阿笠博士「阿笠ひろし、昼メシの流儀」 (20)
ボンッ!
阿笠「うわっ!」
阿笠「う~む、また失敗じゃったか」
阿笠「しかし、『失敗は成功の母』というしのう!」
阿笠「このやり方じゃダメだったということが分かっただけでも大儲けじゃ!」
阿笠「……っと、もう昼になっとる。そろそろ昼ごはんにするかのう」
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阿笠「哀君、メシにせんか?」
シーン…
阿笠(そういえば、今日は哀君は小学校じゃったな)
阿笠(いつもいつもインスタント食品でもあれじゃし……)
阿笠(よぉ~し、だったらたまにはワシ自ら昼食を作ってみるとするか!)
阿笠「冷蔵庫に昨日仕入れた肉が……」ゴソゴソ…
阿笠「おお、あったあった!」
阿笠「よーし、今日はこの肉を使って、ステーキを作るとしよう!」
阿笠「といっても、まだだいぶ冷えてるからのう。しばらく置いて、解凍しないといかんな」
しばらくして――
阿笠「よし、そろそろいいじゃろ!」
阿笠(待ってるうちに、インターネットでステーキの焼き方を調べたし、バッチリじゃ!)
阿笠(さっそく調理開始じゃ!)
阿笠(まずは――)
阿笠(包丁でスジになっとる部分を切る)サクサク
阿笠(さらに、フォークであちこちに穴をあける)プスプス
阿笠(こうしておくと、焼き上がった時に肉がだいぶ柔らかくなるそうじゃ!)
阿笠(ワシも年食って歯が弱くなってきたし、肉が柔らかいにこしたことはないからのう)
阿笠「続いて、肉に塩コショウじゃ」
阿笠(肉全体に均等にかけるようにする)パッパッ
阿笠「う~ん、いいニオイじゃ。このまま食べてもうまそうなくらいじゃよ」
阿笠(よ~く揉んで、塩コショウをしっかり味付けする)モミモミ
阿笠「こんなもんでいいじゃろ!」
阿笠(フライパンに油をしいて……)ジュワッ
阿笠(さっそく、肉を焼くとするとしよう)サッ
ジュワァァァァァ…
阿笠「う~む、肉が焼けるにつれて、香ばしいニオイが漂ってきたわい」
阿笠(焼けてきたら、ひっくり返して……)ヒョイッ
阿笠(もう片面も焼く)
阿笠「どうせなら、酒をかけてボワァッてなるやつもやりたいが、危ないしのう」
ジュワァァァァァ…
阿笠「よし、そろそろいいじゃろ!」
阿笠「皿に野菜と一緒に盛り付けて……」
阿笠「ステーキ用のソースをかけて……完成じゃ!」タラー…
阿笠「おお~、初めてにしてはなかなかうまそうにできたわい!」
阿笠「いただきま~す」モグッ
阿笠「……」モグモグ
阿笠「おお、うまい! なかなかジューシーな味に仕上がっとる!」モグモグ
阿笠「一口食べるとまた一口食べたくなる、そんな感じの味じゃ!」
阿笠「ワシもやればできるもんじゃのう! 発明家でなく料理人になってもよかったかもしれん!」
阿笠「ふぅ~、あっという間に食べ終わってしまったわい! ごちそうさま!」
灰原「ただいま……」
阿笠「おお、哀君! お帰り!」
灰原「みんなも来てるわよ」
コナン「よう、博士!」
歩美「こんにちはー!」
元太「またゲームやらせてくれよ!」
阿笠「ちょうど発明がひと段落したところだったんじゃ。上がっとくれ」
元太「……ん?」クンクン
阿笠「どうしたんじゃ?」
元太「なんかスゲーいいニオイがするんだけど」クンクン
阿笠「さすが元太君、鋭いのう! 実はさっきステーキを食べていたんじゃよ!」
元太「マジかよ!? ずりぃぞ、博士!」
歩美「歩美も食べたーい!」
阿笠「肉はまだあるから、あとで焼いてあげるわい」
灰原「お肉は太るから程々にっていったはずだけど……」ジロッ
阿笠「す、すまん」
コナン「ところで博士」
阿笠「なんじゃ?」
コナン「昨日から光彦を見かけねえんだけど、どこにいるか心当たりねえか?」
阿笠「さぁ……分からんのう」
コナン「そっか……」
阿笠「じゃが……案外この近くにおるかもしれんな」
おわり
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