ルビィ「本当にそこにいるみたい」刃牙「リアルなら可能だ」 (27)

その日ルビィは日が完全に落ちるまで一人で海辺で練習していました

ルビィ「えい!えい!」ビシビシ

ハアハアハア

ルビィ「うう...もうだめぇ」ヨロッ

しかし、疲労といくら練習しても上手くできない悔しさで膝をついてしまいした

いい機会だとそのまま横になったまま静かに波の音に耳を傾けていると静かな砂浜にジャリジャリと足音が響き渡る

そっちの方へ目を向ける、そこには

刃牙「フシューッ」

見るからにガタイの良い男の人が立っていました

それが私と「その人」

刃牙さんとのファーストコンタクトでした

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511529379

刃牙「さてと」スッ

ルビィ(何やってるんだろう)

ルビィ(目の前に置いてあるのって、あれ...)

ルビィ(虫かご、中身は)

「蟹?」

バギィッッ

私が五センチにも満たない蟹に目を取られているうちにそれは始まっていました

ルビィ「びぎゃあああ!?」

その時に上げた声は今まであげてきた悲鳴の中でもダントツの一位になると思いますよ、だって

刃牙「強固(かって)え!!っっっ」

五メートルにもなりそうな巨大蟹とさっきの男の人が戦っているのですから....

刃牙「あ?女の子!?」

ルビィ「ぴギィ...」ガクガク

刃牙(なんでこんな時間に?そもそも始まってまだ三十秒だぞ?なんで...)

「見えているんだ?」

刃牙「つーかヤバ!!」

ルビィ「ヒッ!!」

「蟹がこっちにっっっ」

もちろん、私は腰が抜けて動けませんでした

刃牙(仕方ねえ!!本当は殻をぶち破りたかったんだけど!!)

ゴキブリダッシュ!!

刃牙(上からはTレックスの牙でも壊れないほど硬くてもっっ)

「下からなら!!」 ゴッシャアアアアア

それはそれは、本当に本当にすごい光景でしたよ、五メートルの蟹が破裂して中から人が出てくるんですから

まあすべて「想像(イメージ)」でしかないんですけど

刃牙「大丈夫かい?」

ルビィ「はっ...はっ....はい...」ポロポロ

ルビィ「こっこわっっ....怖かった...」ポロポロ

刃牙「おっとっ...」

刃牙(悪い事したかな...)

刃牙「そうだっ」ピーン

刃牙「キミ、ケーキは好きかい?」

ルビィ「えっ...」グスグス

ルビィ「はい」コクコク

刃牙「それじゃあ、ほら」スッスッ

ルビィ(ホールケーキを切ってる.....)

ルビィ(フリ?)

刃牙「お食べ」スッ

ルビィ「は、はいっ」

ルビィ(どうしよう、言われるままに手に取っちゃった...)

「何も持ってないのに」

刃牙「あまーい、クリームにイチゴ」

刃牙「考えてただけで奥歯が痛くなっちゃうなぁ」

ルビィ「クリームにいちご...歯が痛くなるほどに」

「甘い...」

刃牙「それじゃあ、いただきます」パンッ

パクッ

刃牙「うーん、甘いっっ!!」

ルビィ「・・・」ジーッ

ルビィ「」ゴクリッ

刃牙「ほら君も遠慮しないで!」

ルビィ「は、はい!」

ルビィ(どうしよう...)オロオロ

刃牙(さすがに戸惑っているか...まあ仕方n)

刃牙(いや!!違う!!この子っっっ!!)

ルビィ「いちごから...やっぱり最後に...」

刃牙(いちごを最初に食べるか最後に食べるかで悩んでるのか!?)

刃牙「ハハッ...すっげえ」

ルビィ「ごちそうさまでした!!」

刃牙(見事に完食したよこの子...)

ルビィ「あっ!!」

刃牙「いっ!?どうかした?」

ルビィ「どうしよう...お姉ちゃんにご飯の前には何か食べるなって言われてるのに...」

刃牙「ぷっ...あははは!!」

ルビィ「ふぇぇ...」

刃牙「大丈夫だよ、全部イメージなんだからさ」

ルビィ「そっそかぁ、そうだよね!!よかったぁ」

ルビィ「あ、あの!!」

刃牙「ん?」

ルビィ「お兄さんは何者なんですか?」

刃牙「え?」

ルビィ「だって、大きな蟹さんを出して戦ったり、イメージをケーキを出して食べさせてくれたり」

刃牙「うーん、なんだと思う?」

ルビィ「え、えっと」

ルビィ「魔法使いさん...ですか?」

刃牙「ハハッ!!こんな図体で?」

ルビィ「それじゃあ、武闘家さんですか?」

刃牙「そっちはあながち間違いじゃないかもな」

ルビィ「それじゃあなんで、こんな事が出来るんですか?」

刃牙「うーん、想像(イメージ)の力かな?」

ルビィ「想像(イメージ)?」

刃牙「そう、ここに無い物でもあるっ!!って、リアルに鮮明に想像するんだ」

ルビィ「想像...」

刃牙「そうすれば...」

「なんでも作れる」

ズズズズズズ

その時に私の横にいたはずの刃牙さんは後ろに吹っ飛びました

刃牙「やっぱりいいパンチだ」

おそらく、目の前に現れた外国人のボクサーさんにやられたんだと思います

ババババババババ

刃牙「重要なのはリアリティだ!重さ、大きさ、そして何より」

「力」

ガキッ

ルビィ「キャッ!!!」

一際大きい振りのパンチをギリギリで避けて刃牙さんは続けました

刃牙「それらを己の中で鮮明に掛け合わせて、よりリアルに近づける、それが出来れば」

バッキャアッ!! 刃牙さんのハイキックを顔面に受けてボクサーは倒れて、そのまま消えました

刃牙「こうして、その場にいない人とも戦えるんだ」

刃牙「そして、たぶんキミにもできる事だ」

ルビィ「へ?」

刃牙「なぜならキミは最初から蟹の姿が見えていた、ケーキを完食できた」

刃牙「それだけできたってことは想像力(この力)がすごいって事だからね」

ルビィ「私にも?で、でも...こんなすごい力、しかも、出来ても何を出せばいいか」

刃牙「・・・」

刃牙「キミ、何かやってるの?」

ルビィ「え?」

刃牙「筋肉の付け方が違うからね」

ルビィ「はい、アイd....いえっ、ダンスを」

刃牙「ダンスか...」

刃牙「なら、手本となれる選手を作れる」

ルビィ「・・・」

刃牙「観客も会場も、それって凄いアドバンテージになると思うよ」

ルビィ「アドバンテージ?」

刃牙「そうだ、本番と同じ環境でいつでも誰かのモノを見れるなら」

ルビィ「どうやってやるんですか?それ(想像)って」

刃牙「ははっ、そうこなくっちゃ」

刃牙「まずはイメージ、次にイメージ」

ルビィ「ん、むむ...」

刃牙「そうだな、まずは見知った仲の人からで慣れていこう」

ルビィ「はい...」

ルビィ(見知った仲?誰が良いんだろうaqoursの誰かが良いかな?それでもっと仲の良い...そうだ)

ルビィ(お姉ちゃん...うん、それがいい)

刃牙「人物を決めたら詳しく思い出していくんだ!!姿、色、感触」

ルビィ(お姉ちゃん...お姉ちゃん....)

刃牙「つっ...!!」

刃牙(きた...こんなに早く!!)

ズズズズ

ルビィ「お姉ちゃん...お姉ちゃん...」

刃牙「そしたらこっちのもんだ!!相手の強い部分や自分の弱点を徹底的に洗い出せ!!」

ルビィ「それじゃあ、行くよお姉ちゃん」

キュッ キュッ 

刃牙(なるほど、これが...)

「ダンスか」

ルビィ「うっ、またさっきの所が!!」ヨロッ

ガシッ ギュッ

ルビィ「お姉ちゃん...」

ダイヤ(想像)「フフッ」フルフル

ダイヤ(想像)「・・」キュッキュッ

ターンターン

ルビィ「そうなんだ...ここはこうなってて...」

刃牙(なるほど、そういう使い方もあるか...)

刃牙(ほんと天才だよ)

ルビィ「よしっ!!もう一回!!」

ターンターン

ルビィ「やった!!やったよお姉ちゃん!!」

スウー....

ルビィ「あっ、消えちゃった...」

刃牙「いつまでもは頭が続かないからね、でも」

刃牙「初めてにしては上出来、いやそれ以上か」

ルビィ「あの、ありがとうございます!!」

ルビィ「あなたのおかげで私、こんなにすごい技を!!」

刃牙「...刃牙でいいよ」

ルビィ「刃牙...さん...えへへなんか照れ臭い」

刃牙「まっ、とにかく!」

刃牙「これはアドバイスはどうあれ君が手に入れた力なんだから俺に感謝なんかしなくてもいいさ」

刃牙「なんにせよ俺はそろそろ行くよ、夜も遅いし」

ルビィ「あっ!!こんな時間!?」

刃牙「送っていこうか?」

ルビィ「いえ、家近くなので」

刃牙「そう?なら悪いけどこの後用事あるから」

ルビィ「あ、あの!!」

刃牙「ん?」

ルビィ「ありがとうございました!!機会があればダンスも見てください」

刃牙「フッ」フリフリ

タッタッタッタ

そうして、何も言わず、振り返りもせず、超ド級の台風は去っていった

黒澤家

ルビィ「た、ただいまー」ビクビク

「こら!!ルビィ!!」

ルビィ「ひっ!!」

ダイヤ「こんな時間まで何やっていたんですの?門限はとっくに過ぎてますわよ!!」

ルビィ「ちょっ、ちょっと色々「問答無用!!お尻ぺんぺんの刑ですわ!!」

ルビィ「ひっ!!」

パッ

その時、私の体は一人でにお姉ちゃんの手を振りほどいていた

ダイヤ「何ですの?その態度は...」フルフル

ルビィ「こ、これは」

ダイヤ「あああああああ」バッ

ルビィ「きゃああああああ」

しかし、不思議なことに何度やっても何度やってもお姉ちゃんは私を捕らえることはできませんでした

そうして、十分ぐらいたったころには

ダイヤ「ハア...ハア...まあ、今日は特別に許します、しかしもう二度とこのようなことが無いように...」ハアハア

ルビィ「は...はーい」

お姉ちゃんから止めてしまいました

部屋

ルビィ「ふう、さっぱりしたー...」ググーッ

ルビィ(どうなっちゃったんだろう、私の体...昨日まではお姉ちゃんにまったくかなわなかったのに)

ルビィ「まあいいやμ’sのDVDでも見よ」

ルビィ(そういえば、刃牙さんに私の名前を教えてないや...)

ルビィ(こんなにすごい技を教えてもらったのに...)

ルビィ「...あっ、もしかして」

ルビィ「μ’sもこの力で作れるんじゃ?」

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