【咲-saki-】京太郎「最強の遺伝子?」【安価】 (206)


赤阪「せやで~日本全国5000万人の男の遺伝子データベースを照合して選ばれたのがアンタなんや、須賀君」

京太郎「でも俺、勉強も中の下くらいだし、スポーツはそこそこ自信ありますけどトップアスリートになれるほど自惚れちゃいませんよ。容姿も自分で言うのも何ですけど及第点って感じで」

赤阪「ん~~否定はせんなぁ」

京太郎「否定して下さいよ」

赤阪「でもアンタの遺伝子が最強たる由縁はその雀力にあるんや」

京太郎「ファッ!?雀力?俺、麻雀は…」

京太郎(橋にも棒にもかからなくて、牌を握るのを辞めてもう1年になる)

赤阪「いや、間違いない。アンタは雀力に関連する遺伝子型が理論上、世界最高値を叩き出しているんや。すべての遺伝子が発現していれば、否!20%程の遺伝子の発現であったとしても、当時のインハイチャンピオン宮永照を優に上回る程の雀力を手にしていたはず」

京太郎「冗談きついっすよ、男子地区予選ですら突破できない俺が、インハイチャンピオンだなんて」

赤阪「須賀君、麻雀において男子が女子に劣る理由を知ってる~?」

京太郎「レズパワーっすか?」

赤阪「アホ!そんなのは過去の迷信や!男性だけが持つY遺伝子が雀力関連遺伝子に作用することで、男子の雀力を強力に抑制しているという説が学会では主流なんやで~」

京太郎「ほえ~じゃあ俺のY遺伝子がなくなれば、麻雀で最強になれるってことですかね」

赤阪「まあそういうことやけど、あんたの体からY遺伝子を取り除く事は現代の科学では不可能なんや~」

京太郎「じゃあ何のためにこんな話をしに来たんですか……」

赤阪「あんた自身は弱いままやけど、あんたの子が最強になる可能性を秘めているからやで」


それから赤阪さんは恐ろしい事実を語り始めた。

今から10年後、世界は雀力を持つものが支配する時代が訪れる。大麻雀時代の到来。すでに予兆はあり、各国は雀力の高い子供の確保に力を入れ始めている。
インターハイもその一環らしい。この時代に突入すると、雀力上位0.5%以下の限られた人間が麻雀貴族として世界の富の99%を保有するようになる。

そしてさらに10年後……行き過ぎた麻雀至上主義は文明の発達も促進し、麻雀貴族たちはより強い敵を求めて人工知能-AI-の進化も促進する。

そして今から約30年後……進化を極めたAIが人類を蹂躙し、機械文明にとって変わられる。

50年後……人類は動物園で展示され、「麻雀ができる珍しい動物」として保護区でのみ生存を許される存在となる。

京太郎「ゴクッ…」

赤阪「50年後の人間にとって、世界は地獄やねん。平均寿命は16歳。日々のパンを得る為に血で血を洗う闘牌の日々。5体満足で20歳を超えられる人間なんておらへん」

赤阪「ウチがその世界から逃げたのは15歳の時や~うまいことAI共から時航機をパクって……この平和な世界にやってきたっちゅう訳」

赤阪「ええ~時代やな~みんな楽しそうに麻雀打って~こんな時代が永遠に続けばなぁ~~そういう出会が何度かあった」

赤阪「それからや。ウチが研究を始めたのは。ターニングポイントは今からおよそ30年後。人類史上最強と謳われる小鍛治健夜がAIに破れ、麻雀史は塗り替えられる。その勝負は当時の最強AIと人類代表が、お互いの生存権を賭けて10半荘の激闘や」

赤阪「当時の小鍛治は還暦を迎えつつあり、すでにかつての輝きはなかった。誰もが言った。30年前の小鍛治健夜なら。40年前の無敗の小鍛治健夜なら。

人類が、あそこで滅びることはなかったろうに、と。力のピークは30歳や。それでもなお、当時の若い雀士より強かった小鍛治健夜の圧倒的な雀力を褒めるべきではあるんやけどな」

赤阪「須賀君。ウチは人類の未来をアンタの子に託したいねん。最強の遺伝子を持ちつつ、ウチのおった未来では、雀力が低いが故に出会いに恵まれず、童貞として生を全うしてしまった、アンタの最強の遺伝子を受け継ぐ子が30年後の運命の卓に衰えた小鍛治健夜の代わりに着いて、AIに勝利すると信じて…!」


京太郎「あいにく彼女もいないし……いや、もしいたとしても子供とかお金や責任の問題が……って、その話を聞くと俺、童貞のまま死ぬんっすか!?」

赤阪「ウチのいた世界線ではそうなるで」

京太郎「あんまりだ……」

赤阪「でも安心して~~ウチが卒業させたるから~~」

京太郎「ファッ!?赤阪さんで!?ですが俺、初体験は同世代がいいんですが…」

赤阪「贅沢やな~~でもええよ!ウチの政治力と雀力でとびっきりの別嬪さん用意したるから~」

京太郎(突然現れた胡散臭いおばさんにホイホイ釣れられて、この日から俺の運命は静かに回りはじめた)


赤阪「最初はチュートリアルや!安価で人類の未来を救う最強の雀士を育成していくんやで~!」

赤阪「重要なパラメーターは①相性②才能③愛情やな」

赤阪「①相性はパートナーとの遺伝的な相性のことや。これが高くないと遺伝的に麻雀に強い子は生まれにくいで!」

赤阪「②才能は麻雀センスのことやな。これはその子供別に持つ麻雀の資質の事や!どのくらい麻雀に強くなる遺伝子が発現するかにかかっているで」

赤阪「③はどれだけパートナーが子供に愛情を注いでくれるかやな。子供の環境と言っても差し支えがないで!愛のある環境で育った方が強くなりやすいけど、劣悪な環境でも稀にブーストがかかって強くなるで~ま、往々にして後者の強さは脆いんやけどな」

赤阪「というわけで、須賀君、最初の子作りの相手を選ぶんや~~とりあえず今月号のWeekly麻雀Todayに載ってる子から選ぶんやで~相手もやっぱり麻雀強い娘のほうが、強い子生まれる確率は高いと思うねん」

京太郎「じゃあ一番強い娘ってことになりますね。となると宮永照さんっすか」

赤阪「なんや~~不満あるんか~~?」

京太郎「友達の家族ってのはちと気まずいっすよぉ!それにおもちが」ゴニョゴニョ

赤阪「かぁ~~!そんな選り好みしてるから出会いがないんやで~!でも、まあ別に強い親同士から強い子が生まれるとは限らんしな。小鍛治プロの親かて素質はあったんやろけどパンピーやし~まあ色々試して相性いい娘を見つけていこうやないか」

京太郎「じゃあ最初は↓1の娘にしよっかな」

↓1 誰にしますか?


京太郎「うーん……初めての相手……」

赤阪「はよ決めて~~」フラフラ

京太郎「静かにしてください。心はもう決まってますよ」

赤阪「誰誰~?」

京太郎「引かないっすかね?」

赤阪「テキ屋のクジの1等賞~~引かないで~~」

京太郎「ほら、この……永水女子の……この娘でオナシャス」

赤阪「ほうほう。お客さんお目が高いなぁ~~ほな、セッティングまで2週間くらい待って~~」

……2週間後……

京太郎(赤阪先生からの連絡は途絶え、もう2週間目だ)

京太郎(正直、信用していなかった。未来の世界がどうのというオカルト話をされて、お金の話になったらすぐ切り上げようと思っていたから)

京太郎(でも2週間近く禁欲生活を送ってしまったのは)

京太郎(心のどこかで信じたかったんだ。人間の善意を。それをあの人は踏みにじったのだ)

京太郎「はぁ……今日は久しぶりの和で抜こっかな。噂の学祭裏休憩室サイコー!」

そんな時、電話が鳴った。知らない番号だった。胸が、ドクンと脈を打った。

赤阪「あ~~須賀く~ん、今日空けてるやろ~~これから●●駅の西口改札来て~~19時集合やで~~」

京太郎(約束の時間よりちょいと遅れたけど)

京太郎(赤阪先生いないなぁ)キョロキョロ

霞「あの~須賀、京太郎さん、ですよね?」

京太郎「え?」

~~~

霞「よかったぁ、人違いじゃなくて」

京太郎(とりあえず近くのイタメシ屋に二人で入ったけど)

京太郎(二人きりとか聞いてないっすよー!)

霞「赤阪先生から、人相と髪型しか聞いていなかったから……あっ、自己紹介まだでしたよね、石戸霞と申します」ペッコリン

京太郎「あっ、須賀京太郎っす、ども」ペコリ

京太郎(制服姿だけど、わかる…!圧倒的ボリュームッ…!和のを原爆と形容するならば、この人のはツァーリ・ボンバといっても差し支えないッ…!やべっ、見てるだけでクる…!)

霞「?」キョトン


京太郎「あー、すみません。ええっと、赤阪先生から詳しくは聞いてるんですかね」

霞「はい…」

そう言って石戸さんは顔を赤らめてうつむいてしまった。

長い沈黙で、お互い黙々と出てきたパスタを食べていた。正直、俺は幸せだった。石戸さんと二人きりで食事が出来るなんで想像もしていなかったから。

霞「ごちそうさまです」フキフキ

京太郎「ごちそうさまです。チェーンの割にうまいんですよね、ここ。アハハ」

霞「そうですね」

京太郎「なんかデザート頼みます?」

霞「お腹いっぱいですから……遠慮しておきます」

京太郎「まあ腹八分目って言いますしね」

霞「じゃあ次はどうしましょう?」

京太郎「次……」

霞「私、あまりそういう経験なくて」

京太郎「まあ俺もあまりある方ではないっすけどね」

霞「はぁ」

京太郎「とりあえず会計は俺が払っておきます」


京太郎「狭いところっすけど」

霞「おじゃまします」

京太郎(結局、ホテルの場所がわからなくてさまよった挙句、部屋に来てもらうことになった)

京太郎「あ、そこ適当に片付けて座っていいっすよ」

霞「座布団お借りしていいですか?」

京太郎「すみません、座布団なんて粋なモンないんで……」

霞「ごめんなさいっ、私、気が利かなくって」

京太郎「いや、俺の方こそ。急だったもんで…麦茶で良けりゃ出しますよ(まさかだったんでなんの準備もしてなかったぜ…!一応AVは一通り見返したけど)」

霞「いえ、いいです」キョロキョロ


石戸さんは落ち着きがなさそうにあたりを見渡している。

4畳半の一人暮らしの男の居間だ。そこそこきれい好きな自覚はあるけど、いきなりの来客に対応できるほどじゃあない。

万年床に床の周りに転がる麻雀雑誌や漫画、衣服、ビールの空き缶にいつのかわからない乾燥したおつまみのカスが転がっている。

石戸さんのことはしっかり予習していた。鹿児島の神社の名門の娘さん。おっぱいオバケ。永水女子の大将。推定I-Jカップ。おっぱいさん。おっぱいの人。おっぱいが顔をつけて歩いている女。

霞「あのっ……」

京太郎「あっ、すみません、おっぱいばかり見てて!」

霞「……」

京太郎「いや、言葉の綾で…」

霞「……見て、いいですよ」


京太郎(なんのプレイだ…)

それから30分、床に正座する制服姿の霞さんのおっぱいを、俺も正座して相対して見続けた。

喉がカラカラに乾いていた。ずっとはちきれんばかりの股間が痛かった。俺の部屋の匂いに混じって、女の石鹸のいい匂いまでこちらに届いた。脳が溶ける。

霞「……」

霞さんは顔をほんのり赤めて俺と目を合わせないよう、時々天井を仰いで、目線を切った。

京太郎「なんでこんな事OKしたんっすか?」

野暮な質問かもしれない。でも、理性が壊れる前に聞いておく必要があった。本能に任せた乱暴を働く前に、罪悪感を薄める理由が必要だったのかもしれない。

霞「人類のーーためですっ」

↓1
相性 コンマ/100



無性に煙草が吸いたくなった。

手にまだあの重量感、吸い付くような感触が残っている。

日はとっぷり暮れていた。

なれない動きで体のあちこちが痛くて、特に股間のあたりがヒリヒリ痛かった。

隣に女が背を向けて寝ている。でも俺は全く眠れなかった。

体をムクリと起こしてシャワーへ向かった。幼さない垢も洗い流したかった。

シャワーから上がると、むせ返るような匂いが部屋にこもっていることに気がついた。

「とりあえず、しばらくここでお世話になります」

布団に戻ると、霞さんがそう言った。

「仕事は?」

「引き継いできました。後輩もしっかりした娘ばっかりだから大丈夫です」

「悪いな、変なことに巻き込んじまって」

「いいえ、いいんですよ。最初は驚いて反発したりもしましたけどーー人類の未来の一部始終を知って、断れますか?」

そういう霞さんの目は決意の光が漲っていた。そして、その微笑みは慈愛に満ちていてーー


はぁ…はぁ……はぁ……あんっ……くっ……

蕩けるような吐息が耳元で聞こえる。項にかぶりついて、左手で胸を揉みしだきながら腰を回し、奥にゆっくり出し入れした。

あれから3週間近く、俺達は誰にも連絡を取らず、この4畳半の小さなアパートの一室で、営みにふけっていた。

着の身着のままで俺の部屋に来た霞さんは、着替えがなくて俺のTシャツとジャージを着て過ごしている。男物ののを着ても自己主張が激しいパイオツは驚嘆に値する。

3日に1回、外に買い出しに行って、それ以外は二人で暇さえあれば体を交わらせていた。

おっぱいで俺のを挟んでもらったり、パフパフしてもらったり、一晩中乳首をこねくり回したり、時間を使ってゆっくり出し入れしたり……

お互い、人類の未来のためという使命感で一杯だった。

恐るべきは霞さんの体だ。ハマればハマるほど逃がさない。一向に飽きが来なくて、俺を深いところに誘ってくれる。

あっ……はぁ……はぁっ……だめっ……

そう言ってギュッと締め付けられると、背筋に電気が走ったような快感がビリッと走って、反射的に吸い上げられる。

はぁ……はぁ……

繋がったまま、深い深いまどろみに沈んでいく、心地のよい多幸感。俺はずうっと昔のことを思い出していた……

霞さんがぎゅっと抱きしめてくれた。まだ言葉も介さない赤子の頃。まだ目も開かない赤子の頃。

この暖かさを覚えている。


そんな霞さんが四つん這いになって尻を出しながら、一突き毎に悲鳴を上げている。

大きな尻のくびれを掴んで、それにのしかかるようにして腰を振った。

アッ!アアッ!イヤッ…!んっ!

肉が打ち付けられる音が部屋に響く。

ああぁ~~、ああぁ~~~あぁ~~、アッ!

泣きつかれて、ハスキーになった霞さんのだらしない声。

容赦なく犯し続けると、泣きそうな顔で振り返りながら、俺の方を見つめてくる。

イクイク~の嬌声から、許してっ、許してっと体を、乳を、全身を震わせながら懇願してくる。

母性をかなぐり捨てて、いいように体を支配されて、悦んでいる。

体の相性は怖いくらい抜群だった。最後には霞さんも「京太郎さんのがイイの~!」なんてよがり声を上げていたっけ。


あれだけ濃いのを毎日注いでいたら、できるのは時間の問題であった。

生理が止まったのを確認して、一応検査してから産科に連れて行った。

妊娠が確認できてからは、お互いエッチしかしていない関係が、妙に恥ずかしくなって、一緒に映画に行ったり、霞さんの好きな寺社仏閣めぐりをしたり、恋人っぽいこともたくさんしてみた。

お腹がだんだん大きくなってくるに連れて、乳首もますます大きく太くなって、霞さんはそのことをとても気にしていた。

ベッドの中でそれをたくさんいじめてやった。

8ヶ月も超えると、お互い落ち着きも出てきて、俺も子供の事が気になってきた。

赤阪先生から連絡があったのは、霞さんが臨月を迎えて、鹿児島の実家に帰ったあとだ。

万全を期すために、実家の近くで産みたいという希望はかねてから強かった。こういう経緯があって、家を実質勘当されていた霞さんだったけれども、神代小蒔が骨を折って色々調停したらしい。

俺としても、そのほうが安心できる。予定日1週間前には鹿児島市内のホテルの予約を取っていた。


赤阪「まずはご苦労さん~~」

京太郎「先生、その節は色々ご面倒をおかけしました」

赤阪「久しぶりにあったら随分男前になってるや~ん、いくのんも惚れてまうやろ~~」フラフラ

京太郎「で、今日は何用で?」

赤阪「まあこれからのことを話さなあかんと思ってな」

赤阪「とりあえず産まれて女の子だったらウチに視せて~才能測っとくで~」

赤阪「才能十分やったら、遺伝的な相性がかなりええし、育ててみようや」

赤阪「全部90overくらいで全盛期すこやんくらいには育つやろから~そうなりゃとりあえず人類の未来をその娘に託す、っちゅう話になるなぁ~もちろんバックアップがあるに望ましいことはないんやろけど~」

京太郎「まあ、気長な話になりますね。なにせ30年後だ」

赤阪「せやなぁ。ま、楽しみやなぁ、ええ女の子産んでもらえるよう、ウチ、明日はお宮参り行ってくるで~~あと、出産お祝い何がええかな~?やっぱベビー服はセンスあるやろ~~?うーん、やっぱお金がいい?」

京太郎「先生のプレゼントならなんでも嬉しいっすよ」

赤阪「金がええんやろ~?ん~?正直になり~~」

京太郎「ハハッ、まあ霞さんと赤ん坊のために一生懸命働いてるんっすけどね、お金稼ぐのって大変だなー」

赤阪「石戸家なんて鹿児島じゃ神代と島津に次ぐ大名家やないか~何謙遜してんねん~」

京太郎「決めたんっすよ、親の力に頼らないで二人で育てようって。だから先生、お金はいらないです。」

赤阪「ご立派~~でも、資質十分やったら環境整えるためにウチ、カカア質屋に入れてでも金用意したるよ~、ほな須賀くん。人類の未来に」

京太郎「乾杯」


霞さんが分娩室に行ったあと、俺は廊下でいろいろなことを考えていた。

人類の未来のため、と胡散臭い話を持ってきた赤阪先生との出会い。

そして、霞さんとの出会い。一緒に過ごした日々。甘くて、幸せな日々。

赤阪「緊張しとるんか~」

京太郎「まあ、そりゃ」

赤阪「遺伝的相性抜群やし、期待大や~~普通ならウチが一緒に待つことなんてありえへん~~」

京太郎「ひと目見たらどっか行ってくださいよ。家族水入らずで過ごしたいんですから」

赤阪「モチのロン~才能80以上だったらすぐに動いて環境整えなあかんし~」フラフラ

おぎゃあぁ、おぎゃあぁ!

産まれたぁ!

赤阪先生の目が真剣になった。緊張の瞬間だ。

扉が開いて、中にどうぞと、声がかかった。流石に赤阪先生は中にまでは入って来ない。

霞「あなた……抱いてやって」

京太郎「ああ」

命の重み。驚くほど、重い。手足をつっぱらせながら、動いている。もがいている。俺と霞さんの運命にあがらうように藻掻いている!

「おめでとうございます、須賀さん!元気な↓1ですよ!」

↓1
コンマ
偶数:男の子
奇数:女の子


おぎゃあ!おぎゃああ!!

霞「ほら、目元とか、あなたそっくり」

京太郎「あ、ああ」

京太郎「流石に元気だなー、男の子は」

助産師「それじゃあお父さんは先に病室で待っててくださいね、これから戻りますから」

霞「……よしよし」

霞さんは胸に赤ん坊を抱いていた。産まれたときからあの胸にしゃぶりつけるとは果報者だ。

廊下に出ると、赤阪先生はすでにいなかった。


病室でも極力俺は明るく、何も気にしていない風に振る舞った。

俺の遠い祖先の時代には日本では男の子が重宝されて、女の子は蔑ろにされていたという風俗を聞いたことがある。

なんて前時代的で、全く今の女尊男卑の時代に比べると素晴らしい時代なんだと半ば関心もしたけれど

俺はこの子を蔑ろにする気なんて何もない。

でも、俺と霞さんの繋がりは

人類の未来を託す子を作る、その一点にあったのであり

霞さんは微笑みながら、こいつに乳を与えていたけれども

霞さんの家族が誰一人、見舞いに来ない

霞さんの友達も誰一人、見舞いに来ない

そういう現実を見ると、意識せざるを得ない訳で


俺も、内心、子育てに関しては赤阪先生や石戸家の見えない形での援助を当てにしていた面があって

こうなってしまうと、バツが悪かった。

産後1週間で問題無しとして退院となって、俺と霞さんと赤ん坊は新幹線で逃げるように鹿児島をあとにした。

車内で泣き叫ぶ赤ん坊を、霞さんはおっとりなだめていた。

赤ん坊も察しているのかもしれない。俺のこの、言いようのない不安を。

心無い乗客が大声で俺たちを叱り飛ばして、俺と霞さんは席を立って車両と車両の間の、静かなスペースで、赤ん坊をなだめた。

産後間もない霞さんに立たせっぱなしは難儀なんで、俺が赤ん坊の子守を引き受けて、霞さんには席に戻ってもらった。

これでもか、というくらいに俺の息子は泣いていた。運命のいたずらで、ちょっとさいの目がずれたら、今頃はみんなに祝福されて、人類の希望になっていたかもしれないのに!

月収10万円の雀荘のアルバイトくらいしか仕事の宛がない俺。

今にして思う。正直、この若さで、子供と妻1人を背負いきれる自信なんてない。

かっこをつけて出産費用も貯金を崩して工面した。産まれる前のタイミングなら、赤阪先生に頼めばいくらでも出してくれそうな空気だったのに、何バカなことしちまったんだと後悔した。

結局、何も見えていなかったのだ。


4畳半の部屋に戻ってしばらく三人で過ごした。

夜は赤ん坊の夜泣き。2時間毎に乳を与えないと、俺の息子は満足しないらしい。

かと思えば、昼間に熱を出してぐったりして、俺は病院に連れていくも、休日だからとか、俺の成りを見て足元でも見てるのか、5-6件くらい断られて、やっと受けてくれた病院でも3時間待ちの末、診察を受けられて、熱冷ましだけもらって帰宅。さすがの霞さんも怒っていた。でも、怒ったって仕方ない。苦情を言ったって、何も届かない。

その日はぐったり疲れて、眠るんだけれども、また夜泣きが始まって、叩き起こされる。

そんな慌ただしい日々が2週間くらい続いて、若い二人はすっかり参っちまった。

霞さんが、突然大声を上げて、赤ん坊を黙らせようと体を揺さぶってる姿を見て、俺の中の霞さんの像がガラガラガシャーンと音を立てて崩れてしまった。

流石にこのままじゃまずい。でも頼れるのは、一人しかいなかった。俺も親に勘当された身だ。


赤阪「うーん、いくのん未来人やしママ経験もないからそういう相談されても~~」

赤阪「とりあえずどっちかの両親の力借りるってのは~?石戸さんのとこはああいう経緯もあったから厳しいかもやけど~~須賀くんの家はどうなんやろ~?」

赤阪「厳しい?そっかぁ~~なら予後不良やな~~」

赤阪「あ、なんでもあらへん~~忘れて~~」

赤阪「お金貸してほしい?」

赤阪「あ、いや、土下座はせんといて~~」

赤阪「土下座しても足舐めても返す当てあらへんと貸せへんなあ~~今時肝臓なんてiPS細胞のせいで担保にもならへんし~~」

赤阪「それにウチから金借りる前に消費者金融とかあるやん、あっちのほうが良心的~~」

赤阪「あと霞さんならいくらでもお仕事あるやろ~~夜のお仕事~~若いんやし~~甘ったれるな~~」

赤阪「まあ育てるのどうしてもきついってんなら引き取り手はたくさんあるけどぉ~~赤ちゃん人気やねん」

赤阪「え?どんなところか?ああ、教えたら多分断られるから言わなーい」

赤阪「流れたと思って割り切れるなら連絡頂戴~~その時はすぐ引き取るから~~ウチと須賀くんの誼や~~お値段も弾みまっせ~~」



霞「ごめんなさい…あなた、さっきは取り乱しちゃって」

京太郎「いや……あいつも疲れて寝ちまってるな」

霞「ねえ、どうだった?あなたのお父さん、お母さん」

京太郎「悪い、俺もかなり不義理重ねてるせいで……そういう会話どころか、人としての会話も難しいくらいに関係が」

霞「そう…」

京太郎「霞さんも働く?神社の仕事とかあるでしょ、こっちにも」

霞「私が働いている間誰がこの子の面倒見るのかしら…」

京太郎「ふー……何がズレちまったんだろうな」

霞「同じ、私達の、子、なのにねぇ、よしよし、よしよし」

京太郎「俺の親父もお袋も、俺を見てこんな気分だったんだろうか」

霞「……それで絶縁?」

京太郎「ま、そんなところさ。今時才能もない野郎が夢を追っかけていつまでも麻雀打ってりゃ勘当もされらぁ」

霞「あなた、どうしよっか。私、疲れちゃった」

京太郎「……」

↓1
①「実家、帰れよ。俺と別れれば受け入れてくれるんだろ」
②「やっぱり赤阪先生に頼んでみるか」
③「この子のためにも二人で一生懸命頑張ろうぜ」

Bad Endが含まれています


霞さんとあいつが鹿児島に帰って1ヶ月。

部屋はガランとしたままで、主を失ったベビィベッドの柵にホコリが溜まって来た。

俺はぼんやり、あいつの顔を思い出した。

今頃、元気にやってるんだろうか。

ふとした拍子に、霞さんとの甘くて濃厚な日々を思い出す。

あんな上物の女を抱けるなんて、まるで夢見たいな話さ。

浮き草の俺にとっては、あの日々はもう遠い過去。

霞さんが巫女に戻るときの制約。二度と男の体に触れない。男に体を触らせない。破ったら即死の枷を背負って、今は神境の最深部で修行をし直していると風のうわさで聞いた。

俺と霞さんの子供は、薄墨家に引き取られて、薄墨の養子としてこちらも生涯悪石島を出ないという枷を背負って育てられるとのこと。

多分、俺が二人に会うことは二度とない。

でも、悪くはないと思うんだ。あいつが、麻雀だとか人類の未来だとか、そういうドロドロした俗世と離れて、南の島で健やかに育ってくれるのであれば。

これ以上の条件は叶うはずもない。

赤阪「これも一種のハッピーエンドやなぁ」

京太郎「鍵、開けっ放しでしたか」

赤阪「おじゃま~~前はつっけんどんにしてごめ~~ん、いくのん謝りに来たねん」

京太郎「赤阪先生には世話になりました。結局、鹿児島の頭の固い連中に上の条件飲ませたのもあなたの力なんでしょ?」

赤阪「ん~?そんな力あらへんよ~~」

京太郎「最悪、俺とあの赤ん坊は呪詛殺しで、霞さんは人身御供だった。それを救ってくれて感謝しています」

赤阪「でもまだ須賀くん、人類は救われてないねん。せっかくの大チャンスを不意にしてしまったんやから、次こそは頑張って救世主を仕込んでや~!」

京太郎「……」

赤阪「ほら、カタログ。今月号のweekly麻雀todayから好きな娘選んで~」

↓1 誰にしますか?

京太郎「はぁ……霞さんと比べるとどいつもこいつも貧相でちんちくりんにしか見えねぇ」

赤阪「まあそう言わんといてーな、この子とかかわええやろ~」

京太郎「そうっすか?霞さんに比べたらガキ臭いっていうか」

赤阪「案外引きずるタイプやね~」

京太郎「じゃあ赤阪先生のおすすめ教えて下さいよ、そいつでいいっすよ」

赤阪「ふんふむ」

赤阪「ウチのオススメは~~せやなぁ~~愛宕のおね~ちゃんとかどうやろ?」

赤阪「傷心の須賀君の心を癒やしてくれるかもやで~」

京太郎「須賀京太郎と申します」ペッコリン

洋榎「愛宕洋榎と申します、よろしゅう」ペッコリン

赤阪「ほなあとは若いお二人で~」ヒラヒラ

赤阪先生の引き合わせで、俺は愛宕さんと渋々会うことにした。

まるでお見合いのようで、俺はスーツ、向こうは着物という出で立ち。

京太郎「はぁ……本日はお日柄もよく……こんな日にご高名な愛宕先生とお引き合わせいただけるとは、いや、この須賀、観心の至に御座いますで候」

洋榎「なんやあんた頭大丈夫か?」

京太郎「ふえ?」

洋榎「ウチもオカンがうるさいからこんな着物コテコテにされてさっきから暑くてたまらんわ、なァ!」

洋榎「所詮名門愛宕とのたまって格式張っとるけど、中身はこんなもんや。あんたも所詮、赤阪のバアサンに引き立てられただけの野良犬やろ?あのバアサン相変わらず元気にやっとるみたいやな」

京太郎「赤阪先生とはお知り合いで?」

洋榎「おお、学生の頃ちっと、な」


京太郎「というと、名門姫松女子」

洋榎「関西でエラ張ってるだけの二流校や。名門扱いやめてーな」

京太郎「赤阪先生って昔からあんな感じだったんですか?」

洋榎「おお、昔は善野さん、あ、赤阪の前の監督やな、に毒を盛っただの、恭子、ウチの同期な、を改造しているだの、黒い噂が絶えなかったんやで」

洋榎「まあノンキャリアで姫松女子の監督になるくらいやから政治力は相当なもんやろうけど、いかんせん雀力がなぁ」

京太郎「あの人麻雀弱いんですか?」

洋榎「教え方が適当すぎるねんって、部員の指導は全部恭子の仕事で、あの監督は外部から強いプロ引っ張ってくるとかはするけど、指導は完全に放棄!というかインハイ前にプロの指導受けさせるとかかなりグレーなことも平気でやりよる」

京太郎「未来人らしいっすよ、赤阪さん。だから倫理観ずれてるんじゃあないっすかね」

洋榎「未来人?あのバアサンが?カッカッカ、傑作やなぁ。恭子には麻雀星人って言ってたらしいで。未来人であの服装センスはないやろ~」

この時、人を取って食ったような面白い顔の笑い方に俺は黙りこくってしまった。


女は自分でお猪口に酒を継いで呷った。

洋榎「未来人だか麻雀星人なんだか知らんが、あのバアサンがウチのオカンより麻雀が強かった、それは事実や」

京太郎「……」

洋榎「抱いてええよ、須賀。そういうキメやから。名門愛宕が一度吐いた唾は何があっても飲めんのや」

京太郎(この時の愛宕さんは無理して強がっているように見えた。抑えきれない感情、やり場のない想いを全て噛み殺して、初対面の素性のしれない男に身を捧げる結果になった、そこに至るまでの彼女に一体どんな勝負があって、どんな葛藤があったのかは俺の預かり知るところではない)

京太郎(ただ、結果として)

洋榎「……お願い申します、旦那様。不束者ですが、よろしゅうお頼み申し上げます」ペッコリン

京太郎(愛宕洋榎は三つ指をついて俺の子種を欲しがっている。それが結果なんだ)

↓1
相性 コンマ/100

洋榎「アッ、痛ッ」

京太郎「あれ、洋榎さん初めてですか?」

洋榎「せやから優しくしてゆーたやん」

京太郎「優しくして……なんて押すなよ、絶対押すなよ!と本質は同じだと思っていました」

洋榎「アホ」

京太郎「じゃあもうちょっと前戯しますぅ?」

洋榎「いや、ええよもう…」

京太郎「じゃあ少しの辛抱で。天井のシミ数えているうちに終わらせますから」

ムードも何もあったものじゃない。正直霞さんに慣れた後に洋榎さんで満足しろってのは酷な話だ。

例えるならば、メルセデス・ベンツに乗った後に軽トラに乗るような居心地の悪さ。

軽トラだって捨てたもんじゃないけど、どうしても比べてしまうと、そりゃ乗り心地は全然違う。

まず膣内の滑りが全然違う。まあそれは慣れてくものだから仕方ないにしても、目の前の慎ましやかな双丘を見て、揉んでしゃぶって見てもどうしても違うのだ。

洋榎「あっ、クッ」

京太郎「はぁ~」ヘコヘコ

洋榎「あっ、うっ」ギュッ

喘ぎ方も、痛みに堪えるようで、色っぽさがまるでない。

京太郎「うぅっ、そろそろ一発行きますよ」ヘコヘコ

洋榎「あ?あ、ああ…」

京太郎「うぅ~~」

どぷっどぷどぷっドぴゅっ

洋榎「……ッ!」ギューッ

京太郎「あぁ~抜きます、はぁ、はぁ」

洋榎「あっ…これで終わり…」

京太郎「ティッシュで適当に拭いておいてください、先、シャワー浴びますね」

洋榎「あ、ああ…」

京太郎「とりあえずこれ毎日してたら出来ると思うんで、よろしくお願いします」


最初はどうも事務的なセックスだった。それから生理期間は空けて、愛宕さんから危険日前に連絡をもらって前後3日間交渉を持つ。その繰り返し。

そうして4ヶ月近く、当たらずに大阪参りを続けていると、自然に情も移ってくる。

洋榎「京太郎明日もう帰るん?」

京太郎「一応明日朝一でチケット取ってるんですけど」

洋榎「明日ウチ休みやしー、暇なら一緒に街でもどうや?と思ったんやけど」

京太郎「そういうことなら行きますよー!洋榎さんの行きつけの店旨いからなぁ」

洋榎さんとは、一緒に飯食ってる方が楽しい。そういう関係だった。

京太郎「今日は飲みに行きません?」

洋榎「でも、あんまり酒は良くないって」ブツブツ

京太郎「あんまり頑張りすぎるのも良くないっすよ。こればっかりは天からの授かりものなんだから」

洋榎「最近、家から色々言われて煩いねん。はよ子供作れやら、石女やら、妹の方が良かったやら言われてなあ、さすがのウチも心にクるねん」

洋榎「なあ京太郎……一生懸命、やるから、今日はお願い……」

その晩、洋榎さんは精一杯体を使って俺に奉仕してきた。

そりゃ霞さんは乗り心地抜群の高級外車だ。それに比べると、乗り心地は悪いけれども、居心地のいい大阪娘も悪くない。その晩は、随分ハッスルして3発も中に出したあとで、昼過ぎまで一緒にホテルで寝ていた。


それからしばらくして、あのときのが良かったのか知らないけど、洋榎さんから無事、妊娠したとの報告を電話で受けた。

また今度大阪行きますよ、そう約束して電話を切ったけど。

未だに大阪行きは叶っていない。

半ば、今回のはビジネスだった。孕ませるまでが俺の仕事。孕んだら後は好きにしてくれるだろう。

そのほうが、気楽で良かった。前みたいな苦痛を味あわなくて済むのなら。

それから数ヶ月後、洋榎さんの事もすっかり頭の片隅に追いやられていたある日の夜、久しぶりに洋榎さんから電話があった。

洋榎「久しゅう」

京太郎「どうですか、具合は」

洋榎「昨日、生まれてなあ、一応父親のアンタにはウチから報告しようと思って。元気な↓1の子やったで」

↓1 コンマ
偶数:男
奇数:女


京太郎「男の子、ですか」ズキン

洋榎「アカンかなぁ、ウチからしたら男女なんてチンチンついてるかどうかの違いしかあらへんのやけど」

洋榎「親戚共はみな露骨にガッカリしてなぁ」

洋榎「でも、オトンもオカンも初孫や言うて大喜びやってん」

洋榎「絹も自分がおばはんになる言うて落ち込んでたけど、いざ産まれるとウチから奪い取ろうって勢いでなあ、赤ん坊あやして…」

洋榎「そうそう、赤阪センセも会いに来てくれたで。遺伝的相性がどうの言うて、もとより期待してなかったんやな。そうなりゃ、昔の教え子の大事な子供や、毒気もなにもあらへん、普通の近所のおばはんや」

洋榎「……まあ、今は無理かもしれへんけど、少し時間できたら連絡」

ブチッ ツー ツー ツー

俺は、この時、洋榎さんの幸せそうな顔が浮かんで

無性に腹が立って電話を切ってしまった。

もう会う事もないだろう。

これ以上、彼女を幸せにする理由も、俺には見当たらないのだから。


赤阪「須賀君、洋榎ちゃんの相手ど~お~~赤ちゃんま~~だ~~」

京太郎「頑張ってるんですけどねえ、中々付かなくて……これってやっぱ相性っすかね」

赤阪「うーん、遺伝的な相性と体の相性も相関しているんかね~」

京太郎「洋榎さん話したりしてると案外おもしろいんですけどね。正直、抱いているときより一緒にテレビ見てるときのほうが楽しいっすね」

赤阪「コラコラコラ~~!もっと子作り頑張り~~!人類の未来がかかってんねんで」

京太郎「はあ、でもイマイチやる気が起きないんですよねー」

赤阪「ウチの教え子の中で一番麻雀できる娘勧めたのにえらい扱い悪いやん。泣かせたらシバクで~~」

京太郎「そんなぁ」

赤阪「そうそう、前の石戸ショックのときに学んだんやけど~一人に集中しすぎると、アンタも精神的にダメージが大きいと思うねん、うん」

赤阪「駄目だったとき、絶望するやろ…また1からやり直しかいなって」

赤阪「せやから、同時並行で進めてくのがええと思うねん」

赤阪「よって、いくのんの二股大作戦や~!」

京太郎「ええっ!?先生、本気ですか!?」

赤阪「ここだけの話、洋榎ちゃんは駄目やと思うねん。せやからリスクヘッジの意味もありや~~」

赤阪「ほな次は↓1の娘いったるか?」

↓1誰にしますか?

続きは明日書きます


>>31で他選んでたらどうなったん?

>>66
②だと赤阪先生から霞さんの体を担保に1000万円借金して子育てしながら2人目を仕込むルートを予定していました
2人目も男の子だったらBAD ENDでした
③がBADで、2人とも疲れて育児放棄ENDの予定でした

うーん…②で女の子じゃない可能性を考えると今のがベストなのか?
あとBAD ENDになったらこのスレは終了?最初からやり直しはない?

>>68
満足いくBAD ENDなら終了ですね
どの時点まで遡って書き直すかはその時の気分かも
多分そんなに長いスレにはならないと思うので

京太郎「雪、降ってきたな」

吉野の山奥の鄙びた温泉を俺が訪れたのは12月も暮れだった。

京太郎「松実館……ここかぁ」

タクシーで山路を往くも、かねてからの大雪で道が埋まり、およそ20分の雪中行を余儀なくされた。

京太郎「おじゃましますー、連絡していた須賀ですけども」

年季が入ってガタついた戸を空けると、温かい空気が館内にこもっていた。

受付に人はおらず、入り口は薄暗かった。

「あっ、はーい」トテトテ

奥から女将さんと思われる声が聞こえた。

宥「お待ちしておりました、さあさあこちらに~」

雪で濡れたコートを受取り、女将さんはストーブの近くに干してくれた。

第一印象は、温かい人だな、と思った。人柄が、所作ににじみ出ていた。

館内は温かいけれども、人の気配はない。


奥の応接室に通されたあと、しばらくすると女将さんが戻ってきて温かいお茶を出した。

宥「お茶請けのこれは桜ようかんで…時期外れですけど、吉野の名物なんですよ~~」

京太郎「ん、甘じょっぱくて美味しい」モグッ

外はまだ雪がしんしんと降っていた。

京太郎「いい旅館ですね。なんというか、懐かしい日本を感じます」

京太郎「時間の流れもゆっくりで、なんというか、素敵な旅館です。いつもはこの時期は予約なんて取れないでしょ?」

宥「ありがとうございます~私が子供の頃は、たくさんお客さん来てましたけど~最近はめっきり」

京太郎「どうして?」

宥「リニアができてからお客さん、吉野山に寄らなくなって。随分と過疎も進んじゃって」

宥「私が学生の頃は、子供麻雀倶楽部の子たちが毎日放課後、ウチの雀卓で遊んでたんですけどね~」

宥「地元じゃ仕事もないもんで、昔の友だちもみーんな吉野離れましたね~」

京太郎「あなたはどうして地元に残ったんですか?若女将としてその年で旅館切り盛りする才覚もあれば、都会に出ても上手くやってけるでしょうに」

宥「ここは……お母さんと、私達家族の最後の繋がりなんです」

そう言うと宥さんは、額に飾られた一枚の写真を一瞥した。小さな女の子が二人。一人は、まだ幼い頃の宥さんだった。

京太郎「でも、東京にいる妹さんへの仕送りだとか、色々大変でしょうに」

宥さんは何も答えなかった。


地域の過疎化と、交通形態の変化に伴い客足が遠のき、レジャーも多様化した今日。

個人経営の小さな旅館が時代に取り残され、ゆっくりと消えていくのは当たり前の光景となった。

ここ、松実館も、数年前から赤字経営が続き、半年前から従業員の給料も払えなくなり、先日から実質休館を余儀なくされていた。

松実宥さんは一人、資金繰りをしながら閉館に向けての準備を進めていたと聞いている。

想いがあっても現実は変えられない。

きっとここは彼女と、家族の言葉にできないたくさんの思い出が詰まった場所。それを自らの手で閉じてしまう、彼女の心中や察するに余りある。

京太郎「本当にもったいない。こんないい旅館が、消えてしまうなんて。日本の文化の損失だ、と先生も言っていました」

松実館が抱える、数億円規模の借金。資金がショートして、返済期限は刻一刻と迫っていた。当然、この建物や土地もすべて抵当に入っている。それらを整理しても、彼女に残るのは数千万円の借金と聞いた。

その中には、闇金まがいの金融機関も含まれている。

堅実な宥さんがそんなところからお金を借りるはずもなかったのだけれども、従業員への給与を払うために止むにやまれず手を出したらしい。

若くて美人な宥さんには、返す宛がある。


宥「須賀様。改めてお礼致します。この度のご支援、誠にありがとうございます」ペッコリン

宥さんが指を突いて頭を下げた。

京太郎「まあ、まあ頭上げてください。これからは対等なビジネス・パートナーなんですから」

そんな松美館の状況は、先日一変したのだ。それまで歯牙にもかけなかった大手メガバンクが巨額の融資を申し出た。それもほぼ0%に近い法外な低金利での申し出で、すべての借金を返済した上で、経営再建の目処がたった。

松実館は年明けの再開を予定している。更にマスコミがこぞって田舎の秘湯の魅力を発信し始め、経営再開後すぐに有名俳優を起用した全国ネットの温泉番組でのPRの予定も組まれている。

陰に陽に赤阪先生の働きかけがあったのは明白だ。

京太郎「なんだかんだ、この旅館が持つ魅力があってこそ、ですよ。今後もウチは強力にバックアップさせてもらいますから、松実さんも頑張って下さいね。それじゃあ仕事の話はここらで終わりにして」

京太郎「ご飯の前に風呂、入ろうかな」

休業中だが、特別に旅館を開けてもらい、俺は貸し切りの松実館を堪能する予定だ。


外が寒いせいで、湯けむりが強く立ち込めていた。

一人で入るには贅沢な温泉だ。

そして、素晴らしい温泉でもあった。確かに利害関係抜きで考えると、この温泉を潰してしまうのは日本の文化の損失かも知れない。

歴史ある吉野の名湯につかりながら、ぼんやりとそんなことを思っていた。

カラカラ……

扉がゆっくり開いた。

湯けむりの向こう側に、人影が映る。和服姿でも隠しようがない、体の曲線は、影になって一層強調されていた。

「お背中、お流しします」

寡黙で控えめな女将が、赤字の温泉旅館を守ることにかけた想いは決して語られる事はないのだろう。

どれだけ必死に頑張っても、潰れることが決まった未来。自分の将来を担保にそれまで世話になった従業員達への給与を払った後、一人でこの旅館の最後を看取ろうと心に決めていた矢先、垂らされた蜘蛛の糸。

ある一点を除けば破格の条件だった。

赤阪先生は、それを彼女に呑ませた。

↓1
相性 コンマ/100


曇った鏡の向こう側に、宥さんの体が映った。

肌は雪のように白く、髪は濡れてしまわないよう、頭の上で束ねていた。

シャワーのお湯を静かに出して、宥さんは湯加減を確認して俺の体に流した。

それからボディーソープの泡を立てて、俺の背中を優しく擦った。

宥「痒いところは、ありませんか?」

京太郎「続けて」

鏡越しに、宥さんのおもちが自己主張するように揺れていた。

宥「失礼します」

背中を洗い終わったあと、宥さんは俺の全身に取り掛かった。

膝をつき、背中腰に洗うので、ふとした瞬間に、俺の背中に宥さんの柔らかいところが触れる。

宥「……っ、手で失礼します」

最後に彼女は俺の固くなったところを泡まみれの手で触れた。

京太郎「どうぞ」

長い時間をかけて、宥さんは丁寧に、俺の股を手で洗った。

気がついたら背中にピッタリと密着しながら、片手でタマの裏をさすりながら、固くなった陰茎を、操縦桿のように握って擦り上げてきた。

耳元で、宥さんの息遣いが聞こえる。

泡のせいで彼女の、冷たい手がぬるぬる滑っていた。

それに合わせて、体も静かに上下させて、背中に温かい刺激を与えてきた。宥さんは自分の武器を知っている。

宥「痒いところはっ、ありませんか?」

今度は耳元でそう聞いてきた。


宥さんを正面に動かし、そのまま咥えて貰った。

石鹸まみれのソレは苦いだろうに、顔色変えず頬張り、ゆっくりと口全体を使って刺激を与えてくる。

宥さんは四つん這いで奉仕する。俺の正面の鏡に、彼女の後ろの2つ穴がはっきりと見えた。

そして舌を使い、緩急つけて竿を扱きながら、大きな尻を突き上げて左右に振っていた。

天性の才能か、それともよほど俺との相性がいいのか。でも、女手一つでこの旅館を守ってきた彼女が今までもお金のために、こういう寝技も使ってきたのではないか、という下卑た妄想の一つでもせざるを得ないほど、宥さんの舌使いは抜群だった。

そして、程なくして俺は宥さんの口から竿を抜いた。すっかり上気した顔で、俺の上目遣いで見てきた。手招きすると、頷いて、顔を俺の股ぐらから離し、立ち上がった。

大きい。おもちもさることながら、くびれた腰の下の、安産型のヒップも迫力満点だった。

宥「それでは、失礼します」

泡で濡れた宥さんの秘所にそれはすんなりと入った。


温泉のあと、吉野の地元の名品を使った宥ねぇの手料理に舌鼓を打ち、女将にお酌させ、ほろ酔い気分で布団に入った。

京太郎「あぁ~~あったか~~い」

宥「あっ……やぁ……」ピクッ

京太郎「ヌトヌトキュウキュウと締めて……最高やな~女将の中」

宥「ううぅ~言わないでぇ~~」

京太郎「ほらほら、どこがいいんだ?言ってみぃ?」パンパン

宥「あっ、あぁ~~!あっ、あっ、ソコッ、気持ちいっ!」

京太郎「ふぅ、ふぅ」パンパン

宥「あっああっ、ああんっ!あんっ!あんっ!」

京太郎「そろそろ出すぞ!」パンパンパン

宥「来てぇ!奥に来てぇ!」ギュウゥ~~

京太郎(ガッチリしがみついて……やべっ、中、うねってるっ!)

京太郎「うっ!」どぴゅるるる

宥「あぁ……あっ……たくさん……お腹に……」ポケー




宥さんは俺に最高のサービスをすると約束した。

宥さんが、赤阪先生とした契約は、1年以内に俺の子供を孕んで、女の子を産むことだと聞いている。

不履行時は松実館は人の手に渡り、宥さんは莫大な違約金を払わされるらしい。

当然、宥さんにそんな蓄財ない訳で……


一滴でも多く搾り取ろうと宥さんは健気に体を使って必死に奉仕してくれる。

営業が再開したあとも、俺は足繁く松実館に通った。俺が泊まると、宥さんは何を差し置いても俺の接待をしてくれる。

何度も何度も、彼女の思い出の詰まった旅館で、彼女を抱いた。

京太郎「妹いるんでしょ、宥さんに似て可愛いんだろうな~」

布団の中でそんな話をしてみたら、宥さんは微笑むだけで何も答えなかった。

他の話はどんなことでも相槌を打って、ノッてくれる彼女も、家族の話だけは俺としない。

これは仕事だから。家族のことは違う。そういう一線がようやく見えて来た頃だった。


宥さんから妊娠した、という報告を受けた。

京太郎「仕事、どうするんっすか?」

宥「大事にしたいから、できれば休みたいけど、せっかく最近はお客さんも増えてきて、黒字になってきたのに、今休むなんて」

宥さんの顔に戸惑いが見えた。

京太郎「……俺、手伝いますよ、宥さんの仕事!」

宥「えっ……そんな……悪いよ…」

京太郎「今、厨房の料理出しとか、庭掃除とか、布団敷まで宥さんが手伝っているでしょ?そういう仕事、全部俺がやります!宥さんは、女将しかできない仕事だけしばらくやってくれればいいですから。それも大変なら、赤阪先生に頼んで、あの人にも手伝ってもらいましょ!営業とか交渉とか、そういう雑用なら赤阪先生に任せときゃいいんですよ!」

宥「京太郎さん…」

京太郎「こう見えても俺、若い頃は雑用係として鳴らしてたんですよ~これマジです、清澄高校で雑用した経験がありゃ、たいていの職場でやってけるって有名な話ですよ」

宥「でも……」

京太郎「宥さん、もっと俺に甘えてくださいよ。赤ン坊できたなら、俺とあんたはもう他人じゃないんですから。家族……なんですから」

宥さんは目を真っ赤にしてうつむいたまま、固まってしまった。


それが口説き文句で、その日から俺と宥さんの関係は変わっていった。

俺は職場の人たちに若旦那なんて囃し立てられながら、風呂掃除や布団敷きなどの雑用を徹底的に仕込まれ、1ヶ月後には松実館の大方の雑用をこなせるまでに成長した。

どうやら麻雀のセンスはなかったが、雑用に関しては一端のものらしい。スタッフの信頼も少しずつ手に入れはじめた。女将の仕事を手伝う場面も増え、宥さんの休みの時間も増えた。

宥「京太郎くーん、お茶入ったよ~~こたつで休憩にしよ~~」

京太郎「宥さん、もう初夏ですよ、こたつはいくらなんでも」

宥「暖かいの赤ちゃんにいいんだよ~~」ヌクヌク

お腹が出てくると、女将として客の前に立つことは難しくなり、宥さんは裏方として松実館を支えていた。

赤阪「いらっしゃいまし~~松実館へようこそおいでやす~~」

赤阪「あらま、北は北海道からはるばるおおきに~~あら、こちらの団体さんは中国から!イースーチーリャンウーパー!ニーハオ謝謝」

無理を言って女将代理はこの親戚のおばさんにしてもらいながら、俺達はゆっくり、愛を育んだ。


……夏が過ぎ、吉野の紅葉も静かに枯れ始めた頃。

宥さんは病院に早めに入院した。なんでも、安心して産みたいから、とのこと。

赤阪「そらせっかくここまで来て万が一ってことありゃパーや、パー!全部ご破産やし慎重になるやろ~」

京太郎「今はもう、宥さんにとって、その子の価値は松実館と同じくらいだと聞いていますけど」

赤阪「それにしても遺伝相性78はなかなか期待出来るな~~正直チャンスあると思うねん~~だからいくのん病院まで来ちゃった~~」

京太郎「縁起悪いから帰って女将の仕事でもしててくれませんかね」

赤阪「若旦那はつれないな~~それにしてもはよ産まれんかな~~もう分娩室行って半日経つけど」

京太郎「大丈夫。宥ねぇなら元気な子産んでくれますよ」

赤阪「ウチも安産祈願のお守り買ったやで~~!頼むで~~!赤字まみれの松実館のためにたくさん投資したんやから~~!」

「須賀さん。分娩室にお越しください」

待合室のアナウンスが流れた。


俺は慌てて飛び出し、部屋へ向かった。

中央のベッドには、少し顔の青い宥さんが眠っていた。

そして小さく赤ん坊の啼き声が聞こえる。

京太郎「宥ねぇ!」

宥「あなた…」

京太郎「痛みに耐えて、よく頑張った!感動した!」

宥「顔、みてやって…元気な↓1の子よ」


↓1 コンマ
偶数:男
奇数:女


京太郎「お!?」

京太郎「ん!??」

京太郎「な!!!!」

京太郎「うひょー!!よく頑張った、宥ねぇ!!」

宥「もうっ……私より喜んじゃって…」クスッ

京太郎「これが俺たちの…」

小さくてシワシワの赤ちゃんだった。ほぎゃあ、ほぎゃあ、と小声で泣いている。

京太郎「宥さんに似て別嬪さんだぁ~~!おー、よしよしよし~!」ナデナデ

宥「これで……お母さん、守れたよ……」

京太郎「ん?」

宥「ううん、なんでもない。あなた、少し身支度したらお部屋戻るから、そこでゆっくりしましょう?」

京太郎「ああ、でもこの部屋暖かいな」

宥「赤ちゃんはね、あったかいお母さんのお腹の中から外に出たら凍えちゃうの。だから、お部屋もあたたか~くしてるんだって」

宥「私が……もう、お母さんなのね」


しばらくして病室に家族3人揃い、宥さんは赤ん坊に初乳を与えていた。

その姿はまるで絵で見た聖母像を、俺に想起させた。

コンコン。

京太郎「看護師さんかな?」

赤阪「お邪魔します~~まずはおめでとさんや~~!」

京太郎「ゲッ、出た」

赤阪「いや~~ウチ、最初からやってくれる信じてたで。はい、須賀君、宥ちゃん、少ないけどおばはんからの出産祝い。」

京太郎「わわっ、結構分厚いっすね」

赤阪「ウチにとって初孫みたいなもんやから~とっとき、とっとき」

宥「……」ジロッ

赤阪「そんな睨まんといて~ウチ、約束守るから~~今後も松実館のために微力ながら力にならせてもらいます~」

赤阪「でーー、早速やけどその娘抱かせて~~」

そう言って赤阪先生は俺達の子を奪うようにして抱いた。

赤阪先生はじっと俺達の娘を見つめていた。宥さんは不安そうに俺の袖をつまんだ。

赤阪「この娘の才能は……↓1やな」

↓1 
才能 コンマ/100


京太郎「88?88って高いんっすか、低いんっすか!?」

赤阪「いやー、驚いた。遺伝的にも恵まれ、麻雀のセンスもある」

赤坂「100年に1人の逸材や。化けるで、この娘」

京太郎「……ゴクッ」

赤阪先生の声色が震えていた。

赤阪「どんな環境で育っても、歴史に名を残す麻雀打ちにはなるやろな。産まれついての怪物や。言い方を変えると愛されてるんや、牌に」

赤阪「長いこと勝負の世界にいるとわかるねん」

赤阪「愛されとる奴はどこか違う。例えばラスで迎えた南4局、逆転に役満が必要な点差でゴミ手がくる奴はいくら麻雀が上手くても話にならんが、愛されている奴は手に入るんや、逆転可能な配牌が……っ!」

赤阪「まずここが肝要っ……!最低ラインは悠々クリアー…!」

赤阪「そしてこれくらい愛されてれば放おっておいても挑むやろっ…!インターハイ優勝……そして20を前には日本王座っ…!あの小鍛治健夜がそうであったようにっ…!」

京太郎「おおっ!聞いたか宥さんっ…!僥倖…!なんという僥倖っ…!俺達の子が日本王座にっ…!うおおぉっ!赤阪先生!いくら…?日本王座の賞金…?」

赤阪「ざっと2000万や……!」

京太郎「おおおおっ…!2000万…!いや、待て……この子が有名になれば……ひょっとして松実館の宣伝も…?かってにマスコミが…?」

赤阪「アホ!来るに決まっとるわ…!松実館のあの薄汚れた雀卓も、傷だらけでガン牌し放題のあの安い牌も…!すべて美談っ…!空前のブーム到来……行列……ひと目、日本チャンピオンが育ったゆかりの地を見ようと、吉野に行列っ……!」

京太郎「うひょおおおっ!」

宥「待って下さい!」

赤阪「あ……?」


宥「勝手にウチの子が牌に愛されているだとか、インターハイだとか……勝手なこと言わないで!」

京太郎「だけど、宥さん、この子が麻雀で身を立てれば松実館は安泰…」

宥「この子の気持ちは無視なの?返してください!」バッ

赤阪「あらら…」

宥「出てって!ふたりとも!ウチの娘に麻雀は……させませんからっ!」

京太郎「ええぇ~~」

宥「出てけ!!」ポカポカ

環境 0/100


赤阪「須賀く~ん、何か聞いとる?」

京太郎「はぁ」

赤阪「どうやら、宥ちゃんは麻雀に関して深いトラウマがあるみたいやね~~昔はそこそこの麻雀打ちって聞いてたけど、今は握ってないのは何か過去があるからやな~~」

京太郎「うーん、旅館に1枚だけ、高校時代の写真が飾ってあったけど、特に……宥さんに昔の話すると、はぐらかされるし」

京太郎「そんなことより、赤阪先生!せっかく才能にも恵まれたのに、麻雀ができる環境に恵まれないとか、そんなのってないっすよ!」

赤阪「須賀君、安心しーや。あの小鍛治健夜が牌を初めて握ったのが、高校1年生の夏。団体戦のメンバーが1人足りなくなったため、急遽代打ちでインハイの卓に付いたのが最初やねん。

その時の彼女は麻雀の基本的なルールと幾つかの役しか知らない状態で優勝候補の一角のエースをねじ伏せ、一気にスターダムを駆け上がった」

赤阪「あれ程の才能や、放っておいても麻雀の方から彼女に寄って来るよ~~」

赤阪「でも環境は大事なのは間違いないから~~こっちはじっくり整えて行こう~~」

赤阪「そして須賀君にはまだ大事な仕事が残ってるねん」

京太郎「はあ」

赤阪「正直、あれだけ恵まれた子でも30年後、最先端のAIに勝てるかどうかは5分5分ってところや。それくらい、AIは強い」

赤阪「せやから、弾は多いほうがええねん!というわけで、面倒な子育ては頭の固い宥ねぇにまかせて次の娘作るでー!」

赤阪「次は誰がいい~~?」

↓1 誰にしますか?


赤阪「清水谷竜華としたい~~?」

Weekly麻雀todayのグラビアを何度も飾っているトッププロ。

高校卒業後、ドラフト1位で地元大阪のトップチームに入団し、Aリーグで毎年好成績を残し、テレビにも引っ張りだこのスーパースター。

それが清水谷竜華さんだった。来年の麻雀Wカップの日本代表の座も内定しているとの噂である。

誰もが認める高嶺の華。

京太郎「やっぱ……無理っすかね」

赤阪「須賀君贅沢やな~~ま、不可能を可能にするのがウチの仕事や、1週間以内にセッティングするから連絡待ってて~~」フラフラ

そう言って赤阪先生は夜の街に消えていった。

京太郎(で、約束の1週間後、俺は赤阪先生に指定された大阪市内のホテルの1室で待機している)

京太郎(いくらなんでも無理だろ…!それが分かってて注文したんだけど)

京太郎(しかしほんとスタイルよし、顔よし、麻雀よしの三拍子そろった正統派美少女だよなぁ)

コンコン

ホテルのドアベルが叩かれた。

京太郎「赤阪先生?やっぱ無理だったでしょ?」ガチャ

竜華「こんにちは~~」

ドアを開けるとそこには何度も雑誌やテレビで見た顔があった。


竜華「ええっと、須賀京太郎君で間違いあらへんよな?」

京太郎「はい」

竜華「ウチ、清水谷竜華や。ご贔屓に~~あ、名刺いる~?」

竜華さんはテレビでよく見かけるグレーのスーツ姿で、愛想よく俺に名刺を渡してきた。

京太郎「あの、なんですからそこかけて」

竜華「おおきに~よいしょっと」

京太郎(本物だ……スーツの下のYシャツが微妙にスリットになってて谷間がこれでもかってくらい強調されていて)

京太郎(この存在感たっぷり、それでいて下品すぎないバランスの取れた王道のおもちは)

京太郎(間違いなくこの人が清水谷竜華であることを物語っている……!)

京太郎「あはは……そういや先日の試合、テレビで見ましたよ!見事な頭ハネでしたねぇ」

竜華「ああ、あれな。応援ありがとな~~いや~ホンマついてたわ~~決まったときは痺れたで~~」

京太郎「高校時代から勝負強いっすよね。勝負どころでビビッと冴えるというか」

竜華「須賀君も麻雀興味あるん?男の人なのに嬉しいわー、じゃ、する前に少し飲みながら話す?冷蔵庫にのみモンあるやろ?」

京太郎「ビールでいいっすか?」

竜華「ええよ~」


俺も昔は麻雀打ちを目指した口だ。こうしてトッププロから直接話を聞ける機会が楽しくないわけがない。

竜華「でー、あそこは対面がソーズの上の方で待ってるって分かったから、敢えてのオナテンやねん」

竜華「なんでわかったかっちゅうーと、あの試合は半ばエキシビジョンマッチで理牌必須ルールやから~~あの対面のプロ、割りとソーズを右に固めるねん、それまでも何度かソーズが右の方から切られてたしな~~」

京太郎「へー、そんなとこまで見てるんっすね」

竜華「まあまあプロはできて当たり前の技術なんやけどな~~それを逆手にとってあえて待ちを惑わせるテクニックとかもあるんやで~~」

京太郎「Aリーグだと理牌してるプロ少ないっすよね。テレビだと同時に牌整理している画面出しますけど」

竜華「インハイもみんなお行儀よくみんな理牌してるけどな~~」

京太郎「竜華さんのインハイの活躍、会場で実は見てましたよ」

竜華「うわわっ、恥ずかしー……あの頃は色々あったなぁ……」

京太郎「竜華さん?」

竜華「あ、いや、なんでもないねん。ほな、先、シャワー浴びて来ていい?」

京太郎「ゴクッ、あ、はい」


シャワーの水音が聞こえる。

ガラスの向こうで裸の竜華さんがシャワーを浴びている。

俄には信じがたい。赤阪先生がどういう交渉をして、麻雀のトッププロクラスに子作りを許させたのかは知らない。

でも現実に、今竜華さんはコールガールのようにホテルにやってきて、これから俺たちはセックスをする。

緊張して勃つか心配になってきたところで考えるのをやめた。

確かに雀力に満ち満ちたトッププロ相手なら、強い子も期待できるのかもしれない。

竜華「おまたせー、えらい安物のシャワーやわ、いきなり熱湯出るから気をつけや~」

竜華さんはバスタオル一枚で出てきた……

↓1
相性 コンマ/100


京太郎「うおおっ!!竜華さんっ!」ガバッ

竜華「あっ、いや、ちょっとがっつきすぎや!」

京太郎「谷間に穴開けて誘惑しといて、悪いのはそっちだッ!その上バスタオル一枚で‥もう辛抱たまらん!」

竜華「あっ、いやっ、んっ、電気消してぇ」

京太郎「おおっ……すげぇ…磨き上げられたボディ……いいんっすよね、竜華さん」

竜華「何が」

京太郎「今日一日好きにして」

竜華「今日一日と言わず……ええよ……ウチが孕むまで‥そのかわり…初めてやから…電気は消して…恥ずかしくてかなわんわ…」


竜華「あうっ、んんっ……」

京太郎「すげぇおもちっすね。この大きさでこの張り……パンパンに張ったゴムボールみたいな弾力…大きいだけの娘は脂肪でタプタプってタイプもいるけど、竜華さんのはそんな3流とは一線を画す」

京太郎「それにこの乳首も」

竜華「んっ」ビクッ

京太郎「感度バッチリじゃないっすか……ほんとに初めてっすか?」

竜華「男の人とするのは……初めてや」

京太郎「どうして?もったいない、こんないい身体してるのに」クニュクニュ

竜華「んっ、あっ、いじめんといてぇ」

京太郎「さぞ高校の頃とかモテたでしょ~」

竜華「ウチ、女子校やっ……あっ、ちょっとまだ下は!」

京太郎「しっかり濡れてきてますね、乳首弱い?」

竜華「ううっ……」

京太郎「でも改めて見ると、くびれもあって、足もすらっとしてるのに、太ももはボリューム満点で……すごいすべすべですね」スリスリ

竜華「ひぃ!」ビクッ


竜華「はぁー……はぁ……」

ベッドの上で竜華さんが深呼吸をするたびに大きなおもちが揺れて、また俺の息子は元気になってきた。

抱き心地は案の定、最高だった。結構経験はあるのか、膣内はこなれていたけど、男のものを受け入れるのは初めてだったようで、喘ぎながら怖い怖いと漏らしていた。

抜かずに連続で膣内に出して、竜華さんも達してフィニッシュ。

京太郎「竜華さん、良かったっすよ」

横になり、全力疾走のあとのように息をつく竜華さんのサラサラの髪を手で梳いて、頭をなでた。

竜華「はぁーー……ふぅー…‥ふぅ……怜ぃ……ごめんなぁ……」

京太郎「ちょっと竜華さん、他の男の名前出すのはなしっすよ」

竜華「あ、ああっ……ごめんな、須賀君……あと、男ちゃうから…」

京太郎「その怜さんっての恋人ですか?」

竜華「……」プイ

京太郎「教えて下さいよぉ、俺と竜華さんの仲でしょぉ?」

竜華「昔の、親友や…」

京太郎「へぇ、じゃあ竜華さんの片思いだったの?」

竜華「……そんなとこやな、もうその話しまいにしてっ……名前出したんは謝るから」

京太郎「ひょっとして、赤阪先生と何か関係あります?」

竜華さんの顔が、青ざめたのがわかった。


京太郎「これから先は俺の推理になりますけどね」

京太郎「その怜さんってのが竜華さんの弱みなんでしょ?」

京太郎「大方、そのことで赤阪先生から強請られて」

京太郎「怜さんのことが大事だからっ…!知らない男に抱かれて、孕まされて、子供産ませられることになったとしてもっ」

京太郎「護りたいんでしょ!その人の事」パンパン

竜華「怜は関係あらへんっ!ああっ!くっ!!んんっ!」

京太郎「あぁ~~今まで男知らなかったとは思えないくらい気持ちいいぃ~~」パンパン

竜華「あっ、あっ、ああっ!」ビクッ

俺達の体の相性は悪くなかった。最初の晩は竜華さんが、次の日仕事あるから堪忍してぇ、と泣いて許しを乞うまで抱いた。

それからも試合の後、ホテルに呼び出して何度も犯った。

竜華さんが勝った日は、彼女も高揚してるのか、激しいセックス。

負けた日はしんみり慰めセックス。

俺は何度も抱きながら怜さんの話を聞いた。小学校からの親友だったこと。高校時代に一緒にインハイに出たこと。インハイのあと一線を超えて、関係を持ってしまったこと。

そして、病気のせいで別れることになったこと。


竜華「ウチらのために何度も何度も未来を視たせいでっ…!!」

竜華「高校卒業前に発症……!医者の話やと、視すぎた代償で、発症が早まったらしいんや!」

竜華「最新の医学の粋を集めて、怜の生命を維持するために必要な費用は、とても怜の家族が払える額じゃなかったっ…!」

竜華「ウチがトッププロで活躍し、その年収の大部分を当ててようやっと医療費と薬代が払えるほどの高額医療や」

竜華「ウチは、彼女のそばにいる資格がない。ウチは、怜に謝っても謝り切れない枷を負わせたんやっ‥!」

京太郎「竜華さん……俺、赤阪先生に言いますよ。怜さんを使って竜華さんを脅すのはやめろって」

竜華「ちゃう。ウチがあのババアの言いなりになってるのはちゃうねん」

竜華「プロは厳しい世界や。1年目は西の新人王なんて持て囃されても、研究された2年目からはマークも厳しくなって……簡単には勝てなくなる。2年目のジンクスや」

竜華「Aリーグ落ちの瀬戸際で……手を出してたのはウチなんや」

竜華「このままBに落ちて収入が減ったら、怜のためのお金が足りなくなる」

竜華「そういう言い訳をして、買ってしもうたんや、星を」


竜華「麻雀は4人でやるゲームやねん、そらどんなに強い個人でも3人、それもトップリーグにいるような強者3人に囲まれたらまともに勝てへんやろ。3人がかりと言わず、裏で2人が組むだけでもかなり違うねん」

竜華「だから裏では星の売買が横行してるんや。マスコミも薄々気がついてるけどどこも報じないねん」

竜華「プロの間に入って星の売買を仲介してるのが赤阪郁乃やから」

竜華「せやからウチら、世話になってるプロは頭上がらんねん。ガキの使いみたいなこともやらされとるプロも多いで、母校のコーチとかなぁ」

竜華「前呼び出されて、アンタの子供産め言われた時も」

竜華「これから先、赤阪先生から星買えなくなったら、赤阪先生の怒りを買って、息のかかったプロ3人から狙い撃ちにされたらどうなるか容易に想像つくやろ?」

竜華「そういうプロ、何人か見てるねん。瞬く間にBリーグ落ちで、その後ひっそり引退や」

竜華「その時だれが怜の治療のための金、払うんや?」

竜華「せやから、須賀君、人助けや思って……気にせんといて、ウチ、納得づくのことや。悪いのは最初に、星に手ぇ出した自分なんやから」

竜華「あぁ、情けないなぁ……ごめんなぁ、怜…」

竜華さんはベッドの中でそんな話をした。華やかなプロの裏は、俺のような凡人が想像するよりずっと…


恒子『なんとなんとビックニュース!あの、清水谷プロが妊娠、一時休業を発表!』

恒子『やんごとなき事情で、父親の名前は明かせないとのことですが、これはしばらく週刊誌を賑わせること間違いなし!ここで有識者の小鍛治プロ、ご意見を』

健夜『なんの有識者なの!?絶対、棘含んでるよね!?』

恒子『自意識過剰ですなー。同じ麻雀プロの立場としての意見を求めただけなのに』

健夜『ぐぬぬ…』

TVでは連日、竜華さんの報道でもちきりだったが、それから間もなく相撲界の暴力沙汰の話題にかき消されるようにして、竜華さんの話はとんと聞かなくなった。

竜華さんの携帯には電話が繋がらなくなってしまった……

……

時が流れ、すっかり忘れかけていた頃、赤阪先生から連絡があった。

赤阪「須賀君、今日病院にお見舞いに行ってきたんやけどー」

赤阪「ああ、聞いて驚くなかれ、あの清水谷プロのお見舞いや~~」

赤阪「なにとぼけてるねん、数ヶ月前に話題になったやろ、電撃懐妊事件」

赤阪「一応、ウチ高校時代に何度か千里山と練習試合した縁もあって、知り合いなんや~」

赤阪「で、元気な↓1の子やったで~」

↓1 
コンマ
偶数:男
奇数:女


京太郎「よかった……おめでとうと伝えて下さい」

赤阪「遺伝的な相性はまずまずやから才能次第ではあるで……資格は」

赤阪「府内の●●病院に入院してるからすぐ会いに来て~赤阪の使い言えば通せるようにしておくから~」

俺はお急ぎで大阪へ向かった。

京太郎「竜華さん!」

竜華「ああ、久しぶりやなあ須賀君。赤阪先生から聞いたんか?」

竜華さんは病衣に身を包み、胸に赤子を抱いていた。

竜華「玉のような女の子や。抱いたって。あんたの子なんやから」

俺は恐る恐る子供を抱いた。赤ちゃんはスヤスヤ眠っていた。

京太郎「可愛いなぁ~~将来は竜華さんみたいなナイスバディに育てよ~」

竜華「で、赤阪先生が最後に意味深な数字を伝えて帰っていったんやけど、何なんやろ」

京太郎「……なんて言ってました?」

竜華「↓1って」

↓1 
才能 コンマ/100


京太郎「85!?これすごい才能なんじゃ」

竜華「なーんか肩の荷が降りたわ」

京太郎「そういや竜華さん、プロリーグはどうするんですか?育児もあって大変でしょうけど、復帰望む声も大きいですよね」

竜華「ああ、それならもう引退することに決めたで~~落ち着いたらチームに挨拶して、それから会見やなぁ」

京太郎「え?もしかして怜さんが…」ゾッ

竜華「いやいや勝手に殺すな!……今後の治療費、赤阪先生の尽力で麻雀協会が継続的に払ってくれることが決まったんや」

竜華「額が額やし、ある種、麻雀中の事故みたいなもんやしなぁ」

竜華「怜のご両親も、それで和解ってことで納得されて……怜も今はリハビリに励みながら、社会復帰も目指してるんやって!」

京太郎「それは良かったですねぇ」

竜華さんは穏やかな表情で窓の外を見ていた。

京太郎「で、この娘!とんでもない麻雀のセンスあるんですよ!」

竜華「当たり前やん、ウチの娘やで」

京太郎「早めに英才教育して…」

竜華「あのなあ、須賀くん。悪いんやけど、この娘は麻雀と関係ないところで育てたいねん。だからウチもプロやめるんや」

京太郎「ファッ!?」

竜華「麻雀で得られたもの、失ったもの、どっちもたくさんあるんやけどな」

竜華「どうやらウチは失うものの大きさにこれ以上耐えられそうにないねん。せっかく、期待してくれてるのに、ごめんなぁ」

京太郎「そんなぁ!この娘が、人類を救うかもしれないんですよ!?」

竜華「その為にこの娘を戦いの螺旋に巻き込みたくないってのは……母親のエゴなんやろなぁ。もうええねん、もう、十分やったんや、ウチも……怜も…」

環境 0/100


京太郎「というわけで、竜華さん、達観したみたいで……もう子供には麻雀させないと」

赤阪「あきまへんなぁ、須賀君。宥ちゃんとの娘は100年に1人の逸材やから適当に育ててもそらモノになるやろけど、竜華ちゃんの娘は、素材型やからなぁ。麻雀には出会うやろうけど、環境がないとせいぜいインターミドル活躍止まりやろ。環境0のまま育ったら二条泉止まりや。ここはしっかり母親に頑張ってもらわんと」

京太郎「どうやったら環境整うんですか!」

赤阪「慌てる乞食はもらいが少ない。環境はあとから整備すればええんやから、今は竜華ちゃんと赤ちゃんには静かな環境ですくすく育ってもらうのが一番や。どうせ牌握れるのは5歳頃からなんやし~」

京太郎「まあ、そうですよね。時間経てば竜華さんだって考え方変わりますよ、あの華やかなプロの世界知ったら、もう市井の人には戻れないでしょ」

赤阪「そうそう、須賀くん、たまには松実館に顔出しとき?アフターケアも大事な仕事やろ~」

京太郎(なるほど、ここで環境を整えるというわけですか、赤阪先生)


赤阪「環境整えるにはコスト払わなあかんで~」

京太郎「コスト?」

赤阪「せや~~資源は有限やから大事にせなあかんよ~~コストをどれだけ払うかは須賀くんが決められるねん」

赤阪「須賀君の持つ資源は100や。この100の資源を、子どもたちにどう分配していくかが大事やねん」

①結婚 コスト60
②認知 コスト20
③放棄 コスト0

赤阪「まずパートナーと子供との関係をしっかり定義しておくんや~」

赤阪「1人より2人で愛情持って育てた方が強い子に育ちやすいで~」

赤阪「③の放棄は子供の権利全部、パートナーに渡すってことだから~~以後ノータッチ気味になるで~~この場合、安価一発勝負で環境決まるよ~~

家庭環境に問題ある娘が麻雀強いケースが多いから、めっちゃ楽かも~~」

赤阪「①、②を選んだらパートナーから色々おねだりされるかも~~あと追加で子供作れたりするかも~~」

赤阪「そのおねだりミッションをこなせば、環境+10や!」

赤阪「上記ルールは突然の断りなく変更になる場合があるから注意が必要やで~ほな須賀くん、頑張りや~」

京太郎「それじゃあ松実館に行ってきますか」

……


宥との娘 78/88/0  赤阪評『100年に1人の逸材』

京太郎「おーよしよし、よしよし」ナデナデ

宥「……」

京太郎「パパでちゅよ~~、ほら、たかいたか~い」

宥「……」

京太郎「もう1歳だっけ、子供の成長は早いなあ」

宥「ほら、もうおねむの時間ですね~~ママはこの人と大事な話があるからベッドで寝てなさい~~」

京太郎「あ、もうちょっと遊ばせてよ…」

宥「……部屋、変えましょう」


京太郎「色々苦労かけて悪かったな。お金とか大丈夫か?」

宥「うん……経営自体はうまくいってるし……子育てとかも、旅館の従業員さんみんな手伝ってくれてるし、なんとか」

京太郎「いや、さすが宥さん。しっかりもので安心してますよ」

宥「で、今日は何?」

京太郎「あー……その、なんだ、前は悪いこと言ったな。あのあと色々考えたんだけど、俺達の関係もはっきりしないまま飛び出しちゃって」

宥「そのことならもういいよ……麻雀をさせないって考えに変わりはないけど」

京太郎「うん、俺も今日はそのことを言いに来たわけじゃなくて、まあアイツの元気な顔を見たかったっていうか」

宥「それだけ?」

京太郎「いや、俺達の関係もはっきりさせたいんだ。↓1にしよう」

資源100/100
①結婚 コスト60 ※コンマ偶数で断られる
②認知 コスト20
③放棄 コスト0


認知した!環境が+20になった。
宥との娘 78/88/20  赤阪評『100年に1人の逸材』

京太郎「父親として、ずっとそばにいてやる事はできないけど、できる限りの支援はしたいんだよ」

京太郎「宥さんに愛してると言った言葉に偽りはない」

京太郎「今日、宥さんそっくりに育って来たあの娘をみて、この娘との繋がりを切るってのは、どうしても出来ないと思ってさ」

京太郎「だから、認知していいですかね」

宥さんは複雑そうな表情を浮かべて、しばらく机に向かって俯いていた。

もしかしたら、欲しかったのは違う言葉だったのかもしれない。でも、それを確かめる術はない。

長い沈黙のあと、宥さんは頷いた。

京太郎「じゃあもう一度抱かせて」

宥「結局それが目的?」

京太郎「バカ、赤ん坊の方だよ」

宥「それならいいけど……」

改めて俺と宥さんの子を見ると、本当にまつげとか、顔立ちとかは宥さんそっくりで、俺の遺伝子が混じっているのか心配になるくらいの別嬪だった。

宥「でも目元はやっぱりあなたそっくりだよ……」

宥「だから憎めなかった。最初は塩撒いて追い返そうと思ってたけど」

宥「夜も遅いし、今日は泊まっていく?」

京太郎「ああ、久しぶりの松実館の風呂、楽しみにしてたんだ~」


赤阪「須賀君幸せそ~~携帯の待受、娘の写真にしてるや~ん、浮かれるのもほどほどにしとき~!」

京太郎「家族ってあんな感じなんっすかね~1晩だけだったけど、川の字で一緒に寝て……なんだか、胸に来るものがありましたね」

赤阪「なら結婚すればよかったや~ん」

京太郎「流石にそこまでの覚悟はなかったんで……結婚したら松実館の若旦那ルートじゃあないっすか。あんな辺鄙なところで一生を終える決心はつかなかったっすね」

赤阪「まあまあ。あの娘にはウチも期待しとるんやから、しっかり愛を育んでや~」

赤阪「ほな、次はどの娘孕ませる~?」

京太郎「バックアップ作成に余念がないっすね、先生」

↓1 誰にしますか?

続きは明日書きます。

赤阪「雀明華……?カカカッ……須賀君も贅沢や……雀明華といえばソフィア・アンティポリスが生んだ世界ランカーっ…!」

京太郎「たまには異国情緒も悪くない……!いけますか、先生……!」

赤阪「愚問……っ!それ、愚問!不可能を可能にする、それが赤阪流や~~」

赤阪「とはいえ、外国の世界ランカーをたらしこむのは中々の難問……」ウーム

京太郎「ううっ……」

高速で回転し、解決策を探る赤阪ブレイン……!かつてのインハイで凡夫を1夜で龍に変え、魔王との互角の名勝負を演出した頭脳が動く……!

赤阪「ソフィア・アンティポリス……雀明華……ああっ!雀博士の関係者……?ほなら話は早いわ、早速やけど、須賀君、飛ぶで!これから」

京太郎「飛ぶってどこへ?」

赤阪「フランスに決まってるやろ~~!」


……フランス・パリ……

フランスについて4日後、パリの3ツ星レストランで俺たちは会合を持つことになった。

赤阪「ぺらぺらぺら~~らぺらりんこ」

雀博士「ぺらぺら~~ぺらりんこぺらぺら~~」

明華「……」プチプチ

京太郎「この鴨肉のソテー、めちゃウマ!」モグモグ

俺の正面に、ドレス姿の明華さんが座り、退屈そうにぼんやりしていた。

京太郎(スタイル抜群だし、この距離でもいい匂いしてくるわ……よく4日で会合までこぎつけたな、このババア)

隣では赤阪先生と雀博士とかいう得体の知れない女性がフランス語で談笑している。

事前の折衝で、赤阪先生は大筋合意にまで話を持っていったらしい。

あとは当事者二人が合意すれば、ということで会合が持たれたが、話がここまで来たということは、明華さんに拒否する予定も、権利もないのだろう。


京太郎(この場でフランス語分からないの俺だけ……完全に置いてきぼり状態だけど、まあ赤阪先生に商談は任せときゃいいから楽っすなあ。とりあえず飯食うのに集中してよ)モグモグ

明華「あの~~お腹へってたら私のお肉も食べますか?」

京太郎「え…?あれ?日本語?」

明華「この時期の南フランスの鴨は絶品ですから~~あ、私、昔日本に留学していたことあるから少し話せるんです~」

京太郎「日本に…?」

明華「ほんの半年くらい、高校生の頃に。臨海女子で、日本の学生さんたちに混じって大会にも出たんですよ~」

京太郎「臨海女子って超名門じゃあないっすか!?大会ってインハイ?」

明華「はい。あのチームは強かった。私の経歴の中でも、誇るべきチームです~~でも日本の女子高生は侮れない。いい教訓になりました!」

雀「ミョンファ、ぺらぺらぺら!ぺらぺらり~んこ」

雀博士が明華さんにフランス語で話かけ、インハイの話題は打ち切りになった。

赤阪「須賀君、横で早速盛り上がってたやん~~こっちも大方話は付いたで~~」

京太郎「で、どうなんすか?抱けるんですか?」


赤阪「モチのロン~~雀博士も選挙も近いし金も票も喉から手がでるほど欲しい~~」

京太郎「選挙?」

赤阪「この時期、俗物達が世界麻雀協会の会長選挙やってんの~日本の票と資金援助の確約でノッてきたで~~雀博士も苦戦しとりますから~会長になれれば愛娘手放してもお釣りくるやろし~お互い賭けなんやけど~~」

赤阪「現役を退いてもやめられへんわ、人生勝負や、雀博士もギャンブラー……ヒッヒッヒ」

赤阪「で、そっちはどう~~明華ちゃ~ん、この男の赤ちゃん産んでくれへんかな~こっちは人類の未来がかかっとるねん~~」

明華「お母さんの話は聞きました~~概ね異存はありませんけど~~条件あります~~」

赤阪「条件?」

明華「須賀さんへの条件です~~産んだ後のことも私ははっきりさせておきたいんです~~フランスは契約社会ですから」

お互いのテーブルの脇には分厚い契約書が置かれていた。あとはこれの一番上に、俺達のサインを交わすだけで、この女の体を好きにできるのに。

明華「産んだら認知してください~」

京太郎「ファッ!?」


明華「認知の確約をこの場で、赤阪先生と雀博士立会の上でしてくれないと、お互い困ったことになっちゃいますよ~」

赤阪先生の眉がピクリと動いた。雀博士は日本語がわからないため、キョトンとしている。

京太郎(認知……たしかコストは20だったな……いやいや、まだ相性も、資質もわかってない段階でリスクが高すぎるんじゃ?これで駄目な赤ん坊だったら……認知したら、常識的には取り消せないよな?どうなんだ?)

京太郎(かと言って断ったら、この女、平気で席立ちそう……読めない……)

京太郎「赤阪先生、どうしましょう?」

赤阪「どうしろ言われても、それ決めるんは須賀くんの権利やし……ウーン」

そう言って赤阪先生は腕を組んで目をつぶってしまった。

京太郎(どうする、どうする、俺!?)

↓1
①認知の約束をする
②約束は拒否する


京太郎(でも白い肌、程よく引き締まって出るところは出ている身体……この女を好きにするためにわざわざフランスまで来て)

京太郎(駄目でしたじゃあ、この俺の行き場のないリビドーはどうなってしまうのか)

明華「……ニコッ」

京太郎「ええい、俺も男だ、認知しますよ、認知!その代わり、絶対強い子産んでくださいよ!」

明華「ママン、ぺらぺら~~ぺらぺらぺら~~」

明華さんは間髪入れず雀博士に伝えて、契約書にその旨の条項を付け加えた。

赤阪先生は終始、腕を組んで、目を瞑っていた。しかしもともと細めだから誰も気がついていなかった……

シャンパンで乾杯したあと、俺たち4人の署名を持って契約成立。

俺は晴れて雀明華さんを1回孕ませる権利を得た訳だ。


雀博士と赤阪先生は今後の打ち合わせがあるといって場所を別のプライベート・バーに席を移すし、あとは若い二人…

予約してあったホテルに移動し、明華さんをベッドに押し倒した。

明華「……」

ほんのり頬を紅く染め、目を潤ませていた。

鼻腔を、明華さんの香りが刺激する。日本の女にはない、エキゾチックな香り。

そして妖精のようなふわっとした銀色の髪がシーツの上に広がり、ドレスの裾から陶磁器のように白い脚がにゅっと伸びていた……

↓1 相性
コンマ/100


ドレスをはだけさせると、弾けるばかりのたわわな乳房が剥き出しになった。

その乳房に薄紅色の慎ましやかな乳首がなんともまあ、バランスが良くて……

明華「あっ…♡」

柔らかいおもちをこねくりまわし、乳首を吸い、舌で転がし、俺はじっくり明華さんを堪能した。

京太郎「感じやすいんですね」

明華「いつもよりっ……んっ……少し……んっ♡」ビクッ

ドレスの下に手をいれると、形ばかりの抵抗のあと、すんなり脚を開いた。

京太郎「ん?この感触……ぬるりと」

しっかり下は手入れされ、つるつるのパイパン、ただ、そこはしっとり濡れていた。

京太郎「すげぇ。フランスの娘ってみんなこうなの?」

明華「ゃ……言わないで……今日は、そういう日、なんですから……」

指を入れると、ぬぷっと咥え混んで、蜜が溢れてくる。明華さんの準備は万端だった。

女として熟したこの体を、好きにして、誰もが認める麻雀世界ランカーに、麻雀で落ちこぼれた俺の子を孕ませる……

契約の条項を思い出した。
・妊娠するために、乙(=雀明華)は最大限の努力義務を有する。
・行為に際して甲(=須賀京太郎)は乙に対し優越権を有する。ただし、乙の身体に対して現状回復不能な損傷を負わせる甲の行為に関しては乙は拒否権を有する。
 優越する行動に関しては附記Ⅲに詳細を記す。現状回復不能な損傷(生命活動の停止、身体の欠損等)を生じた際は甲は賠償責任並びに刑事的責任を代理人と共に負うものとする。
 賠償に関しては附記Ⅳ.に詳細を記す。刑事的責任は乙が国籍を有する国の司法の判断に委ねられるものとする。

京太郎(優越権……好きな要求ができるって解釈でいいんですよね、赤阪先生?)

↓1-2
どういうプレイをしますか?(自由安価)


明華「これはどういうつもりでしょう…」

京太郎「へっへっへ……このホテル、なんでも取り揃えているんですね……」カチャッ

明華(アイマスクをされた後、立て続けに手にされて手錠を……)

京太郎「あんまり暴れると、痛いですよ」ボソッ

明華(大丈夫、身の安全は契約書で確保していますから……万が一、大怪我させたら天文学的な賠償金に加えて、母の影響下にあるフランスの裁判所で……懲役は最大十数年でしょうけど、獄中で何が起きるかまでは私は保証しませんよ…?)

明華「きゃぁっ!痛いっ!」

明華(不意にベッドに頭を押し付けられ……)

京太郎「はぁ……はぁ……」カチャカチャ

明華(後ろで、男の息遣いと、服を脱ぐ音だけが聞こえる)

明華「うっ」グイッ

明華(お尻を持ち上げられて……ああっ、これからされるのですね……後ろから、動物みたいに……)

明華「あうっ……くぅ!」ズポッ

京太郎「ふぅ~~」ズッポズッポ

明華(何も見えない……手錠で抵抗することもできず……四つん這いで…)

明華「あっあっあっ~~~」


ずぱんっ、ずぱんっ、じゅ、じゅっ

肉を打つ音に、粘っこい水音が交じる。

目隠しに手錠で抵抗する手段を失った女の尻を掴みながら、無我夢中で腰を振る。

白い背中に珠のような汗が吹き出ていた。女は、嬌声を上げながら身悶えしていた。

京太郎は女を犯している最中、ある種の全能感に襲われていた。脳中枢のドーパミン・ストームに襲われながら、過去、麻雀が弱い自分を見下していた連中の顔が次々に浮かび……

その誰もが、この俺の下で、尻を突き出しながら犯されている女に比べたら、蟻のようにちっぽけな連中なのだ!

明華「~~~♡っ!っ!んっ!!」グーッ

明華さんが痙攣したみたいに背中をそりあげて来るたびに、俺はその頭を押し付けてよつん這いの体勢をとらせる。

俺は、雀明華を、犯している。

最初の絶頂は、そう長くかからなかった。


はぁ……はぁ……!

明華「あんっあんっあん~~っ!あぁ~~!あっ、あぁ~~!!」

精液と愛液が入り混じり、ぬちゃ、ぬちゃと音が立つ。

明華「おお~~♡あぁ~~っ!んっ♡んっ♡」ビクンビクン

京太郎「うっ」ビュッビュッ

明華「っ……」ビクビクッ

京太郎「はぁ、はぁ……」

5回目の射精は、流石に量も落ちてくる。

明華「っ~~♡」ガタガタ

京太郎「動くぞ」

それでも一向に硬さが変わりないのは、京太郎の若さ故かーー


明華「イクっ♡イクぅ~~♡」

明華(もう、何時間もこの格好のまま……ひたすら出し入れして、私をイかせて……)

明華「あっ♡ダメッ……」ビクンッ

明華(そこを連続して擦り上げられると、頭の奥でスイッチが入って……)

明華「はぁ……はぁ……もう…終わり…」

明華(気を失ってどれくらい?まだ視界は真っ暗で、手枷もある……そうは時間立ってないと思いますけど)

京太郎「気がつきました?じゃあ動きますよ」ズポッ

明華「はぁ~~~♡」ゾクッ

男が動くと、全身の立毛筋が反応して、それから情けない声を上げてしまった。

フランス麻雀界が誇る至高の歌姫は、もう男の一突きごとによがり声をあげる楽器にまで貶されていた。


京太郎(しかし30回とか無理だろ…)パンパン

京太郎(かなり無理して8回目を迎えたけど)パンパン

京太郎(明華さんが気を失っている間は挿れたまま休憩してるが)パンパン

明華「……」

時折、明華さんは何かを言いたげに、目隠ししたまま、後ろを振り返り、俺の方を見てきた。

京太郎「……」

京太郎(いい加減にしろってことですよね?でもね、明華さん、この場でどっちが上なのかはっきりさせましょうよ)

京太郎(俺はあんたが、泣きながら折れるまで抜くつもりはない)

京太郎(時間をかけて腰振ってれば、射精した分だけ生産できるから…!)


明華「~~~♡」ビクンッビクンッ

明華「はぁ、はぁ、はぁ、あううっ!」ビクッ

明華(男のペースがゆっくりになって、時間をかけて膣内を馴染まされて…)

明華(イッて気をやったらお尻の穴に指入れて気付けまで…されて…)

明華(始まってから数時間……何発出されたか覚えていない)

明華「あぁ~~♡ああぁ~~~♡あぁ~♡」

明華(情けなく、歌わされて……私のココロはとっくに限界を迎えていた)

京太郎「ふひぃ~~しかし、明華さんが、許して~なんて言うなんてなぁ」

明華「言ってないっ♡言ってないですっ♡」

京太郎「さっきイク前に言ってただろ、ほら、もう一回行くぞ!」ズポズポ

明華(男の腰の動きが一気に加速して、弱いところを突き上げられると、脳内物質が火花を散らすような快感で……)

明華「あぁ~~~♡もう許してぇ~~~!ダメェ~~!死ぬぅ~~♡」

明華(男に対して、口にしては行けないようなことも言わされ、何度も何度も果てた)

明華(精神の限界は、肉体の限界の少し前に訪れた。それは幸いだったかもしれない。お互いの肉体が壊れる前に……)


京太郎「うっ」ずぽんっ

京太郎「はぁ、はぁ……約束の30発やったけど、もう1歩も動かねぇ……限界だ」ガクガク

明華「……」ドロォ

京太郎(きれいなマンコがめちゃくちゃだな、こりゃ)

京太郎(しかし、これだけヤッたらできただろ、明華さん危険日って言ってたし)

京太郎「おい、起きろ~」パシッ

明華「……」ビクッ

明華「お願いします……手錠外して……飲み物を……」ガタガタ

流石に危険そうだったので、目隠しと手錠取って仰向けに寝かせる。きれいな明華さんは泣きじゃくってめちゃくちゃな顔をしていた。

30発のあとだけれども、そんな世界ランカーの姿に催して、また勃起すると

明華さんは小さな悲鳴を上げた。

抜かずの30発で完全な優位性を確保し、そこから先は明華さんが妊娠確定するまで毎日抱いた。

明華さんは暗闇を怖がるようになり、粗相があるとお仕置きと称して何度も目隠し拘束プレイを続け、手錠だけでなく、縄や鎖など色々なもので縛って身動きの取れない明華さんを何度も何度も犯した。



妊娠させたあともしばらく一緒にいたが、俺の滞在ビザが切れてしまったし、赤阪先生からは次の仕事の話もあったので、泣く泣く別れて、帰国した。

時々エアメールで届く近況報告で明華さんのお腹が徐々に大きくなっているのが分かった。

世界戦は一旦休業しているらしい。臨月も近くなると、明華さんの顔つきも、昔の風神の面影もすっかりなくなり、一人の母親のように丸くなっていた。

毎日、胎教と称して歌を聞かせているらしい。

明華さんの歌は結構ハードボイルドだから、赤ん坊に悪影響がないか心配だ。

出産もフランスの予定。立ち会いたかったが、渡航許可が降りず。雀博士の根回しらしい。明華さんを駄目にしたのはどうやらフランスでは俺のせいになっているみたいだ。

明華さんは、一時期セックス中毒で危ない時期があって、その影響もあり麻雀も腑抜けになってしまったようだ。



程なくして、フランスから無事出産した、との吉報が届いた。

手紙の中には、病室で優しく赤ちゃんを抱く、明華の写真があった。

赤ちゃんの性別は一切かかれておらず、

「あいにきて」

とだけ下手な日本語で書かれている。

京太郎「というわけなんですよ、赤阪先生。なんとかフランスへの渡航許可おりませんかね?」

赤阪「まあまあ須賀くん、その写真見せて~?ウチレベルになると写真から性別を判断することも容易や」

京太郎「はあ。ほら、母子ともに健康、明華さん似のかわいいベビィです。」

赤阪「うーん、性別は↓1やな」

↓1  コンマ
偶数:男
奇数:女


赤阪「男…と見せかけて女の子や!」

京太郎「やりぃ!さすが明華さん!締めるところは締めてきますねぇ!」

赤阪「というわけで、はい、フランス行きの旅券」

京太郎「なんだ、最初から用意してくれてたんですか」

赤阪「あんたが交渉のテーブルであっさり認知するなんて約束するからや!男だったらどないすんねん、そうなれば、フランスには二度と行かずに握りつぶすしかないやろ~~」

京太郎「で、この娘の才能はどうなんっすか?」

赤阪「それはウチも目で直接見ないとわからんで~~だから一緒にフランス行こ~~遺伝的相性も高いしこら期待大や~~!」

パリの凱旋門病院のVIPルームで明華さんは俺達の到着を待っていた。

明華「ほら、パパンよ」

そう言って明華さんは娘に俺を紹介した。

赤ちゃんはキャッキャと笑い声を上げた。例えるなら天使。真っ白で金髪、リアル天使がそこにいた。

京太郎「うわわ~~めんこいな~~」

明華「めんこ?」

京太郎「キュートってことっすよ~!」

京太郎「どうっすか、赤阪先生、この娘は!」

赤阪「せやなぁ、麻雀の才能は↓1ってところか」

↓1
才能/100


赤阪「……」プルプル

京太郎「先生?」

明華「どうですか?私の娘は?」

赤阪「こら、あかん」

京太郎「あかん?」

赤阪「ウチも多くの雀士と相見えてきけど……強さに底が見えない経験は初めてや」

赤阪「この娘のオーラを見て、小鍛治健夜とどっちが強いか世界ランカー共に聞いても」

赤阪「100人中90人はこの娘に票を入れる」

赤阪「形容するなら人類の到達点!そう言っても過言ではないほどの生まれついての強者や!今後数世紀はこの娘を超える才能はそうそう生まれんやろ!」

京太郎「うおおおっ!!!よくやった、明華さん!大絶賛じゃあないっすか!」

明華「……」


歓喜の渦に包まれる中、病室の扉が開いた。

雀博士「ボンジュール、ムッシュ・スガ。ペラペラペラ~~!ペラペラ~~!ペラーペラペーラ!!」

メガネをかけた中年の地味なオバサンがすごい勢いで握手を求めて来て、応じたら、そのままキスされた。

京太郎「うわわっ!汚い!」

赤阪「失礼なやつやな、須賀君。マダム・チェーの歓迎を…フランス人にとってキスは親愛の証やねん」

赤阪「ペラペラ~~ペラペラ~~」

京太郎「なんて言ってるんですか?明華さん」

明華「世界麻雀協会会長就任おめでとう、これからもよろしくやで~と言っていますね」

京太郎「このオバサンが、世界最大の麻雀機関の長!?」

赤阪先生と雀博士は固い抱擁を交わしていた。

明華「この娘にはおばあちゃん。血は繋がっていないけど、私の母です」

京太郎「あわわっ……」

赤阪「選挙に勝ったその足で、孫の顔をひと目見たくて病院に駆けつけたんやと。これであと8年はフランス中心に世界の麻雀界は回るで~~くるくる回るで~~」

赤阪「そして須賀くんはそんなおばさんにファミリーに誘われているんや」

雀博士「ペラ~~ペラペラ~~ペラ~~!」

赤阪「認知は約束通りしてもらうけど、それだけじゃなくて結婚も歓迎する、と」


雀博士「ペラ~~ペラペラペーラ!ペラペーラペラペラ」

赤阪「明華もこの数ヶ月、あなたに会えなくて寂しそうだった、大事な娘を守ろうと、あなたにフランス入りの許可を出さなかったことは謝る」

雀博士「ペラーペラペラペラリンコ」

赤阪「私の孫が最高の環境で麻雀に励めるよう、努力は惜しまない、すでに部下には教育プログラムの作成を指示している」

雀博士「ペラペラーペラペラペーラ?、ムッシュスガ」

赤阪「娘と結婚してくれないか?」

京太郎「結婚……」

その言葉を聞いて、明華さんは顔を真赤にしていた。

世界麻雀協会の会長となれば、麻雀界のローマ法王のような存在だ。

世界の麻雀に関連する利権を牛耳り、1国の国家元首を遥かに凌ぐ権力を持つ。

赤阪「慎重に言葉を選ぶんや~~須賀君。相手は時の権力者やで~~」

↓1
①結婚する
②結婚しない


あの状況で誰が結婚を断れる?

それに明華さんとは体の相性も抜群だし、娘も才能抜群。断る理由はない。

すぐに明華さんに結婚を申し込み、明華さんは承諾した。

結婚式はパリのノートルダム大聖堂で大々的に行われた。

世界各国の国家元首、有力者が集まり、俺達の結婚と、この娘の誕生を祝福した。

純白のドレスに身を包んだ、明華さんは、フランス王女のような冠を戴き、胸に、俺達の愛の結晶を抱えていた。

首脳達は挙ってこの娘に祝福を与えた。

日本から参加したのは、首相と赤阪先生だけだった。

パレードの街道に人々が集まり、俺達に手を振り、旗を振った。花を降らせた。

ただ、式は退屈極まりなかった。雀博士の長い演説、ダラダラと続く祝辞の言葉。何度もうたた寝をしそうになる、俺の腹を明華さんは突っついた。

新婚旅行は明華さんの希望もあり、家族3人で長野の避暑地で過ごした。

それから子育ての方針で明華さんと雀博士の間で一悶着あって、今は家族3人のんびり日本で暮らしている。

ここでも赤阪先生にお世話になり、赤阪先生がなんとか雀博士を宥めて教育方針に関して口を出させないことにしたらしい。

先生曰く、これほどの素材は下手に弄らないほうがいいらしい。

……娘もすくすく育って、言葉も話せるようになり、今は元気に幼稚園に通っている。

……5歳の誕生日、俺は麻雀牌を近くのおもちゃ屋で買って、家路についた。

明華の娘 85/97/60 赤阪評『人類の到達点』


「はぁ……はぁ……ぐっ……」

家の前で人が倒れている。

京太郎「だ、大丈夫……えっ?」

赤阪「問題無いっ……大丈夫や~~……と、言いたいところやけど、手ひどくやられたなぁ……」

赤阪先生は血だらけの腹を抑え、青ざめていた。

赤阪「ウチが時航機を盗んだせいで、未来から追手が来て~~ハリウッドさながらの銃撃戦や~~……なんとか撃退したんやけど~~ぐっ……」

赤阪「ウチはもう長くない……須賀君に頼みあるんや……」ヒューッ ヒューッ

京太郎「なんでも言ってくださいよ!!俺、あなたには返しても返しきれない恩があるんだ……!」

赤阪「これが、ウチが未来から来た時航機……ウチが死ぬ前に……未来を見て帰ってきて、勝負の結果を伝えて欲しいねん……ホントはそろそろウチが行こうと思っとったんやけど……この身体じゃ行きすら耐えられそうもない……」

京太郎「見て、すぐ戻って来ればいいんですね!」

赤阪「あ、ああ……この時間軸に帰ってきてくれれば、ウチから見たら、一瞬須賀くんが消えて、また現れたようにしか見えんから、間に合うねん……」

赤阪「飛ぶ時間は~~……今からおよそ30年後、人類代表がAIと戦う日に設定したから~……人類の未来を……ウチの代わりに見届けて……」

京太郎「分かりました!もう喋らないで!ええっと、このボタンを押せばいいのかな?」ポチッ

赤阪先生は血だらけで、俺の腕の中で息絶えようとしている。誰がこの頼みを断れる??


ボタンを押すと視界が暗転した。

ーー30年後、アリーナーー

目をさますと、俺はどこかの試合場の客席にいた。

女の子が、電光掲示板の中、麻雀を打っている。

1打毎に割れんばかりの歓声が、聞こえる。

京太郎「ここは……」

咲「京ちゃん?寝ぼけてるの?絶対に会場で見るんだって、張り切ってたのに!」

京太郎「ああ、お前、咲かあ、懐かしいな」

咲「AIは急速に進歩し、人類中心の麻雀文明に対して公然と挑戦を行うようになって……世界中で激しい闘牌が繰り広げられ……今、お互いの生存権を賭けての最終決戦に至っている」

咲「10半荘目、南3局。あと一息だよ。ここまでほぼ互角、この半荘を取ったほうが、生存権を獲得する」

電光掲示板には一人の女性が座っていた。金髪の外国人だろうか。でもどこか、東洋人の面影がある。

咲「人類の存亡を背負うは、雀一族の至宝。その雀力はあの全盛期の小鍛治プロにも勝るとも劣らないって評判だよ!」

記憶がおぼろげだ……時間移動の後遺症かも知れない……

京太郎「うおおっ!頑張れっ…!頑張れ…!!頑張れーー!!」

でも気がついたら声が出ていた。南3局、10000点近くのリード。でも、直撃で容易にひっくり返る点差だった。

娘が1打するごとに、人類の悲鳴、歓声、絶叫が聞こえる!それだけの多くの人の、想いを背負って…!

「ロン」

AIからの見事な出和了り。

京太郎「うおおおおっ!!!これで点差は20000点以上開いたぁー!!!」


観客が皆、大声で歌う。らっさい、らっさい!この娘の応援歌らしい。

京太郎「らっさい!!らっさい!!!!」

咲「大方の予想通り、今回は人類が勝つかもね、京ちゃん」

京太郎「あたりまえよ、誰が打ってると思ってるんだ!?あれは俺の……」

咲「でもまだ対面の余裕の表情は崩せない。」

会場の巨大なスクリーンに不敵に笑うAIの顔が映し出された。

京太郎「あっ!」

知っている。俺は、この人を知っている!!つい5分前まで、俺はこの人と話していた。俺はこの人と出会って人生が変わった。俺はこの人のお陰で多くの人と出会えた。

この人のお陰でーー俺の娘は、今、この世に生を受け、人類の希望を背負って戦っている。

咲「Akasaka Ikunoは間違いなく、世界最強の人工知能だよ。あれが産まれてから、人類の歴史は大きく狂いはじめた。その決着を、今ーー!」

京太郎「やめろおぉぉぉ!!」

気がつけば叫んでいた。俺の、最愛の娘の、最大の敵が、俺の恩師の先生で。赤阪先生は人類の敵??ならなぜ、あんなことを??きっと何かの間違いだ。何かの間違いで、人類は人類同士で殺し合いをしているんだ!!

そうだと言ってくれ、赤阪先生!

オーラスの配牌が配られる。観客は固唾を飲んで、最後の審判を待つ。

↓1
挑戦者:明華の娘 85/97/60 赤阪評『人類の到達点』 総合評価:A+
コンマゾロ目で人類敗北


歓喜の歌が街中で聞こえる。

白い人も、黒い人も、黄色い人も、すべての人がこの日、勝利の酒に酔った。

勝った娘の顔は見えない。負けた赤阪先生は、笑っていた。

人々は喜びの渦に、娘を讃える歌を叫ぶ。

俺はそんな人々を尻目に、卓へ向かった。

照明が落ちて静まり返った試合場で、1人、赤阪先生が座っていた。

京太郎「……勝負は、見届けました」

赤阪「ご苦労、須賀くん。それじゃあもとの時代に帰ってええよ~~」

京太郎「あのっ!最後に……ウチの娘は強かったですか?」

赤阪「そこは父親似じゃなくてえかったな~~強かったよ~~ウチの眼鏡に間違いはなかった、と負け惜しみでも言っておこうか~~」

ピピピ……頭の中で音がした。どうやら、時間らしい。

また、視界がブラックアウトした。


「パパ~~どうしたの~~?」

京太郎「あれ?なんか夢でも見てたのかな?明華、赤阪先生今日遊びにきてなかったっけ?」

明華「赤阪先生?さあ……最近母校の麻雀部の指導が忙しくてめっきり顔出してくれなくなったじゃあありませんか」

うーん……記憶がぼんやりしている……

「変なのー」プチプチ

娘は最近、妻の買った無限プチプチにハマっている。暇があればいつもプチプチを潰している。なんて非生産的なんだろう。

「で、パパ、プレゼントは~?」

そうそう、5歳の誕生日だ。妻と前々から相談していた。5歳になったら、これを渡そうって。

京太郎「はい、パパとママからのプレゼント。麻雀牌セットだ」

「まーじゃん?」

京太郎「ああ、麻雀とはーー」

これでいい。人類は救われる。いつの日か、俺達の娘が、巨悪を討つのだ。

TRUE END!

カン!ご支援誠にありがとうございました!

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