凛「ねえまゆ、私たちってさ」
凛「プロデューサーのことで、今まで数え切れないくらいの争いがあったけど」
凛「もうそろそろ終わりにしない?」
まゆ「どういうことですか?」
凛「決着をつけようって言ってるんだよ」
凛「勝負に勝てばプロデューサーの正妻になれる」
凛「そして負けた方は……言わなくても分かるよね?」
まゆ「……」
まゆ「いいでしょう、望むところです」
凛「決まりだね。じゃあ早速始めようか」
凛「7回勝負して4回勝てば、その瞬間から正妻だから」
凛・まゆ「……」ゴゴゴゴ
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P「へっくしゅっ!!」
P「あー、なんか俺の知らないところで厄介な事が行われてる気がする」
P「気のせいでありますように……」
↓2 1回目、何で勝負するか
凛「まずは手始めにプロデューサーへ料理を作って」
凛「それを食べてもらって、どっちが美味しいか決めてもらおう」
まゆ「ちょうどお昼時ですからね。ふふ」
凛「何がおかしいの?」
まゆ「いえ……何でわざわざ自分に不利な勝負を指定したのかと思って」
まゆ「料理なら負けませんよぉ?」
凛「ふっ、私だって密かに練習してるんだけど? 目にもの見せてあげるよ」
↓1 凛が作ったお昼ご飯
↓2 まゆが作ったお昼ご飯
コンマ二桁が料理の出来栄え
――――
凛「男の人は肉を食べて精をつけないとね」トントントン
凛「ステーキとトンカツのW肉弁当にしよう」ジュウウウ
凛「敵に勝つ、っていうゲン担ぎもできるし」テキパキ
凛「野菜も多めに入れて、バランスを整えてっと」スッ
――――
まゆ「前々から気になっていた、ありすちゃん作のいちごパスタ」
まゆ「工夫すれば美味しくできそうな気もするんですけどねぇ」
まゆ「イメージ打破も兼ねて、アレンジしてみようかな……」
まゆ「となれば、レシピを聞きにいかないと」スタスタ
(30分後)
P「……腹が減ったなぁ……」
P「朝急いでて朝食も食べてないんだよな……コンビニに行く時間も無いし」
P「ガムでも食べて気を紛らわすか……」
凛・まゆ「ちょっと待ったー!」
P「!?」
P「凛、まゆ」
まゆ「お困りのようですねぇ」
凛「ちょうどよかったよ。実は私たち、プロデューサーのために昼食を作ったんだ」
P「昼食!? 本当か!!」
まゆ「はい、よければ召し上がってください」
P「食べる食べる! ありがたくいただくよ!」
凛「まずは私のメニュー。名づけて、ステーキとトンカツで敵に勝つ弁当!」ジャーン
まゆ「カロリーが多そうですね」
凛「見た目よりは少ないよ。野菜もたくさん入れたから」
凛「しっかり食べてね」
P「美味そうだ。匂いが空腹に染みるよ……」グゥゥ…
凛「で、まゆは何を作ったの?」
まゆ「これです」スッ
凛・P「!!」
P「こ、これって……」
まゆ「いちごパスタです」
凛「まゆ……ふざけてるの? 勝負を捨てにいってるようなもんだよね?」
まゆ「うふ、確かに私たちの想像する一般的ないちごパスタは、見た目も味もインパクトのあるものですけど」
P(一般的ないちごパスタってなんだよ)
まゆ「これは私がありすちゃんから許可をもらってアレンジした、特製のいちごパスタです」
まゆ「味は保障しますよ」ニコッ
P「そ、そうか」
凛(やけに自信あり気だけど、一体どんな工夫を……)
まゆ「プロデューサーさん、どっちから食べますか?」
P「え」
凛「プロデューサーが決めていいよ」
P「……」
P(肉の後にいちごか、いちごの後に肉か)
P(うん、後者だな)
P「まゆの料理からもらうよ」スッ
まゆ「ありがとうございます♪」
凛(見せてもらおうじゃん、まゆのアレンジとやらを)
P「いただきます」
P(本当に大丈夫なんだよなまゆ? 頼むぞ!)ドキドキ
まゆ「……」ニコニコ
P「パクッ」
P「!!!」
凛「ちょ、ちょっと! プロデューサーの顔色が変だよ!?」
凛「やっぱりダメじゃん! 大丈夫プロデューサー?」スリスリ
P「……いける」
凛「え?」
P「いけるぞこれ。普通に食べられる」
P「っていうか、美味しい」パク モグモグ
凛「う、嘘でしょ!?」
まゆ「喜んでもらえてよかったです♡」
P「パスタがいちごのトッピングに合わせた味になってるな」
まゆ「はい。パスタも一から作ったものですから」
P「一から!?」
凛「30分の間でよく作れたね」
まゆ「レシピは秘密ですけどね」
P「うん……美味い。やっぱり美味いよ」モグモグ
カランッ
P「ふぅ、ごちそうさま」
凛「ぜ、全部食べちゃった……」
まゆ「こんなに嬉しいことはありませんねぇ♪」
凛「プロデューサー……私の作ったお弁当は……」
P「大丈夫だよ。俺、朝から何も食ってないんだ」
P「それに割と大食いな方だからな。この量ならペロリといけるよ」
まゆ「素敵です……」ウットリ
凛「よ、よかった。どうぞ召し上がれ」
P「いただきます! 凛のは王道というか、王道と王道を合わせてるけど」
P「匂いを嗅ぐだけでお腹が空いてくるよ」スゥー
P「まずはステーキを……」パクッ
P「んん!? うまっ!!」
P「何だこれ! 肉が柔らかくて食べやすいし、ステーキソースが格別に美味しい!」
P「ご飯や野菜がどんどん進むぞ!」モグモグ パクパク
まゆ「むむ……」
凛「こんなの序の口だよ」
P「次はトンカツを……」サクッ
P「うん、外はサクサク、中はジューシー。噛むたびに肉の旨みとソースが合わさって」
P「飯ッ!! 食わずにはいられないッ!!」ガツガツ
凛「ふふ、ゆっくり噛んで食べないとダメだよ」
まゆ「ぐぬぬ……」
カランッ
P「ごちそうさまでした!」ペコリ
凛「お粗末さまでした」
P「2人共ありがとう。美味しくて満足だよ」
まゆ「いえいえ」
まゆ「それでその、プロデューサーさん」
凛「私とまゆの料理、どっちが美味しかったか決めて欲しいんだ」
P「え? そんなの…」
まゆ「お願いします!」
P「うお、真剣だな」
P「うーん……よし分かった。ちょっと待ってくれ」
凛(絶対に私の勝ちだ。いちごパスタのアレンジにはやられたけど)
凛(がっつきの感じを見る限りは……!)
まゆ(凛ちゃんが上手でしょうか。でも)
まゆ(プロデューサーさんの味覚次第では、私にもチャンスが……!)
P「……」
↓1 凛の数値
↓2 まゆの数値
コンマ二桁を出来栄えの数値と足して、大きい方が勝ち
P「美味しかった方で言えば……凛だな」
凛・まゆ「!!」
凛「やったっ。ありがとうプロデューサー、愛してるっ」ギュッ
P「離れなさい」
まゆ「うう……ですよね。私も美味しそうだなって思いましたし」
まゆ「ちょっと食べてみたかったですし……」
P「そう落ち込まないでくれ。あのいちごパスタをここまでにしたんだから」
P「まゆはすごいよ」
まゆ「本当ですか……?」
P「うん」
凛「それは言えてるね。私ならここまでアレンジできないもん」
凛「やるじゃんまゆ」
まゆ「なんか複雑な気分です……嬉しいには嬉しいですけど」
第一回戦 勝者:凛
凛 ●○○○○○○ まゆ ○○○○○○○
―――――
凛「まずは私の1勝と。幸先いいね」
まゆ「くっ……次から挽回しますよ……」
凛「次も私が勝つよ」フフン
凛「それで? 何で勝負するの?」
まゆ「ちゃんと考えてあります」
↓2 2回目、何で勝負するか
まゆ「その名も……くすぐり耐え勝負!」
凛「くすぐり耐え?」
まゆ「ルールは簡単です。手足を縛って身動きが出来ない状況でくすぐられ」
まゆ「先にギブアップの言葉を発した方が負けです」
凛「へぇ……面白そうだね。いいよ、受けて立つよ」
―――――
まゆ「協力してもらうアイドルを紹介しますね」
まゆ「まず私をくすぐるのが、フレデリカさん、李衣菜ちゃん、裕子ちゃん」
フレ「任せたまえ!」
李衣菜「何で私……?」
裕子「サイキックパワーでいきますよ!」
まゆ「そして凛ちゃんをくすぐるのが、志希さん、奈緒ちゃん、茜ちゃん」
志希「容赦しないよー♪」
奈緒「たまにはあたしがいじめたっていいよなぁ?」ニヤニヤ
茜「全力で頑張ります!!」
凛「……これは……まあ公平と言えば公平なのかな」
凛「ところで制限時間は?」
まゆ「ありません。耐久勝負ですから」
まゆ「どちらかが先に音をあげるまで続きますよ」
凛「なるほど……了解」
まゆ「では皆さん、手足も縛ったことですし」
まゆ「あの時計の長い針が12時を刺したら始めてください」
アイドルたち「「「はーい!」」」
凛(心を落ち着かせて……深呼吸)スー ハー
まゆ(くすぐりには強い方ですから、この勝負は獲らないと)
凛・まゆ(……)ドキドキ
凛・まゆ(……スタート!!)
それぞれ400の耐久値があり、先にゼロになった方が負け
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁を耐久値からマイナス
凛 HP382
まゆ HP390
フレ「こちょこちょー」
裕子「そりゃそりゃそりゃー!」
李衣菜「足裏を責めよう」
まゆ「んふ……ふっ……」
茜「毛細血管がいっぱい詰まってるところっ、わぁぁきぃぃぃぃぃ!!」
志希「ほれほれ」
奈緒「これでどうだ!」
凛「ふふっ……んっ……」
凛(まだまだ大丈夫。まゆも……余裕みたいだね)
まゆ(ほぼ互角と言ったところでしょうか)
まゆ(けど、ここからですよ凛ちゃん。この勝負のキツさは)
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP376
まゆ HP311
凛「はぁ……ふぅ……」
奈緒「くっ、結構強いな凛」
志希「ツボを見つけないとねー」
茜「ここですか!? それともここですか!?」
凛(まだ平気、いけるね。まゆは……)
李衣菜「ギターを弾くような手さばきで!」
まゆ「ふっ……くくっ……!」
フレ「反応あり! 責めろ責めろー!」
裕子「てやぁぁぁぁ!!」
まゆ「だ、だめっ……そこっ……あはははっ!」
凛(よし! 効いてる!)
凛(私がこのまま我慢できれば……!)
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP278
まゆ HP293
凛「ふっ!?」ピクッ
志希「弱点はっけーん♪」
奈緒「覚悟しろ凛!」
凛「ふくっ、あはっ、あははは!」
茜「脇腹いきますよ!!」
凛「やめて、やめっ、あははははは!」ジタバタ
まゆ(り、凛ちゃんツボに入ったみたいですね)
まゆ(私は何とか根性で食い止めてますっ……! 今のうちにギブアップして……! でないと……)
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP195
まゆ HP266
凛「そこだめっ、だめだってばっ……!」
奈緒「ダメと言われてもなぁ」
茜「ギブアップしないとやめれないんですよ!!」
志希「楽になっちゃいなよー♪」
凛「そ、それはできないっ……! くくっ、ふふふふっ!」
まゆ(いいですよ、その調子です)
まゆ(あと少しで凛ちゃんは堕ちます!)
フレ「あれれー? まゆちゃんの反応が悪くなったぞー?」
裕子「本腰を入れねばなりませんね」
まゆ(しまった! バレた!)
李衣菜「ロックロックロックー!」
まゆ「はひっ……!」
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP101
まゆ HP211
まゆ「あはははっ! はー……はー……!」
フレ「ようし、いい感じ! ここで畳み掛けよう!」
フレ「李衣菜ちゃん、裕子ちゃん、あれを用意だ!」
李衣菜・裕子「らじゃー!」スッ
まゆ「!!」
まゆ(は、羽根ですか? そんなの使われたら……!)
凛「やめてお願いっ! あはははっ! ヤバいから!」
志希「何がヤバいのかなー」
凛「お腹、壊れる……!! あははは!」
凛「あ、マズい! 止めてっ! 漏れるかも……!」
奈緒「え、マジ?」
茜「いいですよ!! 全てを解放するんです!!」
奈緒「しちゃダメだろ!!」
凛(と、トイレ行っとくべきだった……!!)
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP31
まゆ HP184
凛「止めてっ! あはっ、ちょっとぉっ……!」
志希「んー、ギブアップするしかないよー?」
茜「漏らしても私は気にしませんよ!!」
奈緒「凛本人が気にするだろ……んー、気が引けるなぁ」
まゆ(凛ちゃんお手洗いに行きたいんですか!?)
まゆ(これは大チャンスです! この羽根を耐えれば勝てます!)
李衣菜「そーれ」
まゆ「んふっ」
裕子「サイキックウイング!!」
まゆ「むふっ、ふふふふっ」
フレ「うりうり~♪」
まゆ「こ、こそばゆいっ、ですっ、あははははっ!」
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP23
まゆ HP100
まゆ「あははははっ! だ、だめっ……だめですぅっ……!」ジタバタ
フレ「効果はばつぐんだー!」
李衣菜(ちょっと疲れてきた)
裕子「サイキック・ダブルウイング!!」シャキーン
まゆ「やめてくださいぃー!」
凛「くっ……わ、私は……こんなとこで負けてられない!」キリッ
志希「おお、顔つきが変わった」
奈緒「我慢は体に毒だぞ? ほどほどにしとけよ……」
茜「その闘志、素晴らしいです!!」
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁をマイナス
凛 HP8
まゆ HP5
凛「くぅぅぅぅっ……!!」
まゆ「あははははっ! あはははははっ!」
まゆ(これ、マズ……負けちゃう……!)
凛(負けてたまるか!)
まゆ(いいえダメです、負けられません……!)
凛・まゆ(絶対に勝つ!!)
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ一桁をマイナス
凛 HP6
まゆ HP1
凛(まだまだっ……!)
まゆ「ふ、あはっ……!」
まゆ(り、凛ちゃんの精神力がここまで強いなんて……!)
まゆ(も、もう……私は、ここで……!)
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ一桁をマイナス
凛 HP1
まゆ HP0
まゆ「……ぎ……」
まゆ「ギブアップ、します……!!」
凛「!!」
フレ「おー、凛ちゃん勝ったねー!」
奈緒「ははっ……すげえ……! すげえよ凛!」
凛「ふふ、ふ……」
凛「ひ、紐……解いて……ずっと我慢してる、からさ……」ピクピク
裕子「任せてください!」シュバババッ
凛「ありがとう……」ヒョコヒョコ
李衣菜「漏れないよう慎重に歩いてるね」
茜「私、応援してきます!!」ダッ
奈緒「気が散っちゃうだろ!?」ガシッ
まゆ「……」
志希「ドンマイだよまゆちゃん。君はよーく頑張った」
まゆ「ありがとうございます……」
まゆ(ふふ、さすがまゆの恋敵ですね)
まゆ(次は……次こそは負けませんから……!!)メラメラ
第二回戦 勝者:凛
凛 ●●○○○○○ まゆ ○○○○○○○
――――
まゆ「私、凛ちゃんを侮っていました」
まゆ「プロデューサーさんに対する気持ちは生半可じゃないですね」
凛「まあね。まゆもさ、凄いよ」
凛「羽根を使われてたでしょ? 私だったらあれ絶対に耐えられないし」
まゆ「お手洗いを我慢してた凛ちゃんに言われても……」
まゆ「それより次の勝負をしましょう。何としても勝たないと」
凛「この不利な状況でも剥き出しの熱意。いいね」
まゆ「当然です! 次は凛ちゃんが勝負の内容を決めてください!」
凛「分かった。んーと……」
↓2 三回目、何で勝負するか
ここまでにします
くすぐり対決が思った以上にギリギリだった
まゆ「CDの売り上げって……それ、分かってて言ってますよね?」
まゆ「凛ちゃんと私の出したCDの売り上げは、現状だと凛ちゃんが…」
凛「本当にそうかな? 3ヶ月くらい前にソロの新曲出したでしょ?」
まゆ「あっ、そういえば。凛ちゃんもリリースしたんですよね」
凛「そうそう。あれの売り上げで勝負しようよ」
凛「プロデューサーに現段階の売り上げを聞いて、上だった方の勝ちってことで」
まゆ「……」
凛「不服?」
まゆ「はい。だって、それより前に出した私たちのCDの売り上げ」
まゆ「凛ちゃんがダントツで上じゃないですか」
凛「今回はそうとは限らないでしょ」
凛「あれから私たちは成長して、歌もダンスも何もかも上手くなったし」
まゆ「……言われてみればそうですね」
まゆ「今の私なら、凛ちゃんの売り上げを軽く越えてるかもしれませんし」
凛「軽くは言い過ぎでしょ。まあやる気になったみたいだから、決まりでいいよね?」
凛「今からプロデューサーに話を聞きに行って」
まゆ「どっちが上か、はっきりさせましょうか」
まゆ「あ、待ってください。その前にお手洗いにいかなくていいですか?」
凛「は?」
まゆ「我慢しすぎると膀胱炎になっちゃいますよ」
凛「へぇ……私を煽ってるんだ……」ピクピク
まゆ「これは普通に心配してるだけです」
凛「いらぬ心配だよ。子供じゃないんだから行きたいならちゃんと行くし」
凛「さっきのあれは手足を縛られた勝負だったから……」
まゆ「平気ならいいんです。行きましょうか」
凛「……」
――――
P「CDの売り上げ?」
まゆ「はい」
凛「3ヶ月前に私とまゆで出したよね?」
P「知りたいのか、って当然だよな」
P「えーっと、ちょっと待っててくれよ」カタカタ
凛・まゆ「……」ドキドキ
P「ほら、これが2人の売り上げ結果だ」スッ
凛・まゆ「!」
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマ二桁で高かった方が勝ち
まゆ「……私の負けですね」
凛「みたいだね」
P「負け? 何か勝負でもしてるのか?」
凛「これで私の3勝だね。もう後がないよまゆ」フフ
まゆ「……まだです」
凛「?」
まゆ「確か半年前にも出しましたよね? ソロの曲を」
まゆ「それも合わせた売り上げで勝ち負けを判断しましょう」
P(無視か)
凛「往生際が悪いね」
まゆ「だってこんな簡単に勝負がつくなんて納得いきませんし!」
凛「現実とは非情なものだよ……」ポンッ
まゆ「きー!」
まゆ「とにかく勝負です! プロデューサーさん!」
まゆ「半年前のCDの売り上げも出してもらえますか?」
P「いいけど……」カタカタ
凛「やっても無駄だって言うのに」ヤレヤレ
まゆ「もうっ、強がっていられるのも今のうちですからね!」
P(何の勝負をしてるんだよ)カタカタ
P「ほら、これがデータだ」スッ
凛・まゆ「!!」
↓1 凛
↓2 まゆ
さっきの数字と合わせて高かった方が勝ち
まゆ「……」
凛「また私の勝ちみたいだね」
まゆ「い、1年前に出したCDもありますよね!」
まゆ「それも含めましょう!」
凛「悪あがきはやめようよ」
まゆ「うー……!」
凛「分かった、まゆの気が済むまでやってよ」
凛「プロデューサー、1年前のやつの売り上げ出してくれる?」
P「ああ」カタカタ
P(それくらいなら知ってると思うんだが)
凛「ほらまゆ、この音聞こえる? キーボードのタイピング音」
凛「勝負が確定するまでのカウントダウンだよ」
まゆ「意味が分かりません! あと勝ち誇るのはやめてください!」
凛「だって、結構差があるし」
まゆ「むぅ」
まゆ「強がっていられるのも……! いられるのも……!」ブツブツ
凛「おー怖い怖い」
P「えーっと……はい、どうぞ」スッ
凛・まゆ「!!!」
↓1 凛
↓2 まゆ
コンマの合計が高い方が勝ち
まゆ「」
凛「あー、これはまゆの方が売れてるね」
凛「でも勝負は総合値だから、私の勝ちだね」
まゆ「はい……負けました」
P(何で勝負してるのか気になる)
まゆ「場所を変えましょう、凛ちゃん」
凛「そうだね。ありがとうプロデューサー」
凛「あと少ししたら、抱きしめに来るからね」ボソッ
P「え?」
スタスタ
P「……?」
第三回戦 勝者:凛
凛 ●●●○○○○ まゆ ○○○○○○○
――――
凛「私に圧倒的な力の差を見せつけられて、勝負するの怖くなってきたんじゃない?」
まゆ「うぬぼれないでください。本当の勝者は4回勝った方ですよ?」
まゆ「凛ちゃんはまだ3回勝っただけじゃないですか」
凛「物は言いようだね」
凛「次の勝負はどうする? まゆが内容決める?」
まゆ「別にどっちでもいいですけど……」
凛「なら決めてよ」
まゆ(完全に上からの物言いですね。腕まで組んで)
まゆ(ここから挽回して一泡も二泡も吹かせますから!)
↓2 4回目、何で勝負するか
凛「熱湯風呂我慢?」
まゆ「ええ、熱いお風呂に入って」
まゆ「先に出てしまった方が負けです」
凛「だ、大丈夫なの? まゆも私もアイドルなんだしさ」
凛「ヤケドでもしたら大変だよ」
まゆ「安心してください。そこらへんも考えてますから」
――――
晶葉「それじゃあこれより、凛とまゆの熱湯風呂対決を始めるぞ」
晶葉「私が作った熱湯風呂体験ロボはその名の通り、熱湯風呂を体験するロボであって」
晶葉「この中に入った者は、例え水でも熱いと思い込んでしまうんだ」
凛「見た感じどこにでもあるようなバスタブだけど」
晶葉「物は試しだ。指を入れてみてくれ」
凛「……」チャポン
凛「あっつぁ!?」ジャバッ
まゆ「きゃっ!? 顔にかかったじゃないですかぁ!」
まゆ「でもこれ水ですね」フキフキ
晶葉「そういうことだ。ヤケドなんてしないから、安心して対決できるぞ」
凛「身に染みて分かったよ」
凛「じゃあ早速、水着に着替えて…」
まゆ「待ってください」
凛「何?」
まゆ「私と凛ちゃんで戦って、すぐに勝負が決するのもいいですけど」
まゆ「団体戦でやった方が真剣勝負っぽくないですか」
凛「……」
まゆ「……」
凛「別に」
まゆ「と、とにかくです! 3対3で戦いましょうよ!」
まゆ「自分以外の他に、協力してくれるアイドルを2人つれて来てください!」
凛「ふーん、まあいいけど」スタスタ
まゆ「15分後くらいに集合してくださいね」
まゆ(くっ……一瞬私の敗北が頭をよぎってしまって、ついこんなことを……)
まゆ(怖気づいちゃ勝てるものも勝てないのに……)
↓1、2 凛が選んだアイドル2人
↓3、4 まゆが選んだアイドル2人
(15分後)
卯月「凛ちゃんのために! 島村卯月、頑張ります!」ニコッ
幸子「まあこういうのは慣れてますけど……本当に熱湯じゃないんですよね?」
凛「協力ありがとう。一緒に戦おう」
菜々「まゆちゃんの恋の戦い、ナナは応援しますよ!」
茜「熱い勝負なら任せてください!!」
まゆ「駆り出してしまってすみません。感謝します」
晶葉「人数は揃ったみたいだな。じゃあ本当にこれより対決を始めるぞ」
晶葉「ルールは勝ち抜き戦。相手の先鋒、中堅と倒して」
晶葉「最後に大将を倒した方が勝者だ」
晶葉「このロボについてまた説明する。熱湯風呂体験ロボはその名の通り(ry」
晶葉「――そして、熱さに耐えられず先に出てしまった方の負けだ」
晶葉「準備はいいか?」
凛「オッケー」
まゆ「いつでもどうぞ」
晶葉「では、先鋒前へ」
卯月「熱いの我慢できるかなぁ」バサッ
菜々「ウサミンに怖いものはないですよ!」バサッ
卯月・菜々「寒っ!?」ガタガタ
晶葉「ん? 暖房をつけたんだが、まだ寒いか。温度を上げよう」ピッピッ
凛「私たち水着の上にバスタオル羽織ってる状態だしね」
まゆ「あったかくなってから始めればよかったですね……」
菜々「心配は無用ですっ」スッ
卯月「入る準備ができました!」スッ
晶葉「よし、いくぞ! よーい」
晶葉「スタート!!」
ザブンッ
限界値が200を越えたらアウト
↓1 卯月
↓2 菜々
コンマ二桁をプラス
卯月:47
菜々71
卯月「熱い!? け、けど思ったより大丈夫かも」
菜々「あつっ!! あち、熱い!! こんなに熱いんですか!?」
幸子「今お二人が入ってるバスタブって、本当に同じ設定なんですか?」
晶葉「何度も確認したからな。人には熱い寒いの得意不得意があるし」
まゆ「菜々さんは卯月さんより苦手ってことですか」
茜「すごく楽しそうですね!!」
凛「あれ見てそう思えるのは茜くらいかもね……」
↓1 卯月
↓2 菜々
コンマ二桁をプラス
卯月:54
菜々:96
卯月「なんだか体がポカポカしてきました」
菜々「が、我慢っ……我慢っ……!」
幸子「卯月さんいい湯を満喫してませんか!?」
まゆ「あう、マズいです……! マズいですよぉ……!」アタフタ
晶葉「おかしいな。ちょっと設定を見てみる」スタスタ
凛(そのままでいいのに)
茜「居てもたっていられません!! 筋トレして汗を流します!!」
↓1 卯月
↓2 菜々
コンマ二桁をプラス
卯月:90
菜々:99
菜々「あ……ちょっと慣れてきたかも」
卯月「……」
卯月(やっぱり熱い! でも耐えないと!)
幸子「おお! 菜々さんが順応してきましたねぇ!」
まゆ「その調子ですよ菜々さん!」
凛「卯月、大丈夫かな……」
茜「腕立て伏せぇぇぇぇぇぇ!!」
晶葉「悪いが誰か茜を大人しくさせてくれ、気が散ってしまう」ピッピッ
↓1 卯月
↓2 菜々
コンマ二桁をプラス
卯月:161
菜々:103
晶葉「よし、再設定完了したぞ」
卯月「!? あちちちっ、熱いっ!」ザバッ
まゆ「卯月ちゃんが立ち上がった!」
凛「でもまだ出てない!」
晶葉「この場合、10秒以内に肩まで入らないと負けだ」
茜「頑張ってください卯月さん!!」
まゆ「茜さん私のチームですよね……」
まゆ「ところで菜々さんは?」
菜々「ばばんばばんばんばん♪ あびばのんのん♪」
まゆ(満喫してる)
↓1 卯月
↓2 菜々
コンマ二桁をプラス
卯月:202
菜々:105
卯月「ご、ごめんなさい凛ちゃん……!」
卯月「もう無理ですぅっ!!」ガバッ
幸子「ああ、とうとう出てしまいました!」
晶葉「勝負あり! 勝者、菜々!」
卯月「うう……ごめんね凛ちゃん……」
凛「いいんだよ。私のために頑張ってくれてありがとう」
茜「タオルどうぞ!!」スッ
卯月「ありがとうございます……。そういえば菜々さんは?」フキフキ
菜々「いっい湯っだっな♪ あははん♪」
まゆ「すっかり体を癒してます」
卯月「す、すごいですね」
菜々「……あれ? もう終わり?」
勝者:菜々
ここまでにします
続きは明日に
晶葉「さて、次の勝負は幸子と菜々だぞ」
卯月「また菜々さんですか?」
凛「そういえば勝ち抜き戦だったね」
幸子「ふふふ……心配ご無用ですよ凛さん」
幸子「ボクはこういうの得意なんです! 相手が熱湯に慣れた菜々さんとはいえ」
幸子「かるーく捻ってみせますからねぇ!」バサッ
まゆ(幸子ちゃんが得意なのってリアクションじゃないんですか?)
菜々「またお風呂に入れるんですね♪」ワクワク
茜「私も勝負したいのにー!!」ブンブン
晶葉「みんな静かに! 両者、用意はいいか?」
幸子「いつでもどうぞ」スッ
菜々「負けませんよ!」スッ
晶葉「それじゃあ……よーい」
晶葉「スタート!!」
コンマ二桁をプラス
↓1 幸子
↓2 菜々
菜々は前の勝負の数値を持ち越しで105からスタート
幸子:54
菜々:170
幸子「ふぎゃっ!? 確かにこれは……けど我慢できますよ……!」
菜々「あつっ!! 熱い熱いっ!!」
茜「菜々さんのリアクション!! さっきの入り始めとほとんど変わりません!!」
卯月「入った瞬間は熱いんですね。何ででしょう?」
凛「その調子だよ幸子! 頑張れ!」
まゆ「奈々さんファイトです!」
↓1 幸子
↓2 菜々
コンマ二桁をプラス
幸子:112
菜々:245
菜々「あついぃぃぃっ!?」ガバッ
ゴロゴロゴロ
卯月「バスタブから転げ落ちました!!」
まゆ「慣れるまでに耐えられなかったみたいですね……」スタスタ
まゆ「菜々さん、ありがとうございます。このご恩は一生忘れません」スッ
菜々「ま、まゆちゃん……ふふ、大げさですよ……」フキフキ
茜「菜々ちゃんが倒された!! ということは……!!」
茜「次は私の番ですね!!」バサッ
幸子「はは……同じようにかるーく捻ってみせます……」ゼェ ゼェ
凛「息が上がってるけど大丈夫?」
幸子「ちょっとだけ休ませてください……」
勝者:幸子
幸子「ボク、復活!!」シャキーン
幸子「準備は万端ですよ! いざ勝負です!」
茜「その心意気や良しです!! 熱い火花を散らしましょう!!」ゴゴゴゴ
卯月「茜ちゃんの熱気でこっちも暑くなってきます……」パタパタ
凛「厄介な助っ人だね……」
まゆ「ふふ、茜さんならこういう勝負に適任だと思いまして」
凛「うん。でも幸子だって芸人根性を見せてくれるよ」
幸子「ボクはアイドルですよ!?」
晶葉「両者整ったな? 位置についてくれ」
幸子「ったく、思わずツッコミ入れちゃったじゃないですか」スッ
茜「……」スッ
卯月「茜ちゃんが黙った!」ヒソヒソ
まゆ「真剣モードですね」ヒソヒソ
晶葉「よーい……スタート!!」
↓1 幸子
↓2 茜
コンマ二桁をプラス 幸子は112から
幸子:160
茜:11
幸子「あっちゃあ!! うわちゃっ! あちゃちゃ!!」ザバザバ
茜「むん!! 気合です!!」
まゆ「すごいです茜さんっ!」パチパチ
凛「幸子がブルースリーみたいな怪鳥音を出してる……」
卯月「きっと気合を入れてるんですよ!」
菜々(単に熱いだけでは……?)
幸子「ここ、このくらい全然平気ですからっ……!!」ピクピク
茜「私も負けませんよ!!」メラメラ
↓1 幸子
↓2 茜
コンマ二桁をプラス
幸子:166
茜:36
幸子「はあっ!!」グッ
茜「!?」
凛「幸子が不動の構えを発動した!」
幸子「とりあえず形から入ってみます!!」
茜「やりますね!! 勝負はやはりこうでなくては!!」
卯月「不動の構えって何ですか?」キョトン
菜々「凛ちゃんが考えただけだと思いますから、気にしない方がいいですよ」
まゆ「白熱してますね……熱いです、とっても」
↓1 幸子
↓2 茜
コンマ二桁をプラス
幸子:205
茜:55
幸子「ふっ……ぬぬっ……ぐぐぐぐぅ……!!」
卯月「あ! 幸子ちゃんの顔が真っ赤になってます!」
菜々「もう限界なのでは!?」
幸子「くうっ……り、凛さん……すみません……!!」
幸子「あっつい!!」ガバッ
晶葉「勝負あり! 勝者、茜!」
茜「やりました!!」ザバッ
凛「幸子っ」スタタタッ
幸子「り、凛さん……茜さんは強敵です……」
幸子「気をつけて……くだ、さ……」
ガクッ
凛「幸子ーーー!!」
菜々「いや、死んでませんから」
茜「敵ながら良い奴でした!!」
菜々「茜ちゃんも乗っからないでください!」
勝者:茜
晶葉「凛チームは、残すところ大将の凛のみ」
晶葉「まゆチームは茜とまゆの2人だが」
晶葉「どうする?」
凛「愚問だね。逃げるわけないじゃん」バサッ
凛「かかってきなよ茜。あんたを全力で倒してあげる」
茜「こっちも本気ですよぉ!!」シュッ シュッ
凛「仇をとらないと、幸子が浮かばれないしね」
幸子「あの、もうその流れはいいですよ……」
茜「敵ながら良い奴でした!!」
幸子「いいですってば!!」
晶葉「さあ最終決戦だ。両者位置についてくれ」
凛「……」スッ
茜「ワクワクします!!」スッ
卯月「これで茜ちゃんが勝てば、まゆちゃんの勝ちですね!」
まゆ「はい……」
まゆ(そうなれば嬉しいけど、凛ちゃんはプロデューサーさんのことになると)
まゆ(とっても強くなりますからね……)
菜々「どうしましたまゆちゃん?」
まゆ「いえ、何でもないです」
晶葉「いくぞ! よーい」
晶葉「スタート!!」
↓1 凛
↓2 茜
コンマ二桁をプラス 茜は55から
凛:62
茜:127
凛「ふーんっ……! け、結構余裕じゃんっ……!」
まゆ「我慢してるの見え見えですけど」
卯月「あ! 見てくださいまゆちゃん、茜ちゃんが!」
茜「……」プルプル
まゆ「か、完全沈黙してますね。どうしたんでしょう?」
幸子「いくら茜さんでも、ずっとあの中にいるのは無理ですからね」
幸子「限界が近づいてるってことですよ」
菜々「よく見ると小さく震えてますし……」
まゆ「茜さん……ありがとうございます……」ペコリ
↓1 凛
↓2 茜
コンマ二桁をプラス
凛:155
茜:151
凛「うっ! あ、あつっ……! あつつっ!」
菜々「凛ちゃんが熱がり出しましたよ!」
幸子「限界が見えてきましたね! 一方で茜さんは……」
茜「気……合……!! ですっ!!」ググッ
卯月「持ち直しました!」
まゆ「すごい……!」
凛「こ、ここで負けるわけには……!」
凛「負けるわけにはぁ……!」
晶葉(勝負は決まりか?)
↓1 凛
↓2 茜
コンマ二桁をプラス
凛:254
茜:153
凛「やっぱダメだっ!!」ガバッ
まゆ・卯月・幸子・菜々「!!」
菜々「凛ちゃんがバスタブから出た」
幸子「ということは……」
晶葉「勝負あり! 勝者、茜!」
晶葉「よってこの試合はまゆチームの勝ちだ!」
まゆ「や……やりました……」
まゆ「やりました! 勝ちましたぁ!」ピョンピョン
菜々「よかったですね、まゆちゃん」ニコッ
まゆ「そんな、私は何もしてません……」
まゆ「菜々さんたちのおかげです。助力していただき本当にありがとうございます!」ギュッ
菜々「えへ、いいんですよ! そういえば茜ちゃんは?」
茜「すー……はー……」
菜々「熱湯に浸かったまま悟りを開いてる!?」
まゆ「限界を突破して何か掴んじゃったんでしょうか……」
凛「うう……悔しい……」
卯月「凛ちゃんごめんね」
幸子「ボクがもっと体を張っていれば……」
凛「ううん、2人は充分すぎるくらい私に力を貸してくれたから」
凛「感謝の気持ちしかないよ。ありがとう」
卯月「凛ちゃんのためならいつでも駆けつけますからねっ!」
凛「卯月……嬉しい。あとで2人に菓子折りを持っていくね」
幸子「そこまでしなくてもいいですよ!!」アセアセ
第四回戦 勝者:まゆ
凛 ●●●○○○○ まゆ ●○○○○○○
――――
凛「まゆの勝ちか。そう上手くはいかないよね」
まゆ「私というより菜々さんと茜さんの勝ちですけどね」
凛「謙虚だね。っていうか、さっきの勝負で分かったことがあるんだけどさ」フフ
まゆ「凛ちゃんもですか?」クス
凛「考えてることは同じかな」
凛・まゆ「私たちは良い友に恵まれている」
凛「ということが分かったところで、プロデューサーをかけた勝負を続けようか」
まゆ「せっかくお二人が繋いでくれたこの命、無駄にするわけにはいきません!」
凛「次は私が決めさせてもらうからね」
↓2 5回目、何で勝負するか
凛「相手のモノマネで勝負しよう」
まゆ「へ?」
凛「だからモノマネだよ。私がまゆの、まゆが私のモノマネをするの」
凛「それでどっちが上手くマネできてるか評価してもらって」
凛「点数の高かった方が勝利だよ」
まゆ「勝負の内容は分かりましたけど……誰に審査してもらうんですか?」
凛「私が3人連れてくる」
まゆ「インチキしないですよね?」
凛「当たり前でしょ、これは真剣勝負なんだから」
凛「ちゃんと評価してくれる人を選ぶよ」
凛「ちなみに勝負は明日やるから、それまでに練習しておいてね」
まゆ「分かりました」
凛「じゃあこれで……っと、肝心なことを言い忘れるところだった」
凛「モノマネ勝負は3回戦に別けてやる予定だよ。まず1つ目が相手の普段のモノマネ」
凛「生活感がポイントで、上手く特徴を捉えることが大事だね」
凛「服装とか髪型、顔もちゃんとマネしてね」
凛「そして2つ目。これは相手がアイドルの仕事をしてる時のモノマネをするの」
凛「当然だけど、素顔じゃなくてアイドルとしての顔を観察しないとダメだね」
まゆ(結構本格的な勝負なんですね)
凛「そして最後、3つ目だけど」
凛「相手のソロステージのモノマネをしよう」
まゆ「!?」
まゆ「あの、それってつまり……歌やダンス、何から何まで」
まゆ「全部丸ごとですか? 違いますよね?」
凛「当たり」
まゆ「1日じゃ無理がありませんか!?」
凛「私たちはプロじゃん。練習期間が短くても」
凛「それに間に合わせないと」
まゆ「1日は厳しいですよ……女優さんじゃないんですし……」
まゆ「むぅ……分かりました。頑張ってみます」
凛「それでこそまゆだよ。私もこれから猛特訓して」
凛「まゆを完璧にコピーするからね」スタスタ
まゆ「楽しみにしてます」
まゆ「……」
まゆ(不安しかないですね。凛ちゃんのモノマネかぁ)
まゆ(意外と見落としてる癖とかありそうだし、映像か何かを見て確認したい)
まゆ(プロデューサーさんにお願いして借りてこようっと)スタスタ
ここまでにします
ポンコツまゆが出来上がっていく
――――
凛「プロデューサーから借りた映像を何度も見よう」
凛「ふーん……まゆってこういうところあるんだ」
凛「……コホン」
凛「まゆ、プロデューサーさんのこと大好きですぅ」
上のは無しでお願いします
今から始めます
――――
凛「プロデューサーから借りた映像を何度も見よう」
凛「ふーん……まゆってこういうところあるんだ」
凛「……コホン」
凛「まゆ、プロデューサーさんのこと大好きですよぉ♡」
凛「ダメだこんなんじゃ。全然なりきれてないし」
凛「やっぱり脳に焼き付くまで見ないと」ジー
――――
まゆ「凛ちゃんって、アイドルやってる時はカッコいいんですよね」
まゆ「何でプロデューサーさん絡みになるとおかしくなるんでしょうか」
まゆ「あっ。ここはポイントかもしれません」メモメモ
まゆ「これからダンスと歌も練習しなきゃいけないなんて……あまり眠れませんね」
まゆ「ん? 今のところ、巻き戻しでもう一度」ピッ
――――
――――
凛「まゆってファンの人にもこんな笑顔するんだ」
凛「そうだよね。やっぱり応援してもらえると嬉しいし」
凛「っと、そろそろダンスの練習しないと」
スタスタ
凛「まずはここから……」
凛「1、2、3、4、5、6、7、8」キュッ キュッ
凛「1、2、3、4、5、6、7、8」キュッ キュッ
――――
まゆ「ふーん、は重要ですよね」
まゆ「花の知識も入れておいた方がいいですよね……やることたくさん……」
まゆ「もうこんな時間ですか。歌の練習をしましょう」スッ
まゆ「ずっとつーよく♪ そうつーよく♪ あのばーしょへー♪」
――――
(翌日)
未央「さあ始まりました! 第一回アイドルマスターシンデレラガールズっ」
未央「チキチキ! 似てるのはどっちだ、凛VSまゆモノマネ対決ー!」
未央「司会は私、本田未央が務めさせていただきます!」
まゆ「タイトルの盗作疑惑が色濃いんですけど」
まゆ「っていうか、司会って必要ですか?」
凛「盛り上がるからね。続けて未央」
未央「了解ー! まずは、今回のこの企画に審査員として協力してくださる」
未央「3人の審査員をご紹介します!」
未央「まず1人目! 働きたくないけどやる時はやるぜ!」
未央「双葉杏さん!」
杏「アメを大量にもらったし、ちゃんとやるよー」
未央「そして2人目! 元地方アナのクールなお姉さん!」
未央「川島瑞樹さん!」
瑞樹「面白そうだから参加しちゃった。よろしくね♪」
未央「そして3人目! 野球大好きキャッツ愛!」
未央「姫川友紀さん!」
友紀「よろしくねー!」
まゆ「人選がよく分からないです」
凛「杏は紹介通りやる時はやるし、公平な目で見てくれると思う」
凛「瑞樹さんも冷静に見極めて評価してくれると思うし」
まゆ「凛ちゃんの主観じゃないですか……」
凛「友紀は、野球モノマネとかよく見てるし、自分でもやってるから」
凛「こういう審査も上手くやってくれると判断した」
まゆ「友紀さんだけ具体的ですね」
瑞樹「心配しないで。しっかりやるから」グッ
未央「ということで、早速第一回戦に移りましょう!」
未央「2人とも準備の方をお願いします!」
凛「まゆのモノマネ、最後の最後まで練習したんだ」
凛「自分を見ているようで驚くかもね」スタスタ
まゆ「こっちのセリフですよ、凛ちゃん」スタスタ
(数分後)
未央「さあ、整ったようです!」
未央「先攻は渋谷凛さん! 佐久間まゆさんのモノマネで、どうぞー!」
スタスタ
凛「皆さん、こんにちは。佐久間まゆです♡」
杏「おー」
瑞樹「歩き方とか仕草とか、観察してるわね」
友紀「声も寄せてますね!」
凛「えっと、今から普段のまゆを見せたいと思います」
凛「まずはプロデューサーさんを見つけた時のまゆ」
凛「……あ、プロデューサーさん!」
ヒュンッ
凛「お仕事お疲れ様です♡ 今から帰るんですか?」
杏・瑞樹・友紀(一瞬で移動した!?)
凛「そうなんですか、実は私もなんです」ニコッ
凛「ちょうどレッスンが終わったところで……一緒に帰りませんか?」
凛「うふ、ありがとうございます♪」
杏「あー……あんな感じだね」
友紀「あるある。たまに見かける」
瑞樹「あの移動を再現するなんて凄いわね……」
凛「続きましてー」
凛「プロデューサーさんが寝てるのを発見した時のまゆ」
凛「プロデュ……あっ」
凛「寝てる……お疲れなんですね。ふふ、寝顔可愛い♪」
凛「……」キョロキョロ
友紀「あ」
瑞樹「まさか」
凛「プロデューサーさんが寝てるのがいけないんですよぉ……」ソー
凛「はぁ……! はぁ……!」
杏「怖い怖い!」
凛「んー……はっ! ぷ、プロデューサーさん起きてたんですか!?」
凛「いえ、今のは……気のせいですよ♪ うふふ♪」
凛「チッ」
瑞樹「見たことないけどやりそうね」
友紀「やりそうですね」
凛「続きましてー」
杏「まだあるんだ。レパートリー多いね」
(3分経過)
凛「以上です。ありがとうございました」ペコリ
パチパチパチ
未央「ありがとうございましたー!」
未央「いやー素晴らしかったですね! たっぷりやっていただきました!」
未央「次のまゆさんも準備できているようです! いきましょう!」
未央「佐久間まゆさんで、渋谷凛さんのモノマネ!」
スタスタ
まゆ「……え? 何これ、何かの大会?」
まゆ「ここで普段の私を見せろって? 急に言われても……」
瑞樹「へー、上手いわね」
杏「特徴を抑えてるよ」
友紀「まゆちゃんあんな声出せるんだ」
まゆ「分かったよ。じゃあまずは」
まゆ「ハナコと遊んでる時の私」
まゆ「……おいでハナコー、ハナコー?」
まゆ「はーいよしよし、良い子だねー可愛いねー」ナデナデ
友紀「顔がへにゃってる」
杏「似てる、あんな風になるよ」
瑞樹「私はちょっと分からないけど、凛ちゃんはこういう一面もあるんだって」
瑞樹「自然と思えちゃうわ」
まゆ「次は……プロデューサーを見つける時の私」
友紀「対抗してきたね」
瑞樹「違うわよ友紀ちゃん。さっきは見つけ『た』」
瑞樹「これは見つけ『る』時だから」
杏「めっちゃ興味あるよ」
まゆ「プロデューサーどこだろ……探してみよう」スッ
まゆ「クンクン……スーハー……クンクン……」
瑞樹「何を嗅いでるのかしら」
杏「ハンカチか何かだと予想。凛ちゃんは服の中にプロデューサーの私物を忍ばせてるから」
友紀「ひえっ」
まゆ「よし、探そう」
まゆ「クンクン……こっちだね……」スタタタッ
まゆ「次の角を右に曲がって……ここは角を曲がらず前進」タタタタ
友紀「迷うことなく走ってるんだけど!?」
杏「これマジ?」
まゆ「あと50m……40……30……」
瑞樹「ど、どんどん近づいてるわ」
まゆ「10……発見!!」スタタタッ
杏「見つかった! 獲物を狩る肉食動物の走りだ!」
瑞樹「恐ろしいわね。嗅覚で探し当てたの?」
友紀「目的地にプロデューサー置いとけば良いカーナビになりそう」
まゆ「続きまして」
友紀「こっちもまだネタがあるんだ……」
(3分経過)
まゆ「これで終わりだよ。こんなんでいいかな?」
パチパチパチ
未央「ありがとうございましたー!」
未央「こちらもボリュームのある見事なモノマネでしたね!」
未央「では審査に入ります! 審査員の方が点数をつけ終わるまで」
未央「凛さんとまゆさんにお話を聞いてみましょう! どうぞ!」
スタスタ
凛「私はあんな逃走中のハンターみたいな走り方じゃない」グチグチ
まゆ「そうですか? 凛ちゃんだって、私の移動の仕方を盛ってましたよねぇ?」グチグチ
未央「喧嘩はやめましょう。あと司会の私から見たら2人とも激似でしたよ」
未央「ところで、勝負が始まる前に『最後の最後まで練習した』と話してましたけど」
未央「その成果が出ていたと思います。手応えはどうですか?」スッ
凛「あるよ。でも最後の方に動きとかセリフをミスっちゃって」
まゆ「私もです……そこが心残りかなと」
未央「なるほど! でも練習時間は1日ですからね」
未央「それを考えたら素晴らしいパフォーマンスだったと思いますよ!」
未央「さあ、審査の方が終わったようです!」
未央「果たして、第一回戦はどちらの評価が高いのか!」
未央「点数の書いたボードを一斉に見せてください!」
杏・瑞樹・友紀「……」スッ
↓1、2、3 凛の点数
↓4、5、6 まゆの点数
コンマ二桁で、複数安価と連取りありです
杏の評価:凛78点 まゆ42点
瑞樹の評価:凛38点 まゆ85点
友紀の評価:凛25点 まゆ34点
未央「おお!? 杏さんは凛さんを高評価、まゆさんを低評価」
未央「瑞樹さんはその真逆です! 一方友紀さんは」
未央「2人とも低評価をつけました! これはどういうことなのか!」
未央「早速話を伺ってみましょう。まずは杏さん」
未央「凛さんに高評価をつけましたが?」スッ
杏「ずっとプロデューサー押しで攻めたのがよかったね」
杏「ただ似てるだけじゃなく面白かったからさ。杏のツボかも」フフ
未央「その点で言うと、まゆさんのモノマネも面白かったように見えますけど」
杏「んー、まあよかったんだけどね。凛ちゃんはシンデレラガールズで一緒に過ごしてきた仲だから」
杏「まゆちゃんよりは知ってるっていうか。もう少し踏み込んで欲しかった」
杏「1日でここまでやったっていうのはすごいけど、それを審査基準に入れていいのかも悩んだんだ」
未央「結局入れなかったと」
杏「うん、ごめんね」
まゆ「いえ、いいんですよ。むしろ真剣に評価していただいて嬉しいです」ニコッ
未央「杏さん、ありがとうございます!」
未央「続いて瑞樹さん! この評価の理由は?」スッ
瑞樹「私も面白さの差かしら。もちろんどっちも楽しめたんだけど」
瑞樹「凛ちゃんの嗅覚シリーズ、あれずっと見れるわ」クスクス
まゆ「嬉しいです!」
未央「ほうほう、ここまでの話を聞くと」
未央「個人の笑いのツボで評価が別れたようですね」
未央「しかし、友紀さんはどちらも低評価です! 何故でしょう?」スッ
友紀「……」
未央「友紀さん?」
友紀「あ、あのね……弁解させて欲しいんだけど」
友紀「あたし、練習時間が1日っての聞いてなくてさ」
未央「ええ!?」
友紀「さっき未央ちゃんの言葉で初めて知って」
友紀「頭が混乱して……結局そのまま出しちゃったんだ」
凛「私が伝え忘れてたんだね……ごめん」ペコリ
友紀「いいんだよ! 私が聞き逃してただけかもしれないし!」
友紀「1日でこれなら、2人にそれぞれ+50はあげたよ?」
まゆ「それを聞いて安心しました」ホッ
未央「なんということでしょう! 思わぬアクシデント? に見舞われましたが」
未央「申し訳ありません……! 審査はこのまま進めさせていただきます!」
未央「第一回戦での評価は、凛さんが141点。まゆさんが161点」
未央「まゆさんが僅かにリードしています! ちなみに、この対決の最終結果は」
未央「一回戦、二回戦、三回戦の点数を合計して、より大きかった方の勝利となります!」
未央「その第二回戦を、休憩を挟んでから行いますのでよろしくお願いします!」
(休憩後)
未央「あーあー、マイクテス」トントン
未央「休憩が終わり、今から第二回戦を始めたいと思います!」
杏(何であんなに元気なんだろ)
未央「テーマは『アイドルのあいつ』! アイドルとして頑張っている相手のモノマネをしてもらいますよ!」
未央「さっきは凛さんが先攻だったので、次はまゆさんから始めます! どうぞー!」
スタスタ
まゆ「え? 嘘、またここでモノマネやるの?」
まゆ「仕事でもないのに……分かったよ、やればいいんでしょ」ハァ
瑞樹「入り込んでるわね」
友紀「アイドルとしての凛ちゃんかー、楽しみ」ワクワク
まゆ「んーと、まずは握手会の私」
まゆ「ありがとうございます」ギュッ
まゆ「へー、そんな遠いところからわざわざ? すごく嬉しいです、ありがとうございます」ギュッ
まゆ「……ふふ、可愛いお客さんだね。そっか、私の曲聴いてくれてるんだ」
まゆ「ありがとう。頑張るよ」ニコッ
杏「今のは小さい女の子だね」
友紀「握手する姿が想像できるね」ホッコリ
まゆ「!!」
瑞樹「あら? すごい衝撃を受けてるわ」
まゆ「……プロデューサー、何してるの」
杏「プロデューサーが一般客に紛れて来たパターンか」
友紀「そんなパターンあるの!?」
瑞樹「もしもシリーズじゃないかしら」
まゆ「……ありがとうございます」ギュッ
杏「普通に握手した。てっきりそのまま自分の胸に押し当てるかと」
友紀「やりそうだけど……さすがにそんなことしないでしょ」
瑞樹「他のお客さんもいるしね」
まゆ「次の方、どうぞ」ニコッ
友紀「おお! 我慢した!」
瑞樹「ええ、そうね」
まゆ「……」グリグリ
瑞樹「自分の足をグリグリ踏んで、痛みで欲望を紛らわしながらね」
友紀「そこまでする!?」
瑞樹「プロ意識を優先したのよ。涙ぐましいわ」
まゆ「続きまして、舞台に出演する私」
まゆ「分かってるっ! そんなこと言わなくたって、分かってるよっ!」
瑞樹「これは……去年やったやつね」
友紀「アイドルたちのみで上演した演劇ですねー。懐かしいです」
まゆ「私だって……理解してる。もうあの人は戻ってこないって……」
まゆ「でも、すぐに忘れられるわけないでしょ? あんなに好きだったんだよ?」グスッ
杏「演じてる人を演じてる。これはポイント高いよ」
まゆ「続きまして。もしその舞台中にプロデューサーのパンツが落ちてたら」
友紀「何その設定!?」
瑞樹「いいじゃない、結構こういうの好きよ」
途中ですがここまでにします
続きはまた明日に
まゆ「ううっ……ぐすっ……」
まゆ「……!」
友紀「気づいた」
杏「床に落ちてるよ。どうする」
まゆ「……うわぁぁぁんっ、うっ、うっ!」
まゆ「ふぇっ、んぐっ……うぅぅっ……!」バタンッ
杏「大泣きして床に崩れ落ちたね」
まゆ「ぐすんっ、ふぇぇぇぇんっ」コソコソ
杏「あっ、今! 今服の中に忍ばせたよ!」
瑞樹「自然といえば自然ね」
友紀「あんなに大泣きするシーン無かったですけどね……」
まゆ「ごめん……感情的になっちゃったね……」スッ
まゆ「もう落ち着いたから……ハンカチ? ありがとう」ニコッ
まゆ「続きまして」
友紀「切り替えはやっ」
(3分経過)
まゆ「終わりだよ」
未央「はいありがとうございまーす!」
パチパチパチ
未央「迫真の演技でしたねー! 演技してる凛さんにそっくりでした!」
未央「次の凛さんはこれを越えてくるのか!? 見ていただきましょう、どうぞー!」
スタスタ
凛「みなさんこんにちは♡ 今からアイドルのまゆを再現します♪」
凛「最初は、料理番組の生放送に呼ばれた時」
凛「事あるごとに呟いて騒ぎを起こしてしまったまゆ」
杏「あー……」
瑞樹「あの時ね」
凛「では今から、まゆ特製ペペロンチーノを作っていきます♪」
凛「あらかじめ沸かしておいたお湯大さじ2杯と」
凛「固形のコンソメ1/2を合わせて、溶かしておきます」
凛「……私はプロデューサーさんへの愛も入れるんですけどね……」ボソッ
友紀「聞き取れないくらい小さな声だ」
凛「ベーコンとほうれん草を炒めます」サッサッ
凛「これを食べて喜んでくれるプロデューサーさんの笑顔を頭に思い浮かべながら」ボソッ
瑞樹「とてつもない早口」
杏「ダメだ、耳を澄ませても無理」
凛「最後に半熟卵を乗せて、完成です♡」
凛「プロデューサーさんに食べさせてあげたい」ボソッ
杏「口もほとんど動いてなくて腹話術状態なんだよねー」
友紀「ネットでは幽霊の声だとかスタッフの声が紛れたとか騒がれたっけ」
瑞樹「結局謎のまま騒ぎが収まって……内容を知ってるのは346のアイドルたちだけよね」
凛「……初の料理番組で……普段やってることが抑えきれなくて……ごめんなさい……」シュン
杏「反省してる姿も似てる」
凛「続きまして、サイン会でのまゆ」
凛「お名前聞いてもいいですか? ……はい、○○さんですね♪」キュッキュッ
凛「応援ありがとうございます」ニコッ
凛「△△さんですか、素敵なお名前ですね♪」キュッキュッ
凛「ありがとうございます」ニコッ
瑞樹「サインまで似せてきてるわ、すごい」
杏「やるね凛ちゃん」
凛「!!」
友紀「衝撃を受けてるよ。このパターンは……」
凛「プロ……じゃなくて□□さんですね」キュッキュッキュッキュッ
瑞樹「プロデューサーがやって来たみたい」
友紀「名前聞かずにすごい書き込んでるよ」
杏「まあ私たち知ってるし」
凛「はい、どうぞ」スッ
杏「他の人にサインする時間と同じだ」
友紀「わぁ……ハートマークとかアイラブユーとか……」
杏「自分を抑えきれなかったか」
凛「続きまして」
(3分経過)
凛「ありがとうございました」ペコリ
パチパチパチ
未央「サインまで似せてくるとは驚きでしたね!」
未央「二回戦もレベルの高いものでした! 審査員の方は審査をお願いします!」
未央「その間に、熱い勝負を行ったお二人に話を伺いますね!」
スタスタ
まゆ「あの騒ぎを掘り返されるとは思いませんでした……」
凛「私はあんな風に泣かず、もっと上手く忍ばせられるよ」
未央「まあまあ落ち着いてください。お二人とも素晴らしかったですよ!」
未央「一回戦と比べて、手応えはどうです?」スッ
まゆ「自信はないですね」
凛「私は上手くできたのとやっちゃったのがあったから、何とも言えないかな」
未央「ふむふむ、両者とも不安を隠せない様子ですね……」
未央「ですが! 審査員の方々がどう評価したのかは別です!」
未央「点数がつけ終わったようですね! それでは一斉に、どんっ!」
杏・瑞樹・友紀「……」スッ
↓1、2、3 凛の点数
↓4、5、6 まゆの点数
コンマ二桁 複数安価、連取りありです
杏の評価:凛39点 まゆ81点
瑞樹の評価:凛12点 まゆ67点
友紀の評価:凛92 まゆ61点
未央「ほう、これは……まゆさんの点数が平均して高いですね」
未央「凛さんは友紀さんがかなりの高評価。しかし杏さん瑞樹さんからは厳しい評価です」
未央「杏さんから話を聞いていきます! 何故この点数を?」スッ
杏「凛ちゃんはねー、さっきのはよかったんだけど」
杏「クオリティが落ちちゃってるかなぁ。面白さももう一つ」
杏「まゆちゃんはこっちの方が練習してる感があってよかったよ」
未央「なるほど! 見るとこ見てますね」
未央「瑞樹さんはどうですか?」スッ
瑞樹「杏ちゃんのコメントと同じになっちゃうんだけど」
瑞樹「さっきより質が今ひとつで、どうしても物足りなかったわね」
瑞樹「頑張ってるのはとても伝わってくるんだけど……厳しく評価させてもらいました」
凛「くっ……精進します……」
瑞樹「まゆちゃんは、何ていうのかしら。誇張が面白くて良かったんだけど」
瑞樹「凛ちゃんのアイドルとしてのテンションを、もっと意識して欲しかったかな」
瑞樹「演劇でも、もっとクールな感じだったでしょ?」
まゆ「そうですね……その通りです」
瑞樹「普段の凛ちゃんならまた高評価をつけたんだけど、これはアイドルの凛ちゃんだから」
瑞樹「できればあそこはやり過ぎず、控えめにして欲しかったな」
未央「うーん、さすがは瑞樹さん! 冷静に判断してますね!」
未央「最後に友紀さん! 今度はご自分の思うままの点数をつけたんですよね」スッ
友紀「ちゃんとつけさしてもらったよ! 他の2人はこう言ってるけど」
友紀「あたしは良かったと思うよ? 1日でこれなら充分すぎるよ!」
友紀「まゆちゃんも同じ理由なんだけど……点数の開きは、面白さの差かなぁ?」
未央「笑いのツボということでしょうか? ありがとうございます!」
未央「第一回戦、第二回戦の点数を合計すると、凛さんが284点!」
未央「まゆさんが370点! 大きく差をつけています!」
未央「このまままゆさんが逃げ切るのか、凛さんが逆転するのか」
未央「対決は最終決戦へ移ります!!」
(休憩後)
未央「とうとう第三回戦までやってきました! 内容はなんと、ソロステージモノマネ!」
未央「相手のソロステージ、すなわちダンスや歌を全て完璧にモノマネしなければいけないという」
未央「超難関! とんでもないことなのです!」
未央「先攻は凛さん! 後攻はまゆさんとなっております! 楽しみですね杏さん!」スッ
杏「そうだね。杏ならアメもらってもやりたくない対決だけど」
未央「10連休ならどうです?」
杏「……」
友紀(迷うんだ)
杏「それは置いといて、この対決は今までより『似てるか似てないか』で判断されると思うからキツいよね」
瑞樹「面白さじゃ誤魔化せない、まさしく真剣勝負ね」
未央「真剣勝負! 燃えてきますね!」
未央「お? どうやら準備オッケーとのことですので」
未央「いよいよ始まりますよ! まずは凛さん扮する佐久間まゆさんのソロステージ!」
未央「どうぞー!!」
~♪ ~♪
凛「♪」キュッキュッ
杏(ピンクの衣装だ、当たり前だけど)
瑞樹(なりきってるわね)
友紀(可愛いー)
凛「~♪ ~♪」
杏(ふむ……)
瑞樹(歌い方もまゆちゃんみたいでいいわね)
友紀(めっちゃ可愛いー)
――――
凛「~♪ ~♪」
友紀(肝心なサビだ)
凛「~♪ ~♪」
杏(んー……)
瑞樹(なるほどね)
――――
~♪ ~♪
凛「♪」キュッキュッ
キュッ
パチパチパチパチ
未央「渋谷凛さんで、佐久間まゆさんのモノマネ『エヴリデイドリーム』でした!」
未央「お話を伺いましょう! 凛さんどうぞこちらへ!」
凛「ありがとうございました」フゥ
未央「とても可愛らしくて良かったですよー! やりきったご感想は?」スッ
凛「言っちゃうと、練習時間をせめて1週間に伸ばせばよかったかなって……」
凛「ミスも多くて納得してないし、無謀だったね。反省してるよ」
未央「ご自分でも厳しい評価ですね。アイドルとしての顔が出てしまっています!」
凛「でも1日でできるところまではやったから」
凛「審査員の人がどんな評価をしても受け入れるつもりだよ」
未央「非常に謙虚ですね! ありがとうございました!」
瑞樹(プロデューサーをかけた勝負だってこと忘れてるわね)フフ
未央「次の用意もできたみたいですね! まゆさん扮する渋谷凛さんのソロステージです!」
未央「どうぞー!!」
まゆ「~♪ ~♪」
まゆ「~♪ ~♪」
キュッキュッ キュッキュッ
瑞樹(歌い出しいいじゃない)
まゆ「~♪ ~♪」
友紀(……)
杏(……)
――――
まゆ「~♪ ~♪」キュッキュッ
まゆ「~♪ ~♪」キュッキュッ
瑞樹(……)
杏(一杯一杯だね)
友紀(形はできてるんだよね……すごい)
――――
~♪ ~♪
まゆ「♪」キュッキュッ
キュッ
パチパチパチパチ
未央「佐久間まゆさんで、渋谷凛さんのモノマネ『Never say never』でしたー!」
未央「まゆさんどうぞこちらへ! ここで審査に入りますので凛さんも一緒にお願いします!」
また途中ですが、ここまでにします
続きは明日始めます
未央「まずはまゆさん! ステージを終えてどうでしたか?」スッ
まゆ「精一杯頑張りましたっ」
未央「おや、凛さんとは打って変わってすっきりした顔ですね。自信のほどは?」
まゆ「自信は無いです……ミスもありましたし」
まゆ「だけど、せめて生き生きとしながら披露することを心がけました」
未央「ほー、確かにとても楽しそうでしたね! 評価する上でも重要視されると思いますよー!」
未央「さてさて! これで対決は終了し、あとは審査員の方の評価を待つのみとなりました!」
未央「この評価で凛さん、まゆさんの命運が別れます!」
凛・まゆ「……」ドキドキ
未央「はい、どうやらたった今点数が決まったようですね」
未央「司会の私も緊張しております! 果たして勝利の美酒を飲むのは」
未央「凛さんか! まゆさんか! 審査員の皆さん!」
未央「ボードを見せてください!!」
杏・瑞樹・友紀「……」スッ
↓1、2、3 凛の点数
↓4、5、6 まゆの点数
コンマ二桁 複数安価、連取りありです
杏の評価:凛82点 まゆ21点
瑞樹の評価:凛47点 まゆ35点
友紀の評価:凛6点 まゆ50点
未央「出ました! 凛さんの点数は82点、47点、6点!」
未央「まゆさんの点数は21点、35点、50点!」
未央「合計すると凛さんが135点! まゆさんが106点!」
未央「さらに今までの点数も合計した最終結果は……!」
未央「凛さん419点! まゆさん476点!」
未央「まゆさんが50点ほどの差をつけて勝利です!!」
まゆ「や、やった……」
まゆ「やりましたっ!」グッ
凛「これは……かなり悔しいよ……!」グヌヌ
未央「おめでとうございますまゆさん! 今のお気持ちは!?」スッ
まゆ「これ以上ないくらい嬉しいです! 頑張って練習した甲斐がありました!」ニコニコ
未央「うんうん! 表情からも喜びが伝わってきますね!」
未央「凛さんっ、負けてはしまいましたけど、とても素晴らしいパフォーマンスでした!」スッ
凛「ありがとう……。まゆの底力にやられたって感じだね」
凛「本当に悔しい。プロデューサーの正妻に王手がかかってるのに」
瑞樹(思い出したわね)
未央「お二人のコメントを頂いたところで、審査員の方にもお話を伺いましょう!」
未央「杏さん、どうでしたか?」
杏「再現度で言えば凛ちゃんのが良かったし、丁寧に踊ってたから82点をつけたよ」
杏「まゆちゃんは、本人も言ってたけどミスが目立っちゃったね。第一回戦と第二回戦に力を入れてたのかな」
杏「何にせよ最終的な勝ちはもぎ取ったんだから凄いよ。おめでとう」
まゆ「ありがとうございます」ペコリ
未央「杏さんのコメントでした! 続いて瑞樹さん!」スッ
瑞樹「凛ちゃんもまゆちゃんも形にはなってたけど」
瑞樹「完成度が目についちゃってね……厳しい評価にしたわ」
瑞樹「でも1日でここまでできちゃうんなら、1週間や1ヶ月の練習期間を設けたら」
瑞樹「どれだけモノマネできちゃうのか気になるわね♪」
凛「個人的に練習して見せに行きます」
凛「瑞樹さんのモノマネで」
まゆ「私も」
瑞樹「それは……見たいような恥ずかしいような……」
未央「瑞樹さん、ありがとうございました!」
未央「そして最後は友紀さんです! 凛さんの評価が一桁ですね?」スッ
友紀「んー、厳しくし過ぎちゃったかも……」
友紀「凛ちゃんは、1日とは思えないほどよくやれてたんだけど」
友紀「こなしてる感が拭えなくってさ」
未央「と言いますと?」
友紀「心の底から表現できてなかったっていうか」
友紀「楽しんでないっていうのかな? ほら、お客さんを楽しませるには」
友紀「自分も楽しまなきゃいけないって言うでしょ? 笑顔じゃなくなった瞬間もあったし」
凛「むむ……そうだね。歌と踊りの確認に必死で、気が回らなかったかも」
凛「参考になったよ」
友紀「いやそんな!」アタフタ
未央「まゆさんの心から楽しむという意識が、結果に表れたようですね!」
友紀「うん、完成度は凛ちゃんだけど、まゆちゃんのは見ててワクワクしたんだ」
友紀「あたしの評価のポイントは、質より気持ちだね」
未央「感慨深いお言葉、ありがとうございました!」
未央「さあ、勝敗も決しましたし」
未央「私はそろそろ仕事があるので、これにて第一回アイドルマスターシンデレ(ry」
未央「を、終了します! ありがとうございましたー!」
第五回戦 勝者:まゆ
凛 ●●●○○○○ まゆ ●●○○○○○
今さらだが7回勝負の4本先取なら白い○4つでよくね?
――――
凛「なんか、こうして2人で対峙するのが久しぶりに思えるよ」
まゆ「予想以上に大掛かりな勝負でしたからね……」
まゆ「それはともかく、あと1勝すれば凛ちゃんに追いつきますね」
凛「ちょっと焦ってる。1勝くらい余裕と思ってたから」
凛「まゆだって本気なんだよね……しっかりしないと」
まゆ「そのまま楽勝ムードに浸ってくれてれば助かったんですけどねぇ」
まゆ「次の勝負は誰が決めますか?」
凛「まゆでいいよ。さっきは私が決めたから」
まゆ「その優しさが命取りになるかもしれませんよ」フフ
凛「もう油断はしないから」キリッ
まゆ「それでこそ私の恋敵です♪」
↓2 6回目、何で勝負するか
>>242
言われて気づきました…
指摘ありがとうございます
凛「ちょっと待って、なんて言った?」
まゆ「心霊スポットを巡って、より多くの霊に憑かれた方の勝ちです」
まゆ「名づけて『幽霊キャッチチャレンジ』」
凛「ポップな名前つけないでよ! ねえ、他の勝負にしない?」
凛「心霊スポットって軽はずみに訪れたらヤバいらしいし」
まゆ「本当に危険な場所にさえ行かなければ大丈夫ですよ。多分」
凛「多分て」
まゆ「それに、心霊特番に出演する際の予行演習にもなりますし」
凛「断るからいいよ……。え、本当にその勝負にするの?」
まゆ「もう決定ですよ。移動手段とか考えなきゃいけませんね」
凛「……」
凛(すごい憂鬱)ズーン
(当日)
まゆ「今回の勝負を行うにあたって、お手伝いをしてくれることになった方々を紹介します」
凛「だよね! 私たち2人だけじゃ心細いもんね!」
凛(よかった)ホッ
まゆ「まず1人目は、目的地を移動するためのワゴン車を運転してくださる」
まゆ「千川ちひろさんです!」
ちひろ「よろしくお願いします」ペコリ
凛「ちひろさん、ありがとうございます」ペコリ
凛「でも何でこんな事引き受けてくれたんですか?」
ちひろ「まゆちゃんに頼まれたので。お仕事も終わって暇でしたし」
凛「さすがですね。で、いくら握らされたんですか」
ちひろ「お金は絡んでません!!」
まゆ「ちひろさんは厚意で動いてくださったんですよ」
凛「そうなんだ……失礼しました」ペコリ
ちひろ「全くもう! すぐ人を金銭欲の化身みたいに!」プンプン
まゆ「そして2人目は、私たちに憑いた幽霊の数を確認してくれる」
まゆ「白坂小梅ちゃんです」
小梅「よろしくお願いします……」ペコリ
凛「心強いよ小梅、ありがとう」
小梅「任せて……」グッ
まゆ「以上です。2人とも改めてよろしくお願いします」
凛「え? 終わり?」
まゆ「終わりですよ」
凛「私とまゆに同行してくれるアイドルとかいないの?」
まゆ「いませんよ。そんなことしたら同行してくれたアイドルにも憑いちゃいますし」
凛「そこはチーム戦でいいじゃん! 1人で歩き回るなんて嫌だよ!」
まゆ「でも、今から電話で呼び出して来てくれる人なんて……」
凛「ダメもとでいいからさ、お願い! この通り!」
まゆ「分かりました。幸い時間に余裕を持たせてありますから」ピッピッ
↓2 凛とまゆ2人で行くか or 同行するアイドルを連れて行くか
まゆ「もしもし? まゆです。実は……」
ちひろ「いないと思いますよー。凛ちゃんとまゆちゃんの個人的な勝負だと理解した上で」
ちひろ「心霊スポットに一緒に行って幽霊に憑かれて欲しいなんて説明したら」
凛「ですよね……」ハァ
小梅「元気出して……いざとなったら……」
凛「小梅がついて来てくれるの!?」
小梅「友達の幽霊に頼んでみるから……」
凛「やめて! いや、勝負で有利になるか! でもやっぱ無理!」
――――
まゆ「ありがとうございます。それでは」ピッ
凛「どうだった……?」
まゆ「来てくれるらしいですよ、2人」
凛「っし!」グッ
凛「誰が来てくれるの? その心優しい女神の名前を教えて欲しい」
↓1 凛に同行するアイドル
↓2 まゆに同行するアイドル
――――
乃々「まゆさんに呼ばれて来たんですけど……」スタスタ
飛鳥「とても酔狂な催しを行うと聞いて、自分の心のざわつきを抑えられなかったよ」スタスタ
凛「乃々! 飛鳥!」ギュウッ
乃々「苦じいんでずけど……!」
飛鳥「熱烈な歓迎だね。で、ボクはどっちにつけばいいんだい?」
凛「私と乃々で巡るよ」ギュッ
乃々「放してくださいぃ……くるしい……」
凛「あ、ごめんね……」パッ
飛鳥「すると必然的に、ボクはまゆさんとペアを組むのかな」
まゆ「そうなりますね。よろしくお願いします♪」
飛鳥「こちらこそ」
小梅「これでメンバーは揃ったんだよね……?」
ちひろ「では行きましょうか。車は近くに止めてありますから、移動しましょう」
――――
凛「ところでさ、2人は何でこの誘いに乗ってくれたの?」
乃々「私は……まゆさんに、参加してくれたら好きなもの買ってあげると説得されて……」
ちひろ(物で釣ったんですね)
飛鳥「それなら、かなり値の張るものを要求しないと釣り合わないだろうね」
乃々「いえ、そんなこと……! ただ、ちょうど今……欲しいけど手の届かない物があって」
乃々「つい欲が出てしまって……」
凛「珍しいね。そんなに欲しいんだ」
乃々「はい……」
小梅「飛鳥ちゃんは……?」
飛鳥「心のざわつきを抑えられなかったから。止めようと思ってもうるさく響くんだよ」
飛鳥「一体これは何なのか……正体を明かすには、直接行って確かめるしかない」
凛「好奇心?」
飛鳥「かもしれないけど、ボクはその答えで納得していないんだ」
ちひろ(飛鳥ちゃんはいつも変わりませんね……)
凛「ふーん……何にしても、ありがたいよ」
凛「まゆもありがとうね。私の要望を聞き入れてくれて」
まゆ「……」
凛「まゆ?」
まゆ「はい、何ですか?」
凛「だから、私の要望を聞き入れてくれてありがとうって」
まゆ「そんなことですか。いいんですよ」
まゆ「あまりに怖がりすぎて、勝負にならない状況は避けたいですから♪」ニコッ
凛「へ、へぇー……ずいぶん余裕だね。まゆだって…」
凛(あれ? そういえば)
凛(まゆって幽霊とかこういうの、大の苦手じゃなかったっけ)
凛(なのに、わざわざ自分から提案までするなんて)
ちひろ「もうすぐ着きますからねー」
まゆ「とっても楽しみですね♪」
凛(克服した? そんなはずは……)
小梅「みんな……聞いて……」
小梅「今から行く、心霊スポットの説明をするからね……」
乃々「ひぃっ……!?」プルプル
凛「い、いいよしなくても。怖いし」
小梅「ダメだよ……こういうの醍醐味なんだから……」フフ
ここまでにします
続きはまた明日に
小梅「そこはね……事故が起きたとか、事件があったとか……」
小梅「それらしい噂はないんだけど……立地や構造に問題があって……」
小梅「悪い気が溜まりやすい廃墟なんだって……」
飛鳥「問題というのは?」
小梅「例えば、水場の位置が悪かったり……玄関と大窓が一本の通路で繋がってたり……」
小梅「とにかく、幽霊が好むような構造らしいよ……」
凛「……」
乃々「わわ私……や、やっぱり車で待機してます……!」
凛「だだダメだよ! ここにいるってことは参加するってことだからね」ギュッ
乃々「じゃあ降りますっ……! 降ろしてください……!」ジタバタ
まゆ「……」
凛(まゆ、やっぱり平気そう。本当に克服したの?)
――――
ちひろ「それでは、私と小梅ちゃんは車内待機してますので」
小梅「まずは一組、ぐるりと回ってきてね……」
凛「私と乃々は後でいいよ、ってか後がいい」
まゆ「しょうがないですねぇ。行きましょうか飛鳥ちゃん」
飛鳥「え? あ、ああ……そうだね」
まゆ「ふふ、怖いんですか?」
飛鳥「怖いに決まってるだろう。あんな話まで聞かされて」
飛鳥「けど、せっかくここまで来たんだし……未知の世界を彷徨うことにするよ」スタスタ
まゆ「じゃあお先に失礼しますね♪」
スタスタ
乃々「あうぅ……何か視線を感じます……」
小梅「大丈夫……今のところ見かけないし……」
凛「それを聞いて安心したよ」ホッ
グー…
乃々「ひぅ!? いい、今の何ですか! 唸り声がしたんですけど!」
ちひろ「すみません、私のお腹の音です……」カァァ
凛「呑気ですね……」
ちひろ「あはは、お昼は軽めに済ませたので。これが終わったらコンビニに寄りましょうか」
小梅「さんせー……」
――――
――――
飛鳥「ゴミが散乱している……マナーが守れない人間が多くいるものだね」
飛鳥「壁は落書きだらけ。ところどころ崩れ落ちている」
飛鳥「各部屋にドアが無いのは、誰かのイタズラか、取り壊されたのか」
飛鳥「うん、心霊スポットと称されるに相応しい不気味さだ」
飛鳥「寒気もするよ。気候によるもののみならいいんだが」
まゆ「……」
飛鳥「まゆさん? さっきから沈黙を貫いているけど」
飛鳥「せめて相槌くらいうって欲しい」
まゆ「え? ごめんなさい、何て言いました?」
飛鳥「……。一つ引っかかっていることがある」
飛鳥「これはまゆさんが、ボクに電話をしてきた時からの疑問なんだ」
飛鳥「聞いた話に寄ると、まゆさんは怖いものが凄く苦手らしいね」
飛鳥「なのにどうしてこんな企画を…」
ポチャン
飛鳥「!?」ビクッ
飛鳥「今のは……水滴の音……?」
飛鳥「水場が近くにあるのかな。こ、小梅の話だと」
飛鳥「水場の位置が悪いらしいね……ただでさえ、水のあるところは」
飛鳥「この世ならざる者が集まりやすいと……ん?」
まゆ「……」プルプル
飛鳥「……まゆさん」
飛鳥「脚にしがみつかれると動けないよ。放して欲しい」
まゆ「ご、ごめんなさい……」グスッ
飛鳥「泣いてるのかい?」
飛鳥「やっぱり怖いんだね、こういうの」
まゆ「はい……今すぐ逃げ出したいです……」ギュム
飛鳥(すごい密着してくる)
飛鳥「じゃあ何故こんな提案を? プロデューサーをかけた勝負か何なのか知らないけど」
飛鳥「もっと色んな方法があるだろうに」
まゆ「凛ちゃんに見せつけようと思ったんです」
まゆ「私が本気になれば、このくらいのことできるんだって」
まゆ「プロデューサーさんのためなら……弱点なんて克服できるんだって」
まゆ「頑張って怖い映画を観て、この日のために特訓もしたんですよ」
まゆ「でも、結果はこの通りです……怖いものは怖いです……」
飛鳥「当然さ。人はそう簡単には変われない」
飛鳥「むしろここに来るまでよく平然とした態度を貫けたよ」
まゆ「恐怖体験をする前の段階ですからね。何とか我慢できました」
ポチャン
飛鳥・まゆ「!!」
飛鳥「どうする? もう戻るかい?」
まゆ「はいっ……あ、いえっ……一応じぇんぶ見てからにしましょうっ」
まゆ「戻るには早しゅぎますし……そ、それに」
まゆ「ゆ、幽霊に……とりちゅいてもらわないと……!」ガタガタ
飛鳥(噛み噛みだ)
飛鳥「こんなこと言うの今更遅いけど、とり憑かせる必要は無かったんじゃないかな」
まゆ「はい……後悔してましゅ……」プルプル
――――
飛鳥「んー……おかしいね。水場が無いよ」
飛鳥「確かこっちの方から聞こえたはずなのに」
飛鳥「それにいつの間にか水音も聞こえなくなってる」
まゆ「そ、それってつまり……」
飛鳥「口には出さないけど、そういうことかもね」
まゆ「うう……また泣きそうです……」
飛鳥「気持ちは分かるよ。さあ、あとは引き返すだけだ」
飛鳥「ん?」
まゆ「ど、どうしました?」
飛鳥「妙だな……ここだけドアがついてる」
飛鳥「他は何も無かったのに。何故だと思う?」
まゆ「まゆに聞かないでくださいよぉ……」グスッ
飛鳥「開けてみよう」スッ
まゆ「待ってくださいっ! 嫌ですやめましょう、帰りましょう!」グイッ
飛鳥「気になるじゃないか。まゆさんはここで待っていて…」
まゆ「飛鳥ちゃん、お願いだからぁ……ふぇぇ……」ポロポロ
飛鳥「わ、理解ったよ。戻ろう」
飛鳥(仕方ないな。凛さんに頼んでみよう)
――――
まゆ・飛鳥「……」スタスタ
ちひろ「あ、戻ってきましたね」
小梅「おつかれさま……」
飛鳥「それ労いの言葉だよね?」
凛「どうだったまゆ?」
まゆ「うふ、そこそこでした♪」
乃々「余裕がありふれてるんですけど……そんけいのまなざしです……」
飛鳥「……」
まゆ(飛鳥ちゃん。中でのことは秘密に……)ヒソヒソ
飛鳥(理解っているさ。気を楽にしてくれ)ヒソヒソ
まゆ(ありがとうございます……!)ヒソヒソ
凛「くっ、私たちも負けてらんないね乃々」
乃々「はう……ち、ちょっとお腹が痛くなってきました……」
乃々「私はここでりたいあします……凛さん、1人でがんば…」
凛「気を引き締めていくよ」ガシッ
乃々「むーりぃー! むりですむりくぼですぅー!」ズザザザ
イヤー! タスケテー!
飛鳥(あ、しまった。ドアのことを言うの忘れていた……まあいいか)
まゆ「あの、小梅ちゃん?」
まゆ「まゆたちに……幽霊、憑いてますか?」
小梅「全部巡ったら教えるよ……」
飛鳥「気になるな」
ちひろ「まあまあ、最後のお楽しみってことで」
まゆ(ちっとも楽しみじゃないです……!)
――――
凛「ふ、ふーん……雰囲気あるね……」ガタガタ
乃々「怖すぎるんですけど……どうして私がこんな目に……」プルプル
凛「好きなもの買ってもらえるからでしょ」
乃々「そうでした……そのことだけを考えます」
乃々「絵本……マンガ……世界ポエム大全……」
凛(口に出ちゃってるし)
ガタッ
凛・乃々「!?!?」ビクッ
乃々「あわわわわ何ですか今の!」
凛「おおお落ち着いて、きき気のせいだよ」
乃々「戻ります! もりくぼの現界はとっくに越えてます!」スタタタッ
凛「あ! ちょっ……!」ガシッ
乃々「放してください! こんなところにいたら…」
凛「静かにして。寄ってくるよ」
乃々「!」ピクッ
乃々「よ、寄ってくるって……何が……?」
凛「お化け」
乃々「ひっ」
凛「ね? だから静かにしよう。そして奥へ進もう」
乃々「……っ!? ……っ!!」ブンブンブンブン
―――――
乃々(うぅ……結局こんなところまで来てしまいました……)
凛「ねえ乃々、ここだけドアついてるよ」
凛「まゆたちも入ったみたいだね。開けたら閉めろって教わらなかったのかな」ヤレヤレ
乃々「いやです」
凛「は?」
乃々「入ってみようと言い出すことを予想してあらかじめ断っておきました」
凛「入ってみよう」グイグイ
乃々「強引なんですけどぉ……!」ズザザ
凛「……目立った物はないね」
凛「他と変わらないコンクリートの一室。あるのは割れた窓と」
凛「床に散らばるガラスとコンクリートの破片」
凛「何か違和感があるんだけどな」ウーン
乃々「凛さん、もういいですから……はやく帰りましょう……」
凛「……あ」
凛「そっか、分かった」
乃々「え」
凛「見て? 他の部屋には壁に落書きがしてあったけど」
凛「ここには無いんだよ。ここだけ」
乃々「な、なんでですか」
凛「さあ」
乃々「……とっても怖いんですけど……」
凛「だね。帰ろうか」
カタンッ
凛・乃々「!!」
凛「何今の音?」
乃々「ぴゃあぁぁぁぁぁぁぁ」スタタタッ
凛「乃々!? ちょっと待ってよ!」
凛「置いてきぼりにするなんて……怖いのは分かるけどさ」
凛「私だって怖いんだから…」
パチッ
凛「!!」ビクッ
パチンッ
凛「」
――――
ちひろ「乃々ちゃんの叫び声が聞こえましたね」
まゆ「あれは大丈夫なんですか……?」
小梅「うるさくしちゃダメだよ……迷惑がかかるから……」
飛鳥「幽霊からすれば立派な騒音被害だな」
スタタタタッ
乃々「ひぃ……ひぃ……む、むりっ」
乃々「むりです……もう……!」
まゆ「あれ? 凛ちゃんは?」
スタタタタッ
凛「ぜぇ……ぜぇ……!」
飛鳥「遅れてやって来たね」
凛「らら、ラップ音がした! ラップ音が!」
小梅「へいっ、よー、ちぇけらっ」
凛「ベタなボケはいいよ!」
ちひろ「とりあえず落ち着いてください。無事に戻ってきたんですし」
ちひろ「次のポイントに向かいながら話せばいいですよ。ね?」
乃々「まだ行かなきゃならないんですね……」
小梅「予定ではあと2箇所だよ……」
飛鳥「一つ一つに使う体力を考えたら、遠い道のりだね」
――――
ちひろ「肉まんの人ー」スッ
小梅「あ、私です……ありがとうございます……」
凛「それで、乃々が帰っちゃった後、その部屋からパチンって」
飛鳥「いかにもラップ音にありそうな音だね」
乃々「というか、そのものでは……」
まゆ「からあげクンは誰ですか?」
乃々「私です……ありがとうございます……」
乃々「こ、小梅さん……その……」
乃々「……ゆ、幽霊は……憑いてるんですか……?」
凛「急だね」
飛鳥「全て終わったら明かしてくれるらしいよ」
乃々「そうですか……」
凛「それがいいね。今何人憑いてるのか知った状態で過ごしたくないし」
まゆ「憑いてないかもしれませんしね」
小梅「……」ジー
小梅(……凛さんは↓1人……乃々ちゃんは↓2人……)
小梅(まゆさんが↓3人で……飛鳥ちゃんは↓4人か……)
小梅(みんな興味本位でついてきたみたいだね……騒がしくしてごめんね……)
現段階で憑いている幽霊の数
↓1 凛
↓2 乃々
↓3 まゆ
↓4 飛鳥
コンマ一桁 0はそのまま0
ここまでにします
安価は↓1で
俺の身体をみんなに貸すぞ
イッチのも含むのかしら?まぁ一応踏んどこ
どんな人が憑いてるかの安価もあるのかな
>>287 この勝負の最後の方に出す予定です
凛:0人 乃々:8人 まゆ:3人 飛鳥:4人
小梅(凛さんが0なのは……乃々ちゃんが目立ったからかな……)
ちひろ「そろそろ出発しましょうか」
飛鳥「小梅、次はどんな噂のある場所なんだい?」
小梅「廃病院だよ……やっぱり元病院だったから、霊的な噂も耐えないんだ……」
小梅「病室で白い人影を見たり……手術室の中から声がしたり……」
凛「ガチなやつじゃん!」
乃々「話しを聞くだけでもこわいですぅ……」ガタガタ
まゆ(はぁ……タイムマシンがあるなら、過去に戻って違う勝負に変更させたい……)
――――
凛・乃々・まゆ・飛鳥「」
ちひろ「うわぁ、外観からして出そうな感じですね」
小梅「れっつごー……」
乃々「むりむりむりぃぃぃ……!」ブンブンブン
飛鳥「ボクもたじろいでしまうよ。別のスポットに変更はできないのかい」
小梅「時間かかっちゃうし……それに、せっかく来たのに……」
凛「小梅の言うとおりだよ。覚悟を決めるしかないね」
凛「まゆ、飛鳥、先攻だけど頑張れ」ポンッ
まゆ「へ?」
飛鳥「凛さん、ボクたちがさっき1番に乗り込んでいったのは覚えているよね」
凛「……」
まゆ「そ、そうですよ。順番は守ってください」
凛「先攻後攻を入れ替えるなんて一言も言ってないでしょ」シレッ
まゆ「なっ!?」
ちひろ「ストップです。言い合うくらいなら、公平にジャンケンで決めましょう」
――――
凛「……」
乃々「あわわわ……」
小梅「先陣を切るのは凛さんチーム……ふぁいとー……」
まゆ「気をつけてください」ヒラヒラ
乃々「うっ……いきなり目眩がしてきました……まともに歩けません……」フラフラ
乃々「もりくぼはここまでのようです……凛さん、あとはお任せ…」
凛「行くよ」ガシッ
乃々「ひぃぃぃ! いやぁぁぁ!」ズザザザ
ちひろ「乃々ちゃん、あんなに声を出したら目立っちゃうのに」
飛鳥「中に入ればそのうち収まるんじゃないかな」
まゆ「……」
飛鳥(まゆさんの口数も減ってきたね)
小梅(わー、窓からいっぱいこっちを見てる)ヒラヒラ
――――
凛「小梅が言うには、部屋には入らず通路を歩くだけでいいってさ」
乃々「そうですか……安心しました……」
凛「それでもそこそこ時間かかるけどね」
乃々「どうせさっきの場所とそんなに変わりませんよ……」
乃々「きびきび歩いて、さっさと終わらせてしまいましょう……」
凛「あれ、なんか強気じゃない? 開き直ったの?」
乃々「ええ……わめいたところで、どうせ凛さんに引きずられて……」
乃々「むりやり歩かせられますし……気持ちを切り替えました……」
凛「私が酷い奴みたいな言い方はやめてよ」フフ
乃々(間違いなくひどい人ですけど)
乃々「あと……いざとなったら奥の手を使うので……」
凛「何それ?」
乃々「名づけて『もりくぼ・しゃっとあうと』……」
乃々「これは……意識を手放すことにより、目の前の現実から一時的に逃げることができる必殺技です……」
凛「ただの気絶じゃん! 一時的なら意味ないし!」
凛「目覚めたらまた現実とご対面だよ? どうするの? 幽霊に囲まれるよ?」
乃々「はい……ですからこれは、信頼できる『ぱーとなー』がいなければ使用できません……」
乃々「その『ぱーとなー』に出入り口まで運んでもらえれば」
凛「私におんぶしてくれって言ってるんだね……」
凛「分かったよ、そもそも乃々は手伝ってくれてるんだしね。そうなったら任せて」
乃々「お願いします……」
――――
凛「1階はこんなもんかな。うわ、階段も怖いね」
乃々「怖いってれべるではないです……最恐です……」プルプル
凛「お互いに手を繋いで歩こう。絶対に離さずに」ギュッ
乃々「ありがとうございます……」ギュウッ
凛(手汗がすごい)
乃々「ひぃっ……こ、ここが2階……」
凛「手術室があるのって2階だったよね?」
乃々「……行くんですか……」
凛「来たからには行くしかないよ。中には入らないしさ」
――――
凛・乃々「……」ゴクリ
凛「ここから声が聞こえるんだよね」
乃々「や、やめてくださいぃ……!」
凛「ごめんごめん。特に変な感じはないし、行こうか」スタスタ
『……イ……イ……』
乃々「!?」ビクッ
凛「どうしたの乃々」
乃々「……いえ、何でもないです」
凛「怖いから言ってよ」
乃々「本当に何でもないです……3階に行きましょう……」
凛「?」
――――
凛「3階、4階を見て、最後が5階」
凛「これで終わりだよ乃々。下に戻ろう」
乃々「そ、そうですね……」
凛「……ねえ乃々、やっぱりあの時何かあったんでしょ」
乃々「え」
凛「手術室の前に来た時だよ。一瞬足が止まったよね」
凛「それからずっと俯いてるし……気になるから教えて?」
乃々「……」
凛「嫌ならいいけど」
乃々「こ……声が聞こえたような気がしたんです……」
凛「!!」
凛「声って……ど、どんな?」
乃々「分かりません……声なのかすらも……」
乃々「ただ、手術室の扉の奥から聞こえてきたことは確かです……」
凛・乃々「……」
凛「今すぐ帰ろう」
乃々「らじゃーです」
『……コ……ノ……』
凛・乃々「!!」
乃々「今の……聞きましたか……」フルフル
凛「気のせいだよ。早く降りよう」スタスタ
乃々「……」スタスタ
『……ネエ……』
乃々「やっぱり聞こえるんですけど……!」スタスタ
凛「気のせい気のせい」スタスタ
乃々「でもぉ……!」
『ネエ、ドコイクノ?』
凛・乃々「!!!!」
ギャァァァァァ……!
まゆ「!」
飛鳥「今のは悲鳴? 凛さんと乃々か」
スタタタタタ!!
凛「声っ!! 声っ!! 声っ!!」
乃々「」
ちひろ「凛ちゃんがすごい剣幕で走ってくる!!」
小梅「乃々ちゃんは……気絶してるみたい……」
凛「小梅っ!! 声っ!! 怖いっ!!」
飛鳥「冷静になって凛さん。何があったんだい?」
凛「ふー……! ふー……! こ、声が……」
凛「私たちの後ろから声がしたんだよ、『ねえ、どこ行くの?』って」
まゆ・飛鳥「」ゾッ
凛「それで乃々がもりくぼ・しゃっとあうとを使っちゃって」
凛「慌てておんぶして戻ってきた」
ちひろ(もりくぼ・しゃっとあうと?)
小梅「大変だったね……車内でゆっくり休んで……」
小梅「さあ……次はまゆさんと飛鳥ちゃんの番だよ……」
飛鳥「今のを聞いてしまったら、そう易々とは出発できないね」
まゆ「乃々ちゃんは大丈夫なんですか?」
小梅「うん……これは乃々ちゃん自身が身を守った結果だから……」
小梅「どうしても無理なら、私も一緒に行くよ……」
飛鳥「!」
まゆ「い……いえ。凛ちゃんと乃々ちゃんは行って帰って来たんですし」
まゆ「私たちも2人で頑張ります」スタスタ
飛鳥「まゆさん!?」
飛鳥(全く、そこまでして意地を張らなくてもいいのに……)スタタタッ
小梅「がんばれー……」ヒラヒラ
――――
まゆ「……」ギュウ
飛鳥(例によってまた密着されている)
飛鳥「もう少し離れた方がいいと思うよ。身に危険を感じたら、すぐに行動できないし」
まゆ「そうなった時に離れるので……ごめんなさい」
飛鳥「うん……まあいいけどね」
まゆ「……本当にごめんね飛鳥ちゃん」
まゆ「私がカッコつけようとしてるせいで、小梅ちゃんが差し伸べた手を払っちゃって」
飛鳥「気にしないでくれ。2人きりで巡るのがルールだし」
飛鳥「にしても、ここはさっきの心霊スポットより凄いというのが」
飛鳥「肌で感じ取れるよ。霊感なんてものは無いはずなんだけどね」
まゆ「そうですか? まゆは何も感じませんけど」
飛鳥「……霊感あるのかな、ボク……」
――――
飛鳥「まゆさん。ボクが心のざわつきの正体を知りたいと言ったことを覚えているかな」
まゆ「もちろん」
飛鳥「凛さんと乃々のペアが徘徊している時に分かったよ」
飛鳥「幽霊は本当に存在するのかという想い。そして」
飛鳥「いるなら一度見てみたいという想い」
まゆ「それって……好奇心ですよね」
飛鳥「言ってしまえばね。凛さんの指摘通りだ」
飛鳥「けどもう1つある。幽霊とはどんな存在なのか」
飛鳥「霊体で彷徨うのは何故か。感情はあるのか」
飛鳥「あるとしたら、孤独は感じるのか。寂しいと思うものなのだろうか」
まゆ「小梅ちゃんに聞いてみればいいですよ」
飛鳥「聞くのは簡単だけど、自分の力で確認することも大切だよ」
まゆ「霊感無いんですよね?」
飛鳥「霊感が無くても、もしかしたら……と思ったんだろうね」
飛鳥「結果はこの通りさ。雰囲気は感じられても見聞きすることは叶わない。残念だよ」
まゆ「まだこれから出会うかもしれませんよ。そういう幽霊さんに」
飛鳥「……このままでいいかな」
まゆ「何でですか?」
飛鳥「怖いから。恐怖という感情にボクは支配されてしまっている」
飛鳥「いざ来てみたら、こんなにも身の震える想いをするなんてね」
――――
飛鳥「手術室。ここで声を聞いたのかな」
まゆ「3階に行きましょう、何もありませんし」
飛鳥「耳を澄ませてみよう」
まゆ「やめてくださいっ、聞こえたらどうするんですかっ」
飛鳥「聞くために澄ませるんだよ」
まゆ「怖いんですよね? 恐怖という感情に支配されてるんですよね?」
飛鳥「今は好奇心が勝ってるね。せめぎ合いさ」
飛鳥「…………」
まゆ「あーあー、何も聞こえません。まゆは知りません」
飛鳥「……聞こえないね。仕方ない、次に行こう」
まゆ「あーあー」
飛鳥「まゆさん、耳はもう塞がなくていいよ」
――――
まゆ「今、何か聞こえませんでしたか?」
飛鳥「ボクたちの足音が反響してるし、それじゃないかな」
飛鳥「この角を曲がって……行き止まりか。結局何も起こらなかったね」
まゆ「起こって欲しかったんですか?」
飛鳥「フィフティーフィフティーかな」
カンッ コロンッ
まゆ・飛鳥「!!!」ビクッ
まゆ「何ですか今の……!」
飛鳥「瓦礫だよ。壁から崩れたんだろう」
まゆ「もー……! 脅かさないでください……」
飛鳥「瓦礫に言って欲しいね。よし、階段を降りよう」スタスタ
まゆ「……」スタスタ
まゆ「……」スタスタ
まゆ「……」ピタッ 『スタ』
飛鳥「どうしたんだい?」
まゆ「……いえ」スタスタ
スタスタ
まゆ「……」ピタッ 『スタ』
まゆ「……っ」プルプル
飛鳥「まゆさん?」
まゆ「あ、飛鳥ちゃんっ……これを聞いて振り向いたりしないでくださいね……」ヒソヒソ
まゆ「私たちの足音に紛れてます……誰かの足音が……!」ヒソヒソ
飛鳥「!」
まゆ「私が止まったら、後ろから1歩余分に聞こえるんです……」ヒソヒソ
まゆ「距離は遠いみたいですけど……」ヒソヒソ
飛鳥「歩こう。このままのペースで、気づいてないフリをしよう」ヒソヒソ
スタスタ
スタスタ 『スタスタ』
スタスタ 『スタスタ』
飛鳥「聞こえるよ、確かに」
まゆ「どうすれば……!」
飛鳥「言っただろう、このまま知らんぷりで戻るんだ」
スタスタ 『スタスタスタ』
スタスタ 『スタスタスタ』
まゆ「……あ……飛鳥ちゃん……」
飛鳥「増えてるね。それに距離が縮まってきてる」
飛鳥「ちょっとペースを上げよう」
まゆ「追いつかれたらどうすれば……」
飛鳥「落ち着いて。これを降りれば2階だ」
まゆ「ふぇっ……ぐすっ……」
『クスクス』 『オーイ』
飛鳥(声も聞こえてきた。足音を皮切りに次々と)
まゆ「っ……!」ガタガタ プルプル
スタスタ 『スタスタスタスタスタ』
スタスタ 『スタスタスタスタスタスタ』
まゆ「ひぃっ……!」
飛鳥「落ち着いてまゆさん。あと少しで1階だよ」
まゆ「でもっ、足音……どんどん迫ってますよぉ……っ」
飛鳥「大丈夫。大丈夫だから…」
『キコエテルヨ』
まゆ・飛鳥「!?!?」ビクッ
飛鳥「走って!! 早く!!」スタタタッ
まゆ「いやぁぁぁぁっ!」スタタタッ
――――
凛「あ、戻ってきた」
スタタタタッ
まゆ「はーっ、はーっ、はーっ」
ちひろ「どうしました!? 何があったんですか!?」
飛鳥「ははは……腰が抜けるかと思ったよ」
飛鳥「ボクとまゆで密かに会話をしていたら、耳元でこう聞こえたんだ」
飛鳥「『聞こえてるよ』ってね。男性の声だった」
乃々「ひやぁ……こ、怖すぎですっ……!」ビクビク
飛鳥「乃々、起きてたんだね」
まゆ「ふぇぇぇっ、こわかったぁぁぁ」ギュー
凛「まゆ!? あ、あんなにクールだったまゆをここまでにするなんて……!?」
飛鳥(無事に騙せてたようだね)
飛鳥「それに、大量の足音にも追われたんだ。気が動転しそうだったよ」
ちひろ「す、すごい恐怖体験ですね」
小梅「……」
小梅(出入り口からじっとこっち見てる……お騒がせしました……)ペコリ
――――
ちひろ「もう1箇所、本当に行くんですか?」
飛鳥「ちひろさんも不安になっているようだね」
ちひろ「そりゃそうですよ。みんなが心配ですし」
ちひろ「私にも憑いてるんじゃないかと思ったら……」
凛「小梅、どう?」
小梅「ふふっ」
ちひろ「何ですかその笑い! 憑いてるんですか!?」
小梅「大丈夫……害はないから……」
ちひろ「そうですか、それなら……よくないですけど……」
小梅「……」ジー
小梅(凛さんが↓1……乃々ちゃんが↓2……)
小梅(まゆさんが↓3……飛鳥ちゃんが↓2……)
小梅(賑やかになってきたね……少しの間だけど、よろしくね……)
↓1 凛
↓2 乃々
↓3 まゆ
↓4 飛鳥
それぞれに憑いた幽霊の数 コンマ一桁 0は0
凛:9人 乃々:12人 まゆ:10人 飛鳥:9人
乃々「こ……小梅さん……えっと……」
乃々「悪い幽霊さんはいるんですか……?」
まゆ「私も気になってました」
小梅「ううん……みんな乃々ちゃんたちが気になったから、ついて来てるだけだよ……」
小梅「1番初めについて来た人もそうだったし……何人か飽きて帰った人もいて……」
飛鳥「それだと勝負にならないんじゃ……」
小梅「人数は覚えてるから大丈夫……」
――――
小梅「最後の心霊スポットにやって来たよ……」
小梅「ここはお寺とお墓の近くにある森で……真夜中に子供の笑い声や……」
小梅「白い服の女の人を見たっていう噂があるんだ……」
まゆ「さっきよりは怖くなさそうですね」
凛「比較的だけどね」
ここまでにします
続きはまた明日始めます
飛鳥「さて、ここはボクたちが先攻か」
まゆ「さっきあんな体験をしたばかりなのに」ハァ…
小梅「がんばれー……」
ちひろ「これで終わりですからね」
――――
まゆ「……」ビクビク
飛鳥「こういう場所、何回行っても慣れそうにないね」
まゆ「慣れるわけないです……もう二度と来ません……」
飛鳥(トラウマになりかけてる)
ガサッ
まゆ「ぴゃっ!?」ギュウッ
飛鳥「まゆさんっ、苦しいよっ……!」
まゆ「な、何かがいました! 草むらからガサって!」
飛鳥「タヌキだよほら、よく見て」
まゆ「あ……本当ですね。よかった……」
ガサガサッ
まゆ「ひぅっ!?」ギュムッ
飛鳥「まゆさん! 首が締まって……!」
まゆ「また動きました! 草むらから黒い影が!」
飛鳥「イヌだよ、幽霊じゃないから安心して!」
まゆ「あ……本当だ。よかった……」
飛鳥(そのうちボク自身も幽霊になりそうだ)
――――
まゆ「……」
飛鳥(完全に沈黙してしまったね)
飛鳥(こうなるとボクも恐怖心が増してくるんだけど……)
飛鳥「まゆさん。何か愉快な話をしないかい」
まゆ「愉快な話……?」
飛鳥「それで恐怖を紛らわすんだよ。どうかな?」
まゆ「……そうすると、幽霊が寄って来なくなるかもしれませんし……」
まゆ「やめておきましょう……」
飛鳥「そうかな? 幽霊だって、愉快な話が好きかもしれないよ」
まゆ「でも、怖がる人に寄ってくると言いますし」
飛鳥「ああ、確かに。ならやめておこう」
まゆ「はい……」
ガサササッ
まゆ「きゃっ!?」ギュッ
飛鳥「く、首に抱きついてくるのはわざとなのかな?」
まゆ「ごめんなさい、つい反射的に」
まゆ「今のは何ですか……?」ビクビク
飛鳥「今のは……男の子だね」
まゆ「あ……本当だ。よかっ……」
まゆ・飛鳥「男の子?」
男の子『……』
まゆ「で、でっ、出っ……!」ガタガタ
飛鳥「待って。まだそうと決まったわけじゃない」
まゆ「こんな時間に1人で、あんな小さな子がいるはずないですよぉ……!」
飛鳥「それはそうだけど……」
飛鳥「話を聞いてみればいいじゃないか。それでハッキリするよ」
まゆ「まゆが聞くんですか……!?」
飛鳥「どっちでもいいけど」
まゆ「うう……協力してくれてる飛鳥ちゃんには任せられませんし……分かりました」
まゆ「あのぉ……」
男の子『……』
まゆ「こんなところで何してるの? おウチの人は?」
男の子『……』
飛鳥「……」ゴクリ
まゆ「何で後ろを向いてるの? こっちを見てお顔を見せて」
男の子『……』クルッ
まゆ・飛鳥「!!」
飛鳥(め、目が無い! 真っ黒だ!)
まゆ「あ……あああ……っ」ペタンッ
男の子『アソンデ……アソンデ……』スタスタ
飛鳥(こっちに近づいてくる!!)
飛鳥「まゆさん逃げよう! まゆさん!?」
まゆ「あ……足がすくんで……!」プルプル
飛鳥「手を貸すよ! さあ!」グイッ
まゆ「だ、だめっ……力が入らない……!」
まゆ「まゆを置いて逃げて……っ」
飛鳥「そんなこと……!」
男の子『ああああああ』スタタタッ
飛鳥(走ってきた!!)
まゆ「……!!」ガタガタ ビクビク
飛鳥「くっ、待ってくれ! この人には何もしないでくれ!」
フッ
飛鳥「!」
飛鳥(消えた。どこへ行った?)キョロキョロ
飛鳥(……いない。去ってくれたようだ)
飛鳥「もう大丈夫だよまゆさん」
まゆ「……」
飛鳥「まゆさん?」
飛鳥(!! ま、まさか、乗り移ったとか言うんじゃないだろうね)
まゆ「……飛鳥ちゃん……」
飛鳥「?」
まゆ「……代えの下着とか……持ってませんよね……」
飛鳥「え」
――――
まゆ「……」
飛鳥「ボクを信用して欲しい。誰にも言わないからね」
まゆ「ありがとう……ごめんなさい……」
飛鳥「謝る必要はないよ」
飛鳥「けど、念の為にビニール袋を持ってきて正解だった」
まゆ「おかげで助かりました」
まゆ「……」
飛鳥「……仕方ないさ」
飛鳥「あんな事を目の当たりにしたら、そうなるのも不思議じゃない」
まゆ「飛鳥ちゃんは平気でした」
飛鳥「ボクはさっきトイレに行ったから、蛇口を捻ったところで何も出やしない」
飛鳥「対してまゆさんは……ごめん、変なフォローだね」
まゆ「いえ、ありがとうございます」
――――
小梅「次は……凛ちゃんチームの出陣だよ……」
凛「幽霊? ふーん、来るなら来れば?」
乃々「ちっとも怖くないんですけど……!」フンス
まゆ「凛ちゃんたち、気合入ってますけどどうしたんですか?」
ちひろ「これが最後だしお互いを鼓舞しようということになって」
ちひろ「テンションを高めあって、最終的にああなりました」
飛鳥「空回りしなければいいけどね」
小梅「……まゆさん……」ヒソヒソ
まゆ「?」
小梅「これ……どうぞ……」スッ
まゆ「!!」
小梅「サイズも合ってると思うから……」
まゆ「な、何で……!」カァァ
小梅「こんなこともあろうかと……みんなの分を用意しておいたの……」
小梅「幽霊さんが教えてくれたんだよ……」
まゆ「ゆ……幽霊さんが……」
まゆ「見られたんですね……ふふ……幽霊さんに……そうですよね……」
まゆ「穿いてきます……」スタスタ
ちひろ「? まゆちゃん、どうしたんですか?」
小梅「気にしないであげてください……」
――――
凛「森は野生動物もいるよね」
乃々「違う意味でも気をつけないと……」
凛「でもまあ、いざとなったら例の必殺技使っていいからね。私が運ぶからさ」
乃々「凛さん、頼もしいんですけど……!」
凛「ふふ」
ガサッ
凛・乃々「!」ビクッ
凛「……」
乃々「な、何ですか今の音……」
凛「野生動物でしょ。タヌキか何かだよ」
乃々「姿が見えないんですけど……」
凛「人がいるから驚いたんだよ、きっと」
凛「月明かりがあるから、懐中電灯が無くても歩けそうだね」
乃々「はい……でも心細いので、これだけは手放せません……」
凛「さっきまでの元気はどこに行ったの?」フフ
乃々「いざ、ちゃれんじすると、身の程を知るぱたーんです……」
凛「大丈夫だって。さっきよりは怖くない…」
ガササッ
凛「!!」ドキッ
乃々「ま、また音が……!」
凛「野生動物だよ。きっとそう」
凛「先に進もう」スタスタ
乃々「不安です……」スタスタ
――――
凛・乃々「!!」
乃々「り、凛さん……これって……」
凛「歩いてるうちに、お墓に出ちゃったみたいだね」
乃々「戻りましょう」スタスタ
凛「流石に強気にはなれない。賛成だよ」スタスタ
『マッテ』
凛・乃々「!?」ビクッ
凛「……」
乃々「何ですか今の」
凛「気のせいだよ」
乃々「気のせいじゃ済まないくらいハッキリ聞こえたんですけど……」
乃々「すぐ後ろから……」
凛「気のせいだから。行こう」スタスタ
乃々「……」スタスタ
『マッテヨ』
凛「……乃々」
乃々「は、はい……」
凛「走るよ!!」スタタタッ
乃々「はいぃ……!」スタタタッ
『マッテヨ』 『ネエ』
『アソボ』 『マテ』
凛(さっきより怖くないって言ったけど撤回! 怖すぎる!)スタタタッ
凛(けど声は離れていく! このまま走り抜ければ……)
凛(あれ? 乃々は?)
凛「乃々!? どこにいるの!」ピタッ
乃々「凛さぁん……」グスッ
凛「乃々っ! 転んだの?」スタタタッ
凛「立てる?」スッ
乃々「なんとか……」
凛「怪我はないみたいだね。よし、逃げ…」
『ミツケタ』
凛・乃々「!?!?」
凛「だ、誰なの!? さっきから追いかけてくるのは!」キョロキョロ
凛(いない……姿が見えない。近くで聞こえたのに)
凛「乃々、早く戻ろう」
乃々「」
凛(もりくぼ・しゃっとあうとしてる!!)ガーン
凛「仕方ないね……おんぶするよ? あとは任せて」グイッ
凛「はぁ……はぁ……!」スタタタッ
凛(声は聞こえない。離れてくれたの?)
凛(ううん、まだ油断はできない。走って戻ろう)
ガシッ
凛「!!」
凛(う、腕……掴まれて……)チラッ
男の子『うひひひひひひ』
凛「」
フッ
凛「……っ」ガタガタガタ
凛(消えた……い、今のは……っ)ブルブルブル
凛(早く!! 早く戻ろう!!)スタタタッ
――――
凛「ぜぇ……はぁ……」フラフラ
飛鳥「戻ってきたね」
まゆ「乃々ちゃんまた気絶してる」
凛「ご、ごめんちひろさん……乃々をお願い……」スッ
ちひろ「ええ……よいしょっ。車に寝かせておきますね」グイッ
スタスタ
凛「ふぅ……はぁ……」ガタガタ
飛鳥「脚が震えてるね。何があったんだい?」
凛「……っ!」カァァ
ササッ
まゆ「何で脚を隠すんですか?」
凛「いや……何でもないよ……」
凛「話は後でするから、みんな車に乗って」
飛鳥「そうだね。長居はしない方がいい」
まゆ「凛ちゃんもですよ」
凛「わ、私はちょっと落し物しちゃって」
まゆ「え!? それは大変ですっ。私も一緒に…」
凛「1人でいいから!」スタタッ
まゆ「あっ、凛ちゃん!」
小梅「ちょっと私も行ってくるね……」
スタタッ
飛鳥「小梅がいるなら安心だ」
まゆ「ええ……」
――――
凛(はぁ……どうしようこれ)
凛(捨てた方がいいよね……匂いが充満したらマズいし……)
小梅「凛さん……」ヌッ
凛「ひっ」
凛「小梅、脅かさないでよ」
小梅「ごめん……それより、これどうぞ……」スッ
凛「!」
凛「……何で知ってるの……」
小梅「幽霊さんが教えてくれたの……」
小梅「こんなこともあろうかと、用意してたんだ……みんなの分……」
凛「幽霊が……そっか……」
凛「だ、誰にも言わないで! 特にまゆには!」
小梅「分かってるよ……はい、タオルとビニール袋も……」スッ
凛「恩にきるよ」
――――
凛「そしたら、男の子の幽霊に腕を掴まれて」
凛「うひひひひって笑ったの」
飛鳥「それは本当の話なのか……」
まゆ「まゆたちも、男の子が目の前に現れて」
まゆ「ああああ、って叫びながら迫られたんですよ」
乃々「ひぃぃっ……こ、怖いぃぃ……!」プルプル
ちひろ「どちらもとんでもない体験をしましたね……」
小梅「……」ジー
小梅(ついて来てる……その男の子も……)
小梅(イタズラっ子なんだね……あまり怖がらせすぎちゃダメだよ……)ナデナデ
凛「小梅、何を撫でてるの?」
小梅「ううん、気にしないで」
凛・乃々・まゆ・飛鳥・ちひろ(幽霊だ)
小梅「……」ジー
小梅(新しい人がついて来てるね……)
小梅(ええっと……今までの人数を合わせると……)
↓1 凛
↓2 乃々
↓3 まゆ
↓4 飛鳥
それぞれに憑いた幽霊の数 コンマ一桁 0は0
凛:16人 乃々:16人 まゆ:19人 飛鳥:15人
小梅(こうなるね……)
ちひろ「皆さん、これで全ての心霊スポットを巡り終えたんですし」
ちひろ「小梅ちゃんに最終結果を聞きませんか?」
まゆ「私も言おうと思ってたんです。小梅ちゃん」
凛「お願い」
小梅「分かった……けっかはっぴょー……!」
小梅「えへへ、幽霊のみんなも拍手してくれてる」
飛鳥「想像はしない方がいいね」
乃々「怖い……っ」
小梅「えっと……まず、どっちのチームが勝ったかを言うね……」
凛・まゆ「……」ドキドキ
小梅「勝者は……」
小梅「まゆさんチーム……!」バッ
まゆ「!!」
まゆ「やりました! でも怖い!」
凛「……上り詰めたって感じだね、まゆ……」
凛「お互い3勝で、王手がかかってる。次の勝負で決まるよ」バチバチバチ
まゆ「ですね……!」バチバチ
飛鳥「火花を散らしてるところ悪いけど」
飛鳥「誰に何人ついたかを教えてくれないか?」
乃々「聞くんですか……!!」
飛鳥「気になるじゃないか」
小梅「りょうかい……じゃあ凛さんから順番に……」
小梅「凛さんは……16人」
凛「16!?」
小梅「乃々ちゃんも、16人だね……」
乃々「」
小梅「まゆさんが1番多かったよ……19人……」
まゆ「じゅっ……19……!?」
飛鳥「ボクは?」
小梅「15人……1番少なかったよ」
飛鳥「少ないと言ってもそんなに変わらないじゃないか……」
小梅「そうだね……」
凛「……小梅」
凛「ちなみに、どんな人が私に憑いてるのか、教えてくれる?」
乃々「そこまで聞いてしまうんですか……!?」
小梅「いいよ……3人くらい教えるね……」
↓1、2、3 凛に憑いた幽霊はどんな人か
小梅「1人は……学生のうちに妊娠したんだけど……」
小梅「色んな言い争いがあって……結局この世に生まれることができなかった赤ちゃん……」
凛「水子……」
小梅「もう1人は……ネネさんの妹さん」
凛・乃々・まゆ・飛鳥・ちひろ「!?!?!?」
ちひろ「え!? ね、ネネちゃんの妹って……!」
まゆ「ちひろさん危ないです!! 前見て!!」
小梅「あ、違うよ……幽体離脱で散歩してたら……」
小梅「たまたま私たちを見かけて……他の幽霊と混ざってお話ししてるの……」
飛鳥「大丈夫なのかそれは!?」
小梅「うん、今戻っていった……」
小梅「そして最後は……心から大好きだった人に振られちゃって……」
小梅「どうしても傷を癒すことができなくて……命を落としてしまった子……」
凛「失恋……か……」
小梅「みんな……話を聞いて欲しくて凛ちゃんについて来たんだよ……」
小梅「でも、凛ちゃんは話を聞けないから……私が代わりに聞いておくね……」
凛「うん、ありがとう……」
乃々「あ、あの……」
乃々「私に憑いた人も……教えてくれませんか……」
まゆ「怖くないの?」
乃々「怖いですけど……今の話を聞いたら……」
乃々「気になってしまって……」
小梅「乃々ちゃんについて来た子だね……うーんと……」
↓1、2、3 乃々についた幽霊はどんな人か
小梅「1人はお孫さん思いのおばあちゃん……乃々ちゃんが自分のお孫さんに似てるらしくて」
小梅「あたたかい目で見守ってるよ……」
乃々「おばあさんですか……優しい人ですね……」
小梅「うん……とっても……」
まゆ「乃々ちゃんには、優しい幽霊がついて来てそうですね」ニコッ
乃々「そ、そうでしょうか……」ヘヘ
乃々「あとはどんな人ですか……?」
小梅「すごく目立つ人がいるよ……天下無双の鬼武者さん……」
乃々「おにむしゃっ……!?」ビクッ
小梅「敵なしの凄い人で……戦で見かけた敵は裸足で逃げ出すほどだったらしいよ……」
凛「どうしてそんな人が乃々に?」
小梅「『愛いおなご』だからだって……気に入られたみたい……」
乃々「お、恐れ多いんですけどっ! 帰ってもらうように言ってください!」
小梅「乃々ちゃんにデレデレだから……熱が覚めるまでは無理かも……」
小梅「その間、守護霊になって見守ってくれるよ……」
ちひろ「すごいじゃないですか!」
乃々「は、反応に困りますぅ……」
小梅「あと1人は……ある幼稚園の遠足中に事故があって……」
小梅「1人だけ生き残った先生なんだけど……亡くなった人たちの後を追って……」
小梅「命を落としてしまったんだって……」
乃々「あぅ……もりくぼに憑いても、どうしようもないですよぉ……!」
小梅「安心して……乃々ちゃんが、幼稚園児で仲の良かった子に似てて……」
小梅「ちょっとだけ近くにいたいだけらしいから……少ししたら離れるって……」
乃々「そうなんですか……」
まゆ「小梅ちゃん、私も聞いてもいいでしょうか?」
小梅「いいよ……」
↓1、2、3 まゆについた幽霊はどんな人か
今日はここまでにします
結局最後までもつれてしまった
お付き合いありがとうございます
小梅「まゆさんには……自分を傷つけてしまう癖があって……」
小梅「抑えることができなくて……命を落としてしまった人と……」
ちひろ(自傷癖……ですか)
小梅「プロデューサーのひいおばあさん……」
まゆ「!?」
小梅「そして……無理心中されてしまった女の子……」
飛鳥「無理心中か。身勝手が行き過ぎた結果だね、全く困ったものだよ」
小梅「1人目と3人目に紹介した人は……まゆちゃんとお友達になりたがってる……」
まゆ「お、お友達ですか。う、嬉しいですけど……まゆはその、怖いのが大の苦手でっ……」プルプル
小梅「大丈夫……3日くらい一緒に遊べば、満足して離れてくれるらしいから……」
小梅「カラオケとか、ご飯食べたり……お話したりしよう……」
小梅「私も一緒にいるよ……」
まゆ「3日間&小梅ちゃん付きですか……そ、それなら何とか……」
乃々「プロデューサーさんのひいおばあさんというのは……?」
凛「私も詳しく聞きたい」
小梅「ひいおばあさんはね……プロデューサーさんを好いてくれる女の子が、どんな人なのか……」
小梅「ずっと見守ってるんだって……」
まゆ「ずっとって、いつからですか?」
小梅「亡くなってからずっとだよ……守護霊だから……」
ちひろ「守護してなくていいんですか?」
小梅「今は偶然離れてるだけ……凛さんとまゆさんの勝負が面白くて、つい追っちゃうんだって……」
飛鳥「まるで観客だね」
小梅「ポップコーンを片手に見てるよ……」
飛鳥「観客そのものじゃないか!!」
凛「ちなみにどっちを応援してくださってるの?」
小梅「イーブン……」
凛・まゆ「くっ!」
凛「ひいおばあさま、見ていてください! 私が必ず幸せにします!」
まゆ「私の方が幸せにできますから!」
乃々「声が大きいんですけど……」
飛鳥「小梅、ボクに憑いた人も教えてくれないかな」
小梅「うん……」
↓1、2、3 飛鳥についた幽霊はどんな人か
小梅「1人目はエクステ……初めはすごく大事にされてたんだけど、ちょっと粗末な扱いを受けて……」
小梅「その結果霊体になって、彷徨っているんだって……」
飛鳥「人じゃないのか……」
小梅「飛鳥ちゃんに懐いてるよ……」
飛鳥「画が想像できないんだが」
小梅「2人目は……ゴスロリの服、背中に白と黒の羽をつけてて……」
小梅「ウェーブのかかった髪に、うさ耳と左目に眼帯……さらに赤緑の眼鏡をかけてて……」
小梅「右腕に鎖、左腕にぬいぐるみを抱いて……方言を喋る女の子……」
飛鳥「情報が多いな!?」
飛鳥「一体何者なんだ彼女は。聞いてくれないか」
小梅「教えてくれない……ただ飛鳥ちゃんに惹かれてついて来たって言ってる……」
飛鳥「何者なんだ……」
小梅「3人目はね……厨二病を拗らせてしまって……」
小梅「命を落とせば悪魔の力を手に入れられると信じて……自ら命を経った人……」
飛鳥「……」
飛鳥「ふと思ったんだが、ボクだけメンツが濃くないか?」
小梅「強い幽霊じゃないよ……」
飛鳥「そういう意味じゃなくてね……まあいいよ」
飛鳥「で、彼女らはボクに何を求めている? 友人か、それとも興味本位か」
小梅「興味を持ってるんだよ……そのうち飽きて離れてくれると思う……」
小梅「私も注意して見てるから……何かあれば教えるよ……」
飛鳥(何をされるというんだ)
ちひろ「……小梅ちゃん」
小梅「……?」
ちひろ「私に憑いてる人がどんな人かも教えてもらえませんか」
ちひろ「気が気じゃないので……」
小梅「分かりました……」
↓1、2、3 ちひろについた幽霊はどんな人か
小梅「ちひろさんには……3人の人がついて来てるよ……」
ちひろ「3人……まあ十数人よりはいいですね……」
ちひろ「で、どんな方です?」
小梅「1人目は……昔、とある村の風習で生贄にされた女の子……」
小梅「ちひろさんがお母さんに似てるんだって……」
ちひろ「そうなんですか……どうすればいいんでしょうか」
小梅「甘えさせてあげればいいと思う……1週間か、1ヶ月か分からないけど……」
小梅「詳しくは後で話します……」
ちひろ「ええ……怖いですね……」
小梅「そんなに深刻じゃないから……」
小梅「2人目は……黒い服を着た、借金を取り立てる人……」
ちひろ「何でそんな人が!?」
小梅「ちひろさんから取り立てなきゃいけないって……勘違いしてるみたい……」
ちひろ「どすうすればいいんですか」
小梅「お金を100万ほどお供えすれば……一発で離れてくれます……」
小梅「それか説得するか……」
ちひろ「説得でお願いします……」
小梅「分かりました……これもまた後ほど詳しく話します……」
小梅「最後、3人目は……お金への執着が強くて……」
小梅「男の人とも上手くいかず……そのまま歳を重ねて……」
小梅「最後は誰にも看取られることなく亡くなったおばあさん……」
凛・乃々・まゆ・飛鳥「……」ジー
ちひろ「何かアイドルの皆さんから視線を感じるんですけど」
ちひろ「その人は何故私に?」
小梅「忠告してるんだよ……私みたいになるなって……」
小梅「お前マジでそのままだとヤバいからって……もっと金に対して寛容になれって……」
ちひろ「本当にそんな言葉遣いなんですか!?」
小梅「うん……とにかく気をつけて欲しいんだって……」
ちひろ「分かりました。っていうかそこまでがめついと思われてるのが心外ですけど」
飛鳥「日頃の行いってやつだね」ヒソヒソ
乃々「擁護できません……」ヒソヒソ
凛「がめつくないなら、もっとイメージの塗り替えをするとかね」ヒソヒソ
まゆ「現状だと仕方ないですよね」ヒソヒソ
ちひろ「……うふふっ」
ちひろ「そうですかー、そんなに心霊スポットに置き去りにされたいですかー」グルグル
凛「!?」
まゆ「ま、待ってください! ハンドルを切らないで!」
飛鳥「ボクたちもイメージアップに協力するよ!」
乃々「謝りますごめんなさいぃ!」
小梅(ふふ……私は別にいいけどね……)
第六回戦 勝者:まゆ
凛 ●●●○ まゆ ●●●○
――――
まゆ「……」グッタリ
凛「疲れてるね」
まゆ「ええ……3日間、小梅ちゃんに付き合ってもらって」
まゆ「色んな場所に遊びに行って……夜は金縛りにあって……」
まゆ「耳元で呼吸音が聞こえたり、手を握られたり」
凛「心中察するよ……」
まゆ「でもおかげで幽霊さんに満足してもらうことができました」
まゆ「この件が終わるまで勝負を待ってもらったこと、感謝してます」
凛「気にしないで。正々堂々戦いたいしね」
凛「っていうか、まゆのあれって強がりだったんだね」
まゆ「?」
凛「心霊スポットに行った時、平気そうだったけど」
凛「最後はめちゃくちゃ泣いてたじゃん」
まゆ「う……」カァァ
まゆ「そ、そんなことより勝負を始めましょう!」
凛(誤魔化した)フフ
↓2 7回目、何で勝負するか
凛「前の勝負はまゆだったから、次は私が決めさせてもらうよ」
まゆ「何でも来いですよ」
凛「もう考えてあるんだ……最後の勝負に相応しい勝負をね」
凛「その名も、日本縦断サイコロの旅!」
まゆ「日本縦断サイコロの旅!?」
まゆ「あの、今までになく大きな勝負の予感がするんですけど……説明してもらえますか」
凛「まゆの予想は外れだよ。私たちもアイドルとしての仕事があるし、実際に旅をすることはできないよ」
凛「だからこれで勝負をするの」ジャンッ
まゆ「ボードゲームですか……一気にスケールが小さくなりましたね」
凛「そう思うでしょ? けど、これが晶葉の作ったゲームだって言ったらどう?」
まゆ「嫌な予感がプンプンします」
晶葉「説明しよう!」ヌッ
まゆ「きゃっ!? び、びっくりした……!」
晶葉「これは普通のボードゲームではない。天才の私が作った、まさしく『未来のゲーム』!」
晶葉「まずはプレイヤーを登録して、ここのスタートボタンを押すと」
晶葉「プレイヤーはゲームに吸い込まれる」
まゆ「急に理解が追いつかなくなりましたけど」
晶葉「人間のデジタル化というやつだ。そして中で行われるのは、日本縦断の旅」
晶葉「北海道からスタートし、サイコロを振って出た目の数だけ進んで」
晶葉「途中途中で起こるイベントに巻き込まれながらも、ゴールの沖縄を目指すんだ」
晶葉「中では何十日、何ヶ月、何年の時が流れると思うが……現実では約1時間しか経たないから安心してくれ」
まゆ「晶葉ちゃん、天才のレベルを越えてると思いますよ」
凛「だよね。私も最初聞いた時、賞賛を通り越してドン引きしたもん」
まゆ「私は晶葉ちゃんが怖いです」
晶葉「そう褒めないでくれ」フフ
まゆ「褒めてるっていうか……確かに褒めてはいるんですけど……」
晶葉「大まかな説明は終わったぞ。あとは好き勝手やってくれ」
晶葉「プレイしていれば流れは分かってくるから」スタスタ
まゆ「……」
凛「早速始める?」
まゆ「待ってください、心の準備と余裕を作る時間をください」
まゆ「明日、2人ともオフですよね? 休みなら気兼ねなくプレイできますから」
まゆ「お昼に事務所に集まりましょう」
凛「オッケー」
今日はここまでにします
また明日に始めていきます
>>1です
サイコロの旅のやり方や、各地のマスの内容など色々決めたいので
今日でなく明日から始めていきたいと思います
すみません
昔765のサイコロの旅SSがあったな
奇跡安価連発で海外の旅になってたけど
>>398
もっと手軽な感じになると思います
予定通り今日の夜から始めます
――――――――
――――――
――――
凛「体調は万全?」
まゆ「もちろんですよ。これでついに正妻が決定するんですからね」
まゆ「全身全霊で凛ちゃんを負かします」
凛「こっちのセリフだよ。プレイヤー登録はしておいたから確認して」
まゆ「ありがとうございます。えっと、名前と身長にスリーサイズ……こんな細かいんですか?」
凛「みたいだね。あと特技の欄も確認してね」
まゆ「特技? あ、これですか……って」
まゆ「何ですか『重すぎる愛』って!?」
凛「私から見たまゆのイメージだよ。これを使えば」
凛「相手を1回休みにできるんだ」
まゆ「良い効果ですね……名前はすごく納得いかないですけど」
凛「ちなみに私は『超嗅覚』。サイコロの出る目を+5できる効果だよ」
凛「どっちも上限が2回だから、どのタイミングで使うかよく考えないとね」
まゆ(嗅覚で出る目を+5って意味が分かりませんね)
まゆ「大体は分かりました。始めましょうか」
凛「そうだね……いくよ! スタート!」ポチッ
シュンッ
――――
まゆ「……?」
まゆ「こ、ここは……外ですか?」
凛「どうやらゲームの中に入ったみたい」
まゆ「半信半疑だったんですけど、本当みたいですね」
晶葉『ようこそ! 今から日本縦断サイコロの旅を始めるぞ!』
凛・まゆ「!?」
まゆ「晶葉ちゃんの声です!」
凛「プログラムだよ。実際に話してるわけじゃない」
晶葉『その通りだ。私は晶葉にプログラムされたゲームの案内人だ!』
晶葉『君たちに狂うほど楽しんでもらうため、様々な紹介や説明をしていくぞ!』
まゆ(テンションが高い)
晶葉『さて、目の前に広がっている広大な土地に驚いていると思うが』
晶葉『ここは北海道のある場所であり、サイコロの旅のスタート地点でもある!』
晶葉『君たちにはここから、ゴール地点の沖縄を目指してもらうぞ!』
凛「ここまでは晶葉に聞いたね」
晶葉『そうなのか!? ははっ、私の仕事を奪うなんて! やっぱりあいつは天才だな!』
凛・まゆ「……」
晶葉『となれば私が説明するのは、各マスについてだな!』
晶葉『都道府県ごとに3つのマスがあり、それぞれ出身のアイドルが待ち構えているぞ!』
晶葉『凛とまゆはそのアイドルたちと対決したりしなければならない!』
凛「したり?」
まゆ「対決以外にも何かありそうですね」
晶葉『その通り! 対決だけではなく、君たちを陥れる罠もあるんだ!』
晶葉『深くは説明できないが、止まったら自分の不幸を呪って泣き叫んでくれ!』
まゆ「明るい声でそんなこと言わないでください」
晶葉『話を戻すが、アイドルたちと戦って勝てば、嬉しいご褒美が待っているぞ!』
晶葉『よし、こんなところかな! あとは追々説明していくから』
晶葉『ジャンケンして先攻後攻を決めてくれ!』
凛「これは大事だね」クイックイッ
まゆ「絶対に先攻を勝ち取ります」グッグッ
凛・まゆ「最初はグー! ジャンケン……」
↓1 コンマ一桁 偶数が凛 奇数ならまゆ
凛「よし!」
まゆ「うう……でも後攻が有利になることも……」
晶葉『凛が先攻だな! ではこのサイコロを振るんだ!』
ポンッ
凛「大きいサイコロだね」
まゆ「10面ですか。これなら早く終わるかも」
晶葉『それは君たちの運次第だな! そろそろ私は引っ込ませてもらうぞ!』
晶葉『この防寒着を渡すから急いで着るように! またな!』
パサッ パサッ
まゆ「防寒着? 必要ないと思いますけど…」
凛・まゆ「寒っ!?」
凛「き、急に寒くなったね」ガタガタ
まゆ「こ、これ……北海道の寒さですか……」ブルブル
晶葉『本格的だろう? 他にもリアリティを追求してるからお楽しみに!』
凛「早く着よう」ゴソゴソ
まゆ「風邪ひいちゃいます」モソモソ
凛「それで、どうすればいいんだっけ……」プルプル
まゆ「サイコロを振るんですよ。凛ちゃんが先攻なんですから」ガタガタ
凛「そ、そっか。お先に」スッ
凛「よっ」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
凛 北海道 青森 岩手 宮城
● ○○○ ○○○ ○○○ ○○○
まゆ 北海道 青森 岩手 宮城
● ○○○ ○○○ ○○○ ○○○
↓1 コンマ一桁がサイコロの目 0は10です 特技を使う場合は使用のレスも加えてください
凛:3マス進む
【進行状況】
北海道 青森 岩手 宮城
凛 ○○● ○○○ ○○○ ○○○
まゆ 北海道 青森 岩手 宮城
● ○○○ ○○○ ○○○ ○○○
凛「3マスって……少ない……」
まゆ「うふふ、これはまゆが差をつけちゃいそうですねぇ」
凛「どうかな、まゆも3を…」
ビュンッ
まゆ「凛ちゃんが消えた!?」
まゆ「い、移動した……んですか……?」
――――
凛「…出すかもしれないよ」ビュンッ
凛「あれ、まゆ? どこ行ったの?」
凛「いや……私が移動したみたいだね」
ワイワイ ガヤガヤ
凛「大きな雪の像が並んで、人が賑わってる」
凛「さっぽろ雪まつり、だっけ。すごい」キラキラ
???「北海道へようこそ」スタスタ
凛「だ、誰!?」
アーニャ「私デス」
凛「アーニャ! そっか、北海道出身だもんね」
アーニャ「ダー。早速デスけど、凛」
アーニャ「私と対決、デス!」バンッ
凛「本当に早速だね。もうちょっとここら辺の説明とかないの?」
アーニャ「プログラムされてないので……ごめんなサイ」
凛「やっぱりプログラムなんだ」
アーニャ「はい……でも一応本人の許可を得て、セリフや動作の収録もしまシタ」
凛「細かいね……」
凛「まあいいや。雪まつりを堪能するのは」
凛「プロデューサーの正妻になってからでも遅くないし」フフッ
凛「どういう対決するの?」
アーニャ「さっぽろ雪まつりが舞台デスから」
アーニャ「雪細工で、どちらの完成度が高いか勝負しまショウ」
凛「へー……面白そう。いいよ、やろうよ」
アーニャ「引き受けマスか。その判断が命取りにならないといいデスけど」フフフ
凛「それも収録したの?」
アーニャ「ダー。楽しかったデスよ♪」
凛(ノリノリでやるアーニャが目に浮かぶよ)
アーニャ「お題は『プロデューサー』デス。プロデューサーのどんな姿でもいいので」
アーニャ「等身大の像を作ってくだサイ」
凛「!」ピクッ
凛「ふふ……なんだ、私に超有利じゃん」
凛「制限時間は?」
アーニャ「1時間デス。はい! 今からスタートデス!」スタタタッ
凛「あ! 卑怯な!」スタタタッ
――――
凛「どんなプロデューサーを作ろうかな。仕事してる姿もいいけど」
凛「ベッドで腕枕して私に微笑みかけてる妄想バージョンも捨てがたい」
アーニャ「♪」ペタペタ
凛(って、アーニャもう作り始めてるし!)
凛(私も急がないと)パンパン ペタペタ
凛『決めた、あのプロデューサーにしよう』パンパン
アーニャ『これをこうして』ペタペタ
まゆ「……」
晶葉『このように、向こうの様子を映像で確認できるんだぞ! すごいだろう!』
まゆ「すごいですけど……1時間も待たなきゃいけないんですか?」プルプル
晶葉『風邪はひかないから安心してくれ! あと』
晶葉『コタツとミカンも用意してあるぞ、ほら!』
ジャンッ
まゆ「道の真ん中に不自然なコタツ!」
まゆ「嬉しいですけど、どうせなら寒さをどうにかして欲しいですね」モゾモゾ
晶葉『仕方ないな! これでどうだ!』
まゆ「あ、風が止まった。ありがとうございます」
まゆ(これなら凍えることはないですね)ムキムキ パクッ
まゆ(ミカン美味しい)モグモグ
↓1 アーニャの雪細工の出来栄え
↓2 凛の雪細工の出来栄え
コンマ二桁 高い方が勝利
――――
晶葉『そこまで! 1時間経ったから私が審査しに来たぞ!』
凛「まあ晶葉くらいだよね」
アーニャ「一生懸命がんばりまシタ♪」
晶葉『審査に移ろう! ふむ……なるほどなるほど……』
晶葉『アーニャは溺れそうなプロデューサーか! なかなか上手い!』
アーニャ「違いマス! 喜んでるプロデューサーデス」
晶葉『そ、そうか。上手いな』
凛(気を遣ってる)
晶葉『対して凛は……バラを加えて決めポーズをとっているプロデューサーだな!』
凛「うん、我ながら上手くできたよ」
――――
まゆ(家の庭に飾りたい)
――――
晶葉『1時間でよくここまで作れたな! 素晴らしい!』
晶葉『さて、結果を発表するぞ!』
アーニャ・凛「……」ドキドキ
晶葉『雪細工対決に勝ったのは……凛だ!』
凛「やった!」グッ
アーニャ「凛、すごいデス。私の完敗デス」
凛「アーニャのプロデューサーも素敵だと思うよ。気持ちが伝わってくる」ニコッ
アーニャ「そ、そうデスか……?」テレテレ
凛「また雪細工作ろうね」
晶葉『おめでとう凛! 対決に勝ったから、次のサイコロの目が+2されるぞ!』
凛「ご褒美ってそういうのなんだ。まあ嬉しいっちゃ嬉しいかな」
晶葉『次はまゆの番だから、ここでコタツとミカンを満喫していてくれ!』
―――――
まゆ「やっと私ですか。あったかくて寝ちゃうところでした」スッ
まゆ「お願いします、10出てください! 10!」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
北海道 青森 岩手 宮城
凛 ○○● ○○○ ○○○ ○○○
まゆ 北海道 青森 岩手 宮城
● ○○○ ○○○ ○○○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:10マス進む
【進行状況】
北海道 青森 岩手 宮城
凛 ○○● ○○○ ○○○ ○○○
北海道 青森 岩手 宮城
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ●○○
まゆ「きゃっ、本当に出ました!」
凛「なん……だと……」
アーニャ「まだまだここからデスよ」ポンッ
晶葉『これはすごいぞ! しょっぱなから凛を突き放した!』
晶葉『北海道、青森、岩手を越えて宮城に到達だぁー!』
まゆ「準備していただいたアイドルの方には悪いですけど……」
まゆ「私の出身地、いざ宮城県へ!」
ビュンッ
――――
まゆ「到着! こんな移動の感じなんですね」
???「お、きたきた」
まゆ「!」
まゆ「なるほど……美玲ちゃんですか」
美玲「ふふふ、まゆ! ウチが相手だぞッ!」ビシッ
まゆ「いいでしょう。例え同じ出身のアイドルでも」
まゆ「容赦はしませんよ」
まゆ「何で勝負するんですか?」
美玲「宮城県出身なら、ここがどこだか分かるよな?」ニヤリ
まゆ「ええ……っていうか」
まゆ「美玲ちゃんの後ろの看板に『伊達政宗歴史館』って書いてありますし」
美玲「その通り! 今から始めるのは、伊達政宗に関係がある勝負だ」
まゆ「ま、まさか……刀で真剣勝負!?」
美玲「違う! そんな物騒な勝負はしない!」
美玲「その名も『伊達政宗ぬいぐるみ勝負』!!」
まゆ「へ……?」
美玲「ここに伊達政宗のぬいぐるみを作る材料が2人分ある」スッ
美玲「時間は無制限! より上手く作った方の勝利というシンプルなルールだ!」
まゆ「……」
まゆ(美玲ちゃんらしいというか……)
美玲「怖気づいたか?」フッフッフ
まゆ「まさか、望むところですよ。受けて立ちます」
まゆ「時間は無制限なんですよね?」
美玲「ああ、早く作ってもポイントにはならないぞ」
美玲「ここにあるテーブルを使ってくれ。ミシンなどの道具も全て揃えてある」
まゆ「整ってますね」
美玲「準備はいいか!? スタートだ!!」
凛「あれ、もうミカンがない」
アーニャ「ちょっと待っててくだサイ」スッ
スタスタ
アーニャ「はっ」ズボッ
凛「プロデューサーの心臓付近に手を突っ込んだ!」
アーニャ「冷やしておきまシタ♪」スタスタ
アーニャ「どうぞ」スッ
凛「う、うん……ありがとう」
凛(なんかこのアーニャおかしい。晶葉の産物だからだろうけど)
晶葉『おい凛! まゆが戦ってるのに観なくていいのか?』
凛「ちょくちょく確認してる。雪の像も観賞したいし、付きっきりには観れないよ」
アーニャ「凛、もっとミカンありますよ?」
凛「ありがとう。もういいよ」
アーニャ「そうデスか……」チラッ
凛(まだミカンが埋まってるのかな)
↓1 美玲のぬいぐるみの完成度
↓2 まゆのぬいぐるみの完成度
コンマ二桁 高い方が勝利
美玲「むむ……」
まゆ(美玲ちゃん、苦戦してるようですね)
まゆ(悪いですけど本気でやらせてもらいますよ!)シュパパパ
――――
美玲「できたぞ!」バンッ
まゆ「私もです」ババンッ
晶葉『よし! また私が審査員を務めさせてもらうからな!』
晶葉『ほう、どちらも上手く作れているが……ふんふん……』
晶葉『……うん、決まったぞ』
晶葉『伊達政宗のぬいぐるみ勝負、より上手く作れているのは……』
美玲「……」
まゆ「……」
晶葉『まゆだ!!』バッ
美玲「ぬぐぅっ!?」
まゆ「やりました♪」
美玲「な、何が悪かったんだ……ウチの何が……!」
晶葉『美玲のはオリジナルが強いんだ。ハートマークが目立って可愛いんだが』
晶葉『できるなら、もっと単純にして欲しかった』
美玲「うぐ……」
まゆ「私は美玲ちゃんのぬいぐるみ、好きですよ」ニコッ
美玲「ほ、本当か?」
まゆ「ええ」
美玲「……へへ……」
晶葉『おめでとう、これで凛と同じく次のサイコロの目が+2されるぞ!』
まゆ「もっともっと凛ちゃんを突き放せるといいですけどね」
――――
凛「チッ……勝ったみたいだね……」
凛「次から大きい数字を出していかないと」スッ
アーニャ「zzz」
凛(アーニャを起こさないように、それっ)ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
北海道 青森 岩手 宮城
凛 ○○● ○○○ ○○○ ○○○
北海道 青森 岩手 宮城
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ●○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
凛:5マス進む
【進行状況】
宮城 秋田 山形 福島
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
宮城 秋田 山形 福島
まゆ ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
凛「5マス……にプラスして2だから、7マスだね」
ビュンッ
凛「……まゆ」
まゆ「ここまで来ましたか」
まゆ「でも残念ですね。私はここをクリアしてるので」
凛「今に見てなよ、抜かしてあげるから」
美玲「凛もこのマスなのか?」
凛「うん。ぬいぐるみ勝負しよう、美玲」
美玲「ぬいぐるみはまゆとの戦いだろ? 凛は別の勝負だ!」
凛「え」
美玲「その名も『牛タン早食い対決』!!」
凛「牛タン早食い!?」ガーン
凛(しまった、ミカン食べるんじゃなかった!)
今日はここまでにします
明日に再開します
美玲「どうした? 嫌なのか?」
凛「嫌っていうか、実はさっきまで……」
晶葉『問題ないぞ凛! あのミカンはどれだけ食べてもお腹が満たされることはないんだ!』
凛「そうなの? そういえば、食べた感じがしないね」
まゆ(よかった……)ホッ
晶葉『デジタルの中ではこういうこともできるんだぞ!』
凛「便利な空間だね。まあいいや」
凛「これで心おきなく戦えるよ」キリッ
美玲「お、やる気になったな! 牛タン弁当を渡すぞ!」スッ
凛「これを早食いすればいいんだね」
美玲「とにかく早く食べた方が勝ちだからな。まずはコタツの前に座って」スッ
美玲「『いただきます』の言葉でスタートするぞ! 準備はいいか?」
凛「いつでもいいよ」スッ
美玲「いくぞ! よーい……」
美玲・凛「いただきます!!」パカッ
凛「!」
凛(こ、これは……すごく美味しそう!)
凛(ちょっと量が多いのが心配だけど)パクッ
凛(うまっ!)
凛(これなら大丈夫だ、箸がどんどん進むよ!)モグモグ
まゆ「いいなぁ」
晶葉『ミカンがあるぞ!』
まゆ「お腹が満たせないじゃないですか」
晶葉『満たすようにすることもできるが』
まゆ「……食べる勝負があるかもしれないので、やめておきます」
凛「……」モグモグ
晶葉『おっと、凛のペースが落ちているぞ! 早くも限界なのか!?』
凛(違う……まだまだ余裕はあるんだけど……)
美玲「ふふふ、どうやら罠に引っかかったようだな」
まゆ「罠!?」
美玲「そうだ! この牛タン弁当をもっと味わいたいという欲が!」
美玲「早く食べてしまうのはもったいないという欲が! 凛の中に生まれてしまったんだ!」
凛(美玲の言うとおり。何でこんなに美味しいものを早食いしなきゃいけないの)
凛(早く食べなきゃ……! でも……!)
晶葉『凛の心で葛藤が生じている! どうする凛! どうする!』
まゆ(現実で宮城に行って食べればいいんじゃないですか?)
まゆ(と言うのは、アドバイスになってしまうので口に出しませんけど)
↓1 美玲
↓2 凛
コンマ二桁 少ない方が勝利
凛(美味しい……美味しい……!)パクパク
晶葉『むむ、やはりスピードが上がらないな!』
まゆ「凛ちゃんの味覚にぴったりハマったみたいですね」
美玲「悪いな凛! このまま突っ切らせてもらうぞッ!」
美玲「もぐもぐぱくもぐごくん、ぱくもぐもぐ」
美玲「ふー……ごちそうさまでした!」
晶葉『勝者! 美玲!』
凛「……ごちそうさまでした……」
晶葉『そして数秒遅れて凛が食べ終わった! 惜しかったな!』
凛「くぅっ……こんな結果なら、最初からじっくり味わっとけば……」ガクッ
まゆ「そんなに気に入ったんですか」
晶葉『ということで、凛の次のサイコロの目は-2されるからな!』
凛「なるほど、負けるとそうなるんだね」
まゆ「これで一気に距離を空けますね!」
凛「そうとは限らないよ。まゆが低い目を出せば……」
まゆ「いいえ、また10を出します。絶対に!」スッ
まゆ「そーれっ」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
宮城 秋田 山形 福島
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
宮城 秋田 山形 福島
まゆ ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:8マス進む+2
【進行状況】
宮城 秋田 山形 福島
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
宮城 秋田 山形 福島
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ○●○
まゆ「8マスです! さっきの勝負に勝って+2ですから」
まゆ「10マス進めますねぇ」ニコニコ
凛「あわわわわ」
晶葉『これは凛、ピンチだな! まゆは福島へひとっ飛びだ!』
美玲「気をつけてな!」
まゆ「ありがとうございます♪ またぬいぐるみ作りましょうね」
ビュンッ
凛「……」
美玲「そんなに弁当味わいたかったのか?」
凛「ううん、そうじゃなくて……いやそれもあるんだけど……」
凛(冷静になろう私。まだ始まったばかりなんだし)
凛(逆転のチャンスはあるはず!)
ビュンッ
まゆ「到着しました。ここ出身のアイドルって誰がいましたっけ?」
タタタン タタッ タタタン タタッ
まゆ「え? な、何ですかこの音」
タタタン タタッ タタタン タタッ
???「ヘーイ!!」
まゆ「!?」ビクッ
まゆ(この声は……まさか……!)
ヘレン「見惚れるがいいわ! この世界レベルのステップを!」タタタン タタッ タタタン タタッ
まゆ「ヘレンさん!?」
まゆ(あれ? ヘレンさんって福島県出身……?)
ヘレン「何故私がここにいるのか、不思議でならないって顔ね?」タタタン タタッ
ヘレン「そうよね、私は世界レベル! 1つの場所には収まりきらない大きすぎる器だもの!」タタタン タタッ
まゆ「と、とりあえず立ち止まってお話しませんか?」
ヘレン「ヘーイ!!」タタタッ タタッ タタタンタタタタッ
まゆ(踊りが加速した!)
晶葉『話が進まないようなので私から説明しよう!』
まゆ「晶葉ちゃん、ありがたいです」
晶葉『実は、出身者が3人いない都道府県があって』
晶葉『欠けたマスには海外出身のアイドルに入ってもらうことにしたんだ!』
晶葉『以後、そこはスペシャルマスとしてマップに記しておくぞ!』
晶葉『勝負に勝てば報酬もアップし、当然リスクもアップするからな!』
まゆ「そういうことですか……というか、ヘレンさんって海外出身なんですか?」
晶葉『さあ』
ヘレン「海の向こうよ! 言うなれば、私の出身は世界よ!」タタタンッ
まゆ「……」
晶葉『ヘレン、踊っているところ悪いが勝負を始めてくれないか?』
ピタッ
ヘレン「そうね。ここからはダンスじゃなく」
ヘレン「熱いバトルで汗を流しましょうか」
まゆ「ど、どんなバトルなんですか」ゴクリ
ヘレン「もちろん世界レベルのよ!」
ヘレン「……と言いたいところだけど、福島に配置されたからには」
ヘレン「福島に関連するバトルをあなたに申し込むわ!」
まゆ(よかった)
ヘレン「私とあなたで繰り広げるのは、そう! ダンス対決!」
まゆ「ダンス対決!?」
ヘレン「ダンスなら何でもいいわ。スパリゾートハワイアンという場所のステージで踊って」
ヘレン「どちらが観客の視線を釘づけにするか競うのよ!」
まゆ「そんな……ヘレンさんに有利な勝負じゃないですか!」
ヘレン「あなたもアイドルとして経験を積み上げてきたじゃない!」
ヘレン「底力を見せてみなさい! 練習時間は1日よ!」
まゆ「……分かりました……」
まゆ(やれるだけやるしかありませんね)
――――
凛「1日って嘘でしょ!? そんなに待たなきゃいけないの!?」
プツ
凛「痛っ!」
美玲「縫ってる最中によそ見するからだぞ。ほら、絆創膏」スッ
凛「ありがとう……」
晶葉『安心してくれ凛、こういう時のために早送り機能というものがある!』
凛「何それ。まさかまゆとヘレンさんの時間を早送りできるとか?」フフッ
晶葉『そうだ! 時間を短縮して1日を1時間に縮めることができる!』
凛「ええ……」
晶葉『ここは現実じゃないから何でもできるぞ!』
晶葉『早送りするか?』
凛「んー……ちょっとだけ練習風景を見たいかな」
晶葉『分かった、じゃあ数時間後まで早送りしてみる!』
――――
ドンドコドンドコドンドコ
ヘレン『ヘーイ!』
ドンドコドンドコドンドコ
ヘレン『ヘーイ!』
凛「ヘレンさんはいつも通りだね」
晶葉『タヒチアンというダンスだな! 練習しなくてもいけそうだ!』
凛「腰使いが激しいね……すごい」
凛「まゆの方を映して」
晶葉『了解!』
ピッ
まゆ『ハワイアンってフラダンスのショーがあるんだ。へー』
まゆ『……どうせなら私もフラダンスを踊ってみたいですね』
まゆ『1日じゃ厳しいですけど……挑戦してみようかな』
まゆ『この腰使いを習得すれば、プロデューサーさんに喜んでもらえるかもしれないし』
まゆ『うふふっ。なんてね♡』
凛「チッ……もういいよ、早送りして」
晶葉『練習は観なくていいのか?』
凛「まゆのことだから間に合わせるでしょ」
晶葉『そうか、じゃあ進めるぞ』ピッ
美玲「何で怒ってるんだ?」
凛「ちょっとね……」スッ
美玲「どこ行くんだよ凛!」
凛「タヒチアンを練習してみる。ぬいぐるみの続きは後でやるから」
美玲「?」
――――
ヘレン「さあ、戦いの火蓋を切る時よ」
ヘレン「世界レベルのダンスで、観客だけでなくあなたも虜にしてあげる!」
ワーワー ワーワー
まゆ「すごいお客さんですね」
晶葉『観客レベルをマックスにしたからな』
ヘレン「どっちから披露する?」
まゆ「私、最初でいいですか」
ヘレン「いいわ、譲ってあげる! あなたの熱いハートを見せてもらうわ!」
――――
~♪ ~♪
まゆ「♪」クイックイッ
凛「結局フラダンスにしたみたいだね」
凛「持ち歌のダンスの方がやり慣れてるし、勝機はあるのに」
美玲「でもすごい綺麗だぞ!」
晶葉『腰の動きもなかなかだな』
凛「……」
~♪ ~♪
ヘレン「ヘーイ!!」
~♪ ~♪
ヘレン「Foo!!」
凛「ヘレンさんのダンス、圧倒される……」
晶葉『迫力もあるし、素晴らしいな!』
美玲「すげぇ……」キラキラ
――――
晶葉『2人とも素晴らしいダンスだった! 観客も沸いているぞ!』
ワーワー ワーワー
まゆ「でも、やっぱりヘレンさんには勝てないと思います」
まゆ「お客さんのボルテージが最高でしたし」
ヘレン「そんなことないわ!」
まゆ「!」
ヘレン「あなたのダンス、ヤケドしそうなくらい熱かった」
ヘレン「とにかく熱い思いが、心に響いてきたの! 観客も魅了されていた!」
まゆ「あ、ありがとうございます……」
晶葉『互いの健闘を称え合ったところで』
晶葉『果たしてどちらが勝者なのか、発表するぞ!』
↓1 ヘレン
↓2 まゆ
コンマ二桁 高い方が勝者
晶葉『勝者は……まゆ!!』
まゆ「え!?」
晶葉『観客から可愛いや綺麗などの声が上がっていた!』
晶葉『一方ヘレンは、迫力がありすぎて怖くなってしまった者もいたようだ!』
ヘレン「フッ、やり過ぎてしまったようね!」バンッ
まゆ「けどダンスの上手さは絶対に……!」
ヘレン「いいのよ、謙遜しないで? 今回はあなたのダンスが」
ヘレン「観客の心の打ち鳴らしたんだから! 誇りなさい!」
まゆ「あ……ありがとうございます!」
ヘレン「ただし、次にやる時は負けないわ! 世界レベルを見せてあげる!」
まゆ「はい!」
――――
凛「ん、難しいね。どうやったらあんなに激しく動かせるんだろ」グイッグイッ
美玲「凛、まゆの勝負が終わったぞー」
美玲「まゆの勝ちだって」
凛「! ……そっか。また一歩先に進まれたね」
凛「だけど、私だってまだまだ挽回できる」スッ
凛「10よ出ろ!」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
宮城 秋田 山形 福島
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
宮城 秋田 山形 福島
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ○●○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
凛:6マス進む-2
【進行状況】
秋田 山形 福島 茨城
凛 ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
秋田 山形 福島 茨城
まゆ ○○○ ○○○ ○●○ ○○○
凛「6マスからマイナスして4、か……」
美玲「頑張れよ凛!」
凛「うん、ありがとう。ぬいぐるみ作り楽しかったよ」
ビュンッ
凛「……秋田県か」
凛「出身のアイドルは確か、日菜子、沙織」
???「凛ちゃん」スタスタ
凛「そして愛梨」
凛「次の勝負の相手は愛梨なんだね」
愛梨「そうだよ♪ ここを通りたければ私を倒してみなさい!」
凛「倒さなくても通れるけど、サイコロの目+2がかかってるからね」
凛「全力でいくよ」
今日はここまでで
続きはまた明日始めます
愛梨「気合が入ってるね~」
凛「まあね。何で勝負するの?」
凛(もしスタイル対決とかだったら……)
愛梨「発表するよ~!」ボンキュッボン
凛(今のところ勝目は無いけど。今のところ)
愛梨「私と凛ちゃんでやるのは~……」ジャカジャカジャカ
愛梨「じゃんっ! これだよ!」スッ
凛「!?」ビクッ
凛「な、なまはげ……の衣装?」
愛梨「そう! なまはげに変身して、どっちがより多くの子を怖がらせることができるか」
愛梨「勝負しよう!」
凛「変わった勝負だね……まあいいけど」
凛「審査してくれる子が可哀想じゃない?」
愛梨「大丈夫、みんなやる気満々なんだ」
愛梨「今から紹介するね? 出てきて~!」
スタスタ
千枝「よろしくお願いします」ペコリ
薫「怖がらないようにがんばりまー!」
ありす「なまはげなんて現実にはいない空想のものですから」キリッ
仁奈「わくわくするですよ!」キラキラ
みりあ「なまはげ見たことないから楽しみ!」
桃華「ですわ!」
凛「LMBGのみんなか。本当に大丈夫なの?」
ありす「むしろ、なまはげに扮装する凛さんと愛梨さんが心配ですよ」
ありす「私たちが怖がらなかったら心が折れてしまいますよね?」
凛「そんなことはないけど……」
愛梨「自信満々だね~♪」
みりあ「早くなまはげ見たーい!」
仁奈・薫「見たーい!」
千枝「ちょっと緊張してきました」ドキドキ
桃華「インターネットの事前調査で、心の準備はできていますわ!」
愛梨「みんなもこう言ってるし、着替えよっか?」
凛「だね」
愛梨「先攻後攻はどうしよっか」
凛「愛梨からお願いしていいかな? やり方がちょっと分かんないし」
愛梨「いいよ♪」
――――
仁奈「この部屋で待ってればいいですか?」
凛「そうだよ。準備ができたら急に来るから」
千枝「き、急にですか?」
ありす「何で教えてくれないんですか……」
凛「まあまあ。どうせ怖くないんでしょ?」
ありす「ええ、現実にはいない生き物ですからね」
千枝「私はちょっぴり…」
バンッ!!
LMBG「!!」ビクッ
愛梨『悪い子はぁ……ッ』
愛梨『悪い子はいねがぁぁぁぁぁぁッ!!』
LMBG「!?」ビクビクッ
千枝「ひゃぁ……!」プルプル
ありす「あ、あれ本当に愛梨さんなんですか!?」
桃華「声が違いますわ……っ!」
凛(ボイスチェンジャーを使ってるからね)
凛(まさかこんなに恐ろしい声とは思わなかったけど)
愛梨『泣ぐ子はいねがぁぁぁぁぁぁッ!!』
薫「な、泣いてないよぉ……!」ガタガタ
仁奈「仁奈は元気でごぜーます……!」
愛梨「お前は悪い子かぁぁぁぁぁぁッ!!」
みりあ「良い子にしてますっ……!」ビクビク
愛梨『そうかぁ……』
愛梨『お前はどうだぁぁぁぁぁぁッ!!』
凛「ひっ!? い、良い子です! 模範的な良いアイドルです!」
愛梨『そうかぁ』
凛(怖いっ! 高校生の私でも迫力に負けちゃうレベルだよ!)
凛(これは手強いね……)
愛梨『ここには良い子しかいねー……帰ろう……』スタスタ
LMBG(ほっ)
愛梨『と思わせて、うがぁぁぁぁぁぁッ!!』ズダダダッ
LMBG「きゃぁぁぁぁぁぁ!?」
桃華「もうやめてくださいまし!」
仁奈「なまはげさんこえーです……」
ありす「……!」ガタガタ
――――
愛梨「どうだった~?」ニコニコ
LMBG「……」プルプル
愛梨「やり過ぎちゃったね……隅っこに固まらないで、こっちおいで~」
ありす「あともう1回奴が来るので」
薫「防御しないと……」
愛梨(固まったら良い標的になると思うけどな)アハハ…
バンッ!!
LMBG「!?」
凛『……』スタスタ
凛『……』ジー
千枝「な、何も言わずこっち見てる……っ」
桃華「何が狙いですの……!?」
凛『……悪い子はいねがぁ……』
凛『そうだ……匂いを嗅いで探し当ててやろう……』クンクン
みりあ「ひぃっ……!」
愛梨(なまはげってそんな能力持ってたっけ?)
凛『くんくん……ん? 2人悪い子がいるなぁ?』
千枝(千枝じゃありませんように……! 千枝じゃありませんように……!)ギュッ
桃華(そ、そういえば先日嫌いな食べ物を残してしまいましたわ……!)ガタガタ
仁奈(お昼寝してるプロデューサーの顔に落書きしたでごぜーます……!)
凛『……ありす』
ありす「えっ」
凛『ありすはどこだぁぁぁぁぁぁッ!!』スタタタッ
桃華「こっちに走ってきますわ!?」
みりあ「呼ばれてるよありすちゃん!」
ありす「ええ!?」
凛『ありすぅぅぅ!! ありすを出せぇぇぇ!!』
薫「……ありすちゃん」グイッ
ありす「どどっ、どうして背中を押すんですかぁ!」アタフタ
薫「だってなはまげさんがそう言ってるから……」
千枝「どうしようもないよ……」
ありす「そんな……!!」
桃華「なまはげ様、こちらが生贄でございますわ」
桃華「どうぞお収めくださいまし」
ありす「生贄!?」ガーン
凛『……お前もだ』
桃華「へ?」
凛『桃華も悪い子だぁぁぁ!! こっちに来いぃぃぃ!!』
桃華「2人目は私ですの!?」ガーン
ありす「一緒に食べられましょう……」
桃華「食べられるんですの!?」ガガーン
――――
愛梨「それじゃ、どっちが怖かったか教えてね」
愛梨「あと補足だけど、なまはげは災いを祓ってくれる神様だから」
愛梨「それだけは覚えて…」
LMBG「」ポケー
愛梨「もうちょっと休憩した方がいいかな……」
凛「なまはげの衣装が本格的だからね、超怖いもん」
愛梨「やっぱりやり過ぎちゃったね……」
↓1 愛梨
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が勝利
――――
ありす「さっき言った『怖くない』という言葉は撤回します」
ありす「とても怖かったです」
千枝「もう会いたくないです……」
みりあ「夢に出そうだよ……」
愛梨「ごめんね?」
薫「ううん! 薫たちも最初はノリノリだったもん!」
仁奈「なまはげさんのことを知れてよかったです!」
桃華「貴重な体験でしたわね!」
凛「よかった……。ところで、どっちが1番怖かった?」
ありす「話し合いタイムを設けさせてください!」
LMBG「ひそひそ」
――――
ありす「決まりました」
ありす「正直どちらも恐ろしかったんですけど」
桃華「凛さんのなまはげが怖かったという意見が5票」
桃華「愛梨さんは1票。よって凛さんの勝利ですわ!」
凛「よしっ! ありがとう!」
愛梨「負けちゃったか~」
みりあ「僅差だったんだよ! どちらかと言うと凛ちゃんってだけで」
千枝「凛さんみたいにもっと詰め寄られてたら危なかったです」
愛梨「そっか、もうひと工夫すればよかったね」
仁奈「なまはげの声ってどうやって出しやがったんですか?」
愛梨「えっとね~……」
凛(次のサイコロの目が+2される)
凛(でも、大きい目を出していかないと意味ないんだよね)
凛(まゆの様子を見てみよう)チラッ
――――
まゆ「こ、こうでしょうか」クイックイッ
ヘレン「あなたの情熱はそんなもの!? もっと激しく! こう!」クイクイクイクイ
晶葉『まゆ、凛の勝負が終わったぞ!』
まゆ「あ、そうですか。ではヘレンさん、私はこれで」
まゆ「ご指導ありがとうございました!」
ヘレン「いいのよ! ダンスもバトルも頑張りなさい!」
まゆ「はい!」
まゆ「ふぅ、やる気が出てきました。サイコロを……」スッ
晶葉『ちょっと待ってくれ! その前に伝えることがある!』
晶葉『まゆはこのスペシャルますに止まって勝ったから』
晶葉『サイコロの目が+5されるぞ!』
まゆ「5ですか!?」
晶葉『スペシャルだろう? ただし、負けたら1回休みになるから気をつけろ!』
まゆ「1回休み……できれば避けたいですね」
まゆ「まあ、これで凛ちゃんとはかなり差がつきますけど……はっ」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
秋田 山形 福島 茨城
凛 ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
福島 茨城 栃木 群馬
まゆ ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:8マス進む+5
【進行状況】
秋田 山形 福島 茨城
凛 ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
茨城 栃木 群馬 埼玉
まゆ ○○○ ○○○ ○☆○ ○○●
まゆ「8マスプラス5マスで13マス!」バンッ
まゆ「さらにスキル『重すぎる愛』を使い、凛ちゃんを1回休みに!」ババンッ
晶葉『おお!! 一気に引き離す作戦だな!!』
晶葉『これでまゆは茨城、栃木、群馬と飛んで、埼玉まで直進だ!!』
まゆ「うふふ♪ さよならー♪」
ビュンッ
ズシン!
凛「ぐはぁっ!? な、何これ……体が重い……!」
凛「まゆの特技のせい……!? っていうか」
凛(どうしよう。これ引き離されすぎでしょ)
凛(まゆに追いつけるの、私……!?)
――――
ビュンッ
まゆ「埼玉県にやって来ました!」
まゆ「えっと、出身のアイドルの方は……」
???「ハローまゆちゃん☆」スタスタ
まゆ「唯ちゃん!」
唯「もうここまで来たんだ、はや~い!」
まゆ「1位を独占ですよ。このマスは唯ちゃんと勝負なんですか?」
唯「そうだよ☆ ちなみに、ここどこだか分かる?」
まゆ「んー……動物園ですか?」
唯「大体あってる! 東武動物園だよ!」
唯「動物を見れたり、プールに入れたり、遊園地の乗り物に乗れたりするんだ~♪」
まゆ「素敵ですね!」
唯「でしょでしょ! 最近あんま来てないんだけどね」エヘヘ
唯「んで、そんな素敵な場所でどんなことするのかっていうと」
唯「ゆい発案! わくわく☆3種のレースを行おうと思いま~す!」
まゆ「3種のレース?」
唯「んとね、まずはプールで50メートルをすいすい~っと泳いで」
唯「泳ぎきったら、次は服に着替えてジェットコースターに乗る!」
唯「それが終わったら動物園に行って、動物クイズに正解したらゴールだよ!」
まゆ「3種ってそういうことですか」
唯「面白そうでしょ! やる?」
まゆ「やるしかないですよ! 勝ってみせます!」
唯「やる気がすごいね☆ そいじゃ水着に着替えよっか~」
――――
唯「えへへ、わくわくするね!」
まゆ「そうですね……燃えます」メラメラ
唯「ゆいもマジでいくよ♪」
唯「位置について! よーい」
唯「スタート!」バッ
まゆ「!」バッ
ザブン!
ここまでにします
まゆがこのままゴールしそうな勢い
ザバザバ
まゆ(得意のクロールでいきます! と言っても、他にできる泳ぎ方がないんですけど)
唯「んっ、ぷはっ、んっ、ぷはっ」ザバザバ
まゆ「っ、はぁっ、っ、はぁっ」ザバザバ
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁 合計していって100を越えたら次のレースへ
唯:13
まゆ:33
まゆ(速さは、私の方がちょっと上ですね!)
唯(わわっ、まゆちゃん速い!)
まゆ(この調子でいきますよ!)ザバザバ
晶葉(2人とも遅いな!)
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁をプラス 合計で100を越えたら次へ
唯:21
まゆ:43
ザバザバ
唯(リードされてる! もっと力いっぱい動かないと!)
まゆ(この調子、この調子)
晶葉『まゆも唯も泳ぎが得意ではないようだな』
晶葉『あるいはどちらも様子を見ているのか』
凛「……」
晶葉『凛、さっきからずっと体育座りで膝に顔を埋めているが』
晶葉『どうした? お腹でも痛いのか?』
凛「ううん、自分の運の無さに落ち込んでるんだよ」
凛「どうせこのまま圧倒的な差をつけられて、惨めな負け犬になるんだ……」
晶葉『そう気を落とすな』
晶葉『このゲームをプレイするに至るまで、まゆと互角の勝負をしてきたんだろう?』
晶葉『まだまだこれからさ』
凛「そうだといいけど……」
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁をプラス 合計100を越えたら次へ
合計で100超えたら超えたぶん持ち越しになるの?
>>492
リセットで、0からのスタートです
唯:29
まゆ:125
唯「あぷっ、あぷっ」ザバザバ
まゆ(! スピードを上げましたね)
まゆ(では私も、本気を出すとしましょう!)
ザバザバザバ
晶葉『まゆがいきなり速くなったぞ!? やはり力を隠し持っていたか!』
唯(うわぁ~、どうしよう~!)
まゆ「ぷはっ! も、もうゴール? 思った以上に上手く泳げちゃいました」
まゆ「お先に失礼します!」ザバッ
晶葉『まゆが更衣室へ駆け込んだ! 対して唯はまだ25メートル付近だ!』
凛(やるねまゆ)
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁をプラス まゆは0からスタート
唯:112→0
まゆ16
唯(負けられるかー!)ザバザバ
晶葉『何!? 唯もスピードがグンと上がって……ゴールしてしまった!』
凛「今までのは何だったの」
唯「いそげいそげ~!」ザバッ
スタタタッ
――――
まゆ「次はジェットコースターでしたっけ」フキフキ
シュルッ セッセッ テキパキ
まゆ「ふぅ、着替え終わりました。場所は確か…」
唯「まゆちゃん発見☆」
まゆ「!? 来ましたか! でも私はすでに服を着終えたので」
まゆ「今のうちに差をつけます!」スタタタッ
唯「やるね~! 負けないよ~!」フキフキ ヌギヌギ
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁をプラス 唯はリセット 合計100を越えたら次へ
唯:96
まゆ:32
まゆ「あった、あそこですね」スタタタッ
唯「おっさき~☆」ピューンッ
まゆ「唯ちゃん!? は、速い……」
まゆ「負けられません……!」スタタタッ
晶葉『ここで唯がまゆを抜かしたぞ! ジェットコースターに乗車した!』
晶葉『この差はかなり大きいぞ!』
愛梨「お茶どうぞ~」スッ
凛「ありがとう」
愛梨「お煎餅は?」
凛「もらうよ」ズズズ
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁をプラス 合計100を越えたら次へ
唯:170
まゆ:126
ゴォォォォォォ
唯「きゃー☆ たーのしー!」
まゆ「や、やっと着きました」ハァ ハァ
まゆ「もう発車してますし……大きく差がつきますね」ウズウズ
ゴォォォォォォ
まゆ「あ、来ました!」
唯「やっほーまゆちゃん♪ 先にクイズに行ってるからねー♪」スタスタ
まゆ「むー……!」
――――
晶葉『動物クイズは私から出題させてもらうぞ』
晶葉『クイズは何問も出す。そのうち5問正解できればクリアで、向こうにあるゴールテープを切ってくれ』
唯「はやくはやく!」
晶葉『そう急かすな。第1問!』ジャジャン
晶葉『シマウマの鳴き声は次のうちどれ?』
晶葉『A・ワンワン B・ニャー』
晶葉『C・モー D・ヒヒーン』
唯「シマ『ウマ』だから、Dのヒヒーン!」
ブブー
晶葉『残念。正解はAだぞ』
唯「うっそ、わんわんって鳴くの~!? 聞きた~い!」
晶葉『YouTubeか何かで確かめてくれ』
晶葉『次の問題だ』ジャジャン
唯「どんどんいこう!」
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁をプラス 両者0 合計100を越えたら次へ
唯:99
まゆ:77
――――
まゆ「はー、はー」
唯「お☆ まゆちゃん来たね! 私もう3問正解したよ~♪」
まゆ「!?」
まゆ(ま、マズいです! このままじゃ……!)
晶葉『まゆも来たので、ここからは早押しクイズになるぞ』
晶葉『分かったら手を挙げてくれ』
唯「へへ、面白さが増すね~!」
まゆ「負けません!」
晶葉『第5問。クォッカという動物は、あるキャラクターのモデルとなったと言われているが』
晶葉『そのキャラクターとは何?』
唯「クォッカ? どんな動物?」
まゆ「分かりません……」
晶葉『A・ニャンちゅう B・チップとデール』
晶葉『C・ピカチュウ D・グリとグラ』
まゆ(うー……さっぱりです)
まゆ(こうなったら適当に……)
唯「はいっ!」
晶葉『唯、答えをどうぞ』
唯「Cのピカチュウ!」
ピンポーン
晶葉『正解!』
まゆ「え!? 唯ちゃん、クォッカを知らないんじゃ…」
唯「うん、だからテキトーに答えたんだ! ピカチュウ好きだし!」
晶葉『これで唯は4問正解。あと1問で勝利だ』
晶葉『次の問題で決まるかもな』
まゆ「……」ゴクリ
唯「決めちゃうよ~♪」
↓1 唯
↓2 まゆ
コンマ二桁 合計100を越えた方が勝利 同着なら、クイズ対決のコンマがより高い方が勝利
唯:123
まゆ:151
晶葉『第6門! キリンの睡眠時間は?』
晶葉『A・8時間 B・1時間』
晶葉『C・20分 D・寝ない』
まゆ「はい、Cの20分です」
晶葉『正解!』
まゆ「偶然知ってました」ホッ
唯「やるじゃんまゆちゃん!」
まゆ「まだ1問ですから気が抜けません!」
晶葉『燃え上がってきたな! いくぞ、第7問!』
――――
まゆ「はい! Dの江戸時代!」
晶葉『……』
ピンポーン
晶葉『正解だ!! なんとまゆ、猛烈に追い上げて』
晶葉『4問正解!! 唯に並んだぞ!!』
唯「うっひょ~! すご~い!」
まゆ「何とか、ですね」フゥ…
晶葉『互いに王手がかかり、次で決まるのか!』
晶葉『問題! ニュージーランドの国鳥であるキーウィーという鳥だが』
晶葉『どんな鳴き声か、次の中から選べ!』
晶葉『A・キー B・キーウィー』
晶葉『C・キューゥ D・キッキー』
唯「また鳴き声系かぁ。どれだろ~」
まゆ「……」
まゆ(これは賭けです)
まゆ「はい!」
唯「!? は、はい!」
晶葉『まゆの方が早かったな』
唯「はいはいはい!」
晶葉『数で攻めても無駄だ! まゆ、答えをどうぞ!』
まゆ「答えは……Bのキーウィー!」
晶葉『……』
ピンポーン
晶葉『正解!! この瞬間、まゆの勝ちが決定したぞ!』
晶葉『ゴールテープを切ってくれ!』
まゆ「えへへ、逆転勝利です!」スタタタッ
パサッ
唯「うーん、逆転したけど逆転されちゃったね」
唯「おめでとうまゆちゃん!」ニコッ
まゆ「ありがとうございます!」ギュッ
晶葉『とても良い勝負だった! サイコロの目がプラス2されるな!』
晶葉『さあ次は凛……と行きたいところだが、凛は1回休みだから』
晶葉『まゆ! サイコロを振ってくれ!』
まゆ「うふふ♪ ごめんね凛ちゃん♪」
凛「ふ、ふんっ……まだ勝機はあるし……!」
愛梨(震え声、ってやつだね)
【進行状況】
秋田 山形 福島 茨城
凛 ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
埼玉 千葉 東京 神奈川
まゆ ○○● ○○○ ○○○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:2マス進む+2
【進行状況】
秋田 山形 福島 茨城
凛 ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
埼玉 千葉 東京 神奈川
まゆ ○○○ ○○○ ●○○ ○○○
まゆ「大きい目、出てくだ」
まゆ「さいっ」ポイッ
コロコロコロ
まゆ「あ……2ですか。ということは4マス進めますね」
凛(ほっ)
まゆ「唯ちゃん、勝負楽しかったです」
まゆ「現実でも遊びましょうね♪」
唯「うんうん☆ 遊ぼう! でもこれゆいの分身みたいなもんだし」
唯「現実のゆいは何も知らないと思うから、まゆちゃんから誘ってあげてね!」
まゆ「もちろんです」ニコッ
ビュンッ
少し早いですが、ここまでにします
明日は夕方から始める予定です
8時から始めます
――――
ビュンッ
まゆ「もう東京都まで来たんですね」
まゆ「ここはお台場ですか。どんなアイドルの方が待ってるんでしょうか」
???「私よ」
まゆ「きゃっ!」ビクッ
まゆ「か、奏さん……後ろから忍び寄るなんて……」
奏「あら、まゆが私の目の前に現れたのよ? 脅かすつもりなんてなかった」
まゆ「そうだったんですか、すみません」
まゆ「えっと……早速ですけど、勝負の内容を教えてもらえませんか?」
奏「気が早くない? 少し観光していきましょう」
まゆ「嬉しい誘いですけど、またの機会にします」
奏「そうなの、残念」
奏「じゃあ勝負に関するヒントを出すわね」
まゆ「普通に教えてくださいよ……」
奏「1つ、テレビに関係がある」
奏「2つ、女の子の背中を押す手助けをしてくれる日に関係がある」
まゆ「?」
奏「3つ、とても甘いけど、中にはちょっぴり苦い思い出も生まれる」
奏「どう?」
まゆ「……バレンタイン……?」
奏「ええ、当たってる。バレンタインに関わることよ」
奏「正解を言うわね。今から私たちがやるのは、バレンタインドラマよ」
まゆ「バレンタインドラマ?」
奏「共通するのは、好きな男の子にチョコを渡して告白するという流れ」
奏「ただしシチュエーションは自分で考えるの。学校でも会社でも何でもいいわ」
奏「とにかく胸がときめいてしまうような話と演技を考えて、審査員の前で披露し」
奏「判定してもらうのよ」
まゆ「どちらが良かったかをですね」
奏「そう。発表は3時間後よ」
まゆ「は、早いですね」
奏「演じるのは自分自身。自分が好きな人にチョコを渡すならどんなシチュが理想か」
奏「よく考えて」
まゆ「はい」
奏「ちなみに、私たちが告白する相手役は涼よ」
スタスタ
涼「よろしく!」
まゆ「よ、よろしくお願いします」ペコリ
まゆ(素敵な男性を演じていただけそうですね)
まゆ(できればプロデューサーさんがいいんですけど……)
↓1 奏のシチュ
↓2 まゆのシチュ
学校の放課後や駅前、または雪の降る公園など 詳細を書いていただいてもOKです
――――
晶葉『凛! 奏とまゆが面白そうな対決をしているぞ!』
晶葉『練習に取り掛かったようだが……凛?』
凛「何」ゴクゴク
晶葉『お茶を飲み過ぎると利尿作用が…』
凛「放っといて」プハー
愛梨「今ヤケお茶をしてるんだよ。飲まなきゃやってられないって」
晶葉『なあ、前にも言ったがそう落ち込むな! まだまだ逆転のチャンスはあるんだぞ!』
凛「だって20以上も離れてるんだよ? 無理じゃない?」
晶葉『大丈夫だ! 1回休みのマスもそこそこあるからな!』
凛「本当!?」
晶葉『本当だ! まゆがそれに引っかかり続ければ』
晶葉『凛がしめしめと追い越すかもしれないぞ?』
凛「そっか……ちょっと元気出たかも」
凛「ありがとう晶葉」ニコッ
晶葉『気にするな!』
愛梨(凛ちゃんも止まる可能性あるんだよね……って言ったらまた落ち込んじゃうよね)
愛梨(黙っておこう)
――――
奏「3時間ちょうどね。ドラマの出来はどうかしら」
まゆ「出来る限りやりました」
奏「ふふ、楽しみにしてる」
奏「それじゃあ公開の準備に……入る前に、審査員を紹介しておくわね」
奏「まずはかな子」
かな子「2人ともファイト!」グッ
奏「そして加蓮」
加蓮「お客さん気分で観るよー♪」ヒラヒラ
奏「最後は、きらりよ」
きらり「バレンタインの告白だなんて……胸がどきどきすゆ……」ドキドキ
きらり「うっきゃーー☆」ブンブン
まゆ「きらりさん、あんな調子で大丈夫なんですか……?」
加蓮「発表までには落ち着かせておくから」
かな子「きらりちゃん、マカロン食べる?」スッ
きらり「食べゆ! ありがと☆」パクッ
奏「それじゃ、まずは私から……でいいかしら?」
まゆ「どうぞ」
まゆ(奏さんのシチュエーション、どんなのだろう)ソワソワ
――――
コツコツ
涼「イルミネーション、綺麗だったな」
奏「そうね。とっても」
奏「今日は本当にありがとう。バレンタインって特別な日に」
奏「私とデートしてくれるなんて」
奏「あなたのことだから、色んな女の子から誘いを受けてたんじゃない?」
涼「まあ……。でも奏が1番だったから」
奏「えっ?」
涼「1番最初に、オレと約束したから」
奏「ああ、そういうこと……」
まゆ(これは夜の街中、デートしてる最中ですね)
かな子(今のはダメ、奏ちゃん傷ついちゃったよ)アセアセ
きらり「……」ドキドキ
涼「どうした?」
奏「何でもないわ」
奏「歩き疲れちゃった。そこのベンチで休憩しない?」
涼「うん、そうしようか」
スッ
奏「……多いわね」
涼「?」
奏「恋人。改めて見ると、とても仲の良さそうなペアが歩いてる」
奏「ずっと付き合ってるのか。今日付き合うことになったのかは分からないけれど」
涼「……」
奏「あ」
奏「見て、雪よ」
涼「え」
涼「本当だ……バレンタインに降るなんて」
奏「こういうのホワイトバレンタインって言うのかしら」クスッ
奏「……涼」
涼「ん?」
奏「特別な日に、特別なことが起きたんだから」
奏「私、この日をもっと特別にしたいと思ってるの」
奏「はい」スッ
涼「チョコレートか」
奏「予想できてたでしょ? バレンタインだもの」クスッ
涼「まあね。ありがとう、嬉しいよ」フフッ
奏「本命よそれ」
涼「!」
奏「去年あげたような友チョコじゃなくて」
奏「女の子が、大好きな男の子にあげる手作りのチョコ」
涼「……」
奏「受け取ってくれる?」
涼「……」
奏「……言っておくけど」
奏「フラれたりなんかしたら、私ここで泣いちゃうかも」
涼「奏……」
涼「オレも、好きだよ」
奏「え」
涼「奏のことずっと好きだった。友達以上になりたいと思ってた」
涼「けど、ビビっちゃって踏み出せなかったんだ。男の癖に情けないよな」ハハ…
奏「……」
涼「さっき『奏と1番最初に約束したから』って言ったけどさ」
涼「あれ、嘘だよ。他の女の子にも誘われてたけど、奏とデートしたかったから」
涼「他の誰よりも、奏と一緒に居たかったから」
奏「涼……嬉しい……」
涼「おいで」ニコッ
ギュッ
エンダアアアアア イヤアアアアア
まゆ・かな子・加蓮・きらり「!?」ビクッ
加蓮(び、ビックリしたー)
まゆ(この曲使うんですね……)
――――
奏「以上よ。言い忘れてたけど、終わったらあの曲が流れるから」
加蓮「忘れないでよー」
奏「ごめんなさい。ドラマはどうだった?」
かな子「胸がキュンってなったよぉ! 奏さんが弱気な表情をした時が特に!」
加蓮「まあまあかな? 涼の演技も光ってたね」
加蓮「あと観てる時に、隣のきらりちゃんが『うきゃー』とか『にょわー』とか」
加蓮「小さく騒いでたのが可愛かった」
きらり「うるさくしちゃってごめんね……? とってもはぴはぴ☆なお話で」
きらり「きらり感動しちゃって……」
加蓮「迷惑じゃないからいいよ」フフ
奏「そんなに評価してもらえるなんて嬉しいわ」
奏「さて、次はまゆね」
かな子「もう準備しに行ったよ」
きらり「どんなお話かなぁ」ワクワク
――――
涼「ええっと、ここでいいのかな……?」スタスタ
ガラッ
涼「いた。まゆちゃん」
まゆ「先輩……お待ちしてました」
奏(夕焼け色に染まった、放課後の……空き教室かしら)
奏(先輩と後輩の関係で見せているのもポイントなのね)
まゆ「来てくださってありがとうございます」ペコリ
涼「ほったらかしにはできないよ」
まゆ「……せ、先輩……」ドキドキ
まゆ「今日は何の日か、知ってますか?」
涼「もちろん」
まゆ「チョコレート、もらいましたか?」
涼「うん、嬉しいことに」
涼「オレのことを好いてくれる子がいてさ」ハハ
まゆ「当然です! 先輩はカッコよくて、頭も運動神経もよくて」
まゆ「学校のアイドルなんですから」
涼は346松永の方です
フルネーム表記すればよかったですね…すみません
涼「あはは、大袈裟だよ……」
まゆ「そうやって自分を飾らない謙虚なところも素敵です」
まゆ「そ、それで……お引き受けしましたか……?」
涼「告白?」
まゆ「はい」
涼「いいや、断ったよ。気持ちはすごく嬉しいけど」
涼「オレには好きな人がいるから」
まゆ「えっ」
まゆ「……そう、なんですか……」シュン
まゆ「り……涼さん……」
涼「何?」
まゆ「それでも……私は……グスッ……」
まゆ「この思いを、伝えたいんですっ……」
涼「!?」
涼「まゆちゃん、泣いて…」
まゆ「えへ、ごめんなさい。困っちゃいますよね」フキフキ
まゆ「せ、先輩っ!」スッ
まゆ「これ、一生懸命作ったんです。先輩に食べてもらいたくて」
まゆ「私、えっと……本命なんです!」
まゆ「先輩のことが、す、好きですっ。ずっと好きでした」
まゆ「遠い存在で、影から見てるしかなくて。お話もあまりしたことないですし」
まゆ「私のこと、何とも思ってないかもしれないですけど」
まゆ「あたたかくて優しい先輩が、大好きなんです!」
涼「……」
まゆ「私をっ……まゆを、先輩の彼女にしてくださいっ!」
涼「……」
涼「嬉しいよ」
まゆ「!」
涼「まゆちゃんの気持ち、すごく嬉しい」
まゆ「やっぱり、ダメ……ですよね」
涼「付き合おう」
まゆ「え……?」
涼「オレもまゆちゃんが好きだから」
涼「笑顔が可愛くて、心配して気にかけてくれるまゆちゃんが好きだから」
涼「こんなオレでよければ、よろしくお願いします」ペコリ
まゆ「え? え?」
まゆ「い、いいんですか……? 私なんかで……」
涼「なんか、なんて言わないで。オレが言った好きな人っていうのは」
涼「まゆちゃんのことだし」
まゆ「!!」
まゆ「そんな……私……夢を見てるみたい……!」
涼「まゆちゃん」スッ
まゆ「先輩!」スッ
ギュッ
エンダアアアアア イヤアアアアア
加蓮(今度は大丈夫)
きらり「わぁ……」ウットリ
――――
まゆ「以上が私の考えたドラマです」
涼「ふー、やりきった!」
奏「よかったわ。涼もお疲れ様、ありがとう」
加蓮「これは助演男優賞ものだね♪」
涼「女優と言え女優と」
かな子「でもでも、どっちも素敵だったよ!」
きらり「うにぃ……すっごく迷うよぉ……」
まゆ「きらりちゃん、悩みすぎですよ」フフ
奏「自分の思うままに決めていいのよ。良かったと思う方の札を上げて」
奏「用意はいいかしら?」
かな子「決まった!」
加蓮「私はこっちだね」
きらり「うーん……よぉし、こっち☆」
↓1 かな子
↓2 加蓮
↓3 きらり
コンマ二桁 1~50が奏票 51~00がまゆ票
奏「一斉に札を上げて」
バンッ
奏・まゆ「!!」
涼「へー、奏のストレート勝ちか」
まゆ「負けた……このゲームで初めて……」
まゆ「しかも完敗だなんて……!」ガクッ
かな子「あっ、ガッカリしないで! まゆちゃんのもすごく良かったんだよ!?」
加蓮「うんうん、演技も上手だったし」
まゆ「では何故……」
加蓮「奏のギャップにやられたかな。小悪魔が弱さを見せた感じがさ」
加蓮「あと、恋愛映画が苦手なのにああいう演技はできるんだなーって思って」
奏「それとこれとは別よ」
かな子「私もギャップにやられました! 胸にキュンときた度合いで言えば」
かな子「僅差で奏さんに軍配が上がりますね」
きらり「きらりはね? ホントにギリギリまで悩んで」
きらり「ホントにどっちもすごく良くて……こんなことしちゃいけないかもって思ったんだけど」
きらり「」最後の判断は、運に任せることにしたの……」
きらり「目をつむって、2つの札をぐるぐる回して、ここだ! って思った方を上げたんだぁ……ごめんね」
まゆ「謝らなくていいですよ。そう思ってもらえただけで、充分ですから」ニコッ
まゆ「これでサイコロ-2かぁ……だいぶ差をつけてるからいいですけど」
奏「まゆ。あなたの演出、すごく良かったわ」
奏「なんて言ったら嫌味に聞こえちゃうかしら」
まゆ「いいえ、嬉しいです! 奏さんもとても素晴らしいドラマでした」
まゆ「涼さんもありがとうございます。おかげで皆さんに、こんなに褒めていただけました」
涼「アタシはちょこっと手助けしただけだよ」フフ
かな子「チョコレートだけに?」
「……」
かな子「こんなに静まり返る!?」
加蓮「楓さんを思い出したよ……」
涼「かな子も才能ありそうだな」
かな子「喜んでいいのかなぁ」
まゆ「うふふ」ニコニコ
――――
凛「っしゃ、ようやく来たよ」パキポキ
愛梨「意気込んでるね!」
晶葉『まゆの長いターンが終わったからな! やってやれ凛!』
凛「うん! ここから私が主役だよ!」スッ
凛「ゆけ! サイコロ!」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
秋田 山形 福島 茨城
凛 ○●○ ○○○ ○○○ ○○○
埼玉 千葉 東京 神奈川
まゆ ○○○ ○○○ ●○○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
凛:4マス進む+2
【進行状況】
栃木 群馬 埼玉 千葉
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
埼玉 千葉 東京 神奈川
まゆ ○○○ ○○○ ●○○ ○○○
凛「4……! むぅ、なかなか良い目が出ないね」
凛「けど、愛梨との勝負で目は+2され!」
凛「そして特技『超嗅覚』を発動! これでさらに+5!」
凛「合計11の大進行だよ!」
愛梨「すごい凛ちゃん! 行ってらっしゃい!」
凛「ありがとう愛梨、お茶美味しかったよ」
ビュンッ
――――
ビュンッ
凛「栃木か……これでもまだまゆとの差は開いてる」
凛「どんどん勝負に勝ってどんどん進もう。勢いを削いじゃいけない」
???「勢いなら私も負けませんよ!!」
凛「……こ、この声って……」
凛「まさか茜?」
茜「大当たり!!」シュバッ
凛「あんた何回私たちの勝負に絡んでくるの。いやいいんだけどさ」
茜「これで3回目ですね!! 楽しいです!!」
茜「しかし今回はもっと楽しいですよ!!」
凛「オッケー、勝負だね。始めようか」
凛「この場所を見るに、スキー対決でしょ」
茜「その通り!! 丸沼高原スキー場でスキー対決です!!」
凛「茜が有利だよね」
茜「やってみないと分からないじゃないですか!!」
茜「スキーで使用するものは一式揃えたので、着てくださいね!!」
凛「了解」
――――
茜「おお、ブルーが似合ってますね!!」
凛「茜もオレンジ色が似合ってて可愛いよ」
茜「ありがとうございます!!」
凛(ゼロ距離で叫ばないで欲しいな)キーン
今日はここまでにします
凛の特技を+10くらいにすればよかったかなと後悔
これあがりのマスにはいれば自動でゴール?
ぴったりじゃないとダメとかなら割と展開読めないけど
>>556
考えているのは自動ゴールで、ゴールマスでも対決があり
勝てば本当にゴール、負ければサイコロの数だけ戻る、という流れですが
それだと長くなりそうですね…ぴったりの方がいいでしょうか
1回で進む距離は0~12なので凛の+5は妥当な気がする
>>558
そう考えると妥当でしたね
まゆの1回休みと比較したら、少し物足りないかなと思ったので
凛「んーと、確認するけど」
凛「スタートは向こうの坂の上で、ゴールはここのコテージ前でいいんだよね?」
茜「はい!! 先に着いた方が勝ちです!! 真剣勝負ですよ!!」
凛「手を抜かれて勝っても嬉しくないしね」
凛「まあ茜に限ってそんなことはないだろうけどさ」フフ
茜「凛ちゃーん!! リフトに乗りますよー!!」
凛「聞いてないし……っていうか、いつの間にあんな遠くに?」
凛「今行くよー!」
――――
茜「いいですか!? 先にあのコテージ前に着いた方が勝ちですからね!?」
凛「もう何度も確認したってば……」
茜「お互いに怪我しないことを祈りながら!! 位置について!!」スッ
凛(この世界じゃ怪我もなんかしなさそうだけど)スッ
茜「よぉぉぉい……」
茜「GO!!」シャッ
凛「……!!」シャッ
↓1 茜
↓2 凛
コンマ二桁 数字を足していって先に200を越えた方が勝ち
茜:33
凛:64
茜「のわっ!!」ゴロゴロゴロ
凛「茜!?」
凛(派手に転んだ! 大丈夫かな……)
茜「あはははは!!」
凛「!」ピクッ
凛(うわっ、もう復活してる! 笑いながら追いかけてくる!)
茜「ひゃほぉぉぉう!!」
凛(怖い!!)
↓1 茜
↓2 凛
コンマ二桁をプラス 200を越えたら勝利
茜:87
凛:135
凛(怖い怖い怖い!)バシュッ
茜「むっ、スピードアップしましたね!?」
茜「凛ちゃんあんなこと言ってたのに、すごい上手じゃないですか!! 私も負けられません!!」
茜「ファイヤァァァ!!」
凛「ひっ」
↓1 茜
↓2 凛
コンマ二桁をプラス 200を越えたら勝利
茜:174
凛:215
茜「待てぇぇぇ!!」ゴォォォ
凛(急加速した!? でも)
凛「負けるわけにはいかない!!」
茜「はぁぁぁ!!」
凛(あと少し……! あと少し……!)
凛「よしっ! ゴール!! 私の勝ちだよ茜」
茜「うわぁぁぁぁぁぁ!!」シュウウウウウ
凛「!? ちょっ、止まって! 茜止まって!」
茜「スピード出しすぎましたぁぁぁ!!」
凛「何やってんの! 私が受け止めるよ!」スッ
ドシーン!
茜「きゃっ!?」
凛「むぐっ!」
ゴロゴロゴロ
ピタッ
茜「ありがとうございます凛ちゃん……助かりました……!」
凛「」
茜「凛ちゃん? 凛ちゃん!? た、大変です!! 息してません!!」
茜「待っててくださいね、今人工呼吸を…」
凛「し……してるから、息……」
茜「よかった!! てっきり殺めてしまったのかと!!」
凛「そんな心配はないみたいだよ。痛みとかないし」
凛「ビックリして心臓止まりかけたけど」
茜「そういえば転んだ時も痛くなかったです!!」
凛「今気づいたんだ……」
茜「話は変わりますが、スキーの滑りお見事でした!!」
茜「師匠と呼ばせてください!!」
凛(あれは茜の迫力に恐怖を抱いただけなんだけどね)
凛「呼ばなくていいから。あといい加減上から降りてよ」
茜「はっ!? すみません!!」ササッ
凛「ありがとう。本題だけど、この勝負は私の勝ちでいいよね?」スッ
茜「文句のつけようがないです!! 文句なんてつけませんけどね!!」
茜「凛ちゃん、お願いがあるんですけど!!」
凛「何?」
茜「もう一度滑りませんか!? 勝負は抜きで!!」
凛「いいよ。どのみちまゆのターンが終わるまで待ってなきゃいけないし」
凛「スキーを楽しもうか」
茜「やったぁぁぁ!!」
――――
まゆ「凛ちゃん、順調のようですね」スッ
奏「もう行くの?」
涼「恋愛話、次はまゆの番なのに」
まゆ「ごめんなさい。私はまだ戦いの最中なので……」
まゆ「倒さねばならない相手がいるんです」
かな子「カッコいい!」
きらり「サイコロ、良い目が出るといいね☆」
まゆ「はい! いきますよぉ」
まゆ「えい」ポイッ コロコロコロ
加蓮「じゅーう! じゅーう! じゅーう!」
【進行状況】
栃木 群馬 埼玉 千葉
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
埼玉 千葉 東京 神奈川
まゆ ○○○ ○○○ ●○○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:1マス進む-2
【進行状況】
栃木 群馬 埼玉 千葉
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
埼玉 千葉 東京 神奈川
まゆ ○○○ ○○○ ○●○ ○○○
まゆ「1……」ガクッ
まゆ「あれ? 勝負に負けて-2になって」
まゆ「サイコロで1が出た、ということは」
まゆ「まさか-1で、1マス戻らなきゃいけないんですか!?」
晶葉『いや、0以下にはならない! サイコロで1か2が出て、-2の効果がついた場合は』
晶葉『-2をしない! つまりまゆは1マス進むんだ!』
まゆ「なるほど……進むだけいいですよね」
まゆ「それでは皆さん、私はこれで」ペコリ
奏「応援してるわ」ニコッ
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「ここ……秋葉原、ですよね?」
まゆ「どのアイドルの方が、どんな勝負を挑んでくるんでしょうか」
まゆ「あっ。あれって……」
李衣菜「……」
まゆ(チラシ配りのメイドさんをじっと見てる)
まゆ(もしかして李衣菜ちゃんが相手?)
李衣菜「!」
スタスタ
まゆ(あ、気づいてこっちに来た)
李衣菜「まゆちゃん、来たなら来たって言ってよ!」
まゆ「ごめんなさい。私と勝負するのって李衣菜ちゃんなんですか?」
李衣菜「うん……何故かここに配置されたんだ」
李衣菜「それでコスプレ勝負しろって」
まゆ「コスプレ?」
李衣菜「おかしいよね!? ギターとかロックな勝負なら分かるけど」
李衣菜「どうしてコスプレ!?」
まゆ「考えようによってはロックなんじゃないですか?」
李衣菜「!」ピクッ
李衣菜「ロック……かなぁ? ロックなのかなぁ」
まゆ「知りませんけど……」
李衣菜「まあやれって言われたからにはやるしかないし」
李衣菜「始めよっか」
まゆ「ルールは?」
李衣菜「お客さんの前でコスプレを披露して、どっちがいいか決めてもらうんだ」
李衣菜「勝負は3回。先に2回勝った方が勝者だよ」
まゆ「シンプルですね。コスプレはあらかじめ指定されてるんですか?」
李衣菜「ううん、自分で決めるんだって」
李衣菜「よく分からないなら、他のアイドルからアドバイスをもらうのもアリ」
李衣菜「開始は2時間後だから、じっくり選んでね」
まゆ「了解です」
――――
まゆ「コスプレ……マンガやアニメのキャラはそんなに分からないですし」
まゆ「比奈さんに聞いてみましょうか」ピッピッ
プルルル プルルル
まゆ「もしもし、まゆです。実はご相談があって……」
――――
李衣菜「奈緒ちゃんにこっそり聞いて、見繕ってくれたけど」
李衣菜「本当にこれで勝てるのかな……」ウーン
↓1、2、3 李衣菜がするコスプレ
↓4、5、6 まゆがするコスプレ
複数安価、連取りありです
――――
晶葉「お集まりのお客様、大変お待たせいたしました!」
晶葉「ただいまより、クールなロックアイドル多田李衣菜と」
晶葉「キュートな可愛いアイドル佐久間まゆのコスプレ対決を開始いたします!」
ウォォォォォ
まゆ(晶葉ちゃん実体化できたんですね)
晶葉「司会は、天才こと池袋晶葉が務めます!」
晶葉「では早速参りましょう! まずは第一回戦」
晶葉「多田李衣菜の、ウサミンコス!!」
ジャーン
李衣菜「うう……」モジモジ
晶葉「どうした? 早くこっちに来てお客様に見せないと」
李衣菜(は、恥ずかしー……!)スタスタ
李衣菜「う……うーさみんっ……!」ニコッ
ウォォォォォ
晶葉「愛くるしいウサミンポーズを決めていただきました!」
晶葉「これは自分で選んだのか?」
李衣菜「いや、アイドル仲間の奈緒ちゃんにアドバイスを」
李衣菜「身近に見てるし、仕草も何となく分かるだろって」
晶葉「なるほど、的確なアドバイスだな!」
晶葉「一回転してみてくれ」
李衣菜「……」クルクル
カワイイー!
李衣菜「あ、ありがとー……!」ニコッ
晶葉「以上、多田李衣菜でした!」
晶葉「そして対戦相手、佐久間まゆが扮装するのは」
晶葉「艦隊これくしょんのキャラクター・龍田です!」
ジャーン
まゆ「うふふ」スタスタ
晶葉「ほう、これは再現度が高いな!」
まゆ「ありがとうございます~♪」
まゆ「天龍ちゃんはどこかしらぁ?」
ウォォォォォ
李衣菜(ノリノリだ)
晶葉「セリフもそれっぽいな、素晴らしい!」
今日はここまでで
今日の8時くらいから始めます
すみません、いつも通り22時過ぎから始めていきます
晶葉「このコスプレは自分で考えたのか?」
まゆ「アイドルの比奈さんに電話をして、助言をもらったんです」
まゆ「そしたら、まゆちゃんならこういうのとかどうっスかねーと」
晶葉「ふむ。李衣菜同様、良い相手にアドバイスをもらったな」
晶葉「一回転して全身を見せてくれないか?」
まゆ「はい~」クルクル
ウォォォォォ!!
李衣菜(歓声が大きくなった!?)
晶葉(見えそうで見えない感じが唆るようだな)
晶葉「さあ、以上が第一回戦の戦いです! 皆さんはどちらのコスプレがいいのか」
晶葉「ボタンを押してもらいたい……ところですが!」
晶葉「審査は第二、第三回戦が終了してから行いますのでよろしくお願いします!」
まゆ「何でですか?」
晶葉「どちらかが2連勝してしまったら、せっかく用意したコスプレが全部見られないだろう?」
李衣菜(余計なことをぉ……!)
晶葉「第二回戦を始めるぞ。準備してくれ」
まゆ「分かりました」スタスタ
李衣菜「次はあのコスプレか……」スタスタ
――――
裕子「サイキックパワー!」ジャン
晶葉「これはすごい! ミカンが宙に浮いているー!」
晶葉「ただ指を刺して動かしてるだけだけどな!」
裕子「ネタばらししないでください」
アハハハハ!
晶葉(指を刺してるだけだけどなお客も分かった上で楽しんでいるようだ)
晶葉「」
晶葉「皆さんお待ちかね、第二回戦のコスプレの準備ができました!」
晶葉「」
↑ミスです
――――
裕子「サイキックパワー!」ジャン
晶葉「これはすごい! ミカンが宙に浮いているー!」
晶葉「まあその実態は、ただ指を刺して動かしてるだけですが」
裕子「ち、違いますよ!? 超能力です!!」アセアセ
ハハハハ イイゾー!
晶葉「以上、サイキックアイドルのマジックショーでした!」
晶葉「ありがとう裕子!」
裕子「手品じゃないですからね、それだけは言っておきます……!」スタスタ
晶葉「さあ場が暖まったところで、皆さんお待ちかね」
晶葉「第二回戦のコスプレの準備ができました! いってみよう!」
ウォォォォォ!
晶葉「今度はまゆから披露だー! 巫女服です!」
ジャーン
まゆ「♪」スタスタ
カワイイー! マユチャーン!
まゆ「うふ」ニコッ
晶葉「早くもお客さんを虜にしているな!」
晶葉「可愛らしい巫女さんだ! これも比奈から?」
まゆ「ええ。まゆちゃんならとっても似合うと思うっスと言われたので」
晶葉「比奈に感謝しなければな。こんな貴重で可愛いまゆを見ることができたのだから」
まゆ「褒めすぎですよー」ニコニコ
カワイイー! モエー
まゆ「一回転しますね」クルクル
晶葉「後ろ姿もいいな! ありがとう!」
晶葉「果たして、この強敵に李衣菜はどんなコスプレで対抗するのか!?」
晶葉「登場していただきましょう、李衣菜です!」
ジャーン
李衣菜「……っ」スタスタ
ウォォォォォ!!
まゆ「これは……」
晶葉「初音ミクだな! 一世を風靡したボーカロイドだ!」
李衣菜(スカート短すぎじゃないこれ?)カァァ
晶葉「おっと、ここでスカートを抑えるという可愛い仕草を披露だ!」
李衣菜「ただ見えないようにしてるだけだよ」
晶葉「いいだろ見えたって。見せパンだろ?」
李衣菜「ち、違う……」
李衣菜「水色と、白の……縞パン……」モジモジ
ウォォォォォ!
まゆ「何てこと聞いてるんですか!」
李衣菜「私のじゃないからね!? 用意されたやつだから!!」
まゆ「答える李衣菜ちゃんも李衣菜ちゃんですよ!?」
晶葉「サービスしすぎたな、すまない。しかし似合ってはいるが」
晶葉「奈緒が初音ミクのコスプレを勧めたという事実に少し驚いている」
李衣菜「ううん、奈緒ちゃんもあんまりよく分かってなかったみたいだよ」
李衣菜「ただコスプレとして代表的なものを挙げただけだって」
晶葉(それなら普通ナースとか、まゆのしている巫女のコスプレが先に出そうなものだが)
晶葉「回転してみてくれ」
李衣菜「うう……」クルクル
晶葉「ありがとう! よければ一曲歌ってくれるか?」
李衣菜「よくない!」
晶葉「断られてしまったので、第二回戦はこれで終了します!」
晶葉「第三回戦の準備ができるまで夏樹のギターショーをお楽しみください!」
夏樹「はは、どうもー」スタスタ
李衣菜(なつきち!? どうしてなつきちが……!)
夏樹「んじゃ、アイドルたちの曲をアタシが勝手にアレンジしたやつを」スッ
―♪ ―♪
ワァァァァァ!
李衣菜「めっちゃ盛り上がってるし! 私もああいうのやりたいー!」スタタタッ
まゆ「我慢してください李衣菜ちゃん。コスプレしないと」ガシッ
李衣菜「ロックやりたい! ロックロックロックー!」
ズザザザ
――――
ギュイーンギュルリルギュルリルギュルリル
ギュィーー…ン
夏樹「ありがとー!」
ワアアアアア!!
晶葉「えー、盛り上がり過ぎてコスプレ対決が薄れてしまいそうなので」
晶葉「キリのいいところで終わりましょう! 夏樹、ありがとう!」
夏樹「楽しかったよ! だりーとまゆのコスプレ、期待してくれ!」
ウォォォォォ!
晶葉「すごかったですね、聞き惚れてしまいました!」
晶葉「一方、これから出てくる2人のコスプレは見惚れてしまうに違いないので」
晶葉「皆さん盛大な拍手をお願いします!」
まゆ(ハードル上がりすぎです)
李衣菜(……)
晶葉「それでは第三回戦、李衣菜に登場していただきます!」
晶葉「どうぞ!」
ジャーン
李衣菜「……」
晶葉「え?」
李衣菜「……」
晶葉「……李衣菜? その格好は……」
李衣菜「……」ゴロゴロゴロ
晶葉(転がってきた)
ゴロゴロゴロ
ピタッ
李衣菜「……」
晶葉「李衣菜?」
晶葉「えっと、確認したいんだが」
晶葉「それはドラクエに出てくるモンスターのばくだん岩でいいのか?」
李衣菜「……」ジー
晶葉(ようすをみてる、間違いない)
晶葉(しかしこんなコスプレをして、お客が沸くわけが…)
スゲー カンセイドタケー
晶葉(沸いてはいないが受けは良いようだ)
晶葉(顔も似せてきて、ちょっと面白いしな)
李衣菜「メガンテ」
晶葉「は?」
ボンッ
晶葉「うわ!? 自爆した!!」
晶葉(と言っても、周囲を覆うくらいの煙が出た程度か)
晶葉(って、あれ? いないぞ?)
晶葉(……煙が立ち込めているうちに撤収したのか?)
晶葉「話は聞けませんでしたが、見事なばくだん岩でした!」
晶葉「皆さん拍手をお願いします!」
パチパチパチパチ
晶葉(第三回戦にどんなコスプレをするかを教えなかったのはこういうことか)
晶葉(いや、どういうことだ。私も驚かせたかったのか?)
晶葉(……次のまゆも内容を知らないから不安だが)
晶葉「こほん、次に参りましょうか!」
晶葉「第三回戦、ラストを飾るのはまゆ! どうぞ!」
ジャーン
まゆ「女々しくて! 女々しくて! 女々しくて!」
まゆ「つーらーいよーおおおー」ピョンピョン
晶葉「!?」
晶葉(踊りながら出てきた!)
晶葉「こ、これは……樽美酒! まゆがしているのはゴールデンボンバーのドラム」
晶葉「樽美酒研二のコスプレだぁー!」
ウォォォォォ!!
晶葉(歓声沸くのか。私は少し戸惑ってるのに)
――――
まゆ「あーいさーれたいねっ きっとみすごしたー」ピョンピョン
まゆ「きみのしぐなる もういちどー」ピョンピョン
晶葉(踊りがキレっキレだ)
――――
まゆ「ふぅ……ありがとうございました!」
パチパチパチパチ
晶葉「一曲丸ごと踊ったな」
まゆ「はい、楽しかったです」
晶葉「それは何よりだが、何故このコスプレを?」
まゆ「比奈さんに、1つくらいウケを狙いにいくっスよと」
晶葉「まあお客さんの楽しんでいたからいいけども」
晶葉「メイクや踊りは全部自分で?」
まゆ「そうですね」
晶葉「2時間でよく間に合わせたな……」
晶葉「さて、ここで李衣菜にも出てきてもらいましょう! 李衣菜ー?」
李衣菜「ちょっと待って」ゴロゴロゴロ
晶葉「まだそのままなのか!?」
李衣菜「うん。これについても話してなかったしさ」
晶葉「ああ、私もすごく気になってたんだ」
晶葉「何故ばくだん岩のコスプレを?」
李衣菜「奈緒ちゃんに、1個だけウケ狙いしようぜって勧められたんだ」
晶葉「まゆと同じアドバイスの暴走か」
李衣菜「あとばくだん岩=ロックってのもかかってるんだ」
まゆ「あー」
晶葉(ダジャレか!)
晶葉「これでコスプレ披露が終わったが、2人とも自信はあるか?」
まゆ「分かりませんね」
李衣菜「お客さんが決めることだしねー、見守るしかないよ」
晶葉「そうか……では、いよいよ審査を始めるぞ!」
晶葉「皆さん、お手元のボタンを押してどちらが良かったかを決めてください!」
晶葉「結果はここの大きな画面に出ます! 3回勝負のうち2つ勝てばコスプレ対決の勝者となります!」
李衣菜・まゆ「……」ドキドキ
晶葉「集計が終わったようです! 運命の瞬間!」
晶葉「結果をどうぞ!」
↓1、2、3 李衣菜
↓4、5、6 まゆ
コンマ二桁 1と4、2と5、3と6で比べて数字の大きかった方が勝利
ジャンッ
晶葉「出ました! 第一回戦はまゆの勝ち! 第二回戦は李衣菜の勝ち!」
晶葉「そして第三回戦は……まゆの勝ち!」
晶葉「コスプレ対決の勝者はまゆだ!!」
パチパチパチパチ
まゆ「よ、よかった……」
李衣菜「おめでとうまゆちゃん。握手しよう」スッ
まゆ(手が出せるんですねそれ)ギュッ
まゆ「ありがとうございます。李衣菜ちゃんのコスプレ」
まゆ「ウサミンも初音ミクもばくだん岩も、全部良かったです」
李衣菜「まゆちゃんの龍田と巫女さんと樽美酒研二も、可愛くて面白かった」
まゆ「コスプレ、初めてしましたけど楽しいですね」
まゆ「また一緒にしましょう」ニコッ
李衣菜「……」
まゆ「嫌ですか?」
李衣菜「か、考えとく……」
まゆ「はい」ニコニコ
晶葉「まゆ、優勝賞品としてコスプレ衣装を現実世界に送っておくぞ」
まゆ「そんなことできるんですか!?」
晶葉「できるんだ、私は天才だからな」
晶葉「李衣菜も奨励賞として、1つだけコスプレを送るからな」
李衣菜「いいよ別に!」
晶葉「遠慮するな。何がいい?」
李衣菜「……」
ゴニョゴニョ
晶葉「よし、初音ミクだな」
李衣菜「言わないでよ!?」
まゆ「あんなに恥ずかしがってたのに、気に入ってるんですね♪」
李衣菜「ち、違っ……!」カァァ
――――
凛「まゆったらあんなに楽しそうにして」
凛「これを勝負だってこと忘れてるんじゃないの? やれやれ」フッ
茜「凛さん!! もう1回ソリで滑りましょう!! もう1回!!」
凛「いいね賛成」
――――
凛「あー楽しかった」
茜「もー1回!! もー1回!!」ブンブン
凛「ごめんね茜……そろそろサイコロを振って次のマスに行かなきゃいけないんだ」
凛「また今度遊ぼう」
茜「そうですか……残念です……」シュン
茜「頑張ってくださいね凛ちゃん!! スキーしながら応援してます!!」ギュッ
凛「頑張るよ」ギュッ
晶葉『終わったか?』
凛「晶葉、ごめん。待たせちゃった」
晶葉『気にするな! まゆのマスまであと13だ!』
晶葉『ここで10を出せば、一気に距離を詰められるぞ!』
凛「ふーん、そうなんだ」
凛「でもなぁ、10なんて出るわけないよ」ハァ…
凛「そりゃ10出たら嬉しいけど、どうせ1とか2が出るよ」
晶葉『……』
晶葉(フラグを立てているのか?)
凛「いいよ1とか2でも、現実を受け入れるからさ」スッ
凛「よっ」ポイッ
コロコロコロ
凛「はいはい1ね。それとも2? 」
晶葉『……』
【進行状況】
栃木 群馬 埼玉 千葉
凛 ●○○ ○○○ ○○○ ○○○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○●○ ○○○ ○☆○ ○☆○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
凛:10マス進む+2
【進行状況】
東京 神奈川 新潟 富山
凛 ○○○ ○○● ○○○ ○○○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○●○ ○○○ ○☆○ ○☆○
凛「よし! よしよし!」グッ
晶葉『ま、まさか本当に10を出すとはな』
晶葉『これで12マス進み、まゆが目の前に…』
凛「まだだよ。ここで抜いておく」
凛「特技を使用して+5をすれば17進むでしょ?」
晶葉『ほう、もう使い切ってしまうのか!』
晶葉『これが吉と出るか凶と出るか!』
凛「吉にしてみせる。自分の力を信じるよ」
ビュンッ
――――
ビュンッ
凛「東京を越して神奈川か。誰が相手かな」
凛「誰でもいいや、絶対に倒してみせる」
↑のマス、凛のマスだけ☆になっていないミスです
すみません
今日はここまでにします
また明日始めます
今更だけどコスプレ衣装を送るって言ったけどこの李衣菜はプログラムじゃなくて本人なの?
プログラムはアイドルの深層意識とリンクしてるとかそんな感じでいいんじゃない?(適当)
???「おー、しぶりんちゃんハッスルしてんねー♪」
凛「……この声は」
里奈「ちょりーす☆ アタシだよ」ニコッ
凛「里奈……あんたが相手なんだ」
里奈「意外だったん? 出身は湘南なんだけど」
凛「いや、予想の範囲内。ただ里奈との勝負が何なのかを考えると」
凛「腕力が必要になってくるのかなって……」
里奈「大丈夫! 力は一切使わないから」
里奈「あ、待った。やっぱ使うかも?」
凛「ほら当たりだった」
里奈「まあ力は力でもインスタ映え力だけどね♪」
凛「は?」
里奈「説明するぽよー☆ 今からやるのは、インスタ映え写真対決ー!」パチパチパチ
里奈「まずはここ、横浜赤レンガ倉庫内でインスタ映えするような写真をたくさん撮るぢゃん?」
里奈「その中から1枚を選んで評価してもらって、勝ち負けを決めるってお話♪」
>>624
参考にさせていただきます、すみません
凛「へー、楽しそう」
里奈「でしょー! んで誰に評価してもらうのかっていうとー」
美里「私だよぉ♪」ヒョコッ
凛「うわっ!?」
里奈「そんなに驚いたら美里っちが可哀想ぢゃん」
凛「だって急に出てくるから……すみません美里さん」
美里「こっちこそ、ビックリさせちゃってごめんね?」
里奈「美里っちはね、旅行で色んなところを見て回ってるから」
里奈「インスタに載せてる写真もいっぱいあるんだー☆ まぢすごい!」
凛「なるほど、厳しい目で見てくれそうだね」
美里「持ち上げられるほどじゃないけど、精一杯審査するねぇ♪」
凛「よろしくお願いします」ペコリ
里奈「質問がなければもう始めちゃうけど?」
凛「写真は何枚撮ってもいいんだよね」
里奈「うん、美里っちに提出するのは1枚だけだけどね」
凛「オッケー、始めよう」
里奈「制限時間は1時間だぽよー☆ メモっといて☆」
――――
凛「インスタ……アカウントは作ってるんだけど、あんまりやってないんだよね」
凛「そもそもインスタ映えってどういう感じなのかな。オシャレってこと?」
凛「ちょっと他のアイドルのを参考にしてみよう」タプタプ
↓1、2 参考にするアイドル
コンマ二桁が参考度 評価に響いてきます
裕美&藍子:参考度54
凛「裕美とかどうだろう」タプタプ
凛「わ、綺麗なアクセサリーだ。こういう写真もありなんだね」
凛「参考になる……」タプタプ
凛「小物の撮影に役立つね」タプタプ
――――
凛「ダメだ、綺麗なアクセばっかでつい見入っちゃう」
凛「違うアイドルのも見てみよう」タプタプ
凛「藍子とかどうだろう? 散歩好きだし、色んな景色の写真とか載せてるかも」タプタプ
凛「……あれ?」
凛「写真がない、っていうかインスタの投稿自体が少ないね」
凛「私と同じでほとんど触れてないのかな?」タプタプ
――――
凛「唯一あるのが、アイドル数人で撮った写真か」
凛「人を被写体にして撮影する時に参考になるね」
凛「さてと、そろそろ撮り始めようかな」
↓1 凛のインスタ写真の腕前 コンマ二桁
参考度とプラスします
凛の腕前:97+54=151
凛「2人とも特定の物だけ撮ってるから、参考にできる部分は少ないかもしれないけど」
凛「何となくコツを掴んだかもしれない。まずは倉庫全体を……」パシャッ
パシャッ パシャッ
凛「んー、こんな感じかな」
――――
凛「カフェでスイーツを撮影しよう」
店員「お待たせしました。アップルパイです」スッ
凛「ありがとうございます」
凛「うわー美味しそう。写真撮りたくなるよ」
パシャッ パシャッ
凛「……」パシャッ
凛「よし、こんなもんかな。いただきます」パクッ
凛(はぁー……美味しすぎる……)モグモグ
――――
里奈「インスタ映え写真対決! と決めてみたはいいけど」
里奈「そういうのやったことないんだよねー」
里奈「とりま参考になる写真を探してみよー♪」タプタプ
↓1、2 参考にするアイドル
コンマ二桁が参考度
七海&きらり:参考度98
里奈「おー、ななみんのインスタ魚でいっぱい♪」タプタプ
里奈「綺麗だったり迫力あったり、撮り方次第で色んな風に見せれるんだー」タプタプ
里奈「あはは、これグロい☆ ウケる☆」
――――
里奈「面白かったー。次は誰のを見ようかなん♪」タプタプ
里奈「あ、きらりんはっけーん! 女子力高いし超期待☆」タプタプ
里奈「スイーツとか食べ物の写真と、風景写真なんかもあるし」
里奈「でもそのうちのほとんどが杏ちゃん込みって、どんだけ好きなん☆」
――――
里奈「参考になったのは数枚かな? 充分充分」
里奈「あとは場面でー」スタスタ
↓1 里奈のインスタ写真の腕前 コンマ二桁
参考度とプラスします
里奈の腕前:24+98=122
里奈「組み合わせって大切ぢゃね?」
里奈「ショップで良さげなアクセ見繕って、空と合わせて撮ったりさー」
里奈「これくださーい♪」
――――
里奈「うんうん☆ こんな感じぽよー」パシャッ パシャッ
里奈「とりま数打っとけば、奇跡の1枚撮れる的なー♪」パシャッ パシャッ
里奈「あとはー……お腹空いたしレストラン行こ」スタスタ
――――
里奈「オムレツいい匂ーい」クンクン
里奈「これもとりま撮っとけ」パシャッ パシャッ
里奈「はい終わりっと。いただきまーす、はむっ」
里奈「モグモグ……うまっ。やっぱここのオムレツ好き♪」
里奈「はむはむ、もぐもぐ」
――――
凛「時間だね」
里奈「自信ありげな顔してんねー?」
凛「ううん、これはスイーツ食べて満足したから」
凛「そっちも自信ありそうだね」
里奈「オムレツ超美味しかったから」
美里「写真は選びましたかぁ?」
凛「どうぞ」スッ
里奈「奇跡の1枚ぽよー☆」
美里「どれどれ……ふぅん……へぇ……♪」
凛「緊張と恐怖が混じって吐きそう」
里奈「おおげさー♪」アハハ
凛「里奈はよく平気だね」
里奈「それなりにドキドキしてるぽよ♪」
↓1 里奈
↓2 凛
美里の評価 コンマ二桁をそれぞれの数値とプラス
里奈:122+36=158
凛:151+43=194
美里「……なるほどぉ」
凛「ど、どうでしょうか……」ドキドキ
美里「どうしたら映えるかを意識して撮ったんだなって、努力が伝わってくるよぉ」
美里「まず2人に伝えるのは、頑張ったねって言葉だね♪」
里奈「高評価っぽい?」
美里「とっても良い写真だと思うよぉ」ニコニコ
凛「……ということは、技術的には残念ってことだね……」
美里「ざ、残念っていう言い方はないけどね。もっとこうした方が映えるなってポイントはいくつかあるかなぁ」
里奈「奇跡は起こせなかったかー」
美里「落ち込まないで? 私は2人の写真大好きだからぁ♪」
美里「里奈ちゃんらしさ、凛ちゃんらしさが出てて、すごく良いよぉ♪」
里奈「どっちかっていうと、どっちが良い?」
凛「これは勝負だから、しっかり答えて欲しいです」
美里「んー……そうだねぇ。凛ちゃんかなぁ」
里奈「負けたぁー」
凛「ありがとうございます!」
里奈「くやしー……けどまぁ、いっか」
里奈「じゃアタシ買い物してくるねー」スタスタ
凛「え? ちょっ、軽くない!? もっとこう、互いの健闘を称え合ったりしないの!?」
里奈「いいぢゃんそんなの♪ 楽しかったしさ」
里奈「しぶりんちゃんはどうなん? 勝ちとか負けとか関係なしに」
凛「……楽しかった」
凛(勝負してる感じがしなかったし)
里奈「でしょ? だからまたやろうねーって、それだけの話だし☆」
里奈「そだ、一緒に買い物する?」
凛「え」
里奈「美里っちもどお? 3人仲良くショッピング!」
美里「さんせーい!」
凛「……」
凛「……じゃあ、私も」
里奈「決まりー♪ さっき可愛いアクセ見つけてさー」
凛(なんか消化不良感が……)
凛(っていうか、ニックネームにちゃん付けするのまだ治してくれないんだね)
里奈「しぶりんちゃん? どしたー?」
凛「何でもない。今行くよ」スタタタッ
――――
まゆ(凛ちゃん勢いに乗ってますね)
まゆ(追い越されてしまいましたし、また大きい目を出し続けないと)
まゆ(私だけに1つ残っている特技をどう使うかも鍵です)
李衣菜「ねえねえ、思ったんだけどさ」
李衣菜「コスプレを家に送り届けるーとか、私たちプログラム同士で勝手に盛り上がったけど」
李衣菜「実際本人の家に届けたらビックリしない?」
晶葉『あ、そうだな!』
李衣菜「そうだな! じゃないよ……気味悪がられるでしょ絶対」
晶葉『まあ私たちはアイドル本人の深層意識とリンクしてるからな!』
晶葉『李衣菜本人もきっと初音ミクのコスプレを気に入るぞ!』
李衣菜「そういう問題なのかな……」
まゆ「すみません、サイコロを振ってもいいですか?」
晶葉『ああ、すまない!』スッ
まゆ「……何で実体化をやめたんですか?」
晶葉『声だけの方が楽だからだ! さあ、凛を追い抜くぞ!』
まゆ(処理的な問題でしょうか)
まゆ「それではいきます!」
李衣菜「10が出るように祈るね」
まゆ「……」
まゆ「いえ、1か2が出るように祈ってください」
李衣菜「へ? 何で?」
晶葉『フラグというやつだ! 俺この戦争が終わったら結婚するんだ!』
晶葉『という映画の登場人物は、大体死んでしまったりするだろう?』
晶葉『それに習い、1か2が出るように祈れば』
李衣菜「10が出るって? そんなバカな」
まゆ「実際凛ちゃんがそれで10を出しましたから」
まゆ「やってみる価値はあります」
李衣菜「そうなんだ……わ、分かった」
李衣菜「1か2が出ますように」
まゆ「1出てください! 2でもいいですよ!」
まゆ「私は1を望んでますからね! 絶対に1です!」
李衣菜「1出ろ1出ろ! 1以外は絶対に嫌だからね!」
まゆ「お願いします、1が出てください! はっ!」ポイッ
コロコロコロ
晶葉『これでもかというくらいフラグを立てたな』
李衣菜「これで本当にいいの?」
まゆ「……」ドキドキ
【進行状況】
東京 神奈川 新潟 富山
凛 ○○○ ○○● ○☆○ ×☆○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○●○ ○○○ ○☆○ ×☆○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:5マス進む+2
【進行状況】
東京 神奈川 新潟 富山
凛 ○○○ ○○● ○☆○ ×☆○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○●○ ○○○ ○☆○ ×☆○
李衣菜「くぅー! 5かぁー!」
まゆ「さっき李衣菜ちゃんとの勝負に勝ったので」
まゆ「7マス進めますね。凛ちゃんをちょっとだけ追い越せましたけど……」
――――
凛「プラグの神様は私に微笑んでくれてるみたいだね」ホッ
――――
まゆ「あの、晶葉ちゃん」
晶葉『何だまゆ?』
まゆ「サイコロ振った瞬間に気づいたんですけど」
まゆ「マップに不穏な×マークが表示されましたよね? 何ですかあれ?」
晶葉『1回休みのマスを表示することにしたんだ! 止まったら有無を言わさず休みだからな!』
晶葉『当然サイコロの+2-2も無くなるぞ!』
李衣菜(むしろ何で今まで隠してたのか気になる)
↑のまゆマスが進んでいないミスがあったので、もう一度修正したものを上げます
まゆ:5マス進む+2
【進行状況】
東京 神奈川 新潟 富山
凛 ○○○ ○○● ○☆○ ×☆○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○○○ ○○○ ○☆● ×☆○
李衣菜「くぅー! 5かぁー!」
まゆ「さっき李衣菜ちゃんとの勝負に勝ったので」
まゆ「7マス進めますね。凛ちゃんをちょっとだけ追い越せましたけど……」
――――
凛「プラグの神様は私に微笑んでくれてるみたいだね」ホッ
――――
まゆ「あの、晶葉ちゃん」
晶葉『何だまゆ?』
まゆ「サイコロ振った瞬間に気づいたんですけど」
まゆ「マップに不穏な×マークが表示されましたよね? 何ですかあれ?」
晶葉『1回休みのマスを表示することにしたんだ! 止まったら有無を言わさず休みだからな!』
晶葉『当然サイコロの+2-2も無くなるぞ!』
李衣菜(むしろ何で今まで隠してたのか気になる)
今日はここまでにします
また明日の22時頃から始めます
サイコロの+2-2も無くなるってどういうこと?
サイコロの目+勝敗の結果(0以下になる場合無効)の合計数進む
じゃなくて
サイコロの目だけ進む(この結果休みに入ったらそこで止まる)→勝敗によりそこから2マス進む(戻る)
ってこと?
>>656
説明が不足し過ぎてましたね
1回休みのマスに止まったら勝負はないので
次にサイコロを振る時は+2、または-2の修正が無しになる、ということです
本文でも補足します
それと誤字脱字が多すぎて読みにくいと思います、すみません…
ちゃんと気を配って書いていきます
まゆ「+2-2が無くなるって?」
晶葉『説明不足だったな! 1回休みのマスに止まれば勝負は無い!』
晶葉『だからその次にサイコロを振る時、+2-2の修正は無くなるということだ!』
まゆ「そういうことですか」
李衣菜「まゆちゃん、次は新潟だよね?」
李衣菜「頑張ってね! 私はここで応援することしかできないけど」
まゆ「励みになります。それじゃ」ニコッ
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「新潟のアイドル……新潟出身の……」
まゆ「えーっと、確か……」
???「確保!!」ガシッ
まゆ「ひゃうっ!?」ビクッ
まゆ「な、何ですか!? 突然後ろから……誰ですか!?」
???「声で分からない?」
まゆ「さ……早苗さん?」
早苗「ピンポーン♪ 正解っ!」
まゆ「何で拘束するんですか。私、悪いことは何も……」
早苗「ごめんごめん、冗談だよ。隙だらけだったからついね」パッ
まゆ「つい拘束しないでください」
まゆ「……早苗さんと勝負するんですか?」
早苗「そうよ!」
まゆ「事件の推理とか、犯人の確保とか」
まゆ「射撃対決とかするんですか?」
早苗「しないしない。これからするのは警察と一切関係ないから」
早苗「じゃーん! これなーんだ?」スッ
まゆ「お酒」
早苗「アタリ。正確に言えば日本酒だけど」
まゆ「まさか……」
早苗「そのまさか! 新潟で作られた数々の日本酒を飲んで」
早苗「どれがどれかを当てる勝負をしましょう!」
まゆ「無理ですダメです! だって私まだ…」
早苗「まゆちゃんに飲ませるわけないでしょ? 話を聞いて」
早苗「まゆちゃんには代理を立ててもらうわ」
早苗「20歳を越えてる大人アイドルの誰かをここに呼ぶの」
早苗「で、その誰かとあたしが勝負するのよ」
まゆ「なるほど……でもどうやって呼ぶんですか?」
晶葉『私に任せろ! 名前を教えてくれれば、すぐにでも呼び寄せるぞ!』
早苗「そういうこと! さあ選んで!」
まゆ「……」
↓2 まゆの選んだ大人アイドル
まゆ「ウサミンをお願いします」
早苗「え?」
まゆ「ウサミンです」
早苗「菜々ちゃんって17歳でしょ?」
まゆ「はい……でも私の直感がそう告げてるんです」
まゆ「できますか?」
晶葉『もちろんだ! そらっ!』
ビュンッ
菜々「ぷはー! お昼から飲むビールは格別ですね!」
菜々「……ん? えっ? は!? ここはどこ!?」キョロキョロ
晶葉『昼酌をしていたところすまない! 力を貸してくれないか?』
菜々「へ?」
――――
菜々「……状況は飲み込めましたけど……」
まゆ・早苗「……」
菜々(どうしよう! ビール飲んでるところ思いっきり見られた!)
菜々(このままじゃ現実の私にも迷惑がかかっちゃう! ウサミンの存続が……!)
菜々(何か策を、何か考えないと……はっ!)ピーン
菜々「ところで、本当にありがとうございます晶葉ちゃん!」
晶葉『?』
菜々「お酒を飲んでみたいっていう私のワガママを聞いてくれて」
菜々「体を20歳にしてくれましたよね!?」
晶葉『……』
菜々「ねっ!?」クワッ
晶葉『うん……お安い御用だ』
まゆ「なんだ、ビックリしました」フフッ
早苗「一瞬菜々ちゃんが年齢詐称してるのかと疑っちゃったわ」アハハ
菜々「ははは……は……」
菜々(乗り切ったー! やりましたよ!)
まゆ「けど、デジタル世界のアイドルの方も自由に過ごしてるんですね」
晶葉『プレイヤーが来るまで好きに過ごしてもらってるんだ!』
早苗「本当に20歳の体なの?」
菜々「何と言ったってデジタルですからね! 何でもできるんですよ!」アセアセ
まゆ「私の直感は当たりでしたね♪」
まゆ「……いえ、まだ判断するのは早計ですね」
まゆ「菜々さん! 私の代わりに、早苗さんと日本酒当て対決をしてもらえないでしょうか?」
菜々「いいですよ、ナナでよければ♪」
まゆ「ありがとうございます!」
晶葉(菜々(17)の体を20歳にできるなら)
晶葉(まゆを20歳にすればいいのではないかという話だけどな)
晶葉(実際できるけど、設定の書き換えや情報操作は時間がかかるし)
晶葉(突っ込まれたら素直にそう説明するか)
――――
早苗「挑戦者はまず目隠しして、テーブルに並んだ5種類の日本酒を」
早苗「それぞれ一滴ずつ舐めてもらいます」
菜々「情報が少なすぎませんか?」
早苗「一口飲んだら分かっちゃうと思うし、ちょうどいいわ」
まゆ(そういうものなんでしょうか)
早苗「そしてここから開始よ。順番をバラバラに、今度は一口ずつ飲ませて」
早苗「どの日本酒なのかを言い当てる。間違えた時点で終わり」
早苗「最終的にどちらが多く当てたかで勝敗が決するの」
菜々「難しそうですね……けど」
菜々「まゆちゃんのためです! 味覚を研ぎ澄ませますよ!」
まゆ「頑張ってください!」
早苗「どっちからやる? 菜々ちゃんが決めていいわよ」
菜々「では先攻で!」
早苗「了解、目隠しするわね!」
――――
早苗「準備は?」
菜々「いつでもどうぞ」
早苗「スプーンに雫を乗せるから舐めてね」スッ
菜々「あむ……美味しい! 一滴だけでも美味しさが分かります!」
菜々「名前は何ですか?」
早苗「加茂錦(かもにしき)よ。次いい?」
菜々「待ってください、インプットします」
菜々「……はい、どうぞ!」
早苗「これが山間(やんま)」スッ
菜々「ふむふむ」
早苗「高千代(たかちよ)」
菜々「ほー、これはなかなか」
まゆ(それから菜々さんは、村祐(むらゆう)、久保田(くぼた)というお酒を舐めていって)
まゆ(しっかりと味わい、挑戦に備えました)
菜々「……」
早苗「さあいくわよ! さっきの順番をバラバラにして」
早苗「1回目はこれ!」
菜々「ど、どうすればいいんですか?」
早苗「お猪口に注いだを飲ませるから、口を開けて」スッ
菜々「ゴクゴク」
早苗「そう、ゆっくりとね」
菜々「……ぷはぁ」
早苗「どう?」
菜々「……」
菜々「美味しいです……」
早苗「何か分かった?」
菜々「も、もう一杯飲んじゃダメですか?」
早苗「だーめ。一杯だけで判断して」
まゆ(菜々さん大丈夫でしょうか)
↓1 コンマ二桁 2~98の間であれば正解
菜々「スッキリしていて飲みやすいですね」
菜々「甘くてフルーティーで、ぴりっとした辛さもあって……」
菜々「順番バラバラなんて言いましたけど、これはさっきの1番目と同じ」
菜々「加茂錦です」
早苗「……正解よ」
菜々「いえーい!」
まゆ「すごいです菜々さん!」
早苗「やるわね。じゃあ2番目は……これよ!」スッ
菜々「コクコク」
菜々「はぁー……味わい深い」
まゆ(菜々さんすっかり大人の人みたい)クスクス
早苗「どうかしら?」
菜々「もう一杯飲みたいです……けど我慢して」
菜々「うーん」
↓1 コンマ二桁 10~90の間であれば正解
菜々「村佑です。甘さの中に爽やかな酸味があって、まるでデザートのようなお酒ですね」
菜々「とても上品な味です。新潟に行って直接購入したいです」
早苗「正解! 私もこれ好きなのよ」
まゆ(飲んでみたい)ゴクリ
早苗「どんどんいくわ! 3番目よ!」スッ
菜々「ゴクゴク……ゴクン」
菜々「ぷはーっ、これもまた美味しいですねぇー」
まゆ(酔っ払ってきた……?)
晶葉(今までビールを飲んでたからな)
早苗「分かるかな?」フフフ
菜々「んぅー……そうですねー……」
↓1 コンマ二桁 20~80の間であれば正解
菜々「これもフルーティな味わいがします。柑橘系のさっぱりした爽やかな感じが」
菜々「口の中に広がりますね……おつまみが欲しい」
菜々「高千代!」
早苗「正解よ、これで3問ね」
早苗「そろそろ味が分からなくなってきたんじゃない?」
菜々「はい……残りの2つの味が薄れてきてます」
菜々「何とか手繰り寄せないと……」
菜々(それに頭もふわふわしてきた)
早苗「あたしにとっては好都合だけどね♪」
早苗「はい、これが4番目」スッ
菜々「んぐ、んぐ」
菜々「はぁー……! こ、これは……」
早苗「美味しいでしょ」
菜々「ええ、もちろんです……でも名前が……」
↓1 コンマ一桁 30~70の間であれば正解
菜々「うー……えっと……どっちがどっちだっけ」
菜々「んー……や、山間!」
早苗「……」
早苗「残念! 久保田よ!」
菜々「ええ? これが久保田でしたっけ……? 頭が回らない……」
早苗「大丈夫? そっか、ビールも飲んでたもんね」
早苗「目隠し取るね」スッ
菜々「すみません……おっと」フラフラ
まゆ「菜々さんっ!」ガシッ
菜々「まゆちゃん、ごめんなさい。ナナは3つまでが限界のようで」
まゆ「充分です、本当にありがとうございます」
早苗「その調子じゃ、あたしにお酒を飲ませるのも無理ね」
まゆ「私がやります! 口と鼻をマスクで防御すれば平気ですよ!」
早苗「んー……匂いだけならいいわよね……?」
早苗「それにゲームの中だし。分かったわ」
菜々「ナナはちょっと休んでますね……よっこいしょ」ドサッ
晶葉(年を隠す余裕もないみたいだな)
途中ですがここまでにします
明日は昼、夕方、夜に別けて進めていく予定です
早苗「私がしたみたいにお願いね」
まゆ「はい。まずは目隠ししてください」
早苗「オッケー」スッ
まゆ「お酒を一滴ずつ舐めてください。いいですか?」
早苗「いつでもどうぞ」
――――
まゆ「味と名前は覚えましたか?」
早苗「ばっちりね」
まゆ「それでは、お猪口にお酒を注いで……」トクトク
まゆ「……あれ?」
早苗「どしたの?」
まゆ「気づいたことがあるんですけど」
まゆ「これ新潟のお酒なんですよね? 早苗さん、飲み慣れてたりは……」
早苗「大丈夫! 晶葉ちゃんに記憶を預かってもらってるから」
晶葉『一時的にな。どういう味なのか知らない状態だから、ちゃんと公平だぞ』
まゆ(そんな怖いこともできちゃうんですか)
まゆ「よかったです。気を取り直して、いきますよ!」スッ
早苗「来い!」
早苗「ゴクン、ゴクゴク……ふぃー!」
早苗「くぅー、美味しい!」
まゆ「本当に忘れてます?」
早苗「うん、自分でもビックリするくらい」
早苗「むむむ……これは、そうね……」
↓1 コンマ二桁 2~98の間であれば正解
早苗「高千代! 果物みたいな甘さのおかげで飲みやすいし」
早苗「後味はスッキリしてるから飽きないわ! すぐ空き瓶にしちゃいそうね!」
まゆ「……」
早苗「えっ、もしかして外れ?」
まゆ「正解です」
早苗「よ、よかった。これで外れだったらかなり恥ずかしいし」
早苗「早く言ってくれないからビックリしちゃった」
まゆ「ごめんなさい……」
まゆ「あの、本当に記憶無いんですよね?」
早苗「まだ疑ってるのー? 本当だってば」
早苗「そんな卑怯なことして勝ってもつまらないじゃん」
まゆ「……ですね。そもそも、早苗さんはそんなことする人じゃないです」ニコッ
早苗「これが日頃の行いで培った信頼ってやつね」フフ
まゆ「2問目いきますね!」
早苗「よぉーし!」
↓1 コンマ二桁 10~90の間であれば正解
まゆ「どうぞ!」スッ
早苗「ゴクゴクゴク……」
早苗「かぁーっ! 淡麗辛口って言うのかしら、さっぱりしててキレがいい!」
早苗「でもほのかに甘味があって、癖が無く飲みやすいわ!」
早苗「ズバリ、久保田ね!」
まゆ「正解です! さすがですね」
早苗「菜々ちゃんもクリアしたんだから、このくらいはやらないとね」
菜々「……」ポー
晶葉『大丈夫か菜々?』
菜々「ふぁい」
晶葉(回ってきてるな)
まゆ「第3問目のお酒を注ぎます」トクトク
まゆ「……匂いで頭がほわほわしてきたような……」
早苗「嘘!? 気分が悪いならすぐ言ってね?」
まゆ「へ、平気です。注げましたよ」スッ
早苗「いただきます、コクコク」
早苗「むぐ……ふー……」
↓1 コンマ二桁 20~80の間であれば正解
早苗「うんうん……ふむ……」
早苗「んーー……?」
まゆ「どうしました?」
早苗「甘い。そして酸味がある……という特徴が、残り全部のお酒に当てはまる」
早苗「でもそのうち山間は違うと思うのよね……」
まゆ「悩んでますね」
早苗「記憶が無くてもいけるって自信があったんだけどねぇ」
早苗「菜々ちゃんは当てたのよね……負けられないわ」
早苗「……加茂錦。加茂錦でいくわ!」
まゆ「いいんですね?」
早苗「うっ、そう言われると変更したくなる……」
早苗「やっぱり村佑で」
まゆ「いいんですね?」
早苗「もう! それやめて!」
早苗「やっぱり加茂錦! 加茂錦にする!」
まゆ「分かりました。正解は……」
早苗「……」ドキドキ
まゆ「村佑です!」
早苗「!!」
ちなみに
新潟の日本酒飲みたくなった奴
一ヶ月後に酒の陣というイベントがあってだな・・・
早苗「外れた? マジで?」
まゆ「マジですよ。目隠しを取って飲んでみてください」
早苗「嘘……」スッ
トクトク
ゴクゴク
早苗「美味い!」
まゆ「村佑でしょう?」
早苗「そうね……まさか3問目で躓くなんて……」トクトク
早苗「私もまだまだね……ゴクゴク……ぷはっ」
早苗「すごく残念だけど、負けを認めるわ」トクトク
まゆ「せめてお酒を飲む手を止めて言ってくれませんか!?」
早苗「いいじゃない、勝負はついたんだし」
早苗「日本酒当て対決は、まゆちゃん代理の菜々ちゃんが3問正解」
早苗「そしてあたし、片桐早苗が2問正解」
早苗「よってまゆちゃんの勝ちよ! おめでとう!」
まゆ「あ、ありがとうございます」
まゆ(強引にまとめられてしまいました)
菜々「うぅ……終わったんれすかぁ……?」
まゆ「菜々さん! 菜々さんのおかげで勝つことが……だ、大丈夫ですか?」
晶葉『どうやらすっかり酔いが回ってしまったようだ』
菜々「みみみん、みみみん……うーしゃみーん……えへへぇ……」ニヘヘ
まゆ「菜々さん……私のためにこんな風になるまで……!」
まゆ「感謝しかありません!」ギュッ
菜々「ふぇー?」
早苗(イマイチ感動できないわね)ゴク
――――
里奈「お酒かー、飲んでみたいぽよ☆」
里奈「美里っちはオトナだし、バンバン飲んでるよね?」
美里「人並みにねぇ♪ 私はカクテルが好きかなぁ」
凛「へー、雰囲気のあるバーとかで?」
美里「オシャレだよぉ。2人が大人になったら、紹介してあげるねぇ♪」
里奈「やた! まぢ楽しみ♪」
凛(オシャレなバーか)
凛(大人になったら私もプロデューサーと2人で訪れて)
凛(良い雰囲気になって、ほろ酔いで店を出て、そのまま……)フフ
里奈(この笑み、なにかエロいこと考えてるな?)
美里「凛ちゃん、サイコロ振らなくていいの?」
凛「あ、そうだね。ありがとう」スッ
凛「まゆと接戦になりそうな予感だけど」
凛「どうせ1とか少ない目が出て、また差をつけられるんだろうなぁ」ハァ…
美里「そんなことないよぉ」
里奈「まだ都道府県の半分もいってないしー☆」
晶葉『放っておいてやってくれ』
里奈「!」
美里「この声は晶葉ちゃん!」
晶葉『凛は今ネガティブになってるんじゃない』
晶葉『フラグを立てているんだ』
美里「ふらぐぅ?」
里奈「ここはオレに任せて先にいけー! ってやつ?」
晶葉『そんなところだ。とにかく好きにやらせてやってくれ』
凛「いいよサイコロ。1を出したいんでしょ? 受け入れてあげるから」
凛「ちゃんと1を出すんだよ。1をね」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
東京 神奈川 新潟 富山
凛 ○○○ ○○● ○☆○ ×☆○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○○○ ○○○ ○☆● ×☆○
↓1 コンマ一桁 0は10
凛:2マス進む+4
【進行状況】
東京 神奈川 新潟 富山
凛 ○○○ ○○○ ○☆○ ●☆○
東京 神奈川 新潟 富山
まゆ ○○○ ○○○ ○☆● ×☆○
凛「!?」
凛「くっ……今回はフラグ神に愛されなかったね」
凛「まあいいや。2が出たから、そこに2を足して4」
凛「……え?」
凛「あれ? ちょっと待って、おかしい」
晶葉『おかしくないぞ!』
凛「おかしいよ、だって4マス進んだら1回休みのマスに止まっちゃうよ?」
晶葉『現実を受け入れるんだろ?』
凛「……も」
凛「もうダメだぁ……おしまいだぁ……!」グスッ
美里「隅っこで体育座りしちゃった」
里奈「あれは?」
晶葉『ネガティブになってるんだ。慰めてやってくれ』
晶葉『いや、そんな暇もないな! いくぞ凛!』
凛「嫌だ、行きたくない」
晶葉『ぐずったって仕方ないぞ?』
里奈「立てー! 立つんだしぶりんちゃんー!」
美里「きっと良いことあるよぉ♪」
里奈「アタシたちも幸運を願ってるぽよ☆」
凛「里奈……美里さん……」
凛「ありがとう、頑張るよ私」
晶葉『切り替えができたな。富山までひとっ飛びだ!』
ビュンッ
――――
ビュンッ
凛「1回休みって何されるの? 縄でがんじがらめ?」
晶葉『そんな酷いことはしない! まあ流れに身を任せればいいさ!』
???「凛さーん!」スタタタッ
晶葉『来たか』
凛「?」
一旦休憩します、再開は19時過ぎに
>>688
ぜひ行きたいイベントですね
誤爆ですすいませんほんとすいません…
少し横になるはずがガッツリ眠ってしまった…本当にすみません
今日も昼から始めていきたいと思います
>>700
お気になさらず
千枝「はぁ……はぁ……このマスに止まったの、凛さんなんですね」
凛「千枝がここの番人なんだ」
晶葉『嫌な言い方はやめろ!』
晶葉『さて、案内は千枝がしてくれるからな! 私はここで失礼するぞ!』
晶葉『ゆっくり堪能してくれ!』
凛「堪能? 何を?」
凛「……返答無し。もう行っちゃったんだ」
千枝「温泉ですよ」
凛「え」
千枝「私たちがこれから行くのは、金太郎温泉っていう旅館です」
千枝「そこでの時間を堪能してってことなんだと思います……」
凛「ふーん、このゲーム温泉にも入れるんだ」
千枝「はい。ここからちょっと歩いたところにあるんです」
凛「……」
凛(もう現実で旅行に行かなくてもいいんじゃない?)
凛(目的地はサイコロの目に委ねられるけど)
千枝「……あの……嫌、ですか?」
凛「!」
千枝「凛さんのことですから」
千枝「私とじゃなく、どうせならプロデューサーさんと一緒に行きたかったって……」シュン
凛「思ってない思ってない! すごく嬉しいよ!」アセアセ
千枝「本当ですか……?」
凛「うんうん。千枝ともっと話して仲良くなりたいって思ってたし」
凛「ちょうど良い機会だよ」
千枝「でも私、プログラムですし……」
凛「プログラムでも千枝は千枝でしょ? さあ行こう、どこにあるの?」ギュッ
千枝「凛さん……ありがとうございますっ」ニコッ
千枝「向こうです!」
スタスタ
――――
千枝「着きました」
凛「ここかー、ワクワクしてきた。部屋はとってあるの?」
千枝「凛さんの名前で2名予約しておきました」
凛「まさかお金いる? 持ってないんだけど」
千枝「いりませんよ。そういう設定にしたらしいので」
凛(設定次第ではお金払わなきゃいけないんだね)
――――
ガチャ
凛「うわー、豪華な和室だ」
凛「こんなところで過ごせるなんて……1回休みも悪くないかもね」フフ
千枝「凛さん、部屋も確認しましたし」
千枝「浴衣に着替えてくつろぎましょう!」
凛「そうだね。旅館と言ったら浴衣だよ」
(5分後)
凛「どうかな」クルクル
千枝「すごく似合ってます!」
凛「千枝も可愛いよ」クスッ
凛「……改めてこの部屋を見ると、2人だけじゃ広すぎるね」
千枝「もっと大勢で泊まりたいですね」エヘヘ
凛「そういえば、秋田では怖がらせちゃってごめんね」
凛「なまはげやり過ぎちゃった」
千枝「勝負だったので仕方ないですよ」
千枝「もう絶対に見たくないですけど……」
凛「トラウマになった?」
千枝「寸前でした」
――――
凛「それで、その時のまゆ震え上がるほど怖がっててさ」
千枝「お化けがいるなら千枝もそうなります……」プルプル
千枝「凛さんはどうだったんですか?」
凛「私? の、ノーコメントで」
千枝「どうして?」
凛「……」
千枝「凛さんも怖かったんですね」フフッ
凛「そりゃね……」
千枝「あ、そろそろご飯を食べに行きますか?」
凛「いいね。どういうわけかお腹も空いてるし」
凛「さっき神奈川でアップルパイ食べたのに」
千枝「神奈川から富山まで移動した時、時間が経ってましたよね?」
凛「うん、昼から夕方になってた」
千枝「ほとんどのマスの設定時間はお昼なんですけど」
千枝「ここのマスみたいに、夕方や夜になるマスもあるんです」
千枝「それで、時間が経てば当然お腹も空きますよね?」
凛「えっと……つまりこの空腹は、ゲームのルールに法ったものってこと?」
千枝「のっとる?」
凛「ごめん、言い方が……とにかくおかしいことじゃないんだよね?」
千枝「はい」
凛(そっか。てっきり晶葉が、私に少しでも温泉旅館を堪能してもらうために)
凛(お腹を空かせたっていう粋な計らいだと思った)
千枝「早く行きましょう! 私もお腹ぺこぺこです!」
凛「ふふ、分かったからそんなに急がないで」
――――
まゆ「1回休みなのに羨ましいと思ってる私がいます」
早苗「ねー、あたしも温泉入りたい」
早苗「菜々ちゃん、一緒に瀬波温泉行かない?」
菜々「zzz……zzz……」
早苗「寝ちゃってるか」ハハ…
晶葉『まゆ、サイコロを振っていいぞ!』
晶葉『まゆの行動が終わる頃には、凛もサイコロを振れるようになってるからな!』
まゆ「はい」スッ
まゆ「1回休みじゃなくて温泉にも入れるマスに止まれるように……お願いっ」ポイッ
コロコロコロ
晶葉(それだとスペシャルマスくらいしかないな)
【進行状況】
新潟 富山 石川 福井
凛 ○☆○ ●☆○ ○×× ○○○
新潟 富山 石川 福井
まゆ ○☆● ×☆○ ○×× ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:4マス進む+2
【進行状況】
富山 石川 福井 山梨
凛 ●☆○ ○×× ○○○ ○☆×
富山 石川 福井 山梨
まゆ ×☆○ ○×● ○○○ ○☆×
まゆ「!!」
早苗「あー……これってもしかして」
まゆ「4に2をプラスして6」
まゆ「6マス進んだら……×の上に止まりますね」
まゆ「こんな……バカなことが……っ」プルプル
晶葉『現実だまゆ!』
まゆ「凛ちゃんが×マスに止まって」
まゆ「これで突き放せると、そう思った次の瞬間ですよ?」
まゆ「何でこんなに1回休みが多いんですか……!」
晶葉『ここら辺は多いんだ! そう設定した!』
まゆ「うう……しょうがないですね」
まゆ「温泉に泊まれるから良しとしましょう!」
晶葉『温泉とは限らないけどな!』
まゆ「っ……!」ガーン
早苗「じゃあどんなマスなの?」
晶葉『止まってからのお楽しみだな!』
まゆ「ヘトヘトになるのは嫌ですよ……」
早苗「まゆちゃん、何が起きても挫けずにね!」グッ
まゆ「不安を煽らないでくださいよぉ。と、とりあえず行ってみます」
まゆ「それでは」ペコリ
ビュンッ
早苗「菜々ちゃーん、温泉行くわよー。よいしょっと」
菜々「んがっ……おんぶー……えへへ……」
――――
ビュンッ
まゆ「温泉でありますように温泉でありますように」
晶葉『そんなに入りたいのか?』
まゆ「数々の勝負で疲れた体を癒したいので」
???「1、2、3、4! 5、6、7、8!」
まゆ「……!」
いつき「1、2、3、4! 5、6、7、8!」
まゆ(いつきさんが公園でレッスンしてる)
一時休憩します
16時半くらいに再開します
まゆ(嫌な予感が……)
いつき「あ、まゆちゃん!」スタタタッ
いつき「ごめんね? 自主レッスンしてて気づかなくて」
まゆ「今来たところなので」
いつき「そうなの? よかった!」
いつき「ううん、よくないよね。1回休みのマスだし……」
まゆ「どんなことをするんですか……?」
いつき「温泉だよ♪」
まゆ「!!」
いつき「加賀温泉郷って知ってるかな? 粟津温泉、片山津温泉」
いつき「山代温泉、山中温泉の4つの種類の温泉地があるんだけど」
いつき「今からそこを巡ろうって思ってるんだ」
まゆ(よかった、予感が外れてくれました)
まゆ「嬉しいです! 実は入りたいなと思ってたところなので」
いつき「楽しみにしててね☆」
いつき「じゃ、まずは運動しよっか」
まゆ「へ?」
いつき「体を動かしてから入ると、とっても気持ちいいんだよっ!」
いつき「まずは準備運動から!」
まゆ「い、いえ……私は遠慮します……」
いつき「かるーくでいいから、かるーくで」
まゆ「……」
まゆ(予感的中でしたね)
いつき「いっちに、さんし、ごーろく、しちはち」
――――
まゆ「はぁっ……はぁっ……」
いつき「よし、こんな感じかな」
まゆ「こ、これのどこが……準備運動なんですか……!」
まゆ「筋トレして……ランニングもして……」
いつき「ごめんね。途中から運動に移り変えたの」
いつき「良い汗かいたでしょ?」
まゆ「かきました……お、温泉は……?」
いつき「もう到着してるよっ。ランニングの目的地だったんだ!」
いつき「ここは粟津温泉総湯。肌に優しくてなめらかなお湯が湧き出てるの」
いつき「美人の湯、なんて言われてたりもするんだよ?」
まゆ「美人の湯……入浴したら美人になれるでしょうか」
いつき「入らなくたって、まゆちゃんはとても可愛いから」
いつき「大人になれば自然と美人になると思うけどな」ニコッ
まゆ「あ、ありがとうございます。でももっともっと自分を磨いていきたいので」
まゆ(プロデューサーさんのために)
――――
カポーン
まゆ「はふぅ……」
まゆ(気持ちいい……体がぽかぽかして)
まゆ(疲れがとれていく……)
いつき「湯加減はどう?」
まゆ「最高です。運動してよかったです」
まゆ「汗を流した後のお風呂は格別ですね♪」
いつき「だよね♪ 実家に帰ったら、必ず温泉巡りをするんだ」
いつき「たくさん運動するのも好きだけど、運動の後に美味しいもの食べたり」
いつき「お風呂に入ったりする時間も幸せなんだよね」
まゆ「今のまゆにはその気持ちがよく分かります」
いつき「ここを出たら、また走ろうね!」
まゆ「え"」
まゆ「さ、さすがにそれは……」
いつき「んー、だねっ。ウォーキングと乗り物で向かおうか」
まゆ「ぜひ!」
――――
まゆ「……」
まゆ(走ったせいか歩くのも辛くなってきてる)
いつき「着いたよ! ここが片山津温泉総湯!」
いつき「潟の湯と森の湯に別れてて、それぞれ窓から見る景色が違うの」
いつき「1日ごとに男女で入れ替わって、今日は森が女湯だね!」
まゆ「窓から何が見えるんですか?」
いつき「豊かな自然だよ。季節ごとに彩りが変わってね、見とれちゃうんだ♪」
まゆ「へぇー……」
――――
いつき・まゆ「はぁー……」
まゆ「生き返ります……」
いつき「あはは、お年寄りみたい」
まゆ「つい言っちゃいました」クスクス
まゆ「わぁ、本当! 紅葉がいっぱいです」
いつき「冬なのに紅葉って、おかしいけどね」フフ
まゆ「ゲームの中だからこそですね」
まゆ(こういうこと実感するたびに、晶葉ちゃんの凄さを思い知ります)
いつき・まゆ「……」ポー
まゆ「……あの」
いつき「?」
まゆ「また温泉に行くんですか? 歩いて」
いつき「ううん、残りの2つは明日にしよう」
いつき「次はマッサージをしに行って、ホテルに泊まろうって予定を立ててる」
まゆ(よし!)グッ
いつき「ひょっとしてまだウォーキングしたかった?」
まゆ「いえいえ! もう充分ですから」
まゆ「明日にとっておきたいです!」
いつき「そう……?」
まゆ(危なかった……)
まゆ「……」
まゆ(私が1回休みになったことによって、2人の差は変わらないままですね)
まゆ(向こうも同じ状況ですし……少しの休息ということで)
晶葉(気を抜いてのんびりしてるな)
晶葉(ずっとゲーム続きだったから、無理もないか)
晶葉(ゲームの中で休憩というのも変な話だが)
晶葉(……凛の様子を見てみるか……)
――――
凛「ふー、美味しかった」
千枝「豪華なお夕飯でしたね」
凛「ねー」
晶葉(凛の奴、勝負のことをすっかり忘れてるな)
晶葉(このイベントが終わるまで、私が介入するのはやめておこうか)
凛「ねえ、そろそろメインを楽しまない?」
千枝「メイン……温泉ですね!」
凛「ゆっくり浸かって満喫しよう」
凛「どっちが早く入浴セットを準備できるか勝負だよ」スタタタッ
千枝「あっ! ふふっ、ズルいです!」スタタタッ
すみません、夜も始めると言ったのですが
今日はここまでにします
明日は22時過ぎから始めます
書き溜めができなかったので、続きから書いていきます…
カポーン
凛「露天風呂最高」
千枝「リラックスできますね」
凛「戦いの疲れが癒されるよ……」ジャバッ
晶葉(覚えてたか)
凛「まさか、まゆも1回休みになるとは思わなかったな」
凛「ほんのちょっとの休戦だね」
千枝「……」ジー
凛「? どうしたの千枝」
千枝「凛さんの肌、すごく綺麗ですべすべしてそうです」
凛「千枝もね」フフ
千枝「触ってみても……」
凛「いいよ」
千枝「ありがとうございます」ドキドキ
千枝「わー……」サワサワ
凛「私も触っていいかな」
千枝「どうぞ」
凛「……言っとくけど」
凛「これは事案じゃないから。女同士だし」
晶葉(私に言ってるのか)
凛「ふーん……」プニプニ
千枝「く、くすぐったいです」
凛「ごめんごめん。触り心地がよくってつい」
千枝「……」ジー
凛「何?」
千枝「あの……私……」
千枝「凛さんみたいな、すらっとした体になりたいんです」
千枝「どうすればいいでしょうか!」
凛「どうすればって……特別なことはしてないし、困る質問だよ」
凛「普通に過ごしてればいいんじゃない?」
千枝「普通ですか……」
千枝「分かりました。普通に過ごしますっ」
凛「う、うん。頑張って」
凛「けど変わってるね。もっとこう、大きくなりたくないの?」
千枝「?」
凛「だから、胸とかお尻とか。セクシーな感じにさ」
千枝「はい……恥ずかしいので」
千枝「あっ、えっと、雫さんや愛梨さんたちを悪く言ってるわけでは!」アセアセ
凛「大丈夫だよ」クスッ
千枝「せくしーな人たちは、とっても素敵だと思うんです」
千枝「でも千枝がそうなるのを想像すると……」カァァ
凛「恥ずかしい?」
千枝「見られるのが……」
凛「今だって見られてるじゃん」
凛(まあ視線は多少なりともいやらしくなるだろうけど)
凛「あのさ」
千枝「はい」
凛「仮に千枝がセクシースタイルになったとしよう」
凛「恥ずかしがることなんてちっともないからね」
凛「ほら、愛梨とか雫とか早苗さんとか、みんな堂々としてるでしょ」
凛「何でだと思う?」
千枝「……?」
凛「見られ慣れてるってのは当然あるだろうけど」
凛「自分に自信を持ってるからだと思うんだ」
凛「これが自分なんだって、隠さずありのままを見せつけてるんだよ」
千枝「見せつけてる……」
凛「そう、見せつればいいんだよ」
凛「胸やお尻が大きくなっても、どうだ! ってさ」
千枝「な、なるほど……」
千枝「少し気持ちが楽になりました! ありがとうございます!」
凛「いいって」フフッ
晶葉(間違った知識を植え付けてしまったような……)
晶葉(千枝本人じゃないからいいんだが)
すみません、本当に少ないのですが今日はここまでにします
見てくださってありがとうございます
――――
千枝「いいお湯でしたね」ホカホカ
凛「何回も言うけど、本当に最高だったね」ホカホカ
凛「ふわぁ……眠くなってきた。ふかふかベッドにダイブしたい……」
凛「ゲームの中なのに、眠気を感じるんだね」
千枝「凛さんたちは存在ごとゲームに取り込まれましたから」
千枝「現実世界と同じように、お腹が空いたり眠くなったりするのは当たり前ですよ」
凛「どこか恐怖を感じる説明だね」
千枝「ごめんなさい、そんなつもりは……」
千枝「プレイヤー全員がゴールすればちゃんと元に戻るので、安心してください!」
凛「そっか……はぁ、ダメだ眠い。満腹になって体も暖まっちゃったら、次はこうなるよね」
凛「まゆとの戦いに備えて、もう寝よう……」
千枝「え、もうですか?」
凛「何かしたいことあるの?」
千枝「せ……せっかくの温泉ですし」
千枝「もっと遊びたいなって……トランプとか……」モジモジ
凛「別にいいけど、2人でトランプは寂しくない?」
千枝「それもそうですね。じゃあ何かお話しませんか?」
凛「いいよ、お互い眠くなるまでね」ニコッ
――――
まゆ「うひぅっ! 痛たたたっ」
いつき「ここのマッサージ効くでしょ!」
まゆ「はい、効果抜群です。って痛いっ!」ビクッ
いつき「まゆちゃんだいぶ凝ってるんだねー!」
まゆ「い、いつきさんは平気なんですか」
いつき「痛いには痛いけど、気持ちよくもあるし」
いつき「慣れればそんなにかな♪」
まゆ「……ああ言ってますけど」
先生「もっと強くしてあげますね」ニコッ
いつき「へ? いたっ!? ちょっ、そんなの無しですよっ!」ジタバタ
――――
いつき「もー……まゆちゃん、余計なこと言っちゃダメ!」
まゆ「すみません。けど、すっきりしました! マッサージしてもらってよかったです」
いつき「そう言ってもらえて何よりだよ! あ、見えてきた。あのホテルだよ!」
まゆ「ホテルにも温泉があるんですか?」
いつき「もちろん! お料理も美味しくて絶品なの!」
いつき「予約してあるから、先に行っててくれないかな?」
まゆ「用事ですか?」
いつき「ううん、走ってくるの! 汗をかいてホテルの温泉も楽しまないと!」
まゆ「そ、そうですか……じゃあこれで……」
スタタタッ
まゆ(ものすごいスタミナですね)
まゆ(誘われなくてよかった……)
――――
まゆ「わぁー、贅沢な和食ですね」キラキラ
いつき「新鮮なお刺身に、ズワイカニ、甘エビ。海の幸だねっ」
いつき「いただこうか!」
パクッ
いつき「モグモグ……ゴクン。うん、美味しい!」
まゆ「茶碗蒸しも、ほっぺたが落ちちゃいます」
まゆ「ゲームの中とは思えませんねぇ……パクッ」モグモグ
まゆ「ゴクン……現実でもこういうとこ行ってみたいなぁ」
いつき「お仕事や学校で忙しいもんねー」
まゆ「はい。アイドルのみんなと一緒に旅行したいです」
まゆ「楽しく観光して……同伴してくださったプロデューサーさんと2人きりになって」
まゆ「ホテルの部屋にこっそり忍び込んで……うふふっ」
晶葉(結局そこに行き着くんだな)
いつき「そうなると、凛ちゃんもその場に来てそうだね」
いつき「それで取り合いになっちゃて」クスクス
まゆ「いえ……凛ちゃんはプロデューサーさんを諦めてると思うので」
まゆ「誰も邪魔はしませんよ♪」
晶葉(すごい自信だ)
――――
いつき「ここのお湯もポカポカ温まって、気持ちよかったね☆」
まゆ「幸せな時間でした。いえ、このマスに止まってからずっと幸せですけど」ニコニコ
いつき「本当!? ならまた体動かそうよ! 現実の私にも話してさ!」
まゆ「あ、えっと……温泉とセットなら……」アハハ…
まゆ「ん……ふあぁ……あくびが出ちゃった」
いつき「そろそろ寝る?」
まゆ「ええ、時間も時間ですし……」
いつき「私はもう一運動……するのはやめとこう。せっかくお風呂入ったし」
まゆ(理由はそれなんですね)
今日も少なめ、ここまでで…
最近何故かすごく眠たい
明日には安価を出せるところまでいきたいです
――――
まゆ「お部屋も和の雰囲気を感じられて、素敵ですね」
まゆ「タダでこんな体験ができるなんて夢みたい……いいのかなぁ」
いつき「晶葉ちゃんお金取るらしいよ」
まゆ「え!?」
いつき「冗談だよ♪ でも中毒になりかねないから」
いつき「使用は3ヶ月に1回って定めるんだってー」
まゆ「ビックリしました……」
まゆ「ですよね。自由に遊べる許可なんか出したら、毎日やっちゃいそうですし」
まゆ「特に旅行好きのアイドルだったり、お酒好きのアイドルだったり」
いつき「お料理食べても太らないから、食い意地の張ってる人もね☆」
まゆ「ふふ、そうですね」クスクス
晶葉(欲しているマスに止まれるとは限らないがな)
いつき「あー……私も眠くなってきちゃった……」
まゆ「お話はここまでにしましょうか。電気消しますね」
いつき「ありがとう……」
まゆ「お休みなさい」
いつき「お休みー」
――――
――――
チュンチュン
千枝「凛さん凛さん」ユサユサ
凛「むにゃ……ぷろでゅーさー、そんなぷれいを……ふふ……」
凛「みんなみてるのに……だめだってば……」
千枝「凛さーん、えっちな夢を見ている最中にすみません」
千枝「もうそろそろ出発ですよー!」
凛「……ん? あれ、プロデューサーは……?」
千枝「やっと起きてくれましたね。おはようございます!」
凛「……なんだ、ここにいたんだ……」ギュッ
千枝「えっ」
凛「続きをしよう……まずはキスを……」チュー
千枝「寝ぼけてる! 千枝はプロデューサーさんじゃないですよぉ!」ジタバタ
――――
凛「ごめんなさい」
千枝「いえ……」
凛「朝ごはんは?」
千枝「ビュッフェですよ! と言いたいところですけど」
千枝「もうサイコロを振る時間ですから、続きは現実で金太郎温泉へ行って楽しんでください」
凛「そ、そんな……! お腹が空いてるのに……酷いよ……」グスッ
千枝「仕様で減ってないはずですけど」
凛「バレてた……まあしょうがないか。心残りはあるけど、充分楽しめたし」
凛「そろそろ戦闘モードに入らないとね」キリッ
千枝「負けないでくださいねっ。ここからやる気の力を送ってますから!」
凛「ありがとう。絶対無駄にしないから」
晶葉『終わったみたいだな!』
凛「晶葉! 久しぶりに声を聞いた気がする」
晶葉『なるべく邪魔しないよう心掛けてたんだ! ほら、サイコロだ!』
凛「よし……リフレッシュもしたんだから」
凛「良い目を出して、良いスタートを切りたいよね」スッ
千枝「大きいのが出ますように!」
凛「そーれっ、と」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
富山 石川 福井 山梨
凛 ●☆○ ○×× ○○○ ○☆×
富山 石川 福井 山梨
まゆ ×☆○ ○×● ○○○ ○☆×
↓1 コンマ一桁 0は10
凛:2マス進む
【進行状況】
富山 石川 福井 山梨
凛 ○☆● ○×× ○○○ ○☆×
富山 石川 福井 山梨
まゆ ×☆○ ○×● ○○○ ○☆×
凛「2……」
千枝「こ、こういう時もありますよ! 次はきっと良い目が出ます!」
凛「うん……そうだよね。そう思うことにする」
凛「千枝、お世話になったよ。またね」
千枝「はいっ!」
ビュンッ
――――
ビュンッ
凛「同じ富山県に到着……誰が待ち受けてるかは予想つくよ」
凛「だって、富山出身は千枝と裕美しかいないからね」
スタスタ
裕美「出てくる前に当てられちゃいましたね……」
凛「ここは水族館?」
裕美「はい、魚津水族館です。100年の歴史があるんですよ」
裕美「とにかく色んな海の生き物が見られるんです。親子の休日にぴったりな場所です」
凛「説明が大雑把すぎない?」
裕美「そんなことないですよ。私も小さい頃、家族とよく行ったので」
裕美「この水族館の良さは、実際に見てみないと分かりません」
凛「そ、そう……。それで、ここでどんな勝負をするの?」
裕美「海の生物クイズです。今から晶葉ちゃんにクイズを出題してもらって」
裕美「先に5問正解したら勝ちという単純かつ明快な勝負です」
凛「海の生き物か……あんまり詳しくないな」
凛「始める前に調べちゃダメなの?」
裕美「ダメですよ。けど、水族館を見て回る時間は与えられるので」
裕美「海の生物たちをちゃんと見て、生き様を感じ取ってくださいね」
凛「無茶な」
裕美「クイズは1時間後に開始するので、またこの水族館前に来てくださいね」
凛「分かった……」
――――
凛「生き様を感じ取れってどういうことなの」
凛「魚たちを見ても、綺麗とか凄いとかしか思わないよ……」
凛「あ、円柱水槽だ。こういうの好きなんだよね」
凛「ウマヅラハギ、っていうんだ。可愛い」クスッ
凛「……うん、やっぱり生き様を感じるなんて無理」
凛「とりあえずグルッと回ってみよう」
――――
裕美(余裕そうな態度を見せちゃったけど)
裕美(私もお魚のことよく知らないし……生き様ってどういうこと?)
裕美(自分で言っておいて、意味が分からない……)
裕美「!」
裕美(メダカ……可愛いなぁ)
裕美「あなたは今までどんな生き方をしてきたの?」ヒソヒソ
裕美(なんて、バカみたい)
「川ニ住ンデタンダヨ」
裕美「!?」
「トッテモイイ場所ナンダ」
裕美「……凛さん」
凛「ふふっ、気づかれちゃった」
凛「裏声を駆使したんだけど、私もまだまだだね」
裕美「どんなに上手くやっても、私そういうの信じる歳じゃないですから!」
凛「そう? ビックリしてたじゃん」
裕美「……っ」カァァ
裕美「と、ところで調査は順調ですか?」
凛「さっぱり。どう頑張っても生き様なんて感じられないよ」
凛「せいぜい、水槽の近くに書いてある魚の説明を覚えるくらいだね」
凛「裕美はどう?」
裕美「それなり……です」
凛「そっか。じゃあ、私は向こうのサメを見てくるね」スタスタ
裕美「……」
裕美(もう絶対に魚に話しかけたりなんかしない!)
――――
凛(ドチザメか。迫力あるね)
凛(サメに関する知識ならあるんだよね。世界最大はジンベエザメっていう)
凛(まあそれくらいなんだけど)
凛(こっちは……ウミガメだ)
凛(ウミガメの知識は……産卵の時に目から流すのは涙じゃないんだよ)
凛(涙じゃなくて……何だっけ?)
――――
裕美(サンゴ……綺麗……)
裕美(見てるだけで癒される……)
裕美(こっちはクラゲ? ふわふわ泳いでる)
裕美(そういえば昔、私が4歳くらいの時)
裕美(家族で海水浴に行って、クラゲに刺されたんだっけ)
裕美(ほとんど覚えてないけど……)
(1時間後)
晶葉『時間通り、今から海の生物クイズを始めるぞ!』
晶葉『両者、今の気持ちは?』
凛「根性でクリアしてみせる」
裕美「返り討ちにします」
晶葉『いい目つきだ! ではいくぞ!』
晶葉『第1問! フグは昔から日本で食べられているが』
晶葉『フグの毒がない部分は、次のうちどれでしょう!』
晶葉『A・肝臓 B・胃 C・卵巣』
凛「……ふふ、なるほどね」
凛「どんな問題かと思ったら」ヤレヤレ
晶葉『お、凛は自信ありか?』
裕美「こんなの簡単ですよね」フフ
晶葉『なんと、裕美も自信があるのか!』
裕美「ありますよ」
凛「……」
裕美・凛(全然分からない)
凛(つい調子乗っちゃった、どうしよう)
裕美(またしても余裕を見せるために見栄を……。今更やっぱり分からない、なんて言えないし)
裕美・凛(こうなったらイチかバチか……いや、ダメ!)
裕美(それだとハズレた場合に恥ずかしい思いをすることになる!)
凛(どうする……こうなったらこの問題は裕美の譲るしか……)
裕美(凛さんに譲るしか……)
晶葉(いつまで経っても手を上げないということは)
晶葉(さては2人とも出まかせを言ったな?)
凛「こほん……まあ、私が今手を挙げたら100%の確率で正解するんだけど」
凛「ここは裕美に譲ってあげる」ニコッ
裕美「え? いえいえ、遠慮なさらず凛さんどうぞ」
裕美「チャレンジャーなんですから、ハンデとして1ポイントあげます」
凛「そんなのいらない。早く手をあげなよ」
裕美「凛さんこそ、ハンデをあげると言ってるんですよ?」
凛「いらない」
裕美「あげます」
晶葉(やっぱりこいつら分かってないんだな)
裕美(うう、仕方ない)
凛(こうなったら直感で答えるしか……間違えたら間違えたで言い訳を……)
凛・裕美「はい!」スッ
晶葉『ようやく手を挙げたか!』
↓1 裕美
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が1ポイント獲得
晶葉『はい凛の方が早かった!』
凛「げっ」
晶葉『ん?』
凛「な、何でもない。えっと……」
凛「……Bの、胃……?」
晶葉『なんだ、今度は自信なさそうに答えたな!』
凛「いや、あはは……」
裕美(この反応、もしかして凛さんも嘘を?)
晶葉『まあいいだろう! 答えは……』
凛「……」ゴクリ
晶葉『Bの胃だ! 正解!』
裕美・凛「!!」
凛「しゃあ! じゃなくて当然だけどね。分かりきったことだから」
凛「別に驚きとかないし、うん」
裕美(くー、私もBって答えようとしてたのに……!)
晶葉『これでまずは凛が1ポイント先取だな! 裕美のハンデだ!』
裕美「へ? ああ、はい、そうですね。潔くハンデを受け取ったようですね」
晶葉(どっちも演技下手か)
晶葉『続いていくぞ、第2問だ!』
晶葉『ヒラメの目はどこについているか、次の中から選べ!』
晶葉『A・右側 B・真ん中 C・左側』
裕美・凛「!!」
裕美(待って、これどこかで聞いたような)
裕美(右ヒラメに左カレイ、だっけ……)
凛(右カレイに左ヒラメだっけ)
裕美・凛「……」
晶葉『どっちも悩んでいるな! 心当たりがあるようだ!』
晶葉『制限時間はないから、じっくり考えろ!』
裕美・凛「……」
裕美・凛「…………」
晶葉(そんなに悩むか)
↓1 裕美
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が1ポイント獲得
凛「はい!」スッ
裕美「!?」
晶葉『先に挙げたのは凛か! 答えをどうぞ!』
凛「日本に古くから言い伝えられてる、こんな言葉があるよね」
凛「左ヒラメに右カレイ」
晶葉『古いのか?』
凛「とにかく!」
凛「答えは左だよ! C!」
晶葉『……』
ピンポーン
晶葉『正解だ! 答えはCの左側!』
凛「ふぅ」
裕美(分かってたのにー……!)グヌヌ
晶葉『これで2ポイント目を獲得! その調子だぞ凛!』
凛「あと3ポイントか。一気にいくよ!」
裕美「喰らいつきます!」
ここまでにします
昨日再開できずすみませんでした…
今日は昼、夕方、夜と始めていく予定です
晶葉『ジャジャン! 第3問!』
晶葉『ウロコから数える魚の寿命で、1番長生きなのはどれ?』
晶葉『A・金魚 B・鯉 C・タラ』
裕美(そんなの分からない……金魚?)
凛(これも当てずっぽうでいくしかないかな)
凛(何となくだけど……)
裕美・凛「はい!」スッ
晶葉『むっ、今のはほぼ同時だったが……』
↓1 裕美
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が1ポイント獲得
晶葉『凛だな! 答えを言ってくれ!』
裕美「そんな、今のは絶対に私が早かったですよ!」
晶葉『凛の方がコンマ1秒早く手が伸びきった! 間違いないぞ!』
裕美「うー」
凛「そんなに怒らないでよ……公平な判断なんだから」
裕美「怒ってないです」
凛(怒ってるじゃん)
晶葉『凛なんだから仕方ないぞ! さあ、早く答えを!』
凛「うん、えっと……Bかな?」
ピンポーン
晶葉『正解だ! これで凛は3ポイントゲット、勢いに乗ってるぞ!』
裕美(Cだと思ってた……)
晶葉『このまま凛が突き進むのか! 裕美が待ったをかけるのか!』
晶葉『勝負は盛り上がってきたぞ! 第4問!』
晶葉『3月3日、女の子の健やかな成長と幸せを願うひな祭りがイベントとしてあるが』
晶葉『その日にある貝が使われるんだ! 次の中から選んでくれ!』
晶葉『A・ハマグリ B・サザエ C・シジミ』
凛(聞いたことあるかも。何だっけ)
裕美(前にお母さんから教えてもらったような……)
晶葉『ちなみに、この貝はお吸い物に入れて食べるんだぞ!』
晶葉『何故かというと……これを言ったら答えが絞られてしまうから伏せさせてもらう!』
裕美(答えが絞られる……?)
凛(お吸い物で食べる……)
裕美・凛(あっ!)
裕美・凛「はい!」スッ
晶葉『また同時か! 仲がいいな!』
↓1 裕美
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が1ポイント獲得
晶葉『これも凛が早かった!』
裕美「また!? もー……!」
凛「ごめんね、これも勝負だから……」
凛「答えはAのハマグリだよ」
晶葉『…………』
凛「え? まさかハズレ?」
ピンポーン
晶葉『正解だ!』
凛「よかった。ヒヤッとした」
晶葉『何故ハマグリが食べられるかというと…』
裕美「待って! これは説明させて」
裕美「ハマグリの貝殻は対になってないとピッタリ合わないの」
裕美「これを仲の良い夫婦に例えて、一生一人の男の人と添い遂げられるようにって」
裕美「そんな願いが込められてるの。つまり良縁を引き寄せる縁起物だね」
晶葉『見事な説明だな!』
裕美「分かってたのに、答えられなくて悔しかったから……」
裕美「これで凛さんは4ポイント……崖っぷちか……」
凛「裕美には悪いけど、容赦なくストレート勝ちさせてもらう」
裕美「そうはさせません。ここから追い上げてみせます」
晶葉『凛、この展開何かに似ていると思わないか?』
晶葉『現実でもそうだったろう! まゆと戦って、一気に3勝し王手がかかっていたのに』
晶葉『お前は負け続け、結局3対3の引き分けに持ち込まれた!』
凛「何で知ってるの」
晶葉『天才に作られた天才だからな! 何でも知ってるぞ!』
晶葉『このまま裕美に喰らいつかれ、負けるようなら』
晶葉『お前はきっとこのボードゲームでも負けるだろう!』
凛「そんなバカな」
凛「と笑い飛ばしたいけど、こういうのって願掛けとしても大事だからね」
凛「私はこのまま裕美に勝つよ。そしてまゆにも勝ってみせる」
凛「必ずね」ゴゴゴゴゴ
裕美「!?」
晶葉『凄まじい闘志だな! 空回りしないことを願って』
晶葉『いくぞ! 第5問だ!』
晶葉『黒潮には、様々な魚が回遊しているが』
晶葉『次のうち黒潮の海にいない魚はどれだ?』
晶葉『A・カツオ B・マグロ C・サケ』
凛「はい」スッ
裕美「えっ!?」
晶葉『出題し終わった瞬間だな! 本当に分かったのか?』
凛「たぶん」
晶葉『せっかく良い顔なんだから、そこはハッキリ答えて欲しいぞ!』
晶葉『答えをどうぞ!』
裕美「……」ドキドキ
凛「黒潮の海にいない魚は」
↓1 裕美
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が1ポイント獲得
凛「……ごめん、ちょっと待って」
凛「いいんだよねこの答えで。うん、だって黒潮にいなさそうだし」ブツブツ
裕美「……」
晶葉(締まらないな)
晶葉『時間切れだ! 回答権は裕美に移る!』
凛「そんな!」ガーン
裕美「ありがとう! じゃあ言うね?」
裕美「黒潮にいない魚は、Cのサケ!」
晶葉『……』
ピンポーン
晶葉『正解! ようやく1ポイントだな!』
凛「やっぱサケか……素直に言っとけばよかった」
凛「そうだよ、間違ってもまだ余裕はあったんだし……」
晶葉『後悔しても遅いぞ! 反省を活かせ!』
晶葉『1対4で始める、第6問目!』
晶葉『マンボウは、1回に何個の卵を生むでしょう!』
晶葉『A・3百万個 B・3千万個 C・3億個』
凛「全部多い」
裕美「お魚ってそういうものじゃないんですか?」
裕美「はい!」スッ
晶葉『お! 今度は裕美が早く挙げたな!』
裕美「当たって砕ける!」
晶葉(分かってはいないのか)
晶葉『これでハズレたら致命的だが、果たしてどうなるのか!』
晶葉『答えをどうぞ!』
↓1 裕美
↓2 凛
コンマ二桁 高い方が1ポイント獲得
裕美「マンボウが1回に産む卵の数は……」
裕美「3千万個!」
晶葉『……』
ブブーッ
晶葉『残念! 違うんだ!』
裕美「くぅ……!」
凛「ということは、回答権は私に?」
晶葉『そうだな! しかし凛も外せば、ノーカウントとなり次の問題へ移る!』
凛「次の問題はない。これで本当に決めるから」
凛「答えは……C! 3億個!」
晶葉『……』
晶葉『……正解だ!!』
凛「!!」
晶葉『正解はCの3億個! マンボウは1回に3億もの卵を産むんだ!』
晶葉『おめでとう凛!』
凛「ふふ……賭けだったんだけどね」
裕美「おめでとうございます」
凛「!」
裕美「私の負けです……もっとお魚の知識を学んでおけばよかったですね」
凛「私も運で勝ったようなもんだから。良い戦いだったよ」ニコッ
裕美「凛さん……」
ギュッ
晶葉(勝負を終えた後の握手は、何度見てもいいものだ)
――――
カポーン
まゆ(いくらプラス2の恩恵を受けても)
まゆ(出す目が2とかじゃ、進むめるものも進みませんけどね)プイッ
いつき「温泉はどうかな、まゆちゃん?」
まゆ「あ、はい! とっても気持ち良いです」
まゆ「ここが総湯、なんですよね?」
いつき「そうそう! 山代温泉の公衆浴場は、総湯と古総湯の2つがあって」
いつき「総湯は新しいシステムを導入した100%源泉の共同浴場なんだけど」
いつき「古総湯は明治時代の総湯を復元して、外観や内装」
いつき「それに、温泉に浸かって楽しむだけの『湯あみ』っていう入浴方法も再現した」
いつき「雰囲気も楽しめるところなんだ♪」
一時中断します
22時から再開します
まゆ「すごく楽しみです♪」
いつき「軽く体を動かしてから行こっか☆」
まゆ「は、はい……」
いつき「その後は、山中温泉総湯『菊の湯』って温泉に行こうと思ってるんだけど」
いつき「サイコロを振る時間が迫ってるなぁ……どうする?」
まゆ「体を動かすのは諦めましょう! 直接テレポートみたいな風にできないんですか?」
いつき「できるけど……そうだよね。温泉の良さを分かってもらいたいんだし」
いつき「運動は諦めよっか」
まゆ「残念ですけどねぇ」ニコニコ
晶葉(残念そうに見えないぞまゆ)
――――
カポーン
いつき「ここ、山中温泉総湯『菊の湯』は」
いつき「男湯を女湯の建物が別々に分かれてるんだ!」
いつき「効能は、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、その他色々に効くんだよ!」
まゆ「じゃあ今のまゆにはもってこいですね。ちょっと筋肉痛なので」
まゆ「ここまでリアリティを追求しなくてもいいのに……」
いつき「晶葉ちゃんすごいよねー」
いつき「ちなみに、外では温泉卵作り体験をやってるから」
いつき「あがったら食べていこっか☆」
まゆ「いいですね!」
――――
晶葉『満喫したか?』
まゆ「とっても」モグモグ
晶葉『それは何よりだ! ではサイコロを……振るのは、温泉卵を食べ終わってからだな!』
まゆ「ゴクン……ふぅ、ごちそうさまでした」
まゆ「ごめんなさい。もう大丈夫です」スッ
まゆ「2を出した凛ちゃんは大きい目が出てくれるはず……!」
いつき「せめて8くらいは出したいよね!」
まゆ「ええ、それと1回休みのマスに止まらないように」
まゆ「お願い……しますっ」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
富山 石川 福井 山梨
凛 ○☆● ○×× ○○○ ○☆×
富山 石川 福井 山梨
まゆ ×☆○ ○×● ○○○ ○☆×
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
スキルは各1回使用だっけか
>>787
凛とまゆ、それぞれ2回です
凛はすでに使い終えて、まゆは1回残してます
まゆ:8マス進む
【進行状況】
富山 石川 福井 山梨
凛 ○☆● ○×× ○○○ ○☆×
山梨 長野 岐阜 静岡
まゆ ○☆× ○●× ×☆○ ○○○
まゆ「出ました8! けど止まった長野マスの周りが1回休みばかり!」
まゆ「き、聞くのが怖いんですけど……●の下は×ですか……?」ビクビク
晶葉『いや、○だ! 普通のイベントマスだぞ!』
まゆ「よかったぁ……」ホッ
いつき「まゆちゃん! 一緒に運動して、温泉にも入って」
いつき「すごく楽しかったよ!」
まゆ「私も充実した時間を過ごせました」
まゆ「素敵な場所へ案内してくださって、ありがとうございました」ペコリ
いつき「また行こうね!」
まゆ「はい」ニコッ
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「もうすぐで日本を半分渡ったことになりますね」
まゆ「ええっと、この場所は……」
まゆ「郎五礒屋幡八……? あ、八幡屋礒五郎か」
???「そうそう♪ とってもスウィーティーなお菓子を販売してる、人気のお店なんだぞ☆」
まゆ「この声は、心さんですね」
心「うそ! バレちゃった!? まゆちゃんの後ろに立ってたのに☆」
心「やっぱりオーラが出ちゃってるかー☆ 人気アイドルのオーラが☆」
まゆ「……」
まゆ「このマス、勝負のマスなんですよね? 何で戦うんですか?」
心「おい、スルーすんなよ☆ まあいいけど☆」
心「戦うってほど物騒な勝負じゃないかな♪ 今からやるのは」
心「これだ!! ロシアンマカロン対決!!」スッ
まゆ「カラフルで綺麗! けどロシアンって……嫌な響きですね」
心「察してくれたな☆ これは八幡屋礒五郎さんの商品、七味が入ってるマカロンでね?」
心「もう超スウィーティーで美味しいの! 甘さの中にぴりっとした辛さがあって、はぁとやみつき☆」
心「これを見習って、しゅがーはぁとにもちょっぴりスパイスを入れてみてもいいかな☆ なんて思ったり☆」
まゆ「それでロシアンするんですか?」
心「スルーすんなって☆ そんなに冷たかったっけまゆちゃん☆」
心「予想通り、このマカロンの内の1つははぁとのお腹の中に入ってて☆ 空いたスペースには」
心「はぁと特製鬼辛唐辛子スパイスマカロンをセット済み☆」
今日はここまでにします
また明日、22時以降に始めていきます
まゆ「1つずつ食べていって、先にアタリを引いた方が負け……というわけですか」
まゆ「7個あるのは何故ですか? 最後の1個として残ってしまう可能性がありますよね?」
心「その時はジャンケンで決着をつける!」
まゆ「えぇ……」
心「さあさあ選べ☆ はぁとはもう選択したから☆」
まゆ「アタリを分かってたりしませんよね?」
心「晶葉ちゃんにシャッフルしてもらったから大丈夫♪」
まゆ「……」
まゆ(よーく観察しても怪しいマカロンはない。上手く忍ばせましたね)
まゆ(運任せにするしかないみたい……)
まゆ「これにします」スッ
心「案外悩まないのね☆ よぉし、いっせーので食べるぞ☆」
心「もしアタリを引いたら、そこに用意したバケツを使っていいからね☆」
まゆ「どれだけ辛くしたんですか」
心「これでもかってくらい☆」
↓1 コンマ一桁をアタリ(鬼辛マカロン)の数字に設定
心「準備はできたか? マジでいくぞ?」
まゆ「は、はい」
心「ロシアンマカロン対決、まずは1つ目!」
心「いっせーの……!」
パクッ
心「……」モグモグ
まゆ「……」モグモグ
↓1 心
↓2 まゆ
コンマ一桁に3が入っているとアタリ
心「……うっ!?」
心「こ、これは……やばっ……!」ワナワナ
心「なんつって☆ びっくりした? 口の中に広がるのは」
心「超スウィーティーなマカロンの味ー☆」
まゆ「……」
心「あれ、まゆちゃん? どした、顔色悪いぞ?」
心「……え? 嘘でしょ? もしかして」
まゆ「っ……!!」プルプル
まゆ「からいっ!! からっ、ああっ……!」
まゆ「からいーーー!!」スタタタッ
まゆ「げほっ、げほっ! のどがっ、いたっ……!」
心「マジかよ!? 初っ端からアタリ引くって、バラエティなら盛り上がりに欠ける事態だぞ!?」スタタタッ
心「いや、ある意味おいしいかも……大丈夫?」スリスリ
まゆ「ごほっ、これっ……すごいです……!」
まゆ「はなみずと……なみだが……」ズビッ ポロポロ
心「鬼辛っしょ?」
まゆ「はい……おにです……っ」ゲホゲホ
まゆ「あぐっ……おえ――」
心「おっとマズい!! これ以上はアイドルが見せちゃいけない映像!!」アタフタ
――――
まゆ「……」
心「ようやく落ち着いたね。なんかごめんね」
まゆ「いいんです……こういう展開を承知の上で勝負したんですから」
まゆ「うう、まだちょっと辛さが残ってる……」
心「お詫び、って言うのも何だけど、これ八幡屋礒五郎さんの他の商品」スッ
心「甘いスイーツだから、食べて回復して?」
まゆ「ありがとうございます……」
まゆ「にしても、まさか1番目に引いちゃうなんて」
心「それな。まさかのまさかで超ビビった☆」
心「まゆちゃん、持ってるかもね」
まゆ「何をですか?」
心「芸人の素質♪」
まゆ「いりません……」
――――
心『そだ☆ 気分転換に、ここら辺の観光してく?』
まゆ『いいんですか?』
心『お安い御用だって☆ ついて来て☆』
凛「……」
晶葉『今までで1番早く勝負がついたんじゃないか?』
凛「うん」
裕美「あれって運が良いのかな。それとも悪い?」
凛「どっちともとれるんじゃないかな」
凛「まゆの話はここまでにしよう。また離されつつあるから」
凛「バンバン大きい数字を出していかなきゃ」スッ
晶葉『フラグにならいといいがな!』
凛「……1が出てください。1が出ますよう、にっ」ポイッ
コロコロコロ
晶葉(上塗りしたか)
【進行状況】
富山 石川 福井 山梨
凛 ○☆● ○×× ○○○ ○☆×
山梨 長野 岐阜 静岡
まゆ ○☆× ○●× ×☆○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10
凛:3マス進む+2
【進行状況】
福井 山梨 長野 岐阜
凛 ○●○ ○☆× ○○× ×☆○
山梨 長野 岐阜 静岡
まゆ ○☆× ○●× ×☆○ ○○○
裕美「3マス進んで、さらに2マス……福井県ですね」
凛「ノーマルマスでよかった……」
裕美「凛さん、またお魚クイズやりましょう」
凛「うん。それまでに、もっと魚について調べておくよ」ニコッ
ビュンッ
――――
ビュンッ
凛「よっ……着地成功」
???「来た来た」
凛「あ、つかさ」
つかさ「アタシがいるの意外かよ?」
凛「そうじゃなくて。ほら、他にも福井出身のアイドルいるし」
凛「その中のつかさが対戦相手なんだなって」
つかさ「好戦的じゃん、いいね」
つかさ「突っ立ってると時間もったいねぇし、歩きながら説明するわ」スタスタ
凛「えっ、どこ行くの?」スタスタ
つかさ「バトルステージ。すぐ近くにあるから」
今日はここまでにします
このペースだと確実に次スレいく…
ご感想いただき嬉しいです、ありがとうございます
23時頃から始めていきます
つかさ「あれ見えるだろ? 赤縁メガネの乗った建物」
凛「めがねミュージアムだ」
つかさ「そうそう、知ってんだな。ここ福井県鯖江市にある、通称メガネの聖地」
つかさ「アタシたちの戦いの場だ」
凛「あそこで勝負? 何するの?」
つかさ「メガネの聖地が戦いの場って言ったら、大体分かんだろ」
つかさ「メガネでやりあうんだよ」フフッ
凛(わけ分かんない)
――――
凛「わぁー、色んなメガネがある」
つかさ「バイブス上がんだろ? アタシが使ってるのもここで作ってもらった」
つかさ「やっぱプロだわ。クライアントの期待に、期待以上の結果で応えるんだから」
凛「つかさってメガネかけてたっけ」
つかさ「まあ事務所ではかけてねぇからな」
つかさ「それより勝負だ。今から自分に合うと思うメガネを作って」
つかさ「そのメガネが活きる服を着て、ミニファッションショーをやる」
凛(メガネでやりあうってそういうことか)
つかさ「そしてどっちがイケてたのか、審査員に評価してもらう」
凛「審査員?」
つかさ「ああ。アタシと同郷、福井県出身のアイドル3人に来てもらった」
スタスタ
都「事件が起きなくて暇なので、参加させてもらいます!」
みちる「パンおいひー」ニコニコ モグモグ
裕子「サイキックアイドルユッコ、爆誕!」
凛「……大丈夫なの?」
つかさ「侮んな。この3人も、アイドルとして自分の魅せ方を勉強してきたんだから」
つかさ「アタシらのファッションもキッチリ見て評価を…」
みちる「あれ!? 隠し持ってたパンが無くなってる!?」
都「事件発生!! 私が探してみせます!!」
裕子「いえいえ、ここは私の超能力で!」
つかさ「……はずだ」
凛(不安になってきたね。無理もないよ)
凛「制限時間は?」
つかさ「どんなメガネを作るかで1時間。その後、服選びにとりかかって1時間」
つかさ「できたメガネと選んだ服を身につけて、ステージに上がるまで30分」
凛「2時間半か。っていうか」
凛「メガネってそんなに早く……できるわけないよね」
凛「早送りで、できるまでの時間を短縮するんだね」
つかさ「正解。見積もりだと30分で完成する」
つかさ「じゃ、開始な。また2時間半後に」スタスタ
凛「……」
凛(私に合うメガネと、それを活かすファッションか)
凛(どう考えたらいいのかな……)
凛(メガネを意識せず、あくまで全体のうちの1つと考えた方がいいかな)
凛(んー……)
↓1 つかさの作るメガネと服
↓2 凛の作るメガネと服
例:黒縁メガネで渋谷風ファッション、オーバルフレームで女教師など
詳細を書いていただいてもOKです
安価の途中ですが、5時起きなのでここまでで…すみません
凛の安価は↓1でお願いします
春菜は静岡出身らしいので…
違う形で出す予定です
凛(まゆと李衣菜の勝負に感化されたわけじゃないけど)
凛(コスプレっていうのもありだね)
凛(さらに、ここは私の新たな可能性ってことで、明るいキャラクターでいってみるのもいいかな)
凛(インパクトも狙えるし。となると、どれを参考に……)
凛(!)
凛(そうだ。そういえば前にプロデューサーの家に侵入した時)
凛(Dr.スランプっていうマンガを見つけて、気になって読んだら)
凛(すっごくハマちゃったことがあったな)
凛(アラレちゃんが可愛くて……おかげで長居し過ぎて、帰って来たプロデューサーに怒られたけど)
凛(……アラレちゃんか……)
――――
つかさ(普段はあいつにプロデュースされてるけど)
つかさ(アタシだって自分の強みくらい分かってるし)
つかさ(意外性は無いけど、直球で攻めてやろうじゃん)
つかさ(えっと、店員は……)
春菜「決まりましたか?」スッ
つかさ「!?」ドキッ
つかさ「お前、何でここにいんの?」
春菜「晶葉さんにお願いしました! メガネのことなら私にお任せ!」フンスッ
つかさ「帰れよ」
春菜「よくそんな冷たい言葉が言えますね!?」ガーン
つかさ「お前がアイドルとしてプロってことは認めてるよ」
つかさ「でもメガネのプロじゃねぇだろ?」
春菜「うぐっ……痛いところを突きますね」
春菜「しかしご安心を! メガネのプロのデータをインプットしたので」
春菜「それはもう素晴らしい仕事ぶりをお見せしちゃいます!」
晶葉『春菜の言うことは事実だ! アドバイスしてくれ!』
つかさ「本当便利な世界だな」
つかさ「じゃあ任せるわ。まずは……」
――――
凛「春菜……メガネのことになると故郷の壁も越えてくるの?」
凛「って、うかうかしてられない。私も方向性は決まったし」
凛「店員さんに…」
春菜「呼びましたか?」スッ
凛「え!?」ビクッ
凛「え? 春菜、え? 向こうにも春菜いるのに?」
春菜「驚いてますね! デジタルだとこういうこともできちゃうんです!」
凛「こわ……」
春菜「引くことないじゃないですか! ささ、どんなメガネをご所望ですか?」
凛「う、うん……えっとね」
――――
つかさ(メガネは作業に入った。あとは服選び)
つかさ(このタブレットで注文すればいいんだよな)タプタプ
つかさ(あった。決定を押せばいいのか?)タプ
ヒュンッ
つかさ(! 一瞬で目の前に現れた)
つかさ(不良は……ねぇな。よし)
――――
春菜「本当にこれでいいんですか?」
凛「お願いね。私は服を探すから」
凛「渡されたタブレットで……」タプタプ
凛「おお、あるんだ。子供から大人サイズまで揃ってる」
凛「決定っと」タプ
ヒュンッ
凛「!!」
凛「すごい、マンガで見たのと瓜二つだ」
凛「試しに着てみて、問題なければ」
凛「つかさとの戦いに備えるだけだね」
――――
(約束の2時間半経過)
春菜「レディースアンドジェントルメーン!」
春菜「お待たせしました! 今から桐生つかさと渋谷凛、ミニファッションショーを行います!」
みちる「レディースしかいないよね?」ヒソヒソ
都「はっ! もしやこの中に男性が紛れて…」
裕子「ないない」
春菜「こほん、静粛に! カーテンの向こうには先攻のつかさちゃんが待機してるので」
春菜「騒ぐと怒られちゃいますよ!」
春菜「さあ、それでは始めましょう! ミュージックスタート!」
~♪ ~♪
裕子「カッコいい音楽ですねっ」
春菜「美人、ギャル、そして社長! さらにアイドルの肩書きを持つスーパーJK!」
春菜「きりゅうぅぅぅぅぅぅ! つぅぅぅかぁぁぁさぁぁぁぁぁぁ!」
みちる「わー、プロレスの入場みたい」パチパチ
スタスタ
つかさ「……」キリッ
都「か、かっこいい……」
裕子「素敵です……!」キラキラ
春菜「モデル歩きで颯爽と登場したつかさちゃんは」
春菜「スーツジャケットとパンツスーツでスタイリッシュな大人の女性を演出!」
春菜「そこにティアドロップサングラスとくれば、くぅー! 唸ってしまうほどクールです!」
つかさ「……」クルクル
つかさ「……」チラッ
春菜「一回転してからの、サングラスをズラして観客に視線!」
都・みちる・裕子「……」ポー
春菜「審査員3人とも目を奪われてしまっています! 恐るべし色気ー!」
つかさ「……」スッ
つかさ「……」バッ
春菜「あー、これはダメです! キマったポーズを何度も!」
春菜「カッコよすぎて、女なのにときめいてしまいます! マズいです!」ドキドキ
スタスタ
春菜「つかさちゃん、存分にアピールして戻っていきましたね!」
春菜「危なかった! あと少しで恋に落ちてしまうところでした」
春菜「こんな爪痕を残され、凛ちゃんはどう立ち向かうんでしょうか!?」
春菜「いってみましょう! 346のクールアイドルを代表する、実家は花屋でプロデューサー大好き!」
春菜「犬並みの嗅覚を持つとか持たないとか!」
春菜「しぃぃぃぶぅぅぅやぁぁぁぁぁぁ!! りぃぃぃぃぃぃん!!」
テレッテレッ♪ テレッテレッ♪ テレッテレッ♪ テレッテレッ♪ テレッテレッ♪
都「何ですかこの曲は?」
裕子「聞いたことないですね……」
みちる「あたしも」
春菜「えー、説明しますと」
春菜「これはあるアニメのオープニング曲です!」
春菜「昔に放送していたものなので、皆さんが知らなくて当然です!」
裕子「どんなアニメですか?」
春菜「凛ちゃんが作中のキャラのコスプレしてるので、見て判断してください!」
春菜「登場していただきましょう! どうぞ!!」
テレッテテーレーテ♪ テレッテテーレーテッテッテッテ♪
キッタゾ♪ キタゾ♪ アラレチャン♪
凛「キーーーーーーン!」スタタタタッ
都・みちる・裕子「!?!?」
春菜「手を横に広げて走ってきたー! 再現度が高い!」
春菜「一応説明します! これはDr.スランプというマンガの」
春菜「アラレちゃんというガイノイドです!」
裕子「がいのいど?」
春菜「人間の女性に似せて作られたヒューマノイドのことです! 詳しくは調べてください!」
凛「んちゃ!」スッ
春菜「おおっと、ここで可愛らしい挨拶!」
凛「うっほほほ~~いっ!」ピョンピョン
春菜「これはアラレちゃんが喜んでいる様子ですね! 愛くるしいです!」
都・みちる・裕子「……」
春菜「おや? 皆さんポカーンとしてますよ?」
みちる「だって、アラレちゃん知らないし……」
都「元が分からないと何とも」
春菜「なるほど、ごもっとも!」
凛「はるなちん! はるなちん!」チョイチョイ
春菜「ん? 何ですか?」スタスタ
凛「ヒソヒソ」
春菜「ふむ、ふむ……ほうほう」
春菜「えー、凛ちゃんの言ったことを代弁しますと」
春菜「キャラ知らなくてもいいから、可愛さと元気一杯なのを見て欲しいと」
春菜「あくまで渋谷凛として見て欲しい、とのことです!」
凛「うっほほほ~いっ!」
みちる「凛ちゃんとして見るんなら……」
裕子「頭がおかしくなってしまったのかと思いますけど」
凛「ほよよよよ~~っ」
裕子「新しいの出た!」
春菜「これは驚いた時や疑問に思った時に出るセリフですね」
都「私たちはそれを遥かに上回る驚きに満ちてますけど」
凛「うっほほほ~~いっ!」
凛「バイちゃっ!」
みちる「今のは?」
春菜「お別れの挨拶です。もう引き返すみたいですね」
スタタタッ
春菜「はいありがとうございました!」
春菜「元気いっぱいで、とっても可愛かったですね! つかささんとどちらが勝つんでしょう!」
都・みちる・裕子「……」
――――
春菜「結果発表です!!」
春菜「審査員の方はもう既に決めたようです! 楽しみですね!」
春菜「つかさちゃん、今の心境は?」
つかさ「良い勝負だったんじゃね」
春菜「……マジですか? てっきり怒ってるのかと」
春菜「凛ちゃんのショーを見て」
つかさ「まあ理解はできねぇけど。凛は本気で策を練って、本気でぶつかって来たんだ」
つかさ「勝ちにいってのあれなんだろ? 文句もねぇよ」
凛「つかさ……」
春菜「凛さん、今の心境は?」
凛「イメージ通りできたけど、勝てるかどうかは正直分かんない」
凛「ただ、やりきったから悔いはないよ」
春菜「素敵な笑顔ですね! 出し切った感が出てます!」
春菜「さて、そろそろ発表しましょうか! 果たしてどっちが勝ったのか!」
つかさ・凛「……」
春菜「審査員、札を上げてください!」
都・みちる・裕子「……」
↓1 都
↓2 みちる
↓3 裕子
コンマ一桁 偶数がつかさ票 奇数が凛票 0は10
春菜「出ました! 都ちゃんはつかさちゃん、みちるちゃんは凛ちゃん!」
春菜「そして裕子ちゃんがつかさちゃん!」
春菜「メガネファッションショーはつかさちゃんの勝利ー!」
凛「ダメか……!」
つかさ「当然」
春菜「都ちゃん、何故つかさちゃんに?」
都「まるで実力派の探偵のように、とてもカッコよかったので!」
春菜「独特な表現ですね! そして裕子ちゃんもつかさちゃんですが」
裕子「惚れてしまいそうな色気がよかったです! サングラスが似合う人って素敵ですよね!」
裕子「凛ちゃんも、冷静になって考えたら可愛かったんですけどねー。やっぱりつかささんですね!」
春菜「分かりますよー! 宝塚に引き込まれる女の子の気持ちって、あんな感じなんでしょうか!」
春菜「さあさあ! 2人がつかさちゃんの札を上げてますが、みちるちゃんは凛ちゃんに一票入れましたね?」
みちる「可愛いかった! それが全てです!」
みちる「最初ちょっと引いちゃったんですけど、よく見たらとってもキュートで」
みちる「特にメガネが最高でした! アラレちゃんのコスプレじゃなく」
みちる「普通のファッションでかけても似合うと思いますよ!」
凛「そ、そうかな……嬉しいよ」テレテレ
つかさ「それ。もっと可愛めのファッションで勝負されてたら」
つかさ「危なかったかもな。そのくらい凛の新たな素質を見れた」
つかさ「今度アタシの会社のモデルやらね?」
凛「そんなに私のメガネ良かったの。お誘いは嬉しいけど……プログラムのつかさに言われても……」
つかさ「あーそうだったわ、ならダメか。見逃すのマジ惜しいんだけどな」
つかさ「ゲーム終わったらさ、アタシに言ってくんない?」
つかさ「可愛めのファッションでモデルやらせて欲しいって」
凛「分かった。覚えてたら…」
つかさ「絶対覚えとけ。記憶に刻め、忘れんな」
凛「はい……」
春菜「よっぽど気に入ったみたいですね」ハハ…
――――
心「善光寺、どうだった?」
まゆ「心が穏やかになりました。邪な感情が浄化されていくようです」
まゆ「まゆにはそんなのほとんど無いですけど」
心「このボードゲーム何のためにやってんのか言ってみろ☆」
まゆ「……。さあて、サイコロ振らないとっ」スッ
心「スルーの次ははぐらかしか☆」
ポイッ コロコロコロ
【進行状況】
福井 山梨 長野 岐阜
凛 ○●○ ○☆× ○○× ×☆○
長野 岐阜 静岡 愛知
まゆ ○●× ×☆○ ○○○ ○×○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
まゆ:4マス進む-2
【進行状況】
福井 山梨 長野 岐阜
凛 ○●○ ○☆× ○○× ×☆○
長野 岐阜 静岡 愛知
まゆ ○●× ×☆○ ○○○ ○×○
まゆ「4、から2を引いて2マス進む」
まゆ「もうちょっと大きい目が出て欲しかったけど、スペシャルマスだからセーフ!」
心「欲望全開だな☆」
まゆ「仕方ないです、これは仕方ない」
まゆ「ということで、たくさんのスイーツを頂いてしまって……ありがとうございました」
心「もう口の中は大丈夫?」
まゆ「おかげさまで。今度は現実でも長野県に行ってみたいと思います!」
心「はぁとも誘えよ☆ 案内するぞ♪」
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「スペシャルマスは海外出身のアイドルが相手なんですよね」
まゆ「予想がつきません……というかここは……?」
???「すきありぃーー!!」
ポスッ
まゆ「あうっ」
まゆ「なな、何ですか!? 今のは……」
フレ「敵将まゆちゃん、うちとったりー!」
まゆ「フレデリカさん!」
まゆ「何してるんです? 新聞紙を丸めた棒を持って」
フレ「戦だよ!」キリッ
まゆ「へ?」
フレ「戦じゃ戦じゃー! サムライ魂ここにありー!」
まゆ「あの、説明をぜひ」
フレ「えへ♪ ごめんね、つい武将になりきっちゃって♪」
まゆ「武将?」
フレ「んっと、急だけど、ここがどこだか分かる? 挙手をして答えてね!」
まゆ「はい。岐阜県の……町、ですか?」
フレ「その通り! ここは関ヶ原町といって」
フレ「壬申の乱や関ヶ原の戦いの古戦場として知られてるところなんだー♪」
まゆ「あー……だから新聞紙の棒を?」
フレ「鋭い! 日本刀のような切れ味だね♪ こやつできる!」
フレ「これからアタシとまゆちゃんで繰り広げるのは、この新聞紙の刀を使った」
フレ「チャンバラ合戦だよ!」バンッ
まゆ「チャンバラ……」
今日はここまでにします
ちなみにですが、>>1は去年の2月頃からデレステをプレイして、デレマスにハマっていったにわかなので
コラボとかの知識はほとんど無いです…
そのためおかしいと感じるところがあると思います、すみません
2マスなら1回休みじゃないの?
ああ、コラボってアラレちゃんの話です汗
まゆ:4マス進む-2
【進行状況】
福井 山梨 長野 岐阜
凛 ○●○ ○☆× ○○× ×☆○
長野 岐阜 静岡 愛知
まゆ ○○× ●☆○ ○○○ ○×○
まゆ「」
心「んーと、4が出たから2を引くと、2マス進む」
心「あれ? ×に止まっちゃうじゃん!」
まゆ「」
心「まゆちゃん? おーい」
心「放心しちゃってるし……こういう時は頭をかるーく」
ポンッ
まゆ「はっ! な、何だ……夢でしたか」
心「現実から目を逸らすな☆ 岐阜県の1回休みに止まったぞ☆」
まゆ「」
心「ちょーっ! また頭叩くか? いや、このまま送っちゃってもいい?」
心「晶葉ちゃーん☆」
晶葉『話の流れは分かってるぞ! このまま送ればいいんだな!』
心「はぁとに聞くなよ☆」
晶葉『それもそうか! んー、ここで目を覚まさせるとまた放心するかもしれないし』
晶葉『よし、このまま岐阜に送ろう!』
心「そか☆ まゆちゃん、今度はリアルで長野に来いよ☆」ウインク
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「」
晶葉『まゆ、いつまでそうしてるんだ!』
まゆ「はっ! こ、ここは……」
晶葉『岐阜の1回休みマスだ!』
まゆ「そう、ですか……やっぱり止まってしまったんですね」
まゆ「何てことでしょう……」ガクッ
晶葉『気落ちするな! まだお前が先頭だし』
晶葉『特技も1回残してる! さらに、凛だってこの休み地獄に囚われるかもしれないんだぞ!』
まゆ「そ、そうですね。リアクションがオーバーでした」
~♪ ~♪
まゆ「?」
まゆ「綺麗な音色……バイオリンですか?」
まゆ「あっ」
星花「……♪」
まゆ(星花さんが演奏してる)
――――
~♪
星花「ふぅ」
パチパチパチ
星花「!」
まゆ「とっても素敵でした」
星花「まゆさん……いらしてたのですね」
星花「ごめんなさい。私気づかずに……」
まゆ「いいんです。素晴らしい演奏を聴くことができて、得しちゃいました♪」
まゆ「ここは星花さんのマスなんですよね?」
星花「ええ、岐阜県の下呂市ですわ」
星花「下呂温泉はご存知?」
まゆ「はい! もしかして温泉に入れるんですか?」キラキラ
本当に今日はここまでで…ミスしてしまいすみません
22時頃に再開します
星花「そのつもりですわ」ニコッ
まゆ「嬉しいです! ……運動はしませんよね?」
星花「?」
まゆ「入る前に汗を流す、とか」
星花「まあ、それは良い案ですわね♪」
まゆ「いえいえ! 考えてなかったならいいんです!」アセアセ
まゆ「それよりぜひ温泉を紹介していただけないでしょうか?」
星花「もちろん。行きましょうか」
――――
星花「着きました」
まゆ「ホテル?」
星花「ここに一泊する予定ですの。まずはチェックインをして」
星花「浴衣に着替えてから、温泉街を回りましょう♪」
まゆ「素敵なプランですねっ!」ワクワク
(数十分後)
まゆ「どうでしょうか?」ジャーン
星花「とてもお似合いですわ!」
まゆ「星花さんも、セクシーです……髪をまとめた姿も大人っぽくて……」
まゆ「立ち振る舞いが上品で……思わずため息が」ハァ…
星花「お褒めの言葉、ありがとうございます」ニコッ
星花「では始めに近場の温泉へ行きましょうか」
星花「忘れないうちにこれを」スッ
まゆ「何ですか?」
星花「湯めぐり手形というものです。これを持っていれば」
星花「湯めぐりに指定された温泉のうち、3つに入れるんですの」
まゆ「へー!」
――――
スタスタ
まゆ「あの、こんなこと聞くの失礼なんですけど」
星花「はい」
まゆ「この湯めぐり手形って、使ったことあるんですか?」
星花「ありますよ。何故そのようなことを?」
まゆ「星花さんはお嬢様なので、顔パスか何かで入れるんじゃないかなって」
まゆ「勝手な妄想です……すみません」
星花「ふふっ、そんなことありません」クスクス
星花「私も他の方と同じように温泉に入って、足湯に浸かっています」
星花「たくさんお話ができて楽しいですよ♪」
まゆ「そうなんですか、すみません」
星花「謝罪なんてする必要は……あ、到着ですわ」
星花「クアガーデン露天風呂。その名の通り露天風呂のみの施設です」
星花「打たせ湯もあるんですよ」
まゆ「打たせ湯……滝行みたいな感じでしょうか」
星花「あんなに大袈裟ではありませんけどね。入ってみましょう」フフ
――――
まゆ「はぁー……きもちい……」
星花「ええ……安らぎの空間ですわ」
星花「幼い頃もよくここへ来てたんです。バイオリンのお稽古に行き詰まってしまった時とか」
星花「気分が曇ってしまうと、必ずここへ」
まゆ「一人でですか?」
星花「そのつもりでしたけど、どうやらお付きの方に監視されていたようで」
星花「覗きと疑われて、警察の方にお世話になりかけたことも」
まゆ「愉快な人ですね」
星花「ええ」クスクス
星花「温泉で体を暖めていると、嫌なことがすぅっと晴れていくんです」
星花「複雑に絡まった糸が解けていくような……」
まゆ「心に癒しを与えてくれる、かけがえのない場所ですね」
星花「はい」ニコッ
――――
まゆ「気持ちよかったぁ」ホカホカ
星花「どうされます? 今の場所で心が満たされたのなら」
星花「街中を観光するという選択も…」
まゆ「温泉がいいです! もっともっと入りたいです!」
星花「よかった。それでは次の温泉へ。少し遠いですけど……」
まゆ「平気です!」
まゆ(いつきさんに鍛えてもらってよかったです)
――――
まゆ「え? ここって宿泊施設ですよね?」
星花「そうですね。望月館という、家族やカップルに人気の旅館です」
星花「露天風呂を貸切にできたり、旬のお料理がとっても美味しいんですよ」
まゆ「温泉だけ入れちゃうんですか?」
星花「湯めぐり手形を使用すれば。ただし入浴の時間は指定されていますけどね」
まゆ「そうなんですか……って当たり前ですよね」
まゆ「温泉だけ借りさせてください、って言ってるんですから」
星花「ふふ、ええ。そういえば今の時期だと、露天風呂からどんな景色が見れるんでしょうか」
星花「季節ごとに違うのですよ」
まゆ「1年を通して違った楽しみ方があるんですねー」
――――
星花「木々の葉が、緑から黄色、赤へ移り変わる時ですわ」
星花「いつ見ても美しいわ……」
まゆ「本当に綺麗です……」
まゆ(ここもやっぱり季節を変更できるのかな)
星花「やはり露天風呂はいいですね。解放的にもなれて」チャプ
まゆ「……」
まゆ「星花さんって、お肌や体型へ注ぐ努力とかしてます?」
星花「えっ」
星花「そうですね……気を使っている、というほどでは」
星花「ただ、規則正しい生活は心がけています」
まゆ「それだけでそんなにすべすべのお肌……」
まゆ「体型も完璧で……」
星花「そ、そうでしょうか。他のアイドルの方が断然魅力的だと思いますわ」
星花「まゆさんだってこんなに」サワサワ
星花「あっ、私ったら失礼なことを……」
まゆ「いいんですよ。その代わり私も触ってもいいでしょうか?」
星花「どうぞ」
まゆ「ありがとうございます♪」
――――
まゆ「ふー……長湯しちゃったかも」
星花「そうですわね……ゆったりホテルへ戻りましょう」
星花「途中で足湯もあるので休憩しつつ」
まゆ「賛成です!」
まゆ「足湯は湯めぐり手形の対象なんですか?」
星花「いいえ、全て無料ですわ」
星花「どなたでも気軽に、気楽に入れるんですの」
まゆ「それは色んな人との交流が捗りますね」
星花「そうなんです♪ お友達になった方も数人いますし」
星花「今でもお会いして、一緒にお出かけしたりするんです」
まゆ「いいですねぇ、そういうの♪」
星花「もしかしたら足湯にいらっしゃるかもしれません」
星花「その時は、まゆさんにご紹介しますわ」
まゆ「ぜひ!」
――――
凛「いいなー」
晶葉『お前も充分温泉を堪能しただろう!』
凛「そりゃそうだけど、温泉は何回も入りたいでしょ」
凛「また入れるマスに止まって、ホテルか旅館に泊まりたい」
つかさ「ならそうしてもらえば? 晶葉、可能か?」
晶葉『凛が1回休みのマスに止まりたいというなら止まらせてやろう!』
凛「私が悪かった、ごめんなさい」
凛「もうサイコロ振っていいの?」
晶葉『ああ、まゆが温泉旅行を終えるのはまだ先だからな!』
晶葉『これを機に追い抜いてやれ!』
凛「だね。間違っても1回休みのマスに止まらないよう……あっ」
凛「今のはフラグでもなんでもないから! 違うから!」
晶葉『誰に言ってるんだ!』
凛「フラグの神様」
つかさ「んなもんいねぇよ。自分の力で掴み取れ」
都・みちる・裕子(カッコいい)
凛「よ、よーし……掴み取ってみせるよ」
凛「10を掴む! この手で!」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
福井 山梨 長野 岐阜
凛 ○●○ ○☆× ○○× ×☆○
長野 岐阜 静岡 愛知
まゆ ○○× ●☆○ ○○○ ○×○
↓1 コンマ一桁 0は10
凛:6マス進む-2
【進行状況】
福井 山梨 長野 岐阜
凛 ○○○ ○☆● ○○× ×☆○
長野 岐阜 静岡 愛知
まゆ ○○× ●☆○ ○○○ ○×○
凛「……う」
凛「うわぁぁぁぁぁぁ」ガクッ
つかさ「掴んだじゃねぇか、1回休みを」
晶葉『凛が1回休みに止まればまゆも止まり、今度はまゆが止まったら凛も止まったな!』
晶葉『お前らどんだけ仲良しなんだ!』
凛「ふぅっ、くっ……このままじゃ負けるよぉ……!」グスッ
凛「きっと神様もまゆに勝って欲しいんだ……プロデューサーにふさわしいのはお前じゃねぇから(笑)って……」
晶葉(またネガティブ凛になってるな)
つかさ「……」
パンッ
凛「ひぅっ!?」ビクッ
つかさ「シャキっとしろよ。こんな程度でなよなよしやがって」
つかさ「あいつの正妻を決める勝負だかなんだか知らねぇけど」
つかさ「まだ負けと決まったわけじゃねぇだろ」
つかさ「いいか、どんだけ差をつけられても」
つかさ「負けと確定するまで怯むな。それが勝負ってやつだ」
都・みちる・裕子(カッコいい)
凛「……そうだね」
凛「またまたネガティブになってたよ。目を覚ましてくれてありがとう」
凛「だけど、お尻を叩くことないじゃん」スリスリ
つかさ「気合入ったろ」
凛「まあね……」
つかさ「行ってこい」
凛「うん」
ビュンッ
都「あの、つかささん」
つかさ「?」
みちる「サインもらえますか」
裕子「私も!」
つかさ「は」
晶葉(つかさも何気にイケメンアイドルだな)
――――
ビュンッ
凛「ここは温泉なのかな。山が見える見晴らしの良い場所だけど」
凛「っていうか温泉以外の1回休みマスってあるのかな」
???「ふぅー」
凛「きゃっ!? 何!?」ガバッ
志乃「ふふ……カワイイ悲鳴。クールなあなたでも、そんな声が出せるのね」
凛「し、志乃さん……首に息を吹きかける必要ありましたか!?」
志乃「普通に呼んだってつまらないじゃない」
志乃「で、あなたここに止まっちゃったの?」
凛「見ての通りです。まゆが目に見えるマスにいるんですけど」
凛「結局追いつくことができなくて……」
志乃「そう……チャンスね」
凛「チャンス?」
志乃「ピンチはチャンスって、よく言うじゃない」
凛「はあ……」
凛(この状況でチャンスも何もないと思うけど。励ましてくれたのかな)
凛「えっと、ここで何をするんですか?」
志乃「何がしたい?」
凛「えっ、いや……何をする場所なのか分からないので」
志乃「場所にこだわることないわ。自分の好きなように過ごすのもいいと思う」
凛「せっかくなのでどんなところなのか知りたいです」
志乃「そう、分かった」
志乃「ここは山梨県甲洲市、勝沼町にある、ぶどうの丘と呼ばれる観光施設よ」
志乃「日本最大級のワインショップを有しているの」
凛「片手にワインの入ったグラスを持ってるのはそういうことですか」
志乃「美味しいのよ。凛ちゃんにはまだ早いから、ジュースで我慢ね」
凛「子供扱いが過ぎます」
志乃「ごめんなさい」クスッ
志乃「ワインショップもそうだけど、ワインカーヴも地下にあるの」
凛「カーヴ? セラーじゃなくて?」
志乃「それが差すものは同じよ。言語の違いだけで、イギリス語がセラー、フランス語がカーヴ」
志乃「でね。お金を払えば、カーヴに貯蔵されてる200種類ものワインを」
志乃「試飲できるのよ」
凛「すごい。ワイン好きにとっては楽園ですね」
ここまでにします
明日は20時頃に始められる予定です
志乃「それだけじゃないのよ。大人だけでなく家族でも楽しめるように」
志乃「宿泊施設があって、バーベキューしたり温泉に入れたり美術館で芸術に触れたり」
凛「すごい!」
志乃「選り取りみどりとはこのことね」
志乃「さあ、何をしようかしら。あなたのしたいことに付き合うわ」
凛「ありがとうございます。それじゃあ」
凛「バーベキュー、いいですか?」
志乃「花より団子ね」フフ
凛「眺めも良いし、こういうとこでやってみたかったから……」モジモジ
――――
志乃「希望通り、眺めの良いテラス席でしましょう」
志乃「Aセット、Bセット、Cセットがあるけど、どれにする?」
凛「何が違うんですか?」
志乃「どれも牛ロースと野菜、ライス、漬物が固定で」
志乃「Aセットは海鮮串、ホタテ、ソーセージ」
志乃「Bセットはソーセージ。Cセットは豚ロースが付いているの」
凛「迷うなぁ……」
凛(海の幸は千枝と一緒に食べたけど、焼いたのは食べてないし)
凛(特にホタテとか絶対美味しいやつだし……)
凛(けど豚ロースも……うーん……)
凛「決めました、Aセットでお願いします」
志乃「気が合うわね。注文するわ」
――――
ジュウウウウ
凛「うわぁ、良い匂い」ゴクリ
志乃「私が焼いていくから、どんどん食べて」
凛「ありがとうございます! 途中で私が交代しますから」
凛「まずは牛ロースを……」スッ パクッ
凛「美味しい……!」キラキラ
志乃「良い笑顔」
凛「美味しいものを食べると自然になっちゃう……」パクッ
凛「野菜も美味しいっ」モグモグ
志乃「ホタテ、もういいわよ」
凛「やった、いただきます」スッ パクッ
凛「はふはふっ、あふいっ(あつい)」
凛「モグモグ……幸せ……」
志乃「私も焼いている甲斐があるわ」ニコッ
凛「私ばかりすみません。代わります」
志乃「まだ食べ始めたばかりでしょう、いいのよ」
志乃「……見れば見るほど良い笑顔ね。さすがアイドルだわ」
凛「志乃さんもじゃないですか」
志乃「あなたの笑顔ほど眩しくないわ」
凛「そんなことないと思いますけど……」
志乃「プロデューサーさんにも、その笑顔をちゃんと見せてあげてるの?」
凛「……」
凛「……どうでしょう。アイドルとしての笑顔は見てもらってますけど」
凛「純粋な笑顔はないかもしれないです。どうしても邪な感情が混じっちゃうので」
志乃「もったいない。その笑顔を見せれば、どんな男の人でも虜にできそうなのに」
志乃「試しに意識してみたら?」
凛「プロデューサーの前でですか? 難しいですね」
凛「抑えてもにじみ出てきちゃうっていうか……」エヘヘ
志乃「本当にもったいないわね……」
――――
凛「満足……もう食べられない……」
志乃「食べ過ぎちゃったわね。でも体型を気にしなくていいのがこの空間よ」
凛「夢のゲームですよね」
志乃「次は何をする? ちょっと食休みするとして」
凛「美術館に行ってみたいです。どんなものが展示してあるのか気になります」
志乃「いいわ、行きましょう」
(数十分後)
凛「……」
志乃「静かな空間で、こうしてじっくり観賞するのもいいでしょう?」
凛「はい」
凛「この女の人、志乃さんに似てますね」
志乃「そうかしら。こんな美人に似てるなんて、嬉しいわ」
凛「いやいや、志乃さん美人じゃないですか。見とれちゃうくらい」
志乃「ありがとう」フフ
凛「……この女の子はまゆに似てる」
志乃「あら、そうね。可愛い」
凛(まゆ……今頃何をしてるんだろ)
――――
星花「欧調風の建物、白鷺の湯の前に作られたこの足湯は」
星花「ビーナスの足湯といって、女性の方に人気なのです」
まゆ「優雅ですねぇ♪ お嬢様になった気分」
まゆ(お嬢様が足湯をするのかという話ですけど)
星花「♪」チャプチャプ
まゆ(そういえば目の前にいた)
まゆ「私たちの止まるホテルって、ええっと……」
星花「下呂ロイヤルホテル雅亭様ですわ」
まゆ「そう、雅亭さんなんですけど」
まゆ「湯めぐり手形に指定されたところなんですか?」
星花「はい。午前中に1時間ほど」
星花「ちなみに雅亭様のお風呂は、畳敷きの展望大浴場に」
星花「貸切露天風呂、貸切岩盤浴、足湯など、様々な温泉があるのです」
まゆ「岩盤浴! やってみたい……」
星花「着いてからのお楽しみですわね」ニコニコ
――――
星花「ちょうど日が暮れる頃ですわ。お料理をいただく前に、もう一度体を暖めましょう♪」
まゆ(さっきまでまだお昼だったのに、旅館に入った途端……)
星花「初めに展望大浴場、次に岩盤浴へ向かいましょうか」
星花「貸切露天風呂や足湯は、お料理を食べてからでも、明日の朝でもいいですから」
まゆ「欲張るのはよくないですしね!」
まゆ「まあ全部に入ろうとしてる時点で欲張りなんですけど」
星花「そうですわね」クスクス
――――
カポーン
まゆ「すごい、町が見えます!」
星花「入浴しながら一望するのもいいですわね」
まゆ「ですねぇ」
まゆ「……あのー」
まゆ「もう一度触ってもいいでしょうか、お肌」
星花「え? ええ」
まゆ「ありがとうございます」
まゆ「はぁ……本当にすべすべですね」サワサワ
星花「あはは……熱心な視線……」
まゆ「いつでも触ってらいれます……」サワサワ
星花「……」
星花「ま、まゆさん」
まゆ「はい?」
星花「その……ひょっとして、まゆさんは……」
星花「……女性もお好きなんですの……?」
まゆ「え」
まゆ「な、何でですか?」
星花「手の動きが、艶やかというか……」
まゆ「あ! すみません、違うんです!」パッ
まゆ「羨ましいなぁと思って。まゆもこんなお肌だったら」
まゆ「プロデューサーさんを魅了できるって……」
星花「そうでしたか。思い違いでしたわね」
まゆ「いえ、確かに今のは誤解されても仕方ないです」アハハ…
星花「自信をお持ちになって。まゆさんはとても魅力的な女の子ですわ」
星花「プロデューサー様もいつかきっと手をとってくださります」
星花「今はアイドルというお仕事に就いていますから、我慢していらっしゃるのですよ」
まゆ「そうだといいんですけど……」
――――
まゆ「これが岩盤浴……汗がどんどん出てきます……」
星花「体の毒素が抜けていきますから、お肌にも健康にもいいんです」
星花「ただし、岩盤浴前後の水分補給は大切ですわ」
まゆ「これだけ汗が出ると欲しくなりますね……お水が……」
星花「大丈夫ですか?」
まゆ「はい、気持ちよくて……眠気が……」
星花「いけませんわ! 寝てはダメです!」
――――
星花「安心しました……」
まゆ「心配させてしまってごめんなさい」
まゆ「あったかくなると、寝ちゃいそうになりませんか?」
星花「お気持ちは分かりますけど、岩盤浴の最中は危険ですわ……」
まゆ「以後気をつけます」
まゆ「そろそろお夕飯ですねっ」
星花「お刺身、焼き魚など、季節の食材を使用したお料理ですの」
星花「お部屋でゆっくりいただきましょう♪」
――――
まゆ「これは中毒になりますよ」
星花「そんなに気に入れられたんですの?」
まゆ「いえ、お料理のお話じゃなくて。もちろんお料理は美味しいんですけど」
まゆ「実感します。こんなに良い思いができるゲーム、身近にあったら何度もやってしまいます」
まゆ「そして晶葉ちゃんの凄さは尋常じゃないです……」
星花「私も同感ですわ。晶葉ちゃんや志希さんがこの世界に貢献しようものならば」
星花「数年後には空を飛ぶ車が実現してしまいそうですもの」
まゆ「地球以外の星に住むこともできそうですね。コロニーとかロボットとか」
星花「不老不死の薬も作れそうですわね」
まゆ・星花「……」ジー
晶葉(2人とも天井を見上げて、私の反応を待っているのか?)
晶葉(旅館を満喫させるため、そっとしておこうかと思ったが仕方ないな)
晶葉『プログラムの私に聞かれても困るぞ!』
まゆ「でも晶葉ちゃんの姿形、声をしてますし」
まゆ「本人の思考が分かる可能性が……」
晶葉『そうだな……まあ作れるんじゃないか!』
晶葉『だが作ろうとしないだろうし、仮に作り始めたら途中で飽きそうだな!』
晶葉『世界に貢献なんてつまらなさそうな事もしない! というのが私の意見だ!』
星花「なるほど、その通りかもしれませんわね」
まゆ「志希さんも、1つの場所に留まるような性格じゃないですしね」
晶葉『もういいか? 私は引っ込むぞ!』
まゆ「ありがとうございます」
星花「もったいないですわね……」
まゆ「私もそう思います。でも、あの2人らしいですよ」ウフフ
まゆ「話を変えましょうか。ここって露天風呂がついてるんですよね?」
星花「はい。後で入りますか?」
まゆ「どうしましょう……貸切露天風呂も入りたいし」
まゆ「足湯は明日にして、このお部屋も明日に?」
星花「温泉三昧ですわね」ニコニコ
まゆ「幸せな悩みです」ニコニコ
――――
凛「温泉は何度入っても最高」
志乃「そうね。見て、南アルプスが見えるわ」
凛「良いですね……」
凛「……こっちの山も……」ジー
志乃「?」
凛「聞いてください志乃さん。私、千枝から……」
凛「いえ、千枝のプログラムから言われたんです。凛さんみたいなスレンダーな体になりたいって」
凛「嬉しかったんです。けど私は……雫や早苗さん、愛梨」
凛「そして志乃さんみたいな大きな胸に、少し憧れを持ってて」
志乃「その3人が出てくると、私はちっぽけになっちゃうわね」
凛「どうしたら大きくなるんでしょう。っていうか私の年齢でまだ大きくなるんですか?」
志乃「なると思うわ。私の友人で、38歳の人がいるんだけど」
志乃「今が人生で1番大きいって話してたし。私もこの目で見たけど、確かに大きかったから」
凛「へぇー……そうなんですね」
志乃「もし凛ちゃんが本当に胸を大きくしたいなら」
志乃「世間で言われてる、キャベツや牛乳、鶏肉をたくさん摂取してみるとか」
志乃「規則正しい生活で女性ホルモンを整えたり……あとは……」
凛「あとは?」
志乃「お母さんになることね」
凛「!!」
志乃「妊娠して子供ができると大きくなるわよ」
凛「そうか……その手が……」
志乃「何で大きくしたいの?」
凛「プロデューサー、大きい方が好みなのかなって」
凛「本人は『胸で判断しない』なんて当たり障りのない答えを言ってたんですけど」
凛「巨乳アイドルと一緒にいる時、必ず1回は視線を向けてますし」
凛「体に当てられたら困った顔しつつも嬉しそうですし」
志乃「男性として普通の反応だと思うけど」
志乃「凛ちゃんだって、雫ちゃんや早苗ちゃんが急いでる時」
志乃「上下に揺れて主張してる胸へ視線がいってしまうでしょう?」
凛「は、はい……特に雫は圧倒されます」
志乃「胸を押し当てられたら、その部位に集中しちゃうでしょう?」
凛「はい、触ってみたいとも思っちゃいます」
志乃「女性ですらそうなんだから、男性はもっと大変よ」
凛「……」
凛「じゃあプロデューサーは本当に、胸では判断しない?」
志乃「真意は不明だけど、巨乳が好きかどうかは分からないわね……」
凛「胸に興味ないのかな。お尻の方が好きとか」
志乃「太ももかもしれないわね。うなじかも」
凛「混乱してきた。どうすればいいんでしょう」
志乃「そのままでいいんじゃないかしら」
志乃「ありのままのあなたでぶつかって、ありのままのあなたをアピールすればいいわ」
凛「いいんですか?」
志乃「ええ」ニコッ
凛「そっか……ありのままでいいんだ……」
凛「あの、もう一つ相談が」
志乃「何?」
凛「胸、触ってみたいなって……」
志乃「ふふ……特別よ……♪」
凛「ありがとうございます」
ワー ヤワラカイ ムニュムニュ
――――
凛「な、なんかそわそわする」
凛「大人の人が来るようなレストランって感じで……」
志乃「気を楽にして。未成年向けのメニューもあるから」
志乃「これがメニュー」スッ
凛「ん?」
凛「あの、展望『ワイン』レストランって書いてありますけど」
志乃「大丈夫よ」クスッ
凛「ワインって文字がどのメニューにも入ってるんですけど」
志乃「……ちょっとくらい、ね♪……」ウインク
凛「現実だったら犯罪ですよ……」
志乃「分かった、凛ちゃんはこのやわらかビーフシチューを頼んで」フフ
志乃「私が頼むコース料理で、ワインが入ってない料理をあげるから」
凛「そんな、悪いですよ! ビーフシチューだけでいいです、美味しそうですし」
――――
志乃「ゴクン……ふぅ……♪」
凛「ワインばかりですね。料理にはいつ手をつけるんですか?」
志乃「ふふ、ちゃんと食べてるわよ」
志乃「ビーフシチュー美味しい?」
凛「ほっぺたが落ちちゃいそうです」モグモグ
凛「ゴクン……ここから見る夜景、目を奪われちゃいますね」
志乃「でしょう。まるで宝石のよう……」
志乃「ワインが一層美味しいわ」ゴクン
凛「そればっかりですね」
凛「……志乃さん」
志乃「いいわよ」
凛「まだ何も言ってません」
志乃「ワイン、飲んでみたいんでしょう?」
凛「違いますけど……そんな得意げな顔されても」
凛「フィレ肉のソテー、美味しそうだなって」
志乃「こっちだったのね。どうぞ」スッ
凛「ありがとうございます」パクッ
凛「柔らかくて美味しい……」モグモグ
志乃「食べ物を口に入れながら喋らないの」
凛「ゴクン……ごめんなさい」
凛「……」
志乃「どうしたのかしら。ワインを見つめて」
凛「……」
凛「ちょ……ちょっとだけ……」
志乃「やっぱり興味あったのね……♪」
志乃「一口よ」スッ
凛「これはゲームの中だし……少しだけ……」ドキドキ
凛「……」コクン
凛「んっ……うー……渋い……!」
志乃「うふふっ、そうよね。私も初めて飲んだ時、そんな感じだった」
凛「大人になれば飲めるようになるんですか?」
志乃「味が分かるようになるわ、多分」
凛「多分って……」
志乃「飲める人と飲めない人がいるから」
志乃「凛ちゃんはどっちかしらね」ニコニコ
凛「想像がつきませんね」
――――
志乃「デザートが来たわ。凛ちゃんにあげる」スッ
凛「……」
志乃「凛ちゃん?」
凛「はい……ありがとうございましゅ……」スッ
凛「パクッ……モグモグ……おいしぃ……」ポー
志乃「……」
志乃「もしかして、酔っぱらっちゃった……?」
凛「このデザートおいしぃ……シェフをよんでください」
凛「お礼をいいたいです……」
志乃「私が言っておくわ」
凛「そうですか……」
凛「……はあぁぁぁ……」
志乃(深いため息)
志乃「ごめんなさい凛ちゃん。飲ませるべきじゃ…」
凛「志乃しゃん」
志乃「!」
凛「だいすきでしゅ」
志乃「え?」
凛「わたし、プロデューサーが……だいすきなんでしゅ……」
志乃「ああ、そういうこと……」
凛「なのに」
凛「なのにどうして振りむいてくれないんだろう……」クスン
凛「魅力ないのかなぁ……かわいくないからかなぁ……」
凛「かわいさでいえば、まゆのほうが……キュートで売りだしてるし……」
凛「わたしなんて……うう……ぐすっ、ふうぅっ……」
志乃「……」
志乃(凛ちゃんは泣き上戸?)
凛「わたし、プロデューサーのこと、なんでも知ってるんでしゅよ……」
凛「朝おきる時間とか……体のにおいで、たいちょう分かるし」
志乃「そう、すごいわね……」
凛「におい……プロデューサーのにおい、だいすき……」
凛「シャツのにおい嗅ぐと、しあわせになるんでしゅ……えへへ……」
志乃「好きな人の匂いっていいわよね」
凛「モグモグ……おいしぃ……」
志乃「……」
志乃(たった一口でこんなに……? よっぽど弱いのかしら)
志乃(場に酔ったとか?)
凛「……ごめんなしゃい……」ボソッ
志乃「え?」
凛「たいちょうまでは、分からないんでしゅ……」グスッ
凛「うそついて、ごめんなさいっ……ふぇ……っ」ポロポロ
志乃「いいのよ、泣かないで。体調までは分からないわよね流石に」
凛「つかみかけてはいるんでしゅけど……」
志乃「そうなの。近づいてるのね」
凛「……」
志乃「……?」
志乃(止まった)
凛「……ねむくなってきました……」
志乃「アルコールのせいね。もう部屋に行きましょう」
凛「モグモグ……ゴクン」
凛「ごちそうさまでした……」ペコリ
ここまでにします
明日は夕方4時くらいから始めていきます
すみません、1時間遅れて5時になりそうです…
凛「うぅ……ふらふらする……」スッ
志乃「支えてあげるわ」
凛「ごめんなさい……」
――――
凛「わぁ……いい部屋ですね……」
志乃「もうすぐベッドだから……」
バフッ
凛「ふかふかべっどー……んぅ……」
志乃「お水をもらってくるから、少し待っててね」
凛「……」
志乃「? もう寝ちゃったのかしら」
凛「……起きてます……」
凛「本当にすみません志乃さん……」
志乃「あら、呂律が回ってる。早くもアルコールが抜けてきたみたいね」
志乃「それともやっぱり場酔いだったのか……」
凛「私、変なこと言っちゃいましたね」
凛「忘れてください……」
志乃「お酒の失敗は誰にでもあるものよ」
志乃「元はといえば、飲ませた私が悪いんだし」
凛「私も断ることできたので」
凛「ここに泊まるんですか……?」
志乃「そうよ。くつろいでいて、お水買ってくるから」スタスタ
ガチャ
パタン
凛「ふぅ……」
晶葉『凛!』
凛「! 晶葉、どうしたの?」
晶葉『お前に謝っておきたいことがある!』
晶葉『実はゲームに小さなバグが生じていてな! お前が酔いやすかったのはそのせいなんだ!』
晶葉『未成年が飲むとは思わなくてな! もう修正したから大丈夫だ!』
凛「バグ……そうなんだ……ごめんね」
凛「じゃあこの部屋に入ったら正気に戻ったのも、そういうことなんだね」
晶葉『直したからだな!』
凛「……」
凛「もしかして、私の酔い方もバグのせい?」
晶葉『凛の持ち前のものだ!』
凛「……そう」
晶葉『ゲームのメモリーに録画されているぞ! 見るか?』
凛「!? や、やめて! 消して!」カァァ
――――
――――
ピピピピ ピピピピ
まゆ「……ん」
まゆ「もう朝ですかぁ……んーっ」ノビー
星花「おはようございます」
まゆ「! 星花さん、おはようございます」
まゆ「もう起きてたんですね」
星花「早起きが日課になってしまって」
星花「いつもならバイオリンの練習をしているのですけど」
まゆ「ここじゃ弾けませんしね」
星花「どうですか? 朝食の前にもう一温泉」ニコッ
まゆ「ご一緒します!」
――――
まゆ「いただきます」
まゆ「はむっ……モグモグ……上品な味です」
星花「もうそろそろ、サイコロのお時間ですわね」
星花「寂しいですわ。もう一泊くらい下呂温泉を楽しみたかった……」
星花「なんて口にしては、ご迷惑ですよね」フフ
まゆ「私も同じ気持ちですよ」ニコッ
まゆ「できればもっとここで過ごしたいんですけど」
まゆ「勝負してるってことも忘れちゃいけませんし……」
星花「まゆさん、餞別の意を込めてバイオリンの演奏をしたいのですけど」
星花「ここでなく、外で」
まゆ「いいんですか? 嬉しい!」
――――
~♪ ~♪
星花「♪」
まゆ「……」
~♪
星花「……以上です」
まゆ「素敵! スタンディングオベーションです!」パチパチパチ
星花「ありがとうございました♪」
星花「ではサイコロを」
まゆ「はい」スッ
まゆ「幸いにも追いつかれなかったし、この距離を意地したい……!」
ポイッ コロコロコロ
【進行状況】
山梨 長野 岐阜 愛知
凛 ○☆● ○○× ×☆○ ○×○
岐阜 静岡 愛知 三重
まゆ ●☆○ ○○○ ○×○ ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください
>>892
凛の進行状況から静岡が抜けているミスです
まゆ:8マス進む
【進行状況】
山梨 長野 岐阜 静岡
凛 ○☆● ○○× ×☆○ ○○○
岐阜 静岡 愛知 三重
まゆ ×☆○ ○○○ ○×● ○○○
まゆ「出ました! 8マス!」
星花「大きい目ですわね」
まゆ「それでは、ありがとうございました星花さん!」
星花「凛さんとの勝負、スクリーンで見ながら応援しています!」
ビュンッ
――――
ビュンッ
まゆ「愛知県。これで都道府県の半分まで来たことになりますよね?」
まゆ「……ここって……どこ……?」
まゆ「カラフルな建物やアトラクションがたくさん。ああいうのって確か」
まゆ「レゴ、だったっけ……」
晶葉『ここはレゴランド・ジャパン・リゾートだ!』
まゆ「晶葉ちゃん!」
晶葉『愛知県名古屋市、港区に去年できたばかりの、レゴブロックのテーマパーク!』
晶葉『子供はもちろん、家族で楽しめる人気の場所なんだぞ!』
まゆ「へぇー! って……どうして晶葉ちゃんが説明を?」
まゆ「今までの流れだと、出身のアイドルの人が登場して」
まゆ「止まったマスの説明をしてくれるはずじゃ……」
晶葉『その通りだ! しかしそのアイドルが、ブリックトピアと呼ばれるエリアの』
晶葉『イマジネーション・セレブレーションというアトラクションに乗っている最中でな!』
まゆ「だから晶葉ちゃんが代わりに……。誰ですか?」
晶葉『行けば分かるぞ! 案内しよう!』
――――
まゆ「レゴでできたような乗り物が、くるくる回ってます」
晶葉『イマジネーション・セレブレーションは』
晶葉『遊園地でいうコーヒーカップだからな!』
まゆ「アイドルはどこです?」
晶葉『ほら、あれだ!』
時子「……」クルクル
まゆ「……」
晶葉『居ただろう?』
まゆ「……」ゴシゴシ
まゆ「……」ジー
晶葉『見間違いではないぞ!』
まゆ「時子さんですよね、あれって」
晶葉『そうだ!』
まゆ「意外です、ビックリです……何故こういう場所に……」
まゆ「無表情ですけど楽しいんでしょうか」
晶葉『それは本人に聞いてくれ! じゃ!』
まゆ「え? ちょっと!」
まゆ「……。終わるまで待ってよう」
――――
時子「……」スタスタ
まゆ(歩み寄ってくる)
まゆ「あ、あの……どうも」
時子「あなたが私の対戦相手?」
まゆ「はい……」
時子「そう」
まゆ「……」
時子「驚いてるわよね」
まゆ「!」
時子「自分でもここに配置されたのが納得いってないのよ」
時子「私には似合わないわ。仁美に任せればよかったのに」
まゆ「楽しかったですか?」
時子「は?」
まゆ「今の乗り物」
時子「……まあまあね」
まゆ「そ、そうですか」
時子「萎縮しないでくれるかしら」
時子「とって食おうなんて思ってないわ。勝負にも支障が出るし」
まゆ「ごめんなさい。つい」アハハ…
時子「任されたからには、やるしかないわね」
時子「ついて来なさい」スタスタ
まゆ(くるくる回ってる時子さん、可愛かったな)
まゆ(って言ったら怒られそう……)スタスタ
――――
まゆ「こ、これは……?」
時子「レゴブロックよ」
まゆ「ですよね」
時子「制限時間は180分。この無数のレゴを使って」
時子「自分だけのオリジナルオブジェを作るのよ」
まゆ「オブジェですか」
時子「何でもいいわ。ただし」
時子「出来上がった物は審査され、評価をつけられるから」
時子「できるだけ難しく、すごいと思わせるオブジェを作った方がいいわね」
まゆ「評価の高かった方が勝ちですね」
時子「ええ。準備はいいかしら」
まゆ「もう始めるんですか!? 作戦会議的なものを設けても……」
時子「仕方ないわね……10分間よ」
時子「10分経ったら、そこのタイマーが動き出すわ」
まゆ「分かりました!」
中断します
8時頃から始めます
まゆ(何を作ろう……できるだけ難しくてクオリティが高いものかぁ)
まゆ(そもそもレゴに触れたことないから、どんな組み立て方かを掴んでおかないと)カチャカチャ
時子「……」カチャカチャ
まゆ(時子さんも練習してる)
まゆ(何を作るんだろう。豚かな)
まゆ(って、人のことはいいから自分のことを考えないと!)
――――
時子「あと20秒で始まるわよ」
時子「作戦は決まったのかしら」
まゆ「ひとまずは」
まゆ「あとはなるようになれ、です」
時子「覚悟ができたようね。いくわよ」
まゆ(3……2……1……スタート!)カチャカチャ
時子「……」カチャカチャ
↓1 時子が作ろうとしているもの
↓2 まゆが作ろうとしているもの
コンマ二桁が完成度
まゆ(認知度が高くて、これを作れたらすごいなって思うものといったら)カチャカチャ
まゆ(芸術品ですよね。私はロダンさん作、考える人を組み立てていきます!)カチャカチャ
まゆ(そうだ、今のうちにレゴを持ってこよう)スタスタ
まゆ「……」チラッ
時子「……」カチャカチャ
まゆ(時子さんが気になるなぁ。豚に関連するオブジェかな)
時子「何よ」
まゆ「!」ドキッ
時子「人をチラチラ見て、自分の作業に集中なさい」
まゆ「はい、すみません!」ゴソゴソ
――――
まゆ(むぅ……難しい……)
まゆ(一度も遊んだことない人が、いきなり考える人を作ろうとするだなんて)
まゆ(甘い考えでしたね……)
まゆ(時子さんは)チラッ
時子「!」ピクッ
時子「……」カチャカチャ
まゆ(え? 今、こっちを見てた?)
まゆ(慌てて目を逸らして作業に戻ったけど)
まゆ(私の進行状況が気になったのかな)
まゆ(っていうか、あれは何だろう……家?)
時子「自分の作業に集中しなさいと言ったはずよ」
まゆ「は、はいっ」カチャカチャ
まゆ(時子さんだって私の見てたのに……)カチャカチャ
――――
(3時間後)
晶葉『ジャッジは私は務めるぞ!』
晶葉『もうタイムアウトだが、2人とも自分の作品を見てどうだ?』
時子・まゆ「……」
晶葉(言葉にしたくないのか)
晶葉(まあお世辞にも上手いとは言えないしな)
時子「文句あるの?」
晶葉『え? いや、そんなことないぞ! 頑張ったな!』
晶葉『まゆも特徴を捉えているぞ!』
まゆ「ありがとう……」
まゆ(気を遣われてるのが心に来ますね……)
晶葉『では審査に移る!』
晶葉『時子のは……家か?』
時子「豚小屋よ」
まゆ(やっぱり豚関係)
晶葉『ふむ……よくできているな!』
時子「……」
晶葉『ちゃんと豚もいるし!』
時子「もういいわ」
晶葉『え?』
時子「気を遣われて褒められるのは好きじゃないの」
時子「ハッキリ言いなさい。ヘタクソと」
まゆ(自分で言っちゃった)
晶葉『了解だ! これはヘタクソだな!』
時子「……明るい声で言われると腹が立つわね、煽られてるみたいで」
まゆ(分かる)
晶葉『そしてまゆだが』
晶葉『辛口と甘口、どっちがいい?』
まゆ「時子さんに同意です。思ったことをハッキリ言ってください」
晶葉『よし! まゆのは考える人か?』
まゆ「!!」
まゆ「分かるんですか?」
晶葉『さっきも言ったが、特徴は捉えているからな!』
晶葉『だがまるで古い時代のポリゴンゲームみたいに不格好だ!』
晶葉『もっとシャープに形作っていけば、もっと良くなるだろう!』
時子「ちょっと、それ辛口なの? 私とはかなりの違いね」
晶葉『時子がヘタクソと言えと言ったからだぞ!』
晶葉『しっかり評価するなら、せめて小屋として機能させて欲しかった!』
晶葉『屋根は穴が空いてるし、壁もボロボロだし!』
晶葉『時間が無くて慌ててしまったんだろうが』
時子「豚に神経を使ってしまったのよ」
晶葉『だろうな! 豚はよくできている!』
晶葉『さて、肝心のどちらが勝者かだが』
時子「……」
まゆ「……」ドキドキ
↓1 時子の評価
↓2 まゆの評価
コンマ二桁 完成度とプラスして高い方が勝利
まゆがポンコツじゃないだと
つか安価取るの速すぎ
時子:13+76=89
まゆ:12+96=108
晶葉『2人とも下手だ! しかし情熱は伝わってきた!』
晶葉『それを考慮した結果が……』
晶葉『まゆの勝ちだ!!』
まゆ「え!? やった……!」
時子「ふん。晶葉の評価はさて置き、完成度が致命的だから」
時子「私の中ではどのみち負けよ」
まゆ「そんな……時子さんは豚に時間をかけてたんですし」
まゆ「その集中力を小屋に発揮されていたら、確実に私の負けでしたよ」
まゆ「豚、可愛いですし♪」
時子「……」
まゆ(あ、余計なこと言っちゃった……!?)
時子「見る目あるじゃない」
まゆ「へ……?」
>>919
残りのレス数に焦ってしまいました…
凛で終わる予定なので
時子「可愛いでしょう。可愛くて惨め」
時子「ちなみに、モデルはあいつよ」
まゆ「あいつ? ……プロデューサーさんですか?」
時子「ええ。似てるでしょう、この情けない顔も」
時子「徹底的に躾したくなるわ」フフフ
まゆ「そ、そうですね……」
まゆ「……時子さん」
時子「?」
まゆ「もしよければ、一緒に遊びませんか?」
まゆ「良い機会ですし仲良く……と言っても、本人じゃないんですけど」
まゆ「本人とも仲良くなるために、ヒントを掴みたいなって」
時子「……」
まゆ「ダメでしょうか」
時子「来なさい」
まゆ「!」
時子「気になる場所があったの。付き合って」スタスタ
まゆ「はいっ!」スタタタッ
晶葉(時子のやつ、プログラムとはいえ)
晶葉(何だかんだここを気に入ってるじゃないか)フフ
まゆ「あとでジェットコースターにも乗りましょう♪」
時子「嫌」
まゆ「え?」
まゆ「……怖いんですか?」
時子「そんなわけないでしょう。あんなの子供騙しよ」
まゆ「じゃあいいじゃないですか」
時子「……」
――――
凛「……ん」パッチリ
凛「ふわぁ……よく寝た。なんか寝覚めが良い」
凛「!」
志乃「すー……すー……」
凛(志乃さん、服がはだけて胸元が……すっごいセクシー)ドキドキ
志乃「んんっ……あら……?」
凛「!!」ドキッ
志乃「おはよう」
凛「お、おはようございます……」
志乃「よく眠れた?」
凛「快眠でした」
志乃「よかったわ」
志乃「……見てたでしょ、胸」
凛「うっ……そりゃバレますよね」
志乃「触りたいの?」
凛「昨日充分触らしてもらったので。ただ、この色気を学びたいなって」
志乃「学ばれるほどかしら」
凛「とてつもないです」
志乃「クスッ、ありがとう」
凛「……」
凛(なんか私、思春期の男の子みたい)
凛(大人組は恐ろしい……)
――――
凛「朝食もしっかり食べて満腹。腹ごしらえはできた」
凛「特にあのスープが……もう1回食したい」
志乃「また機会があればね」
凛「志乃さんには感謝しかありません。ありがとうございます」
志乃「お礼は、勝負に勝ってから言いにきて」ニコッ
志乃「負けないで。プロデューサーさんの隣にいる座を勝ち取りなさい」
凛「頑張ります!」
凛「ふぅー……精神統一。大きい目を出さなきゃ」スッ
凛「フラグの神様には頼らないよ!」ポイッ
コロコロコロ
【進行状況】
山梨 長野 岐阜 静岡
凛 ○☆● ○○× ×☆○ ○○○
岐阜 静岡 愛知 三重
まゆ ×☆○ ○○○ ○×● ○○○
↓1 コンマ一桁 0は10
凛:1マス進む
【進行状況】
山梨 長野 岐阜 静岡
凛 ○☆× ●○× ×☆○ ○○○
岐阜 静岡 愛知 三重
まゆ ×☆○ ○○○ ○×● ○○○
凛「……」
志乃「あら」
凛「……」
凛「……ううっ……」プルプル
晶葉(おっとこれは、凛がまたネガティブに…)
凛「負けない!」キッ
晶葉(!!)
凛「つかさと約束したもん、最後まで諦めるなって」
凛「晶葉も励ましてくれたし、志乃さんも応援してくれてる」
凛「私負けない!」
晶葉『その調子だぞ凛!』
志乃「強い子ね」フフッ
凛「行ってきます!」
志乃「いってらっしゃい」ヒラヒラ
ビュンッ
――――
ビュンッ
凛「わっ、リンゴがたくさん生ってる」
凛「長野県だよね……?」
???「リンゴといえば青森……と言われますけど……」
???「長野県の収穫量と出荷量は……青森に次いで2位なんですよ……」
凛「文香!」
文香「こんにちは……ここに現れた、ということは」
文香「私と対峙しなければなりませんね……」
凛「うん、勝負しよう。その前に」
凛「ここってどこなの?」
文香「松井農園という……リンゴ狩りやブルーベリー狩りのできる農園です」
文香「その他、釣り堀やバーベキューも楽しむことができます……」
凛「良いところだね」
文香「はい……家族団欒で過ごせるスポットです……」
文香「……私もよく行きました。本にかじりついていることが多かったですけど……」
文香「釣り堀で初めて魚を釣った時の光景は……脳裏に焼きついています」
凛「いいよね、そういうの。思い出として残る場所って」
文香「話が逸れてしまいましたね……始めましょうか」
文香「今から行うのは……リンゴの飾り切り対決です……」
文香「全部で3回戦に別け、それぞれお題が異なります……」
文香「1回戦目はウサギ……2回戦目は木の葉……3回戦目は白鳥……」
文香「晶葉さんに、一つ一つに点数をつけていただき……2勝すれば勝者となります」
凛「木の葉? 白鳥? 聞いたことないんだけど」
文香「私も初体験です……スマホで調べるのを許可します……」
凛「それでも厳しそう。制限時間は?」
文香「ウサギが10分、木の葉が15分……」
文香「白鳥が30分です……」
凛(短いような気が)
文香「納得いくまで作ってください……」
文香「飾り切りしたリンゴは、あとでスタッフが美味しくいただくので……」
凛「スタッフって誰?」
心「まかせろ☆」サッ
あずき「リンゴ食べ放題大作戦が始まると聞いて!」ススッ
凛「長野県出身アイドルズ! いつの間に……!?」
文香「説明は以上です……用意されたエプロンを身につけて」
文香「そこのキッチンの前に立ってください……」ジャーン
凛「即席キッチンと包丁&まな板! いつの間に……!?」
――――
文香「いいですか……いきますよ……」
凛「うん」
凛(まずは切り方を調べないと)
晶葉『位置について! よーい……ドン!』
凛(なんてね! リンゴウサギは作ったことあるんだ)シャシャシャ
文香「……!」シャシャシャ
凛「!?」
凛(華麗な手捌き! まあそうだよね、文香もリンゴウサギくらいは……)
↓1 文香
↓2 凛
コンマ二桁がリンゴウサギの完成度
文香「できました……けど、納得いきません……」
文香「もう少しだけ……」シャシャシャ
凛「む、こんなに難しかったっけ」
凛「まだ時間あるし、調整していこう」シャシャシャ
麻理菜「ごめん、遅れちゃった♪」スタスタ
あずき「もう始まってますよ!」
心「どっちもなかなか上手いじゃん☆」
文香「……っ」シャシャシャ
凛「……!」シャシャシャ
――――
晶葉『そこまで!』
凛(くっ、納得いくのは出来なかったな)
文香「……」
凛(文香の、上手くできてる。やるね)
晶葉『続いて第2回戦! スマホは自由に使ってくれ!』
晶葉『よーい……ドン!!』
文香(これは調べないと分かりません……)タプタプ
凛(どんなワードを入れよう。リンゴ、飾り切り、かな)
文香(……)タプタプ
凛(……)タプタプ
文香・凛(あった……!)
凛(動画まである、これは助かるね)
文香(一通り観てから……)
文香(作ります……)シャシャシャ
凛(作る!)シャシャシャ
晶葉『調べてから作業に入るまで、ほとんど同じタイミングだ!』
麻理菜「デッドヒート!」
心「木の葉ってああやるんだ☆ 今度挑戦してみよっと☆」
↓1 文香
↓2 凛
コンマ二桁がリンゴ木の葉の完成度
文香(リンゴを4等分に切って、その内の1つを使うんですね……)サクサク
文香(タネを切り、端から中央に向けて切り込みを……あっ)
文香(失敗してしましました……難しい……)
文香「……」チラッ
凛「ふーん、こんな感じなんだ……木の葉っぽいね」
文香「!」
文香(もう手応えを掴んだようですね……すごい)
文香(私も負けていられません……)シャシャシャ
亜里沙「すみません、たった今到着して……!」スタタタッ
聖「ごめんなさい……」スタタタッ
あずき「まだ終わってないよ!」
麻理菜「ここからが見ものよ♪」
――――
文香「はぁ……はぁ……」
文香(何とか綺麗に作れました……)
文香(これなら凛さんの木の葉を上回れ…)チラッ
凛「ふーん、まあまあかな」キラキラ
文香「!!」
文香(か、輝いています……凛さんの木の葉……!)
文香(美しい仕上がりですね……これは私の負けでしょうか……)
晶葉『まだまだ終わりじゃないぞ! これが最後、3回戦目の勝負!』
晶葉『リンゴで白鳥を作るんだ! よーい……』
晶葉『ドン!!!』
凛(幸いさっきのページに白鳥の作り方も載ってる)ジー
文香(複雑ですね……よく見てしっかり覚えましょう……)ジー
聖「スマホを見て……何をしてるんですか……?」
あずき「作り方を調べてるんだよ!」
亜里沙「白鳥かー、近所の子供によく作ってあげたなぁー」
心(亜里沙ちゃん結構やり手だな☆)
凛「よし、何となく覚えた」スッ
晶葉『おっと! 凛がテーブルにスマホを置いて作業を始めたぞ!』
晶葉『もう覚えてしまったのか!?』
凛「……」ジー サクサク
亜里沙「見ながら手を動かしてますね」
麻理菜「工程をパッと見で覚えて、曖昧な箇所は調べて補完していくスタイルか」
晶葉『その一方で、文香はというと!?』
文香「……」ジー
聖「まだ見てる……」
麻理菜「大丈夫なの?」
文香「……ふぅ」
文香「覚えました」
心・あずき・麻理菜・亜里沙・聖「!?!?」
あずき「今、覚えたって……!」
文香「……」サクサク シャシャシャ
晶葉『なんと文香、スマホをしまって作業をしている!』
晶葉『覚えたというのは本当のようだ!』
聖「すごい……!」キラキラ
凛「へぇ、やるじゃん……!」
凛「でも勝つのは私! 絶対に譲らないから!」シャシャシャ
晶葉『凛もペースを上げたぁ! こっちも覚えてしまったのか!?』
心「いいじゃんいいじゃん、燃える戦い☆」
心「スウィーティーではないけど好きだぞ☆」
文香「……」テキパキ
凛「……」テキパキ
晶葉『両者、テンポよく白鳥を作っていく!』
晶葉『勝つのはどっちだぁ!?』
あずき「いけいけー!」
聖「がんばってください……!」
文香・凛「……!」シャシャシャ
↓1 文香
↓2 凛
コンマ二桁がリンゴ白鳥の完成度
――――
晶葉『しゅーーりょーー!!』
晶葉『手を止めろ! そうだ、もう手を加えるなよ!』
晶葉『これより審査に入るぞ!』
文香・凛「……」ドキドキ
晶葉『……』
晶葉『よし、決まった!』
晶葉『まずは1回戦の勝負、リンゴウサギ対決は』
晶葉『文香!!』
文香「ふぅ……」
凛「これは私も分かってたよ……綺麗だし丁寧に作られてるし」
晶葉『そして2回戦の勝負、リンゴ木の葉対決』
晶葉『凛の勝利だ!!』
文香「上手く作れたと思ったのですが……参りました……」
凛「奇跡の1個が作れたんだ。あれができてなかったら、文香に軍配が上がってた」
晶葉『ここまで1勝1敗だな! まさしく接戦と言えよう!』
晶葉『心の準備はいいか?』
凛「いつでも」
文香「はい……」
晶葉『発表するぞ! 3回戦、リンゴ白鳥対決は……』
晶葉『文香だ!』
文香「! ……ありがとうございます……」ペコリ
凛「惜しかったね。もうちょっとだったんだけど……!」クッ
晶葉『……』
心・あずき「……」
麻理菜・亜里沙・聖「……」
凛「あれ、なんか冷たい視線を感じる」
心「凛ちゃん凛ちゃん、自分の白鳥見てみ」
凛「綺麗だね」フフ
心「はいダウト! あんなに自信満々だったのに」
心「完成したのがリンゴの塊ってどういうこと!?」
麻理菜「作業中『やるな』みたいな笑顔で文香ちゃんと笑い合ってたのに」
あずき「互角の戦いしてますよー的なね」
凛「……もう誤魔化しようがないね……ごめん」
凛「実はまだ覚えきれてなくてさ。焦っちゃったんだ」
凛「文香のペースに完全に呑まれた」
文香「私も……凛さんが作業し始めたのを見て焦りました……」
文香「おかげでいびつな白鳥になってしまい……」
凛「形になってるだけすごいよ……」
文香「……とても良い勝負でした……」スッ
凛「!」
凛「うん……そうだね」ギュッ
晶葉『私も熱くなってしまったぞ! 最後はあれだったが』
晶葉『さてと、これで決着はついたから』
晶葉『みんなでリンゴパーティーといこうか!』
イエーィ! イタダキマース!
――――
ゴォォォォォ
まゆ「きゃーーー!!」
時子「……っ」
ガタンゴトン ガタンゴトン
まゆ「ふぅー、楽しかったぁ♪」
まゆ「ね、時子さん!」
時子「……」
まゆ「時子さん?」
時子「そうね……」
時子「やっぱり子供騙しだったわ」スッ
スタスタ
まゆ「ふふ」
まゆ(あんなこと言っちゃって、小さい悲鳴がまゆの耳に届きましたよ♪)
時子「まゆ、そろそろ時間よ」
まゆ「え?」
時子「サイコロを振りなさい」
まゆ「ああ、そうですね……もっと遊びたかったですけど」
時子「勝負の途中なんでしょう」
まゆ「はい……」
まゆ「……もし。もし現実で私が時子さんを遊びに誘ったら」
まゆ「オーケーしてくれるでしょうか?」
時子「その日の気分次第ね」
まゆ「オーケーしてくれる可能性はあるんですね! よかった」
まゆ「私のワガママに付き合ってもらって、ありがとうございました」ペコリ
時子「いいから早く」
まゆ「急かさなくてもいいじゃないですか」スッ
まゆ「えっと……凛ちゃんとは12マス離れてますね」
まゆ「もっともっと引き離して、余裕ゴールを決めたいですねぇ♪」
凛『そうはさせない』ブンッ
まゆ「!!」
まゆ「り、凛ちゃん? どうしてここに」
凛『晶葉に頼んで、そっちにホログラムとして映してもらってるんだよ。私自身は長野にいる』
凛『今に見ててね。猛スピードで追い上げて』
凛『そのまままゆを追い越すから』
まゆ「……」
凛『先にゴールするのは私。そして』
凛『プロデューサーの正妻になるのも私』ドンッ
まゆ「……ふふ」
まゆ「うふふっ、ふふふふ♪」
凛『何がおかしいの!?』
――――
まゆ『すみません。これを言ってしまうと……いえ』
まゆ『凛ちゃんに絶望感を与えましょう。どうしようもない絶望感を』
まゆ『私と凛ちゃんは12マスも離れてるんです。さらに、私はこれからサイコロを振って』
まゆ『もーっと引き離します』
凛「っ……!」
まゆ『さらに! 凛ちゃんは特技を全て使い終えてしまいましたよね?』
まゆ『ですが私はあと1回残してるんですよ』
まゆ『この意味が分かりますか?』
凛「……」
凛「それでも私は負けない」
凛「絶対にね!」
まゆ『うふ、さすがですね。絶望するどころか』
まゆ『闘志の炎を燃え上がらせるなんて』
まゆ『これだけは伝えておきますね。私も全力ですよ』
まゆ『全力で勝ちにいきます! どんなに引き離していても!』
――――
凛『沖縄まで残り半分の道のりも』
凛『楽しめそうだね』ニヤリ
まゆ「ですね」ニヤリ
凛『それじゃ、通信を切るよ』
凛『今度会う時は、ゴールで直接ね』
ブツン
まゆ「……」
まゆ(今ので私も燃え上がっちゃいました)
まゆ「時子さん!」
時子「!」ビクッ
まゆ「私、頑張ります! 応援していてください!」
時子「……ええ」
まゆ「よぉーし、いきますよ!」
まゆ「それっ!」ポイッ
コロコロコロ
つづく
一旦ここで終わります
続きは明日に立てる予定です
ひとまず、ここまでお付き合いありがとうございました
すみません、今日立てると言ったのですが
沖縄までのマスの設定がまだ終わっていないので、明日に立てることにします
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