小林さんちのみょみょみょ星人 (48)

僕はみょみょみょ星人。 宇宙人だみょ。

宇宙船から飛び降りて地球にやってきたみょ。

だけど着地に失敗しちゃって……

空き地の地面に頭が突き刺さってしまったみょ。

参っちゃったみょ。 みょへへへへへ。


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みょみょみょ星人「……」

小林「……」

みょみょみょ星人「……」

小林「……」

みょみょみょ星人「……」

小林「うわああああああああああ!!!?」

小林「人が!! 人が埋もれてる!!」

小林「今助けるから!!」

スポッ

小林「大丈夫ですか!!?」

みょみょみょ星人「助かったみょー!! ありがとみょー!!」

小林「よ、よかったぁ……」ホッ

小林「……?」

小林(あれ……人……じゃない?)

小林(もしかして……ドラゴン?)

小林(いや……にしてはドラゴンっぽくないな)

みょみょみょ星人「えー……とりあえず」

みょみょみょ星人「さっさと貴様の家に連れてけ馬鹿野郎!!」

小林(笑顔で何言ってんのこの子!!?)

みょみょみょ星人「じ、実は僕……自分が何者か分からないみょ」

小林「え……記憶喪失?」

みょみょみょ星人「そ、そうだみょ!! 記憶喪失だみょ!!」

みょみょみょ星人「だから暫くの間、家に泊めてほしいみょ!!」

小林「……」

小林(どうする……? 家に連れてきていいのかな? 怪しそうだけど……)

小林(それとも警察に届けようか……)

小林「所で……名前も覚えてないの?」

みょみょみょ星人「……!!」











『いいか003号!! この任務をしくじったらどうなってるか分かってるのか!!?』










『さっさと動け!! 003号!!!』











『003号!! うんこをするな!!』














みょみょみょ星人「……」

みょみょみょ星人「そうなんだみょ……僕は名前が思い出せない……」

みょみょみょ星人「いや……名前がないんだみょ」

小林「名前が……ない?」

小林「記憶喪失で名前を忘れたんじゃなくて? 名前がないってのははっきり覚えているの?」

みょみょみょ星人「うん……覚えているみょ」

小林「……そっか」

小林(記憶喪失……けど名前がないのは覚えてる……)

小林(名前がないって……どういう事なんだろう)

小林「……」

小林(私一人じゃ解決できそうにないな)

小林(一応トールにも聞いてみよう)

小林「じゃあ……とりあえずうちに来な」

みょみょみょ星人「いいのかみょ!!?」

小林「いいよ、外も寒くなって来たし。 早く家に行こう」

みょみょみょ星人「わーいわーい!! やったみょー!!」

みょみょみょ星人「ありがとみょー!! えーっと……」

みょみょみょ星人「……名前、なんて言うみょ?」

小林「私? ……小林」

みょみょみょ星人「小林……」

『003号!!』








『003号!!!!』







『003号!!!!!!』















みょみょみょ星人「小林……」

小林「……?」

みょみょみょ星人「小林……みょへへへへへ」

みょみょみょ星人「小林って名前、すっごくいいみょー!!」

小林「……そうかな? 結構ありきたりな苗字だけど」

みょみょみょ星人「凄くいいみょー!! 小林って名前凄くいいみょー!!」

小林「……」

小林(名前……ないんだよね)

小林(だったら……)

小林「名前……ほしい?」

みょみょみょ星人「?」

小林「小林って名前……ほしい?」

みょみょみょ星人「!!! 欲しいみょ!! 凄く欲しいみょーーーー!!!」

小林「分かった。 じゃあ今日から……」

小林「君の名前は……小林ね」

みょみょみょ星人「わーい!! 小林みょー!! 今日から小林みょー!!」

小林「……」

小林(どうしてこの子には……名前が与えられなかったんだろう)

ガチャッ

小林「ただいまー」

トール「小林さん!! お帰りなさ……」

トール「!!!!!!!!!!????」

みょみょみょ星人「こんばんはだみょー!!!」

トール「だ、だだだだだだだだ誰ですかあなた!!!?」

みょみょみょ星人「僕の名前は小林だみょー!! みょっへへー!!」

トール「こ、こここここここここここ小林!!!?」

トール「小林さん……もしかして……この子と結婚したんですか!!?」

小林「違う」

トール「記憶喪失!!!? しかも……名前がない!!!?」

小林「うん。 とりあえずうちに泊めようと思って」

小林「トールはこの子に見覚えはない?」

トール「いや……全く覚えがないですね。 カンナはあの子知ってますか?」

カンナ「知らない」

小林「そっか……じゃあドラゴンじゃなさそうだね」

みょみょみょ星人「うわー!! この服凄いいいみょー!!」

トール「なっ!!?」

小林「それはメイド服だよ」

みょみょみょ星人「僕も着てみたいみょー!!」

トール「何言ってるんですか!!? あなたのサイズのメイド服なんてありませんよ!!」

トール「あなた男じゃないですか!! それにこの服は私だけの特権なんです!!」

小林「そんな決まりはない」

みょみょみょ星人「……着てみたいみょー」

小林「……」

小林「子どものメイド服、 探せばあるかもしれないからさ」

小林「明日買いに行く?」

みょみょみょ星人「!!!? いいのかみょ!!?」

小林「うん、いいよ」

みょみょみょ星人「わーい!! ありがとうだみょー!!」

トール「ぐぬぬ……二人の距離が縮まっていく……」ゴゴゴゴ

カンナ「トール様、顔がマジやば」

次の日

小林「あった。 ほら」

みょみょみょ星人「うわー!! 凄くカッコいいみょー!!」

小林「か、カッコいい……?」

みょみょみょ星人「うん!! カッコいいみょー!!!」

小林(どっちかっていうとメイド服は可愛いんだけどね……)

小林「まぁ……気にいってるならいいか」

みょみょみょ星人「か、買ってもいいみょ?」

小林「うん、いいよ」

みょみょみょ星人「わーい! ありがとみょー!!」

みょみょみょ星人「……!!」

みょみょみょ星人「ちょ、ちょっとトイレみょ!! すぐ戻ってくるみょ!!」

小林「うん、分かった」












みょみょみょ星人「……」

みょみょみょ星人「はい、こちら003号」

『003号……任務はどうなっている?』

みょみょみょ星人「……任務?」

『まさかお前……地球を征服するのを忘れてないだろうな?』

みょみょみょ星人「!!!」

みょみょみょ星人「も、勿論だみょ!! 忘れてないみょ!!」

『そうか……ならいい』

『この任務は003号、お前にかかっている』

『ヘマしたらどうなるか分かってるだろうな? 003号』

みょみょみょ星人「わ、分かってるみょ……」

みょみょみょ星人「……ボス」

『なんだ?』

みょみょみょ星人「そ、その003号って名前やめてほしいみょ……僕にもちゃんとした名前を……」

『必要ない』

みょみょみょ星人「え……?」

『お前如きに名前など必要ないと言ったんだ』

『分かったらさっさと任務を続けろ!! 003号!!!』

プツッ

みょみょみょ星人「……」










みょみょみょ星人「お、お待たせみょー!! 早く帰るみょー!!」

小林「そうだね、トール達も待ってるだろうし」

こうして僕はこの家で色んな経験をしたみょ。

トール「いいですか!! 今日から私の事は先輩って呼んでくださいね!!」

みょみょみょ星人「分かったみょマグロ!!」

トール「全然分かってないじゃないですか!!」

トール「……兎に角、その服を着るからには私が先輩メイドとしてたっぷりと教えてあげますからね!!」

みょみょみょ星人「分かったみょ唐揚げ!!」

トール「さっきから一文字もカスってませんよ!!?」

ファフニール「……」ピコピコピコピコ

滝谷「……」ピコピコピコピコ

みょみょみょ星人「ピコピコピコピコ」

滝谷「自分で言ってるでヤンスか!!?」















カンナ「見て才川、小林」

みょみょみょ星人「みょへへー!!」

才川(こ、これは……私のライバル!!)

才川(カンナさんは渡さないんだから!!)

そして月日が経ち……

みょみょみょ星人「お掃除終わったみょー!!」

小林「凄いね小林ー。 ピッカピカだよー」

みょみょみょ星人「みょへへー」

トール「あ、あんなにポテンシャルがあるなんて……私の立場は……」

トール「……って、弱気になっちゃダメです!! 私も負けませんよ!!」

小林「ところで小林……本当に下の名前いらないの?」

みょみょみょ星人「いらないみょ!! 僕は小林って名前が大好きなんだみょー!!」

みょみょみょ星人「……!!」

みょみょみょ星人「ちょ、ちょっと外の空気吸ってくるみょ!!」

バタン!!

トール「あいつ、最近ああ言って外に行くの多くないですか?」

トール「外出する時も……しょっちゅうトイレ行きますし」

小林「……」

みょみょみょ星人「……もしもし」

『何をやっている003号!! いつになったら地球の征服は終わるんだ!!』

みょみょみょ星人「!!」

『こんな弱小な星などすぐに征服できるだろ!! このノロマ!!』

『ほかのやつらはとっくに別の星を征服してるぞ!!!』

『下っ端のお前に相応しい任務をやったのに……このザマとはな!!』

みょみょみょ星人「……ごめんなさいみょ」

みょみょみょ星人「……!!! そうだボス!! 言い忘れてた事があるみょ!!」

『なんだ?』

みょみょみょ星人「実は僕、すっごくいい名前をもらったんだみょー!!」

みょみょみょ星人「小林っていう……」

『死ね!!!』

みょみょみょ星人「……」

みょみょみょ星人「……へ?」

『お前なんか必要ない!! 今すぐ死ね!!』

みょみょみょ星人「……」

カチ……カチ……

みょみょみょ星人「……!!」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ

みょみょみょ星人「あの……ボス、さっきからカチカチ音が……」

『時限爆弾だ!!』

みょみょみょ星人「!!!?」

『こんな事もあろうかとお前の体内にセットしていた!!』

『お前はもう必要ない!! 地球と一緒に死ね!!!』

プツッ

みょみょみょ星人「……」

みょみょみょ星人「僕は……どうすれば……」

小林「……」

トール「……」

みょみょみょ星人「!!!」

小林「ごめんね、盗み聞きするつもりはなかったんだけど……不安で様子を見に来たら……」

小林「今の話は……本当なの?」

みょみょみょ星人「……」

みょみょみょ星人「ごめんなさいみょ……」

みょみょみょ星人「僕は……嘘をついてたみょ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

みょみょみょ星人「……?」

トール「小林さん!! あれ!!」

小林「……!!」

小林「あれは……宇宙船?」

みょみょみょ星人「た、大変だみょ……僕が爆発したのを皮切りに……地球に攻め込む気だみょ」

小林「そ、そんな……」

トール「大丈夫ですよ!! あんな宇宙船、私にかかれば一発です!!」

みょみょみょ星人「その必要はないみょ」

トール「な、なんでですか!!?」

みょみょみょ星人「僕が宇宙船に突っ込めば……体内にある爆弾が爆発して……宇宙船を破壊できるみょ」

トール「!!!」

小林「で、でも!! そんな事したら小林が!!」

みょみょみょ星人「いいんだみょ。 先輩が宇宙船を破壊しても……僕の時限爆弾はどうにもならないみょ」

みょみょみょ星人「だったら……こうするしかないみょ」

トール「ダメです!! 絶対にダメです!!!」

みょみょみょ星人「!!」

トール「いいですか!!! これは先輩命令ですよ!!!」

トール「命を投げ捨てるような事なんて絶対許しませんよ!!」

みょみょみょ星人「じゃあ……解決方法はあるのかみょ?」

トール「……!!」

トール「それ、は……」

みょみょみょ星人「もう行くみょ」バッ

小林「!!! 飛んだ……」

みょみょみょ星人「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

小林「小林!! 待って!!!」

トール「待ちなさい小林!!」

小林(確かに小林が突っ込めば私達は死なずに済む……でも!!!)

小林(小林がいない生活なんて……私は……)

小林(そんなのやだ!!!)

『何をする気だ!! 003号!!!』

小林「小林!!! お願い戻って!!!」

トール「先輩の言うことが聞けないんですか小林!!!」

『止まれ003号!!!』

小林「小林!!!」

トール「小林!!!」

みょみょみょ星人「……」

みょみょみょ星人「小林……先輩……みんな……」












みょみょみょ星人「僕の名前を呼んでくれてありがとうだみょ!!!」

















ドカーン!!!

『ぐわあああああああああ!!!』

小林「あ……あ……」

トール「……」

小林「ああ……ああ……」

トール「……」

小林「小林……なんで……どうして……」

トール「……ふんっ!!」

小林「……?」

トール「あ、あんなやつ……いなくて精々しますよ!!」

トール「これで小林さんに一番仕えるメイドは私ですね!!」

小林「トール!!!! 今自分が何言って……」

トール「……う」

小林「!!!」

トール「うう……」

トール「うわああああああああああああん!!!」

トール「だって……こうでも言わないと……」

トール「悲しい思いが……消えないんですよぉ……」

小林「……」

『はーはっはっはっ!!!』

小林・トール「!!!!」

『馬鹿め!! 無駄死にだったな003号!!!』

小林「そんな……どうして……」

『俺はハナから宇宙船になんぞいなかった!! あいつは騙されたのさ!!!』

トール「……どこにいるんですか!! 姿を現しなさい!!」

『何を言っている……俺はずっとお前達といたじゃないか!!』

小林「え……?」

『いいだろう……冥土の土産に見せてやろう!!』

『俺様の正体をなあぁぁ!!』
















◆LYNKFR8ptk「どっこいしょっと」

小林「……」

トール「……」

◆LYNKFR8PTk「……」

小林「……」

トール「……」

◆LYNKFR8PTk「……」

◆LYNKFR8PTk「俺様がああああああああああ!!! ボスじゃあああああああああああ!!!」

◆LYNKFR8PTk「どうやらあまりにも驚いて言葉も出ないようだな」

◆LYNKFR8PTk「いいか? 人にしろ化け物にしろ……生き物ってのはな」

◆LYNKFR8PTk「まず利用して」

◆LYNKFR8PTk「利用して利用して利用して」

◆LYNKFR8PTk「利用して利用して利用して利用して利用して利用して利用して利用して」

◆LYNKFR8PTk「利用してから殺す」

◆LYNKFR8PTk「それがボス……いや、悪魔だ」

◆LYNKFR8PTk「さぁて……俺の姿をみちゃあ命はねえ」

◆LYNKFR8PTk「てめぇらも俺に利用されて死ねやああああああああああ!!!」

小林「トール」

トール「はい」

ドゴオオオオン!!

◆LYNKFR8PTk「ぐはおおおおおおおおおおおおおお!!?」

◆LYNKFR8PTk(そんな……俺は……)

◆LYNKFR8PTk(最初から……ずっと……)

◆LYNKFR8PTk(乗っ取り防止の為につけてたのに……)

◆LYNKFR8PTk(IDが変わるから……つけてたのに……)

◆LYNKFR8PTk(過去作をググってもらいたいから……つけてたのに……)













◆LYNKFR8PTk「トリップつけてたのにひどいやああああああああああ!!!」

ドカーン!!

トール「これで……平和は守られましたね」

小林「うん……ありがとうトール」

トール「でも……小林は……」

小林「……」












みょみょみょ星人「いやーすっかり生きてたみょー!!」

小林・トール「!!!!!?」

小林「小林!!!? なんで!!? なんでここに!!!?」

トール「自爆したんじゃないんですか!!?」

みょみょみょ星人「それが……僕にも分からないみょ」

翔太「よ、よかった……間に合った」

ルコア「偉いねぇ翔太くん!!」

トール「ルコアさん!!?」

ルコア「実は通りかかったら君達を見て……」

ルコア「そしたら翔太くんが覚えたての魔法でなら助けられるかもしれないって!!」

トール「覚えたての……魔法?」

翔太「う、うん……アポート」

小林「!!! じゃあもしかして……小林だけを移動させて……」

翔太「うん」

ルコア「凄いよ翔太くん!! 君は命を救ったんだよ!!」

翔太「う、うわあ!! 近いって!!///」

小林「翔太くん……ありがとう」

みょみょみょ星人「小林!!!」

小林「!!」

みょみょみょ星人「僕……これからも……小林の家で暮らしていいみょ?」

小林「……うん、勿論」

小林「……ね、トール?」

トール「し、仕方ないですね……」

トール「いいですか!! これからビシバシ鍛えますからね!!」

小林「……素直じゃないんだから」

みょみょみょ星人「わーい!!」

小林「……小林」

小林「小林はもう……立派な私の家族だよ」











「ボス死んだって」

「じゃあほかの星征服するのやめるか」

宇宙は平和になった。

小林さんちのみょみょみょ星人~トリップつけてたのにひどいや~

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