【ゼノブレイド2】ニア「……酔ってるだろ?」 (26)

作中時間にとらわれないものとしてください
ストーリー後半のネタバレがあります

前作と繋がった話ですが読まなくても平気だと思います
【ゼノブレイド2】レックス「ニアが風邪引いた……」
【ゼノブレイド2】レックス「ニアが風邪引いた……」 - SSまとめ速報
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──────

フレースヴェルグの村

ユウ「ささ、団長も飲むッスよ〜!」

レックス「や、やめてくれよ団長なんて……」

ユウ「謙遜することないッスよ、みんな認めてるッス!」

ズオ「そうだぞレックス、傭兵団も問題なく運営できてるしな」

レックス「そうかな……二人にそう言ってもらえると自信出るよ」

ニア「やたら頼りにされてんじゃん、団長さんっ」

レックス「……バカにしてるだろ?」

ニア「べっつにー?」

ジーク「ボンもようやりおるなぁ」

レックス「みんなに支えられてやっと、って感じだけどね」

サイカ「それでも大したもんやわぁ」

ニア「頑張ってるもんな、レックス」

ジーク「そのうえ故郷に仕送りやろ? その歳でなかなか出来ることちゃうで」

サイカ「これくらいの頃は遊び呆けてたもんな、王子」

ジーク「う、うっさいわ」


レックス「はは……まぁ好きでやってることだから……」

ズオ「ところでよぉ、レックス」

レックス「なに、ズオさん?」

ズオ「お嬢ちゃんとは最近どうなんだよ」

レックス「な、なんの話だよいきなり!?」

ユウ「あ、それオレも興味あるッス!」

レックス「ちょっ、ユウさんまで!?」

ニア「それアタシがいるとこでする話か!?」

ジーク「ははは! ええやないかニア、普段のげろ甘エピソード話してやりい!」

ユウ「おおっ!?」

ニア「その口二度と開かないようにしてやろうか亀ぇ!」グワッ

ジーク「じょ、冗談やって落ち着きぃ!」

サイカ「王子はいっぺんシバかれた方がええで……」

ズオ「レックスも可愛い顔してなかなかやるじゃないか」

レックス「そ、そんなんじゃないってば!」


ニア「ったくどいつもこいつも……アタシ飲み物注いでくる、亀ちゃんのも持ってきてやるよ!」

ジーク「……いや自分で行くわ」

ニア「なんでだよ、行ってきてやるって」

ジーク「その薄気味悪い笑みは何か企んどるやろ……ヘンなもん混ぜようとか考えてるんとちゃうか?」

ニア「……ちっ」

ジーク「やっぱな……サイカもなんか飲むか?」

サイカ「ほな、ウチも行くわー」

ニア「レックスは? 何がいい?」

レックス「オレはまだ飲み切ってないからいいや」

ニア「はいよー」スタスタ


ユウ「いやぁ……若いってのはいいッスねぇ……」

ズオ「全くだ……ユウもオレもこういう話はからっきしだしな」

ユウ「いやいや、オレだって若い頃はすごかったんスから──!」

レックス(……あれ? オレのグラス……どれだ?)

レックス「これかな……んくっ」

レックス「……うまっ! なにこれ……ごくっ、んくっ」

…………

ニア「……ったく、いちいち茶化すなよな」

ジーク「誰かに惚気んのはええことやと思うねんけどなぁ」

サイカ「ストレス解消によさそうやね」


ニア「そ、そこまで気遣わなくていいって……亀ちゃんのくせにそういうとこは気回るんだから」

ジーク「はっはっはっ、これでもお前らよりは大人やからな!」

ニア「……てか、アンタらこそどうなんだよ」

ジーク「んん? アンタらってどういうこっちゃ」

ニア「……ちょっとサイカ、アンタこれでいいの?」

サイカ「あはは……王子もレックスに負けず劣らず朴念仁やからなぁ……」

ジーク「なーにコソコソ喋っとんねん、ワイだけ仲間はずれか?」

ニア「アホ、女子には女子の話があんだよ!」

レックス「ニアーっ!」ブンブンッ

ジーク「……なんかめっちゃ手振っとるで」

ニア「……なんだぁ?」


…………

ニア「はいはい、なんだよ」タッタッタッ

レックス「いぇーいっ!!」ギューッ

ニア「え、はぁ!? ちょ、なにやってんだよこんなところで!」

レックス「なんだよー! いいだろー!?」

ジーク「おっ、なんやレックスは惚気る気マンマンやないか」

サイカ「キャー! 見せつけてやるーみたいなことなん!?」

ニア「……顔真っ赤じゃん! アンタ酔ってる!?」

レックス「酔ってるわけないだろー?」

ニア「酔っ払いの『酔ってない』は信用できないんだよっ!」


ニア「ちょっと二人とも! こいつに酒飲ませただろ!」

ユウ「オレだってモテモテで────え? 酒?」

ズオ「レックスにはジュースしか飲ませてないぞ?」

ニア「えぇ……レックスどれ飲んだの?」

レックス「んー……あれ」

ニア「…………どれどれ」クンクン

ニア「酒じゃん!!」

ユウ「ありゃ、間違えて別のグラス取っちゃったんスかね」

ズオ「すまんお嬢ちゃん、オレたちの監督不行届だな」

ニア「こ、これだから酔っ払いは……!」


レックス「怒ってないで笑えよー!」グニーッ

ニア「ほっへひっはんなお!」

サイカ「あはは! ニアすごい顔してるで!」

レックス「あっはっは! はぁー……」ダラーン

ニア「テンションの落差がひどい……」

ジーク「典型的な酔っ払いやなぁ」

ニア「どーすんだよコレ……」

サイカ「ニアが介抱してあげればええんやない?」

ニア「……まぁそうなるよなぁ」

ユウ「オレらが代わるッスか?」

ニア「いいよいいよ、アタシがやっとくからさ」

レックス「んへへー……」

ニア「ほら……立てるか?」

レックス「おーう……」


──────

宿屋・ハラグガル

ニア「よいっ……しょっと……」ドサッ

レックス「んー……」

ニア「すっかり潰れちゃってんな……」

レックス「ニアぁ……」

ニア「はいはい、どうした?」

レックス「す、きー……んぅ……すぅ」

ニア「……酔ってないときに言えよ、バカ」

レックス「すぅ……んん……」

ニア「間抜けなツラで寝やがって……呑気なもんだなぁ」ナデナデ

レックス「んぅ……」

ニア「……ふふ」

レックス「……ホム、ラ……んん、近い……すぅ……」

ニア「…………」ピタッ

レックス「……ヒ、ヒカリ……その丈は……うぅん……」

ニア「…………へぇ」


…………

レックス「んぅ……うっ……」

レックス「……頭痛い……ここどこ……」

レックス(あー、なんとなく思い出してきた……)

ニア「──ん、起きたんだ」ガチャ

レックス「あ、ニア……なんか手間かけたみたいだね……」

ニア「記憶はあるんだ、そこまで厄介じゃなくてよかったよ」

レックス「ぼんやりと覚えてるだけって感じだけどね……」

ニア「はい、水。飲んどきなよ」

レックス「ありがと……ぷはぁ」


ニア「どう?」

レックス「まだ頭の中ちょっとふわふわしてるけど……平気かな」

ニア「そっか、まぁ一杯しか飲んでなかったみたいだし」

レックス「……あの、恥ずかしいことしてすいませんでした」

ニア「……いきなり抱きついてきたこと?」

レックス「そう、それ……」

ニア「まぁ……酔ってたし、しょーがないかな」

レックス「はい……」

ニア「別に、抱きつかれること自体は嫌じゃないし」

レックス「よかった……」


ニア「……ところでさぁ」

レックス「うん?」

ニア「アンタの彼女って誰だっけ?」

レックス「……へ? なにいきなり」

ニア「いいから」

レックス「え、ニアだけど……なんか怒ってる?」

ニア「よろしい、別に怒ってないよ」

レックス「は、はぁ……?」

ニア「レックスさ」

レックス「うん」

ニア「寝言でホムラ〜ヒカリ〜って言ってたよ」

レックス「えっ」

ニア「どんな夢を見てたんだろうねえ、アタシにはわからないなぁ」

レックス「ちょっ、記憶にないんだけど」


ニア「……やっぱ胸か?」

レックス「え?」

ニア「やっぱ胸が大きい方がいいんだ」

レックス「ま、待って! なんの話だよ!」

ニア「まぁホムラの方が愛想も可愛げもあって、料理も上手だし、あのスタイルだし?」

レックス「お、落ち着けって……」

ニア「ヒカリだって優しいし、お姉さん気質っぽくて引っ張ってくれるだろうし、もちろんスタイルもいいし? アタシなんかよりいいかもな」

レックス「……そういう言い方やめろよ」

ニア「なんだよ、そっちが言ってたんだぞ」


レックス「そりゃ……いや寝言だししょうがないところもあるだろ? 悪かったとは思ってるけどさ」

ニア「どうだか……実際アタシより魅力あるだろ?」

レックス「そういう風に、自分を卑下するようなこと言うなって」

ニア「事実を言ってるだけだよ! 本当は誰が好きなんだろうね!」

レックス「ニアに決まってるだろ! なに言ってんだよ!」

ニア「口では何とでも言えるじゃん!」

レックス「なんだとっ……──この分からず屋!」

ニア「なんだよっ! そもそもレックスが────!!」

レックス「はぁ!? そういうこと言うから────!!」


…………

ニア「はぁ……はぁ……」

レックス「はぁ……はぁ……」

ニア「……バカ、レックスのバカ……」ジワッ

レックス「──っ、泣くなよ……」

ニア「うっさいバカ……ぐすっ」

レックス「…………」ギュッ

ニア「……ごめん……勝手に拗ねて、怒って……ガキみたいだね、アタシ」

レックス「別に気にしてないよ……オレも、大人げなかったっていうか……」

ニア「あんなことが言いたかったわけじゃないのに……」


レックス「……そんなに不安がらなくても」

ニア「そんなの……そんなの無理だよ……」

ニア「レックスの言葉は信じてるよ? ……でも、でもやっぱりホムラたちは、アタシから見てもすっごく魅力的だし……不安にもなるよ……」

レックス「ホムラたちは……オレがドライバーになるきっかけをくれて、オレの命を救ってくれて……」

ニア「うん……」

レックス「だから、もちろん大切な人だけど、その……れ、恋愛的な意味で好きなのはニアだけだよ」

ニア「……そっか」

レックス「……安心できた?」

ニア「んー……」

レックス「なんか微妙そうだな」


ニア「……胸は大きい方がいい?」

レックス「それ気にしすぎじゃない?」

ニア「だって……アタシこれだし……」

レックス「そういうとこも含めてニアなんだから、大きいとか小さいとか関係ないって」

ニア「ち、小さいってほどじゃないと思うんだけど!? ホムラとかヒカリとかカグツチが大きいだけで、アタシは平均……ちょい下くらいはあると思うんだけど!」

レックス「じ、自分で言ったんだろ!? オレは気にしないってば!」

ニア「むー……」

レックス「まだ納得いただけませんか」

ニア「納得は、した。レックスのことも信じてる」

レックス「ふぅ、ならよかった」


ニア「──けど、なんかムカつくから……っ」グイッ

レックス「うわっ……いきなり押すな──んっ!?」

ニア「ん──んむ……ちゅ……ぷは」

レックス「ぷぁ……はぁ……心の準備をさせてくれ……」

ニア「……酒臭い」

レックス「んなっ……じゃあするなよ!」

ニア「ダメ。アタシの気が済むまで付き合ってもらうからね」グググッ

レックス「ちょっ……なんかスイッチ入ってない!? 目が怖いよっ……やめっ……ひぃっ……!」


──────

翌朝

ニア「おっはよー! ほら、シャキッとしなよ」ツヤツヤ

レックス「おはよ……」

ジーク「おはようさん……なんや随分ゲッソリしとるなぁ、ボン」

サイカ「酔いは平気なん? ちゃんと抜けた?」

レックス「あ、あぁ……それは大丈夫……」

ニア「アタシが介抱してやったんだ、大丈夫に決まってるだろ?」

サイカ「それもそうやね」

ヒカリ「おはよ……痴話喧嘩もほどほどにしなさいよ、二人とも」

ニア「えっ……聞いてたの?」

カグツチ「聞いてたもなにも……あんな大声で喧嘩してたら聞こえて当然でしょ?」


ニア「あはは……そりゃそうか」

レックス「ったく……ニアがあんなに怒鳴るから……」

ニア「はぁ!? レックスだって同じだろ!?」

レックス「なんだとー!?」

ニア「なんだよっ!?」

ヒカリ「まーた始まった……」

カグツチ「朝から元気ねぇ……」

ジーク「喧嘩するほど……とはよく言ったもんやな」

サイカ「せやねぇ」

おしまい

稚拙ですが以上です、ありがとうございました
本SSはフィクションです。未成年の飲酒・喫煙は法律により禁止されています。

糖度微量アップ(当社比)。酔いにデバフ消去は効かないという解釈でよろしくお願いします……
げろ甘ニアレクも喧嘩ップルっぽいニアレクも甲乙つけ難いですよね

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