フェネック「アライさんの前に、私が勝負するよぉ。いいよね、かばんさぁん」

かばん「どちらでも構いませんよ」

カワウソ「わたしたちもやろよー、ねえ、ジャガー」

ジャガー「ええ? でも……」

ヘラジカ「ああやればいいのか。よぉーし、ライオン!! 勝負だぁ!!」

ライオン「えー」

アルパカ「それじゃあ、あたしは紙のカードだすからぁ」

トキ「私も同じのを出すわ」

アルパカ「それー」ペラッ

トキ「はいっ」ペラッ

アルパカ「どっちもハサミのカードだにぇー。エヘヘ、あいこだぁ」

トキ「そうね。ウフフフ」

ギンギツネ「こっちも怖いわね……」

キタキツネ「ギンギツネ、やろうよ」

ギンギツネ「え、ええ……」

フェネック「さぁ、かばんさぁん。最初は何のカード出すの?」

かばん「そうですね……。では、まだ一枚も使っていない『紙』のカードを出そうと思います」

ざわっ……

フェネック「おー、なるほどねぇ。確かに残り枚数って大事だよねぇ」

サーバル「かばんちゃん……なんで……どうして……」

アライグマ「サーバル、見ているといいのだ。フェネックがサーバルの分の星もとってくれるのだ」

かばん「フェネックさんはどのカードを出すんですか?」

フェネック「うーん。かばんさんが紙のカードを出すならぁ、ハサミのカード以外ありえないけどぉ……」

かばん「そうですよねー」

フェネック(かばんさんの手持ちのカードは石2枚、ハサミ2枚、紙3枚)

フェネック(減らすのなら紙のカードしかないだろうけど……)

かばん「……」

フェネック「それじゃあ、このカードにしようかなぁ」スッ

かばん「それでいいんですね」

フェネック「あいよー」

かばん「では……せーのっ」

フェネック「はいよー」ペラッ

ざわざわ……ざわざわ……

フェネック「ハサミのカードであいこかぁ」

かばん「……」

フェネック「やってしまいましたねぇ、かばんさぁん。素直に信じていればよかったのにぃ」

かばん「フェネックさんなら紙のカードを出すと思ったのですが」

フェネック「ざーんねん。私はぁ、結構素直なんだよぉ。かばんさんが嘘ついて石のカードを出すなんて思ってなかったからねぇ」

かばん「なるほど」

フェネック(これでかばんさんの手持ちは石2枚、ハサミ1枚、紙3枚。次、ハサミのカードはまずありえないかなぁ)

かばん「……」

フェネック「さぁ、次、いこうかぁ」

かばん「はい」スッ

フェネック「なんのカードぉ?」

かばん「秘密です」

フェネック「そっかぁ。私は、これにしようかなぁ」スッ

かばん「何のカードなんですか」

フェネック「秘密だよぉ」

アライグマ「今度こそフェネックの勝ちなのだー!! フハハハー!!」

サーバル「ううん。かばんちゃんのあの目……」

かばん「……」キリッ

サーバル「かっこいー!」

かばん・フェネック「「せーのっ」」ペラッ

ざわざわ……ざわざわ……

フェネック「え……」

かばん「僕はハサミ、フェネックさんは……」

フェネック「くっ……」

オオコノハズク「圧倒的……! 紙のカード……!! なのです……!!」

ワシミミズク「フェネック……ここで相手の力量を見誤る……痛恨のミス……!! なのです……!!」

かばん「僕の勝ちですね。星を渡してください」

フェネック「は、はいよぉ」

かばん「続けてしますか?」

フェネック「……ううん、やめておくよぉ」

かばん「そうですか」

フェネック(かばんさんの手札にもうハサミはない。でも、私の勘が勝てないっていってるんだよねぇ)

かばん「誰かー、勝負してくださーい」

アライグマ「フェネックの仇をとるのだー!!!」

かばん「いいですよ。よろしくお願いします」

アライグマ「もう許さないのだ!! かばんさん!!」

フェネック「アライさぁん、だめだってぇ」

かばん「はいっ」

アライグマ「うわぁぁ!! またまけたのだー!!」

フェネック「あーあ……だからいったのにぃ……」

アライグマ「まだ……! まだなのだ! まだ、星は残っているのだ!!」

かばん「その一つを失えば、地下王国に行ってしまいますよ」

アライグマ「失くしてもかばんさんから奪い返せばいいのだ!!」

かばん「……わかりました」

アライグマ「いくのだ!!」

フェネック「アライさぁん、ちょっと来てよぉ」

アライグマ「どうしたのだ、フェネックぅ」

フェネック「今、かばんさんの手持ちのカードは石1枚に紙2枚なんだよぉ」

アライグマ「どうしてそんなことがわかるのだ!?」

フェネック「さっき、アライさんが負けたからねぇ。わかるよー」

アライグマ「フェネックはすごいのだ!! かばんさんには負けてないのだ!!」

フェネック「負けちゃったけどねぇ。それはさておき、次、アライさんは紙のカードを出しておけば絶対に負けないよぉ」

アライグマ「そうなのか!? どうしてわかるのだ!?」

フェネック「かばんさんはハサミのカードをもう持ってないからねぇ」

アライグマ「はっ! そーなのだ! かばんさんはハサミのカードを使いきってるのだ!!」

フェネック「だから、アライさんは紙のカードを出しているだけでまず負けないんだよぉ」

アライグマ「フェネック! 天才すぎるのだ!! これでかばんさんに勝てるのだー!!」

フェネック「がんばってー、アライさぁん」

アライグマ「ありがとうなのだー!! フェネックぅ!!

かばん「作戦会議が終わりましたか」

アライグマ「かばんさん!! もうアライさんは絶対に負けないのだ!! フハハハハ!!!」

かばん「何故ですか?」

アライグマ「だって、かばんさんはハサミのカードをもっていないのだ!! だからアライさんは紙のカードを出すだけで負けないのだー!!」

かばん「どうして僕がハサミのカードをもっていないって、わかるんですか?」

アライグマ「え? だって、ハサミのカードは3枚しかなかったのだ。かばんさんはハサミのカードをサーバルとフェネックのときに使っているのだ」

アライグマ「だから、持ってないのだ!!」

かばん「こうは考えられませんか? 僕はサーバルちゃんのカードも持っている。つまり、ハサミが2枚、ここにあるかもしれませんよ。僕とサーバルちゃんは親友ですから、そういった協力もしているかもしれません」

アライグマ「へ……? え……? でも、フェネックが……いっていたのだ……かばんさんはハサミのカードをもっていないって……いっていたのだ……」

かばん「では、これを」スッ

アライグマ「こ、このカードは……」

かばん「宣言します。これは『ハサミ』のカードです」

アライグマ「うぇぇえええぇ!?」

ざわざわ……ざわざわ……

サーバル「すっごーい!! かばんちゃん、まだハサミのカードもってたんだー!!」

フェネック「演技……サーバルも演技……なのかなぁ……?」

オオコノハズク「これはすごい心理戦なのですよ、ゴクリっ」

ワシミミズク「あの本のように喉が渇く展開なのです、ゴクリっ」

アライグマ「う……でも……フェネックが……」

かばん「フェネックさんを信じるのか、それとも僕を信じるのか」

アライグマ「そ、そんなの! フェネックに決まっているのだ!! 今のかばんさんは信じられないのだ!! う、うそなのだ!! 絶対、嘘なのだ!!」

かばん「では、紙のカードを出せば勝てますよ」

アライグマ「うぅ……!! うぅぅ……!!!」

アライグマ(わからない……どっちなのか……わからないのだぁ……!!)

アライグマ「はっ……!!」

アライグマ(そうなのだ!! ここは石のカードを出せばいいのだ!!)

アライグマ(かばんさんが本当にハサミを出していれば勝てるのだ! それにハサミと宣言したからにはアライさんが出すカードは石かハサミだと考えているはずなのだ!!)

アイラグマ(ハサミが嘘だとしたら、かばんさんのカードはハサミに勝てる『石』しかないのだ!!)

アライグマ(必死に紙のカードを出させようとしたのも、紙を出されると負けるからなのだ!!)

アライグマ「フハハハハ!! かばんさん!! 甘いのだ!! アライさんは、そこまでバカじゃないのだー!!」

かばん「……」

アライグマ「このカードならアライさんが負けることはないのだー!!」スッ

かばん「では……」

アライグマ「いくのだー!!!」ペラッ

ざわざわ……ざわざわ……

ハシビロコウ「アライグマが石……かばんが……紙……」

アライグマ「え……? え……?」

かばん「星をください」

アライグマ「あ……あぁぁ~……!!」

オオコノハズク「アライグマがぐにゃぁ~ってなったのです」

ワシミミズク「あれがぐにゃ~なのですね。本当になるのですね」

かばん「これで星の数は9個か……」

アライグマ「星が……ほしがなくなったのだぁ……」

フェネック「アライさぁん……」

オオコノハズク「早くするのです、アライグマ。星がないまま時間切れになれば地下王国で働くことになるのですよ」

ワシミミズク「1日1個のじゃぱりまんで6時間労働なのです」

オオコノハズク「ブラック企業ですね、助手」

ワシミミズク「超絶ブラックなのです、博士」

アライグマ「いやなのだ!! フェネックぅ! 地下王国はいやなのだぁ!」

フェネック「今なら、かばんさんにも勝てるはず。だって、かばんさんの手持ちカードは石1枚と紙1枚だけ」

かばん「……」

フェネック「ここで星を取っておかないとアライさんが……」

カワウソ「キャハハ! かばん、わたしとやろーよー!」

かばん「え? あ、はい」

カワウソ「かばん、星いーっぱいもってるねー! わたしもいっぱーい、あつめちゃったー!!」

かばん「えぇ!? ええと……15個……!?」

カワウソ「ジャガーとトキとアルパカとスナネコに勝ったからねー! キャハハッ」

かばん「いや、でも、それだと、カードがないんじゃ……」

カワウソ「まだ2枚あるよ」

かばん「え? どうやって星をそんなに集めたんですか?」

カワウソ「ん? 1個ずつ集めるのがメンドーだったから、一回で3個ちょーだいってしたの!」

かばん「……!?」

サーバル「えー!? そんなのアリなのー!?」

オオコノハズク「確かにそれはルールにないのです」

ワシミミズク「相手が承諾したら問題ないのです」

サーバル「えぇー!?」

かばん「そんな手が……!!」

カワウソ「えへへ。はやくやろーよー!」

かばん「……カワウソさん。それじゃあ、二戦して、二勝したら星を全部貰えるってことにしませんか?」

カワウソ「おっ。いいよー。たのしそー!!」

かばん「では……」

フェネック「お姉さん、まけたんだぁ」

ジャガー「あいつ、本当に何を出すかわからん」

トキ「表情から何も読めないのよね」

アルパカ「すんごいつよいよぉ」

スナネコ「僕は飽きたので全部あげました」

ツチノコ(そろそろ俺も勝負しないとな……でも……どう声をかければいいんだ……)

サーバル「かばんちゃーん、がんばってー!!」

フェネック「すごい勝負になりそう」

カワウソ「わたしはこれー!」スッ

かばん「そのカードは?」

カワウソ「さぁ」

かばん「え?」

カワウソ「今、見ないで出したからわかんない! 誰も知らないカードってたのしいよね! たーのしー!! キャハハ!!」

かばん「そうか……カワウソさんは……」

オオコノハズク「何も考えてない……! 無策……無謀……!! なのです……!!」

ワシミミズク「策士……逆に策士……! なのです……!!」

ヘラジカ「博士達はさっきから何をしているんだ」

ヤマアラシ「よくわかんないですぅ」

ライオン「ヘラジカー、早く星あつめないと地下王国いっちゃうよー」

カワウソ「さー! かばん、しょーぶ!」

かばん「……では、これを」

カワウソ「まけないぞー!」

かばん「はいっ」ペラッ

ざわっ……ざわっ……!

サーバル「おぉー! かばんちゃんのカードは石だー!!」

フェネック「カワウソは紙……」

かばん「まけた……」

カワウソ「かったー。わーいっ」

カワウソ「お互い、最後のカードだね、かばんっ」

かばん「そうですね……」

かばん(もう負けられない……。カワウソさんが何のカードを残しているのか……)

カワウソ「はい、最後のカード」

かばん(三分の一を引かなければいいだけの話……!! ここで負けたら……僕は……!!)

かばん「最後のカードです」スッ

オオコノハズク「ちなみにカワウソが持っているカードは何になるのですか?」

ジャガー「ええと、ハサミじゃないか?」

トキ「ハサミね」

アルパカ「ハサミだよぉ」

かばん「……」

カワウソ「いっくぞー!!」

かばん「まっ……!?」

ざわざわ……ざわざわ……

オオコノハズク「かばん……まさかの敗北……!! なのです……!!」

かばん「……」

サーバル「かばんちゃん、元気だしてー! じゃぱりまん、たべる!?」

かばん「サーバルちゃんたちに嘘ついてまで星をあつめたのに……それをみんなに配るつもりだったのに……」

フェネック「あぁーやっぱり、そうだったんだぁ」

アライグマ「かばんさんのこと、信じてたのだー!!」

カワウソ「星いっぱいだー!! キャハハハッ」

ジャガー「こりゃカワウソの優勝だな」

トキ「そうね」

アルパカ「おめでとぉ」

カワウソ「ありがとー!!」

ツチノコ「あ……あの……おれと……」モジモジ

ワシミミズク「終了なのです」

ツチノコ「なにぃ!?」

オオコノハズク「では星を3個以上もっている者はこちらにくるのです」

カワウソ「はぁーい!」

オオコノハズク「3個以上持っているものはついてくるのです。次のステージをクリアできれば星の数に応じた特典を与えるのです」

カワウソ「がんばるぞー!」

イワビー「どんなステージなんだろうなー」

プリンセス「緊張するわね」

フルル「じゃぱりまん、誰かもってなぁい?」

タイリクオオカミ「私たちは仲良く地下王国か」

アミメキリン「おかしい……!! どうして私の推理がぜんぶ外れるの……!!」

コウテイ「いったい……どんな恐ろしいことがまっているんだ……」

ジェーン「怖いですね」

かばん「ごめんね、サーバルちゃん」

サーバル「いいよー、気にしないで!」

ワシミミズク「お前たちにもまだチャンスはあるのですよ」

かばん「はい?」

ワシミミズク「これより次のぎゃんぶるを始めるのです」

サーバル「次はなにするのー?」

ワシミミズク「第一ステージクリア組がレースをするのです。それで誰が一位になるのか当てるのです。当てればジャパリペリカ5000枚をあげるのです」

かばん「そ、それはなんでしょうか?」

ツチノコ「地下王国で使える通貨だろ」

ワシミミズク「そうなのです。ここで一位を見事にあてれば5000ジャパリペリカをあげるのですよ」

かばん「5000あれば何ができるんですか?」

ワシミミズク「借金を全部返済できる券を買えますね」

フェネック「それさえあれば働かなくてもいいってことぉ?」

ワシミミズク「そうなるのです」

かばん「外したら……」

ワシミミズク「返済できるまで地下王国で働いてもらうのです」

かばん「あのぉ……どうして……そんなことを……」

ワシミミズク「さぁ、やるですか。やらないですか」

アライグマ「やるのだー!! そんな場所で働きたくないのだ!!」

ハシビロコウ「私も外がいいなぁ」

かばん(どうして急にぎゃんぶるなんて……。理由はあるんだろうけど……)

ラッキービースト「……」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom