ノゴロー「茂野吾郎と生涯バッテリーを組んでくれ」 (20)

としくん「吾郎くん//」

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香取「あらやだ。私の事を差し置いて不倫かしら?」

ノゴロー「か、香取!ここ男子トイレだぞ!」

としくん「吾郎君は僕のものだよ。悪いけど早く立ち去ってくれないか?」

陰で会話を盗み聞きしている唐沢「香取…。俺じゃダメなのか…?」

翌日

薬師寺「聞いたか?茂野の奴、佐藤と香取の二股かけてたらしいぞ」

渡嘉敷「茂野…?」

大場「あいつだろ?聖秀とかいうわけわからん元女子高に行った…」

渡嘉敷「そういやいたな。そんな奴」

阿久津「ケッ、何考えてんだよ。相変わらず馬鹿な奴だぜ(茂野…)」

佐藤「やあ、みんな。今日は早いね」

薬師寺「…佐藤ッ!!」

佐藤「…どうしたんだい?」

阿久津「な、なんでもねーよ!」



米倉「全く…そんな下らねえ話してる間にランニングでもやれってんだ。なあ眉村?」

眉村「佐藤が…」

米倉「ま、眉村!?まさかお前…」

眉村「…いや、なんでもない。気にしないでくれ」

唐沢「…」

香取「どうしたのよ唐沢。様子がおかしいわよ」

唐沢「え?ああ…。…今日も高速スライダーキレてるな」

香取「?そう、ありがとう」

多岐川「どうしたんだ?あいつら。なんかいつもと違うぜ」

大河「茂野先輩。おはようございます」

ノゴロー「おお、大河!どうしたんだ?」

大河「先輩の事、あちこちでうわさになってますよ」

ノゴロー「うわさだと?」

大河「自覚ないんですか?ほら、佐藤さんや香取さんと男子トイレで…」

ノゴロー「ご、誤解だ!あれは香取が勝手に…!」

大河「ふうん。まあ僕はどうでもいいんですけどね。学校行きましょうか」

ノゴロー「お、おう…」



藤井「[ネ申]…!俺は前からお前の事が…」

[ネ申]「バカ!場所を考えろ!いつ人が通るかわかんねえだろ!」

藤井「そ、そうか…。すまん」

[ネ申]「仕方ねえな。移動するぞ」

藤井「移動って…どこにだよ?」

[ネ申]「そんなの一つしかねえだろ!」

藤井「まさか…って学校はどうすんだよ!」

[ネ申]「知るか。今からなら部活までには間に合うだろ。行くぞ」

藤井「おい、待てよ!」

ノゴロー「香取、一体なんのつもりだ!なんか色々と滅茶苦茶なんだよ!」

香取「それは御愁傷様」

ノゴロー「お前のせいだ!なんでもいいから早く誤解を解いてくれ!」

香取「仕方ないわねえ。もうちょっと楽しみたかったのだけれど」

ノゴロー「何も楽しくねえだろ!」

プルルルル…プルルルル…

ガチャッ

江頭「もしもし、海堂高校ですが。…あなたは?」

江頭「…確かに茂野君は少し前までうちにいましたが。彼がどうしたんです?」

江頭「…そうですか、彼が…。わざわざありがとうございます。」

ガチャッ

江頭「ククク…。もう終わりだよ茂野君…」

薬師寺「今日は川上実業と練習試合だな」

草野「川上実業と言えば神奈川でも有数の強豪校だ。破壊力のある強力打線には要警戒だな」

阿久津「そいうは言っても俺たちの相手じゃねーぜ。この俺がパパっと抑えてやるよ」

市原「おいおい、油断は禁物だぞ」

阿久津「うるせえなあ。このナックルボーラー阿久津様に死角があるわけねーだろ」

石松「ウキョキョキョキョ。今日もコールド勝ちだぜ」

佐藤「ほら、そろそろ行くよ」


佐藤(海堂は僕のホームランや薬師寺君のタイムリー、大場君の三振振り逃げなどで着実に点を重ねた。一方、先発の阿久津君は川上実業打線をほぼ完ぺきに抑え、7回表終わって8対0。裏の攻撃を抑えればコールドが成立する)

佐藤「今日はナックルだけじゃなくてストレートも走っている。あと3人、確実に打ち取ろう」

阿久津「おう、全員三振だぜ」

佐藤「………くれぐれも、油断はしないようにね」

阿久津「へいへい、分かってますよ」

ウグイス嬢『7回裏、川上実業の攻撃は―』

阿久津(ったくよお、佐藤は慎重すぎるんだよなあ…)

阿久津「心配しなくても俺のナックルは打てないっつーの!」ビシュッ

佐藤「……ッ!!曲がらない…!」

カキーン

阿久津「…は?」

草野「クソッ」

渡嘉敷「こっちだ!」

バシッ

塁審「セーフ!セーフ!」

阿久津「あ~あ、手が滑っちまったぜ」

佐藤(ナックルは多投すると握力を消耗する…。そろそろ限界か?)

佐藤(ここはストレートだ。今ナックルは危険すぎる)

阿久津(……ケッ)ビシュッ

カーン

阿久津「チッ、またかよ!」

佐藤「バックホームだ!」

草野「………」

バシッ

佐藤(よし、余裕でアウt………)

ドーン

佐藤(………た、体当たり…?だ…って………?)

球審「アウト!アウト!」

石松「よっしゃあアウトだぜ!」

草野「さ、佐藤……?」

薬師寺「佐藤!大丈夫か?」

眉村「…………」

米倉「お、おい………。なんだよ、あれ……」


国分「佐藤!」

児玉「おい、しっかりしろ!…立てるか?」

佐藤「………クッ……」

三宅「こりゃアカンわ。……アイツ、アウトだってわかりきっていたのにタックルしてきたんか!?」

米倉「誰か担架を持ってきてくれ。とりあえず運ぶぞ」

眉村「…俺が行こう」

監督「……とりあえず代役だ。米倉、急ですまないが準備をしてくれ」

米倉「わかりました」

阿久津「ケッ、俺様のピッチングに水差しやがって」



江頭「………フッ、悪いな佐藤君。恨むなら茂野を恨んでくれ」

江頭「……しかし、4番で正捕手の佐藤が抜けるのは少し痛いかもな。まあ、打線は他に薬師寺や大場がいるし、捕手はマニュアルに従ってくれさえすればいい」

江頭「…海堂の全国優勝は少しも揺らがないのだよ」

中村「じゃーね、ダーリン」

ノゴロー「おう、また明日な」

ノゴロー「……大会まであと少しか。待ってろよトシ、眉村。その余裕の表情を崩してやるぜ!」

江頭「これはこれは茂野君…………お久しぶりですね」

ノゴロー「…江頭ッ!一体何の用だ」

江頭「あなたに残念なお知らせを届けに来たんですよ」

ノゴロー「……何だと?」

江頭「佐藤君が試合中の事故で骨折してしまったんです。とてもこの大会には出られないでしょうね」

ノゴロー「何だって……?トシが………?」

江頭「あなたもさぞ悔しいでしょう。好敵手であると同時に誰よりも大切な佐藤君との対戦がなくなってしまって」

ノゴロー「……まさかてめえの仕業か?」

江頭「違いますよ。あれは不運な事故です。どうやらあなたは僕の事を誤解しているようですね」

ノゴロー「ヘッ、なんでもいいさ。でもよ、一つだけ言っておくぜ。そんな事で俺の闘志を削げると思ったら大間違いだ」

江頭「………何?」

ノゴロー「確かに俺は何よりもトシとの対決を心待ちにしていたさ。だが、トシがいないとしても打倒海堂っていうのは変わらねえ。むしろトシの代わりに俺が存分に暴れまわってやるよ」

江頭「………それは素晴らしい。海堂高校の代表としてあなたとの対決を楽しみにしていますよ」




江頭「………素人同然のゴミみたいな連中と一緒に何が出来る。生意気な面をしていられるのも今のうちだ。海堂がこの手で叩きのめしてくれるわ!」

米倉(結局佐藤は大会の出場を見送り、俺が正捕手を務めることになった………)

米倉「クソッ、江がs……川上実業のやつらふざけた真似しやがって」

阿久津「そんなに目くじら立てることもねーだろ。そのお陰でお前レギュラーになれたんだし」

米倉「うるせえ!お前は黙ってろ」

米倉(そして時は流れ、俺達は大会を迎えた)

米倉(第1シードの俺達海堂は2回戦からの登場だ。初戦の相手は帝仁高校。この地区でもそれなりの強さはあるが、俺達からすれば通過点だ)

監督「ついに大会が開幕した。佐藤不在は辛いが、お前達ならば十分に戦えるはずだ。………それじゃあスタメンを発表するぞ。…米倉!お前は4番キャッチャーだ。攻守の要として信頼しているからな」

米倉「はい!」

監督「初戦の先発は眉村だ。ぜひチームに弾みをつけるピッチングを見せてくれ」

眉村「………わかりました」

草野「………いよいよだな」

薬師寺「ああ、絶対にこんなところでは負けてられねえぞ」

泉「ああ!」

渡嘉敷「ま、今日は大丈夫でしょ」

石松「ウキョキョキョキョ。帝仁なんてサンドバックにもなんねえよ!」

薬師寺「………やめろ。油断は禁物だぞ」

大場「かといって気負いすぎることもないけどな」

米倉「………………眉村。頼んだぜ」

眉村「……………………」

ウグイス嬢『4番、キャッチャー米倉君』

米倉(いきなりツーアウト2塁のチャンス……。よし、ここは俺のバットで先制点を取ってやるぜ!)

ブンッ

球審「ファール」

米倉(チッ、打ち損じたか……)

米倉「ったく、あんた達も災難だよなあ……。2回戦で俺らと当たるなんて。もう2点もビハインドだぜ?」

帝仁捕手「………まだ点は入ってないが?」

米倉「……俺には未来が見えるんだよ」

帝仁捕手「……………」

ビシュッ

米倉(次こそはスタンドだ!)

カクッ

米倉(フォ、フォーク!?)

カンッ

米倉「クソッ、セカンドごろかよ!」

塁審「アウト、チェンジ!」

米倉「あの野郎………。舐めやがって……」

帝仁捕手「どうやらお前の未来予知能力は当てにならないようだな」

米倉「貴様……!………でかい顔していられるのも今の内だ、覚悟しておけよ」

帝仁捕手「…………フン」

米倉(4回裏、帝仁の攻撃。この回、打順は1番からに戻る。まだ奴らはジャイロ主体の眉村の投球の前に一人のランナーも出せていない。一方、俺ら海堂高校は2回と3回で3点ずつを入れ、既に6対0………)

眉村「…………」ビシュッ

帝仁1番「……クッ」ブンッ

球審「ストライーク」

米倉「おいおい、そんなスイングじゃ当たらないぞ?」

帝仁1番「チッ………」

眉村「…………」ビシュッ

球審「ストライーク」

眉村「…………」ビシュッ

球審「ストライーク、バッターアウt………」

米倉「………え?」バシッ

泉「パ、パスボール………!」

大場「あのバカ!」

米倉「クソッ!」ビシュッ

塁審「セーフ!セーフ!」

大場「チッ……」

米倉「す、すまん………。眉村…」

眉村「…………気にするな、戻れ」

米倉(切り替えだ………。ここを抑えれば何も問題ない…)

眉村「…………」ビシュッ

ランナー「……!」サッ

大場「と、盗塁……!?」

球審「ストライーク!」

米倉「この野郎!」ビシュッ

塁審「セーフ!セーフ!」

米倉「クソッ………」

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